JP4661745B2 - フィルタ装置および電子楽器 - Google Patents

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Description

本発明は、フィルタ装置および当該フィルタ装置を搭載した電子楽器に関する。
自然楽器の音色変化は、基音に対する倍音の振幅比率が変化することによって生ずる。特に、演奏の強弱による音色変化において、強く演奏する(たとえばピアノでは強く打鍵する)ほど高次倍音の振幅比率が大きくなる。その一方、弱く演奏する(ピアノでは弱く打鍵する)ほど高次倍音の振幅比率は小さくなる。
図12(a)、(b)は、アコースティックピアノの波形を示すグラフであり、図12(a)は、フォルテシモで打鍵したときの波形、図12(b)はメゾピアノで打鍵したときの波形である。図13(a)、(b)は、図12(a)、(b)のそれぞれの波形から算出されたスペクトルを示すグラフである。図13(a)、(b)において、横軸(周波数軸)はリニアであり、縦軸はdBである。これらは、図12(a)、(b)に示す波形の発音開始近傍から4096サンプルを、ブラックマン(Blackmann)の窓関数で切り取ったものに基づいて算出されている。
図14は、図13(a)、(b)に示すスペクトルから抽出したスペクトラム・エンベロープを示す図である。図14に示すように、スペクトラム・エンベロープは、基本波から高調波に向かってほぼ一定の傾きをもち、かつ、その傾きが、演奏の強さにより一様に変化することがわかる。図14の例では、演奏の強さが強くなるのにしたがって、傾きが大きくなる(つまり0に近づく)。したがって、電子楽器においてフィルタ回路によって、音色を変化させる場合にも、フィルタ回路が、図14に示すようなスペクトラム・エンベロープを持つようなフィルタ特性を持っているのが望ましい。
特開平4−78213号公報
従来のフィルタの伝達関数を(1)式に示す。
なお、ω=2πfc/fs (0<ω<1)
ここに、fcはカットオフ周波数、fsはサンプリング周波数、ωはカットオフ角周波数、Qは選択度を表す。
従来のフィルタ回路においては、フィルタ特性をω(或いはfc)とQとによって変化させるため、フィルタ回路は、パラメータとしてω(或いはfc)およびQを受け入れ、これに基づいて、その特性を変化させるように構成されている。
図15は、(1)式に示す特性をもつ二次IIRフィルタにおいて、パラメータとしてfcを変更したときのフィルタ特性を示すグラフである。図15においても、横軸(周波数軸)はリニア(0〜10kHz)であり、縦軸はdBである。図15に示すように、fcを変更しても、変更されたフィルタ特性は、図13(a)、(b)、図14に示すような特性とは程遠く、したがって、カットオフ周波数を制御してピアノ音色の変化と同等の変化を実現することが非常に難しいという問題点があった。
また、現在、電子楽器においては、PCM方式を採用しているものが多い。このPCM方式においては、楽音の発生時(アタック時)のアタック時波形と、それ以降の繰り返し用の波形の波形データを波形メモリに記憶しておき、アタック時以降には、繰り返し用の波形の波形データを繰り返して読み出すことで、波形メモリの容量を小さくしている。しかしながら、同じ波形を繰り返すだけでは、音色が固定され単調となるため、フィルタ回路によって音色を時間経過にともなって変化させている。特に、アコースティックピアノは、時間経過にともなって高次倍音ほど速く減衰する。このような変化を従来のフィルタ回路において実現することは不可能であった。
たとえば、特許文献1には、カットオフ周波数fcではなく、伝達特性が変化し始める特定の周波数f0とその変化率をパラメータとするフィルタが提案されている。しかしながら、特許文献1に開示されたフィルタを用いても、特に、ピアノ音色の変化と同等の変化を実現することは困難であった。特に、所定の周波数における減衰或いは増強の最大レベルから所定の比率となる周波数(以下、本明細書においては、「遷移周波数」と称する)が、パラメータの変化により移動するという問題点があった。
本発明は、自然楽器、特に、アコースティックピアノの音色変化と同等の音色変化を実現できるフィルタ装置および電子楽器を提供することを目的とする。
本発明の目的は、フィルタ係数の組を出力するフィルタ係数出力手段と、外部より供給される、所定の周波数を有する楽音信号に対して、前記フィルタ係数出力手段より出力されたフィルタ係数の組により規定されるフィルタ特性に基づくフィルタ処理を施すフィルタ手段と、を備えたフィルタ装置であって、前記フィルタ係数出力手段が、供給される楽音信号の周波数により規定され、当該周波数の高低に伴って高低し、かつ、そこからフィルタのゲインの減衰或いは増強が開始される基準周波数から、ほぼ一定の度合いで前記フィルタのゲインが減衰或いは増強され、かつ当該フィルタのゲインの減衰或いは増強の度合いが、前記供給される楽音信号の強度が大きくなるのにともなって、大きくなるように変化するフィルタ特性となるように、予め定められた所定の周波数における、前記基準周波数からのゲインの減衰或いは増強の最大レベルを第2のパラメータとし、かつ、ゲインのレベルが前記最大レベルから所定の比率となるような周波数である遷移周波数を第1のパラメータとして、複数の第1のパラメータのそれぞれについて、第1のパラメータ及び最大レベルが異なる複数の第2のパラメータのそれぞれの組に基づく、フィルタ係数の組を複数種記憶したパラメータテーブルと、前記供給される楽音信号の周波数及び強度に対応して決定される前記第1のパラメータ及び第2のパラメータにより、前記パラメータテーブルから、該当するフィルタ係数の組を取り出して前記フィルタ手段にする出力するフィルタ係数生成手段と、を有することを特徴とするフィルタ装置により達成される。
好ましい実施態様においては、前記フィルタ係数生成手段はさらに、前記第2のパラメータを時間の経過に伴って変化させるエンベロープ発生手段を有する。
より好ましい実施態様においては、前記エンベロープ発生手段は、前記第2のパラメータに対して、その時間の経過に伴って変化する値を加減算する。
また、別の好ましい実施態様においては、前記パラメータテーブルは、前記第1のパラメータの第1の上位ビット及び第2のパラメータの第2の上位ビットからなる複数ビットのデータを入力として、対応する前記フィルタ係数の組を出力し、前記フィルタ係数生成手段はさらに、前記フィルタ係数の組に含まれるフィルタ係数のそれぞれについて、前記パラメータテーブルから出力されたフィルタ係数を、前記第1のパラメータの前記第1の上位ビットを除く所定の第1の下位ビット、及び、第2のパラメータの前記第2の上位ビットを除く所定の第2の下位ビットによって補間する補間手段を有する。
より好ましい実施態様において、前記補間手段は、前記第1の上位ビットを変化させることにより得られたフィルタ係数、その差分値及び前記第2の下位ビットにより得た第1の補間値と、第2の上位ビットを変化させた上で、前記第1の上位ビットを変化させることにより得られたフィルタ係数、その差分値及び前記第2の下位ビットにより得た第2の補間値と、前記第1の補間値及び第2の補間値の差分値及び前記第1の下位ビットにより得た第3の補間値と、を算出し、前記第3の補間値を補間されたフィルタ係数として出力する。
別の好ましい実施態様においては、さらに、前記供給される楽音信号の強度に基づいて、前記第2のパラメータを生成する制御手段を備える。
また、本発明の目的は、外部操作により発音すべき楽音の周波数及び強度を指示する発音指示手段と、前記周波数に基づき第1のパラメータを生成するとともに、前記強度に基づき第2のパラメータを算出する制御手段と、供給される楽音信号の周波数により規定され、当該周波数の高低に伴って高低し、かつ、そこからフィルタのゲインの減衰或いは増強が開始される基準周波数から、ほぼ一定の度合いで前記フィルタのゲインが減衰或いは増強され、かつ当該フィルタのゲインの減衰或いは増強の度合いが、前記供給される楽音信号の強度が大きくなるのにともなって、大きくなるように変化するフィルタ特性となるように、予め定められた所定の周波数における、前記基準周波数からのゲインの減衰或いは増強の最大レベルを第2のパラメータとし、かつ、ゲインのレベルが前記最大レベルから所定の比率となるような周波数である遷移周波数を第1のパラメータとして、複数の第1のパラメータのそれぞれについて、第1のパラメータ及び最大レベルが異なる複数の第2のパラメータのそれぞれの組に基づく、フィルタ係数の組を複数種記憶したパラメータテーブルと、前記制御手段により算出された第1及び第2のパラメータに基づいて決定される周波数及びレベルに対応するフィルタ係数の組を前記パラメータテーブルから取り出すフィルタ係数生成手段と、前記供給される楽音信号に対して、このフィルタ係数生成手段からのフィルタ係数の組により規定されるフィルタ特性に基づくフィルタリング処理を施して出力するフィルタ手段と、を備えたことを特徴とする電子楽器により達成される。
好ましい実施態様においては、前記フィルタ係数生成手段はさらに、前記第2のパラメータを時間の経過に伴って変化させるエンベロープ発生手段を有する。
本発明によれば、自然楽器、特に、アコースティックピアノの音色変化と同等の音色変化を実現できるフィルタ装置および電子楽器を提供することが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる電子楽器の概略を示すブロックダイヤグラムである。図1に示すように、電子楽器は、マイクロコンピュータ1、ROM(Read Only Memory)2、RAM(Random Access Memory)3、スイッチ類4、タッチ検出回路5、鍵盤6、楽音発生回路7、波形ROM8、D/A変換器(DAC)9、増幅回路10およびスピーカ11、12を備えている。マイクロコンピュータ1、ROM2、RAM3および楽音発生回路7は、データバス13に接続され、タッチ検出回路5はマイクロコンピュータ1に接続される。
