JP4667566B2 - 鉄系琺瑯製品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、鉄系琺瑯釉薬を用いた鉄系琺瑯製品の製造方法に係り、特に、従来から産業廃棄物として処理されている鉱滓を、鉄系素材の被覆材の一成分として、巧みに利用する技術に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来より、鋳鉄鋳物等の鉄系素材の表面を被覆して、表面の保護や意匠性の向上を図ったり、錆等の発生を阻止するようにした被覆材として、有機高分子を主成分とする有機系の被覆材や、琺瑯釉薬等の無機材料を焼き付けてなる無機系の被覆材が、よく知られているところであるが、前者の有機系被覆材にあっては、耐熱性や耐久性に問題があり、また有機成分の溶出も、近年における検討から問題視されるようになってきているところから、より安全で、耐久性に優れた被覆材として、後者の無機系被覆材が注目を集めている。
【0003】
一方、鉄精錬に際して、製鉄用高炉から排出される鉱滓(スラグ)や、キュポラにて鋳鉄を溶解するに際して排出される鉱滓(スラグ)は、ノロとも称され、その大部分が産業廃棄物として処理されているのであるが、環境問題から、その処分には限度があり、そのために、そのような鉱滓の付加価値の高い利用方法の開発が望まれている。
【0004】
尤も、かかる鉱滓の従来からの利用方法としては、セメント、レンガ、肥料等の原料としての利用やスラグウールとして、断熱材、吸音材の分野への利用が検討されてきているが、これまでの利用分野に加えて、或いはそれに代えて、新しい分野での利用が望まれており、更にそれによって、付加価値を高めることが出来れば、かかる鉱滓を、産業廃棄物としてのレベルから、有用な資源としてのレベルにまで高めることが出来ることとなる。
【0005】
【解決課題】
かくの如き状況下、本発明者らは、そのようなキュポラや製鉄用高炉から排出される鉱滓の有効利用について種々検討した結果、そのような鉱滓が、無機系混合物であることに着目し、そこには、珪素を初め、マグネシウムやカルシウム、アルミニウム等の化合物が含有されており、それら化合物を鉄系琺瑯製品を製造するに際しての釉薬の成分として利用することにより、より安全で、耐久性に優れた、有効な無機系被膜が形成された鉄系琺瑯製品を有利に得ることが出来ることを見出したのである。
【0006】
そして、本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであって、その解決課題とするところは、従来から産業廃棄物として処理されている鉱滓を用いて鉄系琺瑯釉薬を構成し、また、そのような釉薬を用いて鉄系琺瑯製品を製造することにより、かかる鉱滓の負荷価値の高い利用を図り、更にはそれによる環境問題への貢献に大きく寄与することにある。
【0007】
【解決手段】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き課題の解決のために、鉄系素材の被覆材となる琺瑯釉薬して、キュポラ若しくは製鉄用高炉から排出される鉱滓を40重量%までの割合で含み、且つ珪石:20〜50重量%、硼砂:30〜60重量%、アルカリ金属の炭酸塩:1〜20重量%、炭酸バリウム:0〜10重量%、コバルト、ニッケル、銅の各化合物のうちの少なくとも1種:1〜2重量%を更に含む原料をフリット化してなるものを用い、かかるフリット化物の100重量部に対して、2重量部までの硼砂と2〜10重量部の粘土とを配合して、粉砕混合せしめ、平均粒径が10〜35μmの粒子に調製されてなることを特徴とする鉄系琺瑯釉薬(A)を用いることを、その第一の態様として、採用するものである。
【0008】
なお、本発明は、そのような第一の態様において、前記フリット化物を、重量基準において、SiO2 :30〜60%、B2 3 :10〜35%、Al2 3 :7%以下、Co、Ni、Cuの各酸化物のうちの少なくとも1種:0.1〜0.9%、Na2 O:5〜20%、BaO:0〜9%、K2 O及び/又はLi2 O:0〜2%、CaO:7%以下、MgO:5%以下(但し、BaOとCaOとMgOの合計量は5%以上とする)なる組成が与えられるように調製することを、その第二の態様とするものである。
【0009】
