JP4672212B2 - データ信号とテレビジョン信号の多重伝送方式及びその光ノード装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光ファイバと同軸ケーブルを用いてデータ信号とテレビジョン信号を多重に伝送する伝送方式及びその光ノード装置に関する。
特に、中央装置と光ノード装置間に第2光ファイバケーブルを設けて、上り帯域と下り帯域に分けることなく全帯域で通信可能とし、その効率を向上させる伝送方式及びその光ノード装置に関する。
本発明は、TV受信機能に影響を与えることなく常時、高速通信を可能とするCATVネットワークシステムに適用できる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、CATVシステムを利用したネットワークシステムがある。それは、一般にローカルエリアネットワーク(以下、LANという)と呼ばれ、市中に配備されたCATVの幹線ケーブルに複数の端末装置を接続し、端末装置間又は端末装置と中央装置との間でデータを送受信するシステムである。このシステムでは、テレビジョン信号は勿論、他に例えば文字データ、映像データ、音声データ等が双方方向に伝送されている。
【0003】
従来のCATVネットワークシステムを図6に示す。CATVネットワークシステムは、CATV局20、CATV局20に設けられた中央装置22、中央装置22に接続された幹線の光ファイバケーブル23、光ノード装置30、光ノード装置30から延出された同軸ケーブル25、同軸ケーブル25の所定個所に設けられた中継装置50、そして分岐ケーブル24に接続された需要家ネットワーク40から構成される。尚、CATV局20はインターネット・インターフェース16を有しており、中央装置22はそれを介してインターネット網10に接続されている。
需要家ネットワーク40は、分岐ケーブル24を伝搬した高周波変調信号(以下、RF変調信号)を分岐/分配する分岐/分配器41、分岐/分配器41に接続された端末装置42、TV受信装置43から構成される。尚、端末装置42には、高周波信号をベースバンド信号に復調、あるいはベースバンド信号を高周波信号に変調する変復調器であるケーブルモデム44が備えられている。
【0004】
このCATVネットワークシステムで用いられる伝送方式は、RF変調信号を周波数多重化して伝送するブロードバンド方式である。上り高周波信号には例えば10MHz〜50MHz帯が、下り高周波信号には90MHz〜770MHz帯が割り当てられている。そして、上記両帯域を用いてデータ信号が上り信号と下り信号で送受信されている。即ち、上りデータ信号は10MHz〜50MHz帯域で伝送され、下りデータ信号はテレビジョン信号の90MHz〜770MHz帯の空き帯域又は、同軸ケーブルの上限周波数帯域(〜900MHz)などが利用されて伝送されている。
【0005】
図7に光ノード装置30を示す。図は、構成ブロック図である。光ノード装置30は、光信号と電気信号を相互に変換する光電変換器31、上り信号を送信する送信器(Tx)34、下り信号を受信する受信器(Rx)33、両信号を分波する分波器35から構成される。
下り信号であるテレビジョン信号と中央装置22からの下りデータ信号が光ファイバケーブル23から入力されると、受信器(Rx)33がそれらを受信し、分波器35、同軸ケーブル25を介して需要家40に送信する。逆に、同軸ケーブル25を介して需要家40から上り信号が入力されると、それらの信号を分波器35で送信器(Tx)34側に分波し、送信器34と光電変換器31で光ファイバケーブル23を介して中央装置22に送信している。
近年では、インタネット等の進展によりデータ通信ユーザーが増大し、待ち時間のない、より効率的な伝送方式が要求されている。即ち、CATVネットワークシステムにおいては、上りデータ信号の帯域の拡大が要求されている。
【0006】
【発明が解決しようする課題】
しかしながら、従来の伝送方式では、上りデータ帯域は、上記のように10MHz〜50MHzのみである。特に、CATVシステム制御用のチャネルを除けば数チャネルとなっている。即ち、需要家数が比較的少ない場合は、良好な伝送効率で通信サービスを提供できたが、近年の需要家増大に対しては効率の低下が懸念されていた。
