JP4648654B2 - モータおよび記録媒体駆動装置 - Google Patents
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Description
また、HDDの小型化により、スピンドルモータとHDDの磁気ディスクとの距離も接近していた。そのため、スピンドルモータの磁気が磁気ディスクの読み書きに影響を与え、読み書きのエラーが発生する恐れがあった。
そのため、小型のHDD等に使用可能なスピンドルモータ実現するものとして、ロータとロータマグネットとの間にステータの一部を覆うシールド板を配置するものが提案されていた(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、ロータマグネットとシールド板とが接触しているため、ロータマグネットの磁束はシールド板に回っていた。そのため、ステータコアに回る磁束の割合が少なくなり、回転トルクの発生に寄与する磁束の割合が減少することからモータ効率が悪くなるという問題があった。
さらに、シールド板から磁束が漏洩すると、漏洩した磁束がHDDの磁気ディスクの読み書きに影響を与え、読み書きエラーを発生させるという問題があった。
本発明のモータは、回転可能に支持された軸体と、該軸体に保持された円環状の永久磁石と、該永久磁石を回転駆動する円環状の電磁石と、を有し、前記永久磁石が、前記軸体に形成された保持部により内周面および軸方向の一端を保持され、前記電磁石が、交流により励磁可能なコイルと、該コイルが巻かれ、励磁されるステータコアと、を有し、前記ステータコアには、前記保持部により保持された前記永久磁石の前記一端側に向けて折り曲げた折り曲げ部が形成され、該折り曲げ部が、前記ステータコアの前記永久磁石と対向する面の少なくとも一部を形成し、その先端が前記永久磁石の前記一端以上に前記軸方向に突出する位置に配置され、前記保持部の前記電磁石に対向する端面が、前記永久磁石の前記電磁石に対向する端面よりも前記電磁石から離れていることを特徴とする。
また、モータの効率を向上させることができるため、モータを小型化・薄型化しても、回転トルクの低下を防止することができるとともに、消費電力の削減を図ることができる。
また、永久磁石の磁束をより電磁石に集中させやすくすることができるので、例えばモータの外に漏洩する磁束をより減少させることができる。
本発明によれば、シールド板により電磁石からの磁束だけでなく、永久磁石における前記保持部の前記端面より前記電磁石側に突出した部分からの磁束も、モータの外に漏洩することを防止することができる。
本発明によれば、永久磁石の磁束を、シールド板よりも近い位置に配置された電磁石に集中させることができる。そのため、永久磁石の磁束がシールド板に漏洩することを防止することができ、モータの回転トルクの発生に寄与する磁束を増やすことができる。その結果、モータの効率を向上させることができる。
本発明によれば、上記本発明のモータを備えることにより、記録媒体を回転駆動させるのに必要な電力を低減することができる。また、モータからの磁束の漏洩を抑制することができるので、記録媒体の読み書き時のエラー発生を防止することができる。
本発明の記録媒体駆動装置によれば、本発明のモータを備えることにより、記録媒体駆動装置を小型化・薄型化しても、駆動時の消費電力を低減することができるという効果を奏する。また、モータからの磁束漏洩を抑制することができるため、記録媒体の読み書き時のエラー発生を防止することができるという効果を奏する。
本実施の形態に係るモータ10は、図1に示される記録媒体駆動装置1に適用されるものである。この記録媒体駆動装置1は、記録媒体HDを回転駆動するモータ10を備えている。
モータ10は、円環状に配列された電磁石20を備えるステータ11と、ステータ11の内側に配置され電磁石20に対向配置される永久磁石14を備えたロータ(軸体)12と、ステータ11に対してロータ12を回転可能に支持する流体動圧軸受13とから概略構成されている。ステータ11に備えられた電磁石20と、ロータ12に備えられた永久磁石14との間に働く磁力により、ステータ11に対してロータ12は回転駆動される。
カップ状に形成されたロータ12には、ロータ12の側壁外周から鍔状に形成されたフランジ(保持部)15と、フランジ15とともに永久磁石14を保持するヨーク(保持部)16と、ロータ12の中心軸線上に形成され、後述するシャフト31と嵌合する嵌合孔17と、リング板状の記録媒体HDを嵌合させる嵌合部(固定部)18と、が形成されている。
