JP4652125B2 - 密閉形圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、密閉形圧縮機に係り、特にコネクティングロッドに設けた球体部とピストンに設けた球座とを連接した密閉形圧縮機に好適なものである。
この種従来例としては、特開2003−184751号公報(特許文献1)に示された密閉形圧縮機がある。この密閉形圧縮機を図17から図19を参照しながら説明する。図17は従来の密閉形圧縮機の縦断面図、図18は図17に使われているコネクティングロッドとピストンとの結合関係を示す図、図19は図18で結合したコネクティングロッドとピストンとの関係を示す図である。
一般に冷凍サイクルに用いられる密閉形圧縮機は密閉容器21内に電動機22と圧縮機構部23とを収納している。そして、この圧縮機構部23はフレーム24に軸支されたシャフト25の上端に偏心回転するクランク軸26を有している。又、シリンダ27内を往復摺動するピストン28はコネクティングロッド29を介してクランク軸26と連接されている。このピストン28とシリンダ27との摺動部及びコネクティングロッド29とピストン28との摺動部の潤滑はクランク軸26の上部開口26aから矢印Pの如く飛び散る潤滑油により潤滑される。
特に、特許文献1に於いては、この潤滑油を球座34と球体部31との間に潤滑油を導きやすくする為に、球体部31に矢印方向Pより飛び出る潤滑油を受けることができるよう平面部31aを形成している。即ち、コネクティングロッド29は、リング部32とロッド部33、球体部31とから構成されており、ロッド部33で受けた潤滑油を球体部31の平面部31aに導き、この平面部31aから球座34部に導いている。尚、球座34と球体部31とはクランク軸26の回転運動を往復運動に変えるボールジョイント接続機構とされている。
特開2003−184751号公報
特許文献1では、球座34と球体部31との摺動部への潤滑油の給油はシャフト25の先端より飛び散る潤滑油の取り込みに頼っていたので、例えば回転数が落ちた時等に潤滑油がボールジョイント部にうまく取り込めない恐れがあり、その場合には当該摺動部に油膜切れを起し、球体部31が焼き付いてしまう等の問題が出てくる。
ところで、ピストン28の球座34は精密加工装置によって加工されるが、その加工方法を図20を用いて説明する。
図20に示すように、球座34には小径の開口部34aが形成されている。精密加工装置の主軸36には自在継手37を介して加工治具38の軸38aが接続され、その軸38aの先端には球状刃物38bが設けられている。この球状刃物38bは主軸36の回転に基づいて高速で回転し、被加工物たるピストン28の球座34を所定の寸法に加工する。
この球状刃物38bの外径は球座34の内径より小さいが、ある程度の大きさの外径を有している。換言すると、球状刃物38bの直径D1(最太部)の周速と球状刃物38bの中心部近辺(A)部の周速とでは異なり、最太部 (B部) で加工した所と中心部近辺(A)部で加工した所では(B)部の仕上げ加工精度が高く、(A)部で加工される所は精度が低くなる。
これは球状刃物38bによる球座23の加工時、球座34の中心34bを基準にすると、球状刃物38bの(A)部にて加工される部分はプラス公差の寸法となるが、(B)部にて加工される部分は周速の違いで削り過ぎとなり、マイナス公差になる為である。
そして、係止部34aによるアンダーカット部がある球座34を加工する時には、自在継手37を利用して軸38aを破線の如く曲げるか或いは被加工物となるピストン側を動かし、前記アンダーカット部を加工するものである。
すなわち、ピストン28の球座34の加工方法は、球状刃物38bを仕上げ加工装置の回動軸36に装着し、該球状刃物38bを回転させることにより球座34を作るものである。したがって、回転軸36と球状刃物38b間に自在継手を介在させ、球状刃物38bを図20の破線の如く傾斜させて球座34を仕上げて行くか、あるいはピストン側を図に示す如く、加工しようとする形状に沿って動かすことによって球座が加工される。
