JP4655966B2 - 非接触式鋼板矯正装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼板の反りを矯正する非接触式鋼板矯正装置に関する。
例えば、溶融亜鉛めっき鋼板の製造ラインでは、亜鉛付着量を調整するワイピングノズルの位置で鋼板のパスラインのずれや鋼板の幅方向中央に対して幅方向外周部が同一方向に反るC反りがあると鋼板表面の亜鉛付着量が幅方向にわたって偏差が生じ、品質不良が生じて歩留りが悪化する。
このため、鋼板のパスラインのずれやC反りを非接触で矯正するために、例えば帯板状の鋼板を走行させるべき走路面の両側に、この走路面から所定の間隔をあけて対称に配置された一対の電磁石と、一方の電磁石の内部に組込まれた非接触式の位置検出器と、この位置検出器の信号に基づいて比例、積分、微分等の信号処理を行って各電磁石の吸引力を制御する制御器とを備えたものが知られている(特許文献1参照)。
また、例えば多数の電磁石を鋼板の幅方向に並べ、制御の必要な位置にある電磁石だけを選択的にオンすると共に、鋼板の幅より広い範囲の電磁石をオンし、鋼板に幅方向の外側に向かう力を作用させて張力を加えるようにした非接触ストリップ矯正装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−245523号公報(第1頁、図1) 特許第3025404号公報(第3頁、図1)
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来例にあっては、位置検出器の信号に基づいて比例、積分、微分等の信号処理を行って電磁石の吸引力を制御するので、鋼板が振動しやすい振動数即ち鋼板の固有振動数に対して有効に制振効果を発揮させることができ、特許文献2に記載の従来例にあってはエッジ部の矯正を良好に行うことができるものであるが、隣接する電磁石間で吸引力の干渉が発生した場合には有効な制御を行うことができないという未解決の課題がある。
すなわち、図9に示すように、鋼板2の幅方向のエッジ部において、パスラインを挟んでエッジ側に配設された電磁石4a1及び4a2と、その内側に配設された電磁石4b1及び4b2と、さらに内側に配設された電磁石4c1及び4c2とを有し、鋼板2が両電磁石4a1及び4a2、4b1及び4b2、4c1及び4c2の中間のセンターラインCに対して電磁石4a1及び4a2では電磁石4a2寄りとなり、電磁石4b1及び4b2、4c1及び4c2では電磁石4b1,4c1側となるC反りが生じているものとする。この鋼板2を矯正するには、電磁石4a1及び4a2では電磁石4a1が通電されて吸引力を発生し、電磁石4b1及び4b2、4c1及び4c2では電磁石4b2,4c2が吸引力を発生させる。
このとき、エッジ側の電磁石4a1及び4a2に着目すると、鋼板2の復元力は電磁石4a2側に作用し、この復元力と電磁石4a1の吸引力とが釣り合っており、電磁石4a1以外の電磁石の干渉がなければ、鋼板2のパスが変更されることはない。
しかしながら、電磁石4b2では吸引力を発生しており、この吸引力が電磁石4a1及び4a2間の鋼板2に作用する状態となると、これが鋼板2の復元力に加わるため、鋼板1が電磁石4a2側に移動しようとすることになり、これを抑制するために電磁石4a1の通電電流を増加させる制御が行われる。
このとき、鋼板2の復元力は鋼板2の変位量と比例関係にあるが、電磁石の吸引力は距離の2乗に反比例するので、電磁石と鋼板との距離L(mm)と復元力及び吸引力との関係は、電磁石の電流量をパラメータとすると、図10に示すように、吸引力は電流が増加するにつれて大きな値となる。
