以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下プリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタを示す概略構成図である。同図において、本プリンタは、転写手段たる転写ユニット10を備えている。
この転写ユニット10は、無端状の中間転写ベルト11を、複数の張架ローラによって図中左上から右下に向けて斜めにする姿勢でテンション張架しながら、張架ローラの何れか1つの回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめる。中間転写ベルトを張架する複数の張架ローラとしては、2次転写バックアップローラ12、クリーニングバックアップローラ13、テンションローラ14、第1の1次転写ローラ15、第2の1次転写ローラ16等を有している。
転写ユニット10の図中左側方には、第1プロセスカートリッジ100と第2プロセスカートリッジ200とが、第1プロセスカートリッジ100を鉛直方向上方にして積み重なるように配設されている。
第1プロセスカートリッジ100は、潜像担持体たるドラム状の第1感光体102の周りに、第1清掃帯電ユニット110、Y現像装置130、C現像装置160等を有している。これらは、第1プロセスカートリッジ100のケーシング101内に収容されている。そして、第1感光体102は、ケーシング101に設けられた現像開口からその周面の一部を露出させつつ、中間転写ベルト11のループおもて面にその露出周面を当接させている。なお、Y現像装置130、C現像装置160における「Y」、「C」は、それぞれイエロー、シアンを示す記号である。
Y現像装置130は、Y現像ローラ131、Yトナー供給ローラ132、Yトナー収容部133、第1回転部材134、第2回転部材135、把手部136等を有している。Yトナー収容部133内には、現像剤たる図示しないYトナーが収容されているとともに、第1回転部材134、第2回転部材135が配設されている。このようなYトナー収容部133の図中右側方には、Yトナー供給ローラ132、Y現像ローラ131が順次並ぶように配設されている。現像剤収容部たるYトナー収容部133内に収容されているYトナーは、第1回転部材134の回転によって第2回転部材135に向けて搬送された後、第2回転部材135の回転によってYトナー供給ローラ132の表面に供給される。Yトナー供給ローラ132は、金属線の軸部材の表面にスポンジ等からなる弾性層が形成されたもので、第1回転部材134によって供給されたYトナーをこの弾性層に付着させる。そして、その回転に伴って、Y現像ローラ131との当接部に向けて搬送し、ここでY現像ローラ131の表面に供給する。Y現像ローラ131は、金属製の軸部材の表面にゴム等からなる弾性層が形成されたもので、Yトナー供給ローラ132との当接部でYトナーを弾性層の表面に担持する。Y現像ローラ131の弾性層の表面に担持されたYトナーは、Y現像ローラ131の回転に伴って、Y現像ローラ131に当接する図示しない規制ブレードによるトナー規制位置を通過する。この際、Y現像ローラ131上のYトナー層の層厚が規制されて、Y現像ローラ131上にYトナー薄層が形成される。このYトナー薄層は、Y現像ローラ131の回転に伴って、Y現像ローラ131と第1感光体102とが所定の間隙を介して対向している現像ギャップに搬送される。
Y現像ローラ131の金属製の軸部材には、図示しないバイアス電源から導かれる現像バイアスが印加されている。この現像バイアスにより、Y現像ローラ131と、第1感光体102の表面に担持される後述のY潜像との間には現像電界が形成される。上述の現像ギャップに搬送されたYトナー薄層は、この現像電界の影響によってYトナーを、Y現像ローラ131表面から感光体102上のY潜像に向けて飛翔させた後、Y潜像に付着させる。この付着により、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転駆動せしめられる感光体102上のY潜像がYトナー像に現像される。
C現像装置160は、第1プロセスカートリッジ100内において、Y現像装置130の直下に配設されている。そして、C現像ローラ161、Cトナー供給ローラ162、Cトナー収容部163、第1回転部材164、第2回転部材165、把手部166等を有している。このC現像装置160は、取り扱うトナーの色が異なる点の他は、Y現像装置130と同様の構成になっており、第1感光体102の表面に担持されたC潜像をCトナー像に現像する。
Y現像装置130の把手部136、C現像装置160の把手部166は、それぞれケーシングにおける現像ローラ側とは反対側の端部に形成されており、操作者によって把持されるものである。
上述の転写ユニット10においては、中間転写ベルト11のループ内側に配設された第1の1次転写ローラ15は、第1感光体102との間に中間転写ベルト11を挟み込むように配設されている。この挟み込みにより、中間転写ベルト11のおもて面と第1感光体102とが当接する第1の1次転写ニップが形成されている。また、中間転写ベルト11のループ内側に配設された第2の1次転写ローラ16は、第2プロセスカートリッジの第2感光体202との間に中間転写ベルト11を挟み込むように配設されている。この挟み込みにより、前述の第1の1次転写ニップよりもベルト移動方向下流側で、且つ後述する2次転写ニップよりもベルト移動方向上流側において、中間転写ベルト11のおもて面と第2感光体202とが当接する第2の1次転写ニップが形成されている。
