JP4662855B2 - 位相差フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置のコントラスト及び視野角の改善に用いられる位相差フィルムの製造方法に関する。
近年、液晶表示装置が、パーソナルコンピュータの表示装置や液晶テレビ等の用途に広く普及してきており、その一つにTN(Twisted Nematic )モード液晶表示装置が挙げられる。しかしながら、TNモード液晶表示装置は、視野角が狭いとともに応答速度が遅いといった問題点があった。
そこで、TNモード液晶表示装置のような旋光モードではなく、複屈折モードを利用したVA(Vertically Aligned)モード液晶表示装置が提案されている。このようなVAモード液晶表示装置として、液晶セルを構成する基板内面に傾斜面を有する突起等からなるドメイン規制手段を設け、このドメイン規制手段によって液晶分子の配向方向を2方向以上に分割して、液晶セルを通過してくる光量を均一化させることによって見込み角度によって表示輝度が大きく異なる視野角依存性を改善したMVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード液晶表示装置が提案されている。
しかしながら、上記MVAモード液晶表示装置であっても、液晶表示面の法線に対して斜め45°から液晶表示面を見ると、やはりコントラストが低下するといった問題点を有するものであり、この視野角依存性を改善するために位相差フィルムが用いられている。
このような位相差フィルムの材料としては、ポリカーボネートやポリサルホンに代表されるような高透明性及び高耐熱性の合成樹脂フィルムが用いられてきたが、上記特性に加えて、光弾性係数、波長分散性及び水蒸気透過率等の特性にも優れた環状オレフィン系樹脂フィルムを位相差フィルムとして用いることが考えられる。
位相差フィルムはその機能を十分発揮するためには、液晶パネルの複屈折との合わせ込みが必要であり、適切な位相差値を設計する必要がある。一般的には、VAモードに用いられる位相差フィルムは2軸性を持つことが必要であり、製造法としては、フィルムを幅方向に拘束して延伸するいわゆるテンター延伸が必要となる。
そこで、特許文献1には、長尺状のフィルムをその長さ方向に延伸して遅相軸を形成した後、フィルムの幅方向に延伸する光学補償フィルム(位相差フィルム)の製造方法が提案されている。また、特許文献2には、長尺状のフィルムを幅方向に延伸して遅相軸を形成した後、長さ方向に延伸する光学補償フィルム(位相差フィルム)の製造方法が提案されている。
しかしながら、テンター延伸は幅方向に延伸するため、端部をクリップ等で挟まなければない。この場合、延伸に伴いフィルムが薄くなるが、クリップで挟まれた部分はフィルムが薄くならないので、結果として耳ロスが増え、製品としての取り効率(歩留まり)が悪くなるといった問題があった。
特開2002−148438号公報 特開2005−4095号公報
本発明は、適切なリタデーションを高い面内均一性で有しており、かつ高い幅方向の収率を得ることが可能な、位相差フィルムの製造方法を提供する。
本発明は上記問題点を解決するため、以下の様な構成とするものである。
本発明の位相差フィルムの製造方法は、長尺状の環状オレフィン系樹脂フィルムの両端部を把持手段で挟み、その幅方向に延伸して得られる位相差フィルムの製造方法であって、延伸前フィルムの幅方向の厚みプロファイルは、中央から端部に近づくに従って厚みを薄くし、前記端部から中央よりに平らな部分を設け、把持手段で挟む部分を除いたフィルムがもっとも薄くなる端部の位置の厚みをde、フィルム中央部の厚みをd 50 としたときに、0.4≦de/d 50 ≦0.97となり、
前記延伸前フィルム幅方向の端部の位置を0%、もう片方の端部の位置を100%としたとき、中央の50%に相当する位置の厚みをd 50 、30%に相当する位置の厚みをd 30 、70%に相当する位置の厚みをd 70 としたときに、0.70≦d 30 /d 50 かつ0.70≦d 70 /d 50 となるフィルムを用いることを特徴とする。
本発明の位相差フィルムの製造方法は、前記延伸前フィルムの幅方向の端部の位置を0%、もう片方の端部の位置を100%とし、0%〜30%の平均厚みをd0-30、30%〜70%の平均厚みをd30-70、70%〜100%の平均厚みをd70-100としたときに、d0-30/d30-70≦0.97かつd70-100/d30-70≦0.97となるフィルムを用いることにある。
本発明の位相差フィルムは、延伸前のフィルムの厚みを幅方向に最適化しているため、延伸後に高い収率を有し、歩留まりが向上する。
本発明に係る位相差フィルムに用いられる環状オレフィン系樹脂としては、例えば、ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体、ノルボルネン系モノマーとオレフィン系モノマーとの付加共重合体、ノルボルネン系モノマー同士の付加(共)重合体及びこれらの誘導体等のノルボルネン系樹脂が挙げられ、単独で用いられても併用されてもよい。