また、本発明は、前記した課題の解決のために、鉄系素材の被覆材となる琺瑯釉薬して、珪石:30〜60重量%、硼砂:30〜60重量%、アルカリ金属の炭酸塩:1〜20重量%、水酸化アルミニウム:0〜10重量%、炭酸カルシウム:0〜10重量%、炭酸バリウム:0〜10重量%、炭酸マグネシウム:0〜5重量%、コバルト、ニッケル、銅の各化合物のうちの少なくとも1種:1〜2重量%なる組成を有する原料のフリット化物を用い、該フリット化物の60重量部以上に、キュポラ若しくは製鉄用高炉から排出される鉱滓を40重量部までの割合にて配合して、合計量を100重量部としたものに対して、更に、2重量部までの硼砂と2〜10重量部の粘土とを配合せしめて、粉砕混合し、平均粒径が10〜35μmの粒子に調製されてなることを特徴とする鉄系琺瑯釉薬(B)を用いることを、その第三の態様とする。
【0010】
そして、このような第三の態様に係る鉄系琺瑯釉薬(B)にあっても、フリット化物と鉱滓とは、重量基準において、SiO2 :30〜60%、B23:10〜35%、Al2 3 :7%以下、Co、Ni、Cuの各酸化物のうちの少なくとも1種:0.1〜0.9%、Na2 O:5〜20%、BaO:0〜9%、K2 O及び/又はLi2 O:0〜2%、CaO:7%以下、MgO:5%以下(但し、BaOとCaOとMgOの合計量は5%以上とする)なる組成を与えるように、配合せしめられている構成が、本発明では、第四の態様として有利に採用されることとなるのである。
【0011】
また、本発明にあっては、上記の第一〜第四の態様において、鉱滓として、重量基準において、SiO2 :30〜40%、Al2 3 :10〜20%、Na2 O:0〜5%、K2 O:0〜0.4%、CaO:20〜45%、MgO:6〜13%、Fe2 3 :0〜12%、TiO2 :0.2〜1.0%なる組成を有しているものが、第五の態様として好適に用いられることとなる。
【0012】
このような本発明に従う鉄系琺瑯釉薬においては、その一成分として、従来では産業廃棄物として処理されている鉱滓が、そのまま用いられているにも拘わらず、鉄系素材に対して、安全で、耐久性に優れた琺瑯釉薬として、優れた特性を発揮すると共に、経済的にも有利な琺瑯釉薬となっているのである。
【0013】
また、本発明は、上述の如き鉄系琺瑯釉薬を対象とするのみならず、そのような鉄系琺瑯釉薬を用いた鉄系琺瑯製品の製造方法をも、その対象とするものであって、第六の態様として、鉄系素材を琺瑯加工するに際して、下釉として、前記第一乃至第五の態様のうちの何れかの鉄系琺瑯釉薬を用い、かかる釉薬を前記鉄系素材の表面に塗布して焼成することにより、下側被覆層を形成した後、更に、該下側被覆層の上に、平均粒径が15〜40μmの範囲内にあり且つ前記鉄系琺瑯釉薬よりも平均粒径の大きな粒子において調製された琺瑯釉薬を、上釉として塗布して焼成することにより、上側被覆層を形成せしめて、前記鉄系素材が上下二つの層からなる被覆層にて覆われるようにしたことを特徴とする鉄系琺瑯製品の製造方法を、採用するものである。
【0014】
このような本発明に従う鉄系琺瑯製品の製造方法によれば、前記した鉄系琺瑯釉薬を下釉として用いる一方、上釉として、所定の平均粒径の、通常の琺瑯釉薬を用いて、上下二つの層からなる被覆層を鉄系素材の表面に形成するようにすることにより、ピンホールのない被覆層が、鉄系素材表面に有利に形成され得ることとなるのであり、また鉱滓を原料としたために懸念される微量成分等の溶出も全く解消され得て、耐熱性は勿論、耐久性や安全性に優れた無機質被覆層が、鉄系素材表面に有利に形成せしめられ得るのである。
【0015】
なお、このような鉄系琺瑯製品の製造方法において、前記上釉として用いられる琺瑯釉薬は、好ましくは、重量基準において、SiO2 :28〜60%、B2 3 :4〜27%、Al2 3 :3〜14%、Na2 O:6〜20%、K2 O:0〜9%、CaF2 :0〜5%、BaO:1〜12%、CaO:0〜7%、TiO2 :0〜20%、ZrO2 :0〜10%なる組成のフリット100重量部に対して、2〜10重量部の粘土を配合して、混合粉砕することにより、調製せしめられ、これが、第七の態様して、有利に採用されることとなる。
【0016】
また、本発明では、かかる本発明の第六又は第七の態様において、前記上釉として用いられた琺瑯釉薬の焼成が、前記下釉として用いられた鉄系琺瑯釉薬の焼成温度よりも低い焼成温度を採用して実施される、第八の態様も、有利に採用され得、これによって、そのような鉄系琺瑯釉薬にて形成される下側被覆層に対して悪影響をもたらすことなく、その上に、上側被覆層を効果的に形成せしめ得るのである。
【0017】
