JP4645574B2 - 走査型光学装置 - Google Patents

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Description

本発明は、走査型光学装置に関する。
近年、レーザ光などのビーム状の光を被投射面上でラスタースキャンして画像を表示する走査型画像表示装置が提案されている。この装置では、レーザ光の供給を停止することで完全な黒を表現できるため、例えば液晶ライトバルブを用いたプロジェクタ等に比べて高コントラストの表示が可能である。また、レーザ光を使用した画像表示装置は、レーザ光が単一波長であるために色純度が高い、コヒーレンスが高いためにビームを整形しやすい(絞りやすい)等の特性を持つことから、高解像度、高色再現性を実現する高画質ディスプレイとして期待されている。また、走査型画像表示装置は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどと異なり、固定された画素を持たないため、画素数という概念がなく、解像度を変換し易いという利点も持っている。
走査型画像表示装置で画像を生成するには、ポリゴンミラー、ガルバノミラーなどのスキャナを用いて光を2次元に走査する必要がある。1個のスキャナを水平方向、垂直方向の2方向に振りつつ光を2次元に走査する方法もあるが、その場合、走査系の構成や制御が複雑になるという問題がある。そこで、光を1次元に走査するスキャナを2組用意し、各々に水平走査と垂直走査を受け持たせるようにした走査型画像表示装置が提案されている。従来は、双方のスキャナともにポリゴンミラーやガルバノミラーを使用するのが普通であり、双方のスキャナに回転多面鏡(ポリゴンミラー)を用いた投写装置が下記の特許文献1に開示されている。
特開平1−245780号公報
しかしながら、特許文献1ではポリゴンミラーを用いた装置が紹介されているが画像フォーマットの高解像度化に伴い、スキャン周波数も高くなってきており、ポリゴンミラーやガルバノミラーでは限界を迎えつつある。そこで、近年、高速側のスキャナにMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を利用したシステムが発表されている。MEMS技術を利用したスキャナ(以下、単にMEMSスキャナという)とは、シリコン等の半導体材料の微細加工技術を用いて製作するものであり、トーションバネ等で支持したミラーを静電力等により駆動するものである。このスキャナは、静電力とバネの復元力との相互作用でミラーを往復運動させて、光を走査することができる。MEMSスキャナを用いることにより、従来のスキャナに比べて高周波数、大偏角のスキャナを実現することができる。これにより、高解像度の画像を表示することが可能になる。
ところで、高速のMEMSスキャナを実現するには、ミラーを共振点で往復運動させなければならないため、光利用効率などを考えると、走査線が視聴者から見て左から右へスキャンした後に、次の走査線は右から左にスキャンする(両側スキャン)システムとなる。
一方、画像信号はCRT(Cathode Ray Tube)をベースに規格が決まっているため、左から右へスキャンした後は短い時間で左に戻り、再度右へスキャンする(片側スキャン)に合わせたフォーマットとなっている。したがって、MEMSスキャナの場合、一部のデータは入力された信号の順番を反転して表示しなければならないため、信号の制御が複雑となる。
そこで、MEMSスキャン以外の走査手段としては、電気光学(EO:Electro Optic)スキャナが考えられる。EOスキャナとはEO結晶に電圧を加えることにより、その結晶中を透過する光の進行方向を変える素子である。このようにEOスキャナでは、電圧によりスキャン角を制御できるので、CRTと同様に片側スキャンによる描画が可能となる。
また、EOスキャナとは、EO結晶に電圧を印加することにより電子が注入され電子分布に偏りが生じる。そのため、カー効果による屈折率変化にも分布が生じ、入射された光が屈折率の高い側に曲がっていくので、光の走査を可能にしている。また、EO結晶内部の屈折率分布の傾きが、電子注入量、つまり、印加電圧によるため、印加電圧を変化させることで、EO結晶から射出される光のスキャン角度を制御することができる。
しかしながら、EOスキャナは、光の屈折を利用したスキャナのため、図6に示すように、EO結晶101に赤色光Lr,緑色光Lg,青色光Lbを入射させると、波長が短い光(青色光)Lbは、波長が長い光(赤色光)Lrに比べて屈折角が大きくなり、その結果、EO結晶101から射出されるスキャン角が大きくなってしまう。つまり、異なる波長の光をEO結晶101に入射させると、色収差が発生してしまう。そのため、スクリーン102上では、赤色光Lr,緑色光Lg,青色光Lbがバラバラの位置にスキャンされてしまうので、同じタイミングで同画素を表示することができなくなってしまう。
