JP4674678B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技者の技術レベルやセンスが遊技結果に反映される技術介入性のある遊技機や攻略要素のある遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パチスロ、パチンコ等の遊技機は、マイコン制御との組合わせにより多彩かつ奥深い遊技性を具備するに至り、攻略雑誌等により人気遊技機の仕様や攻略要素が紹介され、また、家庭用ゲームソフトとして模擬化され、自宅に居ながらにして疑似実戦が楽しめるようになっている。これらパチスロやパチンコは、内蔵するマイクロコンピュータの制御により勝ち負けは時の運という面はあるが、個々の遊技機の制御特性や癖の範囲内で一定の攻略要素があり、遊技者の技術レベルやセンスが遊技結果に反映し、上級者と初級者とでは出玉に大きな差がつくことがある。
【0003】
パチスロを例にいうと、コインの払出しを受けるためには、スタートレバーを叩いた瞬間に抽出される乱数がある入賞役の範囲に内部当選すること、その内部当選した入賞役に対応した図柄を4コマの引込み範囲内で入賞ラインに並ぶように所定のタイミングでストップボタンを押すことの二条件が必要になる。このため、遊技者がより多くのコインを獲得するには、図柄配列の理解を含めたストップボタンの操作技術の向上と、内部当選の的確な内容の把握が重要になる。
【0004】
更に具体的にいうと、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの場合、ボーナスに内部当選したフラグ成立ゲームでボーナス図柄を揃えられなくとも、ボーナスフラグは次ゲーム以降に持ち越され、ボーナス図柄が実際に揃うまで何回もチャンスは与えられるが、1リール中に含まれるボーナス図柄が本来的に少ないこと、リーチ目と呼ばれる独特のリールの停止出目やランプ等によるフラグ報知態様からボーナスフラグの成立を的確に把握することが万人に容易とは限らないことから、初級者はフラグ成立ゲームからボーナス図柄を実際に揃えるまでに数多くのゲームを無駄に費やすことになる。
【0005】
また、ボーナスに内部当選する以前の最も頻繁に行われる一般遊技では、成立する入賞役は小役かリプレイであるが、ボーナスのフラグと異なり内部当選結果を次ゲーム以降に持ち越せないため、100%の引込みが保証された入賞役以外で取りこぼしが生じる。この場合、リールの図柄配列等から特定の図柄を狙い打ちし、取りこぼしを一掃できる所謂DDT打法と呼ばれる攻略法や、これに小役の当選確率と目押しに要する時間効率を加味した効率的な打法等が存在するが、初級者は先ずこのような攻略打法の認識に乏しく、また、仮に知っていても回転しているリールの図柄を的確に読み取って適正タイミングでストップボタンを押す所謂目押し力に劣るため、小役の取りこぼしが少なからず起こる。
【0006】
さらに、ビッグボーナスゲーム中は、リプレイ図柄の三つ揃いで始まるレギュラーボーナスを最大許された2回又は3回の規定回数だけ早期に消化してしまうよりも、30回等の制限回数内のビッグボーナスゲーム中の通常ゲームの途中で、リプレイ図柄の三つ揃いを敢えて外してレギュラーボーナスへの突入を回避し、当選確率が通常よりも高められた小役を適当に取る、所謂リプレイハズシと呼ばれる攻略法を駆使しながら規定のボーナスゲームを消化するのが得であるが、目押し力に劣る初級者には難しく、上級者と比べてコインの獲得枚数は減ってしまう。
【0007】
さらにまた、ビッグボーナスゲームの終了後に乱数抽選に基づくリールの停止制御を中止するチャレンジタイム(CT)搭載機では、CT中は本来目押しにより小役入賞を任意に勝ち取り、規定の純増獲得枚数近辺にコインを維持しながらボーナス抽選の機会を長期に保つ所謂CTマックス打法と呼ばれる攻略法があるが、目押し力に欠ける初級者はCT中は4コマの引込みアシストを利用できないことから逆にコインを減らす結果になり、目押し力が上級者ほどでない中級者はCT中の規定ゲーム数を消化する前に規定の純増獲得枚数を超過してしまい、コイン持ちが良い有利な状況下での再度のボーナス突入の機会を早々に失ってしまう結果になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
