JP4649912B2 - 光学装置、光学装置組立体、光学装置集合体、光学素子固定手段、光学装置部品、光学装置の製造方法、及び、光学装置の組立方法 - Google Patents

光学装置、光学装置組立体、光学装置集合体、光学素子固定手段、光学装置部品、光学装置の製造方法、及び、光学装置の組立方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学装置、光学装置組立体、光学装置集合体、光学素子固定手段、光学装置部品、光学装置の製造方法、光学装置の組立方法、光学素子固定手段の製造方法、及び、光学装置部品の製造方法に関する。
発光素子とレンズから構成された光学装置(以下、便宜上、発光光学装置と呼ぶ)、受光素子とレンズから構成された光学装置(以下、便宜上、受光光学装置と呼ぶ)、発光光学装置及び受光光学装置から構成された光学装置組立体として、例えば、特開2002−243503等に開示された各種の光学装置、光学装置組立体が周知である。
光学装置組立体が、例えば、ロータリエンコーダから成る場合、係る光学装置組立体は、更に、回転あるいは回動可能なコード板を備えており、このコード板は、発光光学装置と受光光学装置との間に配置されている。そして、発光光学装置から射出された光が、コード板を通過し、受光光学装置によって受光されることで、コード板に形成されたパターンが受光光学装置によって読み取られ、位置検出を行うことができる。
ロータリエンコーダを組み込むべき機器を小型化する場合、当然のことながら、ロータリエンコーダそれ自体も小型化する必要がある。例えば小型ロボットへ組み込むべきロータリエンコーダとして、例えば、直径25mm、厚さ(奥行き)2mm程度のものが要求される。また、ロータリエンコーダの高性能化(高分解能化)も強く要求される。
通常、発光光学装置あるいは受光光学装置にあっては、例えばレンズから成る光学素子が光学素子固定手段に固定され、更に、発光ダイオード等の発光素子、あるいは、フォトダイオード等の受光素子が、光学素子固定手段に取り付けられている。
特開2002−243503
ところで、発光光学装置や受光光学装置の高性能化に伴い、光学素子固定手段に対する光学素子の位置決めに高い精度が要求される。然るに、発光光学装置や受光光学装置が小型化されるに従い、光学素子及び光学素子固定手段も小型化される結果、光学素子固定手段に対する光学素子の位置決め(アライメント)を高い精度で行うことが困難となり、あるいは又、位置決めに非常にコストが必要とされる状況となっている。また、光学素子固定手段に対して、高い位置決め精度にてフォトダイオード等の受光素子を固定することも困難となり、あるいは又、位置決めに非常にコストが必要とされる状況となっている。更には、均一、均質な光学素子固定手段を低コストにて量産することへの要望も強い。
従って、本発明の目的は、例えばレンズといった光学素子を光学素子固定手段に高い位置決め精度にて固定し得る構造を有する光学装置、係る光学装置から成る光学装置組立体、係る光学装置の複数から成る光学装置集合体、係る光学装置を構成する光学素子固定手段、係る光学装置を構成する光学装置部品、係る光学装置の製造方法、係る光学装置の組立方法、係る光学装置を構成する光学素子固定手段の製造方法、及び、係る光学装置を構成する光学装置部品の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の光学装置は、
(A)光学素子、
(B)光学素子固定手段、
(C)光学素子抑え部材、並びに、
(D)発光若しくは受光を行う発光/受光部、
を備えた光学装置であって、
(a)光学素子固定手段は、第1面、及び、該第1面に対向した第2面を有し、
(b)光学素子固定手段の内部には、第1面に開口した光学素子載置領域が形成されており、
(c)光学素子載置領域には、少なくとも2つの載置部材が設けられており、
(d)少なくとも1つの載置部材は、変位部を有しており、
(e)第1面には、光学素子載置領域を覆うように、光学素子抑え部材が固定されており、
(f)第2面には、発光/受光部が配されており、
(g)光学素子抑え部材と載置部材との間に光学素子が配置されることによって、変位部を有する載置部材の変位部が変位し、以て、発光/受光部の軸線と光学素子の軸が同軸に位置する、
ことを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明の光学装置組立体は、
第1の光学装置、第2の光学装置、及び、第1の光学装置と第2の光学装置との間に配置された位置測定手段から成る光学装置組立体であって、
第1の光学装置は、
(A−1)光学素子、
(B−1)光学素子固定手段、
(C−1)光学素子抑え部材、並びに、
(D−1)発光を行う発光部、
を備え、
(a−1)光学素子固定手段は、第1面、及び、該第1面に対向した第2面を有し、
(b−1)光学素子固定手段の内部には、第1面に開口した光学素子載置領域が形成されており、
(c−1)光学素子載置領域には、少なくとも2つの載置部材が設けられており、
(d−1)少なくとも1つの載置部材は、変位部を有しており、
(e−1)第1面には、光学素子載置領域を覆うように、光学素子抑え部材が固定されており、
(f−1)第2面には、発光部が配されており、
(g−1)光学素子抑え部材と載置部材との間に光学素子が配置されることによって、変位部を有する載置部材の変位部が変位し、以て、発光部の軸線と光学素子の軸が同軸に位置し、
第2の光学装置は、
(A−2)光学素子、
(B−2)光学素子固定手段、
(C−2)光学素子抑え部材、並びに、
(D−2)受光を行う受光部、
を備え、
(a−2)光学素子固定手段は、第1面、及び、該第1面に対向した第2面を有し、
(b−2)光学素子固定手段の内部には、第1面に開口した光学素子載置領域が形成されており、
(c−2)光学素子載置領域には、少なくとも2つの載置部材が設けられており、
(d−2)少なくとも1つの載置部材は、変位部を有しており、
(e−2)第1面には、光学素子載置領域を覆うように、光学素子抑え部材が固定されており、
(f−2)第2面には、受光部が配されており、
(g−2)光学素子抑え部材と載置部材との間に光学素子が配置されることによって、変位部を有する載置部材の変位部が変位し、以て、受光部の軸線と光学素子の軸が同軸に位置し、
光学装置組立体において、
第1の光学装置を構成する発光部の軸線と光学素子の軸、及び、第2の光学装置を構成する受光部の軸線と光学素子の軸は同軸に位置し、
第1の光学装置における光学素子抑え部材と、第2の光学装置における光学素子抑え部材との間に位置測定手段が配置されている、
ことを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明の光学装置集合体は、
(A)光学素子、
(B)光学素子固定手段、並びに、
(C)光学素子抑え部材、
を備えた光学装置が、複数、アレイ状に配列されて成る光学装置集合体であって、
光学装置を構成する光学素子固定手段は、第1面、及び、該第1面に対向する第2面を有するウエハに形成されており、
各光学装置において、
(a)光学素子固定手段の内部には、ウエハの第1面に開口した光学素子載置領域が形成されており、
(b)光学素子載置領域には、少なくとも2つの載置部材が設けられており、
(c)少なくとも1つの載置部材は、変位部を有しており、
(d)ウエハの第1面には、光学素子載置領域を覆うように、光学素子抑え部材が固定されており、
(e)変位部を有する載置部材の変位部が変位することによって第2面に配される発光/受光部の軸線と光学素子の軸が同軸に位置されるように、光学素子が載置部材に載置される、
ことを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明の光学素子固定手段は、光学素子を保持し、発光若しくは受光を行う発光/受光部が配される光学素子固定手段であって、
(a)第1面、及び、該第1面に対向した第2面を有し、
(b)その内部には、第1面に開口した光学素子載置領域が形成されており、
(c)光学素子載置領域には、少なくとも2つの載置部材が設けられており、
(d)少なくとも1つの載置部材は、変位部を有しており、
(e)変位部を有する載置部材の変位部が変位することによって第2面に配される発光/受光部の軸線と光学素子の軸が同軸に位置されるように、光学素子が載置部材に載置される、
ことを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明の光学装置部品は、
(A)光学素子を固定する光学素子固定手段、及び、
(B)発光若しくは受光を行う発光/受光部、