この球状刃物38bは例えば図20の如く正面から見て楕円形の球状をなしている為、球状刃物38bの中央と球状刃物38bの外周とでは加工時の周速が直径の違いの分だけ異なっている。したがって、前記の何れの加工方法をとっても周速の早い所で加工される所は仕上げ加工精度が良く、周速の遅い所で加工される部分は加工精度が良くないことに変わりはない。換言すると、球座の中心から離れた位置の仕上げ精度は良いが中心に近い所の仕上精度は他に比較して良くないと云うことである。この面仕上、加工精度の良くない所でコネクティングロッド側の球体部31を受けると、摩擦で球体部31或いは球座34が損傷し、異常音発生等の原因になる恐れがあった。
更には、特許文献1の図面によれば、球座に凹形状部分が設けられているが、給油機構との関連性は考慮されておらず、球座−球体部間の摺動部への潤滑油の供給との関係は不明であった。
本発明の目的は、原価的にも有利な構造で、効率が良く、信頼性に優れた密閉形圧縮機を提供することにある。尚、本発明のその他の目的と有利点は以下の記述から明らかにされる。
前述の目的を達成するために、本発明は、電動機からの回転力を伝えるクランク軸と、クランク軸側に球面部を有する球座を備えたピストンと、一端に前記球座に接続する球体部と他端に前記クランク軸に嵌合するリング部とそのリング部と前記球体部とを繋ぐロッド部とを有するコネクティングロッドと、密閉容器内に貯留される潤滑油と、を有し、前記クランク軸を通して前記潤滑油を供給するようにした密閉形圧縮機に於いて、前記クランク軸に第1の給油孔を設け、前記コネクティングロッドに前記第1の給油孔から出た潤滑油を前記球座に供給する第2の給油孔を設け、前記球座に設けた凹部により前記第2の給油孔より出た潤滑油を一時溜める第1のオイルポケットを設け、前記クランク軸の外周面に前記第1の給油孔に連通する第2のオイルポケットを形成し、前記球座内を摺動する前記球体部の先端は真球形状よりも凹んだ形状であって、且つ該球体部の上下面は球形から所定範囲を除去した平面カット部を有しており、該球体部の外表面に前記第1のオイルポケットに連通すると共に該平面カット部まで延びる給油溝を設け、前記ピストン及び前記コネクティングロッドの運動に伴って前記給油溝が前記第1のオイルポケットと間欠的に連通するように構成し、前記ピストンのガス吸込工程で、前記給油溝と前記第1のオイルポケットとを連通すると共に、前記第2のオイルポケットと前記第2の給油孔とを連通し、ガス圧縮工程で、前記給油溝と前記第1のオイルポケットとの連通及び前記第2のオイルポケットと前記第2の給油孔との連通を解除して、且つ該給油溝内の潤滑油を前記球座と前記球体部との間に給油するように構成したことにある。
本発明によれば、球座に設けた凹部により第2の給油孔より出た潤滑油を一時溜める第1のオイルポケットを設け、球体部の上下面は球形から所定範囲を除去した平面カット部を有しており、球体部の外表面に前記第1のオイルポケットに連通すると共に該平面カット部まで延びる給油溝を設け、ピストン及びコネクティングロッドの運動に伴って給油溝が第1のオイルポケットと間欠的に連通するものであって、ピストンのガス吸込工程で、給油溝と第1のオイルポケットとを連通すると共に第2のオイルポケットと第2の給油孔とを連通し、ガス圧縮工程で、前記給油溝と前記第1のオイルポケットとの連通及び前記第2のオイルポケットと前記第2の給油孔との連通を解除して、且つ該給油溝内の潤滑油を前記球座と前記球体部との間に給油するものであるから、ガス吸込工程で第1のオイルポケットから給油溝内に潤滑油が入り込み、その際に第1の給油孔、第2のオイルポケット及び第2の給油孔を通して第1のオイルポケットに潤滑油が供給され、負荷のかかるガス圧縮工程で第1のオイルポケットと給油溝との連通が解除されて給油溝中の潤滑油が球座と球体部との摺動部に供給されるので、負荷のかかるガス圧縮工程時に摺動部が油膜切れによって焼結してしまうことを防止することができ、信頼性に優れた密閉形圧縮機が得られるものである
また、球座内を摺動する球体部の先端が真球形状よりも凹んだ形状となっているため、球座内の加工精度の劣る部分と球体部との摺動を避けることができ、摩擦によるボールジョイント部の劣化を低減することができる。