結局、以上のような攻略法等を駆使して有利に遊技を進めるためには、リールの図柄配列の理解を含めた目押し力の向上、遊技状況ごとの内部当選結果の的確な把握、これらを前提にしたその時々の最適な操作手順の習得が重要となるが、実際にそこまで遊技機の知識や操作技量を万人に求めることは困難であり、初級者には十分な満足が与えられないばかりか、遊技者層が狭められ、多彩な遊技性に相反して遊技を敬遠する世代も少なからず存在するというのが実情である。
【0009】
ここで、遊技機に遊技者の技術力をサポートする機能を付加することについて検討する。サポート機能には、例えば、狙いの図柄を入賞ライン上に停止可能な操作タイミングを、ランプや液晶画面等の表示手段、スピーカ等の音発生手段、バイブレータ等の振動発生手段などで報知するもの、ボーナスのフラグ成立時等の所定条件を満たすとリールの回転を減速させて図柄を認識し易くするもの、リール配列を表示してどのリールのどの位置にどの図柄があるかを明示させるもの、液晶画面等にメインリールと同期した疑似リールを表示させて狙いたい図柄にマークを付けたり強調表示させたりして図柄を認識し易くするもの、その時々の遊技状況に応じて最も有利な攻略法を教示するもの、成立フラグを表示して今回のゲームでどの入賞役を揃えるべきかを示唆するもの、入賞役の取りこぼしグラフ等により遊技の評価が行えるもの等が考えられる。
【0010】
しかし、これらのサポート機能を単に遊技機に付加し、初級者・上級者の区別なく一律にそのサポートがいつでも働くものとするのは得策ではない。
【0011】
すなわち、どの技術レベルの遊技者に合わせたサポート機能かによって変わるが、全くの初心者用の手厚いサポート機能であるならば、一律に遊技が簡単になるだけであり、技術の研鑽を重ねてきた上級者にとって不要であるばかりか却って面白くないものとなり、真の意味での平等化は図れない。一方、上級者用のサポート機能を一律に付与しても、初級者にはずっと意味すらも分からず、却って徒に遊技を複雑にするだけであり、サポート機能たり得ない。
【0012】
本発明では、一律にいつでもサポート機能を作動させる場合のような初級者と上級者の悪平等化やサポート機能の有名無実化といった弊害がなく、適正状況下で平等にサポートを付与できる優れたナビゲーション機能を有する遊技機を提供することを課題とする。
【0013】
請求項1記載の発明は、遊技機であって、複数の図柄を可変表示させる複数列の可変表示手段と、内部当選役と決定された遊技で入賞しなかった場合に次遊技以降に当選フラグを持ち越す複数種類のボーナス役、及び内部当選役と決定された遊技で入賞しなかった場合に次遊技以降に当選フラグを持ち越さない複数種類の小役、を含む複数種類の役から内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、前記複数列の可変表示手段を個別に停止させるための遊技者が操作可能な複数の停止手段と、各前記役は、各々入賞となる図柄の組み合わせが予め定められており、前記停止手段の操作タイミング及び前記内部当選役に基づいて入賞ライン上に各列所定の図柄を停止させる停止制御手段と、遊技者にとって有利な状態が終了してからの遊技回数を計数する計数手段と、前記内部当選役決定手段により決定された内部当選役の報知を、前記複数列の可変表示手段を可変表示させるためのスタートレバーが操作された後であって前記複数列の可変表示手段の可変表示中に行う報知手段と、を備え、前記報知手段は、液晶ディスプレイから成る画像表示装置であり、前記計数手段が前記所定の遊技回数を計数したことを条件に、以降の遊技において前記内部当選役決定手段が決定する内部当選役のうち第1の種類の内部当選役の報知を実行し、前記計数手段が前記所定の遊技回数よりも多い遊技回数を計数したことを条件に、以降の遊技において前記第1の種類の内部当選役に加え、第2の種類の内部当選役の報知を実行し、前記報知手段による前記第1及び第2の種類の内部当選役の報知は、前記複数列の可変表示手段に描かれた複数の図柄の画像のうち、前記内部当選役決定手段により決定された前記第1及び第2の種類の内部当選役が入賞となる図柄の組み合わせの画像を前記画像表示装置に表示させる報知であることを特徴とする。