【0007】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的は中央装置と光ノード装置間に第2光ファイバケーブルを敷設し、或いは予備線の光ファイバケーブルを第2光ファイバケーブルとし、その第2光ファイバケーブルより全帯域に渡る空き帯域通信を可能とすることである。即ち、上りデータ信号の周波数帯域を第2光ファイバケーブルの使用によって、従来の下り信号帯域のTV空き帯域まで拡大して、通信効率を向上させることである。
又、その伝送方式を可能とする光ノード装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載のデータ信号とテレビジョン信号の多重伝送方式は、中央装置から延出された第1光ファイバケーブルと、光ノード装置と、需要家に延出される同軸ケーブルを使用して、データ信号とテレビジョン信号を周波数多重で伝送する伝送方式であって、中央装置と光ノード装置間に第2光ファイバケーブルを設け、光ノード装置に、第2光ファイバケーブルの入出力を変換する光電変換器と、送受信装置と、該送受信装置の入出力を同軸ケーブルに混合する混合器を備え、テレビジョン信号は第1光ファイバケーブルで下り方向に、データ信号は第2光ファイバケーブルで双方向に伝送され、第2光ファイバケーブルに伝送されるデータ信号の周波数帯域は、テレビジョン信号の周波数帯域の空き帯域であり、送受信装置はイーサネット通信装置であって、少なくとも第2光ファイバケーブルにおいては、データはベースバンド方式で伝送され、同軸ケーブルでは上り帯域と下り帯域とを分離させておらず、同軸ケーブルには上り帯域と下り帯域とを分離する分波器、混合器、高域通過フィルタ、又は、低域通過フィルタなどの伝送帯域を制限する回路要素、伝送方向を制限する増幅器が設けられていないことを特徴とするデータ信号とテレビジョン信号の多重伝送方式である。
【0009】
上記第2光ファイバケーブルの敷設は、需要家から中央装置までデータ信号のみ伝送される双方向のデータ専用伝送路を形成することを意味する。従来のシステムでは、一本の同軸ケーブルで上りと下りを伝送するため周波数帯域がガードバンド帯域(例えば、50〜90MHz)で分離されていた。即ち、上りデータ信号は例えば10〜50MHzの帯域で伝送され、下りデータ信号とテレビジョン信号は例えば90〜770MHzの帯域で伝送されていた。又、テレビジョン信号(下り信号)を優先するため従来は上り信号は、下り信号に比較して狭帯域で伝送されていた。本発明では、データ信号専用伝送路(第2光ファイバケーブル)を混合器で従来の同軸ケーブルに混合しているので、上記制約を越えることができる。
【0010】
即ち、光ノード装置の送受信器が上りデータ信号を受信する場合、その受信可能帯域を下り帯域まで拡大して受信するようにする。この拡大は、例えばローパスフィルタ、ハイパスフィルタからなる分離フィルタ(分波器)を用いた拡大でもよいし、又、例えばイーサネット(登録商標)通信装置による拡大でもよい。分波器による拡大とは、ガードバンド帯域を上流側にシフトさせることを意味する。又、イーサネット通信装置による拡大とは、上り信号を下り帯域で受信して、それをベースバンド信号で上流に送信することを意味する。即ち、上り帯域は下り帯域に混在してもよい。このように上り帯域を拡大すれば、より多くの上りデータを送信することができる。又、上り帯域が拡大されるので、通信の待ち時間が低減され、全体としての伝送速度を向上させることができる。
尚、逆に下りデータ信号を上り帯域で伝送させることもできる。例えば、下りデータ信号を上り帯域で第2光ファイバケーブルに送信すれば、光電変換器、送受信器、混合器、同軸ケーブルを経て、需要家の端末装置に送信される。上り帯域にも空き帯域があれば、それを利用して下り帯域を拡大してもよい。即ち、上り帯域の拡大、下り帯域の拡大は、両者を混在させることも含む。勿論、下り方向の上限周波数の拡大であってもよい。
【0011】
空き帯域であれば、データ信号が通常のテレビジョン信号に混入することはない。よって、従来のTV受信にも影響を与えることのない、利便性に優れた伝送方式となる。
【0012】
少なくとも第2光ファイバケーブルにベースバンド方式を採用することは、光イーサネットを採用することを意味する。光ファイバの特性によりRFI(Radio-Frequency-Interference)の放射と干渉が除去され、伝送誤りが減少する。よって、品質のよい伝送が保証される。
