JP4648758B2 - 光学系 - Google Patents

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Description

本発明は、光学系に関し、特に、小型で解像力が良く、360°全方位の画角を有する画像を像面に結像させるか、像面に配置された画像を360°全方位の画角に投影する全天カメラ、全天プロジェクター等に適した光学系に関するものであ。
従来、反射光学系を用いた360°全方位(全周)の画像を得る光学系としては、2面の内面反射面と2面の透過面を持つ中心軸の周りで回転対称な透明媒体からなる前群と、中心軸の周りで回転対称で正パワーを有する後群とからなる特許文献1、2に開示されたような反射光学系が知られている。
米国特許第4,566,763号明細書 米国特許第5,473,474号明細書
しかし、上記従来例何れのものも、光学系を天頂に向けて全周の撮像を行う場合、中心軸を含む断面内での入射瞳が第1透過面(入射面)から離れているため、第1透過面の有効径が大きくなり、天頂方向からの有害なフレアー光が多く画像が悪化してしまう問題がある。
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、360°全方位(全周)の画角を有する画像を撮影したり、360°全方位(全周)画角に画像を投影するための小型でフレアー光が少なく解像力の良い光学系を提供することである。
上記目的を達成する本発明の光学系は、360°全方位の画角を有する画像を像面に結像させるか、像面に配置された画像を360°全方位の画角に投影する光学系であって、
中心軸の周りで回転対称な透明媒体からなり、2面の内面反射面と2面の透過面を持つ前群と、中心軸の周りで回転対称で正パワーを有する後群とを備えており、
前記前群は、結像系の場合は光線の進む順に、投影系の場合は光線の進む順とは反対に、遠方からの光束が前記前群に入射する第1透過面、前記第1透過面と中心軸を挟んで反対側に配置されている第1反射面、前記第1反射面と同じ側に配置されている第2反射面、前記後群に面している第2透過面を含み、前記第1反射面の面の中心は中心軸方向に前記第2反射面の中心より前記後群側に位置しており、
遠方から入射する光束は、前記前群と前記後群を順に経て像面の中心軸から外れた位置に結像し、
前記前群より像面側の何れかの位置に中心軸と同軸に配置された開口を備えており、
中心軸を含む断面において、入射瞳位置から前記開口位置までの光路長をA、入射瞳位置から前群の第1透過面までの光路長であって光線方向を正とした値をBとすると、
5<|A/B| ・・・(5)
なる条件を満足することを特徴とするものである。
この場合、前群の第1透過面の近傍に中心軸の周りで回転対称な輪帯状のスリット開口を備えていてもよい。
また、少なくとも1面の内面反射面は対称面を持たない任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される回転対称な形状を有することが望ましい。
また、少なくとも1面の内面反射面は奇数次項を含む任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される回転対称な形状を有していてもよい。
また、中心軸を含む断面内において、入射瞳近傍に中心軸を含む断面内でのみ開口を制限するフレア絞りが配置されていることが望ましい。
また、後群は、回転対称の同軸屈折光学系からなることが望ましい。
また、前群の中心軸を含む面内の焦点距離をFfy、中心軸と直交する面内の焦点距離をFfxとすると、
fx/Ffy<0.95 ・・・(1)
なる条件を満足することが望ましい。
また、中心軸を含む断面において、入射瞳の中心軸からの距離をC、フレア絞りの中心軸からの距離をDとすると、
0.1<C/D<10 ・・・(6)
なる条件を満足することが望ましい。
また、少なくとも透明媒体が中心軸を含む断面で切断されて中心軸の周りの画角が360°より狭く構成されていてもよい。
以上の本発明によると、フレアー光の影響を受けない、小型で収差が良好に補正されて解像力の良い、360°全方位(全周)の画角を有する画像を得たり、360°全方位の画角に画像を投影するための光学系を得ることができる。
以下、実施例の基づいて本発明の光学系について説明する。
図1は、後記する実施例1の光学系の中心軸(回転対称軸)1に沿ってとった断面図であり、図2はその光学系内の光路を示す平面図であり、図2(a)は方位角0°における光路を示し、図2(b)は方位角0°と±10°における光路を示す。この図1、図2を用いて本発明の光学系を説明する。なお、以下の説明は、結像光学系として説明するが、光路を逆にとって360°全方位(全周)に画像を投影する投影光学系として用いることもできる。
本発明の光学系は、中心軸1の周りで回転対称な前群10と中心軸1の周りで回転対称な後群20とからなり、遠方の物体から入射する光束2は、前群10と後群20を順に経て中心軸1に垂直な像面30の中心軸1から外れた位置に結像するものである。
前群10は、中心軸1の周りで回転対称な屈折率が1より大きい樹脂等の透明媒体からなり、2面の内面反射面12、13と2面の透過面11、14を持つものである。内面反射面12、13と透過面11、14も中心軸1の周りで回転対称な形状をしている。また、後群20は、中心軸1の周りで回転対称で正パワーを有するでレンズ系等の同軸屈折光学系からなるものである。この実施例1では、後群20は理想レンズ(無収差のレンズ系)からなる。