マイクロコンピュータ1は、電子楽器全体を制御し、プログラムやデータを格納したROM2から、プログラムやデータを読み出して、プログラムを実行する。プログラムの実行にて生成されるデータなどはワークエリアであるRAM3に記憶される。スイッチ類4は、電子楽器のコンソールパネル上に配置されている。マイクロコンピュータ1は、演奏者によるスイッチ類4の操作を検出する。タッチ検出回路5は、所定のタイミングで鍵盤6に対して走査信号を送出し、各鍵盤6の鍵に配置された2つのスイッチのオンに応答して、演奏操作データ(音高およびタッチレスポンスデータ)を生成して、マイクロコンピュータ1に出力する。本実施の形態において、鍵盤6は88個の鍵を有し、各鍵には、その長手方向に2つのスイッチが配置され、鍵の押下によってまず第1のスイッチがオンされ、さらに、鍵が押下されることにより第2のスイッチがオンされるようになっている。
マイクロコンピュータ1は、スイッチ類4の操作により指定された音色と、および、タッチ検出回路5から出力されたタッチレスポンスデータおよび音高を含む演奏操作データとに基づき、楽音発生回路7を制御して、所定の楽音を発生させる。楽音発生回路7は、波形ROM8から指定された音色の波形データを読み出して、演奏操作データにしたがった音高および音量(ベロシティ)の楽音を生成してDAC9に出力する。DAC9は、楽音発生回路7から出力されたディジタルデータをアナログ信号に変換する。アナログ信号は増幅回路10を介してスピーカ11、12から放音される。
図2は、本実施の形態にかかる楽音発生回路をより詳細に示すブロックダイヤグラムである。図2に示すように、楽音発生回路7は、インタフェース20、波形発生回路21、フィルタ回路22、乗算回路23、ミキサ24、第1のエンベロープ発生回路25、フィルタ係数算出回路26、第2のエンベロープ発生回路27を有している。インタフェース20、波形発生回路21、フィルタ回路22、ミキサ24、第1のエンベロープ発生回路25、フィルタ係数算出回路26および第2のエンベロープ発生回路27は、内部バス28に接続される。
インタフェース20は、図1に示すデータバス13と接続され、楽音発生回路7内の、波形発生回路21、フィルタ回路22などの各演算ユニットに、内部バス28を介して設定データなどを書き込む。波形発生回路21は、波形ROM8と接続され、波形ROM8の所定のアドレスから、PCMデータを読み出して、演奏操作データ中の音高に対応する周波数の楽音波形データを生成する。
フィルタ係数回路26は、インタフェース20を介してマイクロコンピュータ1から与えられた演奏操作信号に基づくパラメータと、第1のエンベロープ発生回路25から出力され、時間変化する第1のエンベロープ信号とにしたがってフィルタ係数を算出する。第1のエンベロープ信号により、その周波数特性に変化が与えられ、フィルタ係数は時間の経過とともに変化する。フィルタ回路22は、フィルタ係数にしたがって、楽音波形データにフィルタ処理を施す。
乗算器23は、楽音波形データと、第2のエンベロープ発生回路27から出力される、時間変化する第2のエンベロープ信号とを乗算する。これにより、鍵盤6の鍵のオン・オフにしたがった楽音の立ち上がり、立下りや、タッチレスポンスデータにしたがった音量を制御する。なお、波形発生回路21、フィルタ回路22、第1のエンベロープ発生回路25、フィルタ係数算出回路26、乗算器23および第2のエンベロープ発生回路27は、最大同時発音数の処理を時分割に行うことによって、鍵盤演奏に十分なチャンネル数の楽音を生成することができる。ミキサ24は、生成された最大同時発音数のチャンネルの楽音を、それぞれ、所定の重みで累算して、最終的に、左右2つのチャンネルの楽音として配分する。ミキサ24の出力は、DAC9に出力される。
以下、本発明にかかるフィルタ回路22およびフィルタ係数算出回路26の概略について説明する。図3は、演奏強弱によるアコースティックピアノの音色フィルタを実現するための理想的なフィルタ特性を説明する図である。図3において縦軸はゲイン、横軸はリニアな周波数を表す。
図3に示すように、理想的なフィルタ特性においては、図13に示すアコースティックピアノのスペクトラム・エンベロープから類推されるもので、基本波に対する倍音成分が、基本波に基づく一定のポイントからほぼリニアに減衰していくようなものとなっている。また、その傾きは、音量が小さい場合には小さく(つまり右下がりの度合いが大きく:傾きが小さく)、音量が大きくなるにしたがって大きくなる(つまり右下がりの度合いが小さくなり、より水平に近くなる:傾きが大きくなる)。
以下、基本波に基づいてリニアに減衰し或いは増強を始めるポイント(周波数)を基準周波数、サンプリング周波数fsの1/2の周波数における減衰量(dB)をゲイン、ゲインに対して所定の比率となるような周波数(本実施の形態においては、fs/2における減衰量の1/2となるような周波数)を遷移周波数と称する。また、基準周波数からのリニアに減衰し或いは増強する度合いを傾きと称する。傾きは、周波数軸をx軸、減衰量をy軸とする。
