JP4666193B2 - 給湯器の燃焼制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯器の燃焼制御装置に関するものであり、特に1缶2回路と称される形式の給湯器を制御するものである。
【0002】
【従来の技術】
風呂に使用する給湯器は、一般に、給湯用の熱交換器と、風呂追い焚き用の熱交換器を持つ。そして二つの熱交換器を別々の燃焼ケースに収納したものもあるが、灯油を燃料とする給湯器では、設置スペースと製造コストの関係から一つの燃焼ケースに二つの熱交換器を内蔵するものが多い。この様な形式の給湯器は、1缶2回路形式、或いは1缶2水路形式と称される。
【0003】
1缶2回路形式の給湯器は、二つの熱交換器を別々の燃焼ケースに収納する形式に比べて、全体形状が小さく、且つ燃焼ケース及び燃焼部(バーナ)が各1個であるために製造コストが低いものの、燃焼制御が困難であるという問題がある。すなわち風呂用の給湯器では、給湯単独使用の場合と追い焚き単独使用の場合及び給湯・追い焚き併用使用の場合があるが、1缶2回路形式の給湯器は、一つの燃焼部をもってこれらを使い分ける必要がある。
そのため1缶2回路形式の給湯器では、給湯単独使用の場合の給湯燃焼モードと、追い焚き単独使用の場合の追い焚き燃焼モード、及び給湯・追い焚き併用使用の場合の共用燃焼モードを持つ。
【0004】
そして従来技術の給湯器の燃焼制御装置では、給湯回路と追い焚き回路にそれぞれ水流センサーが設けられ。水流センサーのON・OFFによって燃焼モードを切り換えていた。
すなわち従来技術においては、給湯回路の水流センサーだけがONであるときは給湯燃焼モードとなり、追い焚き回路の水流センサーだけがONであるときは追い焚き燃焼モードとなる。そして給湯回路の水流センサーと追い焚き回路の水流センサーの双方がONとなっている場合は、共用燃焼モードとなる。
【0005】
また従来技術においては、追い焚き単独使用の状態から給湯栓が開かれ、給湯回路の水流センサーがONとなると、直ちに燃焼モードが追い焚き燃焼モードから共用燃焼モードに切り換わる。給湯単独使用の状態から追い焚きが開始された場合も同様であり、追い焚き回路の水流センサーがONになると、直ちに給湯燃焼モードから共用燃焼モードに切り換わる。
逆に給湯回路の水流センサーと追い焚き回路の水流センサーの双方がONとなっている場合から、他方がOFFになった場合も同様であり、直ちに追い焚き燃焼モード又は給湯燃焼モードに切り換わる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1缶2回路形式の給湯器の場合、一つの燃焼ケースに給湯用の熱交換器と、風呂追い焚き用の熱交換器が一緒に内蔵されているため、追い焚き単独で使用する場合においても給湯用の熱交換器が加熱される。加えて、追い焚き単独で使用する場合は給湯用の熱交換器には水流が無い。そのため追い焚き単独で使用する場合、給湯用の熱交換器が過度に加熱され、内部の水が局部的に沸騰する場合がある。
【0007】
そして内部の水が沸騰すると給湯回路に局部的な圧力変化が生じ、短時間の内に水量センサーが大きく回転し、給湯回路に水流があるものと誤認してしまう。その結果、制御装置は、給湯使用がなされたものと判断し、燃焼モードが追い焚き燃焼モードから共用燃焼モードに切り換わってしまう。すなわち従来技術の給湯器の燃焼制御装置では、給湯回路に水流が無いにもかかわらず燃焼量をさらに増大させる動作を行ってしまい、機器の故障であるかの様な印象を与えてしまう。
また従来技術の給湯器の燃焼制御装置では、給湯回路に水流があると、直ちに給湯燃焼モードとなるため、追い焚き単独で使用している際に給湯栓を開くと、燃焼量が増大し、給湯用の熱交換器内に残留していた高温の水がさらに加熱され、熱い湯が出湯されることもあった。
【0008】
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、「給湯使用」の誤検知を回避し、使用者に故障であるような印象を与えることのない給湯器の燃焼制御装置の提供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そして上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、燃焼部と、熱交換部を有し、熱交換部はケース内に二以上の熱交換器を備え、一つの熱交換器は給湯回路に接続される給湯用熱交換器であり、他の一つの熱交換器は、外部に設けられた貯水部との間で循環回路を形成する循環用熱交換器であり、給湯用熱交換器内の水を加熱するのに要する熱量で燃焼させる給湯燃焼モードと、循環用熱交換器内の水を加熱するのに要する熱量で燃焼させる循環燃焼モードと、給湯用熱交換器と循環用熱交換器内の双方の水を加熱するのに要する熱量で燃焼させる共用燃焼モードに切り換えて燃焼される給湯器の燃焼制御装置において、給湯回路には水流を検知する水流センサーが設けられ、給湯用熱交換器又はその近傍の水路に設けられ、当該部位における水路の温度又は内部の水の温度を検知する基準温度検知手段を有し、当該基準温度検知手段の検知温度が一定の関係になったことを条件の一つとして燃焼モードを切り換えるものであって、前記一定の関係は、急変するか、あるいは当該基準温度検知手段の検知温度と予め定められた一定の温度との大小を比較して両者の大小の関係が逆転したことの少なくともいずれかであり、循環燃焼モードにおいて、給湯回路内において水流センサが水流を検知し、且つ基準温度検知手段の検知温度が前記一定の関係を満たせば共用燃焼モードに燃焼モードを切り換え、水流センサが水流を検知し、且つ基準温度検知手段の検知温度が前記一定の関係を満たさなければ共用燃焼モードに燃焼モードを切り換えない燃焼状態切り換え手段を備えたことを特徴とする給湯器の燃焼制御装置である。