又、イーサネット通信装置の後段、即ち需要家にもベースバンド方式を採用する場合には、需要家は変復調器を必要としない。即ち、半2重通信で双方向通信が可能となる。又、イーサネット通信装置は、例えばアドレス制御を行うのでその後段に多数の端末装置を備えることができる。よって、容易にLANを形成することができる。
【0013】
【0014】
請求項2に記載の光ノード装置は、請求項1に記載のデータ信号とテレビジョン信号の多重伝送方式に用いる光ノード装置であって、第2光ファイバケーブルの入出力を光電変換する光電変換器と、光電変換器後段に接続され、その入出力をイーサネット通信方式に変換するイーサネット通信装置と、イーサネット通信装置と同軸ケーブルを接続し、テレビジョン信号とデータ信号を混合する混合器とを備えたことを特徴とする。
【0015】
光電変換器は、第2光ファイバケーブルの入出力を光電変換する。即ち、イーサネット通信装置からの上り信号があれば、電気信号を光信号にして第2光ファイバケーブルに送信する。第2光ファイバケーブルからの下り信号であれば、光信号を電気信号に変換してイーサネット通信装置に送信する。イーサネット通信装置とは、例えばIEEE802.3に準拠した装置である。即ち、イーサネット通信装置は、例えばCSMA/CD方式で伝送すべき伝送路の空き状態を検知し、上り又は下り方向に信号を送信する。下り方向に送信されたベースバンド信号は、混合器によってテレビジョン信号と混合され需要家の端末装置に送信される。
又、需要家の端末装置から下り帯域で、上り方向に送信されたベースバンド信号は、混合器を逆に辿りイーサネット通信装置に入力される。入力されたベースバンド信号は、例えば光イーサネット仕様(100BASE−F仕様)に変換され、光電変換器から光信号で第2光ファイバケーブルに送信される。即ち、従来の光ノード装置に上記のように光電変換器とイーサネット通信装置と混合器を備えれば、上り帯域を拡大して容易にLANを形成することができる。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
本発明において、同軸ケーブルには上り帯域と下り帯域とを分離する分波器、混合器、高域通過フィルタ、又は、低域通過フィルタなどの伝送帯域を制限する回路要素、伝送方向を制限する増幅器が設けられていない。これにより、光ノードと需要家との間の通信は上りと下りとで帯域分離させいないし、帯域を制限する回路要素や、増幅器が存在しないことから、上りと下りの信号を任意帯域に配置させることが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(第1実施例)
図1に本発明のデータ信号とテレビジョン信号(以下、TV信号)の多重伝送方式を説明するCATVシステムを示す。図は、構成の1例図である。本実施例のCATVシステムは、従来のブロードバンド伝送方式を採用するシステムに、データ通信を専用とする光ファイバケーブル21とデジタル機能を有した光ノード装置30を備えたことが特徴である。即ち、データ通信専用のバイパス経路を形成したことが特徴である。そして、通信においてブロードバンド伝送方式とベースバンド伝送方式の両方式を可能としたことが特徴である。
【0021】
本実施例のCATVシステムは、CATV局20,CATV局20に設けられた中央装置22、中央装置22から延出された第1光ファイバケーブルである光ファイバケーブ23、第2光ファイバケーブルである光ファイバケーブル21、光ノード装置30、光ノード装置30から延出された同軸ケーブル25、同軸ケーブル25の所定個所に設けられた分岐器26、そして分岐ケーブル24に接続された需要家ネットワーク40から構成される。
又、光ノード装置30は光電変換器31、32、受信装置(Rx)33、送信装置(Tx)34、分波器35、イーサネット通信装置36、混合器37から構成される。
【0022】
又、需要家ネットワーク40は、分岐ケーブル24を伝搬した例えばベースバンド信号を分岐/分配する分岐/分配器41、分岐/分配器41に接続された端末装置42、TV受信装置43から構成される。尚、端末装置42は、例えばイーサネット・インタフェースを備えたコンピュ−タ装置である。
