JP4652630B2 - アクチュエータの制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動モータの駆動により所定の許容回動角度の範囲内で学習開始点からウォームホイールをストッパに当接させるように回動させ、同ウォームホイールとストッパとが当接したときのウォームホイールの回動角度に基づきストッパ点として学習するアクチュエータの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、特開昭58−191635号公報に記載されているように、運転者の変速意思が確認された場合等にアクチュエータを駆動してクラッチレバーを変位させ、従来のマニュアルトランスミッション車に採用されるクラッチと同様のクラッチの断接操作を自動的に行うクラッチの制御装置が知られている。
【0003】
このようなクラッチの制御装置においては、クラッチからの力(外力)がクラッチレバーを介してアクチュエータに入力されてしまう。そして、入力されたクラッチからの力によってアクチュエータが変位してしまう構成であった場合には、例えばアクチュエータの発生する力を消失させたときにクラッチが係合し、意図しないクラッチの接続が生じることがある。従って、こうしたアクチュエータとしては、クラッチからの力により変位することのないウォームギヤ(ウォーム及びウォームホイール)を備えた電動モータ式のアクチュエータが好適である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ウォームギヤ(ウォーム及びウォームホイール)を備えた電動モータ式アクチュエータは、ウォームホイールが当接されることでその回動を規制するストッパを備えている。しかしながら、ウォームホイールには電動モータの回転トルクがウォームを介して伝達されるので、同ウォームホイールは前記ストッパに強い力で当接することがあり、同ウォームがウォームホイールに食込んでしまう場合がある。そして、この食込みが電動モータのトルクでは解除できなくなることがある。
【0005】
こうした問題は、ウォームホイールがストッパに当接する際の同ウォームホイールとウォームとの間に生じる力を低減させることにより解決される。そして、この力を低減するためには、ウォームホイールとストッパとが当接する位置における電動モータのトルク、回転速度等を制御する必要があり、この制御のためにウォームホイールがストッパに当接する位置(回動角度)を把握することが本出願人により提案されている。
【0006】
具体的には、所定の起動条件が満たされたときに電動モータを駆動してウォームホイールがストッパに当接するまで同ウォームホイールを回動させる。そして、ウォームホイールの回動が停止してウォームホイールがストッパに当接したと判定されたとき、同ウォームホイールの回動角度(相当値)を対応するセンサにて検出する。そして、検出された回動角度(相当値)に基づき周知の学習処理を施したものを当該アクチュエータの係合側ストッパ点として記憶しておく。なお、このときに検出されたウォームホイールの回動角度(相当値)に対して学習処理を行っているのは、例えば同検出に係るセンサの取り付けばらつき等を吸収するためである。
【0007】
以上によれば、ウォームホイールをストッパに当接させる必要があるときには、ウォームホイールの回動角度(相当値)が上記係合側ストッパ点近傍と検出された際に電動モータの速度やトルクを低下させるなどの制御を行ってウォームホイールをストッパに対し小さな力で当接させることが可能となり、その結果、ウォームホイールへのウォームの食込みが回避される。
【0008】
ところで、上記アクチュエータの係合側ストッパ点の学習にあたっては、ウォームホイールをストッパに当接させるまでのウォームホイールの回動を所定の許容回動範囲内に規制している。これは、ウォームホイールの回動角度(相当値)がウォームホイールのストッパへの当接が判定されるべき範囲を超えた場合において、上記アクチュエータの係合側ストッパ点の誤学習を防止するためである。そしてこの場合には、前回の係合側ストッパ点を継続して記憶しておく。
【0009】
しかしながら、工場出荷学習において上記アクチュエータの係合側ストッパ点を学習しようとした場合、この学習を完了できないことがある。これは、例えば各工程に移行するための搬送等において外的振動等が印加され、ウォームホイール及びストッパ間の角度が上記許容回動範囲を超えて過剰に広がって配置されることがあるためである。