上記ノルボルネン系モノマーは、ノルボルネン環を有するものであれば、例えば、ノルボルネン、ノルボルナジエン等の二環体;ジシクロペンタジエン、ジヒドロキシペンタジエン等の三環体;テトラシクロドデセン等の四環体;シクロペンタジエン三量体等の五環体;テトラシクロペンタジエン等の七環体;これらのメチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル、ビニル等のアルケニル、エチリデン等のアルキリデン、フェニル、トリル、ナフチル等のアリール等の置換体;さらにこれらのエステル基、エーテル基、シアノ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、ピリジル基、水酸基、カルボン酸基、アミノ基、無水酸基、シリル基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基等の炭素、水素以外の元素を含有する基、いわゆる極性基を有する置換体等が挙げられる。なお、ノルボルネン系モノマーは、単独で用いられても二種類以上が併用されてもよい。
上記ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体は、例えば、ノルボルネン系モノマーを、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金等の金属のハロゲン化物、硝酸塩もしくはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒系、又は、チタン、タングステン、モリブデン等の金属のハロゲン化物もしくはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒系等を用いて、溶媒中又は無溶媒で、通常、−50℃〜100℃の重合温度、0〜5MPaの重合圧力で開環(共)重合させることにより得ることができる。
また、上記ノルボルネン系モノマーとオレフィン系モノマーとの付加共重合体としては、ノルボルネン系モノマーとα−オレフィンとの共重合体、ノルボルネン系モノマーと環状オレフィン系モノマーとの共重合体が挙げられる。上記α−オレフィンとしては、炭素数が2〜20のα−オレフィンが好ましく、炭素数が2〜10のα−オレフィンがより好ましい。
上記α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン等が挙げられ、共重合性が高いことから、エチレンが好ましい。
上記環状オレフィン系モノマーとしては、例えば、シクロオクタジエン、シクロオクテン、シクロヘキセン、シクロドデセン、シクロドデカトリエン等が挙げられる。
上記ノルボルネン系モノマーとビニル系化合物との付加(共)重合体は、重合触媒、重合条件を最適化することにより製造することができる。重合触媒としては、例えば、バナジウム化合物やチタノセン、ジルコノセン等のメタロセン化合物と有機アルミニウム化合物(好ましくはハロゲン含有有機アルミニウム化合物)とからなる触媒系が挙げられる。
これらのうち、開環を伴う(共)重合体には必然的に不飽和結合が残留し、また付加(共)重合体であってもモノマーの種類によっては不飽和結合が残留することがある。このような場合、熱履歴による酸化劣化や紫外線等による着変色といった耐久性を重視する観点から、これらの不飽和結合を水素添加しておくことが好ましい。
上記ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体或いは付加(共)重合体を水素添加する方法としては、上記ノルボルネン系モノマーを公知の方法で開環(共)重合或いは付加重合させた後、残留している二重結合を公知の方法で水素添加すればよい。
なお、上記ノルボルネン系樹脂の具体例としては、特開平1−240517号公報等に記載されているものが挙げられ、商業的に入手できるノルボルネン系樹脂の具体例としては、例えば、JSR社製の商品名「アートン」シリーズ、日本ゼオン社製の商品名「ゼオノア」シリーズ、チコナ社製の商品名「トパス」シリーズ、三井化学社製の商品名「アペル」シリーズ等が挙げられる。
上記環状オレフィン系樹脂の数平均分子量は、小さいと、得られる位相差フィルムの機械的強度が低下することがある一方、大きいと、原反フィルム製造時の加工性が低下することがあるので、5000〜80000が好ましく、10000〜50000がより好ましい。なお、環状オレフィン系樹脂の数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ法によって測定された標準ポリスチレン換算値を示す。