そして、前群10の透明媒体は、遠方からの光束2が入射する第1透過面11、第1透過面11と中心軸1を挟んで反対側に配置されていて、第1透過面11から入射した光束が入射する第1反射面12、第1反射面12と同じ側に配置され、第1反射面12で反射された光束が入射する第2反射面13、後群20に面していて、第2反射面13で反射された光束が入射する第2透過面14を含み、第1反射面12の面の中心(中心光束2の中心光線20 が入射する位置)は、中心軸1方向に第2反射面13の中心(中心光束2の中心光線20 が入射する位置)より後群20側に位置している。
なお、図1の実施例の場合、前群10と後群20の間に、絞りを構成する円形の開口5が中心軸1と同軸に配置されている。
そして、中心軸1が垂直方向に向く場合、水平方向の遠方から入射する中心光束2は入射面の第1透過面11で屈折して前群10の透明媒体内に入り、中心軸1を横切って第1透過面11と反対側の第1反射面12に入射し、そこで後群20から離れるように反射された光束は第2反射面13に入射し、そこで後群20方向へ反射された光束は第2透過面14で屈折して前群10の透明媒体から外に出て、開口5を介して後群20に入射し、像面30の中心軸1から外れた半径方向の所定位置に結像する。
ここで、前群10の役割は、全周囲の画像から回転対称軸1に向かってくる光束を受けて任意の位置の円環状の空中像に変換する働きをするものである。そして、後群20の役割は、その円環状の空中像を像面30の平面上に投影する働きをするものである。
なお、本発明の光学系においては、中心軸1を含む断面(図1)内では、第1反射面12と第2反射面13の間の位置4Yに、また、中心軸を含む面に直交しその光束の中心光線を含む平面(図2)内でも、第1反射面12と第2反射面13の間の位置4Xに、それぞれ中間像を1回結像している。
そして、本発明の光学系では、図1の特に上方向から入射する有害なフレアー光が第1透過面11を透過して光学系内に入るのを防ぐために、中心軸1を含む面内でのみ入射瞳6Yを第1透過面11近傍に形成するように構成して、このようなフレアー光をカットするものである。中心軸1上に配置された絞り(開口)5は前群10により逆投影されることにより入射瞳6Yを形成する。この入射瞳6Yを中心軸1を含む断面内では第1透過面11近傍に配置することによ、逆投影された入射瞳6Y近傍にフレアー絞りを配置したのと同様になり、前群10内に入り込む不要光を大幅にカットすることが可能となり、フレアーを減らすことが可能となる。
フレアー絞りとしては、第1透過面11近傍、特にその直前に、中心軸1の周りで回転対称な輪帯状のスリットを配置するようにするとよい。また、その第1透過面11直前に配置するフレアー絞りは、光学系の保護を目的としたケーシングや、光線の通過しない部分を黒く塗った透明パイプ状のものでもよい。また、像面側(下側)のフレアー絞りには、第1反射面12の反射コーティング部分に兼用させてもよい。また、前群10の透明媒体の像面30と反対側(上側)は、有効な第2反射面13以外の不使用領域が大きく存在するために、有効面(第2反射面13)以外は砂目処理を行い、黒い塗料を塗布することでフレアー絞りを併用することも可能である。なお、第1透過面11近傍にフレアー絞りとして配置する輪帯状のスリットには、後記するように、開口5の代わりに配置して、入射瞳6Y自体を構成する開口絞りを兼ねさせるようにしてもよい。
一方、中心軸1と直交する方向においては、図2(b)に示すように中心軸1の周りで回転対称系なので、遠方の異なる方位からの光束2は何れも、回転中心である中心軸1上を常に通過する。そのため、中心軸1と直交する方向の前群10の透明媒体の円環状の入射面11上に到達する光束は全て中心軸1を一旦通過してから像面30に到達することになり、中心軸1と直交する方向の絞り5の逆投影された入射瞳6Xは中心軸1上に存在することとなる。
このように、中心軸1を含む面内と中心軸1を含む面に直交し光束2の中心光線20 を含む平面内とでは、入射瞳6Y、6Xの位置が異るため、本発明では、中心軸1を含む面内(Y−Z方向)と中心軸1と直交する面内(X−Z方向)の前群10の焦点距離を異ならせることが必要になる。
前群10の中心軸1を含む面内(Y−Z方向)と、中心軸1と直交する面内(X−Z方向)で、それぞれ任意の画角で微小距離離れた光線を追跡して、前群10から射出するときの光線の傾きから、前群のX−Z方向の焦点距離Ffx、Y−Z方向の焦点距離Ffyを求める。
中心軸1を含む面内での入射瞳6Yを第1透過面11近傍に配置するためには、
fx/Ffy<0.95 ・・・(1)
なる条件を条件を満足することが好ましい。
この条件式(1)の上限の0.95を越えると、X−Z方向とY−Z方向の焦点距離が略等しくなり、絞り5の逆投影位置をX−Z方向とY−Z方向で大きく異ならせることができなくなり、入射瞳6Yが中心軸1に近くなるため、第1透過面11のY−Z方向の径が大きくなってしまい、フレアー光が多くなってしまう。
さらに好ましくは、
fx/Ffy<0.9 ・・・(1−1)
なる条件を満足することが好ましい。
同様に、光学系全体のX−Z方向の焦点距離Fx 、Y−Z方向の焦点距離Fy の比Fx /Fy は、
x /Fy <0.95 ・・・(2)
なる条件を満足することが重要である。
さらに好ましくは、
x /Fy <0.9 ・・・(2−1)
なる条件を満足することが好ましい。
次に、後群20の焦点距離をFb とするとき、
0.7<Ffx/Fb <20 ・・・(3)
0.7<Ffy/Fb <20 ・・・(4)
なる条件を満足することが好ましい。
この条件式(3)は後群20の焦点距離Fb と前群10の焦点距離Ffx、Ffyの比であり、前群10と後群20の焦点距離のバランスは、それぞれの方向の収差補正のバランスを取りつつ、全体を小型にするために必要な条件である。
条件式(3)、(4)共に下限の0.7を越えると、後群20の焦点距離が長くなりすぎ、光学系全体が大型化する。また、共に上限の20を越えると、後群20の焦点距離が短くなりすぎ、後群20に要求される画角が広くなりすぎ、後群20の周辺画像の解像力が像面湾曲や非点収差、倍率の色収差等で低下してしまう。その結果、光学系全系としては、像面30上の円環状画像の外周部の解像が悪くなる。