【0010】
本発明の目的は、工場出荷時学習において、ストッパ点の学習を確実に完了することができるアクチュエータの制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ハウジングに固定された電動モータにより駆動されるウォームと、該ウォームと噛合するとともに該ハウジングに回動可能に支持されたウォームホイールと、該ウォームホイールの所定角度以上回動によって該ウォームホイールが当接するストッパとを備え、該電動モータの駆動により所定の許容回動角度の範囲内で学習開始点から該ウォームホイールを該ストッパに当接させるように回動させ、該ウォームホイールと該ストッパとが当接したときの該ウォームホイールの回動角度に基づきストッパ点として学習するアクチュエータの制御装置において、工場出荷時学習においては、前記学習開始点から前記ウォームホイールを前記ストッパに当接させるように回動させるときの回動角度が前記許容回動角度の範囲を超えたときには、該学習開始点を嵩上げした新たな学習開始点から該ウォームホイールを該ストッパに当接させるように回動させ、該ウォームホイールと該ストッパとが当接したときの該ウォームホイールの回動角度に基づきストッパ点として学習することを要旨とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアクチュエータの制御装置において、前記工場出荷時学習は、前記ストッパ点が初期値にあることで設定されることを要旨とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のアクチュエータの制御装置において、前記学習開始点を嵩上げした新たな学習開始点は、前記許容回動角度に基づき設定されることを要旨とする。
【0014】
(作用)
請求項1又は2に記載の発明によれば、工場出荷時学習においては、上記学習開始点からウォームホイールをストッパに当接させるように回動させるときの回動角度が上記許容回動角度の範囲を超えたときには、同学習開始点を嵩上げした新たな学習開始点から同ウォームホイールをストッパに当接させるように回動させ、同ウォームホイールとストッパとが当接したときのウォームホイールの回動角度に基づきストッパ点として学習する。従って、工場出荷時学習においては、上記許容回動角度の範囲の設定に関わらずウォームホイールがストッパに当接するまで上記学習開始点の嵩上げを繰り返すことで、上記ストッパ点の学習は確実に完了する。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、学習開始点を嵩上げした新たな学習開始点は、上記許容回動角度に基づき設定される。従って、最大限の嵩上げによって新たな学習開始点が設定されるため、同学習開始点の嵩上げの繰り返しは最小限に抑制される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。図1は、本実施形態における車両制御システムの概略構成図である。同車両制御システムにおいて、エンジン(内燃機関)10の出力軸(クランクシャフト)と一体的に回転するフライホイール10aに自動クラッチ20が組み付けられ、その自動クラッチ20を介して自動変速機30が接続されている。
【0017】
エンジン10には、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ16が設けられている。
自動クラッチ20は、機械式(乾燥単板式)の摩擦クラッチ21と、クラッチレバー22と、クラッチレバー22を介して摩擦クラッチ21による回転伝達を操作するクラッチ用アクチュエータ23とを備えている。
【0018】
摩擦クラッチ21は、フライホイール10aに対向配置されて自動変速機30の入力軸31と一体的に回転するクラッチディスク21aを備えている。摩擦クラッチ21は、上記フライホイール10aに対するクラッチディスク21aの圧着荷重が変化されることで、フライホイール10a及びクラッチディスク21a間(エンジン10の出力軸及び自動変速機30の入力軸31間)の回転伝達を変化させる。
【0019】