【0015】
【0016】
【発明の作用効果】
請求項1記載の発明では、複数の図柄を可変表示させる複数列の可変表示手段と、内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、前記複数列の可変表示手段を停止させるための遊技者が操作可能な停止手段と、前記停止手段の操作タイミング及び前記内部当選役に基づいて入賞ライン上に各列所定の図柄を停止させる停止制御手段と、遊技者にとって有利な状態が終了してからの遊技回数を計数する計数手段と、前記内部当選役決定手段により決定された内部当選役の報知を行う報知手段と、を備え、前記報知手段は、前記計数手段が所定の遊技回数を計数したことを条件に、以降の遊技において前記内部当選役の報知を実行することを特徴とする。このため、一律にサポート機能を付与するものと異なり、適正な状況下で平等にサポートを付与し得る。
【0017】
請求項2記載の発明では、前記報知手段は、前記計数手段が前記所定の遊技回数を計数したことを条件に、以降の遊技において前記内部当選役決定手段が決定する内部当選役のうち第1の種類の内部当選役の報知を実行し、前記計数手段が前記所定の遊技回数よりも多い遊技回数を計数したことを条件に、以降の遊技において前記第1の種類の内部当選役に加え、第2の種類の内部当選役の報知を実行することを特徴とする。このため、初級者にも小役の取りこぼしを少なくでき、上級者にも厳格な目押しを緩和できる。
【0018】
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用したパチスロ機すなわちパチンコ型スロットマシンである。コインには、直径25mm前後の遊技メダルが使用される。遊技機本体1は、箱形の筐体11及び前方に開くフロント扉12を有する。上から、遊技状態表示器1A、配当部パネル1B、リール部パネル1C、スイッチ類設置部1D、腰部パネル1E、前面スピーカパネル1F、コイン受皿1Gを備える。スイッチ類設置部1Dには、複数のコインを同時に受入れるコイン一括投入口2、液晶ディスプレイから成る画像表示装置3を設けている。尚、コイン一括投入口2に代え、一枚ずつコインを受入れる現行標準のコイン投入口を用いてもよい。
【0020】
図2に示すように、リール部パネル1Cの奥には、外周に「赤7」や「チェリー」等の図柄を描いた左中右3列のリール4L,4C,4Rから成る可変表示手段4を内装している。停止状態では各表示窓40L,40C,40Rの窓越しに、上中下3個の図柄がはっきりと見える。
【0021】
1ゲームの賭けコイン数はベットスイッチ5で決定する。1回の押圧で3枚、2回の押圧で2枚、3回以上の押圧で1枚と順次賭け枚数を減らし、最も頻度の高い3枚賭け遊技を1回の押圧で行う。もっとも、逆に押圧回数に賭け枚数を比例させてもよいし、1〜3枚の賭け数に対応させて個別のベットスイッチを設けてもよい。賭け枚数に応じ、1枚なら中央のラインL1が1本、2枚なら上下のラインL2,L2を加えた3本、3枚なら斜めのラインL3,L3をも加えた5本が有効になる。有効化された入賞ラインに対応して横の表示ランプE1〜E3が点灯する。尚、レギュラー又はビッグボーナスゲーム中のジャックゲームでは、ベットスイッチ5の押圧回数に拘らず常に1枚賭けが選択される。
【0022】
1ゲームの起動は、コイン賭け状態において首振り自在なスタートレバー6を叩く。すると、3列のリール4L,4C,4Rが一斉に回転する。左中右の3個のストップボタン7L,7C,7Rから成る停止手段7の操作によりリール4L,4C,4Rは個別に停止し、有効ライン上に並ぶ図柄の組合わせにより入賞の有無、賞の大小によるコイン払出枚数が決定される。
【0023】