さらに、本発明の第九の態様は、前記した第六乃至第八の何れかの態様において、鉄系素材として鋳鉄鋳物を用いることにあり、そうすることによって、本発明に従う鉄系琺瑯釉薬にて、耐久性のある有用な被覆層が容易に形成され得ることとなるのであり、また、それによって、品質の良い鉄系琺瑯製品を有利に得ることが出来るのである。
【0018】
【発明の実施の形態】
ところで、かくの如き本発明において用いられる鉱滓は、鋳鉄の溶解のためのキュポラや、鉄精錬に際して用いられる製鉄用高炉から排出される、所謂ノロとも称されるスラグであって、その成分は、溶解乃至は精錬条件によって変動することとなるが、一般に、重量基準において、SiO2 :30〜40%、Al2 3 :10〜20%、Na2 O:0〜5%、K2 O:0〜0.4%、CaO:20〜45%、MgO:6〜13%、Fe2 3 :0〜12%、TiO2 :0.2〜1.0%なる組成からなるものが、本発明においては好適に用いられることとなる。
【0019】
そして、本発明にあっては、そのような鉱滓が無機系の混合物であり、そこには、SiO2 に加えて、MgOやCaO、Al2 3 等の有用成分が含まれているところから、それらの成分を釉薬原料として巧みに利用して、有効な鉄系琺瑯釉薬を構成すべく、かかる鉱滓を、琺瑯釉薬におけるフリット原料の一部又はミル配合材として利用するようにしたのである。
【0020】
具体的には、キュポラ若しくは製鉄用高炉から排出される鉱滓をフリット原料の一部として利用する場合にあっては、かかる鉱滓は、40重量%までの割合において配合され、更にこれに、重量基準において、珪石:20〜50%、硼砂:30〜60%、アルカリ金属の炭酸塩:1〜20%、炭酸バリウム:0〜10%、コバルト、ニッケル、銅の各化合物のうちの少なくとも1種:1〜2%を配合せしめてなる原料を調製して、それを、従来と同様にして溶融固化せしめることにより、目的とするガラス質のフリットが形成されることとなる。
【0021】
なお、このフリット化のための原料において、鉱滓の配合割合が40重量%を越えるようになると、琺瑯釉薬における有効なフリットの調製が困難となるところから、鉱滓は40重量%までの割合において用いる必要があり、また、そのような鉱滓に配合される珪石、硼砂、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムのうちの少なくとも1種)の炭酸塩、コバルト、ニッケル、銅の化合物のうちの少なくとも1種の化合物は、何れも、焼成によって必要な酸化物となり、それによって、ガラス化を促進したり、鉄との密着性を向上せしめたり、或いは熱膨張率を調整したりする等して、鉄との密着性のよいフリットを形成するものであるが、本発明においては、有効な被覆層を形成するためのフリットを与えるべく、上記規定した量において配合せしめられることとなるのである。
【0022】
そして、そのような原料のフリット化物においては、それが、好ましくは、重量基準において、SiO2 :30〜60%、B2 3 :10〜35%、Al2 3 :7%以下、Co、Ni、Cuの各酸化物のうちの少なくとも1種:0.1〜0.9%、Na2 O:5〜20%、BaO:0〜9%、K2 O及び/又はLi2 O(K2 O若しくはLi2 O、またはK2 O+Li2 O):0〜2%、CaO:7%以下、MgO:5%以下(但し、BaOとCaOとMgOの合計量は5%以上である)なる組成を与えるように、調製されていることが望ましく、これによって、鉄系素材の表面に有効な被覆層を形成し得る琺瑯釉薬を得ることが出来るのである。
【0023】
なお、そのようなフリット化物を構成する成分たるSiO2 は、ガラス質の主要構成成分であり、その添加量が少ないと、有効なガラス質を構成し得なくなる一方、多いと、溶融温度が高くなるところから、その含有量は30〜60%の範囲内に止めることが望ましく、また、B2 3 は、ガラス化の促進や、鉄との濡れ性、流動性を向上せしめる成分として、10〜35%の割合において含有せしめることが望ましく、更にAl2 3 は、熱膨張率の調整成分として用いられ、その含有量が多くなるにつれて熱膨張性が大きくなり、且つ溶融温度も高くなるところから、有利には7%以下の割合で含有せしめられることとなる。