さらに好ましくは、上記条件式(3)、(4)を同時に満足することが重要である。
さらに好ましくは、
1<Ffx/Fb <10 ・・・(3−1)
1<Ffy/Fb <10 ・・・(4−1)
なる条件を満足することが好ましい。
上記したように、本発明では、Y−Z断面(中心軸1を含む断面)の入射瞳6Yが第1透過面11近傍に存在することが特徴であり、入射瞳6Yが第1透過面11近傍に存在すると、ゴースト等を防ぐフレアー絞りを効果的に配置することが可能となる。これにより、光学系の入射面をY−Z断面において小さくすることが可能となり、前群10に入射する不要光を効果的に防ぐことが可能となり、根本的なフレアー対策に効果を発揮する。そのためには、以下の条件式を満足することが重要である。
Y−Z断面において、入射瞳6Y位置から絞り5位置までの光路長をA、入射瞳6Y位置から前群10の第1透過面11までの光路長であって光線方向を正とした値B、及び、それらの比を|A/B|とする。|A/B|は、前群10の入射面11近傍に入射瞳6Yが配置されている度合いを表す。
5<|A/B| ・・・(5)
条件式(5)の下限の5を越えると、中心軸1を含む断面内での入射瞳6Yが光学系第1面11から離れてしまい、第1面11の有効径が大きくなり、前群10に入射する有害なフレアー光を効果的にカットすることができなくなる。この値が大きい程、フレアー防止用のフレアー絞りを有効に働かせることが可能となる。
さらに好ましくは、
20<|A/B| ・・・(5−1)
なる条件を満足することが好ましい。
次に、入射瞳6Yの中心軸1からの距離をC、フレアー絞りの中心軸1からの距離をDとするとき、
0.1<C/D<10 ・・・(6)
なる条件を満足することが好ましい。
この条件式(6)はフレアー絞りの配置に関する条件で、1に近い程Y−Z断面での入射瞳6Yの位置とフレアー絞りの位置が近いことになり、フレアー絞りの効果が大きくなる。
本発明の光学系において配置するフレア絞りは、前記のように、機械的絞りでも可能であり、また、前群10の第1反射面12や第2反射面13の反射コーティングの有効径や、砂目処理を行い、黒い塗料を塗布した非光学面でも代用することが可能である。
なお、後記の実施例1〜3の条件式(1)〜(6)に関するパラメータの値は次の通りである。ただし、フレアー絞りは第1透過面11の近傍の距離Dの位置に配置されているものとする。フレアー絞りが第1透過面11上にある場合はC/D=1である。
実施例1 実施例2 実施例3
x -1.855 -1.953 -1.754
y -2.581 -2.782 -1.903
x /Fy 0.719 0.702 0.922
fx 15.385 8.726 15.175
fy 18.215 15.175 15.480
fx/Ffy 0.845 0.575 0.980
b 3.500 5.126 3.500
fx/Fb 4.396 1.702 4.336
fy/Fb 5.204 2.960 4.423
A 112.464 111.758 149.990
B -0.055 -0.001 0.039
|A/B| 2235.863 202093.309 3833.311
C 18.333 17.203 20.990
D 19.000 18.000 21.000
C/D 0.965 0.956 1.000 。
以下に、本発明の光学系の実施例1〜3を説明する。これら光学系の構成パラメータは後記する。これら実施例の構成パラメータは、例えば図1に示すように、物体面から前群10と後群20を経て像面30に至る順光線追跡の結果に基づくものである。
座標系は、順光線追跡において、例えば図1に示すように、入射瞳6Yを回転対称軸(中心軸)1に投影した位置を偏心光学系の偏心光学面の原点とし、回転対称軸(中心軸)1の像面30から離れる方向をY軸正方向とし、図1の紙面内をY−Z平面とする。そして、図1の紙面内のいま考えている入射瞳6Yの側と反対側の方向をZ軸正方向とし、Y軸、Z軸と右手直交座標系を構成する軸をX軸正方向とする。
偏心面については、その面が定義される座標系の上記光学系の原点の中心からの偏心量(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向をそれぞれX,Y,Z)と、光学系の原点に定義される座標系のX軸、Y軸、Z軸それぞれを中心とする各面を定義する座標系の傾き角(それぞれα,β,γ(°))とが与えられている。その場合、αとβの正はそれぞれの軸の正方向に対して反時計回りを、γの正はZ軸の正方向に対して時計回りを意味する。なお、面の中心軸のα,β,γの回転のさせ方は、各面を定義する座標系を光学系の原点に定義される座標系のまずX軸の回りで反時計回りにα回転させ、次に、その回転した新たな座標系のY軸の回りで反時計回りにβ回転させ、次いで、その回転した別の新たな座標系のZ軸の回りで時計回りにγ回転させるものである。
また、各実施例の光学系を構成する光学作用面の中、特定の面とそれに続く面が共軸光学系を構成する場合には面間隔が与えられており、その他、面の曲率半径、媒質の屈折率、アッベ数が慣用法に従って与えられている。
なお、後記の構成パラメータ中にデータの記載されていない非球面に関する項は0である。屈折率、アッベ数については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。各面の偏心は、上記のように、入射瞳6Yを回転対称軸(中心軸)1に投影した位置からの偏心量で表わす。
なお、非球面は、以下の定義式で与えられる回転対称非球面である。
Z=(Y2 /R)/[1+{1−(1+k)Y2 /R2 1 /2