【0010】
ここで「給湯用熱交換器内の水を加熱するのに要する熱量で燃焼させる給湯燃焼モードと、循環用熱交換器内の水を加熱するのに要する熱量で燃焼させる循環燃焼モードと、給湯用熱交換器と循環用熱交換器内の双方の水を加熱するのに要する熱量で燃焼させる共用燃焼モードに切り換えて燃焼される」とは、制御方法や、制御の基礎となる演算式が異なるモードを有するという意味である。したがって、例えば「給湯用熱交換器内の水を加熱するのに要する熱量で燃焼させる給湯燃焼モード」が、一定の固定的な熱量で燃焼させるものである場合もある。
【0011】
本発明は、給湯用熱交換器又はその近傍の水路に設けられた基準温度検知手段を有、この検知温度の関係が、給湯用熱交換器への通水の有無によって変化する点に注目したものである。すなわち基準温度検知手段は、給湯用熱交換器又はその近傍の水路に設けられているから、給湯用熱交換器内に水流が無い状態で給湯用熱交換器が加熱されると高い温度が検知される。しかし給湯用熱交換器内に水流が生じると検知温度が大きく低下する。したがって基準温度検知手段の関係によって、給湯用熱交換機への通水の有無を知ることができる。
本発明は、上記した知見に基づくものであり、基準温度検知手段の検知温度が一定の関係になったことを条件の一つとして燃焼モードを切り換える燃焼状態切り換え手段を備えるので、「給湯使用」の誤検知を回避することができる。
【0000】
また、基準温度検知手段は給湯用熱交換器内に水流が無い状態で加熱されると高い温度を検知し、水流がある場合は、基準温度検知手段の検知温度が大きく低下するので、基準温度検知手段の検知温度と一定温度の高低が逆転したことを条件の一つとして燃焼モードを切り換えることとした。
また、本発明の給湯器の燃焼制御装置では、給湯回路に水流を検知する水流センサーが設けられ、燃焼状態切り換え手段は、基準温度検知手段の検知温度が一定の関係になるという条件と、給湯回路に水流があるというを条件を満たした時に燃焼モードを切り換える。したがって本発明の給湯器の燃焼制御装置は、「給湯使用」の誤検知が少ない。
【0012】
また同様の課題を解決するための請求項2に記載の発明は、燃焼部と、熱交換部を有し、熱交換部はケース内に二以上の熱交換器を備え、一つの熱交換器は給湯回路に接続される給湯用熱交換器であり、他の一つの熱交換器は、外部に設けられた貯水部との間で循環回路を形成する循環用熱交換器であり、給湯用熱交換器内の水を加熱するのに要する熱量で燃焼させる給湯燃焼モードと、循環用熱交換器内の水を加熱するのに要する熱量で燃焼させる循環燃焼モードと、給湯用熱交換器と循環用熱交換器内の双方の水を加熱するのに要する熱量で燃焼させる共用燃焼モードに切り換えて燃焼される給湯器の燃焼制御装置において、給湯回路には水流を検知する水流センサーが設けられ、給湯用熱交換器又はその近傍の水路に設けられ、当該部位における水路の温度又は内部の水の温度を検知する基準温度検知手段と、前記基準温度検知手段よりも下流側に設けられ当該部位における給湯用熱交換器の温度又は内部の水を検知する下部側温度検知手段を有し、前記基準温度検知手段と下部側温度検知手段の検知温度が一定の関係になったことを条件の一つとして燃焼モードを切り換えるものであって、前記一定の関係は、前記2つの温度検知手段の検知温度の大小を比較して当該検知温度の大小の関係が逆転した時、前記2つの温度検知手段の検知温度の差が一定の範囲になった時、又は、前記2つの温度検知手段の検知温度の降下速度の差が一定以上となった時の少なくともいずれかであり、循環燃焼モードにおいて、給湯回路内において水流センサが水流を検知し、且つ前記2つの温度検知手段の検知温度が前記一定の関係を満たせば共用燃焼モードに燃焼モードを切り換え、水流センサが水流を検知し、且つ前記2つの温度検知手段の検知温度が前記一定の関係を満たさなければ共用燃焼モードに燃焼モードを切り換えない燃焼状態切り換え手段を備えたことを特徴とする給湯器の燃焼制御装置である。
【0013】
本発明は、給湯回路に二つの温度検知手段を持つ。そして温度検知手段の一つは、給湯用熱交換器又はその近傍の水路に設けられている。また他の一つの温度検知手段は、前記基準温度検知手段よりも下流側に設けられている。
本発明は、上記した二つの温度検知手段による検知温度の関係が、給湯用熱交換器への通水の有無によって変化する点に注目したものである。すなわち基準温度検知手段は、給湯用熱交換器又はその近傍の水路に設けられているから、給湯用熱交換器内に水流が無い状態で給湯用熱交換器が加熱されると下部側温度検知手段よりも高い温度を検知することとなる。一方、給湯用熱交換器内に水流がある場合は、水は基準温度検知手段側から下部熱検知手段側に流れる。したがって給湯用熱交換器内に水流がある場合は、基準温度検知手段の検知温度が大きく低下する。しかしながら、水は、基準温度検知手段の位置を通過した後、下部熱検知手段の位置に至るまでの間に加熱される。そのため下部熱検知手段の検知温度は、大きくは下がらない。すなわち通水の有無による下部熱検知手段の検知温度の変化の度合いは、上部熱検知手段に比べて小さい。したがって基準温度検知手段と下部側温度検知手段の検知温度の関係によって、給湯用熱交換機への通水の有無を知ることができる。
【0019】
本発明は、上記した知見に基づくものであり、基準温度検知手段と下部側温度検知手段の検知温度が一定の関係になったことを条件の一つとして燃焼モードを切り換える燃焼状態切り換え手段を備えるので、「給湯使用」の誤検知を回避することができる。