すなわち、印加電圧により屈折率が変わってしまうEOスキャナでは、赤色光,緑色光,青色光の屈折率の違いが一定ではないため、入射角度を赤色光,緑色光,青色光で変えても、EO結晶から赤色光,緑色光,青色光をスキャン中、常に同軸上に射出させることは困難である。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、簡易な構成で、高精度なレーザ光の走査を行うことが可能な走査型光学装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の走査型光学装置は、異なる波長域のレーザ光を射出する光源と、内部に生じる電界の大きさに応じて屈折率分布が変化することによって、前記光源から射出されるレーザ光を走査する電気光学素子と、該電気光学素子の射出側に設けられ、被投射面において同一の領域が照射されるように前記異なる波長のレーザ光の光路を補正する光路補正光学系とを備えることを特徴とする。
本発明に係る走査型光学装置では、電気光学素子に電圧を印加することにより内部に電界が生じる。この電界により、電気光学素子の屈折率分布が一方向に向かって連続的に増加あるいは減少する。このため、電気光学素子の内部に生じる電界と垂直な方向に進行するレーザ光は、屈折率が低い側から高い側に向かって曲げられ、電気光学素子の射出端面から射出される。そして、電気光学素子から射出されたレーザ光は、光路補正光学系を通過する。
このとき、光源から射出された異なる波長のレーザ光は、電気光学素子を通過することにより、各波長ごとに異なる偏角で射出される。ここで、電気光学素子の射出側に設けられた光路補正光学系により、被投射面において同一の領域が照射されるように補正される。したがって、異なる波長のレーザ光が同じタイミングで同じ領域を照射することが可能となるため、高精度なレーザ光の走査を行うことができる。
また、本発明の走査型光学装置は、前記光路補正光学系の全体または一部を当該光路補正光学系の光軸に対して平行に移動させる移動機構が設けられていることが好ましい。
本発明に係る走査型光学装置では、電気光学素子と被投射面との距離が変化した場合、光路補正光学系の全体または一部は、移動機構により当該光路補正光学系の光軸に対して平行に移動される。したがって、電気光学素子から射出されたレーザ光の被投射面における同一照射位置がずれた場合でも、移動機構により電気光学素子から射出された光を適切な位置に補正することができる。
また、本発明の走査型光学装置においては、前記光路補正光学系は、前記電気光学素子から射出された光の単位時間あたりの前記被投射面における走査距離が前記電気光学素子から射出されるレーザ光の偏角によらず一定となるように補正することが好ましい。
本発明に係る走査型光学装置では、電気光学素子から射出されたレーザ光は、光路補正光学系により、単位時間あたりの被投射面における走査距離が同じになるようになるように走査される。これにより、電気光学素子から射出された異なる波長のレーザ光は、被投射面上を等速で走査される。このため、本発明では、特に走査型光学装置を画像表示装置として用いた場合、非等速で走査された場合に生じる被投射面における画像の歪みが発生することがない。したがって、高画質な画像を表示することが可能となる。
また、本発明の走査型光学装置は、前記電気光学素子が少なくとも水平走査を行うことが好ましい。
本発明に係る走査型光学装置では、電気光学素子が水平走査を行い、垂直走査として例えば、安価なポリゴンミラー等を用いることにより、安価かつ高性能な走査型光学装置を実現することができる。
なお、ここで言う「水平走査」とは、2方向の走査のうち、高速側の走査であり、垂直走査とは低速側の走査である。
また、本発明の走査型光学装置は、前記電気光学素子がKTa1−xNb3の組成を有することが好ましい。
本発明に係る走査型光学装置では、電気光学素子が、高い誘電率を有する誘電体材料であるKTa1−xNb3(タンタル酸ニオブ酸カリウム)の組成を有する結晶である(以下、KTN結晶と称す)。KTN結晶は、立方晶から正方晶さらに菱面体晶へと温度により結晶系を変える性質を有しており、立方晶においては、大きい2次の電気光学効果を有することが知られている。特に、立方晶から正方晶への相転移温度に近い領域では、比誘電率が発散する現象が起こり、比誘電率の自乗に比例する2次の電気光学効果はきわめて大きい値となる。したがって、KTa1−xNb3の組成を有する結晶は、他の結晶に比べて屈折率を変化させる際に必要になる印加電圧を低く抑えることが可能となる。これにより、省電力化を実現可能な走査型光学装置を提供することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明に係る走査型光学装置の実施形態について説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