このため、今、例えば電磁石と鋼板との距離が25mmで、例えば電磁石4a1の電流が特性曲線LS3である場合には、パスが電磁石側に変動したとしても、そこでは復元力が勝り、勝手に元の位置に戻ることになり制御しやすい釣り合い点である安定釣り合い点Psがある。また、僅かでも電磁石側にパスが寄ると急激に吸引力が勝り鋼板2が電磁石4a1に急接近してかなり高応答性のある制御系でないと鋼板が電磁石接触するおそれがある不安定釣り合い点Puがある。特性曲線LS3においては、安定釣り合い点Psと、不安定釣り合い点Puとは17mmと距離があり、安定い釣り合い点Psを目標に制御していれば、不安定釣り合い点Puまで鋼板が接近することはなく、問題ない。しかし、前述したように、隣接する電磁石の吸引力の干渉がある場合には、電磁石4a1の電流が増加して例えば電流が最大となる特性曲線LS6となると、不安定釣り合い点Puが安定釣り合い点Psに接近して、不安定領域Ruが拡大されることにより、鋼板2が電磁石4a1側に僅かに変位した場合でも電磁石4a1の吸引力が急増して鋼板が電磁石4a1に接触するおそれが高くなる。しかも、電磁石と鋼板との距離Lに対する電磁石の吸引力及び鋼板の復元力との関係は、鋼板の板厚の影響を大きく受けることになり、より正確な制御を行うことができない。
これを解決するためには、隣接する電磁石との距離を大きくすればよいが、C反りの矯正を考えると電磁石間で吸引力不足を招くことになり、良好な矯正を行うことができない。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、鋼板の板厚を考慮して電磁石間の距離を調整することにより良好な矯正を行うことができる非接触式鋼板矯正装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る非接触式鋼板矯正装置は、所定方向に向かって連続的に通板される鋼板のパスラインを挟むように、当該鋼板に対してその厚み方向に近接して対向された一対の電磁石を前記鋼板の幅方向に複数組設け、各電磁石の磁気吸引力によって鋼板の反りを矯正する非接触鋼板矯正装置であって、
前記鋼板の板厚を検出する板厚検出手段と、該板厚検出手段で検出した板厚に基づいて隣接する前記一対の電磁石同士の幅方向距離を当該板厚が厚くなるに従って大きくなるように調整して鋼板振動を抑制する電磁石距離調整手段を備えていることを特徴としている。
また、請求項2に係る非接触式鋼板矯正装置は、請求項1に係る発明において、前記電磁石距離調整手段は、幅方向中央の1組の電磁石を固定配置し、残りの各組の電磁石を幅方向に位置調整可能に配置したことを特徴としている。
さらに、請求項3に係る非接触式鋼板矯正装置は、請求項1又は2に係る発明において、前記鋼板の板幅を検出する板幅検出手段と、該板幅検出手段で検出した板幅と前記電磁石距離調整手段で調整した幅方向距離とに基づいて鋼板の反り矯正に寄与する電磁石組を決定し、決定した電磁石組に対してのみ通電制御を行う通電制御手段とを備えていることを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、板厚検出手段で検出した矯正対象となる鋼板の板厚に基づいて幅方向に隣接する電磁石同士の幅方向距離を調整することにより鋼板振動を抑制することができるので、鋼板品質を良好に保ちながら反り矯正を正確に行うことができるという効果が得られる。
また、請求項2に係る発明によれば、幅方向中央の中央に位置する1対の電磁石を固定し、残りの各対の電磁石を幅方向に位置調整可能に配置したので、固定された1対の電磁石を中心として左右対称に位置調整を行えばよく、1対の電磁石の位置調整を容易に行うことができる。
さらに、請求項3に係る発明によれば、電磁石距離調整手段で調整した幅方向距離と板幅検出手段で検出した板幅とに基づいて鋼板の反り矯正に寄与する電磁石対を決定し、決定した電磁石対に対してのみ通電制御を行うので、消費電力を必要最小限とすることができるという効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す概略平面図であって、図中、1は非接触式鋼板矯正装置であり、この非接触式鋼板矯正装置1の前後方向の中央部に矯正対象となる鋼板2のパスラインが形成され、このパスラインを通過する鋼板2を挟んで前後方向位置に互いに近接対向して固定部3に配設された前後一対の電磁石4a1〜4g1及び4a2〜4g2が配設されている。