転写ユニット10における第1の1次転写ローラ15、第2の1次転写ローラ16は、それぞれ、金属製の芯金にゴム等からなる弾性層が形成されたもので、その芯金には図示しない電源によって1次転写バイアスが印加される。これにより、第1の1次転写ニップ内においては、トナーを第1感光体102側から第1の1次転写ローラ15側に向けて静電移動させる1次転写電界が形成される。また、第2の2次転写ニップ内においては、トナーを第2感光体202側から第2の1次転写ローラ16側に向けて静電移動させる1次転写電界が形成される。
第1プロセスカートリッジ100内において、第1感光体102の表面で現像されたYトナー像やCトナー像は、第1感光体102の回転に伴って第1の1次転写ニップ内に進入する。そして、上述した1次転写電界やニップ圧の影響により、第1感光体102表面から中間転写ベルト11のおもて面に1次転写される。
第1清掃帯電ユニット110は、第1の1次転写ニップを通過した後の第1感光体102表面に接触するように配設されており、クリーニング部と帯電部とを有している。クリーニング部は、第1感光体102に当接するクリーニングブレード111、トナー回収スクリュウ112などから構成されている。また、帯電部は、第1感光体102に当接しながら回転する帯電ローラ113などから構成されている。
第1の1次転写ニップを通過した後の第1感光体102表面には、中間転写ベルト11に転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、第1清掃帯電ユニット110のクリーニングブレード111によって第1感光体102表面から掻き取られて、トナー回収スクリュウ112上に落下する。このトナー回収スクリュウ112は、第1感光体102の軸線と平行な姿勢になるように配設され、第1感光体102から落下してきたトナーを受け止める。そして、その回転に伴ってスクリュウ軸線方向に沿って搬送した後、図示しない廃トナー収容器に向けて落とし込む。
このようにして転写残トナーがクリーニングされた第1感光体102は、図示しない除電ランプによって表面の残留電荷が除電される。そして、図示しない電源によって帯電バイアスが印加される帯電ローラ113に摺擦せしめられて、トナーの帯電極性と同極性に一様帯電せしめられる。一様帯電後の第1感光体102表面には、後述する光書込手段1によって光走査がなされて、Y潜像やC潜像が形成される。
第1プロセスカートリッジ100の直下に配設された第2プロセスカートリッジ200は、ドラム状の第2感光体202の周りに、第2清掃帯電ユニット210、M現像装置230、K現像装置260等を有している。これらは、第2プロセスカートリッジ200のケーシング201内に収容されている。そして、第2感光体202は、ケーシング201に設けられた現像開口からその周面の一部を露出させつつ、中間転写ベルト11のループおもて面にその露出周面を当接させている。なお、M現像装置230、K現像装置260における「M」、「K」は、それぞれマゼンタ、ブラックを示す記号である。
なお、感光体上の転写残トナーをクリーニングするドラムクリーニング手段として、クリーニングブレードを用いる方式のものを設けた例について説明したが、クリーニングローラやクリーニングブラシを用いる方式のものを採用してもよい。また、感光体を一様帯電せしめる方式として、感光体に摺擦せしめる帯電ローラを用いる方式を採用した例について説明したが、コロナ放電方式や帯電ブラシ方式などを採用してもよい。また、転写ローラ方式によってトナー像を転写する転写ユニット10について説明したが、転写チャージャー方式のものを採用していもよい。
M現像装置230、K現像装置260は、それぞれ第2感光体202上のM潜像、K潜像を、Mトナー、KトナーによってMトナー像、Kトナー像に現像するものであり、把手部236,266が第1プロセスカートリッジ100のものよりも少し長くなっている。第2プロセスカートリッジ200は、これらの点の他が第1プロセスカートリッジ100とほぼ同様の構成になっている。なお、第1プロセスカートリッジ100、第2プロセスカートリッジ200は、それぞれ、プリンタ本体の筺体30に対し、着脱可能に構成されている。
第2プロセスカートリッジ200の図中下方には、光書込ユニット1が配設されている。この光書込ユニット1は、外部のパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報に基づいて、図示しないレーザーダイオードやポリゴンミラーを駆動して、画像情報に基づく光走査を第1感光体102や第2感光体202に対して行うものである。具体的には、画像情報に基づいて、図示しない第1ポリゴンミラーを回転駆動しながら、第1レーザーダイオードを駆動する。第1レーザーダイオードから発せられた第1レーザー光L1は、第1ポリゴンミラーによって感光体軸線方向に変更せしめられながら、光書込ユニット1の第1レーザー出射口から出射される。そして、第2プロセスカートリッジ200のケーシング201の底板に設けられた第1レーザー光受入口201aを通って第2プロセスカートリッジ200内に進入する。第2プロセスカートリッジ200内に配設されたM現像装置230、K現像装置260は、図8に示すように、それぞれ把手部236、把手部266に鉛直方向下側から上側に向かって貫通するレーザー通過開口267、267を有している。図1において、第2プロセスカートリッジ200内に進入した第1レーザー光L1は、これらレーザー通過開口237、267を順次通過した後、第2プロセスカートリッジ200のケーシング201の天板に設けられたレーザー出口201bを通って第2プロセスカートリッジ200の外に出る。そして、この直後に、第1プロセスカートリッジ100のケーシング101の底板に設けられた第1レーザー光受入口101aを通って第1プロセスカートリッジ100内に進入した後、第1清掃帯電ユニット110の帯電ローラ113によって一様帯電せしめられた第1感光体102の表面に到達して、これを光走査する。この光走査により、一様帯電後の第1感光体102の表面にY潜像又はC潜像が形成される。