[第1実施形態]
本実施形態に係る走査型光学装置1は、3色の光源装置を用いて、スクリーンに画像を投影させる画像表示装置である。
図1は、本実施形態に係る画像表示装置の概略構成を示す斜視図であり、図2は、画像表示装置に用いられる光走査部及び被投射面を示す平面図であり、図3は、電気光学素子の電極に印加する電圧の波形を示す図である。
本実施形態に係る画像表示装置1は、図4に示すように、赤色のレーザ光(中心波長:620nm)を射出する赤色光源装置10R,緑色のレーザ光(中心波長:530nm)を射出する緑色光源装置10G及び青色のレーザ光(中心波長:460nm)を射出する青色光源装置10Bを有する光源10と、クロスダイクロイックプリズム11と、クロスダイクロイックプリズム11(色合成部)から射出されたレーザ光をスクリーン(被投射面)15の水平方向に走査する光走査部20と、光走査部20から射出されたレーザ光をスクリーン15の垂直方向に走査するガルバノミラー12とを備えている。なお、色合成部としては、クロスダイクロイックプリズムに限らず、ダイクロイックミラーを用いても良い。
すなわち、光走査部20は、図1に示すように、スクリーン15において2方向(垂直方向v、水平方向h)の走査のうち、光源10から射出される光を水平方向hに走査する水平走査用スキャナであり、ガルバノミラー12は、光走査部20から射出される光を垂直方向vに走査する垂直走査用スキャナである。
なお、ここで言う「水平走査用スキャナ」は、2方向の走査のうち、高速側の走査を担うスキャナであり、「垂直走査用スキャナ」は、低速側の走査を担うスキャナである。
なお、赤色,緑色,青色のレーザ光の波長は一例に過ぎない。
光走査部20は、図1に示すように、クロスダイクロイックプリズム11から射出されたレーザ光が入射する電気光学素子21と、電気光学素子21の射出端面21bから射出された光が入射される光路補正光学系25とを備えている。
まず、電気光学素子の構成について説明する。
電気光学素子21は、内部に生じる電界の大きさに応じて屈折率分布が変化することによって、光源10から射出されるレーザ光を走査するものであり、図2に示すように、第1電極22と、第2電極23と、光学素子24とを備えている。なお、図2は、電気光学素子21から射出されスクリーン15に向かう光の光路図を分かり易く説明するために、ガルバノミラー12を省略し直線配置としている。
光学素子24は、電気光学効果を有する誘電体結晶(電気光学結晶)であり、本実施形態ではKTN(タンタル酸ニオブ酸カリウム、KTa1−xNb3)の組成を有する結晶材料で構成されている。また、KTN結晶はカー効果(等方性材料に電場をかけると複屈折性が生じる現象であり、印加電圧により発生した電界の強さの二乗に比例する)を利用した結晶である。
また、光学素子24は、直方体形状であり、光学素子24の上面24aには第1電極22が配置され、下面24bには第2電極23が配置されている。この第1電極22及び第2電極23には、電圧を印加する電源Eが接続されている。また、第1電極22及び第2電極23は、図1に示すように、光学素子24内を進行するレーザ光Lの進行方向の寸法がほぼ同じである。これにより、第1電極22と第2電極23との間の光学素子24に電界が生じるようになっている。例えば、第2電極23より第1電極22に高い電圧が印加されると、第1電極22から第2電極23に向かって(矢印Aに示す方向)電界が生じる。その結果、電気光学結晶の屈折率は第1電極22から第2電極23に向かって高くなる。
また、光学素子24は、図2に示すように、電気光学素子21の入射端面21aの第1電極22に近い側からレーザ光を入射させるように配置されている。これにより、本実施形態の電気光学素子21は、入射したレーザ光を基準に片側に走査する片側走査を行う。つまり、電気光学素子21の屈折率分布により、光学素子24に入射したレーザ光は第2電極23側のみに曲げられるため、光学素子24の第1電極22側からレーザ光を入射させることにより、スキャン範囲を大きく取ることが可能となっている。
さらに、電気光学素子21は、クロスダイクロイックプリズム11から射出されたレーザ光Lが入射端面21aに対して垂直に入射するように配置されている。