また、Co、Ni、Cuの各酸化物たるCoO、NiO、CuOは、何れも、釉薬と鉄との密着性の向上を図る成分として添加、含有せしめられるものであって、それらの限度以上の含有は、その効果が減少し、また着色を惹起したり、コスト高となるところから、それらの酸化物の少なくとも1種の含有量は、0.1〜0.9%程度に止められ、更に、BaO、CaO、及びMgOは、何れも、鉄との密着性向上成分として用いられ、その含有量が少ないと、熱膨張率が低下するようになるところから、それら三者の合計量が5%以上となるように添加、含有せしめられることとなる。加えて、Na2 OやK2 O、Li2 Oは、熱膨張率の調整成分や融剤成分として含有せしめられ、その含有量が多いと熱膨張率が大きくなり、フリットが軟質となるところから、Na2 O成分は5〜20%の割合において、またK2 O及び/又はLi2 Oは0〜2%の割合において含有せしめられることとなる。
【0024】
そして、本発明にあっては、かくの如く鉱滓を原料の一成分として用いて得られたフリット化物から、目的とする鉄系琺瑯釉薬を得るために、そのようなフリット化物の100重量部に対して、2重量部までの硼砂と2〜10重量部の粘土とが、ミル配合材として用いられ、それら三者が配合されて、粉砕混合せしめられることにより、平均粒径が10〜35μmの粒子に調製されて、目的とする鉄系琺瑯釉薬(A)とされるのである。
【0025】
なお、かかる鉄系琺瑯釉薬(A)の調製に際して、フリット化物に配合せしめられるミル配合材としての硼砂は、主として、釉薬(下釉)の分散性や釉薬(下釉)の溶融温度の低下、更にはガラス化促進のための成分として配合されるものであって、その添加量が多くなると、乾燥強度が低下したり、釉薬(下釉)焼成成分の不均衡による膜の不形成、更には分解時の気体離散によるピンホールの形成等の問題を生じるところから、上述の如く、2重量部までの割合において添加せしめる必要があるのであり、また、同様なミル配合材たる粘土は、主として、乾燥強度の保持や釉薬(下釉)の塗布性を付与したり、向上せしめたりする成分であり、更にはフリットの分散性、下釉液の粘性の改善成分として、2〜10重量部の割合において、添加配合せしめられることとなる。なお、そのような粘土の配合量が少な過ぎると、粘性が出ず、成膜することが出来ない場合がある一方、その配合量が多過ぎると、被膜性状に悪影響をもたらし、焼成後の薄膜(被覆層)形成が困難となる問題を惹起する。
【0026】
さらに、このような本発明にあっては、上述の如く、フリット化物にミル配合材としての硼砂と粘土を配合して、粉砕混合せしめることにより、目的とする鉄系琺瑯釉薬を製造するに際して、その平均粒径が10〜35μmの粒子となるように調製する必要がある。このような平均粒径のコントロールにより、釉薬として鉄系素材の表面に有効な被膜を、効果的に形成せしめ得ることとなるのである。なお、かかる平均粒径が10μmよりも小さくなると、均一な成膜が困難となり、焼成後において均一な被覆層を得ることが出来なくなる問題があり、また35μmよりも大きくなると、焼成によっても溶融しない部分があり、また作業性も悪く、焼成後における被覆層が不均一な膜厚の層となる等の問題がある。
【0027】
また、本発明に従う鉄系琺瑯釉薬は、上記の如くフリットの原料の一成分として鉱滓を用いたものの他、ミル配合材の一つとして鉱滓を用いて調製することも可能であり、その場合において、フリットしては、珪石:30〜60重量%、硼砂:30〜60重量%、アルカリ金属の炭酸塩:1〜20重量%、水酸化アルミニウム:0〜10重量%、炭酸カルシウム:0〜10重量%、炭酸バリウム:0〜10重量%、炭酸マグネシウム:0〜5重量%、コバルト、ニッケル、銅の各化合物のうちの少なくとも1種:1〜2重量%、なる組成を有する原料のフリット化物が用いられることとなる。
【0028】
ここで、そのようなフリット化物を与える原料の各成分は、焼成することによって必要な酸化物となるものであり、鉄との密着性のよいフリットを形成すべく、上述の如き割合において用いられることとなる。なお、そのような原料のフリット化は、従来と同様にして、所定の成分を配合した混合粉末を粉砕し、乾燥、溶融せしめた後、急冷して、ガラス化し、更にそのガラス化物を粉砕して、フリットとするのである。
【0029】
そして、このようにして得られたフリット化物を用い、それに対して、ミル配合材として、キュポラ若しくは製鉄用高炉から排出される鉱滓を配合せしめ、更に、そのような鉱滓をフリット化物の原料として用いた先の鉄系琺瑯釉薬(A)の場合と同様に、硼砂と粘土とを配合せしめて、粉砕混合し、平均粒径が10〜35μmの粒子に調製することにより、目的とする鉄系琺瑯釉薬(B)とするのである。