上記環状オレフィン系樹脂には、位相差フィルムの機能を阻害しない範囲内において、成形中の環状オレフィン系樹脂の劣化防止や位相差フィルムの耐熱性、耐紫外線性、平滑性等を向上させるために、フェノール系、リン系等の酸化防止剤;ラクトン系等の熱劣化防止剤;ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、アクリロニトリル系等の紫外線吸収剤;脂肪族アルコールのエステル系、多価アルコールの部分エステル系、部分エーテル系等の滑剤;アミン系等の帯電防止剤等の各種添加剤が添加されていてもよい。なお、添加剤は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
次に、上記位相差フィルムの製造方法について説明する。
先ず、環状オレフィン系樹脂フィルムを成膜するが、この成膜方法としては、従来から汎用されている方法が用いられ、具体的には、環状オレフィン系樹脂を押出機に供給して溶融、混練し、押出機の先端に取り付けた金型からフィルム状に押し出して長尺状の環状オレフィン系樹脂フィルムを成膜する方法、所謂、溶融押出法の他に、環状オレフィン系樹脂を有機溶媒中に溶解してなる溶液をドラム又はバンド上に流延した後に有機溶媒を蒸発させて長尺状の環状オレフィン系樹脂フィルムを成膜する方法、所謂、溶液流延法等が挙げられる。
得られた環状オレフィン系樹脂フィルムの厚みは幅方向に対して分布を持っている。このうち中央部の厚みは、薄いと、所望のリタデーションを得ることが困難となる一方、厚いと、液晶表示装置の薄型化に不利となるので、50〜200μmが好ましく、80〜150μmがより好ましい。
なお、環状オレフィン系樹脂フィルムの中央部の厚みが80μm以上となる場合には、溶液流延法では、有機溶媒を充分に蒸発、除去させることが困難となることがあるので、溶融押出法を用いて環状オレフィン系樹脂フィルムを製造することが好ましい。
本発明においては、幅方向に厚み分布を持たせることで、横延伸後の幅方向の取り効率を改善することができる。特に後で説明するフィルムを延伸する際に使用されるクリップ(テンタークリップ等の任意の把持手段)で挟まれる部分は延伸が行われず、延伸を行っても基本的にはフィルムの厚みのままである。従って、厚みが均一なフィルムを延伸した場合、フィルムは中央部に対し、端部に近づくに従って厚みが厚くなり、位相差値が中央部に対してズレてくる。結果的に幅方向の収率が低くなり、ロスが非常に多くなる。
このことを改善するために、本発明では、図2(a)に示すように端部に近づくに従ってフィルムの厚みを薄くすることで、延伸後の厚みの均一性を改善する。出願人は検討を行った結果、延伸前フィルムFの幅方向の厚み分布を測定したとき、もっとも薄い部分F2の厚みをde、フィルム中央部F1の厚みをd50としたときに、0.4≦de/d50≦0.97となるフィルムを用いることで、幅方向の収率を改善できることを見出した。もっとも薄くなる部分F2とは、クリップ10でつかむ部分が確保できるように、クリップ10よりも若干内側(フィルム中央側)であることが望ましい。
de/d50が0.4未満であると、端部に応力が集中し、端部の延伸倍率が大きくなり、中央部の延伸が不十分になったり不均一になったりする。最悪の場合、クリップの部分でフィルムが破断する。また、de/d50が0.97を超えると、幅方向の収率を上げる効果が小さくなる。
このように厚み方向に分布を持つフィルムは、原反を製膜する際に金型のクリアランスを調整することで製造することができる。また、一旦均一な厚みの原反を製膜したのち、端部を加熱しながら圧延することで薄くする方法などが挙げられる。さらには、溶液キャスト法により製膜する場合には、端部をのぞいて中央部だけ再度塗工してもよい。
また、本発明の位相差フィルムにおいては、高い軸精度や位相差均一性を確保することが必要となる。一般的には厚み分布を持たせることで軸精度や位相差均一性の確保は困難になる。これを確保するために鋭意検討した結果、出願人は、端部から中央よりの部分においてはある程度平らになっており、端部に近い部分が薄くなっていることが好ましいことがわかった。具体的には、延伸前フィルムの幅方向の厚みプロファイルを見たとき、端部の位置を0%、もう片方の端部の位置を100%としたとき、50%(中央)に相当する位置の厚みをd50、30%に相当する位置の厚みをd30、70%に相当する位置の厚みをd70としたときに、0.70≦d30/d50かつ0.70≦d70/d50となるフィルムを用いることが好ましい。ここで、端部の位置とはフィルムの端部ではなく、実質的に延伸される部位、すなわち、横延伸時にクリップで挟む部分を除いた、クリップでつかむ部分とフィルムの境界を指す。
このとき、フィルムの厚みは中心に対して対称になっているとすると、70%に相当する位置の厚みをd70、としたときに、d70=d30すなわちd70/d50=d30/d50となる。