これら電磁石4a1〜4g1及び4a2〜4g2は、固定部3に配設された前後方向に伸縮する伸縮機構5f及び5rに支持された左右方向に延長する支持バー6f及び6rに鋼板2の幅方向即ち左右方向の中央部の電磁石4d1及び4d2のみが支持バー6f及び6rに固定され、残りの電磁石4a1〜4c1,4e1〜4g1及び4a2〜4c2,4e2〜4g2が幅方向に移動可能に配設されている。
これら電磁石4a1〜4c1,4e1〜4g1及び4a2〜4c2,4e2〜4g2の夫々は、図2及び図3に拡大図示するように、各グループ毎に、支持バー6f及び6rの垂直な対向面に上下方向に所定間隔を保って左右方向に延長する案内レール7u及び7dが配設され、これら案内レール7u及び7dで案内される電磁石数に対応する数のスライダ8u及び8d間に橋架された各電磁石4a1〜4c1,4e1〜4g1及び4a2〜4c2,4e2〜4g2を個別に載置する磁性体製の載置テーブル9a〜9cを有する。
これら載置テーブル9a〜9cには、載置テーブル9a〜9c上に上下方向に所定間隔を保って2本の鉄心PF1及びPF2が植立され、これら鉄心PF1及びPF2の回りにコイルCL1及びCL2が互いに逆方向に巻装され、これら2つの鉄心PF1,PF2及びコイルCL1,CL2で、電磁石4a1〜4g1及び4a2〜4g2が構成されている。
そして、載置テーブル9a〜9cと支持バー6f及び6rとの間に、載置テーブル9a〜9cの移動方向に沿って並行に配設された3本のネジ軸10a〜10cが回転自在に配設され、これらネジ軸10a〜10cが駆動モータ11a〜11cによって回転駆動されると共に、ネジ軸10a〜10cに個別に載置テーブル9a〜9cに固定されたナット12a〜12cが螺合されている。
したがって、駆動モータ11a〜11cによって、ネジ軸10a〜10cを時計方向及び反時計方向に回転駆動することにより、ナット12a〜12cを介して載置テーブル9a〜9cが左右方向に移動し、これによって幅方向に隣接する電磁石間距離Lが調整される。
このとき、電磁石4a1〜4c1と4e1〜4g1とは固定された中央の電磁石4d1及び4d2を挟んで左右対称であるので、左右の駆動モータ11a〜11cの回転角度及び回転方向の同期をとることにより、左右で同時に等量の位置調整を行うことができる。
そして、各グループの駆動モータ11a〜11cが図4に示す制御装置15によって回転駆動される。この制御装置15には、矯正対象となる鋼板2の板厚情報及び板幅情報を出力する上位計算機16と、矯正対象となる鋼板2と各電磁石4a1〜4g1との距離を鋼板搬送方向上流側で測定する距離計17a〜17gとが接続される。
制御装置15では、図5に示す電磁石間距離設定処理を行って上位計算機16から入力される矯正対象となる鋼板2の板厚tに基づいて図6に示す記憶テーブルを参照して電磁石間距離Lを設定する。さらに、設定された電磁石間距離Lに基づいて駆動モータ11を回転駆動制御すると共に、設定された電磁石間距離Lの総和と上位計算機16から入力される矯正対象となる鋼板2の板幅Wとに基づいて反り矯正を行う電磁石組数を決定し、決定した電磁石組数に対してのみ反り矯正を行う通電制御を行う。
ここで、記憶テーブルは、図6に示すように、矯正対象となる鋼板2の板厚tと、隣接する電磁石間で吸引力の作用方向が逆方向となる場合に、一方の電磁石の吸引力が他方の電磁石位置における鋼板の復元力と同一方向となって干渉力として作用することを抑制するように必要最小限の電磁石間距離Lを設定するもので、図7(a)〜(c)に示すように鋼板2の板厚tが大きくなるに従い鋼板2が電磁石に近づく場合の吸引力の増加量が大きくなることを考慮して、板厚tが厚くなるに従って電磁石間距離Lが大きくなるように設定されている。つまり、板厚が厚い程、電磁石間距離を大きくして他の電磁石からの干渉を受けない特性曲線を採用するようにしている。