具体的には、基準温度検知手段は、給湯用熱交換器又はその近傍の水路に設けられているから、給湯用熱交換器内に水流が無い状態で加熱されると高い温度を検知することとなる。また前記した様に給湯用熱交換器内に水流がある場合は、基準温度検知手段の検知温度が大きく低下する。これに対して下部熱検知手段の検知温度の低下は小さい。そして多くの場合、給湯用熱交換器内に水流がある場合は、基準温度検知手段と下部側温度検知手段の検知温度は逆転し、下部側温度検知手段の検知温度が基準温度検知手段よりも高い温度を示す。そこで本発明は、下部側温度検知手段の検知温度が逆転したことを条件の一つとして燃焼モードを切り換えることとした。
また、本発明の給湯器の燃焼制御装置では、給湯回路に水流を検知する水流センサーが設けられ、燃焼状態切り換え手段は、基準温度検知手段と下部側温度検知手段の検知温度が一定の関係になるという条件と、給湯回路に水流があるというを条件を満たした時に燃焼モードを切り換える。したがって本発明の給湯器の燃焼制御装置は、「給湯使用」の誤検知が少ない。
【0014】
また請求項3に記載の発明は、燃焼状態切り換え手段は、基準温度検知手段と下部側温度検知手段の温度が一定の関係になってから所定の時間が経過した後に燃焼モードを切り換えるものであることを特徴とする請求項2に記載の給湯器の燃焼制御装置である。
【0015】
本発明の給湯器の燃焼制御装置では、基準温度検知手段と下部側温度検知手段の温度が一定の関係になってから所定の時間が経過した後に燃焼モードを切り換える。そのため「給湯使用」状態であることが確実となった後に燃焼モードが切り換えられる。
【0016】
また請求項4に記載の発明は、給湯用熱交換器を構成する水路はケースを貫通し、さらにケースを出た部分で屈曲して再度ケース内に入るものであり、基準温度検知手段は前記水路の屈曲部分に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の給湯器の燃焼制御装置である。
【0017】
本発明の給湯器の燃焼制御装置では、基準温度検知手段は給湯用熱交換器の中間部に取り付けられている。そのため給湯用熱交換器の温度を直接的に検出することができる。したがって給湯用熱交換器内に水流が無い状態で給湯用熱交換器が加熱されると、基準温度検知手段は速やかに高い温度を検出する。
【0022】
前記した様に、「給湯使用」の誤検知は、循環燃焼モードから共用燃焼モードに切り換える際に頻繁に起こる。また頻度は低いものの、同様に給湯燃焼モードから共用燃焼モードに切り換える際にも同様の誤検知が生じる場合がある。また給湯燃焼モードの際には循環用熱交換器内に滞留する水が加熱されており、給湯燃焼モードから共用燃焼モードに切り換えることにより、燃焼量が増大し、循環用熱交換器内に滞留する水がさらに加熱される。そのため浴槽等に過度に熱い湯が循環される場合がある。そこで関連発明は、燃焼状態切り換え手段は、循環燃焼モード又は給湯燃焼モードから共用燃焼モードに切り換える際に機能することとしたものである。
【0027】
また請求項に記載の発明は、外部に設けられた貯水部は浴槽又は床暖器具であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の給湯器の燃焼制御装置である。
【0028】
本発明の給湯器の燃焼制御装置は、風呂装置又は床暖房装置に使用するものであり、実用的な態様を示すものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態の給湯器の燃焼制御装置及び給湯配管の要部を示す配管図である。図2は、本発明の実施形態の給湯器の燃焼制御装置によって制御される給湯器の全体配管図である。図3は、本発明の実施形態の給湯器の燃焼制御装置のフローチャート図である。図4は、本発明の実施形態の給湯器の燃焼制御装置のタイムチャート図である。
【0030】
本発明の給湯器の燃焼制御装置は、図1に示す様な1缶2回路形式の給湯器1の燃焼を制御するものである。
すなわち給湯器1は、例えば図1の様であり、一つの燃焼ケース18に一つの燃焼部(バーナ)15と、二組の熱交換器20,21が取り付けられたものである。そして熱交換器20,21が取り付けられた部位によって熱交換部が形成されている。
順次説明すると、燃焼部15は、燃焼筒2を有し、燃焼筒2に燃料を供給する燃料供給回路と、空気を供給する空気供給回路を備える。燃料供給回路は、図示しない燃料タンクから燃焼筒2内の燃料噴射ノズル3に燃料を供給し、燃料噴射ノズル3から燃料を噴射させるものである。
【0031】
図1の構成で採用する燃料噴射ノズル3は、圧力戻り式の噴射ノズルであり、燃料タンクから燃料噴射ノズル3に至る往き配管5と燃料噴射ノズル3から残余の燃料を戻す戻り配管6を備える。
そして往き配管5には電磁ポンプ7が接続され、戻り配管6には比例制御弁10が接続されている。比例制御弁10は、弁の開度や開成時間が制御されるものである。また燃料タンクから、往き配管5と戻り配管6の分岐部までの間に、油元電磁弁11が設けられている。
【0032】
図1に示す給湯器1では、燃料は電磁ポンプ7で加圧されて燃料噴射ノズル3に至り、燃料の一部がノズルから噴射される。そして残余の燃料は、戻り配管6を経由して電磁ポンプ7の上流側に戻される。
そして前記した様に、戻り配管6には比例制御弁10が接続されているので、比例制御弁10によって電磁ポンプ7に戻る燃料の量が制限され、比例制御弁10の開度等に応じて燃料噴射ノズル3から噴射される燃料の量が制御される。
【0033】
一方、空気供給回路は送風機12及び空気流路13によって構成され、送風機12で作られた風を空気流路13を経て燃焼筒2に導入するものである。また他に燃焼部15は、点火装置17を備える。
【0034】
燃焼ケース18は、ステンレススチール等で作られた箱であり、その上部に前記した燃焼部15が取り付けられている。
