JP4648506B2 - 連続鋳造用耐火物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼などの金属の連続鋳造において、取鍋からタンディッシュへの溶融金属の注入に使用するロングノズルやタンディッシュからモールドへの溶融金属の注入に使用する浸漬ノズル等の閉塞防止及びロングストッパーのアルミナ(Al23)付着防止に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼の連続鋳造において、タンディッシュからモールドへ溶鋼を注入するために浸漬ノズルが使用される。図11は従来の浸漬ノズルの模式図で、浸漬ノズルの本体1にパウダーライン部用耐火物2を設けたものである。この浸漬ノズルを使用する目的は、溶鋼の大気との接触を妨げ溶鋼の酸化を抑制し、また、注入される溶鋼の飛散を防止し、整流化した状態で溶鋼を注入することによって溶鋼上に浮遊するスラグや非金属介在物などの不純物が溶鋼中へ巻き込まれることを防止し、鋼品質を改善すると同時に操業の安定性を確保することにある。
【0003】
連続鋳造操業時の障害の一つに浸漬ノズル内壁へのAl23析出物の付着による浸漬ノズルの閉塞がある。浸漬ノズル内壁にAl23が析出した場合、鋳造条件の不安定化、さらに激しい場合にはノズル内孔の閉塞により鋳造不可能となり、操業上大きな問題となる。この問題を解消するため、浸漬ノズル内への不活性ガスの吹き込み、内孔部に炭素を含有しない材質の適用、あるいはZrO2−CaO−黒鉛質材質の適用などがある。
【0004】
{松井ら:耐火物49(2) p64−73(1997)}によれば、一般に使用されているAl23−黒鉛質材質と比較して、炭素を含有しない材質においては、耐火物−溶鋼界面より溶鋼側へのSiの濃度勾配は非常に小さく、炭素の濃度勾配も非常に小さい。このため、温度勾配が一定であれば、溶鋼中に析出したAl23粒子が受ける耐火物側への界面張力勾配に起因する力F{(1)式参照}が減少する。(2)式中の(dC/dx)が減少するため、耐火物壁面へのAl23付着が大幅に減少する。
【0005】
F=(8πR2K)/3・・・・・(1)
(但し、Rは粒子半径、Kは界面張力勾配)
【0006】
界面張力勾配Kは(2)式で表される。
K=〔∂σ/∂C〕〔dC/dx〕+〔∂σ/∂T〕〔dT/dx〕
・・・・(2)
(但し、σは表面張力、Cは濃度、Tは温度、xは変位)
【0007】
これより炭素を含まない材質を浸漬ノズルの内壁や吐出孔付近に使用することは、浸漬ノズルのAl23付着を制御し、浸漬ノズルの閉塞を防止する効果があり、炭素が非常に少ない材質においても(dC/dx)が減少するために、閉塞防止効果があることが分かる。
【0008】
さらに、浸漬ノズル内壁に炭素を含有しない材質を適用することは、浸漬ノズルの閉塞防止効果のみでなく、鋼への炭素の溶出による鋼品質低下防止にも効果がある。
【0009】
特開平8−57601号公報には、浸漬ノズル本体を炭素を含有する耐火材料によって形成し、溶鋼が通過する部位及び溶鋼と接触する部位を炭素を含有しない耐火材料によって被覆した連続鋳造用ノズルが開示されている。
【0010】
また、米国特許第5,681,499号明細書では、連続鋳造用ノズル表面に10重量%以下の炭素を含む耐火物層を配置し、使用に際しての予熱時に黒鉛が酸化・揮発することにより炭素を含まない層を形成するとある。
【0011】
さらに、特開平10−24351号公報では、Al23が72〜90重量%、SiO2が10〜28重量%からなるAl23−SiO2系耐火物が開示されている。
【0012】
しかしながら、特開平8−57601号公報記載の連続鋳造用ノズルでは、炭素を含有しない材質層と浸漬ノズル内壁の間に耐火性モルタルによる目地部が存在しており、使用時においてはこの目地部への地金の侵入により吐出孔柱部の折れが発生することがある。
【0013】
また、米国特許第5,681,499号明細書記載の連続鋳造用ノズルでは、通常連続鋳造用ノズル本体に使用されるAl23−黒鉛質材質等の黒鉛含有耐火物と炭素を含有しない材質の熱膨張差が非常に大きいため、実際にノズルを使用した場合、割れが生じる恐れがある。また、炭素を含有しない材質層厚みを一定にする目的で金属等の緻密化を促進する原料が使用されるが、金属の使用は弾性率の増加を招き耐熱衝撃性の低下が生じる。さらに、緻密化によっても耐熱衝撃性の低下は大きい。したがって、これらの作用によりノズルの耐熱衝撃性の低下による割れ、折れの可能性が非常に高い。また、黒鉛含有材質と炭素を含有しない材質とでは加熱による膨張・収縮率が大幅に異なっており、そのため、炭素を含有しない材質をノズル内壁に適用した場合、製造時の焼成工程における亀裂発生率が非常に高く、製造上の大きな問題となる。