又、CATV局20は図示しないインターネット・インターフェースを有しており、中央装置22はそれを介して図示しないインターネット網に接続されている。
【0023】
上記構成において、光ノード装置30の送信器34はRF変調信号でデータを中央装置22に送信する装置である。受信器33は、中央装置22からのRF変調信号を受信する装置である。この下り方向のRF変調信号は、TV信号及びデータで変調されたRF変調信号である。これにより、上り方向には例えば10MHz〜50MHz帯で、下り方向には90MHz〜770MHz帯で送信されている(図2(a))。
例えば、上り方向には帯域U0 で下り方向には帯域D0 〜Dn で伝送される。尚、下り方向のデータ信号は上記D0 〜Dn の何れかの帯域であり通常TV信号の空き帯域が使用される。又、50MHZ〜90MHZは、上り帯域と下り帯域を分離するためのガードバンドである。
【0024】
又、上記光ノード装置30のイーサネット通信装置36は、イーサネット規格IEEE802.3に準拠した、例えば100BASE−Xのベースバンド方式でデジタル信号を送受信する装置である。100BASE−Xは、光イーサネットと通常のイーサネットを接続する意味である。この場合は、即ち100Mbpsで伝送する場合は、需要家40と光ノード装置30間を数百メートルの近距離に設定しその通信を半2重で行うものである。
【0025】
信号の流れに従って、各構成要素の作用を説明する。本実施例では、ブロードバンド方式による伝送は、従来通りである。即ち、図2(a)に示す周波数帯域で、TV信号とデータ信号がRF変調信号で伝送されているものとする。従って、ここではベースバンド方式で信号を双方向に伝送する場合のみ説明する。
例えば、需要家40が端末装置42からデータをベースバンド信号で送信する(図1)。ベースバンド信号は分岐/分配器41、分岐ケーブル24、分岐器26、混合器37を逆に辿り、イーサネット通信装置36に入力される。この時、伝送方式を100BASE−Xとすれば、伝送速度は100Mbpsとなるので、周波数帯域で云えば図2(b)に示す例えば帯域U1 (TV帯域の空き帯域)を使用して伝送する。
【0026】
イーサネット通信装置36は、その信号をイーサネット規格IEEE802.3に準拠して受信し、上記100BASE−Xのベースバンド方式で次段の光電変換器32に送信する。そして、光電変換器32はその信号を第2光ファイバ21を介して中央装置22に送信する(光イーサネット)。上り方向のデータ信号は、このようにTV帯域に拡大された帯域で送信される。
尚、下り帯域で送信されたベースバンド信号の一部は、混合器37を通過して分波器35によって受信器(Rx)に分波されるが、方向が異なるため減衰されるものとする。又、中央装置22から受信する他の帯域のTV信号には影響を与えないものとする。
【0027】
逆に、中央装置22から光イーサネット方式で光ファイバケーブル21に送信されたデータ信号は、光電変換器32で電気信号に変換され、同様にイーサネット通信装置36に入力される。イーサネット通信装置36は、上記イーサネット仕様で下り方向に信号を半2重で送信する。送信されたデータ信号は、混合器37でTV信号と混合され、分岐器26、分岐ケーブル24を経由して、該当する需要家40の端末装置42に送信される。
【0028】
このように、従来の光ノード装置に光電変換器32とイーサネット通信装置36と混合器37を新たに付加すれば、需要家40は中央装置22にTV帯域の空き領域を使用して、データをベースバンド信号で送信することができる。即ち、上り方向のチャネル数が増大し、従来より上り方向の通信効率を向上させることができる。又、イーサネット通信装置36は、その後段により多数の端末装置42を備えることができる。よって、容易にLANを拡大することができる。又、上述のようにイーサネット通信装置36より上流は、光イーサネットとなるのでRFI(Radio-Frequency-Interference)の放射と干渉が除去され、伝送誤りが減少する。よって、その品質を向上させることができる。
尚、上記説明では上り方向の帯域を100MHz帯域(100Mbps)としたが、700MHz以上でもよい。その場合は、帯域Un+1 を使用する(図2(b))。更に、使用する帯域は、GHz帯域でもよい。所謂、ギガビット・イーサネットでもよい。より、帯域を拡大することができる。
