JP4653267B2 - 二液型アクリル系接着剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は常温では比較的高い粘度を有しながらも、加温することにより急激に低粘度化する性質を有し、とりわけスプレー塗布やロールコーティングに適した加温塗布型接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
(メタ)アクリル系モノマー、重合開始剤の分解を促進する還元剤からなり、これら成分のうち重合開始剤と還元剤が分かたれるよう二液の形態をとる二液型アクリル系接着剤はラフな計量であっても良好な接着性能が発揮できること、取り扱いが簡単なこと、室温下においても短時間で強力に硬化するなどの性能を生かし、電気、機械、建築、車両などの工業分野で幅広く利用されており、組立構造物の信頼性の向上、省力化、組立ラインのスピードアップ等に貢献している。しかしながら用途によっては更なる性能の改良が求められている。例として、広面積で平面形状の被着物に接着剤を塗布する場合、ロールコーターを用いる方法が良く用いられる。この場合において被着物が多孔質であると、アクリル系接着剤が塗布の段階で被着物の内部に吸収され、接着に必要な接着剤の量が不足する問題がある。この対策として接着剤を高粘度にすると被着物内部への吸収は抑えられるが、被着物表面への塗布が均一に行いにくくなるという欠点が生じる。
【0003】
また、被着物が湾曲していたり、壁面のように垂直状のものに塗布する場合には前記したようなロールコーターによる塗布は行えず、スプレーによる塗布が有利である。スプレーによる塗布に適した二液型アクリル系接着剤が特開平10−102022号公報に開示されている。その内容は特定の弾性ポリマーを用いた二液型アクリル系接着剤であって、静止粘度が1000ポアズ以下、かつチクソトロピー係数が1.7以上に調整されていることにより、スプレー塗布が可能となることを示すものである。特にチクソトロピー係数が1.7以上の場合に、スプレー時に均一霧化ができ、塗布面での自重による垂れ・流れを防止できることが述べられている。
しかしながら、同発明には、後に詳述するような本発明の思想、すなわち、
塗布前に接着剤を加温することによって接着剤の粘度を大きく低下させて塗布作業を容易ならしめ、
塗布後は被着物に奪われる熱によって接着剤を急激に増粘させて接着剤の垂れや、接着剤が多孔質の被着物へ吸収されるのを防止せしめる。
という思想は、開示されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、塗布に際して、とりわけロールコーティングや、スプレー塗布を行うに際して、少なくともその一液を加温することによって、優れた塗布作業性を発現するとともに、被着物に塗布された接着剤が垂れたり、流れたりしにくく、また、被着物が多孔質のものである場合においても、被着物に吸収されにくい加温塗布型接着剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、室温と加温下における粘度変化の大きな接着剤組成物によって前記課題を解決できることを見いだし、本発明に到達した。すなわち本発明によれば、
少なくともアルキル基の炭素数が8以上のアルキル(メタ)アクリレートを含む(メタ)アクリル系モノマー、有機過酸化物、モノマーに膨潤する共重合体、還元剤を必須成分とする二液型アクリル系接着剤であって、その少なくとも一液が下記の粘度条件を満たすものであることを特徴とする加温スプレー塗布型接着剤。
23/V50≧5.0
100≦V 23 (ポアズ)≦10000
10≦V 50 (ポアズ)≦100
(但し、V23、V50はそれぞれ、23℃、50℃の温度での組成物の粘度(ポアズ)を、B型粘度計を用いて、ローター回転速度2RPMで測定したときの粘度値を表す。)
【0006】
また、モノマーに膨潤する共重合体がアルキルアクリレート−メチルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の加温スプレー塗布型接着剤が提供される。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【発明の実施の形態】
前記したように、本発明は、塗布に際して、とりわけスプレー塗布や、ロールコーティングを行うに際して、優れた塗布作業性を有するとともに、被着物に塗布された接着剤が垂れたり、流れたりしにくく、また、被着物が多孔質のものである場合においても、被着物に吸収されにくい加温塗布型接着剤を提供することを目的とする。そして本発明においてこの目的は、室温と加温下における粘度変化を従来のアクリル系接着剤よりもはるかに大きく設定することによって達成される。
【0012】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の加温塗布型接着剤は、(メタ)アクリル系モノマー、有機過酸化物、モノマーに膨潤する共重合体、還元剤を必須成分とする二液型アクリル系接着剤であって、その少なくとも一液が、常温における粘度と、高温における粘度の比が5.0以上に調整されていることを第一の特徴とする。この特性が備わることにより、良好な加温塗布特性が付与され、とりわけ、スプレー塗布、ロールコーティングに適したものとなる。なお、本発明において、重要なパラメーターである粘度の測定は、各温度での組成物の粘度(ポアズ)を、B型粘度計を用いて、ローター回転速度2RPMで行うものとする。