また、本実施の形態において、基本波が変化することにより基準周波数は変化する。また、基準周波数の変化に伴って遷移周波数も一定の規則で変化する。
本実施の形態においては、後述するように、フィルタ回路は、基本波に基づいて変化する遷移周波数と、フィルタの深さを示すゲインとによって制御される。これによって、アコースティックピアノの実際の音色変化とほぼ同様な、基本波に対する高調波成分の制御を実現する。
なお、本実施の形態においては、高調波成分を減衰させるだけでなく、増強する場合も考えている。これは、波形ROM8のPCMデータからの音色をより広範囲に変化させるためである。このような特性を実現するには、FIR(Finite Impulse Response:有限インパルス応答)フィルタが適する。しかしながら、FIRフィルタは演算量が多く、大規模なハードウェアを要する。そこで、本実施の形態においては、図3に示す理想のフィルタ特性に近似した特性を、低次のIIR(Infinite
Impulse Resonance:無限インパルス応答)フィルタで実現し、フィルタ係数を、理想のフィルタ特性とほぼ同等となるように制御している。
上述したようなフィルタ特性を有するフィルタを得るためには、様々な方法が考えられるが、演算量を最小限にするために、一次IIRフィルタでの近似を試み、それを拡張することにより、理想に近い周波数特定を得た。まず、一次IIRフィルタの伝達関数を(2)式と考える。
(2)式において、最大ゲイン(つまり、サンプリング周波数fsの1/2の周波数での最大ゲインをA)とすると、Aは、(3)式のように表すことができる。
また、遷移周波数f0のときに、最大ゲインの1/2のゲインとなるとすると、(4)式が導き出される。
上記(3)式および(4)式を解くと、係数b、cは(5)式および(6)式に示すようになる。
したがって、(2)式に示す一次IIRフィルタの係数b、cは、最大ゲインAおよび遷移周波数f0とから、(5)式および(6)式に示すように求めることができる。なお、上記(5)式からフィルタ係数には2通りのセットが存在するが、その係数範囲から制御しやすい方を選択すればよい。
一次IIRフィルタは、その減衰特性が穏やか過ぎる。そこで、本実施の形態においては、遷移周波数の異なる2つの一次フィルタIIRを直列に接続し、二次IIRフィルタとすることにより、より理想フィルタに近似したフィルタ特性を得ている。(7)式は、一次IIRフィルタを直列に接続した二次IIRフィルタの伝達関数を示す図である。
図4は、ある遷移周波数で、ゲインを変更したときの二次IIRフィルタの特性を示す。図4に示す特性は、図3に示す理想的な特性に近似していることが理解できる。なお、本実施の形態においては、二次IIRフィルタにより理想フィルタを近似しているが、フィルタの次数を上げることにより、その特性を、さらに理想フィルタの特性と近似させることが可能である。
図5は、図4に示すフィルタ特性を実現するための、二次のフィルタ係数を示すグラフである。なお、横軸は負のゲインのレベルを表す。レベル1は、最も負のレベルが大きい(つまり、傾きが最小である)ようなゲインを表し、レベル0は、最も負のレベルが小さい(つまり、傾きが0である)ようなゲインを表す。このように、本実施の形態においては、レベル1〜9のそれぞれにおいて、フィルタ係数b、c、d、eおよびfが決定される。
正のゲインに対するフィルタ係数は、上記(7)式の分母と分子を入れ替えることにより算出できる((8)式参照)。
したがって、負のゲインの係数のb〜fをそれぞれ、
b:e/d、c:f/d、d:1/d、e:b/d、f:c/d
と入れ替えることにより、正のゲイン特性のフィルタ係数を得ることができる。
本実施の形態においては、このフィルタ係数を演算により算出するのではなく、遷移周波数およびゲインをアドレスとするテーブル(パラメータテーブル)をフィルタ係数算出回路26に設け、テーブルからデータ値を取り出し、さらにそのデータ値を補間することにより、適切なフィルタ係数を算出するようにしている。
図11は、本実施の形態におけるフィルタ特性およびパラメータテーブルを説明するための図である。図11(a)は、ある基準周波数fに基づく遷移周波数Fのときのフィルタ特性を示す図である。先に述べたように、基本波の周波数にしたがって基準周波数fは決定される。たとえば、基準周波数は基本波とほぼ同じとしても良いし、基本波の所定倍数の周波数としても良い。図11(a)に示すように、単一の遷移周波数Fについて、複数の傾きを有するフィルタ特性が考えられる。図11(a)の例では、負の特性(減衰する特性)として小さい方からゲインのレベルG11、G12、・・・G1i(=減衰「0」)、正の特性として、G1(i+1)、・・・G1(2i−1)が示されている。また、基本波が異なることに伴って、基準周波数がfからf(f<f)に変化した場合を考えると、図11(b)に示すように、基準周波数の変更にともなって、遷移周波数Fは変更される。また、ゲインのレベルG21、G22、・・・、G2i、・・・、G2(2i−1)も変更され得る。