を備えた光学装置部品であって、
(a)光学素子固定手段は、第1面、及び、該第1面に対向した第2面を有し、
(b)光学素子固定手段の内部には、第1面に開口した光学素子載置領域が形成されており、
(c)光学素子載置領域には、少なくとも2つの載置部材が設けられており、
(d)少なくとも1つの載置部材は、変位部を有しており、
(e)第2面には、発光/受光部が配されており、
(f)変位部を有する載置部材の変位部が変位することによって第2面に配された発光/受光部の軸線と光学素子の軸が同軸に位置されるように、光学素子が載置部材に載置される、
ことを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明の光学装置の製造方法は、
(A)光学素子、
(B)光学素子固定手段、
(C)光学素子抑え部材、並びに、
(D)発光若しくは受光を行う発光/受光部、
を備えた光学装置の製造方法であって、
(a)第1面、及び、該第1面に対向する第2面を有し、内部にSiO2層が形成されたシリコン半導体基板の第1面にエッチング用マスクを形成した後、該エッチング用マスクを使用してシリコン半導体基板を第1面側からエッチングし、以て、
(1)内部に、第1面に開口した光学素子載置領域が形成され、
(2)光学素子載置領域には、少なくとも2つの載置部材が設けられ、
(3)少なくとも1つの載置部材は、変位部を有する、
光学素子固定手段を形成し、次いで、
(b)載置部材に光学素子を載置した後、光学素子載置領域を覆うように第1面に光学素子抑え部材を固定することで、変位部を有する載置部材の変位部を変位させ、以て、発光/受光部の軸線と光学素子の軸を同軸に位置させる、
ことを特徴とする。
本発明の光学装置の製造方法にあっては、発光/受光部は1又は複数のフォトダイオードから成り、光学素子固定手段の形成に併せてシリコン半導体基板の第2面に発光/受光部を形成する形態とすることができる。ここで、光学素子固定手段を形成した後、シリコン半導体基板の第2面に発光/受光部を形成してもよいし、シリコン半導体基板の第2面に発光/受光部を形成した後、光学素子固定手段を形成してもよいし、光学素子固定手段の形成工程の途中で、シリコン半導体基板の第2面に発光/受光部を形成してもよい。
上記の目的を達成するための本発明の光学装置の組立方法は、
(A)光学素子、
(B)光学素子固定手段、
(C)光学素子抑え部材、並びに、
(D)発光若しくは受光を行う発光/受光部、
を備え、
(a)光学素子固定手段は、第1面、及び、該第1面に対向した第2面を有し、
(b)光学素子固定手段の内部には、第1面に開口した光学素子載置領域が形成されており、
(c)光学素子載置領域には、少なくとも2つの載置部材が設けられており、
(d)少なくとも1つの載置部材は、変位部を有しており、
(e)第2面には、発光/受光部が配されている、
光学装置の組立方法であって、
載置部材に光学素子を載置した後、光学素子載置領域を覆うように第1面に光学素子抑え部材を固定することで、変位部を有する載置部材の変位部を変位させ、以て、発光/受光部の軸線と光学素子の軸を同軸に位置させる、
ことを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明の光学素子固定手段の製造方法は、光学素子を固定するための光学素子固定手段の製造方法であって、
第1面、及び、該第1面に対向する第2面を有し、内部にSiO2層が形成されたシリコン半導体基板の第1面にエッチング用マスクを形成した後、該エッチング用マスクを使用してシリコン半導体基板を第1面側からエッチングし、以て、
(1)内部に、第1面に開口した光学素子載置領域が形成され、
(2)光学素子載置領域には、少なくとも2つの載置部材が設けられ、
(3)少なくとも1つの載置部材は、変位部を有する、
光学素子固定手段を形成することを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明の光学装置部品の製造方法は、
(A)光学素子を固定する光学素子固定手段、及び、
(B)受光を行う受光部、
を備えた光学装置部品の製造方法であって、
第1面、及び、該第1面に対向する第2面を有し、内部にSiO2層が形成されたシリコン半導体基板の第1面にエッチング用マスクを形成した後、該エッチング用マスクを使用してシリコン半導体基板を第1面側からエッチングし、以て、
(1)内部に、第1面に開口した光学素子載置領域が形成され、
(2)光学素子載置領域には、少なくとも2つの載置部材が設けられ、
(3)少なくとも1つの載置部材は、変位部を有する、
光学素子固定手段を形成し、併せて、シリコン半導体基板の第2面に受光部を形成することを特徴とする。
本発明の光学装置部品の製造方法にあっては、光学素子固定手段を形成した後、シリコン半導体基板の第2面に受光部を形成してもよいし、シリコン半導体基板の第2面に受光部を形成した後、光学素子固定手段を形成してもよいし、光学素子固定手段の形成工程の途中で、シリコン半導体基板の第2面に発光/受光部を形成してもよい。
本発明の光学装置、光学装置組立体、光学装置集合体、光学素子固定手段、光学装置部品、光学装置の製造方法、光学装置の組立方法、光学素子固定手段の製造方法、あるいは、光学装置部品の製造方法(以下、これらを総称して、単に、本発明と呼ぶ場合がある)において、光学素子載置領域には、少なくとも2つの載置部材が設けられており、その内の少なくとも1つの載置部材は変位部を有しているが、載置部材の総数をTL、変位部を有する載置部材(以下、変位載置部材と呼ぶ場合がある)の数をAとしたとき、TLとAとの関係を以下の表1に例示する。尚、(TL−A)の値は、光学素子固定手段に固定された載置部材(変位部を有さない載置部材であり、以下、固定載置部材と呼ぶ場合がある)の数である。
[表1]
TL A
2 1又は2
3 1,2又は3
4 2,3又は4
5 3,4又は5
6 4,5又は6
本発明において、少なくとも1つの載置部材は、その一端あるいは両端が光学素子固定手段に固定されているが、ここで、載置部材の一端あるいは両端が光学素子固定手段に固定されているとは、より具体的には、光学素子固定手段から載置部材が一体的に延びている状態を指す。変位載置部材の変位部は、光学素子の軸と直交する仮想平面内において、光学素子の軸から離れる方向に変位する。
一方、固定載置部材の構造として、光学素子載置領域において光学素子固定手段から突出した突出部(段差部)を挙げることができ、あるいは又、光学素子載置領域における光学素子固定手段の側壁(内壁)を挙げることができる。
本発明においては、発光/受光部(あるいは、発光部、受光部)の軸線と光学素子の軸は同軸に位置するが、載置部材の形成精度に依っては、厳密な意味で同軸に位置しない場合もあるが、載置部材の形成における加工バラツキ内において、発光/受光部(あるいは、発光部、受光部)の軸線と光学素子の軸とが同軸に位置しなくなっても、発光/受光部(あるいは、発光部、受光部)の軸線と光学素子の軸とは「同軸に位置する」とする。
本発明(本発明の光学装置組立体を除く)において、また、本発明の光学装置組立体における第1の光学装置あるいは第2の光学装置において、光学素子載置領域には少なくとも2つの載置部材が設けられているが、載置部材が光学素子の軸に関して対称性を有することは、必須ではない。但し、光学素子と接するTL個の載置部材の部分(光学素子と点接触している載置部材の部分、あるいは、光学素子と微小の線接触あるいは面接触している載置部材の部分)は、円周上に位置することが望ましく、この円の中心が光学素子の軸を通ることが望ましい。また、構造上の安定性、設計・製造の簡素化といった観点からは、以下に説明するように、載置部材が光学素子の軸に関して対称性を有することが好ましい。
即ち、本発明(本発明の光学装置組立体を除く)にあっては、また、本発明の光学装置組立体における第1の光学装置あるいは第2の光学装置においては、変位部を有する載置部材は、その一端が光学素子固定手段に固定された片持梁構造を有する形態とすることができる。そして、この場合、光学素子載置領域には、M個(但し、M≧3)の載置部材が設けられており;M個の載置部材は、片持梁構造を有し;M個の載置部材は、光学素子の軸に関して対称性を有するように配置されている構成とすることができ、更には、M個の載置部材は、光学素子の軸に対してM回の回転対称となるように配置され、あるいは又、M個の載置部材は、光学素子の軸を含む仮想平面に対して鏡面対称となるように配置されている構成とすることができる。Mの値の上限には特に制限はないが、Mの上限は、好ましくは「6」程度である。変位部を有する載置部材が片持梁構造を有することによって、変位部を有する載置部材の変位部を確実に変位させることができる。