+aY4 +bY6 +cY8 +dY10+・・・
・・・(a)
ただし、Zを光の進行方向を正とした光軸(軸上主光線)とし、Yを光軸と垂直な方向にとる。ここで、Rは近軸曲率半径、kは円錐定数、a、b、c、d、…はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。この定義式のZ軸が回転対称非球面の軸となる。
また、拡張回転自由曲面は、以下の定義で与えられる回転対称面である。
まず、Y−Z座標面上で原点を通る下記の曲線(b)が定められる。
Z=(Y2 /RY)/[1+{1−(C1 +1)Y2 /RY2 1 /2
2 Y+C3 2 +C4 3 +C5 4 +C6 5 +C7 6
+・・・・+C2120+・・・・+Cn+1 n +・・・・
・・・(b)
次いで、この曲線(b)をX軸正方向を向いて左回りを正として角度θ(°)回転した曲線F(Y)が定められる。この曲線F(Y)もY−Z座標面上で原点を通る。
その曲線F(Y)をZ正方向に距離R(負のときはZ負方向)だけ平行移動し、その後にY軸の周りでその平行移動した曲線を回転させてできる回転対称面を拡張回転自由曲面とする。
その結果、拡張回転自由曲面はY−Z面内で自由曲面(自由曲線)になり、X−Z面内で半径|R|の円になる。
この定義からY軸が拡張回転自由曲面の軸(回転対称軸)となる。
ここで、RYはY−Z断面での球面項の曲率半径、C1 は円錐定数、C2 、C3 、C4 、C5 …はそれぞれ1次、2次、3次、4次…の非球面係数である。
そして、本発明の光学系においては、前群10の内面反射面12、13と透過面11、14の少なくとも1面は、このような拡張回転自由曲面であって、Y−Z断面で多項式で表現した場合に、少なくとも奇数次項を持ち対称面を持たない任意形状の線分を中心軸1の周りで回転させて形成される回転対称な形状を有するものとすることが望ましい。少なくとも1面の内面反射面又は透過面にこのような面形状を持たせることにより、反射光学系においては避けられない偏心収差を補正して解像力の良い光学系を提供することができると共に、その光学系の小型化が可能になる。
実施例1の光学系の中心軸(回転対称軸)1に沿ってとった断面図を図1に、その光学系内の光路を示す平面図を図2に示す。
この実施例の光学系は、中心軸1の周りで回転対称な前群10と中心軸1の周りで回転対称な後群20とからなり、遠方の物体から入射する光束2は、前群10と後群20を順に経て中心軸1に垂直な像面30の中心軸1から外れた位置に結像するものであり、中心軸1を垂直(上下方向)に設定した場合、例えば360°全方位(全周)の画角を有する画像であって、天頂方向が画像の中心方向に向き、地平線が外側の円になるような円環状の画像を像面30に結像させるものである。
前群10は、中心軸1の周りで回転対称な屈折率が1より大きい樹脂等の透明媒体からなり、2面の内面反射面12、13と2面の透過面11、14を持つものである。内面反射面12、13と透過面11、14も中心軸1の周りで回転対称な形状をしている。また、後群20は、中心軸1の周りで回転対称で正パワーを有するで理想レンズ(無収差のレンズ系)からなる。
そして、前群10の透明媒体は、遠方からの光束2が入射する第1透過面11と、第1透過面11と中心軸1を挟んで反対側に配置されていて、第1透過面11から入射した光束が入射する第1反射面12と、第1反射面12と同じ側に配置され、第1反射面12で反射された光束が入射する第2反射面13と、後群20に面していて、第2反射面13で反射された光束が入射する第2透過面14とからなり、何れも拡張回転自由曲面からなる。ただし、円錐定数、非球面係数は0である。
また、前群10と後群20の間に、絞りを構成する円形の開口5が中心軸1と同軸に配置されている。
中心軸1が垂直方向に向き、光学系が天頂に向いている場合、水平方向の遠方から入射する中心光束2は入射面の透過面11を経て前群10の透明媒体内に入り、中心軸1を横切って透過面11と反対側の内面反射面12で後群20から離れるように上方へ反射されて、内面反射面12と同じ側で後群20からより離れた側に位置している内面反射面13で後群20方向へ再度反射され、射出面の透過面14を経て前群10の透明媒体から外に出て、開口5を介して後群20に入射し、像面30の中心軸1から外れた半径方向の所定位置に結像する。
そして、この実施例の光学系では、遠方から入射する光束2、3U、3L(光束3Uは遠方の空側から入射する光束、3Lは遠方の地側から入射する光束)を、中心軸1を含む断面(図1)内では、第1反射面12と第2反射面13の間の位置4Yに、また、中心軸1を含む面に直交しその光束の中心光線を含む平面(図2)内でも、第1反射面12と第2反射面13の間の位置4Xに、それぞれ中間像を1回結像している。
この実施例においては、第2反射面13を透過面である入射面11と中心軸1を挟んで反対側(第1反射面12と同一側)に配置することにより、全体の光路長は短くなるが、第1反射面12と第2反射面13での光線の反射角を略同一に、しかも45°以下にすることが可能となり、特に偏心収差の発生を少なくすることが可能となる。
この実施例の光学系において、透明媒体の天頂側の有効な第2反射面13以外の不使用領域が大きく存在するために、有効面(第2反射面13)以外は砂目処理を行い、黒い塗料を塗布することにより、回転対称軸1に沿った天頂側から入射するフレアーやゴーストを形成する不要光を遮光することが可能となり、フレアーのより少ない映像を観察(撮像)することが可能となる。
この実施例1の仕様は、
理想レンズ20の焦点距離 3.5mm
水平画角 360°
垂直画角 40°
入射瞳径 1.3mm
像の大きさ φ5.98〜φ2.20mm
である。