クラッチ用アクチュエータ23は、ロッド25を前方又は後方に移動(進退)させてクラッチレバー22を動かす。これにより、クラッチレバー22を介してレリーズベアリング27を押動し、これに弾接するダイヤフラムスプリング28を変形させてプレッシャプレート29に圧着荷重を生ぜしめる。クラッチ用アクチュエータ23は、ロッド25を介してクラッチレバー22を動かすことで、上述の態様でプレッシャプレート29を介して上記フライホイール10aに対するクラッチディスク21aの圧着荷重を変化させ、摩擦クラッチ21による回転伝達を操作する。
【0020】
図2に示されるように、クラッチ用アクチュエータ23は、その駆動源である直流電動モータ36と、この直流電動モータ36を支持するとともに車両の適宜個所に固定されたハウジング37とを備えている。ハウジング37内には、直流電動モータ36によって回転駆動されるウォーム(回転軸)38と、側面視にて扇型をなしハウジング37に回転中心Pの回りに揺動可能に支持されるとともに、円弧部(外周部)39aにて前記ウォーム38と噛合するウォームホイール(ウォームセクタギヤ)39とが収容されている。
【0021】
上記ロッド25の基端部(クラッチレバー22と連結されている先端部と反対側の端部)は、ウォームホイール39に回動可能に支持されている。これらにより、直流電動モータ36が回転するとウォーム38が回転してウォームホイール39が回転し、これによりロッド25がハウジング37に対して進退移動するようになっている。なお、図1及び図2においては、ロッド25が右方向に移動(進行)されると、クラッチディスク21aがフライホイール10aから解放(非係合、断)された状態となり、他方、ロッド25が左方向に移動(退行)されるとクラッチディスク21aがフライホイール10aに係合(接)された状態となる。
【0022】
直流電動モータ36は、供給される電流が正方向のときに正転し、図2において、ウォーム38を介してウォームホイール39を回転中心Pの回りに時計方向に回動し、これによりロッド25を右方向に移動(進行)させてクラッチディスク21aをフライホイール10aから解放するようになっている。一方、直流電動モータ36は、供給される電流が負方向のときに逆転し、図2において、ウォーム38を介してウォームホイール39を回転中心Pの回りに反時計方向に回動し、これによりロッド25を左方向に移動(退行)させてクラッチディスク21aをフライホイール10aに係合させるようになっている。また、直流電動モータ36は、供給される電流の絶対値が大きいほど大きい回転トルクを発生するようになっている。
【0023】
前記ウォームホイール39の側端面には当接部39bが形成され、ハウジング37の内壁面にはウォームホイール39が図2において反時計方向に所定の角度以上回動したときに、同ウォームホイール39の当接部39bと当接するストッパ37aが形成されている。
【0024】
自動クラッチ20には、アクチュエータ23のロッド25の移動位置(ストローク)を検出するストロークセンサ26が設けられており、このストロークセンサ26にて検出されるストロークStに基づいて摩擦クラッチ21による回転伝達の状態が判断される。なお、既述のようにロッド25の進退はウォームホイール39の回動に連動しており、従って検出されたストロークStはウォームホイール39の回動角度と一義的に対応している。換言すると、上記ストロークStの検出は、実質的にウォームホイール39の回動角度の検出に相当している。なお、後述するように上記ウォームホイール39がストッパ37aに当接するときのストロークStは、ストッパ点としての係合側ストッパ点の学習に供されるようになっている。
【0025】
本実施形態における自動変速機30は、例えば前進5段・後進1段の平行軸歯車式変速機であって、入力軸31及び出力軸32を備えるとともに、複数の変速ギヤ列を備えている。自動変速機30の入力軸31は、摩擦クラッチ21のクラッチディスク21aに動力伝達可能に連結され、出力軸32は、車軸(図示略)に動力伝達可能に連結されている。また、自動変速機30は、その動力伝達の可能なギヤ列(変速段)の切り替えを操作するための変速用アクチュエータ41を備える。自動変速機30は、この変速用アクチュエータ41が駆動されることで、所要の変速段に切り替える。
【0026】
さらに、自動変速機30には、入力軸31の回転数(入力軸回転数Ni)を検出する回転数センサ33が設けられている。