また、光書込ユニット1は、画像情報に基づいて、図示しない第2ポリゴンミラーを回転駆動しながら、第2レーザーダイオードを駆動する。第2レーザーダイオードから発せられた第2レーザー光L2は、第2ポリゴンミラーによって感光体軸線方向に変更せしめられながら、光書込ユニット1の第2レーザー出射口から出射される。そして、第2プロセスカートリッジ200のケーシング201の底板に設けられた第2レーザー光受入口201cを通って第2プロセスカートリッジ200内に進入する。そして、第2清掃帯電ユニット210の帯電ローラ213によって一様帯電せしめられた第2感光体202の表面に到達して、これを光走査する。この光走査により、一様帯電後の第2感光体202の表面にM潜像又はK潜像が形成される。
本プリンタは、以下のようにしてフルカラー画像を形成することができる。
即ち、第1プロセスユニット100においては、Y現像装置130のY現像ローラ131と、C現像装置160のC現像ローラ161とのうち、Y現像ローラ131だけに現像バイアスを印加する。これにより、両現像装置のうち、Y現像装置130だけを現像可能な状態にする。また、第2プロセスユニット200においては、M現像装置230のM現像ローラ231と、K現像装置260のK現像ローラ261とのうち、M現像ローラ231だけに現像バイアスを印加する。これにより、両現像装置のうち、M現像装置230だけを現像可能な状態にする。
このようにY現像装置130とM現像装置230とを現像可能な状態にした状態で、光書込ユニット1から発する第1レーザー光L1によって第1感光体102を光走査して第1感光体102にY潜像を形成する。また、光書込ユニット1から発する第2レーザー光L2によって第2感光体202を光走査して第2感光体202にM潜像を形成する。
第1感光体102の表面に形成したY潜像については、第1プロセスユニット100のY現像装置130によってYトナー像に現像した後、第1の1次転写ニップにて中間転写ベルト11のおもて面に1次転写する。また、第2感光体202の表面に形成したM潜像については、第2プロセスユニット200のM現像装置230によってMトナー像に現像した後、第2の2次転写ニップ内に進入させる。そして、中間転写ベルト11のおもて面に対し、第1の1次転写ニップで1次転写されたYトナー像の上に重ね合わせるようにして、Mトナー像を1次転写する。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト11のおもて面上にはY、Mの2色重ね合わせトナー像が形成される。
中間転写ユニット11は、中間転写ベルト11の図中右側方に2次転写ローラ17を有している。この2次転写ローラ17は、図示しない移動機構によって図中左右方向に移動せしめられるようになっている。中間転写ベルト11上に形成されたY、Mの2色重ね合わせトナー像は、中間転写ベルト11の無端移動に伴って2次転写ローラ17の近傍まで搬送されるが、このとき、2次転写ローラ17は図示の状態よりも右側に移動させめられている。よって、2次転写ローラ17に接触することなく、2次転写ローラ17との対向領域を通過する。
中間転写ユニット11の上方には、中間転写ベルト11に当接可能なベルトクリーニングユニット30が配設されている。このベルトクリーニングユニット30はクリーニングローラ31を有しており、図中点線で示すように、クリーニングローラ31を中間転写ベルト11のおもて面に当接させる位置と、当接させない位置との間で移動せしめられるようになっている。中間転写ベルト11の無端移動に伴って2次転写ローラ17との対向領域を通過したY、Mの2色重ね合わせトナー像は、ベルトクリーニングユニット30の近傍まで搬送されるが、このとき、ベルトクリーニングユニット30はクリーニングローラ31をベルトに当接させない位置に待避せしめられている。よって、図示しない電源からクリーニングバイアスが印加されるクリーニングローラ31によってクリーニングされることなく、クリーニングユニット30との対向領域を通過する。
第1感光体102上のYトナー像を中間転写ベルト11上に1次転写した第1プロセスカートリッジ100では、Y現像ローラ131への現像バイアスの印加が断ち切られる。そして、C現像ローラ161に現像バイアスが印加される。これにより、Y現像装置130とC現像装置160とのうち、C現像装置160だけを現像可能な状態にする。また、第2感光体202上のMトナー像を中間転写ベルト11上に1次転写した第2プロセスカートリッジ200では、M現像ローラ231への現像バイアスの印加が断ち切られる。そして、K現像ローラ261に現像バイアスが印加される。これにより、M現像装置230K現像装置260とのうち、M現像装置260だけを現像可能な状態にする。
光書込ユニット1は、第1感光体102上のYトナー像が中間転写ベルト11上に1次転写された後、適切なタイミングで第1レーザーL1によるC潜像用の光走査を第1感光体102に対して行う。また、第2感光体202上のMトナー像が中間転写ベルト11上に重ね合わせて1次転写された後、適切なタイミングで第2レーザー口L2によるK潜像用の光走査を第2感光体202に対して行う。これらにより、第1感光体102、第2感光体202に、それぞれC潜像、K潜像が形成される。
第1プロセスカートリッジ100の第1感光体102上に形成されたC潜像は、C現像装置160によってCトナー像に現像される。このCトナー像が第1感光体102の回転に伴って上述の第1の1次転写ニップに進入するのに同期して、中間転写ベルト11上のY、Mの2色重ね合わせトナー像が中間転写ベルト11の無端移動に伴って第1の1次転写ニップに進入する。そして、第1の1次転写ニップにおいて、第1感光体102上のCトナー像が、中間転写ベルト11上のY、Mの2色重ね合わせトナー像の上に重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト11上には、Y、M、Cの3色重ね合わせトナー像が形成される。