図3に、この実施例の光学系全体の横収差を示す。この横収差図において、中央に示された角度は、垂直方向の画角を示し、その画角におけるY方向(メリジオナル方向)とX方向(サジタル方向)の横収差を示す。以下、同じ。
図4に、この実施例の垂直方向のディストーションを示す図であり、■で結んだ曲線は、実施例1の光学系の垂直方向入射画角に対する像面30での像高(中心軸1から半径方向の像高)をプロットしたグラフである。太い実線は、入射画角に対して像高が比例する場合(IH∝f・θの場合。ここで、IH:像高、f:焦点距離、θ:画角)を表している。
実施例2の光学系の中心軸(回転対称軸)1に沿ってとった図1と同様の断面図を図5に、その光学系内の光路を示す図2と同様の平面図を図6に示す。また、この実施例の図3と同様の横収差図7に示す。
この実施例の光学系は、実施例1と同様の構成であり、異なる点は、後群20を理想レンズの代わりに5枚のレンズL1〜L5を含み3群からなるレンズ系で構成した点と、前群10の透明媒体の第2透過面14を拡張回転自由曲面の代わりに中心軸1の周りで回転対称な非球面を用いている点であり、後群20を構成するレンズ系は、前群10側から順に、前群10側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1と、前群10側に凹面を向けた正メニスカスレンズL2と前群10側に凹面を向けた負メニスカスレンズL3の接合レンズと、両凸正レンズL4と両凹負レンズL5の接合レンズからなる。
その他の構成と作用は実施例1と同様である。ただし、中心軸1を含む断面内での中間結像位置4Yは、この実施例の場合、第1透過面11と第1反射面12の間の第1反射面12近傍の位置となっている。
この実施例2の仕様は、
後群20のレンズ系の焦点距離 5.12mm
水平画角 360°
垂直画角 40°
入射瞳径 1.2mm
像の大きさ φ5.97〜φ2.01mm
である。
図8に、この実施例の垂直方向のディストーションを示す図であり、■で結んだ曲線と、太い実線の意味は図4と同じである。この実施例では、垂直画角が狭く(40°)、反射面12、13に奇数次項(C4 )を用いているため、垂直方向のディストーションは極めて良くなっている。
実施例3の光学系の中心軸(回転対称軸)1に沿ってとった図1と同様の断面図を図9に、その光学系内の光路を示す図2と同様の平面図を図10に示す。また、この実施例の図3と同様の横収差図11に示す。
この実施例の光学系は、実施例1と同様の構成であり、異なる点は、前群10の透明媒体の第2透過面14を拡張回転自由曲面の代わりに中心軸1の周りで回転対称な非球面を用いている点であり、その他の構成と作用は実施例1と同様である。ただし、中心軸1を含む断面内での中間結像位置4Yは、この実施例の場合、第1透過面11と第1反射面12の間の位置となっている。
この実施例3の仕様は、
理想レンズ20の焦点距離 3.5mm
水平画角 360°
垂直画角 90°
入射瞳径 1.6mm
像の大きさ φ5.99〜φ1.07mm
である。
図12に、この実施例の垂直方向のディストーションを示す図であり、■で結んだ曲線と、太い実線の意味は図4と同じである。
以下に、上記実施例1〜3の構成パラメータを示す。なお、以下の表中の“ASS”は非球面、“ERFS”は拡張回転自由曲面をそれぞれ示す。また、“IDL”は理想レンズ、“RE”は反射面をそれぞれ示す。

実施例1
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞
1 ∞(入射瞳面) 偏心(1)
2 ERFS[1] 偏心(2) 1.5163 64.1
3 ERFS[2] (RE) 偏心(3) 1.5163 64.1
4 ERFS[3] (RE) 偏心(4) 1.5163 64.1
5 ERFS[4] 偏心(5)
6 ∞(絞り) 偏心(6)
7 IDL 偏心(7)
像 面 ∞ 偏心(8)
ERFS[1]
RY 41.46
θ -45.73
R -18.38
ERFS[2]
RY -35.86
θ -44.77
R 13.39
ERFS[3]
RY -49.48
θ -88.49
R 8.62
ERFS[4]
RY -16.67
θ -83.30
R 3.21
偏心(1)
X 0.00 Y 0.00 Z -18.33
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(2)
X 0.00 Y 0.00 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(3)
X 0.00 Y -10.07 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(4)
X 0.00 Y 4.57 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(5)
X 0.00 Y -15.57 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(6)
X 0.00 Y -21.65 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(7)
X 0.00 Y -25.15 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(8)
X 0.00 Y -29.06 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00 。

実施例2
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞
1 ∞(入射瞳面) 偏心(1)
2 ERFS[1] 偏心(2) 1.5163 64.1
3 ERFS[2] (RE) 偏心(3) 1.5163 64.1