【0030】
なお、このようなフリット化物に対して、鉱滓をミル配合材として配合せしめるに際しては、該フリット化物の60重量部以上(100重量部未満)に鉱滓を40重量部までの割合(0重量部を含まず)にて配合せしめて、その合計量を100重量部とする必要があり、かかる鉱滓の配合量が多くなり過ぎると、釉薬としての特性が劣化して、均一な被覆層の形成が困難となるのである。そして、そのようなフリット化物と鉱滓の100重量部に対して、硼砂が2重量部までの割合において、また粘土が2〜10重量部の割合において配合せしめられて、先の鉄系琺瑯釉薬(A)の場合と同様に、平均粒径が10〜35μmの粒子となるように、粉砕混合せしめられて、目的とする鉄系琺瑯釉薬(B)が調製されるのである。
【0031】
また、このような鉄系琺瑯釉薬(B)の調製に際して、前記フリット化物と前記鉱滓とは、先の鉄系琺瑯釉薬(A)におけるフリット化物の組成と同様に、重量基準において、SiO2 :30〜60%、B2 3 :10〜35%、Al2 3 :7%以下、Co、Ni、Cuの各酸化物のうちの少なくとも1種:0.1〜0.9%、Na2 O:5〜20%、BaO:0〜9%、K2 O及び/又はLi2 O:0〜2%、CaO:7%以下、MgO:5%以下(但し、BaOとCaOとMgOの合計量は5%以上とする)なる組成を与えるように、配合せしめられ、これによって、鉄系琺瑯釉薬(A)の場合と同様な優れた特性を備えた釉薬とすることが出来るのである。
【0032】
そして、かくの如き鉄系琺瑯釉薬(A)又は(B)を用いて、鋳鉄鋳物等の鉄系素材を琺瑯加工するに際しては、かかる鉄系琺瑯釉薬(A)又は(B)が下釉として用いられ、それを鉄系素材の表面に塗布して焼成することにより、下側被覆層を形成した後、更に、該下側被覆層の上に、所定の琺瑯釉薬を上釉として塗布して焼成することにより、上側被覆層を形成せしめて、かかる鉄系素材が上下二つの層からなる被覆層にて覆われるようにすることによって、ピンホールのない、優れた特性を有する鉄系琺瑯製品を得ることが出来るのである。
【0033】
ところで、そのような鉄系琺瑯製品を製造するにあたり、鉄系素材としては、鉄を材質とした全ゆるものが対象とされることとなるが、特に、本発明にあっては、鋳鉄鋳物が有利に対象とされ、そのような鋳鉄鋳物の表面に、ピンホールのない、安全で耐久性に優れた被覆層を設けた琺瑯製品を得ることが、容易に出来るのである。なお、そのような鉄系素材を琺瑯加工するに先立って、通常の方法により、有機溶剤や洗剤等を用いて脱脂洗浄が施され、更に、50℃程度の温度で保温、乾燥が行なわれる。
【0034】
一方、前記した鉄系琺瑯釉薬(A)又は(B)を与える所定の配合物がミル等で混合粉砕され、平均粒径が10乃至35μmの泥漿が、60〜70%程度の固形分濃度において調製される。
【0035】
次いで、その得られた鉄系琺瑯釉薬(A)又は(B)からなる泥漿を、鉄系素材の所定の表面に対して、浸しかけ、刷毛、またはスプレー等の公知の手法にて塗布せしめ、室温下或いは100〜200℃×10〜20分等の条件の加熱下にて乾燥を行ない、更に、800〜900℃の温度で1〜10分間焼成を行なうことにより、鉄系素材の表面に所定の釉薬(A)又は(B)からなる下側被覆層を形成せしめるのである。
【0036】
更にその後、そのような下側被覆層を設けただけでは、ピンホールの発生や微量成分の溶出等が懸念されるところから、かかる下側被覆層の上に、平均粒径が15〜40μmの範囲内にあり、且つ該下側被覆層を形成する鉄系琺瑯釉薬(A)又は(B)よりも平均粒径の大きな粒子において調製された琺瑯釉薬を、上釉として塗布して、焼成することにより、上側被覆層を形成せしめ、以て鉄系素材が上下二つの層からなる被覆層にて覆われるようにすることにより、品質の良好な鉄系琺瑯製品を得ることが出来るのである。
【0037】
なお、ここで用いられる上釉としての琺瑯釉薬は、一般に、通常の鉄系琺瑯製品の釉薬、特に上釉として用いられているものがそのまま利用され得るものであるが、特に本発明にあっては、下側の被覆層に合わせた調合の釉薬とすることが望ましく、その場合において、フリットしては、重量基準において、SiO2 :28〜60%、B2 3 :4〜27%、Al2 3 :3〜14%、Na2 O:6〜20%、K2 O:0〜9%、CaF2 :0〜5%、BaO:1〜12%、CaO:0〜7%、TiO2 :0〜20%、ZrO2 :0〜10%なる組成のものが、有利に用いられることとなる。