そしてその内部には、二系統の熱交換器20,21が内蔵されている。本実施形態では、上部に図示された熱交換器20は、給湯用として使用され、下部に図示された熱交換器21は、追い焚き用として使用される。また本実施形態では、給湯用熱交換器20及び追い焚き用熱交換器(循環用熱交換器)21は、いずれもケースの上部側に入水口があり、下部側に出水口がある。
【0035】
給湯用熱交換器20を構成する水路61は燃焼ケース18を貫通し、さらに燃焼ケース18を出た部分で屈曲して再度ケース内に入り、以下、これを何度も繰り返して下部側に出水口に至る。
【0036】
そして本実施形態の重要な構成部品として、給湯用熱交換器20に当該熱交換器20内の水温を検知する二つのサーミスタ8,9が設けられている。本実施形態では、サーミスタ8が基準温度検知手段として機能し、サーミスタ9が下部側温度検知手段として機能する。
【0037】
ここでサーミスタ8は、当業者の間で沸騰防止サーミスタ(以下サーミスタ8を通例に習って沸騰防止サーミスタ8と称する)と称されているものであり、給湯用熱交換器20を構成する水路61に直接的に取り付けられている。より詳細には沸騰防止サーミスタ8は、給湯用熱交換器20を構成する水管の途中に取り付けられている。すなわち、熱交換部においては、給湯用熱交換器20を構成する水管は、熱交換部のケースに入ったり出たりし、ケースから出た部分で水管を屈曲させて何度もケース内部を通過するように構成している。そして、その水管が熱交換部を通過する全長の途中箇所でケースから出た屈曲部分に取り付けられている。すなわち沸騰防止サーミスタ8は、給湯用熱交換器20を構成する水路61であって、燃焼ケース18を出た屈曲部62に設けられ、燃焼ケース18から出て、再度燃焼ケース18に入る部位に設けられいる。
【0038】
一方、サーミスタ9は、当業者の間で缶体サーミスタ(以下サーミスタ9を通例に習って缶体サーミスタ9と称する)と称されているものであり、ケース18と一体又はケース18近傍の位置であって、給湯用熱交換器20の出水部近傍にある。すなわち沸騰防止サーミスタ8は、給湯回路41であって給湯用熱交換20の燃焼ガスに晒された直後の位置にある。言い換えると缶体サーミスタ9は給湯用熱交換器20の水路であって最終的に燃焼ケース18から出た下流側の水管に取り付けられている。
【0039】
前記した様に、本実施形態では、給湯用熱交換器20は、ケース18の上部側に入水口があり、下部側に出水口があるので、沸騰防止サーミスタ8は、缶体サーミスタ9よりも上流にある。
【0040】
また燃焼ケース18の下端には排気集合筒22が設けられ、さらに排気集合筒22は排気筒23に繋がっている。
【0041】
給湯器1を使用する際には、油元電磁弁11を開くとともに電磁ポンプ7を起動し、燃料噴射ノズル3に燃料を供給する。また比例制御弁10によって戻り側の燃料を制限し、燃料噴射ノズル3から燃料を噴射させる。
一方、送風機12を起動して燃焼筒2内に空気を供給する。そして燃料噴射ノズル3から燃料が噴霧され、点火装置17をもって燃料に点火し、燃焼ケース18内に火炎を発生させる。
【0042】
ここで本実施形態で採用する給湯器1は、1缶2回路形式であるから、燃焼部15から排出された燃焼ガスは、給湯用の熱交換器20と、追い焚き用の熱交換器21を同時に加熱する。そして燃焼ガスは、燃焼ケース18の下端に設けられた排気集合筒22を経て排気筒23に入り、外部に排出される。
【0043】
次に、給湯器1のその他の配管を図2を参照しつつ説明する。給湯器1の配管は、図2の様に落とし込み給湯及び他栓への給湯を行う給湯部24と、浴槽(貯水部)29内の湯を追い焚きする追い焚き部25を持つ。
【0044】
給湯部24は、前記した給湯用熱交換器20を流れる高温湯回路26と、給湯用熱交換器20をバイパスするバイパス回路27を持つ。そしてバイパス回路27を流れるバイパス水量をバイパス水量調節弁28によって調節し、高温湯回路26を流れる高温湯とバイパス回路27を流れる冷水を混合して湯の温度を調節する。また高温湯回路26とバイパス回路27との混合部分の下流側には水量調節弁30と出湯温度センサー31が設けられており、出湯温度センサー31によって検知された温度が前記したバイパス水量調節弁28等にフィードバックされると共に、水量調節弁30によって総水量が調節される。
【0045】
高温湯回路26には、水量センサー32と、入水温度センサー33が設けられ、高温湯の温度が80程度となる様に比例制御弁10が調節される。なお本実施形態では、水量センサー32は水流センサーとしても機能する。
【0046】
追い焚き部25は、浴槽29と追い焚き用熱交換器21とを循環する浴槽循環回路40を持つものである。すなわち浴槽循環回路40は、追い焚き用熱交換器21側から浴槽29へ湯を送る往き側水路43と、浴槽3から追い焚き用熱交換器21側に湯を戻す戻り側水路44を持つ。そして戻り側水路44には、水位センサー45と、循環ポンプ46、水流スイッチ47及び湯温センサー48が設けられている。ここで水位センサー45は、浴槽29内の水位を検出するものである。
【0047】
また本実施形態では、往き側水路43と戻り側水路44の間にバイパス水路49が設けられ、その戻り側水路44との分岐部に三方弁60が設けられている。なおこの三方弁60は、追い焚き時に循環ポンプ46と追い焚き用熱交換器21を連通してバイパス水路49側を閉止し、湯の落とし込み時に循環ポンプ46とバイパス水路49を連通して追い焚き用熱交換器21側を閉止する。また三方弁60は、浴槽29の水位検出時には、循環ポンプ46側、追い焚き用熱交換器21側及びバイパス水路49側をいずれも閉止する。
【0048】