たとえば、図11(a)では、単一の遷移周波数Fについて、2i−1個のレベルが存在する。したがって、この例では、遷移周波数Fとあるレベルとの組み合わせについて、1つのフィルタ係数の組(b、c、d、e、f)が存在する。つまり、2i−1個のレベルがあれば、2i−1個のフィルタ係数の組が存在する。図11(b)についても同様である。したがって、遷移周波数がn種類存在すれば、n×(レベルの数(図11の例では、(2i−1))個のフィルタ係数の組が存在しえる。
遷移周波数ごとに各ゲインのフィルタ係数のセットを保持すると、膨大な大きさ(遷移周波数の設定数×ゲインの設定数×フィルタ係数の種類(5))のテーブルを用意する必要がある。そこで、遷移周波数の設定数およびゲインの設定数を限定して、これらの組み合わせに応じた一連のフィルタ係数を格納したテーブルのみを用意し、遷移周波数およびゲインの双方について補間(二次元の補間)を実現することで、テーブルのサイズを小さくし、かつ、フィルタ係数の適切化を実現している。
以下、本実施の形態にかかるフィルタ係数算出回路26およびフィルタ回路22の構成についてより詳細に説明する。
図6は、本実施の形態にかかるフィルタ係数算出回路の構成を示すブロックダイヤグラムである。図6に示すように、フィルタ係数算出回路26は、インタフェース31、加算器32〜34、パラメータテーブル35、補間回路36およびレジスタ37〜41を備える。また、図6には示していないが、フィルタ係数算出回路26は、所定のタイミングで、パラメータテーブル35へのアドレス信号のインクリメント信号X1、Y1、および、パラメータテーブル35の選択信号SELを出力する制御回路を有している。
インタフェース31は、楽音発生回路7の内部バス28に接続され、マイクロコンピュータ1からインタフェース20を介して送信される2種類のパラメータ、つまり、遷移周波数データF[15:0]およびゲインデータG[15:0]を受信して保持し、フィルタ算出回路26内に出力する。遷移周波数データFは、上述した遷移周波数に相当し、ゲインデータGが、上記ゲインに相当する。ゲインデータG[15:0]は加算器32に与えられる。加算器32にはもう一方の入力として、第1のエンベロープ発生回路25から経時的に変化する第1のエンベロープ信号が与えられる。したがって、加算器から出力されるゲインデータG[15:0]は、第1のエンベロープ信号に基づいて、その値が時間の経過に伴って変化する。
ゲインデータG[15:0]のうちG[15:12]が加算器33に与えられる。また、遷移周波数データF[15:0]のうちF[15:13]が加算器45に与えられる。加算器33、34においては、必要に応じて所定のタイミングでインクリメント信号「1」が加算され、パラメータテーブル35のアドレスとして出力される。加算器33においては、G[15:12]の出力の次のタイミングで、インクリメント信号X1を加算することで、連続するアドレス(G[15:12]+1)を出力することができる。また、加算器34においても、F[15:13]の出力の次のタイミングで、インクリメント信号Y1を加算することで、連続するアドレス(F[15:13]+1)を出力することができる。
パラメータテーブル35の下位アドレスA[4:0]には、加算器33からの信号が与えられ、その次に上位のアドレスA[8:5]には、加算器34からの信号が与えられる。さらに、最上位アドレスA[11:9]には制御回路(図示せず)からの選択信号SELが与えられる。
本実施の形態において、パラメータテーブル35には、9種類の遷移周波数×17種類のゲイン(8種類のマイナスのゲイン、ゲイン「0」、および、9種類のプラスのゲイン)×5種類のフィルタ係数を記憶する。したがって、パラメータテーブル35は、9×17×5=765ワードのフィルタ数を記憶している。
遷移周波数については、上位3ビット(8種類)の値を下位13ビットで補間するため、9種類のアドレスが用意される。また、ゲインについては、上位4ビット(16種類)の値を、下位12ビットで補完するため、17種類のアドレスが用意される。また選択信号SELは、5種類の係数b〜fの何れかを選択するために使用される。
パラメータテーブル35の出力、つまり補間前のフィルタ係数の組は、補間回路36に与えられる。また、遷移周波数データの下位データF[12:0]およびゲインデータの下位データG[11:0]も補間回路36に与えられる。補間回路36においては、5種類の補間後のフィルタ係数b〜fが算出されて出力される。レジスタ37〜41は、順次出力される補間後のフィルタ係数b〜fをそれぞれ保持する。
図7は、本実施の形態にかかる補間回路をより詳細に示すブロックダイヤグラムである。図7に示すように、補間回路36は、レジスタ51〜54、減算器55、乗算器56、加算器57、レジスタ58、減算器65、乗算器66、加算器67、レジスタ68、減算器70、乗算器71、および、加算器72を有している。
