JP4663684B2 - 交流電動機の制御装置及び制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、交流電動機の制御装置及び制御方法に関するものである。
従来、交流電動機の回転速度センサあるいは位置センサを用いない方式としては、電動機の相電流を検出し、磁極位置の推定演算を行う制御装置が知られている(例えば、引用特許文献1参照)。
また電流センサを用いない方式として、電動機を駆動するインバータの直流電流を検出し、その瞬時値とインバータのスイッチング状態から、電動機の交流電流を再現する電流再現方式が提案されている(例えば、引用特許文献2参照)。本方式は、インバータを駆動するゲートパルス信号を利用し、インバータの直流電流に瞬間的に現れる電動機電流をサンプル・ホールドし、電動機電流を間接的に検出している。
しかしながら電流再現方式は、インバータの直流電流とゲートパルス信号から電動機電流を再現しているため、極端にゲートパルスが短い場合に、電動機電流成分を捕らえることが難しくなる。特に、インバータの平均スイッチング周波数(キャリア周波数)を高く設定するほど、ゲートパルスが短くなり、電流の再現が難しい。インバータのキャリア周波数を下げた対策を行えば、電流高調波の増大化による効率の低下や、電磁ノイズ発生の原因となる。また、インバータのキャリア周期内で最低2回の電流サンプリングを行う必要があり、特別な回路を必要とする。しかも、ワンチップ・マイコンで実現するには2個のアナログ入力端子が必須であり、マイコン内にAD変換器を2組用意するか、高速AD変換器を1個備えて連続して電流を読み込む必要がある。
特開2001−251889号公報 特開平2−197295号公報
本発明は、シンプルな制御構成で、且つ、高いキャリア周波数での高性能な電動機駆動を実現する制御装置及び制御方法を提供する。
上記課題を解決するため、例えば特許請求の範囲に記載されるよう構成すればよい。
本発明によれば、交流電動機の回転子位置を検出する位置センサと、電流を検出する電流センサを用いることなく、シンプルな制御構成で、尚且つ、高いキャリア周波数での高性能な交流電動機の制御装置が実現できる。
次に、図1ないし図17を参照して、本発明による交流電動機を制御する制御装置の実施例について説明する。尚、以下の実施形態では、交流電動機として、永久磁石型同期電動機を用いて説明するが、誘導電動機やリラクタンスモータなどの他の交流電動機に関しても、同様に実現可能である。
(実施例1)
図1は、本発明による交流電動機制御装置の実施例1の系統構成を示すブロック図である。本実施例の制御装置は、電動機に回転数指令ωr *を与える回転数指令発生器1と、電動機の交流印加電圧を演算し、パルス幅変調信号(PWM信号)に変換して出力する制御器2と、このPWM信号により駆動されるインバータ3と、インバータ3に電力を供給する直流電源4と、制御対象である永久磁石型の電動機5と、直流電源4がインバータ3へ供給する電流I0 を検出する電流検出器6からなる。
制御器2は、電動機5の極数Pを用いて回転数指令ωr *を電動機5の電気角周波数指令ω1 *に変換する変換ゲイン7と、制御装置内部の交流位相θdcを演算する積分器8と、電流I0 の検出値をサンプリングする電流サンプラー9と、サンプリングされた電流値I0sに対して、指令を与えるI0s * 発生器10と、信号を加算する加算器11と、サンプルされた電流I0sが、I0s * に一致するように電動機5への印加電圧指令を演算する電流制御器12と、印加電圧指令に基づいて、電動機5への交流電圧を演算するdq逆変換器13と、交流電圧指令に基づいて、インバータ3を駆動するゲートパルスを作成するPWM発生器14と、からなる。
インバータ3は、インバータの主回路部31と、主回路へのゲート信号を発生するゲート・ドライバ32からなり、インバータ3に電力を供給する直流電源4は、交流電源41と、交流を整流するダイオード・ブリッジ42と、直流電源に含まれる脈動成分を抑制する平滑コンデンサ43とで構成されている。
次に、図1を用いて、本実施例1の動作原理を説明する。変換ゲイン7は、回転数指令発生器1からの回転数指令ωr *に基づき、電動機5の電気角周波数ω1 *を演算し出力する。さらに積分器8を用いてω1 *を積分し、交流位相θdcを演算する。電流サンプラー9では、インバータ3の直流電流I0 をサンプル・ホールドし、I0sとして値を取り込む。I0sは、I0s * 発生器10が出力する電流指令I0s * に一致するように、電流制御器12により制御される。dq逆変換器13では、電流制御器12の出力である印加電圧指令Vqc * と、Vdc * に基づき、交流電圧指令vu*〜vw*を演算する。なお本実施例ではVdc * を0とした。dq逆変換器13の演算式は、数1のようになる。