4 ERFS[3] (RE) 偏心(4) 1.5163 64.1
5 ASS[1] 偏心(5)
6 ∞(絞り) 偏心(6)
7 -10.23 偏心(7) 1.5208 67.0
8 -4.76 偏心(8)
9 -27.34 偏心(9) 1.6038 61.2
10 -3.06 偏心(10) 1.7552 27.6
11 -4.23 偏心(11)
12 6.25 偏心(12) 1.4979 69.3
13 -4.40 偏心(13) 1.7509 32.2
14 14.03 偏心(14)
像 面 ∞ 偏心(15)
ERFS[1]
RY 12.80
θ -37.53
R -17.20
4 5.6233 ×10-4
ERFS[2]
RY -540.67
θ -42.20
R 12.04
3 -1.2313 ×10-2
4 9.0272 ×10-6
5 -4.1194 ×10-6
ERFS[3]
RY -18.83
θ -86.79
R 5.54
3 2.2700 ×10-2
4 -4.8733 ×10-5
5 3.9655 ×10-6
ASS[1]
R -60.87
k 0.0000
a 7.5446 ×10-3
偏心(1)
X 0.00 Y 0.00 Z -17.20
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(2)
X 0.00 Y 0.00 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(3)
X 0.00 Y -7.22 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(4)
X 0.00 Y 11.14 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(5)
X 0.00 Y -11.92 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(6)
X 0.00 Y -12.42 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(7)
X 0.00 Y -12.92 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(8)
X 0.00 Y -14.58 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(9)
X 0.00 Y -14.68 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(10)
X 0.00 Y -16.18 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(11)
X 0.00 Y -17.18 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(12)
X 0.00 Y -17.28 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(13)
X 0.00 Y -19.78 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(14)
X 0.00 Y -20.78 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(15)
X 0.00 Y -24.07 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00 。

実施例3
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 ∞ ∞
1 ∞(入射瞳面) 偏心(1)
2 ERFS[1] 偏心(2) 1.8830 40.7
3 ERFS[2] (RE) 偏心(3) 1.8830 40.7
4 ERFS[3] (RE) 偏心(4) 1.8830 40.7
5 ASS[1] 偏心(5)
6 ∞(絞り) 偏心(6)
7 IDL 偏心(7)
像 面 ∞ 偏心(8)
ERFS[1]
RY 12.47
θ -38.00
R -20.95
4 -1.2785 ×10-2
ERFS[2]
RY -99.34
θ -32.95
R 16.64
3 -1.1833 ×10-2
4 -5.6247 ×10-5
5 -5.4053 ×10-6
ERFS[3]
RY 12.80
θ -74.74
R 5.77
3 -1.5794 ×10-2
4 5.5281 ×10-4
5 6.5482 ×10-6
ASS[1]
R -23.54
k 0.0000
a 4.5285 ×10-4
偏心(1)
X 0.00 Y 0.00 Z -20.99
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(2)
X 0.00 Y 0.00 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(3)
X 0.00 Y -12.92 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(4)
X 0.00 Y -1.29 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(5)
X 0.00 Y -23.39 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(6)
X 0.00 Y -25.25 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(7)