【0038】
また、かかる上釉を与えるフリットを構成する各成分のうち、SiO2 は、ガラス質の骨格成分であり、Al2 3 は硬さ向上成分、B2 3 はガラス化促進成分、Na2 O、K2 Oは熱膨張性調整成分、BaO、CaOも熱膨張性調整成分、TiO2 、ZrO2 は白濁色付与成分、CaF2 は光沢付与成分として、それぞれ主として用いられるものであるが、下釉との整合性を図り、更に密着性、熱膨張性、硬さ、ピンホール、美観性等の観点から、上記の範囲内の組成が有利に採用されることとなる。
【0039】
そして、そのようなフリットを用いて、その100重量部に対して2〜10重量部の割合の粘土を配合せしめ、ミル等にて混合粉砕することにより、上釉としての琺瑯釉薬の泥漿が調製されることとなるのであるが、その際、そのような混合粉砕して得られる粒子は、平均粒径が15〜40μmの範囲内にあり、且つ前記した下釉としての鉄系琺瑯釉薬(A)又は(B)を与える粒子の平均粒径よりも大きな粒子として調製されている必要がある。このように、下釉よりも上釉の平均粒径を大とすることにより、それら釉薬にて形成されるそれぞれの被覆層の密着性が、より高められ、鉄系素材の表面に対して、耐久性に優れた、一体的な被覆層が有利に形成され得るのである。
【0040】
また、かかる下釉として調製された釉薬の泥漿は、一般に、60〜70%の固形分濃度を有するものであり、そしてそのように調製された泥漿が、前記した鉄系琺瑯釉薬(A)又は(B)を用いて、下釉かけした鉄系素材の下釉層(下側被覆層)上に浸しかけの手法により、または刷毛での塗布、或いはスプレーでの塗布にて、上釉の塗布層が形成された後、室温乃至は100〜200℃×5〜10分等の条件下での加熱により、乾燥せしめられた後、従来と同様にして、焼成が施され、これによって、かかる上釉の塗布層にて、上側被覆層が、前記した鉄系琺瑯釉薬(A)又は(B)からなる下側被覆層の上に、一体的に形成せしめられるのである。
【0041】
なお、かかる上釉による上側被覆層の形成のための焼成操作は、一般に、800〜900℃の温度で、1〜10分間、加熱することにより、実施され得るものであるが、特に、本発明にあっては、この上側被覆層を形成せしめるための焼成温度が、下側被覆層(下釉層)を形成するための焼成温度よりも低くなるようにされ、これによって、下側被覆層たる下釉層の溶融を回避し、それによって生じる被膜欠陥の問題が発生しないようにされることとなる。
【0042】
かくして得られた、本発明に従う鉄系琺瑯釉薬を下釉として用いて形成された下側被覆層の上に、更に、所定の琺瑯釉薬を上釉として用いて形成された上側被覆層からなる二層構造の被覆層にて覆われた鉄系琺瑯製品にあっては、ピンホールや微量成分の溶出等の問題の全くない、安全で、耐久性に優れた鉄系琺瑯製品となるものである。
【0043】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等が加えられ得るものであることが、理解されるべきである。なお、以下の実施例中の部及び百分率は、特に断りのない限り、何れも重量基準にて示されるものである。
【0044】
実施例 1
先ず、鉱滓として、キュポラから排出された、下記表1に示される組成のスラグを準備した。
【0045】
【表1】
Figure 0004667566
【0046】
また、珪石:24部、硼砂:37部、水酸化アルミニウム:5部、炭酸ナトリウム:11部、炭酸カリウム:3部、炭酸リチウム:3部、炭酸カルシウム:7部、炭酸マグネシウム:1部、四三酸化コバルト:1部、炭酸バリウム:8部を配合して得られた原料を用いて、溶融固化し、更に粉砕することにより、下記表2に示される組成のフリット化物を得た。
【0047】
【表2】
Figure 0004667566
【0048】
次いで、上記で準備された鉱滓(スラグ)の10部とフリット化物の90部とからなる混合物の100部に対して、ミル配合材として硼砂(Na2 4 7 ・10H2 O)の1部と、蛙目粘土の5部とを配合せしめ、ミルにて、粉砕混合することにより、平均粒径が27μmであり、固形分濃度が52.8%の釉薬泥漿を調製した。
【0049】
そして、この得られた釉薬泥漿を、下釉として用いて、鋳鉄棒材の表面に浸しがけ法によって塗布して、25℃で1時間、乾燥を行なった後、850℃の温度で5分間、焼成を行なうことにより、膜厚が150μmの下釉被膜(下側被覆層)を、鋳鉄棒材表面に形成した。
【0050】