あるいは又、本発明(本発明の光学装置組立体を除く)にあっては、また、本発明の光学装置組立体における第1の光学装置あるいは第2の光学装置においては、変位部を有する載置部材は、その両端が光学素子固定手段に固定された梁構造を有する形態とすることができる。そして、この場合、光学素子載置領域には、N個の(但し、N≧2)の載置部材が設けられており;N個の載置部材は、梁構造を有し;N個の載置部材は、光学素子の軸に関して対称性を有するように配置されている構成とすることができる。ここで、N個の載置部材は、光学素子の軸に対してN回の回転対称となるように配置され、あるいは又、N個の載置部材は、光学素子の軸を含む仮想平面に対して鏡面対称となるように配置されている構成とすることができる。Nの値の上限には特に制限はないが、Nの上限は、好ましくは「6」程度である。変位部を有する載置部材が梁構造を有することによって、変位部を有する載置部材の変位部を確実に変位させることができる。
尚、本発明の光学装置組立体においては、
(1)第1の光学装置における変位部を有する載置部材が片持梁構造を有し、第2の光学装置における変位部を有する載置部材も片持梁構造を有する形態
(2)第1の光学装置における変位部を有する載置部材が梁構造を有し、第2の光学装置における変位部を有する載置部材が片持梁構造を有する形態
(3)第1の光学装置における変位部を有する載置部材が片持梁構造を有し、第2の光学装置における変位部を有する載置部材が梁構造を有する形態
(4)第1の光学装置における変位部を有する載置部材が梁構造を有し、第2の光学装置における変位部を有する載置部材も梁構造を有する形態
のいずれとすることもできる。
本発明の光学装置、光学素子固定手段、あるいは、光学装置部品における光学素子固定手段は、内部にSiO2層が形成されたシリコン半導体基板から作製されていることが好ましく、本発明の光学装置集合体におけるウエハは、内部にSiO2層が形成されたシリコン半導体基板であることが好ましく、また、本発明の光学装置組立体において、第1の光学装置の光学素子固定手段は内部にSiO2層が形成されたシリコン半導体基板から作製されており、第2の光学装置の光学素子固定手段も内部にSiO2層が形成されたシリコン半導体基板から作製されていることが好ましい。このように、内部にSiO2層が形成されたシリコン半導体基板から光学素子固定手段を作製することで、片持梁構造あるいは梁構造を有する載置部材を、確実に、且つ、容易に作製、形成することができる。
本発明において、内部にSiO2層が形成されたシリコン半導体基板あるいはウエハの製造方法は、如何なる方法とすることもでき、直接貼合せ法、静電接着法、イオン注入法(SIMOX法)、アノーディックボンディング法、スマートカット法、SODIC法、グラフォエピタキシャル法、横方向レーザアニーリング法、多結晶堆積法、SOS法、ELTRAN法、誘電体分離基板構成法、FIPOS法を例示することができる。
本発明(本発明の光学装置組立体を除く)において、光学素子は球状のレンズから成る構成とすることができ、本発明の光学装置組立体において、第1の光学装置及び/又は第2の光学装置における光学素子は球状のレンズから成る構成とすることができる。但し、光学素子は球状のレンズに限定するものではなく、通常の凸レンズや凹レンズ、フレネルレンズ、回折格子、アパーチャから構成することもできる。
本発明の光学装置、光学装置部品、光学装置の製造方法、光学装置の組立方法、あるいは、光学装置部品の製造方法にあっては、発光/受光部は、光学素子固定手段の第2面に取り付けられている構成とすることができる。また、本発明の光学装置組立体にあっては、発光部は、光学素子固定手段の第2面に取り付けられている構成とすることができる。但し、このような構成に限定されるものではなく、発光/受光部あるいは発光部と光学素子固定手段の第2面とを光ファイバ等で接続してもよい。そして、光学素子固定手段の第2面に取り付けられている構成とする場合、限定するものではないが、光学素子固定手段の第2面から光学素子載置領域まで、光学素子固定手段には貫通孔が形成されていることが好ましい。あるいは又、光学素子固定手段の第2面に取り付けられている構成とする場合、発光/受光部あるいは発光部は、1又は複数の発光素子、具体的には、1又は複数の発光ダイオード(LED)あるいは半導体レーザから成ることが好ましい。尚、発光/受光部あるいは発光部が複数の発光素子から構成されている場合、発光/受光部あるいは発光部の軸線とは、複数の発光素子の中心を通る軸線である。発光素子は、バルク状であってもよいし、チップ状であってもよい。
あるいは又、本発明の光学装置、光学装置部品にあっては、発光/受光部は、光学素子固定手段の第2面に形成されている構成とすることができる。また、本発明の光学装置組立体にあっては、受光部は、光学素子固定手段の第2面に形成されている構成とすることができる。但し、このような構成に限定されるものではなく、発光/受光部あるいは受光部と光学素子固定手段の第2面とを光ファイバ等で接続してもよいし、発光/受光部あるいは受光部を光学素子固定手段の第2面に取り付けられていてもよい。そして、光学素子固定手段の第2面に形成されている構成の場合、発光/受光部あるいは受光部は、1又は複数の受光素子、具体的には、1又は複数のフォトダイオードから成ることが好ましい。
一方、本発明の光学装置集合体において、各光学装置は受光部を更に備え、各光学装置において、受光部の軸線と光学素子の軸は同軸に位置する構成とすることができる。そして、この場合、受光部はウエハの第2面に形成されていることが好ましく、更には、受光部は、1又は複数の受光素子、具体的には、1又は複数のフォトダイオードから成ることが好ましい。
また、先に説明したように、本発明の光学装置の製造方法、光学装置の組立方法、光学装置部品の製造方法においては、発光/受光部(あるいは受光部)は、1又は複数の受光素子、具体的には、1又は複数のフォトダイオードから成ることが好ましく、更には、光学素子固定手段の形成に併せて、シリコン半導体基板の第2面に発光/受光部(あるいは受光部)を形成することが好ましい。ここで、光学素子固定手段の形成に併せてシリコン半導体基板の第2面に発光/受光部(あるいは受光部)を形成する構成として、先に説明したように、光学素子固定手段を形成した後にシリコン半導体基板の第2面に発光/受光部(あるいは受光部)を形成する構成、シリコン半導体基板の第2面に発光/受光部(あるいは受光部)を形成した後に光学素子固定手段を形成する構成、光学素子固定手段を形成する工程の途中でシリコン半導体基板の第2面に発光/受光部(あるいは受光部)を形成する構成を挙げることができる。
尚、フォトダイオードとして、pn接合型、pin型、ショットキ接合型を挙げることができる。あるいは又、受光素子として、光導電型素子、フォトトランジスタ、フォトサイリスタを挙げることもできる。ウエハの第2面に形成されていない場合、受光素子は、バルク状であってもよいし、チップ状であってもよい。
本発明の光学装置集合体において、1つの光学素子抑え部材が、全ての光学装置の光学素子載置領域を覆うように、ウエハの第1面に固定されている構成とすることができる。あるいは又、光学装置集合体を構成する光学装置の数よりは少ない数の光学素子抑え部材で全ての光学装置の光学素子載置領域が覆われるように、光学素子抑え部材がウエハの第1面に固定されている構成とすることもできる。
本発明において、光学素子抑え部材はガラス板から成ることが好ましい。光学素子抑え部材は光学素子載置領域を覆っているが、光学素子抑え部材は、光学素子載置領域の全面を覆っていてもよいし、部分的に覆っていてもよい。要は、光学素子抑え部材と載置部材との間に光学素子を配置し、光学素子抑え部材によって光学素子載置領域が覆われた状態となったとき、光学素子抑え部材によって光学素子に第2面の方向に向かう圧力が加わる状態が達成できればよい。第1面への光学素子抑え部材の固定方法として、光学素子抑え部材がガラス板から成る場合、陽極接合法を挙げることができる。
本発明における光学装置の具体例として、インクリメント型あるいはアブソリュート型のロータリエンコーダの構成部品、リニアエンコーダの構成部品、レーザポインターの構成部品、光マイクロメータの構成部品、バーコードリーダーの構成部品、加速度センサの構成部品を挙げることができる。
また、本発明の光学装置組立体の具体例として、インクリメント型あるいはアブソリュート型のロータリエンコーダ、リニアエンコーダを例示することができる。エンコーダの分解能は、発光部、受光部を構成する発光素子、受光素子の数に依存し、例えば、12ビット、20ビットを例示することができる。