【0029】
(第2実施例)
図3に本発明の多重伝送方式を説明する第2実施例を示す。図は、1例のCATVシステム構成図である。尚、第1実施例で説明した図1と同等の機能を有する部位には同等の符号が付されている。
第1実施例は、光ノード30と需要家40間をベースバンド方式で半2重で通信する例であった。本実施例は、光ノード30と需要家40間の信号をRF変調信号に置き換え、RF変調方式で全2重で通信することが特徴である。そのため、第1実施例の光ノード装置30のイーサネット通信装置36と混合器37間に変復調器38を備えている。これにより、従来の変復調器であるケーブルモデム44を有する需要家40にも適応することができる。
【0030】
例えば、需要家40が端末装置42、ケーブルモデム44からRF変調信号でデータを送信した場合、送信された信号は分岐/分配器41、分岐ケーブル24、分岐器26、混合器37を経由して変復調器38に入力される。この時、使用する周波数帯域は、図2(b)に示すテレビジョン帯域の空き帯域が任意に選択される。例えば、770MHz近傍の帯域Un 、又は700MHzを越えるGHz帯域Un+2 を使用してRF変調信号で変復調器38に送信される。
【0031】
変復調器38は、そのRF変調信号を復調して例えば100BASE−Xの仕様のベースバンド信号に変換し、次段のイーサネット通信装置36に送信する。そして、イーサネット通信装置36と光電変換器32がそれを光イーサネットで中央装置22に送信する。
逆に、中央装置22から光イーサネットでイーサネット通信装置36に入力されたベースバンド信号は、例えば100BASE−Xの仕様に変換されて次段の変復調器36に入力される。変復調器36は、そのベースバンド信号よって所定帯域の搬送波を変調し、RF変調信号として後段に送信する。この時の使用周波数帯域は、図2(b)のテレビジョン帯域の空き帯域の例えば帯域Dn である。そして、そのRF変調信号は混合器37によってTV信号と混合されて需要家40に送信される。需要家40のケーブルモデム44はそれをベースバンド信号に復調し端末装置42に送信する。このように、需要家40と光ノード装置30間は、RF変調信号で全2重通信が行われる。
【0032】
上述のように、本発明の伝送方式では、光ノード装置30と需要家40間の下り方向の周波数構造は、TV信号帯域と下り方向のデータ信号帯域と上り方向のデータ信号帯域が混在可能となっている。このようにすれば、上り方向と下り方向のデータ信号の帯域が異なるように設定できるので、需要家40から中央装置22までが完全に全2重通信可能となる。即ち、需要家40から中央装置22までが、完全に例えば100BASE−X方式で通信可能となる。よって、第1実施例の半2重のベースバンド方式に比べて、より効率の良い伝送方式となる。 更に、需要家40に異なる帯域(搬送波周波数)を与え、それを周波数多重で通信すれば多数の端末装置42を接続することができる。よって、大規模LANを形成することも可能となる。
【0033】
上記の全実施例において、同軸ケーブル25では上り帯域と下り帯域とを分離させていない。即ち、同軸ケーブル25(少なくとも幹線)には、上り帯域と下り帯域とを分離する分波器、混合器、高域通過フィルタ、又は、低域通過フィルタなどの伝送帯域を制限する回路要素、伝送方向を制限する増幅器が設けられていない。これにより、光ノード30と需要家40との間の通信では、上りと下りの信号を任意帯域に配置させることが可能となり、上りの伝送容量と下りの伝送容量とを任意に設定することが可能となる。尚、1つの光ノード30に接続されている1つの同軸ケーブル25で約100端末装置を接続することが可能となる。
【0034】
(変形例)
以上、本発明を表わす1実施例を示したが、他にさまざまな変形例が考えられる。例えば、第2実施例では需要家40は、光ノード装置30に変復調器38とイーサネット通信装置36を設けて、RF変調信号で中央装置22と通信したが、図4に示すように変復調器38とイーサネット通信装置36に代えて、分離帯域の異なる分波器35a、送信器(Tx)34a、受信器(Rx)33aを備えてもよい。これにより、送信器(Tx)34a、受信器(Rx)33aと需要家40に使用する周波数構造は例えば図5のように分離される。即ち、90〜770MHzのテレビジョン帯域の空き帯域が、90〜400MHzの上り帯域U0 、・・、Un と450〜770MHzの下り帯域D0 、・・、Dn に分離される。ここで、400〜450MHzは、所謂ガードバンドである。