【0014】
また、特開平10−24351号公報記載の耐火物では、Al23量を規定し、耐熱衝撃性向上を目的にSiO2量を増加させるためにムライトを使用しているが、ムライトの耐火度はSK37以上であるため、使用温度域では剛体であるため、ムライト使用による耐熱衝撃性の向上効果は小さい。そのために、炭素を含有しない材質層厚みは10mmが好ましいとされているが、実際にノズルを製造した場合、吐出孔付近では炭素を含有しない材質層厚みが10mm以上となる場合が十分考えられるために、実使用時の折れ、あるいは割れなどの不安がある。
【0015】
また、特開平10−166116号公報には、耐火物の亀裂発生防止のために、蝋石を800℃以上で仮焼したものを用いるものが開示されているが、仮焼すると熱間軟化性が失われる欠点がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、一体成形が可能であり、製造段階での焼成時にも亀裂の発生がなく製造歩留がよいこと、さらに実使用時においては耐熱衝撃性に優れ、Al2O3析出による浸漬ノズルの閉塞防止に大きな効果のある連続鋳造用耐火物を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、粒径150μm以下の蝋石を5〜45重量%、炭素を7重量%以下及び残部が耐火性酸化物原料からなる連続鋳造用耐火物である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明者らは連続鋳造用ノズルのAl23析出防止に関して検討した結果、黒鉛をできるかぎり含有しない材質をノズル等の一部に使用することにより、閉塞防止に大きな効果があり、さらに、蝋石を使用することによって焼成時の亀裂発生を抑え、さらに大幅に耐熱衝撃性が向上することを見出した。連続鋳造用耐火物には、通常Al23−黒鉛質,Al23−SiO2−黒鉛質,ZrO2−黒鉛質材質が使用されている。これらの材質中の炭素分は、黒鉛が大部分を占めており、黒鉛を除去すれば、炭素量は大幅に減少し、閉塞防止に十分効果がある。
【0019】
しかし、本体の黒鉛含有耐火物と非黒鉛含有材質とでは、加熱時の収縮・膨張挙動が大幅に異なるため、本体に黒鉛含有材質、内壁に黒鉛を含有しない材質を使用した2層構造の連続鋳造用ノズルを製造した場合、焼成時に亀裂が発生し易い。
【0020】
また、黒鉛は通常耐火物として使用される耐火性酸化物原料と比べると熱膨張率が小さいので、黒鉛含有耐火物は黒鉛を含有しない材質と比べると熱膨張率が非常に小さい。したがって、連続鋳造用ノズル内壁に黒鉛を含有しない材質を配置した場合、通常本体に使用されるAl23−黒鉛質材質との熱膨張率差によりノズルの割れや折れが発生する。このように黒鉛を含有しない材質で少なくともノズルの一部を構成することは、耐熱衝撃性を大きく低下させる。
【0021】
また、この材質に金属を使用した場合には、弾性率の増加に伴い、さらに耐熱衝撃性が低下する。したがって、金属の使用は避けるべきであるが、金属添加は、慣用技術の範囲内で、悪影響のでない程度に抑えて使用するもできる。
【0022】
しかし、金属を除去するだけでは耐熱衝撃性が不十分であるために、本発明では仮焼しない蝋石を使用する。蝋石の熱膨張率は、1000℃で2%前後であり、黒鉛と比べると大きい値であるが、蝋石は耐火度が低いために約1000℃以上において軟化・変形する性質がある。この性質により連続鋳造用ノズル内壁に本発明の耐火物を同時に一体成形に適用した場合、本体材質による拘束下であるため、焼成時において本発明材質に熱応力が加わっても熱間軟化により変形し、応力を緩和するために本体と本発明耐火物ともに亀裂が発生しない。さらに、実使用に際しても同様に変形による応力緩和が生じるために耐熱衝撃性向上に大きな効果がある。
【0023】
本発明の最良の効果を得るには、仮焼しない蝋石の使用が好ましいが、800℃以上で仮焼したものを悪影響のない程度に抑えて使用することもできる。