また給湯部24と追い焚き部25とは、落とし込み水路50によって接続されている。落とし込み水路50は、前記した給湯部24の温度センサー31が取付けられた部位の下流側から枝分けされ、水量センサー51が接続され、その先が分岐されて追い焚き部25の往き側水路43と戻り側水路44の双方に接続されている。また落とし込み水路50の往き側水路43との接続部位、および落とし込み水路50の戻り側水路44との接続部位には電磁弁52が接続され、さらにその下流には二つの逆止弁54,55が設けられている。
またさらに落とし込み水路50の往き側水路43との接続部位には安全弁57が設けられている。
【0049】
次に、本実施形態の給湯器の燃焼制御装置の制御部分について説明する。本実施形態の給湯器の燃焼制御装置は、コントローラ42内に内蔵されたCPUを中心として制御される。CPUには、前記した配管回路の全ての電気機器が直接的に、或いはリレー等を介して間接的に接続されているが、本発明では、特に図1に破線で示した3つの信号が重要である。すなわち本実施形態では、コントローラ42に、沸騰防止サーミスタ8、缶体サーミスタ9及び水量センサー32が接続されている。
ここで前記した様に沸騰防止サーミスタ8は、給湯回路41であって給湯用熱交換器20の燃焼ガスに晒される部位の直近の位置にあり、ケース18近傍の回路を流れる水の温度を検知するものである。また缶体サーミスタ9は、給湯回路を流れる水であって給湯用熱交換の燃焼ガスに晒された直後の温度を検知するものである。水量センサー32は、給湯回路を流れる水量を検知するものであるが、当然に水流の有無を検知することもできる。
【0050】
またさらにコントローラ42には、燃料回路の比例制御弁10が接続されている。
【0051】
そしてコントローラ42のCPUには、燃焼部15を、追い焚きモードと、給湯燃焼モードと、共用燃焼モードのそれぞれで燃焼させるためのプログラムと、各モードを切り換える燃焼状態切り換え手段を実現すめためのプログラムが入力されている。
【0052】
ここで追い焚き燃焼モードは、追い焚き用熱交換器21内の水を加熱するのに要する熱量で燃焼させる燃焼モードである。本実施形態では、具体的に追い焚き燃焼モードは、一定号数の燃焼量で燃焼させる燃焼モードである。なお給湯器の構成によっては、追い焚き燃焼モードの時に、浴槽循環回路40に設けられた湯温センサー48の信号に基づいて燃焼量を増減させる場合もある。
【0053】
給湯燃焼モードは、給湯用熱交換器20内の水を加熱するのに要する熱量で燃焼させる燃焼モードである。本実施形態では、具体的に給湯燃焼モードは、水量センサー32と、入水温度センサー33に基づいて高温湯の温度が80程度となる様に比例制御弁10をフィードフォワード制御すると共に、温度センサー31によって検知された温度をフィードバックして燃焼量を調整する燃焼モードである。
【0054】
共用燃焼モードは、給湯用熱交換器20と追い焚き用熱交換器21の双方の水を加熱するのに要する熱量で燃焼させる燃焼モードである。本実施形態では、具体的に共用燃焼モードは、前記した追い焚き燃焼モードの際の一定号数の燃焼量と、給湯に要する燃焼量を合計した燃焼量で燃焼させる燃焼モードである。本実施形態では、共用燃焼モードは、追い焚き燃焼モードよりも熱量の高い燃焼モードであると言える。
なお本実施形態では、共用燃焼モードは、前記したように追い焚き燃焼モードの際の一定号数の燃焼量と、給湯に要する燃焼量を合計した燃焼量で燃焼させる燃焼モードであるが、共用燃焼モードは、必ずしもこれらの単純合計である必要はない。
【0055】
そして前記した3つのモードが状況に応じて切り換えられるが、本実施形態の給湯器の燃焼制御装置では、その切換のタイミングに特徴がある。すなわち従来技術においては、水量センサー32や水流スイッチ47のON・OFFによって燃焼モードを切り換えていたが、本実施形態では、追い焚きモードから共用燃焼モードに切り換わる際に、水量センサー32や水流スイッチ47のON・OFF関係に加えて、沸騰防止サーミスタ8と缶体サーミスタ9の温度を比較し、両者の大小関係が一定の関係となったことを条件として切り換えられる。
【0056】
より具体的には、本実施形態では、浴槽循環回路40に設けられた水流スイッチ47が水流を検知し、且つ給湯回路41に設けられた水量センサー32が水流を検知しない時には、追い焚き燃焼モードとなる。また逆に浴槽循環回路40に設けられた水流スイッチ47が水流を検知せず、且つ給湯回路41に設けられた水量センサー32が水流を検知した時には、給湯燃焼モードとなる。
【0057】
これらは、いずれも水量センサー32と水流スイッチ47のON・OFFに依存して切換が行われる。
これに対して追い焚き燃焼モード又は給湯燃焼モードである時から共用燃焼モードに切り換わるタイミングは、給湯回路41に設けられた水量センサー32が水流を検知するだけでは足りず、沸騰防止サーミスタ8と缶体サーミスタ9の温度を比較し、缶体サーミスタ9の検知温度が沸騰防止サーミスタ8の検知温度以上であることを条件とする。
【0058】
ここで本実施形態では、沸騰防止サーミスタ8は、給湯用熱交換器20の中間部分の管内湯温を検知し、一方缶体サーミスタ9は給湯用熱交換器20から少し離れた下流位置の管内の湯温を検出しているため、温度検出状態は次のようになる。
【0059】
すなわち長い時間給湯側も風呂側も加熱されないときには双方のサーミスタの検出温度はほぼ同じような温度を検出する。
これに対して給湯側のみ使用されているときには、沸騰防止サーミスタ8は、給湯用熱交換器20の熱交換部の途中に配置されており、一方缶体サーミスタ9は給湯用熱交換器20を通過した後の位置についていることから、給湯側通水加熱状態では、缶体サーミスタ9の方が熱交換器20で加熱される区間が長いため、沸騰防止サーミスタ8よりも缶体サーミスタの方が高い温度を検出する。
【0060】