そして、本発明の光学装置組立体において、回転、回動あるいは直線状に移動可能な位置測定手段(スケール)として、所謂M系列と呼ばれるパターンが形成されたパルス円板、所謂グレイコードと呼ばれるパターンが形成されたパルス円板、回折格子や位相グレーティングが形成されたもの、2枚のスリット板(メインスケールとインデックススケール)から構成されたもの、2組のスリット列を有するものを挙げることができる。
本発明における光学装置にあっては、1つの光学装置における発光/受光部を発光素子から構成し、隣接したもう1つの光学装置における発光/受光部を受光素子から構成し、これら2つの光学装置を共通のシリコン半導体基板に作り込む構成とすることもできる。そして、この場合、シリコン半導体基板に折り曲げ部を設けて、シリコン半導体基板を折り曲げることで、2つの光学装置を一体的に製造することができ、しかも、1つの光学装置における光学素子の軸と、もう1つの光学装置における光学素子の軸とを、同軸に位置させることができる。
本発明において載置部材が片持梁構造を有する場合、載置部材の垂直方向(光学素子の軸と平行な方向)におけるバネ定数kZが、載置部材の水平方向(光学素子の軸と垂直な方向)におけるバネ定数kXよりも十分に大きければ、載置部材は、垂直方向ではなく、水平方向にのみ変位する。図6に示すように、片持梁構造を有する載置部材の高さ(光学素子の軸と平行な方向に沿った長さ)をh、幅(光学素子の軸と垂直な面で切断したときの厚さ)をb、光学素子の軸と垂直な面で切断したときの長さをL、載置部材を構成する材料のヤング率をEとしたとき、バネ定数kZ,kX、及び、kZ/kXの値は、以下の式で表される。
X=(Ehb3)/(4L3
Z=(Ebh3)/(4L3
Z/kX=(h/b)2
従って、例えば、h=10bとすれば、kZ/kX=100となる。
本発明においては、少なくとも1つの載置部材は変位部を有しており、この変位部を有する載置部材の変位によって、発光/受光部、発光部あるいは受光部の軸線と光学素子の軸とを同軸に位置せしめることができる。従って、たとえ、光学装置が小型化されても、光学素子固定手段に対する光学素子の位置決め(アライメント)を高い精度で、容易に行うことができる。また、光学装置の厚さは、ウエハ(半導体基板)の厚さと光学素子抑え部材の厚さの和にほぼ等しく、光学装置の飛躍的な小型化、薄型化を容易に達成することができる。更には、発光/受光部あるいは受光素子を光学素子固定手段の第2面に形成すれば、光学素子固定手段に対して高い位置決め精度にて発光/受光部あるいは受光素子を配置することができる。更には、シリコン半導体プロセスで複数の光学装置を一体的に形成することが可能であり、均一、均質な光学素子固定手段を、低コストにて、比較的容易な方法で、量産することができる。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
実施例1は、本発明の光学装置、光学装置集合体、光学素子固定手段、光学装置部品、光学装置の製造方法、光学装置の組立方法、光学素子固定手段の製造方法、及び、光学装置部品の製造方法に関する。
実施例1の光学装置における光学素子固定手段を第1面側から眺めた模式図を図1の(A)及び(B)に示す。ここで、図1の(A)は、光学素子抑え部材と載置部材との間に光学素子を配置する前の載置部材の状態を模式的に示す図であり、図1の(B)は、光学素子抑え部材と載置部材との間に光学素子を配置した後の載置部材の状態を模式的に示す図である。また、図1の(A)の矢印A−Aに沿った光学素子固定手段を含む光学装置(第1の光学装置10)の模式的な断面図を図2に示し、図1の(A)の矢印B−Bに沿った光学素子固定手段を含む光学装置(第1の光学装置10)の模式的な断面図を図3に示す。更には、図1の(A)の矢印A−Aに沿った光学素子固定手段を含む光学装置(第2の光学装置30)の模式的な断面図を図4に示し、図1の(A)の矢印B−Bに沿った光学素子固定手段を含む光学装置(第2の光学装置30)の模式的な断面図を図5に示す。更には、載置部材の変位状態を模式的に示す載置部材等の斜視図を図6に示す。ここで、図面において、光学素子を点線で表した。また、光学素子固定手段を第1面側から眺めた模式図において、光学素子固定手段や載置部材、固定載置部材を明示するために、これらに斜線を付した。更には、光学素子抑え部材と載置部材との間に光学素子を配置した後の載置部材の状態を模式的に示す図において、載置部材の変位状態を図示することは省略した。
図1の(A)、(B)、図2及び図3に示す光学装置(第1の光学装置10)は、光学素子20、光学素子固定手段(光学素子固定部材)11、光学素子抑え部材21、並びに、発光若しくは受光を行う発光/受光部を備えている。
一方、図1の(A)、(B)、図4及び図5に示す光学装置(第2の光学装置30)は、光学素子40、光学素子固定手段(光学素子固定部材)31、光学素子抑え部材41、並びに、発光若しくは受光を行う発光/受光部を備えている。
具体的には、光学素子20,40は、直径0.3mmの球状のレンズから成る。また、光学素子固定手段11,31は、内部にSiO2層が形成されたシリコン半導体基板から作製されている。光学素子抑え部材21,41は、厚さ0.1mmのガラス板から成る。
そして、光学素子固定手段11,31は、第1面16,36、及び、この第1面16,36に対向した第2面17,37を有し、光学素子固定手段11,31の内部には、第1面16,36に開口した光学素子載置領域12,32が形成されている。ここで、光学素子載置領域12,32には、少なくとも2つ(図示した実施例1においては4つ)の載置部材13,33が設けられており、少なくとも1つ(図示した実施例1においては4つ)の載置部材13,33は、変位部15,35を有している。
尚、変位部15,35を有する載置部材13,33は、その一端が光学素子固定手段11,31に固定された片持梁構造を有する。即ち、変位部15,35を有する載置部材13,33は、光学素子固定手段11,31から載置部材13,33の一端が一体的に延びている構造を有する。尚、光学素子固定手段11,31から一体的に延びている載置部材13,33の一端の部分を、固定部14,34で表す。更に具体的には、光学素子載置領域12,32には、M個(但し、M≧3であり、実施例1においてはM=4)の載置部材13,33が設けられており、M個の載置部材13,33は、片持梁構造を有し、M個の載置部材13,33は、光学素子20の軸AXに関して対称性を有するように配置されている。
また、光学素子固定手段11,31の第1面16,36には、光学素子載置領域12,32を覆うように、光学素子抑え部材21,41が固定されており、光学素子固定手段11,31の第2面17,37には、発光/受光部が配されている。
具体的には、図1の(A)、(B)、図2及び図3に示す光学装置(第1の光学装置10)にあっては、発光/受光部は、光学素子固定手段11の第2面17に取り付けられており、一列に配列された12個の発光素子22、より具体的には、発光ダイオードから成る。尚、図においては5個の発光素子22のみを示している。光学素子固定手段11の第2面17から光学素子載置領域12まで、光学素子固定手段11には貫通孔18が形成されている。これによって、発光素子22から射出された光は、何らの妨害なく(即ち、何ら吸収されることなく)、光学素子20に入射する。
一方、図1の(A)、(B)、図4及び図5に示す光学装置(第2の光学装置30)にあっては、発光/受光部は、光学素子固定手段31の第2面37に形成されており、一列に配列された12個の受光素子42、より具体的には、フォトダイオードから成る。尚、図においては5個の受光素子42のみを示している。
そして、光学素子抑え部材21,41と載置部材13,33との間に光学素子20,40が配置されることによって、変位部15,35を有する載置部材(変位載置部材)13,33の変位部15,35が変位し、以て、発光/受光部の軸線(複数の発光素子22の中心を通る軸線、及び、複数の受光素子42の中心を通る軸線)と光学素子20,40の軸が同軸に位置する。具体的には、図1の(A)に示すように、光学素子抑え部材21,41と載置部材13,33との間に光学素子20,40を配置する前の状態から、図1の(B)に示すように、光学素子抑え部材21,41と載置部材13,33との間に光学素子20,40を配置した後の状態へと、変位載置部材13,33の変位部15,35は、光学素子20,40の軸AXと直交する仮想平面内において、光学素子20,40の軸AXから離れる方向に変位する。