一方、上釉フリットとして、下記表3に示されるフリットを準備し、このフリットの100重量部に対して、5重量部の蛙目粘土を配合し、ミルにて、混合粉砕することにより、平均粒径が32μmの粒子からなる、固形分濃度が52.3%の上釉用釉薬泥漿を得た。
【0051】
【表3】
Figure 0004667566
【0052】
このようにして準備された上釉用釉薬泥漿を用いて、先に得られた鋳鉄棒材表面の下釉層上に、浸しかけ法にて塗布した後、27℃で1時間、乾燥を行ない、更にその後、800℃の温度で5分間の焼成を実施することにより、膜厚が100μmの上釉層(上側被覆層)を形成せしめることにより、下釉層と上釉層の二層からなる被覆層が形成された鋳鉄棒材を得た。
【0053】
かくして得られた二層からなる被覆層が設けられてなる琺瑯製品について、顕微鏡観察を行なったところ、そのような被覆層には、ピンホールが全く存在していないことを認めた。また、かかる琺瑯製品は、その表面の被覆層が均一且つ均質であって、内部からの微量成分の溶出の恐れも認められず、更に、安全で、耐久性に優れた、品質のよい琺瑯製品であることを認めた。
【0054】
これに対して、前記のフリット化物:90部、鉱滓:10部、硼砂:1部、蛙目粘土:5部の配合物を、ミルにて混合粉砕するに際して、その粉砕操作を充分に行なうことにより、平均粒径を6μmとした下釉用釉薬泥漿を調製し、これを用いて、上記と同様にして、鋳鉄棒材の表面に下釉層(下側被覆層)の形成を試みたところ、釉薬が充分に溶けずに、白く濁ったような状態において、充分にガラス化していない、鋳鉄棒材表面に不均一に付着した、換言すれば成膜していない表面性状のものとなったため、更に、上釉層(上側被覆層)を形成するに至らなかった。
【0055】
実施例 2
実施例1において、下釉用釉薬泥漿を得るために配合されるフリット化物と鉱滓との配合割合を、前者の70部に対して、後者を30部の割合とする以外は、実施例1と同様にして、下釉用釉薬泥漿を調製した。
【0056】
次いで、この調製された下釉用釉薬泥漿を用いて、実施例1と同様にして、鋳鉄棒材表面に下釉層(下側被覆層)を形成し、更にその後、実施例1と同様な上釉用釉薬泥漿を用いて、上釉層(上側被覆層)を形成せしめることにより、二層構造の被覆層が鋳鉄棒材の表面に形成されてなる琺瑯製品を得た。
【0057】
このようにして得られた琺瑯製品には、ピンホールは何等認められず、品質の良好なものであることを認めた。
【0058】
実施例 3
実施例1で用いた鉱滓の10部と共に、珪石:33部、硼砂:52部、炭酸ナトリウム:10部、炭酸カリウム:3部、炭酸リチウム:3部、炭酸バリウム:5部、酸化コバルト:1部を、ミルにて粉砕混合せしめた後、1200℃の温度で加熱、溶融せしめ、そして急冷することにより、ガラス化して、下釉用フリット化物を得た。
【0059】
次いで、この下釉用フリット化物の100部に対して、ミル配合材として、硼砂(Na2 4 7 ・10H2 O)の1部と蛙目粘土の5部を配合して、ミルにて粉砕混合することにより、実施例1と同様な下釉用釉薬泥漿を調製し、更に鋳鉄棒材に対して、実施例1と同様にして下釉層(下側被覆層)を形成し、更にその上に、実施例1と同様な上釉層(上側被覆層)を形成せしめて、二層構造の被覆層からなる琺瑯製品を作製した。
【0060】
このようにして得られた琺瑯製品は、ピンホールのない、品質の良好なものであり、しかも、二層構造の被覆層が鋳鉄棒材表面に密着して、一体的な構造を呈し、耐久性のよい、品質の良好なものであることを認めた。
【0061】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に従う鉄系琺瑯釉薬は、鉄系素材の琺瑯加工に有利に用いられ得るものであり、そこでは、その原料の一成分として、従来では産業廃棄物として処理されていた鉱滓が有利に用いられているのであって、それにより、そのような鉱滓の付加価値の高い利用が効果的に図られ得ることとなったのであり、またそのような鉱滓を、原料の一成分として用いても、鉄系琺瑯釉薬として、耐久性に優れた琺瑯製品を提供し得るのである。
【0062】
また、本発明に従う鉄系琺瑯製品の製造方法によれば、その被覆層を二層構造として、その下側の被覆層を、本発明に従う鉄系琺瑯釉薬を用いて形成するようにしたことにより、ピンホールや微量成分の溶出の恐れも全くない、品質の良好な琺瑯製品とすることが出来るところから、釉薬における鉱滓のより一層有利な利用を図り得ることとなったのである。