一方、風呂側(追い焚き回路40側)のみ使用されているときには、風呂加熱に対応する所定号数の燃焼加熱を行い、給湯用熱交換器20内は通水せずに滞留状態である。このため、1缶2回路式では追い焚きだけを行なう場合においても、給湯用熱交換器20は、風呂加熱の影響を受け、給湯用熱交換器20の管内の湯も加熱されていく。よって、沸騰防止サーミスタ8が検出する温度は、缶体サーミスタ9が検出する温度よりも高くなる。
給湯回路41側及び追い焚き回路40側の双方が使用されている状態では、給湯用熱交換器20内の管内に通水されるため、双方のサーミスタの検知状態は給湯側のみ使用されているときと同様となる。すなわち沸騰防止サーミスタ8が給湯側熱交換器20の熱交換部の途中に配置されており、一方缶体サーミスタ9は給湯側熱交換器20の熱交換部を通過した後の位置に設けられていることから、給湯側通水加熱状態となり、缶体サーミスタ9の方が熱交換部で加熱される区間が長いため、沸騰防止サーミスタ8よりも高い温度を検出する。
【0061】
沸騰防止サーミスタ8と缶体サーミスタ9についてこのような現象が生じるために、双方のサーミスタを監視することにより、給湯側、追い焚き側、あるいは双方使用状態を検出することができる。また、各使用状態から異なる使用状態への変化を知ることができる。特に、図4に示すように追い焚き単独使用の状態に給湯が使用されたり、給湯の使用が中止されたりするときには、双方のサーミスタ8,9の検出出力を比較することにより容易に使用状態を判断することができる。
更に、このように沸騰防止サーミスタ8及び缶体サーミスタ9を用いて動作状態を判断するようにすれば、熱交換を行う部分の温度状態に基づくことになるので、温度制御の切り換えには最も適切なタイミングでモードの判別を行うことができる。
【0062】
本実施形態では、この現象を利用して追い焚き燃焼モードである時に、給湯回路41に設けられた水量センサー32が水流を検知し、さらに沸騰防止サーミスタ8と缶体サーミスタ9の検知温度が逆転したことを条件として共用燃焼モードに切り換わる。
【0063】
以下、図3のフローチャート図及び図4のタイムチャート図に基づいて、本実施形態の給湯器の燃焼制御装置の動作を説明する。
なお図3のフローチャートは、理解を容易にするために要点のみを簡略化して記載している。
本実施形態の給湯器の燃焼制御装置では、ステップ1,2,5によって水量センサー32と水流スイッチ47のいずれがONでいずれがOFFであるかが確認される。
すなわちステップ1で給湯回路41の水量センサー32のON・OFFが確認され、ONであればステップ2に移行して浴槽循環回路40に設けられた水流スイッチ47のON・OFFが確認される。一方、ステップ1で給湯回路41の水量センサー32がOFFであればステップ5に移行して浴槽循環回路40に設けられた水流スイッチ47のON・OFFが確認される。
【0064】
そして給湯回路41の水量センサー32と浴槽循環回路40の水流スイッチ47のいずれもがOFFである場合は、いずれの回路にも水流が無いのでステップ6に移行し、燃焼が停止する。具体的には、ステップ1,ステップ5,ステップ6と移行し、燃焼が停止する。
また給湯回路41の水量センサー32がOFFであって浴槽循環回路40の水流スイッチ47がONである場合は、ステップ8に移行し、追い焚き燃焼モードで制御される。具体的には、ステップ1,ステップ5,ステップ8と移行し、追い焚き燃焼モードとなる。
また給湯回路41の水量センサー32がONであって浴槽循環回路40の水流スイッチ47がOFFである場合は、ステップ7に移行し、給湯燃焼モードで制御される。具体的には、ステップ1,ステップ2,ステップ7と移行し、給湯燃焼モードとなる。
【0065】
そして給湯回路41の水量センサー32と浴槽循環回路40の水流スイッチ47のいずれもがONである場合は、ステップ3に移行し、沸騰防止サーミスタ8の検知温度と、缶体サーミスタ9の検知温度を比較する。そして缶体サーミスタ9の検知温度が沸騰防止サーミスタ8の検知温度以上であるならば、水量センサー32ばかりでなく、給湯用熱交換器20の前後の温度によっても給湯回路41に水流があることが確認されたので、ステップ4に移行し、共用燃焼モードとなる。
またステップ3に移行したとき、缶体サーミスタ9の検知温度が沸騰防止サーミスタ8の検知温度未満であった場合は、従来技術の説明の欄に記載したように、部分的な沸騰による水量センサー32の誤動作が予想されるので、ステップ1に戻る。もし真に給湯回路41に水流が有るならば、ステップ1,2,3を繰り返すこととなる。したがって実際上、本実施形態では、沸騰防止サーミスタ8と缶体サーミスタ9を常時監視する。
【0066】
また追い焚き燃焼モードであった状態から、使用者が給湯栓等を開き、給湯回路41に通水があった時は、次のような流れによって追い焚き燃焼モードから共用燃焼モードに変わる。
すなわち前記した様に、追い焚き燃焼モードである場合は、スタートからステップ1,ステップ5,ステップ8と移行して追い焚き燃焼モードとなっているが、再度ステップ1に戻った時、給湯回路41の水量センサー32がONとなるからステップ1がイエスとなり、ステップ2に移行する。また追い焚きは続行中であるからステップ2もイエスであり、ステップ3に移行する。
【0067】
この時の沸騰防止サーミスタ8と缶体サーミスタ9の検知温度の関係は、図4の通りである。すなわち実使用上は、図4の最上部の矢印の様であり、時刻T1までは追い焚きだけが行われ、時刻T1の時に給湯栓が開き、給湯回路41に通水が開始されている。
一方、時刻T1に至るまでの間は、給湯用熱交換機20は、通水が無い状態で加熱されるので、沸騰防止サーミスタ8が缶体サーミスタ9に比べて高温を示す。
そして時刻T1で給湯栓が開き、給湯回路41に通水が開始されると、図の様に沸騰防止サーミスタ8の検知温度は急激に低下する。これに対して缶体サーミスタ9の温度低下は小さい。