電磁石間距離設定処理は、先ず、ステップS1で、上位計算機16から矯正対象となる鋼板2の板厚tと板幅Wとを読込み、次いでステップS2に移行して、読込んだ鋼板2の板厚tに基づいて図6に示す記憶テーブルを参照して電磁石間距離Lを算出する。
次いで、ステップS3に移行して、算出した電磁石間距離Lに基づいて移動可能な各電磁石4i(i=a1〜c1,e1〜g1,a2〜c2,e2〜g2)の固定されている中央の電磁石4d1及び4d2に対する目標位置を算出し、次いでステップS4に移行して、算出した各電磁石4iの目標位置と鋼板2の板幅Wとから鋼板2と対向して鋼板2を矯正可能な電磁石組数を決定する。
次いで、ステップS5に移行して、前記ステップS3で算出した各電磁石4iの中央の電磁石4d1及び4d2に対する目標位置に基づいて電磁石4i毎の現在位置からの移動量Xiを算出し、次いでステップS6に移行して、算出した電磁石4i毎の移動量Xiに基づいて各電磁石4iを移動させる各グループの駆動モータ11a〜11cを駆動制御して各電磁石4iを電磁石間距離Lを維持する目標位置に移動させてから電磁石間距離設定処理を終了する。
また、制御装置15は、鋼板2を矯正する図8の矯正処理を実行する。
この矯正処理は、先ず、ステップS11で、距離計17iで検出した鋼板2との距離検出値Yiを読込み、次いでステップS12に移行して、距離検出値Yiに基づいて各電磁石4iでの必要電流量Iiを算出し、次いでステップS13に移行して、算出した電流量Iiを前述したステップS4で決定された矯正可能な電磁石組の各電磁石4iに供給する通電制御を行う。この処理を所定時間毎に行うことで矯正処理のフィードバック制御が実施される。
この図5及び図8の処理において、図5のステップS1の処理が板厚検出手段に対応し、図5のステップS3〜ステップS6の処理と、案内レール7u,7d、スライダ8u,8d、ネジ軸10a〜10c、駆動モータ11a〜11c及びナット12a〜12cとが電磁石距離調整手段に対応し、図8のS11〜S13が通電制御手段に対応している。
次ぎに、上記実施形態の動作を説明する。
今、溶融亜鉛メッキ槽(図示せず)で溶融亜鉛メッキ処理が行われる鋼板2は、その尾端と次ぎに溶融亜鉛メッキ処理が行われる鋼板の先端とが溶接されて連続的に溶融亜鉛メッキ槽に通板される。
このため、制御装置15では、鋼板同士の溶接部が電磁石4a1〜4g1及び4a2〜4g2間を通過する直前に図5の電磁石間距離設定処理を実行する。
このため、電磁石間距離設定処理では、上位計算機16から溶接部で接続された次の鋼板2の板厚t及び板幅Wを読込み(ステップS1)、読込んだ鋼板2の板厚tに基づいて図6に示す記憶テーブルを参照することにより、隣接する電磁石間の電磁石間距離Lを算出する(ステップS2)。このとき、矯正対象となる鋼板2の板厚tが大きくなるほど電磁車間距離Lが大きくなり、隣接する電磁石同士の吸引力の干渉を確実に防止する。
そして、算出した電磁石間距離Lに基づいて各電磁石4iの中央位置の電磁石4d1及び4d2を基準とする目標位置離を算出し(ステップS3)、算出した各電磁石4iの目標位置と鋼板2の板幅Wとから矯正対象となる鋼板2と対向して鋼板2を矯正可能な電磁石組数を決定する(ステップS4)。
次いで、各電磁石4iの目標位置に基づいて現在位置からの移動量Xiを算出し(ステップS5)、次いで算出した電磁石4i毎の移動量Xiに基づいて各電磁石4iを移動させる各グループの駆動モータ11a〜11cを駆動制御して各電磁石を電磁石間距離Lを保つように目標位置に移動させる。このとき、目標位置については4a1〜4c1、4e1〜4g1、4a2〜4c2、4e2〜4g2の4つのグループ中の1つのグループ例えば4a1〜4c1の目標位置を例えば正方向として算出すれば、グループ4a2〜4c2についてはグループ4a1〜4cと同一の目標位置を設定すればよく、グループ4e1〜4g1及び4e2〜4g2については負方向にグループ4a1〜4c1と同一目標位置を設定すればよく、各グループについて目標位置を全て演算する必要はなく、この分演算時間を短縮することができる。