画像表示装置3には、各リール4L,4C,4Rと同じ図柄を表示しながら同期して回転及び停止する疑似リール3L,3C,3Rを表示している。画像表示装置3の前方には、操作スイッチ8を設けている。このスイッチ8は、画像表示装置3上のカーソル80を上下左右に移動させる上ボタン81、下ボタン82、左ボタン83、右ボタン84を有すると共に、決定ボタン85及び取消ボタン86を有する。
【0024】
図2中、13は、所定数50枚を上限としてコインを後のゲーム分まで予め記憶させておくクレジット状態と、そのクレジット分のコインを受皿1Gに払い出す清算状態とを切替える清算スイッチである。
【0025】
図3に示すように、各リール4L,4C,4Rには、コードナンバー1〜21で区分する21個の図柄をもつ。図柄は、3種類のボーナス図柄「赤7」、「鳥」、「BAR」、3種類の小役図柄「ぶどう」、「羽」、「チェリー」、一つの「リプレイ」図柄の全7種ある。各メインリール4L,4C,4Rの帯の上端と下端は相互に結ばれ、輪状となる。回転方向は矢印の向きの通りである。
【0026】
図4に示すように、入賞役には、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、小役、リプレイ、ジャックゲーム入賞役がある。左リール4L一本で入賞が確定する「チェリー」は、3枚賭け時に上段又は下段に止まると4枚の払出となる。このパチスロは所謂Aタイプと呼ばれる機種に属し、ビッグボーナスでは、とりわけメイン小役「羽」−「羽」−「羽」の入賞確率等がビッグボーナス以外の一般遊技時よりも高められた30回の通常ゲームの間に、リプレイ図柄の三つ揃いで始まる、1セット12回のジャックゲームにより15枚の払出しを最大8回まで受け得るというレギュラーボーナスを3セット行え、360枚前後のコインを獲得できる。もっとも、ビッグボーナス中のレギュラーボーナスを2セットとしたBタイプや、このBタイプにCT遊技を付加したB−CTタイプ、シングルボーナスの集中役を搭載したCタイプなど他のタイプの機種であっても勿論よい。
【0027】
図5は、遊技の全体を制御する制御装置のブロック図である。マイクロコンピュータCPU、読出し専用メモリROM、ランダムアクセスメモリRAMで構築するメイン制御部9を有する。91はクロックパルス発生回路、92は分周器、93は乱数発生器、94は乱数サンプリング回路である。スタートレバー6を叩いた瞬間に抽出する乱数値とROMに記憶された入賞テーブルTBVとの比較判定に基づいて内部当選の有無及び入賞役を決定する。ビッグボーナス又はレギュラーボーナスの内部当選結果であるボーナスフラグは次ゲーム以降にも持ち越し可能であるが、小役及びリプレイの内部当選結果は当該ゲーム限りである。
【0028】
入力側には、コイン一括投入口2から投入するコインを検出する投入コイン検出器20、ベットスイッチ5、スタートレバー6、画像表示装置3の操作スイッチ8、清算スイッチ13、ストップボタン7L,7C,7Rを入力とする停止信号回路95、リール4L,4C,4Rの位置検出回路96、内蔵するコイン払出ホッパーの払出信号回路97を接続している。
【0029】
出力側には、リール4L,4C,4Rに直結する各ステッピングモータSL,SC,SRの駆動回路98、画像表示装置3の駆動回路99、コイン払出ホッパーの駆動回路100、遊技状態表示器1Aやメインリール4L,4C,4R背後のバックランプ等を駆動する表示器駆動回路101、スピーカと結ぶ効果音出力回路102を接続している。
【0030】
スタートレバー6が叩かれ、各リール4L,4C,4Rが定速回転に達した後、各ストップボタン7L,7C,7Rの操作が許され、該ストップボタン7L,7C,7Rを各押すと、停止信号回路95及び位置検出回路96の入力並びにROM上の停止制御テーブルTBCに基づき、最短停止図柄から4コマ先までの計7コマ分の図柄をチェックし、内部当選した入賞役に該当する図柄がある場合は該図柄が有効な入賞ライン上に並ぶように引込み制御すると共に、内部当選していない他の入賞役が成立しないように蹴飛ばし制御し、各リール4L,4C,4Rを停止させる。
【0031】