Figure 0004663684
次に、PWM発生器14において、交流電圧指令をPWM信号に変換する。ゲート・ドライバ32は、このPWM信号に基づいてスイッチング素子を駆動し、電動機5に対してVdc *,Vqc *に相当する交流電圧を印加する。
図2、および図3は、PWM発生器14において、交流電圧指令から、ゲートパルスを作成する様子を示した波形である。ゲートパルスは、図のように、搬送波信号の三角波キャリアと、交流電圧指令の大きさを比較することで作成される。ここで交流電圧指令は図2(a)のように、vu*>vv*>vw* であり、且つ、|vw*|>|vu*|>|vv*| の条件である。この時のゲートパルスGPu〜GPwは、図2(b)のようになる。同図において、GPu〜GPwは、それぞれ値が「1」の場合には、インバータの主回路部31における上側の素子(Sup,Svp,Swp)がオンし、「0」の場合には、下側の素子(Sun,Svn,Swn)がオンすることを意味する。図2の条件において、電流検出器6に現れるインバータの直流電流I0 は、図2(c)のような波形になる。すなわち、I0 は、断続したパルス状の電流波形になり、それぞれに二つの相電流が瞬時的に現れ、図2においては、W相とU相の電流が観測できる。これら観測できる2つの相電流は、電圧最大相の電流と、電圧最小相の電流である。さらに、これら2つの相電流のうち、電圧指令の絶対値の大きな方の通電期間が長くなる。ここで、電圧最大相はU相、電圧最小相はW相であり、絶対値の大きな相はW相となる。
つまり、断続電流であるI0 の通流期間内、しかも通電期間の中間点近傍で電流をサンプリングすると、電圧指令の絶対値が最も大きな相の電流が検出できることになる。なお、三相の本実施例においては、インバータ電流の立ち上り時刻から通電期間の33〜67%の範囲内であれば、中間点近傍でのサンプリングと同様の効果が得られる。
図3は、図2とは条件が異なり、vu*>vv*>vw*であり、且つ、|vu*|>|vw*|>|vv*|となる条件である。この場合は、I0 の通電期間の中間点近傍で電流をサンプリングすると、U相の電流値が検出できることになる。
ここで、交流電圧指令を数2のように定義する。
Figure 0004663684
この場合、電圧指令波形は、図4(a)のようになる。I0 の通電期間の中間点近傍でサンプリングを行うと、電圧位相θv に応じて、検出できる相電流が、図4(b)のように60度毎に変化する。サンプリング後の電流波形であるI0sは、同図(c)の太線のような波形になる。
交流電動機は、インダクタンス成分を持つため、電流は電圧に対して遅れ位相となる。よって、図4の(a)と(c)のような関係になる。電流位相は、電動機定数や、負荷条件などによって変化するが、ほぼ、電流の最大付近を含むような波形を観測できる。
本実施例では、I0sを、電流指令I0s * に一致するように電流制御を行う。この結果、電動機5には、所定量の交流電流が流れることになる。電流が十分流れることで、起動時などのトルクを確保することが可能である。
従来の「電流再現方式」では、電動機の起動時には、三角波キャリアの周波数が高いほどゲートパルス幅が狭くなり、電流検出そのものが難しくなる。また、起動時には、デッドタイム(インバータの上下スイッチング素子の短絡防止期間)の影響や、スイッチング素子のオン電圧降下の影響などで、フィードバックなしで所定量の電流を流すことは困難である。しかしながら、本実施例では、通流パルス幅の中間時点近傍で電流をサンプルし、その値を制御することで、起動に必要なだけの電流を確実に流すことができる。また、電流サンプルのタイミングは単純であり、複雑な電流検出アルゴリズムを必要としない。よって、マイコンを用いて本実施例を実現するためには、電流検出器6の出力を、1つのアナログ入力端子に接続すればよく、また、図示しないAD変換器も1個備えていればよい。
次に、I0 をサンプル・ホールドするタイミングの発生方法について説明する。
0 の通電期間の中間時点近傍で電流をサンプリングするためには、例えば、I0 の立ち上がり、ならびに立ち下がりをトリガとして、パルス幅を計測しておき、次回のパルスの立ち上りから、パルスの中間時点を推定して、サンプル信号を発生させることで実現できる。しかし、この方法では、ハードウエアが複雑となるし、また、ノイズなどの影響による誤動作も懸念される。