図1の車両制御システムは、各種制御を司る電子制御装置(ECU)50を備える。ECU50は、周知のマイクロコンピュータ(CPU)を中心に構成されており、各種プログラム及びマップ等を記憶したROM、各種データ等の読み書き可能なRAM、バックアップ電源なしでデータの保持が可能なEEPROM等を備えている。同ECU50には、上述したエンジン回転数センサ16、ストロークセンサ26、回転数センサ33等の各種センサやクラッチ用アクチュエータ23、変速用アクチュエータ41が接続されている。ECU50は、各種センサの検出信号を取り込み、それにより車両運転状態(摩擦クラッチ21による回転伝達状態、入力軸回転数等)を検知する。そして、ECU50は、その車両運転状態に基づいて、クラッチ用アクチュエータ23及び変速用アクチュエータ41を駆動する。
【0027】
具体的には、ECU50は、クラッチ用アクチュエータ23を駆動してクラッチ21による回転伝達を調節する。これにより、車両運転状態に応じた摩擦クラッチ21による回転伝達が自動制御される。
【0028】
さらに、変速用アクチュエータ41を駆動して、自動変速機30における動力伝達の可能なギヤ列(変速段)を切り替える。これにより、車両運転状態に応じた自動変速機30における変速段が自動制御される。
【0029】
次に、本実施形態のアクチュエータ制御(クラッチ用アクチュエータ23の制御)に係る係合側ストッパ点の学習態様について図3のフローチャート及び図4のタイムチャートに基づき説明する。このルーチンは、所定時間ごとの定時割り込みにより実行される。
【0030】
処理がこのルーチンに移行すると、まずステップ101においてECU50は、現在、上記係合側ストッパ点の学習を実施中か否かを判断する。すなわち、後述の学習開始条件の成立時にオンされる学習フラグを確認することで判断する。
【0031】
ここで、現在、上記係合側ストッパ点の学習を実施中でないと判断されると、ECU50はステップ102に移行して学習開始条件が成立しているか否かを判断する。具体的には、摩擦クラッチ21が完全な接続状態にあるか(例えば、車両走行中においてエンジン回転数Neと入力軸回転数Niとが略一致しているか、車両が駐車状態に移行したか、工場出荷時かなど)を判定する。
【0032】
ステップ102において学習開始条件が成立していないと判断されるとECU50は、そのままその後の処理を一旦終了する。一方、ステップ102において学習開始条件が成立していると判断されると、ECU50はステップ103に移行して学習初期化処理を実施する。すなわち、上記学習フラグをオンするとともに、現在のストロークStを学習開始点として設定して対応するカウンタをリセットするなどの処理を行う。なお、図4に示されるように、上記学習開始点は、直流電動モータ36を駆動してウォームホイール39の当接部39bがストッパ37aに当接するまで同ウォームホイール39を回動させるための目標ストロークの基準点である。本実施形態では、目標ストロークの設定によってロッド25のストローク(ストロークSt)がフィードバック制御され、これを介してウォームホイール39の回動角度を制御するようになっている。従って、例えばこの学習開始点(目標ストロークの基準点)から目標ストロークを一定速度で係合側に増加させることで、これに伴うロッド25の退行によってウォームホイール39の当接部39bがストッパ37aに近づくように同ウォームホイール39は回動する。
【0033】
ステップ101において、現在、上記係合側ストッパ点の学習を実施中と判断し、若しくはステップ103において学習初期化処理を実施したECU50は、ステップ104に移行する。そして、ECU50は、目標ストロークを一定速度で係合側に増加し、更にステップ105に移行してこの目標ストロークに基づきロッド25のストローク(ストロークSt)をフィードバック制御する。すなわち、ECU50は、設定された目標ストロークにロッド25のストロークを一致させるように直流電動モータ36を駆動し、ウォーム38を介してウォームホイール39の当接部39bがストッパ37aに近づいていくように(係合側に)同ウォームホイール39を回動させる。従って、図4に示されるように、ステップ104,105の処理によって、基本的には目標ストロークの増加とともにロッド25の実際のストロークも増加していく。
【0034】