内部当選の無い外れの場合は、如何なる入賞役も成立しないように各リール4L,4C,4Rを停止させる。ボーナスフラグが持ち越されたボーナス内部当選中のゲームでも、ボーナス以外の抽選はなされ、小役又はリプリイに内部当選した場合は、該小役又はリプレイの内部当選結果を優先して引込み及び蹴飛ばし制御し、各リール4L,4C,4Rを停止させる。
【0032】
ビッグボーナスの内部当選確率は、例えば1/240(設定6)〜1/297(設定1)、レギュラーボーナスのそれは1/364〜1/468程度、ビッグ及びレギュラーのボーナス合成確率は1/240+1/364=約1/145(設定6)〜1/297+1/468=約1/182(設定1)と低いが、一度内部当選すると、フラグ成立ゲームでボーナス入賞を勝ち取ることができなくとも、チャンスは消失しない。しかし、1リール中に含まれるボーナス図柄が少ないことから、目押し力に欠ける初級者には、4コマの引込みアシストによってもボーナス図柄を揃えることは容易ではない。
【0033】
尚、ビッグボーナスの場合、単独のレギュラーボーナスと異なり、1枚賭けのジャックゲームから始まるのではなく、3枚賭け標準の小役も取れる通常ゲームから始まる。このビッグボーナス中の通常ゲームでは、「リプレイ」図柄の三つ揃いによりレギュラーボーナスに突入し、ジャックゲームが始まる。その突入の内部確率は例えば1/4.267と高い。同時に、メイン小役である「羽」の三つ揃いは一般遊技時の1/11.394から1/2.215に目立って高くなり、「羽」−「羽」−「鳥」役も一般遊技時の最高値1/19.275から1/4.091に高くなる。配当も大きくなる。3セットのレギュラーボーナスか30回の通常ゲームの完了でビッグボーナスは終了する。
【0034】
ビッグボーナス終了後は、一般遊技に戻り、再度のボーナス入賞を期待することになる。しかし、ボーナス入賞するためには、乱数抽選によりボーナスに内部当選することが前提となり、これに当選するか否かはスタートレバー6を叩いた瞬間に抽出される乱数値で決まり偶然性に支配される。従って、短期間のうちに再度のボーナスに至る所謂連チャンが起こる場合もあれば、所謂引きが悪く、長期間にわたりボーナス当選に至らない大ハマリに合う場合もある。このような大ハマリに合っているときに、小役の取りこぼしをできるだけ少なくするのが特に有効である。コインの目減りを抑制しながら再度のボーナス当選を期待するのが得となるわけである。
【0035】
そこで、前回のボーナス終了後所定のゲーム数を経ても再度のボーナスに至らないとき、入賞図柄(内部当選にかかる当選図柄)を入賞ライン上に揃えるのに役立つサポート手段を作動許可する。この一般遊技中のサポート手段の第1実施形態は、ボーナス終了後のゲーム数が300回まではサポートを付与しないが、301回以上600回以下で、2枚「チェリー」と4枚「チェリー」の内部当選がある場合、図6に示すように、画像表示装置3上にその内部当選図柄36を表示させる。さらに、ゲーム数が601回以上で、10枚役の「羽」−「羽」−「羽」と1枚役の「羽」−「羽」−「鳥」の内部当選がある場合も、その内部当選図柄36を表示させる。報知は、スタートレバー6を叩いた後、図柄表示装置3上に、内部当選図柄36を表示することにより行う。
【0036】
前回のボーナス終了後、再度ボーナスに当選しないでボーナスフラグが立たないゲーム数が301回に達する確率は、例えば設定1ならビッグ及びレギュラーのボーナス合成確率が1/182であるから、(1−1/182)**301=(181/182)**301=約19(%)(**はべき乗)、同じく601回に達する確率は(181/182)**601=約3.6(%)となる。
【0037】
そして、301ゲーム目からは、図6に示すように、2枚「チェリー」の内部当選がある場合は「チェリー」が1つの内部当選図柄36が、4枚「チェリー」の内部当選がある場合は「チェリー」が2つの内部当選図柄36が表示される。このため、左リール4L上にほぼ半周隔てて配置されているコードナンバー9番と20番の「チェリー」を許容引込みコマ数の範囲内で表示窓40Lの枠内に停止させればよいことが判り、逆に、9番か20番の「チェリー」が下段の入賞ラインを通過した後数コマのデッドタイミングで停止操作してしまうと次に回ってくる半周隔てた「チェリー」(9番の次の20番「チェリー」は11コマ先、20番の次の9番「チェリー」は10コマ先)を引き込むことができないため、このようなタイミングで停止操作すべきでないことが判る。