減算器55により、レジスタ51の出力から、レジスタ51の出力を減算した差分値が算出され、この差分値と、ゲインデータの下位データG[11:0]とが乗算器56において乗算され、乗算値は加算器57に出力される。加算器57は、乗算値と、レジスタ51からの出力とを加算し、加算された値が、レジスタ58に記憶される。
同様に、減算器65により、レジスタ53の出力から、レジスタ54の出力を減算した差分値が算出され、この差分値と、ゲインデータの下位データG[11:0]とが乗算器66において乗算され、乗算値は加算器67に出力される。加算器67は、乗算値と、レジスタ53からの出力とを加算し、加算された値が、レジスタ68に記憶される。
さらに、減算器70において、レジスタ58の出力から、レジスタ68の出力を減算した差分値が算出され、この差分値と、遷移周波数データの下位データF[12:0]とが乗算器71において乗算され、乗算値は加算器72に出力される。加算器72は、乗算値と、レジスタ58からの出力とを加算する。加算器72からの出力が、補間されたフィルタ係数となる。
図8は、本実施の形態にかかるフィルタ回路の概略を示すブロックダイヤグラムである。図8に示すように、フィルタ回路22は、加算器80,88、乗算器81、82、85、86、87、および、遅延回路83、84を有する。乗算器81、82、85、86、87のそれぞれに、フィルタ係数算出回路22にて算出されたフィルタ係数b、c、d、e、fが与えられ、乗算器のそれぞれの入力に印加される信号とフィルタ係数とが乗算される。
以下、本実施の形態にかかる二次元の補間について説明する。図9は、本実施の形態にかかる二次元補間を説明する図である。説明の便宜のため、x=G[15:12]、dx=G[11:0]、y=F[15:13]、dy=F[12:0]とする。図7のレジスタ51〜54には、以下の値が格納される。
レジスタ51:o[x,y](なお、o[x,y]は、アドレスxyでのパラメータテーブル35の出力を表す。)
レジスタ52:o[x+1,y]
レジスタ53:o[x,y+1]
レジスタ54:o[x+1,y+1]
減算器55により、レジスタ52の出力o[x+1,y]からレジスタ51の出力o[x,y]が減算され、かつ、乗算器56により、減算値とdxとが乗算される。その後、加算器57により、乗算値とo[x,y]とが加算されてレジスタ58に格納される。したがって、レジスタ58には以下のような値が格納される。
レジスタ58:o[x,y]+(o[x+1,y]−o[x,y])*dx
=o[x+dx,y]
図9に示すように、これは、o[x,y]とo[x+1,y]との間をdxに基づいて直線補間したものに相当する。
また、減算器65により、レジスタ54の出力o[x+1,y+1]からレジスタ53の出力o[x,y+1]が減算され、かつ、乗算器66により、減算値とdxとが乗算される。その後、加算器67により、乗算値とo[x,y+1]とが加算されてレジスタ58に格納される。したがって、レジスタ68には以下のような値が格納される。
レジスタ68:o[x,y+1]+
(o[x+1,y+1]−o[x,y+1])*dx
=o[x+dx,y+1]
図9に示すように、これは、o[x,y+1]とo[x+1,y+1]との間をdxに基づいて直線補間したものに相当する。
さらに、減算器70により、レジスタ68の出力o[x+dx,y+1]からレジスタ58の出力o[x+dx,y]が減算され、かつ、乗算器71により、減算値とdyとが乗算される。その後、加算器72により、乗算値とo[x+dx,y]とが加算されて出力される。したがって、出力値は以下のようなものとなる。
出力値:o[x+dx,y]+
(o[x+dx,y+1]−o[x+dx,y])*dy
=o[x+dx,y+dy]
図9に示すように、出力値は、o[x+dx,y]とo[x+dx,y+1]との間をdyに基づいて補間したものに相当する。したがって、得られた出力値は、dx、dyに基づく二次元の補間値となる。
本実施の形態については、選択信号SELを順次変更して、パラメータテーブル35から、フィルタ係数b、c、d、e、fの補間前の値を出力することで、補間回路36において、b、c、d、e、fの補間値が生成され出力される。
図10は、フィルタ係数算出の際のタイミングチャートである。図10において、R0〜R5は、それぞれ、図7のレジスタ51〜54、58、68に対応し、B〜Fは、それぞれ、図6のレジスタ37〜41に相当する。
図10において、信号X1より、アドレスA[4:0]が、「x」或いは「x+1」に切り替えられ、また、信号Y1により、アドレスA[8:5]が、「y」或いは「y+1」に切り替えられる。また、選択信号SELにより、アドレスA[9:11]が変更される。最初のY1の一周期(符号1001参照)では、選択信号SELは、「b」を示すものであり、したがって、最初のY1の周期でパラメータテーブル35に与えられる4種類のアドレスによって、フィルタ係数bに関するo[x,y]、o[x+1,y]、o[x,y+1]およびo[x+1,y+1]が出力され、それがR0〜R3に格納される。