同様に、前記延伸前フィルムの幅方向の端部の位置を0%、もう片方の端部の位置を100%とし、0%〜30%の平均厚みをd0-30、30%〜70%の平均厚みをd30-70、70%〜100%の平均厚みをd70-100としたときに、d0-30/d30-70≦0.97かつd70-100/d30-70≦0.97となることが好ましい。
このことは、中央部の厚みが端部の厚みに対して、全体的に厚いことを示す。
次に、上記環状オレフィン系樹脂フィルムを延伸することによって環状オレフィン系樹脂分子を所定方向に配向させて位相差フィルムを得る。
かかる環状オレフィン系樹脂フィルムを延伸する要領としては、例えば、(イ)長尺状の環状オレフィン系樹脂フィルムを、環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度Tg付近の温度領域において、横方向(幅方向)に延伸した後に縦方向(長さ方向)に延伸する延伸方法、(ロ)長尺状の環状オレフィン系樹脂フィルムを、環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度Tg付近の温度領域において、縦方向(長さ方向)及び横方向(幅方向)に同時に延伸する延伸方法、(ハ)環状オレフィン系樹脂フィルムを、環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度Tg付近の温度領域において、厚み方向に押圧力を加えて薄膜化して縦方向(長さ方向)及び横方向(幅方向)に同時に延伸する延伸方法が挙げられ、環状オレフィン系樹脂フィルムの延伸工程内における熱緩和量が小さくて、厚み方向のリタデーションRthを高く発現させることができることから、上記(イ)に示した要領で環状オレフィン系樹脂フィルムを延伸するのが好ましい。
なお、延伸は原反を製膜する工程と延伸する工程を連続して行ってもよい。工程を連続化することで、フィルムの継ぎ目に伴うロスが少なくなる。
以下に、環状オレフィン系樹脂フィルムを、環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度Tg付近の温度領域において、横方向(幅方向)に延伸した後に縦方向(長さ方向)に延伸する延伸方法を詳細に説明する。
先ず、長尺ロール状の環状オレフィン系樹脂フィルムを連続的に巻き出しながら、環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度Tg付近の温度領域において、環状オレフィン系樹脂フィルムの幅方向の両端部を、テンタークリップ等の任意の把持手段によって把持し、この把持手段を環状オレフィン系樹脂フィルムの搬送速度と同一速度にて搬送方向に移動させながら互いに離間する方向に徐々に変位させることによって環状オレフィン系樹脂フィルムをその幅方向に延伸して拡幅させた後、環状オレフィン系樹脂分子の配向を固定するために環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度Tg未満の温度に冷却する。
上記環状オレフィン系樹脂フィルムを横方向に延伸する際の環状オレフィン系樹脂フィルムの温度は、位相差フィルムに付与したい補償位相差量によって適宜、調整されるが、低いと、延伸時に環状オレフィン系樹脂フィルムが破断する虞がある一方、高いと、所望のリタデーションを得ることが困難となることがあるので、(環状オレフィン系樹脂フィルムのガラス転移温度Tg−5℃)〜(環状オレフィン系樹脂フィルムのガラス転移温度Tg+20℃)が好ましく、(環状オレフィン系樹脂フィルムのガラス転移温度Tg)〜(環状オレフィン系樹脂フィルムのガラス転移温度Tg+10℃)がより好ましい。なお、環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度Tgは、示差走査熱量計によって測定されたものをいう。
また、環状オレフィン系樹脂フィルムを横方向に延伸する際の延伸倍率は、低いと、配向軸の方向が均一に揃わないことがある一方、高いと、環状オレフィン系樹脂フィルムにおける幅方向の張力分布にムラが生じ、リタデーションのムラが大きくなることがあるので、1.2〜2.5倍が好ましい。
なお、環状オレフィン系樹脂フィルムを幅方向に延伸させた後であって冷却する前に、環状オレフィン系樹脂分子の配向方向を揃える目的で熱緩和工程を行ってもよい。
このようにして環状オレフィン系樹脂フィルムを横方向に延伸することによって延伸方向に環状オレフィン系樹脂分子が配列し、延伸方向の屈折率が大きくなり、横方向に遅相軸が形成された横延伸フィルムを得ることができる。
この横延伸フィルムの面内におけるリタデーションRe は、低いと、横延伸フィルムをその長さ方向(幅方向と直交する方向、所謂、縦方向)に延伸しても厚み方向のリタデーションRthが発現しにくくなることがある一方、高いと、環状オレフィン系樹脂分子が歪み過ぎているのと同じ結果となり、リタデーションRthを制御することが困難となることがあるので、80〜300nmが好ましく、120〜250nmがより好ましい。