【0024】
なお、本発明の耐火物を用いて本体と同時一体成形するに際しては、中子を用いてそれぞれの坏土を所定の位置に充填する方法と、予め本発明の耐火物部分を予め成形して素地としておき、次いでこの素地を本体成型時の所定位置に配置して同時一体成形する方法等がある。
【0025】
本発明では蝋石の使用量は、5重量%以上であるが、5重量%未満であると、耐熱衝撃性向上への寄与が小さいのと製造歩留が悪くなるからである。さらに耐熱衝撃性を向上させスポーリング発生率を0%に抑えたい場合には、10重量%以上が望ましい。また、蝋石は、通常連続鋳造用ノズルに使用されるAl23やZrO2と比べると耐食性に劣るため、蝋石の大輻な使用は使用条件によっては耐溶損性が不足する場合がある。そのため、蝋石使用量は、好ましくは45重量%以下である。
【0026】
使用する蝋石原料は、その粒径が150μmを超える場合には蝋石の熱間での軟化・変形が生じにくくなり、逆に蝋石の熱膨張率に起因するノズルの耐熱衝撃性の低下が顕著となる。そのために使用する蝋石原料の粒径は150μm以下が望ましい。さらに平均粒径が30μmから100μmの範囲であることが望ましい。一般に市販されている原料においては、150μm以下のものから、45μm以下のものまで使用できる。なお、本発明で使用する蝋石は、主にパイロフィライトが主成分であり、耐火度はSK29〜32の蝋石が好ましい。次いで、SK26〜29のセリサイト系蝋石も使用できる。熱間軟化性ではやや劣るが、SK33〜36のカオリン系蝋石も使用することができる。
【0027】
本発明の耐火物は、炭素を7重量%以下となるようにする。できるかぎり炭素を含まない方がAl23析出防止効果が大きいために、本発明の耐火物を連続鋳造用ノズルに使用する場合は、通常、黒鉛含有連続鋳造用ノズルに塗布される酸化防止剤をノズル内壁には塗布せずに製造する場合がある。これにより実使用時前に行う予熱段階において、炭素は酸化され揮発により消失するため、使用時にはノズル内壁や吐出口部は炭素を含有しない材質となり、Al23析出によるノズル閉塞防止に多大なる効果がある。本発明において炭素量は、7重量%以下とするが、これは主に結合材として使用するフェノール樹脂等の残炭を有する有機結合材から発生した炭素であり、規定範囲内において、杯土状態により混練最適量が選ばれる。使用する有機結合材は、製造歩留を向上させるために、連続鋳造用耐火物を構成する本体の材質に使用しているものと同一のものが選ばれる。さらに、炭素が5重量%以下であれば、酸化後の見掛け気孔率を小さく一定の範囲に抑えることが可能となり、使用時の溶鋼浸潤を抑制し、溶鋼浸潤による剥落を防止することができる。また、酸化後の見掛け気孔率の値は、18%以下に小さくすることができる。炭素含有量が7重量%を超える場合には、予熱により炭素が消失した時の見掛け気孔率増加量が大きく、地金が浸潤しやすくなり、本発明材質層が剥落する恐れがある。
【0028】
閉塞防止のためには、本発明材質には黒鉛を添加しないほうが望ましい。しかしながら、黒鉛を含有しない材質で少なくともノズル等の一部を構成することは、耐熱衝撃性を大きく低下させるため、閉塞防止効果に悪影響のない程度に抑えて黒鉛を添加することができる。しかしながら、黒鉛の添加量は、炭素としてバインダーカーボンとの合計量が重量%以下となる範囲に抑える。
【0029】
本発明において使用される耐火性酸化物には電融品、焼結品を問わず、一般に市販のアルミナ、シリカ、ジルコニア、ジルコン、ムライト、スピネル、マグネシア、カルシアが使用され、使用条件等により適宜選択される。
【0030】
図1〜図5は本発明の連続鋳造用ノズルを示す模式図で、図1は本発明による耐火物を浸漬ノズル本体1の内孔部、吐出孔部内張りに適用した実施例、また、図2、3は本発明による耐火物を浸漬ノズル本体1の吐出孔部内張りのみに適用した実施例、図4は本発明による耐火物をロングノズル本体の内孔部に適用した実施例、図5は本発明による耐火物を浸漬ノズル本体1の内孔部のみに適用した実施例である。
【0031】
【実施例】
実施例1
表1及び表2は蝋石使用量の違いによる耐熱衝撃性を検討した結果である。
【0032】
【表1】
Figure 0004648506
【0033】
【表2】
Figure 0004648506
【0034】