更には、球座に設けた凹部により第1のオイルポケットを構成したものであるから、第1のオイルポケットを簡単に形成することができる。
更には、クランク軸の外周面に第1の給油孔に連通する第2のオイルポケットを形成したものであるから、第1のオイルポケットへの潤滑油の供給が行なわれる際に、第2のオイルポケットを通して第2の給油孔及び第1のオイルポケットに十分な潤滑油を供給することができる。
本発明の詳細を図に示す一実施例で説明する。
先ず、図1から図4において説明する。 図1は本発明に係る密閉形圧縮機の一実施例を示す縦断面図、図2は図1のピストンの形状を示す縦断面図、図3は図2のピストンを矢印方向から見た側面図、図4は図1のコネクティングロッドとクランク軸を組み合わせた一例を示す側断面図である。
図1に示すように、密閉形圧縮機は、密閉容器1の内部に、電動機2、圧縮機構部3が設けられている。フレーム4は電動機2や圧縮機構部3を密閉容器1内で支持する。シャフト5は電動機2のロータが固定されフレーム4に支持されている。シャフト5の上端にはクランク軸6が設けられている。シリンダ7に対してピストン8を駆動させるため、クランク軸6とピストン8との間にはコネクティングロッド9が設けられている。
而して、このピストン8とコネクティングロッド9間の接続は一般にボールジョイント方式と云う形の接続となっている。即ち、コネクティングロッド9の球体部11がピストン8側の球座8aに摺動自在に嵌合されているものである。又、このコネクティングロッド9は、ロッド部10、ロッド部10の一端に固接した球体部11、ロッド部10の他端に固接したクランク軸6と摺動するリング12を備える。
前述のように、冷凍サイクルに用いられる密閉形圧縮機は、密閉容器1内に電動機2と圧縮機構部3が収納されている。
この圧縮機構部3は、フレーム4に軸支されたシャフト5の上端に構成されている。圧縮機構部3としては、偏心回転するクランク軸6と、シリンダ7内を往復摺動するピストン8と、クランク軸6と連接するリング12とピストン8と連接する球体部11をロッド部10で一体に固定したコネクティングロッド9とから構成されている。
そして、コネクティングロッド9とピストン8は、図1に示すように球体部11とピストン8の球座8aとを組み合わせたボールジョイント方式によって連接されている。
図2及び図3に示すように、ピストン8にはコネクティングロッド9の球体部11を収める球座8aが設けられている。また、球座8a内径より任意寸法小径の開口部8b(図3)からピストン端面側に傘状に拡大した穴8cがピストン8に設けられている。更に、球体部11を挿入する挿入口となる挿入溝8dは、その底部8eが球座8aの球径中心の延長線上の位置まで延び、ピストン8の中心線Y−Yに対し対称に設けられている。
図4に示すように、コネクティングロッド9は、ロッド部10の一端に球体部11を、ロッド部10の他方端にリング12を溶接等で接合している。球体部11は、図4の一点鎖線に示す球形から上下方向のある範囲を除去した、平面カット部11aを有している。この平面カット部11aはリング12の端面12aと平行に、即ち上下面平行に形成されている。これらの平面カット部11aは、必ずしも平行でなくても良いが、ピストン8の開口部8bの形成や、コネクティングロッド9の強度の面から、平行に形成することが好ましい。
第2の給油孔18はコネクティングロッド9の軸芯に設けられ、第1の給油孔19はクランク軸6に設けられている。この第1の給油孔19と第2の給油孔8とはクランク軸6の回転時両孔が一致した所で連通し、クランク軸6内を上昇して来た潤滑油がコネクティングロッド9側に給油される。そして、第1の給油孔19よりコネクティングロッド9に給油された潤滑油は第1の給油孔18を通りオイルポケット20内に給油される。こうすることにより、潤滑油はほぼ強制的にオイルポケット20に次から次へと供給されるので新しい潤滑油がオイルポケット20を経由し球体部11と球座8a間に送り出されて行くものである。