X 0.00 Y -28.75 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(8)
X 0.00 Y -32.62 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00 。
ところで、以上の実施例では、前群10と後群20の間に中心軸1と同軸に開口5を配置し、中心軸1を含む面内でこの開口5を物体側に逆に投影することにより、第1透過面11近傍に中心軸1を含む面内での入射瞳6Yを形成するようにしているが、この開口5の代わりに、図13〜図15にそれぞれ実施例1〜3の変形例の中心軸1を含む断面図に示すように、開口5の代わりに、中心軸1と同軸に円筒状のスリットあるいは輪帯状のスリット15を第1透過面11近傍に配置してもよい。その場合は、スリット15自体がフロント絞りの作用をして入射瞳6Yを形成する。また、この円筒状のスリットあるいは輪帯状のスリット15はフレアー絞りも兼ねる。また、このようなスリット15と前群10の像面30側の何れかの位置に配置された開口5とを併用するようにしてももちろんよい。なお、中心軸1を含む面に直交し中心光線20 を含む面内の入射瞳6Xは、前群10の像面30側の何れかの位置に開口5が配置されていなくとも、後群20のレンズ系の枠等が逆投影されて形成される。
さらに、以上の実施例の光学系では、前群10のさらに物体側にYトーリックレンズを付加し、このYトーリックレンズもY軸(中心軸1)に対して回転対称な面で構成されたレンズにし、このトーリックレンズはX方向にはパワーを持たせないで、一方、Y方向(図1の断面内等)には負のパワーを持たせることにより、回転対称軸1を含む断面方向の画角を大きくとることが可能となる。さらに好ましくは、このトーリックレンズはY−Z断面内では物体側に凸面を向け負のメニスカスレンズ形状に構成することにより、像歪の発生を最小にすることが可能となり、良好な収差補正が可能となる。
さらに、前群10の物体側には、断面が負メニスカスレンズ形状の1つのYトーリックレンズに限らず、2枚又は3枚のメニスカス形状のレンズで構成することにより、より像歪の発生を小さくすることが可能である。また、レンズに限らず、中心軸1に対して回転対称な反射面やプリズムにより光線を反射屈折させて任意の方向を撮像あるいは観察させることも容易である。
また、以上の実施例では、垂直方向のディストーションをf・θ特性(IH∝f・θ)に近付けようとするものであったが(特に実施例2)、これをf・tanθ特性(IH∝f・tanθ)に近付いたものとするためには、特に反射面12、13に高次の奇数次項を用いて補正するようにすればよい。
また、以上の実施例では、前群10の反射面、屈折面をそれぞれ回転対称軸1上に面頂を有する回転対称非球面で構成したり、任意形状の線分を回転対称軸1の周りで回転することにより形成され回転対称軸1上に面頂を有さない拡張回転自由曲面で構成しているが、それぞれ任意の曲面に置き換えることは容易である。
また、本発明の光学系は、回転対称面を形成する任意形状の線分を定義する式に奇数次項を含むものを用いることにより、偏心により発生する像面の傾きや、絞りの逆投影時の瞳収差を補正している。特に、第1反射面の奇数次項は重要であり、これを正の値にすることが偏心により発生する偏心収差を補正するために必要である。また、Y軸正方向(像面と反対側)でのY−Z方向の曲率を強く(曲率半径を小さく)することが、収差補正上好ましい。
また、本発明の前群10を構成する中心軸1の周りで回転対称な透明媒体はそのまま用いることにより、360°全方位の画角を有する画像を撮影したり投影できるが、その透明媒体を中心軸1を含む断面で切断して2分の1、3分の1、3分の2等にすることにより、中心軸1の周りの画角が180°、120°、240°等の画像を撮影したり投影するようにしてもよい。
以上、本発明の光学系を中心軸(回転対称軸)1を垂直方向に向けて天頂を含む360°全方位(全周)の画角の画像を得る撮像あるいは観察光学系として説明してきたが、本発明は撮影光学系、観察光学系に限定されず、光路を逆にとって天頂を含む360°全方位(全周)の画角に画像を投影する投影光学系として用いることもできる。また、内視鏡は管内観察装置の全周観察光学系として用いることもできる。
以下に、本発明の光学系の適用例として、パノラマ撮影光学系31又はパノラマ投影光学系32の使用例を説明する。図16は、内視鏡先端の撮影光学系として本発明によるパノラマ撮影光学系31を用いた例を示すための図であり、図16(a)は、硬性内視鏡41の先端に本発明によるパノラマ撮影光学系31を取り付けて360°全方位の画像を撮像観察する例である。また、図16(b)は、軟性電子内視鏡42の先端に本発明によるパノラマ撮影光学系31を取り付けて、表示装置43に撮影された画像を画像処理を施して歪みを補正して表示するようにした例である。
図17は、自動車48の各コーナや頂部に撮影光学系として本発明によるパノラマ撮影光学系31を複数取り付けて、車内の表示装置に各パノラマ撮影光学系31を経て撮影された画像を画像処理を施して歪みを補正して同時に表示するようにした例である。
図18は、投影装置44の投影光学系として本発明によるパノラマ投影光学系32を用い、その像面に配置した表示素子にパノラマ画像を表示し、パノラマ投影光学系32を通して360°全方位に配置したスクリーン45に360°全方位画像を投影表示する例である。
図19は、建物47の外部に本発明によるパノラマ撮影光学系31を用いた撮影装置49を取り付け、屋内に本発明によるパノラマ投影光学系32を用いた投影装置44を配置し、撮影装置49で撮像された映像を電線46を介して投影装置44に送るように接続している。このような配置において、屋外の360°全方位の被写体Oをパノラマ撮影光学系31を経て撮影装置49で撮影し、その映像信号を電線46を介して投影装置44に送り、像面に配置した表示素子にその映像を表示して、パノラマ投影光学系32を通して屋内の壁面等に被写体Oの映像O’を投影表示するようにしている例である。