また、横延伸フィルムのNz係数は、補償対象となる液晶セルの構成によって適宜最適となる値が変わる為、セルにあわせて調整される。一般的には、小さいと、二軸性の発現が小さくなり、直線偏光が液晶セルを通過する際に生じる液晶分子による複屈折を充分に補償することができないことがある一方、大きいと、横方向の分子配向に乱れが生じてしまうことがあるので、1.2〜2.0が好ましく、1.3〜1.8がより好ましい。
なお、フィルムのNz係数は下記式によって定義されたものをいう。
Nz係数=|nx −nz |/|nx −ny
但し、nx はフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、ny はフィルム面内の進相軸方向の屈折率、nz はフィルムの厚み方向の屈折率を示す。
横延伸フィルムのNz係数の具体的な調整方法としては、環状オレフィン系樹脂フィルムを横方向に延伸、拡幅する際の拡幅角度θによって調整することができる。
即ち、環状オレフィン系樹脂フィルムFは、図1および図2に示すように、その幅方向の両端部F2をテンタークリップ等の任意の把持手段10によって把持し、この把持手段10を環状オレフィン系樹脂フィルムFの搬送速度と同一速度で搬送方向に移動させつつ互いに離間する方向に変位させることによって、幅方向に徐々に拡幅、延伸される。
このとき、環状オレフィン系樹脂フィルムにおける拡幅前の幅方向の両端縁1,1は、環状オレフィン系樹脂フィルムの搬送方向に合致した方向に指向している一方、環状オレフィン系樹脂フィルムにおける拡幅後の幅方向の両端縁2,2は、環状オレフィン系樹脂フィルムの搬送方向における斜め横方向に指向した状態となっている。
そして、環状オレフィン系樹脂フィルムにおける拡幅前の幅方向の端縁1を搬送方向に延長した仮想線1aと、環状オレフィン系樹脂フィルムにおける拡幅後の幅方向の端縁2とがなす角度(拡幅角度)θを調整することによって、横延伸フィルムのNz係数を調整することができる。
つまり、上記環状オレフィン系樹脂フィルムの拡幅角度θは、小さいと、Nz係数が大きくなり、横方向の分子配向に乱れが生じてしまうことがある一方、大きいと、Nz係数が小さくなり過ぎて、横延伸フィルムをその長さ方向(縦方向)に延伸しても、得られる位相差フィルムにおける厚み方向のリタデーションRthが大きくならず、直線偏光が液晶セルを通過する際に生じる液晶分子による複屈折を充分に補償することができないことがあるので、3〜20°となるように調整するのが好ましく、5〜12°となるように調整するのがより好ましい。
なお、環状オレフィン系樹脂フィルムにおける拡幅前の幅方向の左右端縁1,1を搬送方向に延長した左右仮想線1a,1aと、環状オレフィン系樹脂フィルムにおける拡幅後の幅方向の左右端縁2,2とがなす角度(拡幅角度)θ1 ,θ2 は同一角度であることが好ましい。
次に、要求される位相差によっては、横延伸フィルムをその長さ方向(幅方向と直交する方向)に延伸し、横方向に発生した遅相軸と直交する方向にフィルムを縦延伸してもよい。また、縦延伸の工程は、横延伸の前に行ってもよい。その場合は、縦延伸後のフィルムの厚み分布が本願発明要件を満たす必要がある。
この横延伸フィルムをその長さ方向(縦方向)に延伸する方法としては、ロール間ネックイン延伸法、近接ロール延伸法等が適用できるが、位相差を制御し易く、環状オレフィン系樹脂フィルムに傷や皺等の不良が発生しにくいといった利点を有するロール間ネックイン延伸法を採用することが望ましい。ロール間ネックイン延伸法とは、フィルム幅に比して十分に長い延伸ゾーンを挟んで位置する一対のニップロールで搬送中のフィルムを挟持するとともに、上流側のニップロールの周速に対して下流側のニップロールの周速を大きくすることによって、所望の延伸倍率を得る方法である。なお、このとき、横延伸フィルムの幅方向の両端部は拘束を受けない自由端とされており、縦方向の延伸に伴って幅方向にネックイン現象を呈する。
また、横延伸フィルムを縦方向に延伸する際の延伸倍率は、低いと、横延伸フィルムの縦方向における変形量が少な過ぎて充分なリタデーションRthを得ることができないことがある一方、高いと、遅相軸の方向が横延伸フィルムの縦方向に転換してしまって、その結果、遅相軸の方向精度が低下して、液晶表示装置に用いた場合にコントラストの低下等の表示品質の低下を招くことがあるので、1.05〜1.50倍が好ましく、1.10〜1.30倍がより好ましい。
上記横延伸フィルムを縦方向に延伸する際の横延伸フィルムの温度は、位相差フィルムに付与したい補償位相差量によって適宜に調整されるが、低いと、延伸時にフィルムが破断する虞れがある一方、高いと、配向に乱れが生じ、所望のリタデーションを得ることが困難となることがあるので、(横延伸フィルムのガラス転移温度Tg)〜(横延伸フィルムのガラス転移温度Tg+20℃)が好ましく、(横延伸フィルムのガラス転移温度Tg+1℃)〜(横延伸フィルムのガラス転移温度Tg+10℃)がより好ましい。