【0013】
さらに、本発明においては、(メタ)アクリル系モノマー、有機過酸化物、モノマーに膨潤する共重合体、還元剤を必須成分とする二液型アクリル系接着剤であって、その少なくとも一液が、常温における粘度と、高温における粘度の比が5.0以上に調整されており、しかも23℃での粘度が100〜10000ポアズ、50℃での粘度が10〜100ポアズである加温塗布型接着剤も提供される。この粘度特性が加わることにより、加温塗布特性が更に向上することに加えて、常温における垂れがさらに効果的に防止できる。
【0014】
なお本発明は、二液型アクリル系接着剤をその基本構成とするもので、このうち二液主剤型、プライマー型いずれであってもかまわない。
二液主剤型である場合は、両液が概ね等粘度で、両液を加温して用いるタイプであってもよいし、一液のみを加温して用いるタイプであってもよい。
一方、プライマー型の場合にあっては、主剤である有機過酸化物を含有するA液のみを加温して用いるのが一般的なタイプであるが、特殊なタイプとして、主剤であるA液とプライマー剤である還元剤を含有するB液の両液を加温して用いるものであってもよいし、プライマー剤であるB液のみを加温して用いるものであってもよい。
【0015】
本発明において主剤に配合される(メタ)アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、及びベヘニル(メタ)アクリレート等の単官能の(メタ)アクリル系モノマーや、エチレングリコールジ(メタ))アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等のような多官能(メタ)アクリル系モノマーが例示できる。
これらの(メタ)アクリル系モノマーが単独で、あるいは複数種組み合わされて用いられる。そして(メタ)アクリル系モノマーの配合量は通常、主剤100重量部中、50〜80重量部となるように設定される。
【0016】
なお、前記した(メタ)アクリル系モノマーの中でも、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、及びベヘニル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が8以上のアルキル(メタ)アクリレート、さらには、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等、アルキル基の炭素数が12〜16のアルキル(メタ)アクリレートを必須成分として併用することが望ましい。これらのアルキル(メタ)アクリレートを必須成分として含む接着剤組成物は、常温と高温とでの粘度比が大きいという特徴を有している。また、アルキル基の炭素数が12〜16のアルキル(メタ)アクリレートは、少量の配合比でこの効果が得られるとともに、他の、(メタ)アクリル系モノマーとの相溶性に優れているという点で最適である。これらのアルキル(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル系モノマー全体に対して10〜50重量部含有させるのが好ましい。
【0017】
一方、本発明においては上記した(メタ)アクリル系モノマーに膨潤する共重合体が用いられる。ここでいう膨潤とは、完全には溶解しないものであれば、一部溶解の意味も含むものである。(メタ)アクリル系モノマーに膨潤する共重合体は、本発明の加熱塗布型接着剤の粘度を、本発明の意図する範囲に保つため、接着強度を高めるため、さらには、塗布後の接着剤の垂れ・流れを防止する目的でチクソトロピー性を付与するために用いられるものである。このような、(メタ)アクリル系モノマーに膨潤する共重合体としては、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−アクリロニトリル−スチレン共重合体(MBAS樹脂)、アルキルアクリレート−アクリロニトリル−スチレン共重合体(AAS樹脂)、アルキルアクリレート−メチルメタクリレート−スチレン共重合体、アルキルアクリレート−メチルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体、アルキルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体等が例示できる。これらは単独あるいは複数種組み合わせて用いることができる。また、これら共重合体の配合量は通常、接着剤組成物100重量部に対して10〜40重量部が好ましい。10重量部未満では接着強度が不十分となる傾向がある。一方、40重量部を超えると粘度が高くなり過ぎ、調製が困難となる場合がある。
【0018】
なお、前記した(メタ)アクリル系モノマーに膨潤する共重合体の中でも、アルキルアクリレート−メチルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体が接着剤の常温と高温とでの粘度比を大きくできるという効果が特に優れており最適である。
