JP4646075B2 - 粘性食品の切断装置及び粘性食品の切断方法 - Google Patents
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そのため、本出願人は、切断刃を、粘性食品の移送に合わせて前方から後方に移動させ得るマーガリン等の食品切断装置を、実公平6−45357号公報に提案した。この食品切断装置は、図6に示すように、コンベアa上に設置した斜交ガイドbと、斜交ガイドbを前後に案内する前後方向ガイドcと、切断刃dを斜交ガイドbに沿って移動させる第1駆動手段eと、斜交ガイドbを前後方向ガイドcに沿って前後に移動させる第2駆動手段fとを備えたものであり、又、斜交ガイドbを、前方側から後方側に(図の右から左)傾斜させ、第1駆動手段eにより切断刃dを同方向に降下させることにより、切断刃を、コンベアa上の粘性食品Nの移送に合わせて前方から後方に移動させつつ、上方側から下方側に移動させてコンベアa上の粘性食品Nを切断できるようにしたものである。こうすることにより、切断中に粘性食品Nと切断刃dとがぶつかることなく行うことができる。
ところが、コンベアaの速度を変えて使用する場合や、使用中にコンベアaの速度と切断刃dの前方側への送り速度とがずれを起こしたような場合等に、それに応じて第1駆動手段eや第2駆動手段f等を調整しなければならず、しかも、その調整が難しく、時間を要するという課題がある。又、上記のように斜交ガイドbや前後方向ガイドc等の切断刃dを案内移動させるための部材点数が多く、装置が複雑化するとともに、コスト高になってしまうという課題がある。
本願第1の発明は、粘性食品を載置して移送する移送部材1と、粘性食品を切断する切断刃2と、速度同調機構とを備え、移送部材1がベルトコンベアを備える粘性食品の切断装置において、次の構成を採るものを提供する。
即ち、この装置では、切断刃2が、移送部材1の上方側に、上下方向及び移送部材の移送方向に沿う前後方向に移動可能に配位され、外周に雄ネジが刻設され軸方向を前後方向に沿うように伸ばされた軸部52と、軸部52へ回転を伝達可能に接続された軸駆動用モータ53とを備え、軸部52のネジに螺合されることにより軸部52に支持されたシリンダーを備える。シリンダーは、シリンダー本体と、シリンダー本体に対し上下方向に摺動し得るロッドとを備える。軸部52の回転に伴って軸部52のネジに螺合された上記シリンダーが軸部52のネジに沿って後方側に移動し、ロッドの下端には、上記切断刃2が取り付けられ、ロッドがシリンダー本体を上下方向に摺動するに伴って切断刃2がロッドと共に上下方向に移動する。速度同調機構は、上記のコンベア駆動用モータ3と、上記の軸駆動用モータ53と、当該両モータ3,53と電気的に接続した作動制御部55とから構成される。軸駆動用モータ53とコンベア駆動用モータ3は、サーボモータであり、軸駆動用モータ53がコンベア駆動用モータ3の回転に追従して回転することにより、切断刃2の前方側から後方側への移動速度と、ベルトコンベアとの移送速度とを同速度に調整するものである。上記の作動制御部55は、上記シリンダーと電気的に接続されている。更にこの装置は、前方移動開始手段と、下方移動開始手段とを備える。前方移動開始手段は、前方移動開始検知部材を備える。前方移動開始用検知部材は、移送部材1の上方側に設置されると共に作動制御部55と電気的に接続されて、移送部材1を移送されてくる粘性食品を検知し、作動制御部55に連絡するものであり、作動制御部55は、前方移動開始用検知部材からの連絡を受けて軸駆動用モータ53の回転を始動させる。下方移動開始手段は、下方移動開始用検知部材を備える。下方移動開始用検知部材は、移送部材1上における前方移動開始用検知部材から所定距離隔てた後方側に設置されると共に上記作動制御部55と電気的に接続されて、移送部材1上を移送されて上記前方移動開始用部材を通過した後の粘性食品を検知して作動制御部55に連絡するものであり、作動制御部55は、下方移動開始用部材からの連絡を受けて、ロッド56bを下方側へ摺動させ始めるものである。前方移動開始手段が、前方移動開始用検知部材にて、移送部材1を移送されてくる粘性食品を検知し、停止していた軸駆動用モータ53の作動を作動制御部55が開始させることにより、切断刃2
は、前方側から後方側に移動開始するものである。速度同調機構が軸駆動用モータ53をコンベア駆動用モータ3の回転に追従して回転させることにより、切断刃の移動速度は、0から、粘性食品を移送するベルトコンベアの移送速度に合致するまで増速する。移送部材1上を移送されて上記前方移動開始用部材を通過した後の粘性食品を、下方移動開始手段が下方移動開始用検知部材にて検知し、作動制御部55がロッドの降下を開始させることにより、