勿論、球体部11と球座8aとの間のクリアランスは2〜5ミクロンと非常に小さい為、送り出される潤滑油の量は少ないが、両者の摺動時に必要とする量は満たすことができるものである。即ち、前記クリアランスは油膜が切れることなく常に油膜で保護されていると云うことである。
又、このオイルポケット20への潤滑油の供給は、回転数を可変させる最近の密閉形圧縮機の低速回転時に於いても満たされるものである。
更に、クランク軸6の上部開口より吹き出る潤滑油によっても圧縮機構部3、及び球体部11と球座8aとの間には従来と同様潤滑されるものである。このことにより圧縮機構部3及びボールジョイント部13部は確実に潤滑冷却されるものである。
次に、図5から図8に於いて説明する。図5は図1のピストンとコネクティングロッドの組立方法の最初の工程を示す断面図であり、図6は図5のA−A断面図、図7は図5の次の工程を示す断面図、図8は図7のB−B断面図である。これらの図はピストン8とコネクティングロッド9とのボールジョイント部13の組立方法を示している。尚、図5及び図7はリング12を実際に密閉形圧縮機の内部で使用する向きとは略直角分傾けた状態(リング12を縦に傾けた状態)でピストン8にコネクティングロッド9を挿入したときのボールジョイント部13を示す断面図である。
先ず、図6に示すように、ピストン8の挿入溝8dとコネクティングロッド9の平面カット部11aとの位置を合わせ、球体部11を挿入溝8d内に挿入した後、図5に示すように球体部11を球座8aに密着させる。即ち、球体部11は球座8aのアンダーカット部内(傘状穴8c)に入り込ませる。
更に、図7及び図8に示すように、ピストン8とコネクティングロッド9を略直角分、回転させることにより、球体11は、その直径より小さい開口部8bとの連接で(アンダーカット部の利用で)、抜けることなく、ボールジョイント部13が完成する。ピストン8の挿入溝8dと球体11の平面カット部11aで空間14が形成され、球座8aの一部が露出している。
次に、図9から図15に於いて説明する。図9は図1のボールジョイント部への給油方法を示す縦断面図、図10は図1のボールジョイント部への給油を開始する寸前を示す図、図11は図1のボールジョイント部への給油機構の変遷を示す図、図12は図1のボールジョイント部への給油を終了した瞬間を示す図、図13は図1のコネクティングロッドの球体部外表面に給油溝を設けた図、図14は図13のC−C断面拡大図、図15は図1のクランク軸に設けた第1の給油孔を含めて設けられた第2のオイルポケット部を示す図、図16は図15のD−D拡大断面図である。
図9に示す密閉形圧縮機の組み込み状態において、クランク軸6の先端から飛散する潤滑油は球座8aの潤滑に供給され、ボールジョイント部13の摺動信頼性を確保できる。即ち、シャフト5を通りクランク軸6の内部に設けられた孔6aを通じて油溜りから引き上げられた潤滑油はクランク軸6の先端から飛散する。飛散した潤滑油の一部は、コネクティングロッド9のロッド部10に沿ってピストン8の内側に向かって流れる。ピストン8の内側に飛んできた潤滑油は、ピストン8の穴8cに沿い、挿入溝8dと球体11の平面カット部11aとで形成された空間14に流れ込む。更に、本実施例では、空間14に通じる球座8aと平面カット部11aとからなる空間にまで飛散した潤滑油が到達することで、球座8aに潤滑油が供給される。
ボールジョイント部13への給油は、本実施例に於いては、上述したクランク軸6の上端からの飛散によるものの他に、直接ボールジョイント部13に強制的に潤滑油を供給する次の3つの手段がある。
先ず、一つ目はシャフト5内の螺旋状溝等によりクランク軸6に掲げられた潤滑油をボールジョイント部13に供給する手段である。
これは図9に示す如く、クランク軸6に第1の給油孔19を設けると共にコネクティングロッド9に第2の給油孔18を設けクランク軸6が一回転する過程でコネクティングロッド9側の第2の給油孔18と第1の給油孔19とが一致した時、クランク軸6側よりコネクティングロッド9側に給油され、この給油された潤滑油がコネクティングロッド9先端の球体部11に連なる第2の給油孔18より球座8aと球体部11が摺動するボールジョイント部13に給油する手段である。