この構造により、需要家40から上り帯域U0 、・・、Un の何れかの帯域で送信されたRF変調信号は、分岐ケーブル24、分岐器26、混合器37、分波器35aを介し、送信器(Tx)34aに入力される。即ち、従来の10〜50MHzの上り帯域が拡大されて伝送される。このように構成してもよい。
【0035】
又、第1実施例及び第2実施例において、光ノード装置30内には、特に増幅器は設けなかったが、例えば分波器35の後段に双方向増幅器を設けてもよい。双方向増幅器の前段、又は後段に混合器37を設けて第1実施例と同様にイーサネット通信装置36を接続すれば同等の効果がある。
【0036】
又、第2実施例においてはケーブルモデム44で直接、下り帯域で上り信号を送信したが、ケーブルモデム44の上り信号仕様が従来の10〜50MHzであれば、そのケーブルモデム44に図示しない周波数変換器を設け、その搬送波を下り帯域の空き帯域にシフトさせてもよい。同様に、上り帯域を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るデータ信号とテレビジョン信号の多重伝送方式及びその光ノード装置を用いたCATVシステム構成図。
【図2】第1実施例に係わる周波数帯構造図。
【図3】本発明の第2実施例に係るデータ信号とテレビジョン信号の多重伝送方式及びその光ノード装置を用いたCATVシステム構成図。
【図4】本発明の変形例に係わるデータ信号とテレビジョン信号の多重伝送方式及びその光ノード装置を用いたCATVシステム構成図。
【図5】変形例に係わる周波数帯構造図。
【図6】従来の伝送方式が用いられるCATVシステム構成図。
【図7】従来例に係る光ノード装置の構成ブロック図。
【符号の説明】
20…CATV局幅器
22…中央装置
21、23…光ファイバケーブル
24…分岐ケーブル
25…同軸ケーブル
26…分岐器
30…光ノード装置
31、32…光電変換器
33…受信器
34…送信器
35…分波器
36…イーサネット通信装置
37…混合器
38…変復調器
40…需要家
41…分岐/分配器
42…端末装置
43…TV受信器
44…ケーブルモデム
Claims (2)
- 中央装置から延出された第1光ファイバケーブルと、光ノード装置と、需要家に延出される同軸ケーブルを使用して、データ信号とテレビジョン信号を周波数多重で伝送する伝送方式であって、
前記中央装置と前記光ノード装置間に第2光ファイバケーブルを設け、
前記光ノード装置に、前記第2光ファイバケーブルの入出力を変換する光電変換器と、送受信装置と、該送受信装置の入出力を前記同軸ケーブルに混合する混合器を備え、
テレビジョン信号は前記第1光ファイバケーブルで下り方向に、前記データ信号は前記第2光ファイバケーブルで双方向に伝送され、
第2光ファイバケーブルに伝送されるデータ信号の周波数帯域は、前記テレビジョン信号の周波数帯域の空き帯域であり、
前記送受信装置はイーサネット通信装置であって、少なくとも前記第2光ファイバケーブルにおいては、データはベースバンド方式で伝送され、
前記同軸ケーブルでは上り帯域と下り帯域とを分離させておらず、
前記同軸ケーブルには上り帯域と下り帯域とを分離する分波器、混合器、高域通過フィルタ、又は、低域通過フィルタなどの伝送帯域を制限する回路要素、伝送方向を制限する増幅器が設けられていない
ことを特徴とするデータ信号とテレビジョン信号の多重伝送方式。 - 請求項1に記載のデータ信号とテレビジョン信号の多重伝送方式に用いる光ノード装置であって、
前記第2光ファイバケーブルの入出力を光電変換する光電変換器と、
前記光電変換器後段に接続され、その入出力をイーサネット通信方式に変換するイーサネット通信装置と、
前記イーサネット通信装置と前記同軸ケーブルを接続し、前記テレビジョン信号と前記データ信号を混合する混合器と
を備えたことを特徴とする光ノード装置。
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