ここで、M個(実施例1においては,M=4)の載置部材(変位載置部材)13,33は、光学素子20,40の軸AXに対してM回(即ち、4回)の回転対称となるように配置されている。即ち、光学素子20,40の軸AXに対して、載置部材(変位載置部材)13,33を90度回転させると、載置部材(変位載置部材)13,33が重なるように配置されている。
また、光学素子20,40を保持し、発光若しくは受光を行う発光/受光部22,42が配される光学素子固定手段11,31を、単独で眺めると、
(a)第1面16,36、及び、該第1面16,36に対向した第2面17,37を有し、
(b)その内部には、第1面16,36に開口した光学素子載置領域12,32が形成されており、
(c)光学素子載置領域12,32には、少なくとも2つの載置部材13,33が設けられており、
(d)少なくとも1つの載置部材13,33は、変位部15,35を有しており、
(e)変位部15,35を有する載置部材13,33の変位部15,35が変位することによって第2面17,37に配される発光/受光部22,42の軸線と光学素子20,40の軸AXが同軸に位置されるように、光学素子20,40が載置部材13,33に載置される。
尚、以上に説明した光学装置(第1の光学装置10、第2の光学装置30)は、切断されて個別部品の状態にあるが、切断前の光学装置集合体は、
(A)光学素子20,40、
(B)光学素子固定手段11,31、並びに、
(C)光学素子抑え部材21,41、
を備えた光学装置(第1の光学装置10、あるいは、第2の光学装置30、あるいは、第1の光学装置10と第2の光学装置30)が、複数、アレイ状に配列されて成る光学装置集合体である。
そして、光学装置10,30を構成する光学素子固定手段11,31は、第1面16,36、及び、該第1面16,36に対向する第2面17,37を有するウエハ(内部にSiO2層が形成されたシリコン半導体基板)に形成されており、
各光学装置(第1の光学装置10、あるいは、第2の光学装置30、あるいは、第1の光学装置10と第2の光学装置30)において、
(a)光学素子固定手段11,31の内部には、ウエハの第1面16,36に開口した光学素子載置領域12,32が形成されており、
(b)光学素子載置領域12,32には、少なくとも2つの載置部材13,33が設けられており、
(c)少なくとも1つの載置部材13,33は、変位部15,35を有しており、
(d)ウエハの第1面16,36には、光学素子載置領域12,32を覆うように、光学素子抑え部材21,41が固定されており、
(e)変位部15,35を有する載置部材13,33の変位部15,35が変位することによって第2面17,37に配される発光/受光部22,42の軸線と光学素子20,40の軸AXが同軸に位置されるように、光学素子20,40が載置部材13,33に載置される。
光学装置集合体における各光学装置(第1の光学装置10、あるいは、第2の光学装置30、あるいは、第1の光学装置10と第2の光学装置30)のより具体的な構成、構造は、図1の(A)、(B)、図2〜図5を参照して先に説明したとおりである。
また、
(A)光学素子20,40を固定する光学素子固定手段11,31、及び、
(B)発光若しくは受光を行う発光/受光部22,42、
を備えた光学装置部品として眺めると、この光学装置部品にあっては、
(a)光学素子固定手段11,31は、第1面16,36、及び、該第1面16,36に対向した第2面17,37を有し、
(b)光学素子固定手段11,31の内部には、第1面16,36に開口した光学素子載置領域12,32が形成されており、
(c)光学素子載置領域12,32には、少なくとも2つの載置部材13,33が設けられており、
(d)少なくとも1つの載置部材13,33は、変位部15,35を有しており、
(e)第2面17,37には、発光/受光部22,42が配されており、
(f)変位部15,35を有する載置部材13,33の変位部15,35が変位することによって第2面17,37に配された発光/受光部22,42の軸線と光学素子20,40の軸AXが同軸に位置されるように、光学素子20,40が載置部材13,33に載置される。
第1の光学装置10及び第2の光学装置30の高さ(第2面17,37から光学素子抑え部材21,41の頂面までの距離)は、約0.58mmである。
以下、SOI基板等の模式的な一部端面図である図7の(A)、(B)、図8の(A)、(B)及び図9の(A)、(B)を参照して、ディレイマスク法に基づく実施例1における光学素子固定手段の製造方法、光学装置部品の製造方法、光学装置の製造方法、光学装置の組立方法を説明する。尚、以下の説明においては、特に断りの無い限り、図1の(A)、(B)、図4及び図5に示した第2の光学装置30の製造方法を説明するが、図1の(A)、(B)、図2及び図3に示した第1の光学装置10も、基本的に、同様の方法で製造することができる。
[工程−100]
先ず、SOI基板80の第2面87に、周知のイオン注入法等に基づき、例えばpin型フォトダイオードから成る受光素子42を形成する(図7の(A)参照)。尚、発光/受光部を発光素子22から構成する場合には、この工程は不要である。
[工程−110]
その後、SOI基板80の第1面86上に、リソグラフィ技術に基づきSiO2から成る第1マスク層91を形成する。第1マスク層91には、光学素子載置領域を形成すべきSOI基板80の領域が露出した開口部が形成されている。次に、SOI基板80の第1面86上及び第1マスク層91上に、レジスト材料から成る第2マスク層92を形成する。第2マスク層92には、光学素子載置領域を形成すべきSOI基板80の領域であって、載置部材を形成しない部分が露出した開口部が形成されている。この状態を、図7の(B)に示す。
[工程−120]
次に、第2マスク層92をエッチング用マスクとして、SOI基板80のシリコン層81の異方性エッチングを行う。シリコン層81のエッチング深さ(h0)が、載置部材の高さ(垂直方向の長さ)hとなった時点で異方性エッチングを中止する。この状態を、図8の(A)に示す。
[工程−130]
その後、第2マスク層92をアッシング処理によって除去し(図8の(B)参照)、次いで、第1マスク層91をエッチング用マスクとして、SOI基板80のシリコン層81の異方性エッチングを行う。シリコン層81のエッチング深さ(h1)が、SOI基板80の内部に形成されたSiO2層82に達した時点で異方性エッチングを中止する。この状態を図9の(A)に示す。
[工程−140]
次いで、第1マスク層91の全て、及び、SiO2層82の一部を除去することで、図9の(B)に示す構造を得ることができる。即ち、
(1)内部に、第1面36(86)に開口した光学素子載置領域32が形成され、
(2)光学素子載置領域32には、少なくとも2つの載置部材33が設けられ、
(3)少なくとも1つの載置部材33は、変位部35を有する、
光学素子固定手段31を形成する光学素子固定手段の製造方法を達成することができる。
あるいは又、
(1)内部に、第1面36(86)に開口した光学素子載置領域32が形成され、
(2)光学素子載置領域32には、少なくとも2つの載置部材33が設けられ、
(3)少なくとも1つの載置部材33は、変位部35を有する、
光学素子固定手段31を形成し、併せて、シリコン半導体基板(SOI基板80)の第2面37(87)に受光部42を形成する光学装置部品の製造方法を達成することができる。
尚、以上の工程は、1つの光学素子固定手段に関して説明したが、実際には、SOI基板80に、光学素子固定手段が、複数、アレイ状に形成される。代替的に、[工程−140]の完了後、SOI基板80の第2面87に、周知の方法で、例えばpin型フォトダイオードから成る受光素子42を形成してもよい。また、発光/受光部を発光素子22から構成する場合、[工程−140]までのいずれかの工程において、光学素子固定手段11に貫通孔18を形成することが好ましい。
[工程−150]
次いで、載置部材33に光学素子40を載置した後、光学素子載置領域32を覆うように、SOI基板80の第1面86にガラス板から成る光学素子抑え部材41を陽極接合法に基づき固定することで、第2面に向かう方向に光学素子40に圧力を加え、変位部35を有する載置部材33の変位部35を変位させ(より具体的には、変位載置部材33の変位部35を、光学素子40の軸AXと直交する仮想平面内において、光学素子40の軸AXから離れる方向に変位させ)、以て、発光/受光部(受光素子42)の軸線と光学素子40の軸AXを同軸に位置させる。尚、この工程にあっては、1つの光学素子抑え部材41が、全ての光学装置の光学素子載置領域32を覆うように、SOI基板80の第1面86に光学素子抑え部材41を固定する。その後、ダイシング法にて光学装置を個別に切断することで、光学装置を完成させる。こうして、光学装置の製造方法及び光学装置の組立方法を達成することができる。尚、発光/受光部を発光ダイオードから構成する場合、これらの発光ダイオードを周知の方法で光学素子固定手段11の第2面17に取り付ければよい。