また、第2プロセスカートリッジ200の第2感光体202上に形成されたK潜像は、K現像装置260によってKトナー像に現像される。このKトナー像が第2感光体202の回転に伴って上述の第2の1次転写ニップに進入するのに同期して、中間転写ベルト11上のY、M、Cの3色重ね合わせトナー像が中間転写ベルト11の無端移動に伴って第2の1次転写ニップに進入する。そして、第2の1次転写ニップにおいて、第2感光体202上のKトナー像が、中間転写ベルト11上のY、M、Cの3色重ね合わせトナー像の上に重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト11上には、Y、M、C、Kの4色重ね合わせトナー像が形成される。
この4色重ね合わせトナー像は、中間転写ベルト11の無端移動に伴って、2次転写ローラ17の近傍に搬送される。この搬送よりも少し早いタイミングで、2次転写ローラ17は、図示しない移動機構によって中間転写ベルト11との当接位置まで移動せしめられる。そして、2次転写バックアップローラ12との間に中間転写ベルト11を挟み込みながら中間転写ベルト11のおもて面に当接して2次転写ニップを形成する。また、ゴム等の弾性層が被覆されている金属製の芯金に、図示しない電源によって2次転写バイアスが印加されることにより、2次転写バックアップローラ12との間に2次転写電界を形成する。第2の1次転写ニップで一番上側にKトナー像が重ね合わせ1次転写された4色重ね合わせトナー像は、中間転写ベルト11の無端移動に伴って2次転写ニップに進入する。
本プリンタの筺体30内における下部には、図示しない給紙カセットが配設されている。この給紙カセットは、記録部材たる転写紙Pを複数枚重ねた転写紙束の状態で収容している。そして、画像形成動作が開始されると、所定のタイミングで転写紙束の一番上の転写紙Pを紙搬送路3に向けて送り出す。送り出された転写紙Pは、上述の2次転写ニップの下方に配設されたレジストローラ対3のローラ間に挟み込まれる。レジストローラ対3は、紙搬送路3内に送り込まれた転写紙Pの先端部をローラ間に挟み込むべく、両ローラを回転駆動させているが、転写紙Pの先端部を挟み込むとすぐに両ローラの回転駆動を停止させる。そして、転写紙Pを、2次転写ニップ内で中間転写ベルト11上の4色重ね合わせトナー像に重ね合わせ得るタイミングで、両ローラの回転駆動を再開して転写紙P2次転写ニップに向けて送り込む。
中間転写ベルト11の無端移動に伴って2次転写ニップに進入した4色重ね合わせトナー像は、転写紙Pに密着せしめられながら、ニップ圧や2次転写電界の影響を受けて転写紙Pに一括2次転写される。そして、転写紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。
2次転写ニップの図中上方には、ハロゲンランプ等の発熱源を有する定着ローラ4aと、加圧ローラ4bとを有する定着ユニット4が配設されている。この定着ユニット4は、定着ローラ4aと、これに所定の圧力で当接する加圧ローラ4bとを、当接部で互いの表面をそれぞれ同方向に移動させるように回転駆動させて定着ニップを形成している。
2次転写ニップを通過した転写紙Pは、紙搬送路3内を搬送されて定着ユニット4内の定着ニップに進入する。そして、ここで加圧されたり加熱されたりすることで、表面のフルカラー画像が定着せしめられる。このようにしてフルカラー画像が定着せしめられた転写紙Pは、定着ユニット4から排出されて排出路内を搬送される。そして、排紙ローラ対5のローラ間を経由した後、プリンタの筺体30の上面に形成されたスタック部31に向けて機外へと排出されて、スタック部31にスタックされる。
2次転写ニップを通過した中間転写ベルト11のおもて面には、転写紙Pに2次転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーが中間転写ベルト11の無端移動に伴ってベルトクリーニングユニット30との対向領域まで移動するのに先立って、ベルトクリーニングユニット30が中間転写ベルト11との当接位置まで移動せしめられる。この移動により、ベルトクリーニングユニット30のクリーニングローラ31が中間転写ベルト11をクリーニングバックアップローラ13との間に挟み込みながら、中間転写ベルト11のおもて面に当接してクリーニングニップを形成する。中間転写ベルト11上の転写残トナーは、このクリーニングニップにて、ベルト上からクリーニングローラ31上に転位せしめられた後、クリーニングローラ31上から掻き取られてベルトクリーニングユニット30内に回収される。
本プリンタは、フルカラー画像だけでなく、単色画像を形成することもできる。一般に、単色画像として最も形成頻度の高いものは黒色画像である。フルカラー画像が形成される場合よりも、むしろ、黒色画像が形成される場合の方が多い。そこで、図示のように、2つのプロセスカートリッジのうち、より2次転写ニップの近くに配設される第2プロセスカートリッジ200に、K現像装置260を設けることが望ましい。このようにすることで、モノクロプリントジョブの場合には、1次転写ニップから2次転写ニップに至るまでのKトナー像の移動距離をより短くして、ファーストプリント時間の短縮化を図ることができる。
図1においては、本プリンタを左側板の側から見た状態を示しており、筐体30における図中左端で立設している壁の外面が本プリンタの背面となり、図中右端で立設している図示しない壁の外面が本プリンタの正面となっている。
筐体30の背面における上部は、開閉扉32によって構成されており、この開閉扉32は、回動軸33を中心にして回動可能になっている。
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