本発明の実施例1の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。 本発明の実施例1の光学系内の光路を示す平面図である。 実施例1の光学系全体の横収差図である。 実施例1の垂直方向のディストーションを示す図である。 本発明の実施例2の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。 本発明の実施例2の光学系内の光路を示す平面図である。 実施例2の光学系全体の横収差図である。 実施例2の垂直方向のディストーションを示す図である。 本発明の実施例3の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。 本発明の実施例3の光学系内の光路を示す平面図である。 実施例3の光学系全体の横収差図である。 実施例3の垂直方向のディストーションを示す図である。 実施例1の変形例の中心軸に沿ってとった断面図である。 実施例2の変形例の中心軸に沿ってとった断面図である。 実施例3の変形例の中心軸に沿ってとった断面図である。 内視鏡先端の撮影光学系として本発明によるパノラマ撮影光学系を用いた例を示すための図である。 自動車の各コーナや頂部に撮影光学系として本発明によるパノラマ撮影光学系を用いた例を示すための図である。 投影装置の投影光学系として本発明によるパノラマ投影光学系を用いた例を示すための図である。 屋外の被写体を本発明によるパノラマ撮影光学系を経て撮影し、屋内に本発明によるパノラマ投影光学系を通して投影表示する例を示すための図である。
符号の説明
1…中心軸(回転対称軸)
2…遠方から入射する中心光束
0 …中心光束の中心光線
3U…遠方の空側から入射する光束
3L…遠方の地側から入射する光束
4Y、4X…中間像結像位置
5…絞り(開口)
6Y、6X…入射瞳
10…前群
11…第1透過面(入射面)
12…第1反射面(内面反射面)
13…第2反射面(内面反射面)
14…第2透過面(射出面)
15…円筒状のスリット又は輪帯状のスリット
20…後群
30…像面
31…パノラマ撮影光学系
32…パノラマ投影光学系
41…硬性内視鏡
42…軟性電子内視鏡
43…表示装置
44…投影装置
45…スクリーン
46…電線
47…建物
48…自動車
49…撮影装置
L1〜L5…レンズ
O…被写体
O’…映像

Claims (9)

  1. 360°全方位の画角を有する画像を像面に結像させるか、像面に配置された画像を360°全方位の画角に投影する光学系であって、
    中心軸の周りで回転対称な透明媒体からなり、2面の内面反射面と2面の透過面を持つ前群と、中心軸の周りで回転対称で正パワーを有する後群とを備えており、
    前記前群は、結像系の場合は光線の進む順に、投影系の場合は光線の進む順とは反対に、遠方からの光束が前記前群に入射する第1透過面、前記第1透過面と中心軸を挟んで反対側に配置されている第1反射面、前記第1反射面と同じ側に配置されている第2反射面、前記後群に面している第2透過面を含み、前記第1反射面の面の中心は中心軸方向に前記第2反射面の中心より前記後群側に位置しており、
    遠方から入射する光束は、前記前群と前記後群を順に経て像面の中心軸から外れた位置に結像し、
    前記前群より像面側の何れかの位置に中心軸と同軸に配置された開口を備えており、
    中心軸を含む断面において、入射瞳位置から前記開口位置までの光路長をA、入射瞳位置から前群の第1透過面までの光路長であって光線方向を正とした値をBとすると、
    5<|A/B| ・・・(5)
    なる条件を満足することを特徴とする光学系。
  2. 前記前群の前記第1透過面の近傍に中心軸の周りで回転対称な輪帯状のスリット開口を備えていることを特徴とする請求項記載の光学系。
  3. 少なくとも1面の内面反射面は対称面を持たない任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される回転対称な形状を有することを特徴とする請求項1又は2記載の光学系。
  4. 少なくとも1面の内面反射面は奇数次項を含む任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される回転対称な形状を有することを特徴とする請求項1からの何れか1項記載の光学系。
  5. 中心軸を含む断面内において、入射瞳近傍に中心軸を含む断面内でのみ開口を制限するフレア絞りが配置されていることを特徴とする請求項1からの何れか1項記載の光学系。
  6. 前記後群は、回転対称の同軸屈折光学系からなることを特徴とする請求項1からの何れか1項記載の光学系。
  7. 前記前群の中心軸を含む面内の焦点距離をFfy、中心軸と直交する面内の焦点距離をFfxとすると、
    fx/Ffy<0.95 ・・・(1)
    なる条件を満足することを特徴とする請求項1からの何れか1項記載の光学系。
  8. 中心軸を含む断面において、入射瞳の中心軸からの距離をC、前記フレア絞りの中心軸からの距離をDとすると、
    0.1<C/D<10 ・・・(6)
    なる条件を満足することを特徴とする請求項記載の光学系。
  9. 少なくとも前記透明媒体が中心軸を含む断面で切断されて中心軸の周りの画角が360°より狭く構成されていることを特徴とする請求項1からの何れか1項記載の光学系。
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