この第1の手段を採用することによりボールジョイント部13への潤滑油給油は十分に行なわれるものであるが、ボールジョイント部13全体に油膜を形成させると云う点では不十分な点もあった。何故ならば、ボールジョイント部13を形成する球体部11と球座8a間のクリアランスは2〜5ミクロンと非常に小さい為、ここに第2の給油孔18より出た潤滑油を送り、全体に行きわたらせると云うにしては、第2の給油孔18の径3mm程度では小さ過ぎるものであった。もともと冷蔵庫等に使用される密閉形圧縮機のコネクティングロッド9の直径は6mm前後である為、強度上の理由で第2の給油孔18は当然3mm程度となってしまう。この3mm程度で10mm以上ある球体部11を含むボールジョイント部13全体に潤滑油を行きわたらせるのは難しい。
そこで、本実施例では、第2の手段として、球座8aと球体部11との間に第2の給油孔18より出た潤滑油を一時溜めるオイルポケットを設けたものである。具体的には、第2の給油孔18の開口に対応する球座8aに開口寸法を第2の給油孔18の直径3mmの倍以上に相当する6mmの凹部となるオイルポケット20を形成したものである。このオイルポケット20の形成によりボールジョイント部13への潤滑油の供給はほぼ達成され、前記クリアランス部全体に油膜が形成されるものである。
尚、このオイルポケット20を設けることにより球座8aの形成が容易になることは先に説明した通りである。
この第2の手段を更に補強することにより更なる効率向上が計れる手段もある。これが第3の手段である。即ち、球体部11の外表面に給油溝17を形成する手段である。この給油溝17は図13、図14に示す如く幅1.5mm程度で深さ1mm位の溝を球体部11の外表面に形成したものである。
この給油溝17とオイルポケット20との関係は、図9〜図14に示す如く、ボールジョイント部13をまんべんなく給油するものである。即ち、この給油溝17は、ピストン8とシリンダ7との関係を吸込工程と圧縮工程とに分けた時、吸込工程で給油溝17がオイルポケット20の開口内に入り圧縮工程に入るとオイルポケット20より外れる位置に設けることにより、オイルポケット20内の潤滑油を圧縮工程の負荷のかかる時にボールジョイント部13に給油し油膜切れを起させないようにしたものである。
これを図10〜図12に於いて説明する。図10はボールジョイント部13への給油を開始する寸前を示す図で、図11はボールジョイント部13への給油を行なっている状態を示す図、図12はボールジョイント部13への給油を終了した瞬間を示す図である。勿論、ピストン8はコネクティングロッド9を介し、クランク軸6に接続されていることより、コネクティングロッド9及びクランク軸6は図10〜図12の如く可変する。図では圧縮工程中である0〜197度及び343度〜360度までを省略し、オイルポケット20より給油溝17にどのようにして給油するのかを中心に説明する。
先ず、図10の吸込開始前では給油溝17はオイルポケット20より外れている。又、この時にはクランク軸6に設けた第1の給油孔19とコネクティングロッド9に設けられた第2の給油孔18とは図に示す如く不一致の状態にある。従って、オイルポケット20にはこの段階では新しい潤滑油は供給されていない状態にある。
これが図11の如くクランク軸6の回転角度が198度になると、給油溝17はオイルポケット20内に入ってくる。この段階では、まだ第1給油孔19と第2給油孔18とが連通していないことより、オイルポケット20内には十分な潤滑油は存在していないが、クランク軸6の回転角度で235度〜315度になると、オイルポケット20にクランク軸6側より潤滑油が供給される。この供給された潤滑油がオイルポケット20内に一杯になると、潤滑油は給油溝17の中に入り込み次の動きに備える。
そして、図12の如く、第1給油孔19及び第2の給油孔18と給油溝17とオイルポケット20との連通が解除される圧縮工程に入ると、給油溝17中の潤滑油だけがボールジョイント部13を給油することとなる。そして、圧縮工程が終わると再び吸込工程に入ると云う動きを繰り返すものである。