製造は、仮焼しないパイロフィライト系蝋石を用いて表1及び表2中に示した原料を混合し、これに酸化前炭素が表1及び表2となるように調整した適量のフェノールレジンを外掛けで添加して混練し、これら表1及び表2中の材質が内壁、Al23−黒鉛質材質(以下「AG材質」という。)が本体部となるように中子を予めセットしておき各々杯土をモールド内に充填し、次に中子を外した後、1000kg/cm2の圧力で同時に一体的に静水圧成形し、コークス中に埋め込んで最高温度1000℃にて還元焼成を行ない、ノズルを製造した。焼成後の亀裂発生状況は目視、X線により調査した。焼成後の歩留まりの評価にはノズル30本を製造し異常のない本数の割合で評価した(数字が大きいほどよい。)。
【0035】
さらに、製造したノズルを用いてスポーリング試験を実施した。スポーリング試験は、ノズルを最高温度1000℃で90分間予熱し、5分間放冷した後に1600℃の溶銑に1時間浸漬、その後溶銑より引き出し放冷した。試験終了後、目視により亀裂、割れ、折れを調査、1材質に対して10本試験を行い、評価には亀裂等が発生しなかった本数で評価した(数字が大きいほど耐熱衝撃性が良好である。)。なお、試験材質層厚みは内孔部で10mm(許容誤差+5mm)、吐出孔付近で25mmとした。
【0036】
さらに、Al23付着試験を行いAl23付着量の調査及び溶鋼の浸潤状況の調査を行った。試験は、ジルコニア−黒鉛質坩堝中に溶鋼を投入し高周波誘導炉にて1600℃まで昇温、加熱・溶融させ、この溶鋼中に試料を浸漬し、その後金属アルミニウムを溶鋼中に投入、その後2時間浸漬して行った。Al23付着状況はAl23の付着層の厚みで(数字が小さいほどよい。)、溶鋼浸潤状況は浸潤層の厚みで(数字が小さいほどよい。)評価した。さらに試験前後のサンプルの寸法変化から溶損速度を計算し、これの比を算出し溶損指数として溶損の評価に用いた(数字が小さいほど溶損速度が小さい)。
【0037】
鉱物相の同定には市販のX線回折装置を用いた。表中に示す鉱物相の記号は以下の通りである。Co:コランダム、Q:石英、M:ムライト、P:ぺリクレース、Z:ZrO2(但し本試験では、ZrO2原料は部分安定化ZrO2原料を使用しているので、Zの記入が有るものにはZrO2(m)、ZrO2(c)の両方が確認されている。)。
【0038】
表3はNo.1からNo.3並びにNo.9及びNo.10は蝋石使用量変化に伴う焼成後歩留まりの変化及びスポール試験により耐熱衝撃性及び溶損状況を調査した結果で、図6及び図7はその結果を示すグラフである。
【0039】
【表3】
Figure 0004648506
【0040】
なお、X線回折により確認された石英相は蝋石によるものであり、蝋石使用量が少ないものにも僅かながら確認された。これによれば焼成後歩留まり及び耐熱衝撃性共に蝋石使用量が5重量%以上となると大幅に向上することが分かる。したがって、蝋石使用量は5重量%以上が望ましい。さらに蝋石使用量が55%であるNo.11では著しく溶損指数が大きくなっていることが分かる。これより蝋石使用量は45重量%以下が望ましいことが分かる。No.6からNo.8は蝋石使用量は30重量%とし、使用する耐酸化性原料種の検討を行った結果である。この場合も焼成後歩留まりは100%であり、スポール試験も亀裂等の発生もなく良好であった。これと比較してNo.12からNo.14は焼成後の歩留まりが極めて低い。これより本発明の様に蝋石を使用した場合は耐火物骨材としてアルミナ、ムライト、マグネシア、ジルコニア等の使用が可能となる。
【0041】
表4のNo.15からNo.19は使用する蝋石の粒径を検討した結果である。
【0042】
【表4】
Figure 0004648506
【0043】
この結果から明らかなように150μmを超え500μm以下の蝋石を使用した場合には亀製の発生状況に差はあるもののスポーリング試験の結果が悪く、150μm以下の蝋石のみを使用した場合にはスポーリング試験の結果は良好である。この結果より使用する蝋石原料の粒径は150μm以下が望ましい。
【0044】
表5のNo.20からNo.24は蝋石以外に耐熱衝撃性を向上させる原料としてムライトを検討した例であるが、この場合も焼成後歩留まりも低くスポーリング試験結果も好ましくないものとなった。
【0045】
【表5】
Figure 0004648506
【0046】