【0038】
さらに、601ゲーム目からは、2枚又は4枚「チェリー」の内部当選図柄36の表示に加え、10枚役の「羽」−「羽」−「羽」の内部当選がある場合は、図6に示すように「羽」が3つ並んだ10枚役の内部当選図柄36が表示され、1枚役の「羽」−「羽」−「鳥」の内部当選がある場合は、「羽」が2つと「鳥」が1つ並んだ1枚役の内部当選図柄36が表示される。このため、10枚役の内部当選図柄36が表示された場合は、各リールに多数分散状に配置されている「羽」を引込アシストにより揃えることができ、全リールおやじ打ちでよいことが判り、1枚役の内部当選図柄36が表示された場合には、右リール4Rについてコードナンバー11、12、13の「鳥」「羽」「鳥」のかたまりを狙うべきであることが判る。
【0039】
これにより、初級者にも小役の取りこぼしを少なくでき、DDT打法を実践できる上級者にも厳格な目押しを緩和できる。尚、内部当選図柄36を表示させるゲーム数条件や内部当選図柄の表示の対象とする小役は種々変更可能である。
【0040】
すなわち、例えば、ゲーム数601回以上で、10枚役と1枚役の内部当選図柄36の表示に加え、14枚役の「ぶどう」−「ぶどう」−「ぶどう」の内部当選がある場合、その内部当選図柄36をも表示させてもよい。また、ゲーム数が601回をさらに超える例えば901回以上で14枚役の「ぶどう」−「ぶどう」−「ぶどう」の内部当選がある場合、その内部当選図柄36をも表示させてもよい。さらに、任意のゲーム数例えば501回以上で、全ての小役の内部当選図柄36を表示させてもよい。
【0041】
ところで、以上のものでは、ビッグ又はレギュラーの特定のフラグが所定ゲーム数の間成立しないという、遊技中において所定確率で起こる特定の条件下で、小役という特定の役の内部当選結果をその内部当選図柄36の表示により報知したが、特定の役の内部当選結果を報知する条件は種々変更可能である。例えば、本出願人を特許権者とする特許第1855980号(特願昭63−65543号、特公平5−74391号)のように、大ヒットフラグすなわちボーナスフラグといった特定のフラグの成立を契機として特定の役の内部当選結果を報知するようにしてもよい。
【0042】
尚、特許第1855980号は、表示窓内にそれぞれ所定の図柄を表示する複数のリールを乱数値に応じて停止するように制御する制御装置を備えたスロットマシンにおいて、前記制御装置は遊技中特定の条件が達成された時には予め定めたゲーム回数分、前記乱数値に応じた停止制御を中止するように構成したことを特徴とするスロットマシンを要旨とし、乱数抽選により当選した役のみを4コマの引き込み範囲内で成立させる従来からの平等性を重視したスロットマシンに、大ヒットフラグの成立を契機とした遊技中の特定条件の成立下で、有限のゲーム回数分、当選役のみの成立を許す従来型の制御を止め、上級者にその熟練度に応じた結果が得られる技術介入性を付与したものであり、現行チャレンジタイム搭載機の基本仕様を決定づける内容のものである。
【0043】
何れにしても、上記のようにビッグ又はレギュラーボーナスフラグという特定のフラグが所定ゲーム成立しないことを契機とする場合にしろ、特許第1855980号のように大ヒットフラグといった特定のフラグの成立を契機とする場合にしろ、遊技中に所定確率で起こる特定条件が達成された時には、特定の役の内部当選結果が遊技者に報知されるため、遊技者はどの図柄を狙って停止操作すればよいかが判る。このため、内部当選した役の入賞の取りこぼしを少なくできてコインの減少を抑制できながら、大きな役であるボーナスの抽選を受けることができ、初級者から上級者にわたり適切なサポートを付与できる。
【0044】