【0019】
一方、本発明において用いられる有機過酸化物としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパ−オキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、等のハイドロパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシデカノエート等のパーオキシエステル類等が単独、あるいは2種以上組み合わせて用いることができるが、ハイドロパーオキサイド類が接着性、硬化性の上から好ましい。有機過酸化物の配合量は(メタ)アクリル系モノマー100重量部に対し、1〜10重量部が好ましく、更には2〜5重量部がより好ましい。有機過酸化物の配合量が1重量部未満であると、硬化速度が低下し好ましくなく、逆に10重量部を超えると組成物の保存安定性が悪化し好ましくない。
【0020】
また、本発明において用いられる還元剤としては公知のものを用いることができる。例えるならば、特開平3−134082号公報に示されたような、銅の塩とアルデヒド−アミン縮合物と特定の酸性リン化合物の組み合わせ;特開昭56−16561号公報に示されたような、芳香族アミン、及び/又は、ピリジン誘導体と有機酸のコバルト塩との組み合わせ、特公昭55-17041号公報に示されたような、チオ尿素又はその誘導体とβジケトンキレート又はβケトエステルキレートとの組み合わせ、特開昭57-31971号公報に示されたような、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジンとコバルトの有機酸塩との組み合わせ、あるいは特公平8−2544787号公報示されたような有機金属化合物とβ−ジケトン、γ−ジケトン、ヒドロキシアルデヒド、ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸エステル、ヒドロキシケトン、ケトカルボン酸、ビタミン類から選ばれる還元性を有する有機化合物との組み合わせが挙げられる。
また、本発明者らが特開平5−125331、特開平9−53051、特開平9−132760及び特開平9−132761で開示した酸性リン化合物とバナジウム化合物を用いた還元剤が、塗布後、空気と接触した部分の接着剤の硬化性が改善されるので特に好ましい。この場合、酸性リン化合物としてはモノメチルホスフェート、ジメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、ジエチルホスフェート、フェニルホスフェート、ジフェニルホスフェート、モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジ(メタ)アクリロイルホスフェート等の酸性リン酸エステル類;フェニルホスホン酸、ジフェニルホスホン酸等のホスホン酸類;フェニル亜ホスホン酸、ジフェニル亜ホスホン酸等の亜ホスホン酸類;エチルピロホスフェート、ブチルピロホスフェート等の酸性ピロリン酸エステル類等が用いられる。一方、バナジウム化合物としてはバナジルアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネート、ステアリン酸バナジル等が用いられる。なお両者の配合量について述べると、酸性リン化合物は有機過酸化物を含有するA液100重量部に対して0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部、還元剤を含有するB液100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部用いられる。一方、バナジウム化合物はB液100重量部に対して0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部用いられる。
【0021】
その他本発明においては微粉末ポリエチレン、ジベンジリデン−D−ソルビトール、セルローストリアセテート、ステアリン酸アミド、ベントナイト、微粉末ケイ酸等の揺変性向上剤、ハイドロキノン、ベンゾキノン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム、シュウ酸、N−メチル−N−ニトロソアニリン、N−ニトロソジフェニルアミンなどの安定剤、さらには着色のための染料や顔料を配合することができる。
また、硬化の促進を目的として、A液中に乳酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、クエン酸等のα−ヒドロキシカルボン酸、乳酸メチル、乳酸エチル、グリコール酸エチル等のα−ヒドロキシカルボン酸エステル、ヒドロキシアセトン、ジヒドロキシアセトン、アセトイン、ベンゾイン等のα−ケトール類等を配合することができ、さらに、同じく硬化の促進を目的としてA液、B液の一方、あるいは両方にプロピオン酸、酪酸、クロトン酸等の有機カルボン酸類、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類を配合することができる。
【0022】
【実施例】