【0068】
前記した図3のフローチャート図の説明に戻ると、給湯栓が開かれて給湯回路41の水量センサー32がONとなり、ステップ2、ステップ3と順次移行するが、これらは電気的な信号によってプログラムが進行するため、速度が極めて早い。すなわち給湯栓が開かれて給湯回路41の水量センサー32がONとなると、瞬時にステップ3に移行し、沸騰防止サーミスタ8の検知温度と、缶体サーミスタ9の検知温度を比較する。
【0069】
しかしながら、沸騰防止サーミスタ8と缶体サーミスタ9の検知温度の変化は、物理的なものであり、遅れる。
したがって給湯栓が開かれた直後においては、ステップ3はイエスとならず、ステップ1に戻る。そしてステップ1,2,3を繰り返し、沸騰防止サーミスタ8と缶体サーミスタ9を常時監視して沸騰防止サーミスタ8の検知温度が缶体サーミスタ9の検知温度以上となるのを待つ。
そして図4のタイムチャートの様に時刻T2で沸騰防止サーミスタ8の検知温度が缶体サーミスタ9の検知温度以上となると、ステップ3がイエスとなり、ステップ4に移行して共用燃焼モードとなる。
【0070】
またこの時は、給湯用熱交換機20内に滞留していた水は、既に排出されているので、給湯栓から過度に熱い湯が出湯されることはない。
【0071】
以上は、追い焚き燃焼モードであった状態から、共用燃焼モードに変わる場合を説明したが、給湯燃焼モードから共用燃焼モードに変わる場合についても同様である。
【0072】
上記した実施形態では、ステップ3で沸騰防止サーミスタ8の検知温度と、缶体サーミスタ9の検知温度の大小を比較し、沸騰防止サーミスタ8の検知温度と、缶体サーミスタ9の検知温度が逆転した時に、共用燃焼モードに切り換わる構成としたが、変形例として、両者の差が一定の範囲になった時に共用燃焼モードに切り換わる構成としてもよい。また水量センサー32がONとなった後、沸騰防止サーミスタ8の検知温度の降下速度が、缶体サーミスタ9の検知温度の降下速度に比べて早ければ、給湯回路41に水流があると推測できるので、両者の降下速度の差が一定以上である場合に共用燃焼モードに切り換わる構成とすることも有効である。
さらに沸騰防止サーミスタ8の検知温度と、缶体サーミスタ9の検知温度の差や降下速度の差等が一定の関係になってから、さらに所定の時間が経過した後に燃焼モードを切り換えることも有効である。上記した所定の時間は、定数であってもよく、温度差等に応じた変数であってもよい。
【0073】
また上記した実施形態では追い焚き燃焼モード及び給湯燃焼モードである時から共用燃焼モードに切り換わるタイミングを決定するのに二つのサーミスタ8,9の検知温度の大小比較を活用したが、共用燃焼モードから追い焚き燃焼モード又は給湯燃焼モードに切り換わるタイミングにこれらを活用してもよい。すなわち図4の様に、時刻T3で給湯と追い焚きの同時使用の状態から給湯栓を閉鎖すると、給湯用熱交換器20内の水流が停止するので、沸騰防止サーミスタ8の検知温度の検知温度が急上昇し、沸騰防止サーミスタ8の検知温度が、缶体サーミスタ9の検知温度を上回る。そこで缶体サーミスタ9の検知温度を上回ったことを条件の一つとして共用燃焼モードから追い焚き燃焼モード又は給湯燃焼モードに切り換えることも有効である。
【0074】
また上記した実施形態では、二つのサーミスタ8,9の検知温度の比較と、水量センサー32の信号を併用して燃焼モードの切換を行う構成を開示したが、二つのサーミスタ8,9の検知温度の比較だけで燃焼モードの切換を行ってもよい。
【0075】
また上記した実施形態では、二つのサーミスタ8,9の検知温度の高低を比較したが、通水の有無による缶体サーミスタ9側の温度変化は、沸騰防止サーミスタ8に比べて小さいので、沸騰防止サーミスタ8の温度を予め定められた一定の温度と比較して燃焼モードの切換を行ってもよい。
ただし、この場合は、前記した実施形態と比較して、検出精度が低下することは否めないので、水量センサー32の信号を併用することが望ましい。
また沸騰防止サーミスタ8の温度が急変し、且つ水量センサー32がONとなる条件により、燃焼モードの切換を行ってもよい。
【0076】
また上記した実施形態では、給湯器を浴槽の追い焚きに使用するものを例示したが、床暖房等に使用するものに適用することもできる。
【0077】
また上記した実施形態では、灯油等の液体燃料を使用する噴霧燃焼式の給湯器を例に本発明を説明したが、その他、灯油を気化する構造の給湯器や、ガスを燃料とした給湯器を制御する場合にも適用可能であり、色々な燃焼方式の給湯器に適用できるのは勿論のことである。
【0078】
【発明の効果】
以上説明した様に、請求項1に記載の本発明の給湯器の燃焼制御装置は、基準温度検知手段によって給湯用熱交換器の状況を検知し、燃焼モードを切り換える燃焼状態切り換え手段を備えるので、「給湯使用」の誤検知を回避することができる。そのため本発明は、使用者に故障であるような印象を与えることがない。
また、水流センサーを併用するものであるから、「給湯使用」の誤検知が少ない効果がある。
【0079】
請求項2に記載の給湯器の燃焼制御装置は、基準温度検知手段と下部側温度検知手段の検知温度が一定の関係になったことを条件の一つとして燃焼モードを切り換える燃焼状態切り換え手段を備えるので、「給湯使用」の誤検知を回避することができる。そのため本発明は、使用者に故障であるような印象を与えることがない。
また、下部側温度検知手段の検知温度が逆転したこと等を条件の一つとして燃焼モードを切り換えることとしたので、より確実に「給湯使用」の誤検知を回避することができる効果がある。また本発明によると、給湯用の熱交換機内に滞留した水の多くが排出された後に燃焼モードが切り換えられるので、火傷等の心配はない。
また、水流センサーを併用するものであるから、「給湯使用」の誤検知が少ない効果がある。