次に、電気光学素子の動作について説明する。
第1電極22には、電源Eにより例えば+100Vの電圧が印加され、第2電極23には、電源Eにより例えば0Vの電圧が印加される。第1,第2電極22,23に電圧を印加することで、光学素子24には第1電極22から第2電極23に向かって電界が生じる。これにより、図2に示すように、光学素子24の屈折率は、第1電極22側が低くなり、第2電極23側に向かって屈折率が徐々に高くなる。これにより、光学素子24の内部に生じる電界方向Aと垂直な方向に進行するレーザ光は、偏向する。具体的には、電気光学素子21の入射端面21aから入射したレーザ光Lは、光学素子24の屈折率が高い第2電極23側に向かって曲げられる。
次に、光源装置から射出されるレーザ光の走査について説明する。
第1電極22に印加される電圧の波形は、例えば、図3に示すように、鋸歯状の波形である。この初期値S1(0V)の電圧を第1電極22に印加すると、図1に示すように、光源10から射出され光学素子24を進行するレーザ光L1は直進し電気光学素子21の射出端面21bから射出される。
また、第1電極22に印加する電圧値を、図3の電圧の波形に示すように徐々に上げると、光学素子24の屈折率勾配が大きくなる。これにより、第1電極22に印加する電圧を上げ徐々に最大の電圧値S2(+100V)まで上げると、図2に示すように、クロスダイクロイックプリズム11から射出され光学素子24を進行するレーザ光L2は、光学素子24内において印加電圧の上昇とともに徐々に大きく屈折する。これにより、電気光学素子21の射出端面21bから射出される光は、スキャン範囲において電界方向Aと同じ方向に走査される。
ここで、クロスダイクロイックプリズム11から射出されたレーザ光Lは、図1に示すように、赤色光,緑色光,青色光が合成され、それぞれの色光が照明光軸O上で重なったレーザ光となっている。このため、これらの波長の違いにより、図2に示すように、所定の電圧を印加したときの各色光の光路を見ると、光学素子24内において各色光の屈折角が異なる。したがって、光学素子24の内部を進行する青色光Lbは、赤色光Lrに比べて屈折角が大きくなるので、射出端面21bから射出されるレーザ光の偏角が大きくなる。言い換えると、波長が短いほど光学素子24の内部における屈折角が大きくなるので、赤色光Lr,緑色光Lg,青色光Lbの順に射出端面21bから射出されるレーザ光の偏角が大きくなる。
なお、電気光学素子21に印加される印加電圧の値である初期値0V,最大電圧値+100Vは一例に過ぎず、電気光学素子21から射出される光の偏角の大きさや、光学素子24の厚みによって適宜変更が可能である。
次に、光路補正光学系について説明する。
光路補正光学系25は、図2に示すように、第1レンズ26及び第2レンズ27を備えている。
この第1,第2レンズ26,27は、電気光学素子21から射出された偏角の異なる赤色光Lr,緑色光Lg,青色光Lbの光路を補正するレンズである。具体的には、第1,第2レンズ26,27は、図2に示すように、電気光学素子21から射出された偏角の異なる赤色光Lr,緑色光Lg,青色光Lbの光路を曲げる。そして、赤色光Lr,緑色光Lg,青色光Lbそれぞれが、所定電圧値における光学素子24の内部の所定の屈折率分布状態において、スクリーン15の同一の画素領域(領域)Kを照射するように補正する。
本実施形態に係る画像表示装置1では、光源10から射出された赤色光Lr,緑色光Lg,青色光Lbの光路は、光路補正光学系25により、スクリーン15において同一の画素領域Kに照射される。したがって、異なる波長の赤色光Lr,緑色光Lg,青色光Lbが電気光学素子21に入射しても、同じタイミングで同じ画素領域Kを照射することが可能となるため、高画質な画像を表示することができる。
さらに、本実施形態の画像表示装置1では、電気光学素子21から射出されるレーザ光の偏角が大きいため、DCI(Digital Cinema Initiatives)仕様の4k等の解像度に対応可能となる。したがって、画質の劣化を生じさせることなく、画像をより鮮明にスクリーン15に表示させることができる。
しかも、電気光学素子21からなる走査手段は、MEMSスキャナより高速に走査することができるため、本実施形態のように、水平走査に電気光学素子からなる走査手段を用いることにより、高性能な画像表示装置の実現が期待できる。
つまり、本実施形態の画像表示装置1は、簡易な構成で、高精度なレーザ光の走査を行うことが可能である。