切断刃2は、ベルトコンベアの移動速度に切断刃の移動速度が合致する移動距離を移動した後において、下方へ移動して粘性食品を切断する。
即ち、この装置では、切断刃2が、移送部材1の上方側に、上下方向及び移送部材の移送方向に沿う前後方向に移動可能に配位され、外周に雄ネジが刻設され軸方向を前後方向に沿うように伸ばされた軸部52と、軸部52へ回転を伝達可能に接続された軸駆動用モータ53とを備え、軸部52のネジに螺合されることにより軸部52に支持されたシリンダーを備える。シリンダーは、シリンダー本体と、シリンダー本体に対し上下方向に摺動し得るロッドとを備える。軸部52の回転に伴って軸部52のネジに螺合された上記シリンダーが軸部52のネジに沿って後方側に移動し、ロッドの下端には、上記切断刃2が取り付けられ、ロッドがシリンダー本体を上下方向に摺動するに伴って切断刃2がロッドと共に上下方向に移動する。速度同調機構は、上記のコンベア駆動用モータ3と、上記の軸駆動用モータ53と、当該両モータ3,53と電気的に接続した作動制御部55とから構成される。軸駆動用モータ53とコンベア駆動用モータ3は、サーボモータであり、軸駆動用モータ53がコンベア駆動用モータ3の回転に追従して回転することにより、切断刃2の前方側から後方側への移動速度と、ベルトコンベアとの移送速度とを同速度に調整するものである。上記の作動制御部55は、上記シリンダーと電気的に接続されている。更にこの装置は、前方移動開始手段と、下方移動開始手段とを備える。前方移動開始手段は、前方移動開始検知部材を備える。前方移動開始用検知部材は、タイマーであり、作動制御部55は、前方移動開始用検知部材からの連絡を受けて軸駆動用モータ53の回転を始動させる。下方移動開始手段は、下方移動開始用検知部材を備える。下方移動開始用検知部材は、タイマーであり、作動制御部55は、下方移動開始用部材からの連絡を受けて、ロッド56bを下方側へ摺動させ始めるものである。停止していた軸駆動用モータ53の作動を作動制御部55が開始させることにより、切断刃2は、前方側から後方側に移動開始するものであり、速度同調機構が、サーボモータである軸駆動用モータ53をコンベア駆動用モータ3の回転に追従して回転させることにより、切断刃の移動速度は、0から、粘性食品を移送するベルトコンベアの移送速度に合致するまで増速する。ベルトコンベアの移動速度に切断刃の移動速度が合致する移動時間、切断刃を移動させた後において、作動制御部55がロッドの降下を開始させることにより、切断刃が下方へ移動して粘性食品を切断する。
本願の各発明は、切断刃2を移動させ始めた当初、前方移動開始手段により切断刃2を前方側から後方側にのみ移動させるため、その移動の間に所定速度で移動している移送部材1の動きに合わせることができる。そして、その後に、前方移動開始手段及び下方移動開始手段により、切断刃2を前方側から後方側へ移動させつつ、同時上方側から下方側へ移動させるため、切断刃2を確実に移送部材1の移送速度に合わせた状態で切断できる。
特に、本願第1の発明は、前方移動開始検知部材54aと、下方移動開始検知部材57との間隔分を、切断刃2を移送部材1の動きに合わせるための調整区間にでき、調整区間の設定を容易なものにできる。又、検知部材54aと、前方開始直前の切断刃2との間隔を設定すれば粘性食品の切断長さを決定でき、粘性食品の切断長さを容易に決めることができるものとなる。
図1は、本願発明の一実施形態の粘性食品の切断装置全体を示す概略図である。
本願発明の粘性食品の切断装置は、移送部材1と、切断刃2と、速度同調機構とが備えられている。
移送部材1は、マーガリン等の粘性食品を載置して移送するためのもので、第1ベルトコンベア11と、第2ベルトコンベア12とを備えている。第1ベルトコンベア11は、押し出し機(図示せず)によってノズル13の吐出口13aから吐出してくる粘性食品を前端側(図示の右端側)の上面上に順次受容するようになされている。そして、この第1ベルトコンベア11は、前端側の駆動ホイール11aに接続されたコンベア駆動用モータ3の駆動力によりホイール11aが回転するに伴って前方から後方に可動し、この可動により、その受容した粘性食品を後方側(図示の左方側のX方向)に移送し得るようになされている。尚、第1ベルトコンベア11で移送する粘性食品は、ノズル13の吐出口13aの形状を変えることによって種々の断面形状のものに形成して移送できるが、その形状は特に限定されず、例えば図4(A) に示すような四角形状等の角形状や円形、楕円等に形成された一つの吐出口13aを有するものを使用し、或いは、図4(B) に示すように、四角形状からなる複数の小孔13b…13bを有する吐出口13aや円形状からなる複数の小孔13b…13bを有する吐出口13aにより複数本のペンシル状の粘性食品を吐出して移送するようにしても良く、適宜変更し得る。