そして、上述の要領で、横延伸フィルムを縦方向に延伸して得られた位相差フィルムは、熱緩和によるリタデーションRe ,Rthの低下を防止するために、環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度Tg未満の温度に冷却される。
このようにして得られた位相差フィルムは、液晶表示装置の部品として好適に用いられるが、上記位相差フィルムは、単独で用いられても、偏光板と積層一体化させて複合偏光板として用いられても、偏光板の液晶セル側の保護フィルムの代わりに接着剤を介して積層一体化されて偏光板を形成して用いられてもよい。液晶表示装置の薄型化及び製造効率を向上させることができることから、偏光板の液晶セル側の保護フィルムの代わりに、好ましくは接着剤を介して位相差フィルムを積層一体化させて偏光板として用いるのが好ましい。
次に、上記位相差フィルムを単独で用いて液晶表示装置を製造する要領を説明する。上記位相差フィルムを用いた液晶表示装置としては、液晶セルを構成している一対の基板外面の夫々に偏光板を配設すると共に、上記液晶セルの基板のうちの少なくとも一方の基板、好ましくは液晶表示面側の基板と、この基板に対向する偏光板との間に上記位相差フィルムを介在させ、更に、液晶セルにおける液晶表示面とは反対側の基板側に配設した偏光板上に、バックライト型或いはサイドライト型の公知の照明システムを配設すると共に、駆動回路を組み込むことによって液晶表示装置を得ることができる。
更に、上記液晶表示装置において、位相差フィルムは、予め、偏光板の一面に接着剤又は粘着剤を介して積層一体化させて複合偏光板として用いられてもよい。
なお、位相差フィルムと偏光板とを積層一体化させるのに用いられる接着剤又は粘着剤としては、これらの光学特性を阻害しないものであれば、特に限定されず、アクリル系の接着剤又は粘着剤等の透明なものが用いられる。
また、上記偏光板は従来から汎用されているものが用いられ、偏光子の両面に保護フィルムを積層一体化させてなる。この偏光子としては、ポリビニルアルコール・ヨウ素系偏光膜、ポリビニルアルコール系フィルムに二色性染料を吸着配向させた染料系偏光膜、ポリビニルアルコール系フィルムより脱水反応を誘起させたり、ポリ塩化ビニルフィルムの脱塩酸反応により、ポリエンを形成させたポリエン系偏光膜、分子内にカチオン基を含有する変性ポリビニルアルコールからなるポリビニルアルコール系フィルムの表面及び/又は内部に二色性染料を有する偏光膜等が挙げられる。
そして、上記偏光子の製造方法としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸後にヨウ素イオンを吸着させる方法、ポリビニルアルコール系フィルムを二色性染料による染色後に延伸する方法、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸後に二色性染色で染色する方法、二色性染料をポリビニル系アルコール系フィルムに印刷後に延伸する方法、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸後に二色性染料を印刷する方法等が挙げられる。
なお、上記ポリビニルアルコールとしては、酢酸ビニルモノマーを単独重合させて得られたポリ酢酸ビニルをケン化してなるものだけでなく、酢酸ビニルモノマーに、少量のオレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩又は不飽和カルボン酸もしくはこの塩、エステル、アミド、ニトリル等のモノマーを共重合させてなるものであってもよい。
そして、上記偏光子の両面に積層一体化される保護フィルムとしては、偏光子の光学特性を阻害しないものであれば、特に限定されず、例えば、トリアセチルセルロース、アルカリ処理したトリアセチルセルロース等からなるフィルムが挙げられる。
次に、位相差フィルムを、偏光板の液晶セル側の保護フィルムの代わりに接着剤を介して偏光子に直接、積層一体化して偏光板を形成させて用いる場合について説明する。上記接着剤としては、偏光子及び位相差フィルムの光学特性を阻害しないものであればよく、水性ウレタン系接着剤が好ましい。
そして、偏光子の液晶セル側の面に接着剤を介して位相差フィルムを積層一体化させる要領としては、偏光子と位相差フィルムとの対向面のうちの何れか一方の面、好ましくは位相差フィルム面に接着剤を全面的に略均一に塗布した後、偏光子と位相差フィルムとを接着剤を介在させた状態で重ね合わせて積層一体化させる要領が挙げられる。