クランク軸6に設ける第1給油孔19の周囲に、図10に示す如き第2のオイルポケット16を設けておくことにより第2の給油孔18との連通時間を増し、給油量を更に確保することができるものである。
本実施例は以上説明した如き構成を有するものであるから、次の如き効果を有するものである。
即ち、電動機からの回転力を伝えるクランク軸と、クランク軸側に球面部を有する球座を備えたピストンと、一端に前記球座に接続する球体部と他端に前記クランク軸に嵌合するリング部とそのリング部と前記球体部とを繋ぐロッド部とを有するコネクティングロッドと、密閉容器内に貯留される潤滑油と、を有し、前記クランク軸を通して前記潤滑油を供給するようにした密閉形圧縮機に於いて、前記クランク軸に第1の給油孔を設け、前記コネクティングロッドに前記第1の給油孔から出た潤滑油を前記球座に供給する第2の給油孔を設け、前記球座と前記球体部との間に前記第2の給油孔より出た潤滑油を一時溜めるオイルポケットを設けたものであるから、潤滑油を給油孔を通してオイルポケットに直接供給し、コネクティングロッド側の球体部とピストン側の球座間の摺動部をオイルポケット内の潤滑油で潤滑することができ、摺動部が油膜切れによって焼結してしまうことを防止することができるので、信頼性に優れた密閉形圧縮機が得られるものである。又、係る摺動部への潤滑油の供給に特別な部材を必要としないので、原価的にも有利な構造で、効率の良い密閉形圧縮機が得られるものである。
又、球座に設けた凹部によりオイルポケットを構成したものであるから、オイルポケットを簡単に形成することができる。
又、オイルポケットの開口を第2の給油孔の孔径より大きくしたものであるから、ピストン側の球座内をコネクティングロッド側の球体部が摺動する時、オイルポケット内の潤滑油と接触する面が拡大することとなり、摺動部への潤滑油まわりが一段と向上するものである。
又、球座と球体部との間に設けたオイルポケットを第1のオイルポケットとし、クランク軸或いはリング部の何れかを利用して第2のオイルポケットを第1の給油孔を含むように形成したものであるから、クランク軸一回転に一回連通する第2の給油孔への潤滑油の供給が行なわれ際に、第2のオイルポケットから第2の給油孔を通して第1のオイルポケットに十分な潤滑油を供給することができるものである。
又、第2のオイルポケットをクランク軸の肉厚内で形成したものであるから、クランク軸に設ける第1の給油孔加工時に第2のオイルポケットも同時加工等できるので生産性が良く、且つ特別な部品を用いることがないので原価的にも有利なものとすることができる。
又、球座内を摺動する球体部の外表面にオイルポケットに連通する給油溝を設けたものであるから、球座と球体部との摺動部に給油構を介して潤滑油が供給されるので、油膜切れをより一層確実に防止することができるものである。
又、ピストン及びコネクティングロッドの運動に伴って給油溝がオイルポケットと球座外部とを間欠的に連通されるように構成したものであるから、オイルポケットに貯留された潤滑油を少しずつ外部に排出して新鮮な潤滑油と入れ替えることができ、この点からも摺動特性を向上することができるものである。
又、給油溝とオイルポケットとをピストンのガス吸込工程で連通し、ガス圧縮工程でその連通が解除する位置関係としたものであるから、負荷のかかる圧縮工程時に球座と球体部との摺動部に潤滑油を供給することができるので、ボールジョイント部の潤滑油が入れ替りやすく抜けにくい構造とすることができ、信頼性を大幅に向上することができるものである。
又、球体刃物の中心部によって加工されるピストン側球座の球面部にコネクティングロッドの球体部が摺動時、接触しないよう球座に凹状オイルポケットを形成したものであるから、球座と球体部との摺動により、球座或いは球体部が損傷することがないものである。