図2は、開閉扉32を開いた状態の本プリンタを示す要部構成図である。開閉扉32が回動軸33を中心にして図中反時計回りに回転せしめられると、筐体30に対して開閉扉32が開かれた状態になり、筐体30の背面側に設けられた筐体開口部34がプリンタ後方に向けて大きく口を開く。
筺体30内においては、筺体の図示しない2つの側板(右側板、左側板)により、第1プロセスカートリッジ100、第2プロセスカートリッジ200がそれぞれ図中左右方向にスライド移動可能に保持されている。また、第1プロセスカートリッジ100内においては、Y現像装置130、C現像装置160が、それぞれケーシング101によって図中左右方向にスライド移動可能に保持されている。また、第2プロセスカートリッジ200内においては、M現像装置230、K現像装置260が、それぞれケーシング201によって図中左右方向にスライド移動可能に保持されている。
第1プロセスカートリッジ100や第2プロセスカートリッジ200は、それぞれ、その正面を転写ユニット10に向けつつ、その背面側を筺体開口部34側に向ける姿勢で筺体30内にセットされる。そして、それぞれのケーシング101,201には、その背面側に背面板が設けられておらず、背面側がケーシング内部を大きく露出させるケーシング開口部101d,201dとなっている。
第1プロセスカートリッジ100においては、Y現像装置130、C現像装置160を図中左右方向にスライド移動させることで、このケーシング開口部101dを通して、これら現像装置をケーシング内に着脱することができる。また、第2プロセスカートリッジ200においては、M現像装置230、K現像装置260を図中左右方向にスライド移動させることで、上述のケーシング開口201aを通して、これら現像装置をケーシング内に着脱することができる。
本プリンタにおいては、筺体30内にて、第1プロセスカートリッジ100のケーシング開口部101d、第2プロセスカートリッジ200のケーシング開口部201dを、筺体30の筺体開口部34に対面させるレイアウトになっている。
以上の構成では、第1プロセスカートリッジ100において、Y現像装置130内のYトナーが無くなった場合や、C現像装置160内のCトナーが無くなったとする。このような場合であって、第1感光体102や第1感光体周辺機器(現像装置を除く)がまだ十分に使える場合には、第1プロセスカートリッジ100全体を交換するのではなく、第1プロセスカートリッジ100内にある2つの現像装置のうち、トナーが無くなった方だけを交換することが可能である。このため、まだ十分に使用できる第1感光体102や現像装置以外の第1感光体周辺機器を現像装置とともに交換したり、トナーが無くなった方の現像装置を無くなっていない方の現像装置とともに交換したりすることによるコストアップを回避することができる。また、トナーが無くなったことに伴ってその現像装置を交換することで、現像装置のメンテナンス性を向上させることができる。
また、第2プロセスカートリッジ200も同様にして、まだ十分に使用できる第2感光体202や現像装置以外の第2感光体周辺機器を現像装置とともに交換したり、トナーが無くなった方の現像装置を無くなっていない方の現像装置とともに交換したりすることによるコストアップを回避することができる。
また、開閉扉32扉の開動作により、筺体30の筺体開口部34を開けることで、筺体30内にセットされている第1プロセスカートリッジ100や第2プロセスカートリッジ200を外部に露出させる。このとき、筺体30内で、第1プロセスカートリッジ100のケーシング開口部101dや、第2プロセスカートリッジ201のケーシング開口部201dを筺体開口部34に対面させている。このため、操作者は筺体30の外部から筺体開口部34を通してそれらのケーシング開口部(101d、201d)を臨むことになる。そして、筺体開口部34と、第1プロセスカートリッジ100のケーシング開口部101dとを通して、Y現像装置130やC現像装置160を第1プロセスカートリッジ100のケーシング101内に着脱することが可能である。また、筺体開口部34と、第2プロセスカートリッジ200のケーシング開口部201dとを通して、M現像装置230やK現像装置260を第2プロセスカートリッジ200のケーシング201内に着脱することも可能である。つまり、本プリンタにおいては、プロセスカートリッジを筺体内に装着したままの状態で、そのプロセスカートリッジに対して現像装置の交換作業を行うことが可能である。このような交換作業においては、筺体からプロセスカートリッジを取り外すという操作を省略して、現像装置の交換作業性を向上させることができる。
図3は、筺体内における第1プロセスカートリッジ100及び第2プロセスカートリッジ200を、斜め上方から見た斜視図である。本プリンタの図示しない筺体内には、内部右側板40と内部左側板41とが互いに所定の距離をおいて立設せしめられている。内部右側板40における内部左側板41との対向面には、右側ホルダー部材42が固定されている。また、内部左側板41における内部右側板40との対向面には、左側ホルダー部材43が固定されている。第1プロセスカートリッジ100や第2プロセスカートリッジ200は、これら右側ホルダー部材42と左側ホルダー部材43との間に架け渡しされるように、両ホルダー部材に保持されている。
図4は、筺体内に装着される直前の第1プロセスカートリッジ100及び第2プロセスカートリッジ200を示す斜視図である。なお、同図では、便宜上、Y現像装置及びC現像装置を取り外した状態の第1プロセスカートリッジ100を示している。また、M現像装置及びK現像装置を取り外した状態の第2プロセスカートリッジ200を示している。