実施例2は、実施例1にて説明した光学装置を組合せた光学装置組立体に関する。即ち、実施例2の光学装置組立体は、概念図を図10に示すように、具体的には、図1の(A)、(B)、図2及び図3に示した第1の光学装置10、図1の(A)、(B)、図4及び図5に示した第2の光学装置30、及び、第1の光学装置10と第2の光学装置30との間に配置された位置測定手段50から成る光学装置組立体であり、より具体的には、ロータリエンコーダから成る。ここで、位置測定手段(スケール)50は、例えば、所謂M系列と呼ばれるパターンが形成された回動可能なパルス円板(厚さ0.2mm)から成る。光学装置組立体全体の厚さは、約1.64mmである。第1の光学装置10及び第2の光学装置30の構成、構造は、実施例1において説明した第1の光学装置10及び第2の光学装置30の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例3は、実施例1の変形である。実施例3の光学装置における光学素子固定手段11,31を第1面側から眺めた模式図を図11に示し、図11の矢印A−Aに沿った光学素子固定手段を含む第1の光学装置の模式的な断面図を図12に示し、図11の矢印B−Bに沿った光学素子固定手段を含む第1の光学装置10の模式的な断面図を図13に示す。
実施例3にあっては、M個(実施例3にあっては、M=4)の載置部材13,33は、光学素子の軸を含む仮想平面(IP)に対して鏡面対称となるように配置されている。このような載置部材13,33の配置状態を除き、実施例3の光学装置の構成、構造は、実施例1において説明した第1の光学装置10あるいは第2の光学装置30の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。また、このような構成、構造を有する実施例3の光学装置に基づき、実施例2において説明したと同様の光学装置組立体を得ることもできる。
実施例4も、実施例1の変形である。実施例4の光学装置における光学素子固定手段11,31を第1面側から眺めた模式図を図14の(A)に示し、図14の(A)の矢印A−Aに沿った光学素子固定手段を含む第1の光学装置60の模式的な断面図を図15に示し、図14の(A)の矢印B−Bに沿った光学素子固定手段を含む第1の光学装置60の模式的な断面図を図16に示す。また、図14の(A)の矢印A−Aに沿った光学素子固定手段を含む第2の光学装置70の模式的な断面図を図17に示し、図14の(A)の矢印B−Bに沿った光学素子固定手段を含む第2の光学装置70の模式的な断面図を図18に示す。
実施例4にあっては、変位部65,75を有する載置部材63,73は、その両端が光学素子固定手段11,31に固定された梁構造を有する。即ち、変位部65,75を有する載置部材63,73は、光学素子固定手段11,31から載置部材63,73の両端が一体的に延びている構造を有する。尚、光学素子固定手段11,31から一体的に延びている載置部材63,73の両端の部分を、固定部64,74で表す。更に具体的には、光学素子載置領域12,32には、N個の(但し、N≧2であり、実施例4においてはN=2)の載置部材63,73が設けられており、N個の載置部材63,73は梁構造を有し、N個の載置部材は、光学素子20,40の軸AXに関して対称性を有するように配置されている。実施例4にあっては、N個の載置部材63,73は、光学素子20,40の軸AXに対してN回の回転対称となるように配置され、あるいは又、N個の載置部材63,73は、光学素子20,40の軸を含む仮想平面に対して鏡面対称となるように配置されている。
このような載置部材63,73の配置状態を除き、実施例4の光学装置の構成、構造は、実施例1において説明した第1の光学装置10あるいは第2の光学装置30の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。また、このような構成、構造を有する実施例4の光学装置に基づき、実施例2において説明したと同様の光学装置組立体を得ることもできる。
以上、好ましい実施例に基づき本発明を説明してきたが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例にて説明した光学装置の構成、構造、光学装置の製造方法等は例示であり、適宜、変更することができる。載置部材の形状や数は、アライメントの要求精度、パターニングの精度、加工精度、歩留り等の総合的見地から決定すればよい。載置部材の構成様式として、
(1)片持梁構造を有する変位載置部材のみから構成する。
(2)片持梁構造を有する変位載置部材と固定載置部材から構成する。
(3)梁構造を有する変位載置部材のみから構成する。
(4)梁構造を有する変位載置部材と固定載置部材から構成する。
(5)片持梁構造を有する変位載置部材と、梁構造を有する変位載置部材と、固定載置部材から構成する。
といった構成様式を挙げることができる。
また、光学素子抑え部材と載置部材との間に光学素子を配置する前の(即ち、変位する前の)載置部材13,33,63,73は、直線状だけでなく、曲線状であってもよい。
実施例1においては、M=4としたが、図19の(A)及び(B)に光学素子固定手段を第1面側から眺めた模式図を示すように、M=3,M=5とすることもできる。尚、図19の(A)及び(B)に示す例にあっては、変位部15,35を有する載置部材13,33は、その一端が光学素子固定手段11,31に固定された片持梁構造を有する。より具体的には、光学素子載置領域12,32に設けられたM個(但し、M≧3)の載置部材13,33は片持梁構造を有し、M個の載置部材13,33は光学素子20,40の軸AXに関して対称性を有するように配置されている。尚、M個の載置部材13,33は、光学素子20,40の軸AXに対してM回の回転対称(図19の(A)においては3回の回転対称、図19の(B)においては5回の回転対称)となるように配置されている。
また、実施例1においては、4つの載置部材の全てを変位載置部材としたが、4つの載置部材の内、隣接する2つの載置部材を変位載置部材としてもよいし、3つの載置部材を変位載置部材としてもよい。また、図19の(A)に示した例においては、3つの載置部材の全てを変位載置部材としたが、3つの載置部材の内、1つの載置部材を変位載置部材としてもよいし、2つの載置部材を変位載置部材としてもよい。図19の(B)に示した例においては、5つの載置部材の全てを変位載置部材としたが、5つの載置部材の内、連続した3つの載置部材を変位載置部材としてもよいし、4つを変位載置部材としてもよい。
実施例4においては、N=2としたが、光学素子固定手段11,31を第1面側から眺めた模式図を図14の(B)に示すように、N=4としてもよい。尚、これらのN個の載置部材63,73は梁構造を有し、N個の載置部材は、光学素子20,40の軸AXに関して対称性を有するように配置されている。より具体的には、N個の載置部材63,73は、光学素子20,40の軸AXに対してN回の回転対称となるように配置され、あるいは又、N個の載置部材63,73は、光学素子20,40の軸を含む仮想平面に対して鏡面対称となるように配置されている。
変位載置部材と固定載置部材が混在している実施例3の変形例を、図20、図21に例示する。ここで、図20は、光学素子固定手段を第1面側から眺めた模式図であり、図21は、図20の矢印B−Bに沿った光学素子固定手段を含む第1の光学装置10の模式的な断面図である。尚、図20の矢印A−Aに沿った光学素子固定手段を含む第1の光学装置10の模式的な断面図は図12と同様である。この例においては、載置部材は2つの変位載置部材13,33と2つの固定載置部材19,39から構成されている。ここで、固定載置部材19,39は、光学素子載置領域12,32において光学素子固定手段11,31から突出した突出部(段差部)である。
変位載置部材と固定載置部材が混在している実施例4の変形例を、図22の(A)、図23に例示する。ここで、図22の(A)は、光学素子固定手段を第1面側から眺めた模式図であり、図23は、図22の(A)の矢印B−Bに沿った光学素子固定手段を含む第1の光学装置60の模式的な断面図である。尚、図22の(A)の矢印A−Aに沿った光学素子固定手段を含む第1の光学装置60の模式的な断面図は図15と同様である。この例においては、載置部材は1つの変位載置部材63,73と1つの固定載置部材69,79から構成されている。ここで、固定載置部材69,79は、光学素子載置領域12,32において光学素子固定手段11,31から突出した突出部(段差部)である。図22の(B)に示す例にあっては、載置部材は2つの変位載置部材63,73と2つの固定載置部材69,79から構成されている。尚、載置部材を3つの変位載置部材63,73と1つの固定載置部材69,79から構成することもできる。