ステップ105の処理を実行したECU50は、ステップ106に移行して、現在、クラッチのストローク停止判定条件が成立しているか否かを判断する。すなわち、上記ロッド25のストローク(ストロークSt)のフィードバック制御において、例えばウォームホイール39の当接部39bがストッパ37aに当接していない状態では、目標ストロークの増加とともにロッド25の実際のストロークも増加していく。従って、これら目標ストローク及びストロークStの偏差は所定の偏差ΔSに収まることになる。一方、ウォームホイール39の当接部39bがストッパ37aに当接して同ウォームホイール39が停止すると、目標ストロークの増加に関わらずロッド25の実際のストロークの増加はなくなる。従って、これら目標ストローク及びストロークStの偏差は上記偏差ΔSを超えてしまう。ECU50は、目標ストローク及びストロークStの偏差と上記偏差ΔSとを比較判定することでウォームホイール39の当接部39bがストッパ37aに当接したと判定し、クラッチのストローク停止判定条件が成立と判断する。
【0035】
ステップ106においてクラッチのストローク停止判定条件が成立していると判断されると、ECU50はステップ107に移行する。そして、このときのストロークStに対して周知の学習処理を行って学習ストロークを演算する。例えば、ECU50は今回のストロークStと所定回数前までの各ストロークとで所定の平均処理を施して学習ストロークを演算する。
【0036】
そして、ECU50はステップ108に移行し、上記学習ストロークが係合側ストッパ点として許容された設計範囲内にあるか否かを判断する。これは、検出されるべき範囲を超えた係合側ストッパ点の誤学習を回避するためである。
【0037】
ここで、上記学習ストロークが係合側ストッパ点として許容された設計範囲内にあると判断されると、ECU50はステップ109に移行してこのときの学習ストロークを係合側ストッパ点として更新し、これをEEPROMに記憶する。一方、上記学習ストロークが係合側ストッパ点として許容された設計範囲内にないと判断されると、ECU50はステップ110に移行して係合側ストッパ点を前回のストッパ点に保持し、これをEEPROMに記憶する。そして、ステップ109若しくは110の処理を行ったECU50は、その後の処理を一旦終了する。
【0038】
また、ステップ106においてクラッチのストローク停止判定条件が成立していないと判断されると、ECU50はステップ111に移行する。そして、現在の目標ストロークが所定値SAを超えているか否かを判断する。この所定値SAは、これに目標ストロークが設定されたときにウォームホイール39の当接部39bがストッパ37aに当接すべき値(クラッチのストローク停止判定条件が成立すべき値)に設定されている。換言すると、目標ストロークの上限を所定値SAに規制することで、ウォームホイール39のストッパ37aへの当接が判定されるべき範囲を超えた回動を規制している。これは、上記係合側ストッパ点の誤学習を防止するためである。
【0039】
ここで、現在の目標ストロークが所定値SAを超えていると判断されると、ECU50はウォームホイール39の当接部39bがストッパ37aに当接すべき値を超えていると判定してステップ112に移行する。そして、ECU50は、現在、工場出荷時の係合側ストッパ点の学習中か否かを判断する。具体的には、工場出荷後においてはEEPROMに記憶された係合側ストッパ点(学習値)は初期値(例えば、零など)以外の何らかの数値を有しており、この係合側ストッパ点をEEPROMから読み込むことで工場出荷時の学習中か否かが判断される。
【0040】
ステップ112において工場出荷時の係合側ストッパ点の学習中でないと判断されると、ECU50はステップ113に移行して係合側ストッパ点を前回のストッパ点に保持し、これをEEPROMに記憶する。そして、ECU50はステップ114に移行して学習終了を設定し、すなわち前記学習フラグをオフにしてその後の処理を一旦終了する。
【0041】
一方、ステップ112において工場出荷時の係合側ストッパ点の学習中と判断されると、ECU50はステップ115に移行して学習初期化処理を実行する。
これは、工場出荷時における固有の現象としてウォームホイール39及びストッパ37a間の角度の過剰に広がった配置に対処するためのものである。すなわち、図4に示されるように現在の学習開始点を基準とした所定値SAを新しい学習開始点として設定する。従って、この新しい学習開始点(目標ストロークの基準点)から目標ストロークを一定速度で係合側に更に増加させることで、ウォームホイール39の当接部39bがストッパ37aに近づくように同ウォームホイール39は更に回動する。このように、工場出荷時においては目標ストロークが所定値SAを超える都度に上述の態様で学習開始点の嵩上げを継続することで、上記アクチュエータの係合側ストッパ点の学習は確実に完了する。ステップ115の処理を行ったECU50は、その後の処理を一旦終了する。