特開平10−24351号公報記載の耐火物では、ムライトの使用は耐熱衝撃性向上に効果があるとされているが、本実施例においては炭素を含有しない材質の厚みが最大で25mmであったために亀裂が発生したものと思われる。
【0047】
表6のNo.4及びNo.25からNo.28は化学成分として有する炭素量の変化に伴う溶鋼の浸潤状況の評価を行ったものである。なお、これらの炭素は焼成時にバインダーより発生した炭素である。浸潤状況の評価は溶鋼の浸潤層厚みで評価した。図10は酸化前炭素量と湿潤厚みとの関係を示すグラフである。
【0048】
【表6】
Figure 0004648506
【0049】
この結果より、No.27及びNo.28のように炭素量が7重量%を超えると、酸化後の見掛け気孔率が大輻に増加し、これに伴い浸潤層の厚みも大幅に増加している。No.27及びNo.28では溶鋼の浸潤に伴い剥落も一部確認された。Al23付着試験に於いても同様の傾向が見られ、酸化前炭素量が重量%を超えるとAl23析出厚みが大幅に増加している。このように炭素量が7重量%以下であれば酸化後の見掛け気孔率は18%以下となり溶鋼の浸潤を抑制できる範囲となるために金属等のような耐火物を緻密化するが、弾性率を増加させ耐熟衝撃性を低下させる原料を使用する必要はない。
【0050】
のNo.4、No.22、No.23は酸化前炭素量と、Al23付着厚み及び酸化後の見掛け気孔率を試験した結果を示す。
【0051】
【表7】
Figure 0004648506
【0052】
図8は酸化前炭素量とアルミナ付着厚みとの関係を示すグラフで、アルミナ付着防止効果も炭素量7重量%以下であれば良好である。したがって、炭素量は7重量%以下がよい。
【0053】
また、図9は酸化前炭素量と酸化後の見掛け気孔率との関係を示すグラフで、酸化後の見掛け気孔率は18%以下が望ましいことが分かる。
【0054】
実施例2
No.4の材質を吐出孔部内張り、内孔部内張りに使用した浸漬ノズルを製造し製鉄所にて実機試験を行った。その結果、亀裂等の発生はなく、約800分使用することができた。さらにノズル内壁へのアルミナ付着量も非常に少なく、鋳造終了後の浸潰ノズル内孔部への析出したAl23の平均付着厚みは3mmと薄く、鋳造時の溶鋼湯面も安定しており良好であった。一方、内孔部に本体部と同じAl23−黒鉛質材質を用いた浸漬ノズルを便用した場合、割れ、亀裂等のスポーリングはなく、パウダーライン部の溶損もわすかであったが、Al23の析出により吐出孔が閉塞したために、約400分で途中交換が必要となり、浸潰ノズル内孔部への析出したAl23の平均付着厚みは約40mmであった。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、連続鋳造用ノズル内壁に使用する炭素を含有しない材質において、蝋石を使用することにより、焼成後の亀裂発生を抑え耐熱衝撃性が大幅に向上し、連続鋳造用ノズルのアルミナ付着抑制に大きな効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明材質を浸漬ノズル内孔部、吐出孔部内張りに適用した実施例を示す模式図である。
【図2】本発明材質を浸漬ノズル吐出孔部内張りのみに適用した実施例を示す模式図である。
【図3】本発明材質を浸漬ノズル吐出孔部内張りのみに適用した実施例を示す模式図である。
【図4】本発明材質をロングノズル内孔部に適用した実施例を示す模式図である。
【図5】本発明材質を浸漬ノズル内孔部のみに適用した実施例を示す模式図である。
【図6】蝋石使用量変化に伴う焼成後歩留まりの変化を示すグラフである。
【図7】蝋石使用量変化に伴うスポール試験の結果を示すグラフである。
【図8】酸化前炭素量とアルミナ付着厚みとの関係を示すグラフである。
【図9】酸化前炭素量と酸化後の見掛け気孔率との関係を示すグラフである。
【図10】酸化前炭素量と湿潤厚みとの関係を示すグラフである。
【図11】従来の浸漬ノズルの模式図である。
【符号の説明】
1 本体、 2 パウダーライン部用耐火物、 3 本発明耐火物

Claims (1)

  1. 粒径150μm以下の蝋石を5〜45重量%、炭素を7重量%以下及び残部が耐火性酸化物原料からなる連続鋳造用耐火物。
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