【0080】
また請求項3に記載の燃焼制御装置では、基準温度検知手段と下部側温度検知手段の温度が一定の関係になってから所定の時間が経過した後に燃焼モードを切り換えることとしたので、より確実に「給湯使用」の誤検知を回避することができる効果がある。また本発明によると、給湯用の熱交換機内に滞留した水の多くが排出された後に燃焼モードが切り換えられるので、火傷等の心配はない。
【0081】
また請求項4に記載の燃焼制御装置では、給湯用熱交換器の中間部分に基準温度検知手段が設けられているので、給湯用熱交換器の温度を正確に検知することができる。
【0083】
また請求項に記載の給湯器の燃焼制御装置は、実用に則した構成を開示するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の給湯器の燃焼制御装置及び給湯配管の要部を示す配管図である。
【図2】 本発明の実施形態の給湯器の燃焼制御装置によって制御される給湯器の全体配管図である。
【図3】 本発明の実施形態の給湯器の燃焼制御装置のフローチャート図である。
【図4】 本発明の実施形態の給湯器の燃焼制御装置のタイムチャート図である。
【符号の説明】
1 給湯器
8 沸騰防止サーミスタ(基準温度検知手段)
9 缶体サーミスタ(下部側温度検知手段)
15 燃焼部
18 燃焼ケース
20 給湯用熱交換器
21 追い焚き用熱交換器(循環用熱交換器)
29 浴槽(貯水部)
40 風呂循環回路
41 給湯回路
61 水路
62 屈曲部

Claims (5)

  1. 燃焼部と、熱交換部を有し、熱交換部はケース内に二以上の熱交換器を備え、一つの熱交換器は給湯回路に接続される給湯用熱交換器であり、他の一つの熱交換器は、外部に設けられた貯水部との間で循環回路を形成する循環用熱交換器であり、給湯用熱交換器内の水を加熱するのに要する熱量で燃焼させる給湯燃焼モードと、循環用熱交換器内の水を加熱するのに要する熱量で燃焼させる循環燃焼モードと、給湯用熱交換器と循環用熱交換器内の双方の水を加熱するのに要する熱量で燃焼させる共用燃焼モードに切り換えて燃焼される給湯器の燃焼制御装置において、給湯回路には水流を検知する水流センサーが設けられ、給湯用熱交換器又はその近傍の水路に設けられ、当該部位における水路の温度又は内部の水の温度を検知する基準温度検知手段を有し、当該基準温度検知手段の検知温度が一定の関係になったことを条件の一つとして燃焼モードを切り換えるものであって、前記一定の関係は、急変するか、あるいは当該基準温度検知手段の検知温度と予め定められた一定の温度との大小を比較して両者の大小の関係が逆転したことの少なくともいずれかであり、循環燃焼モードにおいて、給湯回路内において水流センサが水流を検知し、且つ基準温度検知手段の検知温度が前記一定の関係を満たせば共用燃焼モードに燃焼モードを切り換え、水流センサが水流を検知し、且つ基準温度検知手段の検知温度が前記一定の関係を満たさなければ共用燃焼モードに燃焼モードを切り換えない燃焼状態切り換え手段を備えたことを特徴とする給湯器の燃焼制御装置。
  2. 燃焼部と、熱交換部を有し、熱交換部はケース内に二以上の熱交換器を備え、一つの熱交換器は給湯回路に接続される給湯用熱交換器であり、他の一つの熱交換器は、外部に設けられた貯水部との間で循環回路を形成する循環用熱交換器であり、給湯用熱交換器内の水を加熱するのに要する熱量で燃焼させる給湯燃焼モードと、循環用熱交換器内の水を加熱するのに要する熱量で燃焼させる循環燃焼モードと、給湯用熱交換器と循環用熱交換器内の双方の水を加熱するのに要する熱量で燃焼させる共用燃焼モードに切り換えて燃焼される給湯器の燃焼制御装置において、給湯回路には水流を検知する水流センサーが設けられ、給湯用熱交換器又はその近傍の水路に設けられ、当該部位における水路の温度又は内部の水の温度を検知する基準温度検知手段と、前記基準温度検知手段よりも下流側に設けられ当該部位における給湯用熱交換器の温度又は内部の水を検知する下部側温度検知手段を有し、前記基準温度検知手段と下部側温度検知手段の検知温度が一定の関係になったことを条件の一つとして燃焼モードを切り換えるものであって、前記一定の関係は、前記2つの温度検知手段の検知温度の大小を比較して当該検知温度の大小の関係が逆転した時、前記2つの温度検知手段の検知温度の差が一定の範囲になった時、又は、前記2つの温度検知手段の検知温度の降下速度の差が一定以上となった時の少なくともいずれかであり、循環燃焼モードにおいて、給湯回路内において水流センサが水流を検知し、且つ前記2つの温度検知手段の検知温度が前記一定の関係を満たせば共用燃焼モードに燃焼モードを切り換え、水流センサが水流を検知し、且つ前記2つの温度検知手段の検知温度が前記一定の関係を満たさなければ共用燃焼モードに燃焼モードを切り換えない燃焼状態切り換え手段を備えたことを特徴とする給湯器の燃焼制御装置。
  3. 燃焼状態切り換え手段は、基準温度検知手段と下部側温度検知手段の温度が一定の関係になってから所定の時間が経過した後に燃焼モードを切り換えるものであることを特徴とする請求項2に記載の給湯器の燃焼制御装置。
  4. 給湯用熱交換器を構成する水路はケースを貫通し、さらにケースを出た部分で屈曲して再度ケース内に入るものであり、基準温度検知手段は前記水路の屈曲部分に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の給湯器の燃焼制御装置。
  5. 外部に設けられた貯水部は浴槽又は床暖器具であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の給湯器の燃焼制御装置。
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