そして、算出された移動量Xiに基づいて各グループの駆動モータ11a〜11cを駆動制御することにより、各電磁石4a1〜4c1、4e1〜4g1及び4a2〜4c2、4e2〜4g2を目標位置に移動させて、隣接する電磁石間で吸引力の干渉を防止する必要最低限の電磁石間距離Lを確保する。
このように各電磁石4iを目標位置に移動させることにより、隣接する電磁石間で吸引力が鋼板2の復元力を増加する方向に作用する干渉を確実に防止することができる。
すなわち、特に図9に示すように復元力の小さい鋼板2のエッジ部分で例えは対向する一対の電磁石4a1及び4a2の内電磁石4a1を通電制御することにより、鋼板2を吸引する吸引力を発生させてC反りを矯正する場合に、その内側の一対の電磁石4b1及び4b2では、電磁石4a1とは逆側の電磁石4b2を通電制御して、この電磁石4b2で鋼板2を吸引する吸引力を発生させることになるが、この電磁石4b2での吸引力が一対の電磁石4a1及び4a2の鋼板2における復元力に作用して干渉することを確実に防止することかできる。
このため、図10に示すように、板エッジ復元力を表す直線上の特性線LDが鋼板2を矯正するための電流量が下から2番目の特性線LS3と交差することになる。
このため、電磁石4a1の電流量を特性線LS3で表す電流量に制御した状態で、電石及び鋼板間隔が特性線LD及び特性線LS3との2つの交点2のうち特性線LS3の傾きが小さい方の安定釣合い点となる所定値Y1に設定したときに、鋼板2のパスが電磁石4a1側に変動したとしても、この位置では、復元力が電磁石4a1の吸引力に勝ることになり、パスが勝手に電磁石4a1から離れる方向に戻る制御し易い釣り合い点である安定釣り合い点PSに維持することができる。
この場合、特性線LDと特性線LS3との他方の交点は、僅かでも電磁石側にパスが寄ると、急激に吸引力が勝り鋼板が電磁石に急接近し、かなり高応答性の制御系を適用しないと鋼板2が電磁石4a1に接触する恐れがある不安定釣合い点PUとなる。このため、安定釣り合い点PSから不安定釣り合い点PUまでの電磁石−鋼板間隔が安定領域Rsとなり、電磁石−鋼板間隔が不安定釣り合い点PUより小さくなると不安定領域Ruとなる。
因みに、電磁石4b2の吸引力が図9で一点鎖線図示のように隣の電磁石4a1及び4a2間の鋼板2に作用する場合には、電磁石4a1〜4a2間の鋼板2の復元力が増加することになるので、これを抑制するためには電磁石4a1に通電する電流を増加させる必要があり、図10に示すように、エッジ復元力を表す特性線LDを上方に電磁石4b2の吸引力に相当する分上方にシフトさせて例えば一番大きな電流値となる最上部の特性曲線LS6と接する状態となる。このため、安定釣り合い点PsはPs′となるだけで、電磁石−鋼板間隔が変化することはないが、不安定釣り合い点Puについては安定釣り合い点Ps側に移動し、これに応じて不安定領域がRs′となって不安定領域Rsより拡大し、これに応じて安定領域Rsは減少することになり、パスの調整範囲が少なくなってハンチングが発生し易い状態となる。
これに対して、本実施形態では、隣接する電磁石間の距離Lが鋼板の板厚tに応じて設定するので、ある電磁石から隣接する他の電磁石に鋼板の復元力を増加させる吸引力が作用することを防止するので、不安定釣り合い点Puが安定釣り合い点Ps側に移動することを確実に防止して、安定領域Rsを広くした状態を保つことができ、鋼板2に最適な吸引力を作用させて鋼板2のC反りを正確に矯正することができる。