実施例においては、変位載置部材の幅(光学素子の軸と垂直な面で切断したときの厚さ)bを一定としたが、代替的に、図24の(A)及び(B)に光学素子固定手段を第1面側から眺めた模式図を示すように、片持梁構造を有する変位載置部材において、光学素子固定手段11,31から一体的に延びている載置部材13,33の部分である固定部14,34に丸みを付けてもよいし(図24の(A)参照)、あるいは又、平等強さ梁としてもよい(図24の(B)参照)。このような構成にすることで、載置部材13,33に負荷がかかったときの応力が集中する部位の強度を増すことができ、アライメント精度、歩留り向上につながる。
図1の(A)及び(B)は、実施例1の光学装置における光学素子固定手段を第1面側から眺めた模式図であり、図1の(A)は、光学素子抑え部材と載置部材との間に光学素子を配置する前の載置部材の状態を模式的に示す図であり、図1の(B)は、光学素子抑え部材と載置部材との間に光学素子を配置した後の載置部材の状態を模式的に示す図である。 図2は、図1の(A)の矢印A−Aに沿った光学素子固定手段を含む第1の光学装置の模式的な断面図である。 図3は、図1の(A)の矢印B−Bに沿った光学素子固定手段を含む第1の光学装置の模式的な断面図である。 図4は、図1の(A)の矢印A−Aに沿った光学素子固定手段を含む第2の光学装置の模式的な断面図である。 図5は、図1の(A)の矢印B−Bに沿った光学素子固定手段を含む第2の光学装置の模式的な断面図である。 図6は、載置部材の変位状態を模式的に示す載置部材等の斜視図である。 図7の(A)及び(B)は、実施例1の第1の光学装置の製造方法等を説明するためのSOI基板等の模式的な一部端面図である。 図8の(A)及び(B)は、図7の(B)に引き続き、実施例1の第1の光学装置の製造方法等を説明するためのSOI基板等の模式的な一部端面図である。 図9の(A)及び(B)は、図8の(B)に引き続き、実施例1の第1の光学装置の製造方法等を説明するためのSOI基板等の模式的な一部端面図である。 図10は、実施例2の光学装置組立体の概念図である。 図11は、実施例3の光学装置における光学素子固定手段を第1面側から眺めた模式図である。 図12は、図11の矢印A−Aに沿った光学素子固定手段を含む第1の光学装置の変形例の模式的な断面図である。 図13は、図11の矢印B−Bに沿った光学素子固定手段を含む第1の光学装置の変形例の模式的な断面図である。 図14の(A)及び(B)は、実施例4の光学装置における光学素子固定手段を第1面側から眺めた模式図である。 図15は、図14の(A)における矢印A−Aに沿った光学素子固定手段を含む第1の光学装置の模式的な断面図である。 図16は、図14の(A)における矢印B−Bに沿った光学素子固定手段を含む第1の光学装置の模式的な断面図である。 図17は、図14の(A)における矢印A−Aに沿った光学素子固定手段を含む第2の光学装置の模式的な断面図である。 図18は、図14の(A)における矢印B−Bに沿った光学素子固定手段を含む第2の光学装置の模式的な断面図である。 図19の(A)及び(B)は、実施例1の光学装置における光学素子固定手段の変形例を第1面側から眺めた模式図である。 図20は、変位載置部材と固定載置部材が混在している実施例3の変形例における光学素子固定手段を第1面側から眺めた模式図である。 図21は、図20の矢印B−Bに沿った光学素子固定手段を含む第1の光学装置の模式的な断面図である。 図22は、変位載置部材と固定載置部材が混在している実施例4の変形例における光学素子固定手段を第1面側から眺めた模式図である。 図23は、図22の矢印B−Bに沿った光学素子固定手段を含む第1の光学装置の模式的な断面図である。 図24の(A)及び(B)は、載置部材の変形例を説明するための、光学素子固定手段を第1面側から眺めた模式図である。
符号の説明
AX・・・光学素子の軸、10・・・第1の光学装置、30・・・第2の光学装置、11,31・・・光学素子固定手段、12,32・・・光学素子載置領域、13,33,63,73・・・載置部材、14,34,64,74・・・固定部、15,35,65,75・・・変位部、16,36・・・光学素子固定手段の第1面、17,37・・・光学素子固定手段の第2面、18・・・貫通孔、19,39,69,79・・・固定載置部材、20,40・・・光学素子、21,41・・・光学素子抑え部材、22・・・発光素子、42・・・受光素子、50・・・位置測定手段(スケール)、80・・・SOI基板、81・・・シリコン層、82・・・SiO2層、86・・・第1面、87・・・第2面、91・・・第1マスク層、92・・・第2マスク層

Claims (26)

  1. (A)光学素子、
    (B)光学素子固定手段、
    (C)光学素子抑え部材、並びに、
    (D)発光若しくは受光を行う発光/受光部、
    を備えた光学装置であって、
    (a)光学素子固定手段は、第1面、及び、該第1面に対向した第2面を有し、
    (b)光学素子固定手段の内部には、第1面に開口した光学素子載置領域が形成されており、
    (c)光学素子載置領域には、少なくとも2つの載置部材が設けられており、
    (d)少なくとも1つの載置部材は、変位部を有しており、
    (e)第1面には、光学素子載置領域を覆うように、光学素子抑え部材が固定されており、
    (f)第2面には、発光/受光部が配されており、
    (g)光学素子抑え部材と載置部材との間に光学素子が配置されることによって、変位部を有する載置部材の変位部が変位し、以て、発光/受光部の軸線と光学素子の軸が同軸に位置する、
    ことを特徴とする光学装置。
  2. 変位部を有する載置部材は、その一端が光学素子固定手段に固定された片持梁構造を有することを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  3. 光学素子載置領域には、M個(但し、M≧3)の載置部材が設けられており、
    M個の載置部材は、片持梁構造を有し、
    M個の載置部材は、光学素子の軸に関して対称性を有するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
  4. M個の載置部材は、光学素子の軸に対してM回の回転対称となるように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の光学装置。
  5. M個の載置部材は、光学素子の軸を含む仮想平面に対して鏡面対称となるように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の光学装置。
  6. 変位部を有する載置部材は、その両端が光学素子固定手段に固定された梁構造を有することを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  7. 光学素子載置領域には、N個の(但し、N≧2)の載置部材が設けられており、
    N個の載置部材は、梁構造を有し、
    N個の載置部材は、光学素子の軸に関して対称性を有するように配置されていることを特徴とする請求項6に記載の光学装置。
  8. 光学素子固定手段は、内部にSiO2層が形成されたシリコン半導体基板から作製されていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  9. 光学素子は、球状のレンズから成ることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  10. 発光/受光部は、光学素子固定手段の第2面に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  11. 光学素子固定手段の第2面から光学素子載置領域まで、光学素子固定手段には貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項10に記載の光学装置。
  12. 発光/受光部は、1又は複数の発光ダイオードから成ることを特徴とする請求項10に記載の光学装置。