図5を用いて、サンプル信号の発生方法について説明する。図2ならびに図3に示したPWM発生方法の場合、通電期間の中間時刻は、三角波キャリアの上下ピークの中間時点に一致する。すなわち、三角波キャリアの零クロスをトリガとして、I0 のサンプル信号を発生させれば、簡単にI0sを取り込むことが可能になる。
また、PWM方式によっては、図6に示すような電圧指令波形を用いる場合がある。これらは、「二相スイッチング方式」等と呼ばれているPWM変調方式であり、三相のいずれか1相がスイッチング動作を行わないものである。例えば、図6において、60度<θv <120度の期間では、U相のスイッチング素子は上側(図1のSup)がオンし続け、下側(図1のSun)はオフ状態を保つ。この電圧指令は、元の正弦波状の電圧指令に対して、三相すべてに共通の電圧成分(零相成分)を加えることで実現できる。
この条件での、電圧指令,ゲートパルス、ならびにI0 を、図7に示す。
図7からわかるように、U相電圧が三角波キャリアの上側ピークよりも大きい時には、三角波キャリアの上側ピーク時が、通流期間の中間時刻になる。よって、このタイミングで、電流サンプルを実施すればよいことになる。尚、一つの相の電圧指令を、例えば図7の0〜60度期間のような負側に飽和させる場合には、三角波キャリアの下側ピーク時点で電流をサンプルすればよいことになる。
(実施例2)
次に、図8を用いて、本発明による実施例2について説明する。
実施例1では、電動機に流れる電流を所定値になるように流し、駆動に必要な電流を確保するものであった。それに対し、実施例2では、電動機に流れる「有効電流」を検出して、電動機を高性能に制御することを目的としている。
図8は、制御器2Aのブロック構成を示すものであり、図1における制御器2の代わりに、図8の制御器2Aを用いることで、実施例2が実現できる。図8においては、I0sに対するフィルタ15と、フィルタ15の出力に基づいて、電動機の電気角周波数指令ω1 *にΔω1 を加えるω1 補償器16と、ω1 *から、電動機への印加電圧を決定する電圧指令演算器17が、図1の制御器2と異なるブロックである。
制御器2Aでは電流制御を行わず、電圧指令演算器17を用いて、ω1 *から直接電圧指令Vqc * を演算している。このように、電動機制御方式としては、V/F一定制御を基本としているが、図1の制御器のように、電流制御を用いても問題はない。
次に、本実施例の特徴部分であるフィルタ15、ならびにω1 補償器16について説明する。図8の制御器2Aでは、I0sに対して、フィルタ15を設けており、このフィルタ出力を有効電流Ia としている。I0sにフィルタ15を介することで、有効電流Ia が得られる原理を、以下に示す。
電動機への印加電圧V、ならびに電流Iを、数3のように定義する。なお電圧Vをu相電圧、電流Iをu相電流とする。
Figure 0004663684
数3において、V0 は電圧振幅であって本実施例ではVqc * に一致、I0 は電流振幅、θv は電圧位相、δは電流位相(力率角)である。ここで、数3のIは、数4のように表すことができる。
Figure 0004663684
数4から、有効電流、ならびに無効電流の大きさIa ,Ir は、数5のように表される。
Figure 0004663684
数4は、u相電流であるので、60度<θv <120度の期間において、I0sとして観測される。フィルタ15により、この期間の電流が平均化されるものとし、数4のこの間の平均値Im を求めてみる。60度〜120度期間の平均値であるので、
Figure 0004663684
となる。すなわち、有効電流成分Ia は、平均値Im を用いることで、
Figure 0004663684
として演算することが可能になる。よって、フィルタ15を介してI0sを平均化することで、有効電流Ia を検出することができる。
有効電流Ia は、電動機の負荷の大きさを直接示すものであるため、制御に有効に使うことで、より安定な電動機の制御装置が実現できる。図8に示す制御器2Aでは、Ia に基づいてω1 *への補償量であるΔω1 を演算している。ω1 補償器16は、Ia に対して不完全微分を実施し、負荷が増えて有効電流が増加した時には、電気角周波数を下げ、逆に負荷が減少した場合には電気角周波数を上げるように動作している。これによって、負荷変動による過渡振動を大幅に低減することが可能になり、より安定な交流電動機の制御装置が実現できる。