吐出口13aから粘性食品Nが連続的に吐出されると、第1ベルトコンベア11上に載置され長尺状の状態になって後方側に移送される。そして、その長尺状態の粘性食品N(以下、長尺粘性食品Nという)の先端が前方移動開始用検知部材54aにさしかかると、前方移動開始用検知部材54aがそれを検知して作動制御部55に連絡し、作動制御部55の作動によって軸駆動用モータ53が軸部52を右回転させ、これに伴いシリンダー56が軸部52の前端側から後方側に軸部52のねじに沿って移動し始める。これにより、シリンダー56に取り付けられた切断刃2が、図2に示すように、前方側から後方側に移動を開始する(図2のA〜B)。この前方側から後方側への移動は、軸駆動用モータ53が作動と同時にコンベア駆動用モータ3に追従し第1ベルトコンベア11の移動速度に合せて軸部52を回転させるのが困難なため、調整準備区間として設定したものである。そして、更に、長尺粘性食品Nの先端が前方移動開始用検知部材54aを通過して下方移動開始用検知部材57にさしかかると、下方移動開始用検知部材57がそれを検知して作動制御部55に連絡し、作動制御部55の作動によってシリンダー56のロッド56bが降下し始める。これにより、切断刃2が、図2に示すように、前方側から後方側に移動しつつ、同時に、下方側に移動を開始する(図2のB〜C)。この場合の前方側から後方側への移動は、軸駆動用モータ53の移動開始から所定時間が経過しているため、第1ベルトコンベア11の移動速度に合致している。従って、切断刃2は、第1ベルトコンベア11上の長尺粘性食品Nの移動速度と同速度で後方側に移動でき、切断に際して長尺粘性食品Nが切断刃2に押し当たるようなことを防止できる。
に示すように下方から真っ直ぐ上方に引き上げる、又は、図3(C) に示すように下方側から上方側に移動させながら同時に後方側から前方側に移動させるようにしても良く、適宜変更できる。
2 切断刃
3 コンベア駆動用モータ
5 支持部材
11 第1ベルトコンベア
12 第2ベルトコンベア
13 吐出口
52 軸部
53 軸駆動用モータ
54a 前方移動開始用検知部材
54b 切り換え用検知部材
54c 停止用検知部材
55 作動制御部
56 シリンダー
56d 突起
56e 上リミットスイッチ
56f 下リミットスイッチ
Claims (3)
- 粘性食品を載置して移送する移送部材(1)と、粘性食品を切断する切断刃(2)と、速度同調機構とを備え、移送部材(1)がベルトコンベアを備える粘性食品の切断装置において、
切断刃(2)が、移送部材(1)の上方側に、上下方向及び移送部材の移送方向に沿う前後方向に移動可能に配位され、
外周に雄ネジが刻設され軸方向を前後方向に沿うように伸ばされた軸部(52)と、軸部(52)へ回転を伝達可能に接続された軸駆動用モータ(53)とを備え、
軸部(52)のネジに螺合されることにより軸部(52)に支持されたシリンダーを備え、シリンダーは、シリンダー本体と、シリンダー本体に対し上下方向に摺動し得るロッドとを備え、
軸部(52)の回転に伴って軸部(52)のネジに螺合された上記シリンダーが軸部(52)のネジに沿って後方側に移動し、ロッドの下端には、上記切断刃(2)が取り付けられ、ロッドがシリンダー本体を上下方向に摺動するに伴って切断刃(2)がロッドと共に上下方向に移動し、
速度同調機構は、上記のコンベア駆動用モータ(3)と、上記の軸駆動用モータ(53)と、当該両モータ(3)(53)と電気的に接続した作動制御部(55)とから構成され、軸駆動用モータ(53)とコンベア駆動用モータ(3)は、サーボモータであり、軸駆動用モータ(53)がコンベア駆動用モータ(3)の回転に追従して回転することにより、切断刃(2)
の前方側から後方側への移動速度と、ベルトコンベアとの移送速度とを同速度に調整するものであり、
上記の作動制御部(55)は、上記シリンダーと電気的に接続されており、
前方移動開始手段と、下方移動開始手段とを備え、
前方移動開始手段は、前方移動開始検知部材を備え、