R0、R1にそれぞれ格納されたo[x,y]、o[x+1,y]に基づいて、o[x+dx,y]が算出されて、これがR4に格納される。また、R2、R3にそれぞれ格納されたo[x,y+1]およびo[x+1,y+1]に基づいて、o[x+dx,y+1]が算出されて、これがR5に格納される。R4およびR5に格納されたo[x+dx,y]およびo[x+dx,y+1]に基づいて、フィルタ係数bについての補間後の値b[x+dx,y+dy]が算出されて、これがBに格納される。
同様に、選択信号SELが、「c」、「d」、「e」および「f」を示す場合には、最終的に、フィルタ係数c〜fのそれぞれの補間後の値c[x+dx,y+dy]、d[x+dx,y+dy]、e[x+dx,y+dy]およびf[x+dx,y+dy]が算出されて、算出された値は、それぞれC〜Fに格納される。
本実施の形態によれば、遷移周波数およびゲインに基づいてフィルタ係数を出力するパラメータテーブルを設け、パラメータテーブルを利用したフィルタ係数によりフィルタ回路を制御している。遷移周波数は発音すべき楽音の基本波の周波数に基づくものであり、かつ、ゲインは、その減衰の程度(または増強の程度)を示す。したがって、直感的な理解が容易なパラメータによって、また、複雑な演算を行うことなく、アコースティック楽器、特に、アコースティックピアノのフィルタ特性にきわめて近似したフィルタ特性を有するディジタルフィルタを実現することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、第1のエンベロープ発生回路から時間変化するエンベロープデータが出力され、このエンベロープデータは、フィルタ係数算出回路にて、ゲインデータに加算される。したがって、ここでも簡単な回路構成で、フィルタによるゲインの減衰(或いは増強)の時間変化を実現し、所望の音色の変化を実現することが可能となる。
さらに、本実施の形態によれば、遷移周波数データの上位ビットおよびゲインデータの上位ビットをアドレスとして、パラメータテーブルが粗いフィルタ係数を出力し、かつ、遷移周波数データの下位ビットおよびゲインデータの下位ビットにより、粗いフィルタ係数を二次元補正して、補正されたフィルタ係数を取得する。これにより、パラメータテーブルが格納するデータ(係数)の数をそれほど大きくすることなく、精度の良い適切なフィルタ係数を得ることが可能となる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
図1は、本発明の実施の形態にかかる電子楽器の概略を示すブロックダイヤグラムである。 図2は、本実施の形態にかかる楽音発生回路をより詳細に示すブロックダイヤグラムである。 図3は、演奏強弱によるアコースティックピアノの音色フィルタを実現するための理想的なフィルタ特性を説明する図である。 図4は、ある遷移周波数で、ゲインを変更したときの二次IIRフィルタの特性を示す。 図5は、図4に示すフィルタ特性を実現するための、二次のフィルタ係数を示すグラフである。 図6は、本実施の形態にかかるフィルタ係数算出回路の構成を示すブロックダイヤグラムである 図7は、本実施の形態にかかる補間回路をより詳細に示すブロックダイヤグラムである。 図8は、本実施の形態にかかるフィルタ回路の概略を示すブロックダイヤグラムである。 図9は、本実施の形態にかかる二次元補間を説明する図である。 図10は、本実施の形態にかかるフィルタ係数算出の際のタイミングチャートである。 図11は、本実施の形態におけるフィルタ特性およびパラメータテーブルを説明するための図である。 図12(a)、(b)は、アコースティックピアノの波形を示すグラフである。 図13(a)、(b)は、図12(a)、(b)のそれぞれの波形から算出されたスペクトルを示すグラフである。 図14は、図13(a)、(b)に示すスペクトルから抽出したスペクトラム・エンベロープを示す図である。 図15は、従来の帰還形二次フィルタにおいて、パラメータとしてfcを変更したときのフィルタ特性を示すグラフである。
符号の説明
1 マイクロコンピュータ
2 ROM
3 RAM
4 スイッチ類
5 タッチ検出回路
6 鍵盤
7 楽音発生回路
8 波形ROM
9 DAC
10 増幅回路
11、12 スピーカ
20 インタフェース
21 波形発生回路
22 フィルタ回路
23 乗算器
24 ミキサ
25 第1のエンベロープ発生回路
26 フィルタ係数算出回路
27 第2のエンベロープ発生回路

Claims (8)

  1. フィルタ係数の組を出力するフィルタ係数出力手段と、
    外部より供給される、所定の周波数を有する楽音信号に対して、前記フィルタ係数出力手段より出力されたフィルタ係数の組により規定されるフィルタ特性に基づくフィルタ処理を施すフィルタ手段と、を備えたフィルタ装置であって、
    前記フィルタ係数出力手段が、