更には、凹状のオイルポケット20を球座8a奥側の中央部分に設けているため、コネクティングロッド9のボールジョイント部13が、球座8aの中でも加工精度の劣る部分と摺動することによって生ずる摩耗を低減することができる。また、ボールジョイント部(球体部)13の先端に第2の給油孔18を設けられ、摺動による摩耗が最も生じやすい球体部の先端が、真球形状よりも予め凹まされた形状となっているため、球座8a内の加工精度の劣る部分と球体部との摺動を避けることができ、摩擦によるボールジョイント部13の劣化を低減することができる。
本発明に係る密閉形圧縮機の一実施例を示す縦断面図である。 図1のピストンの形状を示す縦断面図である。 図2のピストンを矢印方向から見た側面図である。 図1のコネクティングロッドとクランクシャフトを組み合わせた一例を示す側断面図である。 図1のピストンとコネクティングロッドの組立方法の最初の工程を示す図である。 図5のA−A断面図である。 図5の次の工程を示す図である。 図7のB−B断面図である。 図1のボールジョイント部への給油方法を示す縦断面図である。 図1のボールジョイント部への給油を開始する寸前を示す図である。 図1のボールジョイント部への給油機構の変遷を示す図である。 図1のボールジョイント部への給油を終了した瞬間を示す図である。 図1のコネクティングロッドの球体部外表面に給油溝を設けた図である。 図13のC−C断面拡大図である。 図1のクランク軸に設けた第1の給油孔を含めて設けられた第2のオイルポケット部を示す図である。 図15のD−D拡大断面図である。 従来の密閉形圧縮機の縦断面図である。 図17に使われているコネクティングロッドとピストンとの結合関係を示す図である。 図18で結合したコネクティングロッドとピストンとの関係を示す図である。 ピストン側に形成される球座の加工方法を示す図である。
符号の説明
1…密閉容器、2…電動機、3…圧縮機構部、4…フレーム、5…シャフト、6…クランク軸、6a…孔、7…シリンダ、8…ピストン、8a…球座、8b…小径の開口部、8c…傘状に拡大した穴、8d…挿入溝、8e…底部、9…コネクティングロッド、10…ロッド部、11…球体部、11a…平面カット部、12…リング部、12a…端面、13…ボールジョイント部、14…空間、16…第2のオイルポケット、17…油溝、18…第2の給油孔、19…第1の給油孔、20…オイルポケット(第1のオイルポケット)

Claims (1)

  1. 電動機からの回転力を伝えるクランク軸と、
    クランク軸側に球面部を有する球座を備えたピストンと、
    一端に前記球座に接続する球体部と他端に前記クランク軸に嵌合するリング部とそのリング部と前記球体部とを繋ぐロッド部とを有するコネクティングロッドと、
    密閉容器内に貯留される潤滑油と、を有し、
    前記クランク軸を通して前記潤滑油を供給するようにした密閉形圧縮機に於いて、
    前記クランク軸に第1の給油孔を設け、
    前記コネクティングロッドに前記第1の給油孔から出た潤滑油を前記球座に供給する第2の給油孔を設け、
    前記球座に設けた凹部により前記第2の給油孔より出た潤滑油を一時溜める第1のオイルポケットを設け、
    前記クランク軸の外周面に前記第1の給油孔に連通する第2のオイルポケットを形成し、
    前記球座内を摺動する前記球体部の先端は真球形状よりも凹んだ形状であって、且つ該球体部の上下面は球形から所定範囲を除去した平面カット部を有しており、該球体部の外表面に前記第1のオイルポケットに連通すると共に該平面カット部まで延びる給油溝を設け
    前記ピストン及び前記コネクティングロッドの運動に伴って前記給油溝が前記第1のオイルポケットと間欠的に連通するように構成し、
    前記ピストンのガス吸込工程で、前記給油溝と前記第1のオイルポケットとを連通すると共に前記第2のオイルポケットと前記第2の給油孔とを連通し、ガス圧縮工程で、前記給油溝と前記第1のオイルポケットとの連通及び前記第2のオイルポケットと前記第2の給油孔との連通を解除して、且つ該給油溝内の潤滑油を前記球座と前記球体部との間に給油するように構成した
    ことを特徴とする密閉形圧縮機。
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