以下本発明を実施例、比較例によって更に詳細に説明する。なお、これらの例において部は全て重量部を表すものとする。また、粘度、接着強度(引張剪断強度、剥離強度)、及びスプレーテストは以下の条件で測定を行った。
【0023】
<粘度>
B型粘度計を用いて23℃と50℃における2rpmの粘度を測定した。また両者の比を粘度比とした。
【0024】
<接着強度>
[引張剪断強度]
2.0×25×100mmのラワン合板を12mmのラップで接着し、ASTM D1002−64に準拠して測定。
[剥離強度]
0.6×25×200mmのステンレス板を接着し、ASTM D1876−72に準拠して測定。
【0025】
<スプレーテスト>
旭サナック(株)のホットエアレススプレー装置AP1224Hを用いて50℃に加温された接着剤を、加圧力20mPaでのスプレーを試みた。判定は均一にスプレーできたものを○、ノズルからでないか均一な霧状にならないものを×とした。
【0026】
[実施例1,2,比較例1,2]
表1に示す二液主剤型アクリル系接着剤を調整し、A液、B液それぞれについて粘度の測定およびスプレーテストを行った。この結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
Figure 0004653267
【0028】
次に0.6×25×200mmのステンレス板を垂直に立て、それぞれ50℃に加温したA液、B液を同時にスプレーした。スプレー後直ちに垂れを観察したが、実施例1,2とも垂れはほとんど見られなかった。次いでもう一方のステンレス板を貼り合わせて23℃で1晩放置後剥離強度を測定した。その結果を表2に示す。表2より、実施例1、2で示された接着剤は十分な接着性能を有することが明らかである。
【0029】
【表2】
Figure 0004653267
【0030】
[実施例3,比較例3,4]
表3に示す二液主剤型アクリル系接着剤を調整し、A液、B液それぞれについて粘度の測定およびスプレーテストを行った。この結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
Figure 0004653267
【0032】
次にサンセイ理工(株)製ホットメルトロールコーターBP−8Cを用いてA液、B液をそれぞれ50℃に加温し、0.6×25×200mmのステンレス板にA液を、もう一方のステンレス板にB液を塗布し、両者を貼り合わせて23℃で1晩放置後剥離強度を測定した結果3.0kg/25mmの値が得られ、本実施例の接着剤が良好な接着性能を有することが確認された。
また多孔質材料として2×25×100mmのラワン合板を用いて、上記装置を用いてA液、B液をそれぞれ塗布し、12mmのラップで貼り合わせて、23℃で1晩放置後引張剪断強度を測定した結果、54kg/cm2で接着部の上部での材料破壊を起こし、塗布した接着剤のラワン合板内部への吸収が抑えられ、接着に有効に作用したことを示した。
【0033】
[実施例4]
実施例1のA液と同様の組成を調整し、プライマー型アクリル系接着剤のA液とした。また、表4に示すプライマーを調整した。次いで、プライマーを0.6×25×200mmステンレス板に刷毛塗りで塗布量約300g/m2の塗布量で塗布した。次に別の、0.6×25×200mmのステンレス板を垂直に立て、50℃に加温したA液をスプレーした。塗布量はおよそ500g/m2であった。また、スプレー後直ちに垂れを観察したが、垂れはほとんど見られなかった。そしてプライマーが塗布されたステンレス板と貼り合わせて23℃で1晩放置後剥離強度を測定した。その結果、4.5kg/25mmという十分な剥離強度で接着されていることが確認された。
【0034】
【表4】
Figure 0004653267
【0035】
【効果】
以上説明したように本発明によれば、室温においては高粘度で、加温することによって著しく粘度が低下するという性質を有する接着剤が提供される。このような特性を有する本発明の二液型アクリル系接着剤は、広面積を有する被着物、表面が多孔質であるような被着物にロールコーティング法等を用いて好適に塗布されることができる。さらに、湾曲している被着物、あるいは垂直に塗布しなければいけないような用途にはスプレー法等を用いて、好適に塗布されるものである。

Claims (2)

  1. 少なくともアルキル基の炭素数が8以上のアルキル(メタ)アクリレートを含む(メタ)アクリル系モノマー、有機過酸化物、モノマーに膨潤する共重合体、還元剤を必須成分とする二液型アクリル系接着剤であって、その少なくとも一液が下記の粘度条件を満たすものであることを特徴とする加温スプレー塗布型接着剤。
    23/V50≧5.0
    100≦V 23 (ポアズ)≦10000
    10≦V 50 (ポアズ)≦100
    (但し、V23、V50はそれぞれ、23℃、50℃の温度での組成物の粘度(ポアズ)を、B型粘度計を用いて、ローター回転速度2RPMで測定したときの粘度値を表す。)
  2. モノマーに膨潤する共重合体がアルキルアクリレート−メチルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体であることを特徴とする請求項1記載の加温スプレー塗布型接着剤。
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