なお、本実施形態では、光源10として3色の異なる波長のレーザ光を射出する赤光,緑色,青色光源装置10R,10G,10Bを用いたが、色光はこれに限るものではなく、用途に応じて適宜変更が可能である。したがって、光源10から射出される光の波長が上記実施形態とは異なる場合、レーザ光の波長に応じた光路補正光学系を用いることにより、同一の画素領域Kを照射することが可能となる。
また、光路補正光学系25を構成するレンズの枚数及び形状は、第1,第2レンズ26,27に示すものに限るものではなく、さらには、レンズに限らず同一の画素領域Kを照射可能な光学部材を用いても良い。
また、垂直走査用スキャナとして、ガルバノミラー12を用いたが、電気光学素子を用いることも可能である。このように、水平走査及び垂直走査ともに電気光学素子を用いることにより、光源10から射出されたレーザ光を精度良く走査するとともに、大きな偏角を得ることが可能となる。
さらには、ガルバノミラー12に代えて、可動型の走査手段の一つである安価なポリゴンミラーにより走査を行っても良い。安価なポリゴンミラーを使用することで、コストを抑えつつ高性能な画像表示を行うことが可能となる。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る第2実施形態について、図4を参照して説明する。なお、以下に説明する各実施形態において、上述した第1実施形態に係る画像表示装置1と構成を共通とする箇所には同一符号を付けて、説明を省略することにする。
本実施形態に係る画像表示装置(走査型光学装置)30では、移動機構31を備えている点において第1実施形態と異なり、電気光学素子21及び光路補正光学系25の構成は第1実施形態と同様である。
光路補正光学系25の第2レンズ27には、図4に示すように、移動機構31が設けられている。この移動機構31は、第2レンズ27を光路補正光学系25の光軸O1に対して平行に移動させるものである。
例えば、図4に示すように、スクリーン15aが、電気光学素子21から離れる方向のスクリーン15bに移動した場合、スクリーン15bでは赤色光Lr1,緑色光Lg1,青色光Lb1は同一の画素領域を照射していない。そこで、移動機構31により、第2レンズ27aを電気光学素子21から離れる方向の第2レンズ27bの位置に移動させる。これにより、スクリーン15bにおいて赤色光Lr2,緑色光Lg2,青色光Lb2は同一の画素領域Mを照射する。
本実施形態に係る画像表示装置30は、スクリーン15の位置(画像の投射位置)が変わる場合に効果的である。すなわち、スクリーン15の位置が変わった場合でも、移動機構31により光路補正光学系25を移動させることで、電気光学素子21から射出されたレーザ光を同一の画素領域Mに照射するように補正することができる。したがって、同じタイミングで同じ画素領域Mを照射することが可能となるため、高画質な画像を表示することができる。
なお、第2レンズ27の移動方向は一例に過ぎず、スクリーン15の位置や第1,第2レンズ26,27の性能(焦点距離等)により、スクリーン15で赤色光Lr,緑色光Lg,青色光Lbの照射位置が合うように、適宜移動方向を変えれば良い。さらに、第1レンズ27のみを移動させたり、第1,第2レンズ26,27ともに移動させることも可能である。
[第3実施形態]
次に、本発明に係る第3実施形態について、図5を参照して説明する。
本実施形態に係る画像表示装置(走査型光学装置)40では、光路補正光学系41は、機能の点において第1実施形態の光路補正光学系25にさらに付加されたものであり、電気光学素子21の構成は第1実施形態と同様である。
光路補正光学系41は、図5に示すように、第1レンズ42及び第2レンズ43により構成されている。この光路補正光学系41は、単位時間あたりのスクリーン15におけるレーザ光の走査距離が同じになるように補正するものである。
なお、図5では、電気光学素子21から射出されスクリーン15に向かう光の光路図を分かり易く説明するために、赤色光Lrのみ図示して説明する。
光路補正光学系41について具体的に説明する。
電気光学素子21から射出される光のうち、光学素子24に電圧を印加した後の時刻T1における電気光学素子21から射出されるレーザ光を符号LrT1で示す。そして、例えば、時刻T1から時間t経過後の時刻T2における電気光学素子21から射出されるレーザ光を符号LrT2で示す。さらに、時間T2から時間t経過後の時刻T3における電気光学素子21から射出されるレーザ光を符号LrT3で示す。
ここで、スクリーン15においてレーザ光LrT1により照射される画素領域P1とレーザ光LrT2により照射される画素領域P2との走査距離をQ1とする。また、スクリーン15においてレーザ光LrT2により照射される画素領域P2とレーザ光LrT3により照射される画素領域P3との走査距離をQ2とする。