尚、フィルタ15は、電動機を駆動する周波数の6倍の高調波成分を取り除く必要がある。この場合、1次遅れフィルタなどを介するよりも、むしろ移動平均を用いた方が、脈動成分を容易に取り除くことができる。図9は、フィルタ15を移動平均フィルタ15Bとした場合のブロック構成図である。図9において、移動平均フィルタ15Bは、1演算周期分の遅れ要素である信号遅延器151と、加算器11と、フィルタゲイン152から構成されている。この移動平均を取る期間を、電気角の60度に相当するように設定しておけばよい。この結果、I0sに含まれる脈動成分は理想的に削除され、有効電流Ia がより正確に検出できるようになる。
(実施例3)
次に、図10、ならびに図11を用いて、本発明による実施例3について説明する。図10及び図11は、無効電流の検出方法と、それを用いた制御を具現化した例である。
図10は、制御器2Cのブロック構成を示すものであり、図1における制御器2の代わりに、図10を用いることで、実施例3が実現できる。図10においては、I0sから電動機に流れる有効電流成分Ia と無効電流成分Ir の少なくとも一つを演算するIa・Ir演算器18と、Ia・Ir演算器18の演算開始割込みを発生する割込発生器19と、無効電流Ir に対して、電流指令Ir *を与えるIr *発生器20と、が、これまでの実施例における制御器2,2Aと異なる部分である。
次に、本実施例の動作原理について説明する。Ia・Ir演算器18では、電動機に流れる有効電流と無効電流を演算する。割込発生器19では、交流電圧指令から、θv =0度,60度,120度,180度,240度,300度の60度毎に割込み信号を発生し、Ia・Ir演算器に対してトリガをかけている。
図4に示す電流サンプルを実施すると、I0sとして検出される電流相が、θv の60度毎に変化する。ここで図11のように、観測できる電流相が変化した直後の電流値をI1 とし、変化する直前の値をI2 と定義する。今、θv が60〜120度期間であると仮定する。この期間では、U相電流が観測できるため、I1 、ならびにI2 は、数4を用いて、
Figure 0004663684
と表すことができる。数8より、
Figure 0004663684
Figure 0004663684
となる。数5より、Ia ,Ir は、
Figure 0004663684
Figure 0004663684
となる。よって、検出できる電流相が切り替わる前後の電流サンプル値を用いれば、電動機の有効電流と無効電流を観測できることになる。また、定常状態においては、図11に示すように、I2′=I2 であるので、I1 とI2′を用いて演算することもできる。本方式によれば、演算遅れが伴わずに有効電流と無効電流を演算することができる。
このように、有効電流と無効電流が観測できると、電動機電流の位相情報が得られることになり、より高度な電動機制御が実現できるようになる。図10では、無効電流Irに対して、電流指令Ir *を与え、無効電流が所定値になるように制御を行っている。無効電流を制御することで、電動機の効率最適化運転や、界磁弱め制御等の実現が可能になり、より高性能な交流電動機の制御装置が提供できる。
(実施例4)
次に、図12、ならびに図13を用いて、本発明による実施例4について説明する。
電動機に流れる有効電流、ならびに無効電流の検出方法に関する実施例3では、演算できるタイミングは、60°に一回しかなかった。従って、ノイズなどの影響を受けることがある。
実施例4は、ノイズの影響を受け難くするために、電流サンプル値I0sを積分することにより有効電流,無効電流を演算する手法を提供するものである。
図12は、制御器2Dのブロック構成を示すものである。図12においては、I0sから電動機に流れる有効電流成分Ia と、無効電流成分Ir を演算するIa・Ir演算器18Dと、Ia・Ir演算器18Dで用いる周期関数Fc 、ならびにFs を発生する関数発生器21と、無効電流Ir に対して、指令電流Ir *を与えるIr *発生器20と、が、これまでの実施例における制御器2,2A,2Cと異なる部分である。
次に、本実施例の動作原理について説明する。図12に示す制御器2Dは、動作としては、基本的に図10のものと同等であるが、Ia,Irの求め方が大きく異なっている。
関数発生器21は、図13に示す波形(Fcv),Fsv))を発生する。関数Fs は、sinθvの60度〜120度期間の波形を繰り返し出力する関数であり、関数Fc は、cosθvの60〜120度期間の波形を繰り返すものである。
a・Ir演算器18Dでは、下記に示す積分演算を行う。
Figure 0004663684
Figure 0004663684