このとき、偏光子又は位相差フィルムに塗布される接着剤の塗布量は、少ないと、偏光子と位相差フィルムとの間の接着強度が低下して、偏光子と位相差フィルムとの間に隙間が生じて光学特性が阻害されることがある一方、多いと、接着剤の乾燥が不充分となって偏光子が湾曲したり或いは偏光度が低下したりすることがあるので、偏光子又は位相差フィルム上に塗布した直後の接着剤の塗布量が0.05〜10g/m2 となるように調整するのが好ましい。
一方、偏光子における位相差フィルムが積層一体化される面とは反対側の面には、通常の光等方性の保護フィルムが接着剤を介して積層一体化されるが、この保護フィルムと位相差フィルムとの間の透湿度の差が大きいと、偏光板が湾曲してしまうといった問題が発生することから、保護フィルムを選択するにあたっては、保護フィルムの透湿度が位相差フィルムの透湿度に対して±50%程度以内、好ましくは±30%程度以内となるように選択するのが好ましい。
このような観点から、保護フィルムの材料としては、位相差フィルムの材料として用いられている環状オレフィン系樹脂が好ましく、ノルボルネン系樹脂がより好ましい。
上記位相差フィルムを保護フィルムとして用いた偏光板を使用した液晶表示装置としては、液晶セルを構成している一対の基板外面の夫々に配設される偏光板のうち、少なくとも液晶表示面側の偏光板として、この偏光板を、その位相差フィルム面を液晶セル側に配置する構成とすることで得られる。
上記液晶セルとしては、従来から用いられている液晶セルであれば、特に限定されないが、OCBモード、VAモード、TNモードが好ましい。VAモードは、電圧オフ状態で液晶分子はその長さ方向を液晶セルの基板に対して垂直方向に向けた状態で立ち、黒表示される。このとき、液晶セルを通過する光における液晶セルの厚み方向の屈折率が大きくなって屈折率異方性が発現し、見る角度によっては光が漏れてしまう。上記位相差フィルムは、その厚み方向の屈折率nz が小さく、大きくなった液晶セルの厚み方向の屈折率を効果的に緩和して、得られる液晶表示装置の正面コントラストや、見込み角度によるコントラストの変化、所謂、視野角依存性を大幅に改善することができることから、上記位相差フィルムは、特にVAモードに好適なものである。
なお、位相差フィルムを何れの態様で用いる場合も、位相差フィルムの遅相軸と、この位相差フィルムに隣接する偏光板或いは偏光子の吸収軸とが互いに直交するように調整する必要がある。
(実施例1)
環状オレフィン系樹脂として開環重合による熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂(日本ゼオン社製 商品名「ゼオノア#1600」)を用い、この熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を一軸押出機に供給して溶融、混練し、一軸押出機の先端に取り付けたTダイから溶融押出を行って、幅1050mm、フィルムの中央部の厚みが100μmの長尺状の熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂フィルムを得た。フィルムの厚み分布は中央部から端部に移動するに従って、徐々に厚みが薄くなるように調整した。調整は金型のリップ間隔を微調整することで行った。
フィルムの厚みを1/1000mmデジタル厚み計を用いて横方向に10mm間隔で測定して厚みの分布を求めた。厚み分布を図3に示す。この値から、de、d30、d50、d70、d0-30、d30-70、d70-100の値を求めた。これらの値から、de/d50、d30/d50、d70/d50、d0-30/d30-70、d70-100/d30-70を求めた。
なお、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂のガラス転移温度Tgを示差走査熱量計(セイコー電子工業社製 商品名「DSC220C」)によって測定したところ、161.0℃であった。
(比較例1)
幅方向の厚みが100μmで均一であること以外は実施例1と同様にして、長尺状の熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂フィルムを得た。
次に、実施例1および比較例1で得られた長尺状の熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂フィルムを連続的に巻き出し、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂フィルムを予熱ゾーン内に供給、通過させて155℃に予熱した。
しかる後、この予熱ゾーンにて予熱された熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂フィルムを連続的に延伸ゾーン内に供給、通過させて162℃に加熱し、この加熱温度(横延伸温度)に保持した。