ところで、仮に、画像表示装置40において光路補正光学系41を備えていない場合、電気光学素子21から射出されるレーザ光の偏角は、第2電極23に近づくに連れて大きくなる。これにより、スクリーン15上の一端部を走査するレーザ光の速度の方が速くなり、スクリーン15に投射される画像が歪んでしまう。
そこで、本実施形態では、光路補正光学系41を備えているため、光学素子24の内部の屈折率変化により射出端面21bから射出されるレーザ光の偏角が異なっていても、電気光学素子21から射出されたレーザ光は、走査距離Q1と走査距離Q2とが同じ距離になるように補正される。その結果、電気光学素子21から射出されたレーザ光は、スクリーン15上を等速走査される。
なお、図5では、赤色光Lrのみ図示したが、緑色光Lg,青色光Lbも同一の画素領域P1〜画素領域P3を照射している。
本実施形態に係る画像表示装置40は、第1実施形態の画像表示装置1と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態の画像表示装置40では、電気光学素子21から射出された各色光は、スクリーン15上を等速で走査される。すなわち、第2電極23に近い射出端面21bから射出されるレーザ光ほど偏角が大きいため、スクリーン15に照射されるレーザ光の走査速度が速くなるが、本実施形態の光路補正光学系25を用いることにより、非等速で走査された場合に生じるスクリーン15上での画像の歪みが発生することがない。したがって、高画質な画像を表示することが可能となる。
なお、光路補正光学系41を構成するレンズの枚数及び形状は、第1,第2レンズ42,43に示すものに限るものではなく、さらには、レンズに限らず同一の画素領域を照射可能な光学部材を用いても良い。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、電気光学素子としてKTN結晶を例に挙げて説明したが、これに限ることはなく、屈折率が線形的に変化する素子であれば良い。例えば、LiNbO(ニオブ酸リチウム)等の電気光学効果を有する誘電体結晶であっても良いが、LiNbO3等の組成を有する結晶は、KTN結晶に比べて走査偏角が小さく、また、駆動電圧が高いため、KTN結晶を用いることが好ましい。
また、上記実施形態では、走査型光学装置として画像表示装置を例に挙げて説明したが、これに限らず、異なる波長のレーザ光を1つの電気光学素子で走査する装置に適用することが可能である。
本発明の第1実施形態に係る走査型光学装置を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る走査型光学装置の光走査部を示す平面図である。 本発明の第1実施形態に係る走査型光学装置の電気光学素子の電極に印加する電圧の波形を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る走査型光学装置を示す平面図である。 本発明の第3実施形態に係る走査型光学装置を示す平面図である。 従来の走査型光学装置を示す平面図である。
符号の説明
O1…光軸、K,M,P1,P2,P3…画素領域(領域)、1,30,40…画像表示装置(走査型光学装置)、10…光源、15,15a,15b…スクリーン(被投射面)、21…電気光学素子、25,41…光路補正光学系、31…移動機構

Claims (2)

  1. 異なる波長域のレーザ光を射出する光源と、
    KTa 1−x Nb 3 の組成を有する結晶で構成され、内部に生じる電界の大きさに応じて屈折率分布が変化することによって、前記光源から射出されるレーザ光を走査する電気光学素子と、
    該電気光学素子の射出側に設けられ、被投射面において同一の領域が照射されるように前記異なる波長のレーザ光の光路を補正する光路補正光学系と、
    前記光路補正光学系の全体または一部を当該光路補正光学系の光軸に対して平行に移動させる移動機構と、を備え
    前記電気光学素子は、短波長側でレーザ光の偏角が大きく、長波長側でレーザ光の偏角が小さい特性を有し、
    前記光路補正光学系は、前記短波長側のレーザ光の偏角が大きい光路における照射位置と前記長波長側のレーザ光の偏角が小さい光路における照射位置とを一致させ、かつ、前記電気光学素子から射出された光の単位時間あたりの前記被投射面における走査距離が前記電気光学素子から射出されるレーザ光の偏角によらず一定となるように、補正を行うことを特徴とする走査型光学装置。
  2. 前記電気光学素子が少なくとも水平走査を行うことを特徴とする請求項に記載の走査型光学装置。
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