Claims (7)

  1. 鉄系素材を琺瑯加工するに際して、下釉として、
    (1)キュポラ若しくは製鉄用高炉から排出される鉱滓を40重量%までの割合で含み、且つ珪石:20〜50重量%、硼砂:30〜60重量%、アルカリ金属の炭酸塩:1〜20重量%、炭酸バリウム:0〜10重量%、コバルト、ニッケル、銅の各化合物のうちの少なくとも1種:1〜2重量%を更に含む原料をフリット化してなるものを用い、かかるフリット化物の100重量部に対して、2重量部までの硼砂と2〜10重量部の粘土とを配合して、粉砕混合せしめ、平均粒径が10〜35μmの粒子に調製されてなる鉄系琺瑯釉薬(A)、又は
    (2)珪石:30〜60重量%、硼砂:30〜60重量%、アルカリ金属の炭酸塩:1〜20重量%、水酸化アルミニウム:0〜10重量%、炭酸カルシウム:0〜10重量%、炭酸バリウム:0〜10重量%、炭酸マグネシウム:0〜5重量%、コバルト、ニッケル、銅の各化合物のうちの少なくとも1種:1〜2重量%なる組成を有する原料のフリット化物を用い、該フリット化物の60重量部以上に、キュポラ若しくは製鉄用高炉から排出される鉱滓を40重量部までの割合にて配合して、合計量を100重量部としたものに対して、更に、2重量部までの硼砂と2〜10重量部の粘土とを配合せしめて、粉砕混合し、平均粒径が10〜35μmの粒子に調製されてなる鉄系琺瑯釉薬(B)
    からなる鉄系琺瑯釉薬を用い、かかる釉薬を前記鉄系素材の表面に塗布して焼成することにより、下側被覆層を形成した後、更に、該下側被覆層の上に、平均粒径が15〜40μmの範囲内にあり且つ前記鉄系琺瑯釉薬よりも平均粒径の大きな粒子において調製された琺瑯釉薬を、上釉として塗布して焼成することにより、上側被覆層を形成せしめて、前記鉄系素材が上下二つの層からなる被覆層にて覆われるようにしたことを特徴とする鉄系琺瑯製品の製造方法。
  2. 前記鉄系琺瑯釉薬(A)におけるフリット化物が、重量基準において、SiO2 :30〜60%、B23:10〜35%、Al23:7%以下、Co、Ni、Cuの各酸化物のうちの少なくとも1種:0.1〜0.9%、Na2 O:5〜20%、BaO:0〜9%、K2 O及び/又はLi2 O:0〜2%、CaO:7%以下、MgO:5%以下(但し、BaOとCaOとMgOの合計量は5%以上とする)なる組成を与えるように調製されている請求項1に記載の鉄系琺瑯製品の製造方法
  3. 前記鉄系琺瑯釉薬(B)におけるフリット化物と鉱滓とが、重量基準において、SiO2 :30〜60%、B23:10〜35%、Al23:7%以下、Co、Ni、Cuの各酸化物のうちの少なくとも1種:0.1〜0.9%、Na2 O:5〜20%、BaO:0〜9%、K2 O及び/又はLi2 O:0〜2%、CaO:7%以下、MgO:5%以下(但し、BaOとCaOとMgOの合計量は5%以上とする)なる組成を与えるように、配合されている請求項に記載の鉄系琺瑯製品の製造方法
  4. 前記鉱滓が、重量基準において、SiO2 :30〜40%、Al23:10〜20%、Na2 O:0〜5%、K2 O:0〜0.4%、CaO:20〜45%、MgO:6〜13%、Fe23:0〜12%、TiO2 :0.2〜1.0%なる組成を有している請求項1乃至請求項の何れか1項に記載の鉄系琺瑯製品の製造方法
  5. 前記上釉として用いられる琺瑯釉薬が、重量基準において、SiO2 :28〜60%、B23:4〜27%、Al23:3〜14%、Na2 O:6〜20%、K2 O:0〜9%、CaF2 :0〜5%、BaO:1〜12%、CaO:0〜7%、TiO2 :0〜20%、ZrO2 :0〜10%なる組成のフリット100重量部に対して、2〜10重量部の粘土を配合して、混合粉砕することにより、調製される請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の鉄系琺瑯製品の製造方法。
  6. 前記上釉として用いられた琺瑯釉薬の焼成が、前記下釉として用いられた鉄系琺瑯釉薬の焼成温度よりも低い焼成温度を採用して実施される請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の鉄系琺瑯製品の製造方法。
  7. 前記鉄系素材が、鋳鉄鋳物である請求項乃至請求項の何れか1項に記載の鉄系琺瑯製品の製造方法。
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