そして、この延伸ゾーンにて横延伸温度に保持された熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂フィルムにおける幅方向の両端部をテンタークリップによって順次把持し、テンタークリップを熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂フィルムの搬送速度と同一速度でフィルムの搬送方向に移動させながら互いに離間する横方向に変位させて、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂フィルムを拡幅角度θ=15°(左右拡幅角度θ1 ,θ2 は同一角度とした)で2倍の横延伸倍率にて押出方向に直交する方向(横方向)に延伸した。
続いて、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂フィルムを冷却ゾーンに連続的に供給し、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂フィルムを120℃まで徐々に冷却して熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂フィルムに横方向に遅相軸を形成し、しかる後、テンタークリップを熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂フィルムの両端部から順次離脱させてロール状に連続的に巻き取った。
なお、フィルムの端部からテンターのつかみ部分の先端までの長さは、25mmであった。この場合、実際に延伸されている部分はフィルムの中央部1000mmであり、延伸された結果、延伸部分は2000mm、テンタークリップ部を含めると、全幅では2050mmとなる。
横方向に延伸されて遅相軸が形成された熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂フィルムにおける面内のリタデーションReを自動複屈折測定装置(王子計測機器社製 商品名「KOBRA−21ADH」)を用いて横方向に10mm間隔で測定して位相差の分布を求めた。
ここで、中央の値に対する差が5nm以内となる範囲を有効範囲とし、延伸前の幅1000mmに対する有効範囲の長さを位相差幅収率とした。有効範囲の平均位相差および位相差幅収率のデータを表1に示す。
横方向に延伸されて遅相軸が形成された熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂フィルムの厚みを1/1000mmデジタル厚み計を用いて横方向に10mm間隔で測定して厚みの分布を求めた。ここで、中央の値に対する差が3μm以内となる範囲を有効範囲とし、延伸前の幅1000mmに対する有効範囲の長さを厚み幅収率とした。有効範囲の平均厚みおよび厚み幅収率のデータを表1に示す。
Figure 0004662855
環状オレフィン系樹脂フィルムを横方向に延伸する要領を示した模式平面図である。 環状オレフィン系樹脂フィルムを横方向に延伸する状態を示し、(a)は延伸前のフィルムの幅方向の断面図、(b)は同延伸フィルムの幅方向の断面図である。 フィルムの厚み分布を示す図である。
符号の説明
1,2 環状オレフィン系樹脂フィルムの端縁
F フィルム
F1 中央部
F2 フィルムがもっとも薄くなる部分
θ(θ1、θ2) 拡幅角度

Claims (2)

  1. 長尺状の環状オレフィン系樹脂フィルムの両端部を把持手段で挟み、その幅方向に延伸して得られる位相差フィルムの製造方法であって、
    延伸前フィルムの幅方向の厚みプロファイルは、中央から端部に近づくに従って厚みを薄くし、前記端部から中央よりに平らな部分を設け、把持手段で挟む部分を除いたフィルムがもっとも薄くなる端部の位置の厚みをde、フィルム中央部の厚みをd 50 としたときに、0.4≦de/d 50 ≦0.97となり、
    前記延伸前フィルム幅方向の端部の位置を0%、もう片方の端部の位置を100%としたとき、中央の50%に相当する位置の厚みをd 50 、30%に相当する位置の厚みをd 30 、70%に相当する位置の厚みをd 70 としたときに、0.70≦d 30 /d 50 かつ0.70≦d 70 /d 50 となるフィルムを用いることを特徴とする位相差フィルムの製造方法。
  2. 前記延伸前フィルムの幅方向の端部の位置を0%、もう片方の端部の位置を100%とし、0%〜30%の平均厚みをd 0-30 、30%〜70%の平均厚みをd 30-70 、70%〜100%の平均厚みをd 70-100 としたときに、d 0-30 /d 30-70 ≦0.97かつd 70-100 /d 30-70 ≦0.97となるフィルムを用いることを特徴とする請求項1に記載の位相差フィルムの製造方法。
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