前方移動開始用検知部材は、移送部材(1)の上方側に設置されると共に作動制御部(55)と電気的に接続されて、移送部材(1)を移送されてくる粘性食品を検知し、作動制御部(55)に連絡するものであり、作動制御部(55)は、前方移動開始用検知部材からの連絡を受けて軸駆動用モータ(53)の回転を始動させ、
下方移動開始手段は、下方移動開始用検知部材を備え、
下方移動開始用検知部材は、移送部材(1)上における前方移動開始用検知部材から所定距離隔てた後方側に設置されると共に上記作動制御部(55)と電気的に接続されて、移送部材(1)上を移送されて上記前方移動開始用部材を通過した後の粘性食品を検知して作動制御部(55)に連絡するものであり、作動制御部(55)は、下方移動開始用部材からの連絡を受けて、ロッド(56b)を下方側へ摺動させ始めるものであり、
前方移動開始手段が、前方移動開始用検知部材にて、移送部材(1)を移送されてくる粘性食品を検知し、停止していた軸駆動用モータ(53)の作動を作動制御部(55)が開始させることにより、切断刃(2) は、前方側から後方側に移動開始するものであり、
速度同調機構が軸駆動用モータ(53)をコンベア駆動用モータ(3)の回転に追従して回転させることにより、切断刃の移動速度は、0から、粘性食品を移送するベルトコンベアの移送速度に合致するまで増速し、
移送部材(1)上を移送されて上記前方移動開始用部材を通過した後の粘性食品を、下方移動開始手段が下方移動開始用検知部材にて検知し、
作動制御部(55)がロッドの降下を開始させることにより、切断刃は、ベルトコンベアの移動速度に切断刃の移動速度が合致する移動距離を移動した後において、下方へ移動して粘性食品を切断するものであることを特徴とする粘性食品の切断装置。 - 粘性食品を載置して移送する移送部材(1)と、粘性食品を切断する切断刃(2)と、速度同調機構とを備え、移送部材(1)がベルトコンベアを備える粘性食品の切断装置において、
切断刃(2)が、移送部材(1)の上方側に、上下方向及び移送部材の移送方向に沿う前後方向に移動可能に配位され、
外周に雄ネジが刻設され軸方向を前後方向に沿うように伸ばされた軸部(52)と、軸部(52)へ回転を伝達可能に接続された軸駆動用モータ(53)とを備え、
軸部(52)のネジに螺合されることにより軸部(52)に支持されたシリンダーを備え、シリンダーは、シリンダー本体と、シリンダー本体に対し上下方向に摺動し得るロッドとを備え、
軸部(52)の回転に伴って軸部(52)のネジに螺合された上記シリンダーが軸部(52)のネジに沿って後方側に移動し、ロッドの下端には、上記切断刃(2)が取り付けられ、ロッドがシリンダー本体を上下方向に摺動するに伴って切断刃(2)がロッドと共に上下方向に移動し、
速度同調機構は、上記のコンベア駆動用モータ(3)と、上記の軸駆動用モータ(53)と、当該両モータ(3)(53)と電気的に接続した作動制御部(55)とから構成され、軸駆動用モータ(53)とコンベア駆動用モータ(3)は、サーボモータであり、軸駆動用モータ(53)がコンベア駆動用モータ(3)の回転に追従して回転することにより、切断刃(2)
の前方側から後方側への移動速度と、ベルトコンベアとの移送速度とを同速度に調整するものであり、
上記の作動制御部(55)は、上記シリンダーと電気的に接続されており、
前方移動開始手段と、下方移動開始手段とを備え、
前方移動開始手段は、前方移動開始検知部材を備え、
前方移動開始用検知部材は、タイマーであり、
作動制御部(55)は、前方移動開始用検知部材からの連絡を受けて軸駆動用モータ(53)の回転を始動させ、
下方移動開始手段は、下方移動開始用検知部材を備え、
下方移動開始用検知部材は、タイマーであり、作動制御部(55)は、下方移動開始用部材からの連絡を受けて、ロッド(56b)を下方側へ摺動させ始めるものであり、
停止していた軸駆動用モータ(53)の作動を作動制御部(55)が開始させることにより、切断刃(2)
は、前方側から後方側に移動開始するものであり、
速度同調機構が、サーボモータである軸駆動用モータ(53)をコンベア駆動用モータ(3)の回転に追従して回転させることにより、切断刃の移動速度は、0から、粘性食品を移送するベルトコンベアの移送速度に合致するまで増速し、
ベルトコンベアの移動速度に切断刃の移動速度が合致する移動時間、切断刃を移動させた後において、作動制御部(55)がロッドの降下を開始させることにより、切断刃が下方へ移動して粘性食品を切断するものであることを特徴とする粘性食品の切断装置。 - 請求項1又は2に記載の粘性食品の切断装置を用いた粘性食品の切断方法。
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