なお、上記実施形態においては、電磁石4a1〜4g1及び4a2〜4g2を2つの鉄心PF1,PF2及びコイルCL1,CL2で構成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、1つの鉄心及びこれに巻装したコイルで構成するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、中央の電磁石4d1及び4d2を固定し、残りの電磁石4a1〜4c1、4e1〜4g1及び4a2〜4c2、4e2〜4g2を移動させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、他の1組の電磁石を固定して、残りの電磁石を移動させるようにしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、電磁石を7組設ける場合について説明したが、これに限定されるものではなく、矯正対象となる鋼板2の板幅Wに応じて任意数の電磁石を設けるようにしてもよい。
さらにまた、上記実施形態においては、電磁石4a1〜4g1及び4a2〜4g2をリニアガイドで案内された載置板9上に形成し、載置板9をネジ軸10a〜10cと、これらに螺合するナット12a〜12cと、電動モータ11a〜11cを設ける場合について説明したが、これに限定されるものではなく、任意の直線移動機構を適用することができる。
また、上記実施形態においては、矯正対象となる鋼板の板厚t及び板幅Wを上位計算機16から読込む場合について説明したが、これに限定されるものではなく、別途鋼板の板厚tを検出する板厚センサ及び板幅Wを検出する板幅センサを設けるようにしても良い。
本発明の非接触式鋼板矯正装置の一実施形態の概略構成を示す平面図である。 図1の要部の拡大縦断面図である。 図1の要部の拡大横断面図である。 本発明に適用し得る制御装置を示すブロック図である。 制御装置で実行する電磁石間距離設定処理手順の一例を示すフローチャートである。 板厚と電磁石間距離との関係を示す記憶テーブルである。 板厚と吸引力及び復元力との関係を示す説明図である。 制御装置で実行する矯正処理手順の一例を示すフローチャートである。 鋼板に対する吸引力及び復元力の作用状態を示す説明図である。 本発明の動作の説明に供する電磁石−鋼板間間隔と吸引力・復元力との関係を示す特性線図である。
符号の説明
1…非接触式鋼板矯正装置、2…鋼板、4a1〜4g1,4a2〜4g2…電磁石、57u,7d…案内レール、8u,8d…スライダ、10a〜10c…ネジ軸、11a〜11c…駆動モータ、12a〜12c…ナット、15…制御装置、16…上位計算機、17a〜17g…距離計

Claims (3)

  1. 所定方向に向かって連続的に通板される鋼板のパスラインを挟むように、当該鋼板に対してその厚み方向に近接して対向された一対の電磁石を前記鋼板の幅方向に複数組設け、各電磁石の磁気吸引力によって鋼板の反りを矯正する非接触鋼板矯正装置であって、
    前記鋼板の板厚を検出する板厚検出手段と、該板厚検出手段で検出した板厚に基づいて隣接する前記一対の電磁石同士の幅方向距離を当該板厚が厚くなるに従って大きくなるように調整して鋼板振動を抑制する電磁石距離調整手段を備えていることを特徴とする非接触式鋼板矯正装置。
  2. 前記電磁石距離調整手段は、幅方向中央の1組の電磁石を固定配置し、残りの各組の電磁石を幅方向に位置調整可能に配置したことを特徴とする請求項1に記載の非接触式鋼板矯正装置。
  3. 前記鋼板の板幅を検出する板幅検出手段と、該板幅検出手段で検出した板幅と前記電磁石距離調整手段で調整した幅方向距離とに基づいて鋼板の反り矯正に寄与する電磁石組数を決定し、決定した電磁石組数に対してのみ通電制御を行う通電制御手段とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の非接触式鋼板矯正装置。
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