上式において、θv0は任意の電圧指令位相である。
今、θv が60〜120度である場合について、動作原理を説明する。この期間では、Fs=sinθv,Fc=cosθvであり、また、I0sも、数4で表すことが可能である。数13を展開すると、下記のようになる。
Figure 0004663684
よって、数15より、
Figure 0004663684
となり、Iamから、有効電流Ia が演算できる。
同様に、数14を展開すると、
Figure 0004663684
となる。
よって、数15より、
Figure 0004663684
となり、Irmから、無効電流Ir が演算できる。
実施例4では、積分演算により、60度以内で、有効電流Ia と無効電流Ir を演算することができる。積分演算のため、ノイズなどの外的要因に対する影響を受け難くなり、より、精度が高く、安定度の増した交流電動機の制御装置が実現できる。
(実施例5)
次に、図14、ならびに図15を用いて、実施例5について説明する。
実際の電動機制御では、電動機電流を電動機の磁束軸成分(d軸成分)と、それに直交する成分(q軸成分)に分離して、電動機電流を制御する「ベクトル制御」が用いられることが多い。本実施例は、このベクトル制御を実現するものである。
図14は、制御器2Eのブロック構成を示すものである。図14においては、有効電流成分Ia 、ならびに無効電流成分Ir から、電動機の磁束軸を基準にしたIdc,Iqc軸の電流を演算するar−dq変換器22と、d軸上の電流指令Id *を発生するId *発生器23と、回転速度指令ωr *と速度推定値ωr の差を演算しq軸上の電流指令Iq *を出力する速度制御器24と、電動機のd軸位置(位相)と制御上の位相(θdc)との軸誤差Δθを演算する軸誤差推定器25と、軸誤差Δθが零になるように回転速度を修正するPLL制御器26とが、これまでの実施例における制御器2,2A,2C,2Dと異なる部分である。また、Idc、ならびにIqcが、それぞれId *,Iq *に一致するように、電流制御器12を備えている。
次に、本実施例の動作について説明する。
a・Ir演算器18Dにおいて得られたIa 、ならびにIr に基づいて、ar−dq変換器22において、Idc,Iqcが演算される。ここでは、数19に従って、Idc,Iqcを求める。
Figure 0004663684
尚、数19におけるψは、電圧位相とq軸の相差角であり、
Figure 0004663684
と求めることができる。これらの電動機の電圧と、電流の位相関係を、図15に示す。
dcとIqcは、それぞれ電動機の励磁電流,トルク電流に相当する成分であり、各々の指令値Id *,Iq *に一致するように、電流制御器12により制御される。
また、軸誤差演算器25では、制御上で仮定しているd軸位相(θdc)と、実際の電動機内のd軸位相との誤差角Δθを推定演算する。Δθは、電圧指令、ならびに電流検出値を用いることで、演算することが可能である。PLL制御器26では、軸誤差Δθが零になるように、電動機速度ωr を出力する。定常的には、Δθは零となり、磁極軸を直接検出することなく、電動機のdq軸と制御上の軸とを一致させることができる。また、ωr は、電動機の回転速度推定値でもあり、回転速度指令ωr *との偏差が零になるように、速度制御器24において、トルク電流指令Iq *が演算される。Iq *は、Iqcと比較され、両者が一致するように電流制御12を介して制御される。また、d軸電流に関しても、Idcが所定値になるように電流制御が行われる。非突極型の磁石モータでは、通常Id *=0である。
以上のように、本実施例によれば、電動機のトルク電流と励磁電流の個別制御が可能となり、ベクトル制御が実現可能となる。
(実施例6)
次に、図16を用いて、本発明の実施例6について説明する。
本実施例では、中高速以上において高速応答が可能な制御装置を提供する。
図16は、制御器2Fのブロック構成を示すものである。図16においては、I0 を三角波キャリアの半周期内で2ケ所サンプリングするための電流サンプラー9を2個追加しており、相電流再現器27において、電動機の三相電流を再現する。この相電流再現方法に関しては、特開平2−197295号に記載されている従来技術を用いてもよい。三相電流をdq変換器28において座標変換し、スイッチ29により、Idc,Iqcの演算値を切り替えている。
インバータで電動機を駆動する場合、速度が低いほど、ならびに、キャリア周波数が高いほど、インバータのゲートパルス信号は狭くなり、相電流再現器27の動作が困難になる。しかしながら、そのような条件の場合には、2つのスイッチ29をそれぞれ上側に切り替え、Ia・Irから演算する電流検出へ切り替える。逆に、パルス幅が十分に大きな場合には、電流再現器27による電動機電流の検出を行い、高応答な電流制御を実現する。