    供給される楽音信号の周波数により規定され、当該周波数の高低に伴って高低し、かつ、そこからフィルタのゲインの減衰或いは増強が開始される基準周波数から、ほぼ一定の度合いで前記フィルタのゲインが減衰或いは増強され、かつ当該フィルタのゲインの減衰或いは増強の度合いが、前記供給される楽音信号の強度が大きくなるのにともなって、大きくなるように変化するフィルタ特性となるように、
    予め定められた所定の周波数における、前記基準周波数からのゲインの減衰或いは増強の最大レベルを第2のパラメータとし、かつ、ゲインのレベルが前記最大レベルから所定の比率となるような周波数である遷移周波数を第1のパラメータとして、
    複数の第1のパラメータのそれぞれについて、第1のパラメータ及び最大レベルが異なる複数の第2のパラメータのそれぞれの組に基づく、フィルタ係数の組を複数種記憶したパラメータテーブルと、
    前記供給される楽音信号の周波数及び強度に対応して決定される前記第1のパラメータ及び第2のパラメータにより、前記パラメータテーブルから、該当するフィルタ係数の組を取り出して前記フィルタ手段にする出力するフィルタ係数生成手段と、
    を有することを特徴とするフィルタ装置。
  2. 前記フィルタ係数生成手段はさらに、前記第2のパラメータを時間の経過に伴って変化させるエンベロープ発生手段を有することを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
  3. 前記エンベロープ発生手段は、前記第2のパラメータに対して、その時間の経過に伴って変化する値を加減算することを特徴とする請求項1または2に記載のフィルタ装置。
  4. 前記パラメータテーブルは、前記第1のパラメータの第1の上位ビット及び第2のパラメータの第2の上位ビットからなる複数ビットのデータを入力として、対応する前記フィルタ係数の組を出力し、
    前記フィルタ係数生成手段はさらに、前記フィルタ係数の組に含まれるフィルタ係数のそれぞれについて、
    前記パラメータテーブルから出力されたフィルタ係数を、前記第1のパラメータの前記第1の上位ビットを除く所定の第1の下位ビット、及び、第2のパラメータの前記第2の上位ビットを除く所定の第2の下位ビットによって補間する補間手段を有することを特徴とする請求項1ないし3の何れか一項に記載のフィルタ装置。
  5. 前記補間手段は、前記第1の上位ビットを変化させることにより得られたフィルタ係数、その差分値及び前記第2の下位ビットにより得た第1の補間値と、第2の上位ビットを変化させた上で、前記第1の上位ビットを変化させることにより得られたフィルタ係数、その差分値及び前記第2の下位ビットにより得た第2の補間値と、前記第1の補間値及び第2の補間値の差分値及び前記第1の下位ビットにより得た第3の補間値と、を算出し、前記第3の補間値を補間されたフィルタ係数として出力することを特徴とする請求項4に記載のフィルタ装置。
  6. さらに、前記供給される楽音信号の強度に基づいて、前記第2のパラメータを生成する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし5の何れか一項に記載のフィルタ装置。
  7. 外部操作により発音すべき楽音の周波数及び強度を指示する発音指示手段と、
    前記周波数に基づき第1のパラメータを生成するとともに、前記強度に基づき第2のパラメータを算出する制御手段と、
    供給される楽音信号の周波数により規定され、当該周波数の高低に伴って高低し、かつ、そこからフィルタのゲインの減衰或いは増強が開始される基準周波数から、ほぼ一定の度合いで前記フィルタのゲインが減衰或いは増強され、かつ当該フィルタのゲインの減衰或いは増強の度合いが、前記供給される楽音信号の強度が大きくなるのにともなって、大きくなるように変化するフィルタ特性となるように、
    予め定められた所定の周波数における、前記基準周波数からのゲインの減衰或いは増強の最大レベルを第2のパラメータとし、かつ、ゲインのレベルが前記最大レベルから所定の比率となるような周波数である遷移周波数を第1のパラメータとして、
    複数の第1のパラメータのそれぞれについて、第1のパラメータ及び最大レベルが異なる複数の第2のパラメータのそれぞれの組に基づく、フィルタ係数の組を複数種記憶したパラメータテーブルと、
    前記制御手段により算出された第1及び第2のパラメータに基づいて決定される周波数及びレベルに対応するフィルタ係数の組を前記パラメータテーブルから取り出すフィルタ係数生成手段と、
    前記供給される楽音信号に対して、このフィルタ係数生成手段からのフィルタ係数の組により規定されるフィルタ特性に基づくフィルタリング処理を施して出力するフィルタ手段と、
    を備えたことを特徴とする電子楽器。
  8. 前記フィルタ係数生成手段はさらに、前記第2のパラメータを時間の経過に伴って変化させるエンベロープ発生手段を有することを特徴とする請求項7に記載の電子楽器。
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