  13. 発光/受光部は、光学素子固定手段の第2面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  14. 発光/受光部は、1又は複数のフォトダイオードから成ることを特徴とする請求項13に記載の光学装置。
  15. 第1の光学装置、第2の光学装置、及び、第1の光学装置と第2の光学装置との間に配置された位置測定手段から成る光学装置組立体であって、
    第1の光学装置は、
    (A−1)光学素子、
    (B−1)光学素子固定手段、
    (C−1)光学素子抑え部材、並びに、
    (D−1)発光を行う発光部、
    を備え、
    (a−1)光学素子固定手段は、第1面、及び、該第1面に対向した第2面を有し、
    (b−1)光学素子固定手段の内部には、第1面に開口した光学素子載置領域が形成されており、
    (c−1)光学素子載置領域には、少なくとも2つの載置部材が設けられており、
    (d−1)少なくとも1つの載置部材は、変位部を有しており、
    (e−1)第1面には、光学素子載置領域を覆うように、光学素子抑え部材が固定されており、
    (f−1)第2面には、発光部が配されており、
    (g−1)光学素子抑え部材と載置部材との間に光学素子が配置されることによって、変位部を有する載置部材の変位部が変位し、以て、発光部の軸線と光学素子の軸が同軸に位置し、
    第2の光学装置は、
    (A−2)光学素子、
    (B−2)光学素子固定手段、
    (C−2)光学素子抑え部材、並びに、
    (D−2)受光を行う受光部、
    を備え、
    (a−2)光学素子固定手段は、第1面、及び、該第1面に対向した第2面を有し、
    (b−2)光学素子固定手段の内部には、第1面に開口した光学素子載置領域が形成されており、
    (c−2)光学素子載置領域には、少なくとも2つの載置部材が設けられており、
    (d−2)少なくとも1つの載置部材は、変位部を有しており、
    (e−2)第1面には、光学素子載置領域を覆うように、光学素子抑え部材が固定されており、
    (f−2)第2面には、受光部が配されており、
    (g−2)光学素子抑え部材と載置部材との間に光学素子が配置されることによって、変位部を有する載置部材の変位部が変位し、以て、受光部の軸線と光学素子の軸が同軸に位置し、
    光学装置組立体において、
    第1の光学装置を構成する発光部の軸線と光学素子の軸、及び、第2の光学装置を構成する受光部の軸線と光学素子の軸は同軸に位置し、
    第1の光学装置における光学素子抑え部材と、第2の光学装置における光学素子抑え部材との間に位置測定手段が配置されている、
    ことを特徴とする光学装置組立体。
  16. 第1の光学装置及び/又は第2の光学装置において、変位部を有する載置部材は、その一端が光学素子固定手段に固定された片持梁構造を有することを特徴とする請求項15に記載の光学装置組立体。
  17. 第1の光学装置及び/又は第2の光学装置において、変位部を有する載置部材は、その両端が光学素子固定手段に固定された梁構造を有することを特徴とする請求項15に記載の光学装置組立体。
  18. 第1の光学装置の光学素子固定手段は、内部にSiO2層が形成されたシリコン半導体基板から作製されており、
    第2の光学装置の光学素子固定手段も、内部にSiO2層が形成されたシリコン半導体基板から作製されていることを特徴とする請求項15に記載の光学装置組立体。
  19. 第1の光学装置及び/又は第2の光学装置における光学素子は、球状のレンズから成ることを特徴とする請求項15に記載の光学装置組立体。
  20. 発光部は、光学素子固定手段の第2面に取り付けられていることを特徴とする請求項15に記載の光学装置組立体。
  21. 受光部は、光学素子固定手段の第2面に形成されていることを特徴とする請求項15に記載の光学装置組立体。
  22. (A)光学素子、
    (B)光学素子固定手段、並びに、
    (C)光学素子抑え部材、
    を備えた光学装置が、複数、アレイ状に配列されて成る光学装置集合体であって、
    光学装置を構成する光学素子固定手段は、第1面、及び、該第1面に対向する第2面を有するウエハに形成されており、
    各光学装置において、
    (a)光学素子固定手段の内部には、ウエハの第1面に開口した光学素子載置領域が形成されており、
    (b)光学素子載置領域には、少なくとも2つの載置部材が設けられており、
    (c)少なくとも1つの載置部材は、変位部を有しており、
    (d)ウエハの第1面には、光学素子載置領域を覆うように、光学素子抑え部材が固定されており、
    (e)変位部を有する載置部材の変位部が変位することによって第2面に配される発光/受光部の軸線と光学素子の軸が同軸に位置されるように、光学素子が載置部材に載置される、
    ことを特徴とする光学装置集合体。
  23. 光学素子を保持し、発光若しくは受光を行う発光/受光部が配される光学素子固定手段であって、
    (a)第1面、及び、該第1面に対向した第2面を有し、
    (b)その内部には、第1面に開口した光学素子載置領域が形成されており、
    (c)光学素子載置領域には、少なくとも2つの載置部材が設けられており、
    (d)少なくとも1つの載置部材は、変位部を有しており、
    (e)変位部を有する載置部材の変位部が変位することによって第2面に配される発光/受光部の軸線と光学素子の軸が同軸に位置されるように、光学素子が載置部材に載置される、
    ことを特徴とする光学素子固定手段。
  24. (A)光学素子を固定する光学素子固定手段、及び、
    (B)発光若しくは受光を行う発光/受光部、
    を備えた光学装置部品であって、
    (a)光学素子固定手段は、第1面、及び、該第1面に対向した第2面を有し、
    (b)光学素子固定手段の内部には、第1面に開口した光学素子載置領域が形成されており、
    (c)光学素子載置領域には、少なくとも2つの載置部材が設けられており、
    (d)少なくとも1つの載置部材は、変位部を有しており、
    (e)第2面には、発光/受光部が配されており、
    (f)変位部を有する載置部材の変位部が変位することによって第2面に配された発光/受光部の軸線と光学素子の軸が同軸に位置されるように、光学素子が載置部材に載置される、
    ことを特徴とする光学装置部品。
  25. (A)光学素子、
    (B)光学素子固定手段、
    (C)光学素子抑え部材、並びに、
    (D)発光若しくは受光を行う発光/受光部、
    を備えた光学装置の製造方法であって、
    (a)第1面、及び、該第1面に対向する第2面を有し、内部にSiO2層が形成されたシリコン半導体基板の第1面にエッチング用マスクを形成した後、該エッチング用マスクを使用してシリコン半導体基板を第1面側からエッチングし、以て、
    (1)内部に、第1面に開口した光学素子載置領域が形成され、
    (2)光学素子載置領域には、少なくとも2つの載置部材が設けられ、
    (3)少なくとも1つの載置部材は、変位部を有する、
    光学素子固定手段を形成し、次いで、
    (b)載置部材に光学素子を載置した後、光学素子載置領域を覆うように第1面に光学素子抑え部材を固定することで、変位部を有する載置部材の変位部を変位させ、以て、発光/受光部の軸線と光学素子の軸を同軸に位置させる、
    ことを特徴とする光学装置の製造方法。
  26. (A)光学素子、
    (B)光学素子固定手段、
    (C)光学素子抑え部材、並びに、
    (D)発光若しくは受光を行う発光/受光部、
    を備え、
    (a)光学素子固定手段は、第1面、及び、該第1面に対向した第2面を有し、
    (b)光学素子固定手段の内部には、第1面に開口した光学素子載置領域が形成されており、
    (c)光学素子載置領域には、少なくとも2つの載置部材が設けられており、
    (d)少なくとも1つの載置部材は、変位部を有しており、
    (e)第2面には、発光/受光部が配されている、
    光学装置の組立方法であって、
    載置部材に光学素子を載置した後、光学素子載置領域を覆うように第1面に光学素子抑え部材を固定することで、変位部を有する載置部材の変位部を変位させ、以て、発光/受光部の軸線と光学素子の軸を同軸に位置させる、
    ことを特徴とする光学装置の組立方法。
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