第1プロセスカートリッジ100のケーシング101は、背面壁を有しておらず、背面壁であるべき箇所が大きなケーシング開口部101dとなっている。このため、第1プロセスカートリッジ100を図示のように後方から眺めると、ケーシング開口部101dを通して、ケーシング101の内部を見ることができる。同図では、Y現像装置及びC現像装置を取り外した状態の第1プロセスカートリッジ100を示しているので、ケーシング開口部101dを通して、内部の第1感光体102や第1清掃帯電ユニットを容易に視認することができる。第2プロセスカートリッジ200も同様で、後方から眺めると、そのケーシング開口部201dを通して、ケーシング201の内部を見ることができる。
第1プロセスカートリッジ100におけるケーシング101の右側壁(同図では2つの側壁のうち左側に示されている方)の外面からは、円柱状の感光体軸受け140が突出している。この感光体軸受け140は、第1感光体102の図示しない軸部材を回転可能に受け止めるためのものである。ケーシング101の右側壁の外面においては、この感光体軸受け140の近傍に、ケーシング前方から下方に向けて水平且つ直線状に延びる凸レール状突起141が突設せしめられている。この凸レール状突起141は、その幅が感光体軸受け140の外径と同じ寸法になっており、且つ幅中心線を感光体軸受け140の中心線上に位置させている。第1プロセスカートリッジ100におけるケーシング101の左側壁の外面においても、右側壁と同様の感光体軸受けと、凸レール状突起143とが突設せしめられている。また、第2プロセスカートリッジ200におけるケーシング201の右側壁や左側壁の外面においても、同様の感光体軸受け(240)や凸レール状突起(241、243)が突設せしめられている。
一方、右側ホルダー部材42には、プリンタ後方から前方に向けてほぼ水平方向に直線状に延びる上側ガイド溝42aと下側ガイド溝42bとが互いに鉛直方向に所定の距離をおいて並ぶように設けられている。左側ホルダー部材43においても、同図では両プロセスカートリッジに隠れているために示されていないが、同様の上側ガイド溝と下側ガイド溝とが設けられている。そして、右側ホルダー部材42は、その上側ガイド溝42aに対して第1プロセスカートリッジ100の感光体軸受け140や凸レール状突起141が係合せしめられることで、第1プロセスカートリッジ100の右端部をほぼ水平方向にスライド移動可能に保持する。また、左側ホルダー部材43は、その上側ガイド溝に対して第1プロセスカートリッジの図示しない感光体軸受けや凸レール状突起143が係合せしめられることで、第1プロセスカートリッジの左端部をほぼ水平方向にスライド移動可能に保持する。これにより、第1プロセスカートリッジ100全体が、右側ホルダー部材42と左側ホルダー部材43とによってスライド移動可能に保持される。また、同様にして、第2プロセスカートリッジ200も、その全体が右側ホルダー部材42と左側ホルダー部材43とによってスライド移動可能に保持される。
第1プロセスカートリッジ100については、次のようにして本プリンタの筺体内にセットする。即ち、まず、第1プロセスカートリッジ100の前部において、その両側面からそれぞれ突出している感光体軸受けや凸レール状突起を、それぞれ対応するカートリッジホルダー部材の上側ガイド溝に係合せしめる。そして、第1プロセスカートリッジ100をレールに沿って筺体内に向けて押し込む。これにより、第1プロセスカートリッジ100を、図2に示した筺体開口部34と転写ユニット10との間において、筺体開口部34側から転写ユニット10側に向けてスライド移動させる。
図4に示したように、右側ホルダー部材42における上側ガイド溝42aや下側ガイド溝42bは、それぞれ、ホルダー部材の一端から反対側の端に至る全域に形成されているのではない。溝の入口側は、右側ホルダー部材42における筺体開口部側の端まで延びているが、反対側は端まで延びておらず、ホルダー部材の非端部箇所で終わる行き止まりの構成になっている。また、図には示されていないが、左側ホルダー部材43に形成された上側ガイド溝や下側ガイド溝も、同様にして、入口側とは反対側がホルダー部材の非端部箇所で終わる行き止まりの構成になっている。
第1プロセスカートリッジ100を上述のようにして筺体の奧に向けてスライド移動させていくと、やがて、感光体軸受けが上側ガイド溝の行き止まりの端部に突き当たる。これにより、第1プロセスカートリッジ100が第1感光体を基準にして、図5に示すように筺体内で位置決めされる。第2プロセスカートリッジ200も同様にして、感光体軸受けがホルダー部材の下側ガイド溝の行き止まりの端部に突き当たることで、第2感光体を基準にして筺体内で位置決めされる。
このように、本プリンタにおいては、右側ホルダー部材42や左側ホルダー部材43を、第1プロセスカートリッジ100や第2プロセスカートリッジ200を筺体開口部34と転写ユニット10との間でスライド移動可能に保持するプロセスカートリッジ保持手段として機能させている。また、両ホルダー部材にそれぞれ設けた上側ガイド溝や下側ガイド溝の行き止まりの端部を、転写ユニット10に向けてスライド移動してくる第1プロセスカートリッジ100や第2プロセスカートリッジ200に突き当たってそれを位置決めするプロセス位置決め手段として機能させている。
図4に示したように、第1プロセスカートリッジ100におけるケーシング101の左側壁(図中左右にある2つの側壁のうち、右側に示されている方)の内面には、2つの凹レール部材が立設せしめられている。これらのうち、一方は他方よりも鉛直方向上方に配設された左上側凹レール部材103である。また、他方は左上側凹レール部材103よりも鉛直方向下方に配設された左下側凹レール部材105である。これら凹レール部材は、何れもカートリッジ後方から前方に向けて直線状に延びている。第2プロセスカートリッジ200におけるケーシング201の左側壁の内面にも、同様の左上側凹レール部材203と左下側レール部材205とが形成されている。
