JP4643519B2 - シフト装置 - Google Patents

Description

この発明は、ステアリングコラムに設けられるシフト装置に関する。

従来、車両のシフト装置においては、運転者の操作により、機械的なリンク機構等を介して変速装置のシフトポジションが変更されるものが知られている。このような機械的なシフト装置には、フロアコンソールに設けられるものや、ステアリングコラムに設けられるものが多い。ステアリングコラムに設けられるものは、フロアコンソールに設けられるものに比べて、フロアコンソールのスペースを利用できることやステアリングホイールから近く操作し易い等の利点がある（例えば、特許文献１参照。）。しかしながら、近年、運転者のシフト操作を電気信号に変換し、ワイヤを介して変速装置等に電気信号を伝達することによって、変速装置のシフトポジションを変更するシフトバイワイヤ（Ｓｈｉｆｔ Ｂｙ Ｗｉｒｅ）が提案されている（例えば、特許文献２参照。）。

近年では、フロアタイプだけでなくコラムタイプのシフト装置のバイワイヤ化も検討されている。
特開平１１−２９１７８４号公報 特開２００２−２７６８０４号公報

バイワイヤ式のシフト装置によれば、機械的なリンク機構等が必要ないため、小型化することができる。また、従来のシフトレバーより小さいシフトレバーとすることができ、さらに操作力も小さくなる。しかしながら、小型化したシフトレバーをステアリングコラムに設けると、ステアリングホイールを操作する際に、シフトレバーを触ってしまい、シフトポジションの意図しない変更が行われるおそれがある。

この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ステアリングホイールを操作する際に、意図しないシフト操作を抑制することができるコラムタイプのシフト装置を提供することにある。

以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項１に記載の発明は、先端にステアリングホイールが配設されるステアリングコラムにシフトレバーが設けられるバイワイヤ式のシフト装置であって、前記ステアリングコラムには、前記ステアリングホイールと前記シフトレバーとの間を遮蔽する遮蔽部材が設けられ、該遮蔽部材は前記シフトレバーに近接して配置されることをその要旨としている。

同構成によれば、ステアリングホイールとシフトレバーとの間は遮蔽部材によって遮られているため、ステアリングホイールを操作する際に、シフトレバーに手が触れることを抑制できる。その結果、意図しないシフト操作を抑制することができる。

また、一般に、ステアリングコラムには、ライトを点灯させたり、ワイパーを駆動させたりする際に操作されるレバーコンビネーションスイッチが設けられている。このような場合、レバーコンビネーションスイッチの操作時にもステアリングホイールの操作時と同様にシフトレバーの意図しない操作が懸念される。

このような場合であれ、上記構成によれば、レバーコンビネーションスイッチ等を操作する際にも、シフトレバーに手が触れることを抑制できる。
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載のシフト装置において、前記遮蔽部材は、前記シフトレバーに密接して設けられ、前記シフトレバーは、前記遮蔽部材の表面を摺動しながら操作されることをその要旨としている。

バイワイヤ式のシフトレバーにおいては、小型化が可能なため、小型化することによって操作が容易になる一方で、機械的強度の確保が困難となり、大きな力が掛かると破損するおそれがある。

そこで、上記構成によれば、シフトレバーは操作時に遮蔽部材の表面を摺動しながら回動するため、操作が容易である。また、遮蔽部材の表面に沿って力を掛ければよく、大きな力が掛からない。

請求項３に記載の発明は、請求項１又は２に記載のシフト装置において、前記遮蔽部材の前記シフトレバーの少なくとも一つの操作位置に対応する外周形状を、他の操作位置に対応する外周形状と異ならせることをその要旨としている。

同構成によれば、遮蔽部材の外周形状からシフトレバーの操作位置を手によって把握することができるため、誤ってシフト操作することを抑制することができる。
請求項４に記載の発明は、請求項１〜３のいずれか一項に記載のシフト装置において、前記遮蔽部材には、前記シフトレバー自体の操作を案内するガイドを有することをその要旨としている。

同構成によれば、ガイドによってシフトレバーの操作が容易であり、無駄な力を掛ける必要がない。
請求項５に記載の発明は、請求項１〜４のいずれか一項に記載のシフト装置において、前記遮蔽部材は、前記ステアリングホイール側から前記遮蔽部材を通して前記シフトレバーを見ることができる程の光透過性を有する材料よりなることをその要旨としている。

同構成によれば、シフトレバーの操作位置を目視によって確認することができる。また、インストルメントパネルのメータ等を見ることができるようになる。
請求項６に記載の発明は、請求項１〜５のいずれか一項に記載の発明に、前記遮蔽部材の前記ステアリングホイール側には、前記シフトレバーの操作位置を表示する表示部が更に設けられることをその要旨としている。

同構成によれば、表示部を設けることによって、シフトレバーの位置に基づいて操作位置を確認する必要がなく、表示部を見ることによって操作位置を確認することができるようになる。

請求項７に記載の発明は、請求項１〜６のいずれか一項に記載の発明に、前記遮蔽部材の前記ステアリングホイール側の表面には、パーキングポジションスイッチが更に設けられることをその要旨としている。