なお、フランジ15の外周側端面15aは、上述のように永久磁石14の半径方向略中央に位置するように形成されていてもよいし、永久磁石14の外周側端面14aよりも半径方向内方に後退した位置であれば、どのような位置に配置されていてもよい。
電磁石20と記録媒体HDとの間には、電磁石20および永久磁石14により形成される磁界を遮断するシールド板21が配置されている。シールド板21は、略中央にロータ12が通される孔が形成された円板から形成されている。シールド板21と永久磁石14との間隔は、少なくとも永久磁石14と電磁石20との間隔よりも広くなるように構成されている。また、シールド板21は、その内周側端面がロータ12のフランジ15と所定の間隔を持って対向するように形成されるとともに、その外周側端面がステータ11に固定されるように形成されている。
なお、シールド板21とフランジ15との所定の間隔とは、ロータ12が回転した際に、シールド板21とフランジ15とが接触しない間隔であって、シールド板21よりも外方に漏洩する磁束の量を低減させることができる間隔である。
電磁石20は、図1および図2に示すように、三相交流を供給されることにより交番磁界を発生するコイル23と、コイル23が巻かれる2枚の金属板からなるステータコア24とから構成されている。
ステータコア24は、図2に示すように環状のコアバック25と、コアバック25から半径方向内方に延びる複数の歯極26とから構成されている。歯極26の半径方向内方の先端部は円周方向の長さが歯極26の外方部よりも長く形成されている。コイル23は、この歯極26に巻かれている。
第1プレート27の歯極26の半径方向内方の先端には、記録媒体HD側に折り曲げられ、永久磁石14と対向する対向部(折り曲げ部)29が形成されている。対向部29は、軸線方向(図1中上下方向)について、永久磁石14の外周側端面との間隔が一定になるように形成されている。また、対向部29は、図2に示すように、円周方向についても、永久磁石の外周側端面14aとの間隔が一定になるように形成されている。
また、第2プレート28のコアバック25には、各コイル23間の渡り線を係止する係止部30が形成されている。係止部30は、コアバック25の部材が第1プレート27を回り込むように立ち上げて形成されている。
なお、第1プレート27の対向部29の上端が、永久磁石14の上端と略同一面上または同一面よりも上方に配置されるとともに、第2プレート28の下端が、永久磁石14の下端と略同一面上または同一面よりも下方に配置されるようにしてもよい。
また、上述のように、第1プレート27に対向部29を形成するものでもよいし、第2プレート28に記録媒体HD側に折り曲げられる対向部29が形成されるものでもよい。
また、第2プレート28にステータ11側に折り曲げられる対向部29が形成されるものでもよい。この場合、ステータコア24は、第2プレート28の対向部29の下端が永久磁石14の下端と同一面上または同一面よりも下方に位置するように配置されることが望ましい。
このような構成にすることにより、永久磁石14と電磁石20との吸引力の周期性が弱くなり、モータのコギングトルクを低減することができる。
記録媒体駆動装置1を起動して、記録媒体HDを回転させるには、まず、モータ10を構成するステータ11のコイル23に三相交流電流を供給することにより、コイル23に交番磁界を発生させる。この交番磁界が永久磁石14に作用することによりロータ12が回転させられる。ロータ12には、記録媒体HDが固定されているので、ロータ12が回転させられると、記録媒体HDがロータ12とともに回転させられる。
図4に示される磁束分布図は、本実施の形態に係るモータ10の永久磁石14と電磁石20との間の磁束の流れをシミュレートした図である。図4(a)に示すのは、図1に示す第1プレート27に対向部29を形成したモータ10の磁束分布図であり、図4(b)に示すのは、図3に示す第1プレート27および第2プレート28に対向部29a,29bを形成したモータ10aの磁束分布図である。また、図4(c)に示される磁束分布図は、従来の実施の形態に係るモータの磁束の流れをシミュレートした図である。本発明との相違点は、フランジ15が、永久磁石14の外周端面よりも半径方向外方に延びて形成されている点と、ステータコア24に対向部29が形成されていない点である。
具体的には、本実施形態に係るモータ10には対向部29があるため、永久磁石14からの磁束を受け取る面積が広くなり、より多くの磁束が電磁石に回っている。また、対向部29の上端が永久磁石14の上端と同一面に配置されているので、永久磁石14の外周側端面14aの上角部から集中して放出される磁束の多くを対向部29で受け取れている。さらに、フランジ15の外周側端面15aが永久磁石14の略中央に位置しているため、従来のモータではフランジ15に回っていた磁束の多くが電磁石20に回っている。