また、図5に示したように、第1プロセスカートリッジ100におけるケーシング101の右側壁の内面には、左側壁と同様の右上側凹レール部材104と右下側凹レール部材106とが立設せしめられている。更に、第2プロセスカートリッジ200におけるケーシング201の右側壁の内面にも、左側壁と同様の右上側凹レール部材204と右下側凹レール部材206とが立設せしめられている。
一方、図6に示すように、第1プロセスカートリッジ100内に収容されるY現像装置130の左側壁(図中左右にある2つの側壁のうち、右側に示されている方)の外面からは、円柱状のY現像ローラ軸受け138aが突出している。このY現像ローラ軸受け138aは、図示しないY現像ローラの軸を回転可能に受け止めるものである。Y現像装置130の左側壁の外面においては、このY現像ローラ軸受け138aの近傍に、現像装置前方から後方に向けて水平且つ直線状に延びる突起139aが突設せしめられている。この突起139aは、その幅がY現像ローラ軸受け138aの外径と同じ寸法になっており、且つ幅中心線をY現像ローラ軸受け138aの中心線上に位置させている。Y現像装置130における右側壁においても、図7に示すように、左側壁と同様のY現像ローラ軸受け138bと突起139bとが突設せしめられている。また、他の現像装置(160、230、260)においても、左側壁や右側壁に同様の現像ローラ軸受けと突起とが突設せしめられている(図6や図7における168a、169a、238a、239a、268a、269a、168b、169b、238b、239b、268b、269b)。
Y現像装置130については、次のようにして第1プロセスカートリッジ100内にセットする。即ち、まず、Y現像装置130の前部において、その両側面からそれぞれ突出しているY現像ローラ軸受けや突起を、図6に示したように、それぞれ第1プロセスカートリッジ100のケーシング101内における右又は左の上側凹レール部材(103、104)に係合せしめる。そして、Y現像装置130をレールに沿ってケーシング101内に押し込む。これにより、Y現像装置130を、ケーシング開口部101a側から第1感光体101側に向けてスライド移動させる。このスライド移動の方向は、第1プロセスカートリッジ100のスライド移動方向と同じである。
第1プロセスカートリッジ100における右上側凹レール部材104や左上側凹レール部材103は、それぞれケーシング101の開口側の端から反対側の端に至る全域に形成されているのではない。それぞれ凹レール部材の入口側(ケーシング開口側)はケーシング101の端まで延びているが、反対側は端まで延びておらす、ケーシング101の非端部箇所で終わる行き止まりの構成になっている。また、他の凹レール部材(105、106、203、204、205、206)も同様にして、ケーシング101の非端部箇所で終わる行き止まりの構成になっている。
Y現像装置130を上述のようにして第1プロセスカートリッジ100のケーシング101内の奧に向けてスライド移動させていくと、やがて、Y現像ローラ軸受け(138a、138b)が凹レール部材(103、104)の行き止まりの端部に突き当たる。これにより、Y現像装置130がY現像ローラ131を基準にして、第1プロセスカートリッジ100のケーシング101内で位置決めされる。他の現像装置(160、230、260)も同様にして、現像ローラ軸受けが凹レール部材の行き止まりの端部に突き当たることで位置決めされる。
このように、本プリンタにおいては、プロセスカートリッジの内壁に設けた凹レール部材を、現像装置をケーシング開口部と感光体との間でプロセスカートリッジのスライド移動方向と同じ方向にスライド移動可能に保持する現像装置保持手段として機能させている。また、凹レール部材の行き止まりの端部を、感光体に向けてスライド移動してくる現像装置に突き当たって現像装置を位置決めする現像位置決め手段として機能させている。
先に示した図2において、開閉扉32の裏面(筐体内部を向く面)には、第1付勢ユニット35と、第2付勢ユニット45とが固定されている。第1付勢ユニット35は、ユニットケース36と、このユニットケース36に設けられた開口と、この開口を塞ぐように設けられたキャップ部材37と、互いに所定の間隔をおいて配設された第1コイルバネ38、第2コイルバネ39とを有している。第1コイルバネ38、第2コイルバネ39は、それぞれユニットケース36内において一端側が開閉扉32の裏面に固定されるとともに、もう一端側がキャップ部材37の内面に固定されている。キャップ部材37は、ユニットケース36の開口を塞ぎつつ、開口を通してユニット内とユニット外とを跨ぐ位置において、ユニットケース36により、これらコイルバネの伸縮方向に移動可能に保持されている。そして、これらコイルバネによってユニット内からユニット外に向けて付勢されているが、開閉扉32が開かれた状態では、図示のように、その後端部に設けられた爪を、ユニットケース36の開口周囲に引っ掛ける位置で移動が係止される。このように係止されるキャップ部材37の位置が、ユニットケース36の開口からキャップ部材37が最大に突出する位置となっている。
第2付勢ユニット45は、開閉扉32の裏面において、第1付勢ユニット35よりも回動軸33に近い位置に固定されている。ユニットケース46と、これに設けられた開口と、この開口を塞ぐキャップ部材47と、互いに所定の間隔をおいて配設された第1コイルバネ48、第2コイルバネ49等を有している。そして、第1ユニット35と同様に、2つのコイルバネによってキャップ部材47を付勢している。開閉扉32が開かれた状態では、図示のように、キャップ部材47の後端部の爪を、ユニットケース46の開口周囲に引っ掛ける位置でキャップ部材47の移動が係止される。このように係止されるキャップ部材47の位置が、ユニットケース46の開口からキャップ部材47が最大に突出する位置となっている。