さらに、以上のものでは、再度のボーナス当選に至らないゲーム数が例えば301回以上600回以下という300回の予め定めたゲーム回数分、特定の役である2枚「チェリー」と4枚「チェリー」の内部当選図柄36を表示するようにしたが、予め定めたゲーム回数分の途中であっても、再度のボーナス当選があり、遊技者が有利な状況を獲得すると、内部当選図柄36の表示によるサポートは打ち切られる。このため、遊技者を過剰に保護することにもならず、遊技店側の不利益も問題とならない。
【0045】
一般遊技中のサポート手段の第2実施形態は、ボーナス終了後のゲーム数が500回以上になると、図7に示すように、疑似リール3L,3C,3Rの左横に、全21図柄の配列を明示したリール帯34L,34C,34Rを表示させる。これにより、図柄配列が明確化し、小役の取りこぼしを少なくすることができる。尚、ゲーム数条件等は種々変更可能である。
【0046】
図7中、35L,35C,35Rは、表示窓40L,40C,40Rを通過する3コマの表示窓図柄であって、リール4L,4C,4Rの動きと同期して静止画のリール帯34L,34C,34R中において下から上にスクロールする。スクロールさせる3コマの表示窓図柄35L,35C,35Rは図柄自体や図柄近傍の背景部分の明るさを他と違えて目立つようにしたり、或は、枠囲みやライン等により他と区別するものである。
【0047】
尚、表示窓図柄35L,35C,35Rのスクロール表示をも併用させてもよいし、表示窓図柄35L,35C,35Rのスクロール表示はしなくてもよい。
【0048】
図8は、以上のサポート手段を一覧した表である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した遊技機の斜視図。
【図2】 同遊技機の上部正面図。
【図3】 同遊技機のリール展開図。
【図4】 同遊技機の入賞役一覧図表。
【図5】 同遊技機の制御ブロック図。
【図6】 一のサポート手段である内部当選結果報知の説明図。
【図7】 一のサポート手段であるリール帯表示の説明図。
【図8】 サポート手段の一覧表。
【符号の説明】
3;画像表示装置
3L,3C,3R;疑似リール
34L,34C,34R;リール帯
35L,35C,35R;表示窓図柄
36;内部当選図柄
4;可変表示手段
4L,4C,4R;リール
7;停止手段
7L,7C,7R;ストップボタン
Claims (1)
- 複数の図柄を可変表示させる複数列の可変表示手段と、
内部当選役と決定された遊技で入賞しなかった場合に次遊技以降に当選フラグを持ち越す複数種類のボーナス役、及び内部当選役と決定された遊技で入賞しなかった場合に次遊技以降に当選フラグを持ち越さない複数種類の小役、を含む複数種類の役から内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、
前記複数列の可変表示手段を個別に停止させるための遊技者が操作可能な複数の停止手段と、
各前記役は、各々入賞となる図柄の組み合わせが予め定められており、前記停止手段の操作タイミング及び前記内部当選役に基づいて入賞ライン上に各列所定の図柄を停止させる停止制御手段と、
遊技者にとって有利な状態が終了してからの遊技回数を計数する計数手段と、
前記内部当選役決定手段により決定された内部当選役の報知を、前記複数列の可変表示手段を可変表示させるためのスタートレバーが操作された後であって前記複数列の可変表示手段の可変表示中に行う報知手段と、を備え、
前記報知手段は、液晶ディスプレイから成る画像表示装置であり、
前記計数手段が前記所定の遊技回数を計数したことを条件に、以降の遊技において前記内部当選役決定手段が決定する内部当選役のうち第1の種類の内部当選役の報知を実行し、
前記計数手段が前記所定の遊技回数よりも多い遊技回数を計数したことを条件に、以降の遊技において前記第1の種類の内部当選役に加え、第2の種類の内部当選役の報知を実行し、
前記報知手段による前記第1及び第2の種類の内部当選役の報知は、前記複数列の可変表示手段に描かれた複数の図柄の画像のうち、前記内部当選役決定手段により決定された前記第1及び第2の種類の内部当選役が入賞となる図柄の組み合わせの画像を前記画像表示装置に表示させる報知であることを特徴とする遊技機。
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