【0042】
また、ステップ111において現在の目標ストロークが所定値SAを超えていないと判断されると、ECU50はステップ116に移行する。そして、現在、学習禁止条件が成立しているか否かを判断する。具体的には、クラッチ断の要求(例えば変速要求など)があり、上記係合側ストッパ点の学習ができない状態にあるか否かを判断する。
【0043】
ここで、現在、学習禁止条件が成立していると判断されると、ECU50はステップ117に移行して係合側ストッパ点を前回のストッパ点に保持し、これをEEPROMに記憶する。そして、ECU50はステップ118に移行して学習終了を設定し、すなわち前記学習フラグをオフにしてその後の処理を一旦終了する。また、ステップ116において、現在、学習禁止条件が成立していないと判断されると、ECU50はそのままその後の処理を一旦終了する。
【0044】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、工場出荷時学習においては、上記学習開始点からウォームホイール39をストッパ37aに当接させるように回動させるときの目標ストロークが上記所定値SAの範囲を超えたときには、同学習開始点を嵩上げした新たな学習開始点から同ウォームホイール39をストッパ37aに当接させるように回動させた。そして、上記ウォームホイール39とストッパ37aとが当接したときのストロークSt(ウォームホイール39の回動角度相当)に基づき係合側ストッパ点として学習した。従って、工場出荷時学習においては、上記所定値SAの範囲の設定に関わらずウォームホイール39がストッパ37aに当接するまで上記学習開始点の嵩上げを繰り返すことで、上記係合側ストッパ点の学習を確実に完了することができる。例えば、各工程に移行するための搬送等において外的振動等が印加され、ウォームホイール39及びストッパ37a間の角度が過剰に広がって配置されても、工場出荷時学習において上記係合側ストッパ点の学習を確実に完了することができる。
【0045】
(2)本実施形態では、学習開始点を嵩上げした新たな学習開始点は、上記所定値SAに基づき設定される。従って、最大限の嵩上げによって新たな学習開始点が設定されるため、同学習開始点の嵩上げの繰り返しを最小限に抑制でき、ひいては検査工数の短縮を図ることができる。
【0046】
(3)本実施形態では、目標ストロークに対してロッド25のストロークSt(ウォームホイール39の回動角度に相当)をフィードバック制御することで同ウォームホイール39をストッパ37aに当接させるように円滑に回動させていくことができる。
【0047】
(4)本実施形態では、ウォームホイール39とストッパ37aとの当接を、目標ストロークとストロークStとの偏差に基づき極めて簡易に判断することができる。
【0048】
(5)本実施形態では、ストッパ37aはハウジング37に一体形成されている。このため、別途、ストッパ37aを設ける必要がないため、部品点数を削減できる。
【0049】
なお、本発明の実施の形態は上記実施形態に限定されるものではなく、次のように変更してもよい。
・前記実施形態においては、ハウジング37の内壁面にてストッパ37aを一体形成したが、別途、ストッパを設けてハウジング37に固定する構成であってもよい。
【0050】
・前記実施形態においては、学習開始点を所定値SAに基づき嵩上げして新たな学習開始点とした。これに対して、目標ストロークが所定値SAを超えたときのストロークStに基づき嵩上げして新たな学習開始点としてもよい。或いは、所定値SAよりも若干小さい値に基づき嵩上げして新たな学習開始点としてもよい。
【0051】
・前記実施形態においては、ウォームホイール39の当接部39bがストッパ37aに当接したことを、目標ストローク及びストロークStの偏差と偏差ΔSとの比較により判断した。これに対して、直流電動モータ36の電圧変化や電流(トルク)変化(電動モータのロック電流等)を検出することで判定してもよい。
【0052】
・前記実施形態においては、ウォームホイール39の回動角度をこれに対応するロッド25のストロークに基づき検出した。これに対して、ウォームホイール39の回動角度を角度センサなどにて直接検出するようにしてもよい。また、ウォームホイール39の回動に連動する機械的な連結構造の対応を利用して、例えばクラッチ用アクチュエータ23の直流電動モータ36の回転軸の回転角度若しくは給電量などによってウォームホイール39の回動角度を間接的に検出するようにしてもよい。