以上のように、本実施例によれば、条件によって、電流検出方式を切り替えることで、より高性能な電動機の制御装置が実現できるようになる。
(実施例7)
図17は、本発明による交流電動機制御装置の模式図である。図に示す部品番号1〜3,5,6,41,42,43は、図1における同じ番号のものと同一のものである。
本実施例では、制御器2と、インバータ3と、電流検出器6と、ダイオード・ブリッジ42を一体化し、モジュール化した点に特徴がある。モジュールには、回転数指令発生器1からの回転数指令信号と、電源41の入力端子,平滑コンデンサ43の接続端子,交流電動機5の接続端子が設けられており、その他の部品はすべてモジュール内に収められている。なお本実施例では、回転数指令発生器1は、マイコンを用いている。モジュール内では、マイコンを用いた制御器2と、スイッチングデバイスで構成されたインバータ3,シャント抵抗からなる電流検出器6,ダイオード・ブリッジ42が収められている。
これまで説明した実施例によれば、位置センサレス・電流センサレスによる交流電動機の高性能な制御装置が、安価なマイコンで実現できるため、このような制御装置のモジュール化が実現できる。
この結果、パワーモジュールを一つの部品のように扱うことができ、組み立てが容易になると同時に、装置全体の小形化が可能になる。
本発明の一実施例である電動機制御装置を示すブロック図である。 本発明の実施例におけるPWM変調の原理と、電流サンプルの関係を示す波形例である。 本発明の実施例におけるPWM変調の原理と、電流サンプルの関係を示す波形例である。 本発明の実施例における電圧指令,相電流,電流サンプル値の関係を示す波形図である。 本発明の実施例における電流サンプルのタイミングを示す波形図である。 従来技術の二相変調時の電圧指令と、三角波キャリアの関係を示す波形図である。 本発明の実施例において、二相変調方式を用いた時の電流サンプルのタイミングを示す波形図である。 本発明の他の実施例による電動機制御装置を示すブロック図である。 本発明の他の実施例における移動平均フィルタを示すブロック図である。 本発明の他の実施例における電動機制御装置を示すブロック図である。 本発明の他の実施例における電動機制御装置の動作を説明する波形図である。 本発明の他の実施例における電動機制御装置を示すブロック図である。 本発明の他の実施例における電動機制御装置の動作を説明する波形図である。 本発明の他の実施例における電動機制御装置を示すブロック図である。 電動機の磁束軸を基準としたd−q座標軸と、電圧,電流の関係を示すベクトル図である。 本発明の他の実施例における電動機制御装置を示すブロック図である。 本発明の電動機制御装置の模式図である。
符号の説明
1…回転数指令発生器、2…制御器、3…インバータ、4…直流電源、5…交流電動機、6…電流検出器、7…変換ゲイン、8…積分器、9…電流サンプラー、10…I0s * 発生器、11…加算器、12…電流制御器、13…dq逆変換器、14…PWM発生器、31…インバータ主回路部、32…ゲート・ドライバ、41…交流電源、42…ダイオード・ブリッジ、43…平滑コンデンサ。

Claims (2)

  1. 正弦波状の連続した電流を用いて交流電動機を駆動するインバータを制御する交流電動機の制御方法において、
    直流電源がインバータへ供給する電流を検出する電流検出手段によって検出されたインバータ電流をPWMの搬送波信号の半周期に一度サンプルするサンプル手段を設け、
    前記搬送波信号の正のピーク値と負のピーク値の中間時刻をトリガとし、
    前記サンプル手段は、前記トリガを用いて前記インバータ電流値をサンプルすることを特徴とする交流電動機の制御方法。
  2. 正弦波状の連続した電流を用いて交流電動機を駆動するインバータを制御する交流電動機の制御装置において、
    直流電源がインバータへ供給する電流を検出する電流検出手段によって検出されたインバータ電流をPWMの搬送波信号の半周期に一度サンプルするサンプル手段を設け、
    前記搬送波信号の正のピーク値と負のピーク値の中間時刻をトリガとし、
    前記サンプル手段は、前記トリガを用いて前記インバータ電流値をサンプルすることを特徴とする交流電動機の制御装置。
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