また、図4(a)に示すように、永久磁石14の上面から放出された磁束は、シールド板21により遮断され、記録媒体HD側への漏洩が防止されている。
具体的には、モータ10aでは、永久磁石14の外周側端面14aの下角部から集中して放出される磁束の多くが、第2プレート28の対向部29bに回っている。そのため、モータ10よりも多くの磁束が永久磁石14から電磁石20に回っている。
また、モータ10とモータ10aとを比較すると、回転角度が略6度よりも小さい領域では、モータ10(グラフA)の誘起電圧が高くなっている。また、回転角度が略6度よりも大きくなると、モータ10a(グラフB)の誘起電力が高くなっている。
モータ10aは、図6に示すように、全ての回転角度において、従来の実施形態に係るモータよりも上記ステータコア24の対向面における磁束密度が高くなっている。
また、ステータコア24の対向部29,29a,29bにより、電磁石20と永久磁石14とが磁束を受け渡しする面積を広くされている。そのため、永久磁石14の磁束をより電磁石20に集中させやすくなり、モータ10,10aの効率をより向上させることができる。
また、永久磁石14の外周側端面14aが、フランジ15の外周側端面15aよりも電磁石20に接近して配置されているため、永久磁石14の磁束を電磁石20に集中させることができる。そのため、モータ10,10aの外に漏洩する磁束を減少させることができる。
さらに、シールド板21と永久磁石14との間隔は、少なくとも永久磁石14と電磁石20との間隔よりも広くなるように構成されているため、永久磁石14の磁束を、シールド板21よりも近い位置に配置された電磁石20に集中させることができる。そのため、永久磁石14の磁束がシールド板21に漏洩することを防止することができ、モータ10,10aの回転トルクの発生に寄与する磁束を増やすことができる。その結果、モータ10,10aの効率を向上させることができる。
例えば、上記の実施の形態においては、流体動圧軸受をインナーロータ型のモータに適用して説明したが、このインナーロータ型のモータに限られることなく、アウターロータ型のモータなど、その他各種のモータに適用することができるものである。
10、10a モータ
12 ロータ(軸体)
14 永久磁石
14a、15a 外周側端面(端面)
15 フランジ(保持部)
16 ヨーク(保持部)
18 嵌合部(固定部)
20 電磁石
21 シールド板
23 コイル
24 ステータコア
29、29a、29b 対向部(折り曲げ部)
33 軸体
HD 記録媒体
Claims (4)
- 回転可能に支持された軸体と、該軸体に保持された円環状の永久磁石と、該永久磁石を回転駆動する円環状の電磁石と、を有し、
前記永久磁石が、前記軸体に形成された保持部により内周面および軸方向の一端を保持され、
前記電磁石が、交流により励磁可能なコイルと、該コイルが巻かれ、励磁されるステータコアと、を有し、
前記ステータコアには、前記保持部により保持された前記永久磁石の前記一端側に向けて折り曲げた折り曲げ部が形成され、
該折り曲げ部が、前記ステータコアの前記永久磁石と対向する面の少なくとも一部を形成し、その先端が前記永久磁石の前記一端以上に前記軸方向に突出する位置に配置され、さらに、前記折り曲げ部は、前記永久磁石の外周側端面に対向して配置され、周方向両端部における前記永久磁石との間隔が周方向中央部における前記永久磁石との間隔より広い形状を有し、
前記保持部の前記電磁石に対向する端面が、前記永久磁石の前記電磁石に対向する端面よりも前記電磁石から離れているモータ。 - 磁束を遮断するシールド板が、前記電磁石の前記軸体の軸線方向に隣接した位置に配置され、
前記シールド板が、少なくとも前記永久磁石における前記保持部の前記端面より前記電磁石側に突出した部分の一部を覆うように配置されている請求項1に記載のモータ。 - 前記永久磁石と前記シールド板との間隔が、前記永久磁石と前記電磁石との間隔よりも広い請求項2記載のモータ。
- 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のモータを備え、前記軸体に記録媒体を固定する固定部が設けられている記録媒体駆動装置。
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