図2においては、上述したように、開閉扉32を開いた状態の本プリンタを示している。この開閉扉32を閉じていくと、やがて、開閉扉32の内面に固定された被固定体たる第2付勢ユニット45におけるキャップ部材47が、筺体30内に装着された第2プロセスカートリッジ200内のM現像装置230やK現像装置260の把手部に突き当たる。この状態で開閉扉32を更に閉じていくと、M現像装置230やK現像装置260が第2感光体202に向けて押し込まれて、上述した凹レール部材の行き止まりの端部との突き当たり位置までスライド移動する。これにより、開閉扉32を閉じるのに伴ってM現像装置230やK現像装置260を第2プロセスカートリッジ200内で位置決めすることができる。
開閉扉32を更に閉じていくと、第2付勢ユニット45により、第2プロセスカートリッジ200がM現像装置230やK現像装置260を介して押される。これにより、転写ユニット10に向けてホルダー部材(42、43)の下側ガイド溝(42b、43b)の行き止まりの端部との突き当たり位置までスライド移動する。これにより、開閉扉32を閉じるのに伴って第2プロセスカートリッジ200を筺体30内で位置決めすることができる。
なお、Y現像装置130やC現像装置160も、同様にして、開閉扉32を閉じるのに伴って第1プロセスカートリッジ100内で位置決めすることができる。更には、第1プロセスカートリッジ100も、同様にして、開閉扉32を閉じるのに伴って、筺体30内で位置決めすることができる。
これまで、潜像担持体たる感光体と現像ローラとを非接触に配設し、両者間でトナーを飛翔させて現像を行う非接触現像方式を採用したプリンタについて説明したが、両者を接触させる接触現像方式を採用した画像形成装置についても本発明の適用が可能である。また、トナーと磁性キャリアとを含有する二成分現像剤を現像ローラ上に担持させて磁気ブラシを形成し、これを感光体に接触させて現像を行う磁気ブラシ方式の画像形成装置についても本発明の適用が可能である。但し、接触現像方式や磁気ブラシ方式を採用する場合、プロセスカートリッジ内にある複数の現像装置のうち、現像に寄与させるものだけを選択的に機能させるべく、必要に応じて現像ローラや磁気ブラシを感光体に対して接離させる必要がある。この接離については、例えば次のようにして実現することができる。即ち、プロセスカートリッジの筺体内にソレノイド等を設ける。そして、カートリッジ内の全ての現像装置を開閉扉32に設けた付勢ユニットによって感光体に向けて付勢しつつ、現像に寄与させない現像装置をソレノイドによって付勢ユニットに向けて押し返してその現像ローラや磁気ブラシを感光体から離間させるのである。
以上、実施形態に係るプリンタにおいては、第1プロセスカートリッジ100や第2プロセスカートリッジ200を筺体開口部34と転写手段たる転写ユニット10との間でスライド移動可能に保持するプロセスカートリッジ保持手段たる右側ホルダー部材42及び左側ホルダー部材43と、転写ユニットに向けてスライド移動してくるこれらプロセスカートリッジに突き当たってプロセスカートリッジを位置決めするプロセス位置決め手段(ガイド溝の行き止まりの端部)とを筺体30内に設けている。更に、現像装置をケーシング開口部と潜像担持体たる感光体との間で第1プロセスカートリッジ100や第2プロセスカートリッジのスライド移動方向と同じ方向にスライド移動可能に保持する現像装置保持手段たる凹レール部材と、感光体に向けてスライド移動してくる現像装置に突き当たってその現像装置を位置決めする現像位置決め手段(凹レール部材の行き止まりの端部)とを第1プロセスカートリッジ100や第2プロセスカートリッジ200に設けている。かかる構成では、上述したように、プロセスカートリッジ内で現像装置をケーシング開口側から感光体側に向けてスライド移動させて現像位置決め手段に突き当たらせることで、プロセスカートリッジに対して着脱可能な現像装置をカートリッジ内で位置決めすることができる。また、筺体30内でプロセスカートリッジを筺体開口34側から転写ユニット10側に向けてスライド移動させてプロセス位置決め手段に突き当たらせることで、筺体34内に対して着脱可能なプロセスカートリッジを筺体34内で位置決めすることができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、扉たる開閉扉32の閉動作に伴って、開閉扉32の内面に固定された被固定体たる付勢ユニット(35、34)を筺体30内に装着されたプロセスカートリッジ(100、200)内の現像装置(130、160、230、260)に突き当てながら、現像装置を感光体(102、202)に向けて押し込んで上記現像位置決め手段との突き当たり位置までスライド移動させるようにしている。更に、現像装置を収容するプロセスカートリッジを転写ユニット10に向けて押し込んで上記プロセス位置決め手段との突き当たり位置までスライド移動させるようにしている。かかる構成では、上述したように、開閉扉32を閉じるのに伴って、現像装置をプロセスカートリッジ内で位置決めするとともに、プロセスカートリッジを筺体内で位置決めすることができる。
また、実施形態に係るプリンタにおいては、被固定体たる付勢ユニットを次のような構成にしている。即ち、伸縮可能な伸縮体たるコイルバネ(38、39、48、49)を開閉扉32の内面に固定し、これを中間部材たるキャップ部材(37、47)を介して現像装置に突き当てるようにしている。かかる構成では、筺体内の各部材の寸法誤差や組み付け誤差をコイルバネの伸縮によって吸収させることで、これら誤差によって開閉扉32が閉まらなくなったり、現像装置やプロセスユニットを開閉扉32によって位置決め位置まで押し込むことができなかったりといった事態を回避しつつ、開閉扉32を閉じた状態で現像装置やプロセスユニットを確実に感光体や転写ユニットに向けて付勢して位置決め位置に拘束することができる。