【0053】
・前記実施形態においては、摩擦クラッチ21としてダイヤフラムスプリング式クラッチを採用したが、コイルスプリング式クラッチを採用してもよい。
・前記実施形態においては、クラッチ用アクチュエータ23の係合側ストッパ点の学習に本発明を適用したが、その他のアクチュエータに適用してもよい。
【0054】
次に、以上の実施形態から把握することができる請求項以外の技術的思想を、その効果とともに以下に記載する。
(イ)請求項1〜3のいずれかに記載のアクチュエータの制御装置において、所定の許容回動角度の範囲内に設定された目標回動角度に対して前記ウォームホイールの回動角度をフィードバック制御することで該ウォームホイールを前記ストッパに当接させるように回動させることを特徴とするアクチュエータの制御装置。同構成によれば、ウォームホイールをストッパに当接させるように円滑に回動させていくことができる。
【0055】
(ロ)上記(イ)に記載のアクチュエータの制御装置において、
前記ウォームホイールと前記ストッパとの当接は、前記目標回動角度と該ウォームホイールの回動角度との偏差に基づき判断されることを特徴とするアクチュエータの制御装置。同構成によれば、上記ウォームホイールとストッパとの当接を極めて簡易に判断することができる。
【0056】
(ハ)請求項1〜3、上記(イ)、(ロ)のいずれかに記載のアクチュエータの制御装置において、前記ストッパは前記ハウジングに一体形成されていることを特徴とするアクチュエータの制御装置。同構成によれば、別途、ストッパを設ける必要がないため、部品点数を削減できる。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1又は2に記載の発明によれば、工場出荷時学習において、係合側ストッパ点の学習を確実に完了することができる。
【0058】
請求項3に記載の発明によれば、最大限の嵩上げによって新たな学習開始点が設定されるため、同学習開始点の嵩上げの繰り返しを最小限に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態における車両制御システムの概略構成図。
【図2】図1のクラッチ用アクチュエータの概略構成図。
【図3】同実施形態におけるECUの処理を説明するためのフローチャート。
【図4】同実施形態におけるECUの処理を説明するためのタイムチャート。
【符号の説明】
23…クラッチ用アクチュエータ、26…ストロークセンサ、36…直流電動モータ、37…ハウジング、37a…ストッパ、38…ウォーム、39…ウォームホイール、39b…当接部、50…ECU。

Claims (3)

  1. ハウジングに固定された電動モータにより駆動されるウォームと、該ウォームと噛合するとともに該ハウジングに回動可能に支持されたウォームホイールと、該ウォームホイールの所定角度以上回動によって該ウォームホイールが当接するストッパとを備え、該電動モータの駆動により所定の許容回動角度の範囲内で学習開始点から該ウォームホイールを該ストッパに当接させるように回動させ、該ウォームホイールと該ストッパとが当接したときの該ウォームホイールの回動角度に基づきストッパ点として学習するアクチュエータの制御装置において、
    工場出荷時学習においては、前記学習開始点から前記ウォームホイールを前記ストッパに当接させるように回動させるときの回動角度が前記許容回動角度の範囲を超えたときには、該学習開始点を嵩上げした新たな学習開始点から該ウォームホイールを該ストッパに当接させるように回動させ、該ウォームホイールと該ストッパとが当接したときの該ウォームホイールの回動角度に基づきストッパ点として学習することを特徴とするアクチュエータの制御装置。
  2. 請求項1に記載のアクチュエータの制御装置において、
    前記工場出荷時学習は、前記ストッパ点が初期値にあることで設定されることを特徴とするアクチュエータの制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載のアクチュエータの制御装置において、
    前記学習開始点を嵩上げした新たな学習開始点は、前記許容回動角度に基づき設定されることを特徴とするアクチュエータの制御装置。
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