同構成によれば、パーキングポジションスイッチによってワンタッチでパーキングのシフト位置への切り替え操作を行うことができる。また、パーキングポジションスイッチを遮蔽部材に設けることにより、操作し易くなる。

本発明によれば、ステアリングホイールを操作する際に、意図しないシフト操作を抑制することができるコラムタイプのシフト装置を提供することができる。

以下、本発明の一実施形態について図１〜図７を参照して説明する。
図１は、ステアリングコラムに設けられたシフト装置の構成を示す全体図である。図２は、ステアリングコラムに設けられたシフト装置の側面図である。

同図１に示されるように、ステアリングコラム２は、インストルメントパネル９に挿通して設けられる。ステアリングコラム２の内部には、ステアリングシャフト２１が挿通されている。ステアリングシャフト２１の基端には、インターミディエートシャフト（図示略）を介してステアリングギヤ（図示略）が連結されている。一方、ステアリングシャフト２１の先端には、ステアリングホイール１が連結されている。ステアリングホイール１は、運転者によって回動操作されると、ステアリングシャフト２１と一体に回動する。ステアリングコラム２の側部には、右側に延びる右レバーコンビネーションスイッチ３と左側に延びる左レバーコンビネーションスイッチ４とが設けられている。

図２に示されるように、ステアリングコラム２の右レバーコンビネーションスイッチ３のステアリングホイール１から離間する側、すなわちインストルメントパネル９側には、変速装置のシフトポジションを切り替える際に操作されるシフトレバー６が設けられている。図１に示されるように、シフトレバー６は、ステアリングコラム２から径方向に延びる平板状に設けられ、ステアリングコラム２周りに所定角度範囲で回動操作される。シフトレバー６の基端には、同シフトレバー６の操作位置を検出する図示しない検出装置が設けられている。同検出装置は、シフトレバー６の操作位置に応じた操作信号を出力する。図２に示されるように、右レバーコンビネーションスイッチ３とシフトレバー６との間には、遮蔽部材として扇型の遮蔽板５が設けられている。遮蔽板５は、そのインストルメントパネル９側の面がシフトレバー６に密接しており、右レバーコンビネーションスイッチ３との間を遮る。遮蔽板５は、ステアリングホイール１側から見た際にシフトレバー６を見ることができる程度の光透過性を有する材料（合成樹脂材料）よりなる。遮蔽板５のインストルメントパネル９側には、シフトレバー６が回動操作される際に、同シフトレバー６をステアリングコラム２の周方向へ案内するガイドとして扇型に凹んだガイド溝５１が形成されている。シフトレバー６は、該ガイド溝５１に四分の一程度嵌った状態で、ガイド溝５１内を摺動しながら回動可能に設けられている。遮蔽板５の右レバーコンビネーションスイッチ３側の面には、シフトポジションを表示する表示部としてインジケータ７と、パーキングロックを掛けるパーキングポジションスイッチ８とが設けられている。

図３は、図２のＡ矢視図であり、図１のステアリングホイール１と両レバーコンビネーションスイッチ３，４とインストルメントパネル９とを除いた図である。図４は、図２のＢ矢視図であり、インストルメントパネル９側から見た図である。

図３に示されるように、シフトレバー６の回動範囲の中心は、ステアリングホイール１の水平位置から半時計回りの角度θがおよそ３０度の位置となるように設けられており、ステアリングホイール１側から見て、右レバーコンビネーションスイッチ３より上方に位置している。インジケータ７は、遮蔽板５のステアリングホイール１側の面の略中央に位置しており、ステアリングホイール１のリングとスポークとの間から見える位置となっている（図１参照。）。パーキングポジションスイッチ８は、遮蔽板５のステアリングホイール１側の面の鉛直上方に位置している。遮蔽板５の周方向へ延びる外周縁の両端には、径方向に突出したリバース及びドライブの操作位置に併せてステアリングコラム２からの距離が長い突出部５２，５３が形成されている。図４に示されるように、シフトレバー６、遮蔽板５、右レバーコンビネーションスイッチ３、及びステアリングホイール１は、インストルメントパネル９側から、この順に位置している。右レバーコンビネーションスイッチ３は、遮蔽板５と重なっている。

次に、シフト装置の電気的な構成について説明する。図５は、シフト装置の電気的な構成を示すブロック図である。
図５に示されるように、シフトレバー６（正確にはその検出装置）は、同シフトレバー６の操作位置に応じた操作信号を制御装置１０に出力する。この制御装置１０は、該操作信号に基づきシフトレバー６の操作位置に対応するシフトポジションに切り替えるための切替信号を変速装置１２へ出力する。また、パーキングポジションスイッチ８が押圧されたときには、その操作信号を制御装置１０へ出力する。そして、同制御装置１０は、シフトレバー６の操作位置をニュートラルに切り替えるニュートラル信号をシフトレバー６へ出力するとともに、変速装置１２のシフトポジションをニュートラルに切り替えるための切替信号を該変速装置１２へ出力する。さらに、パーキングポジションスイッチ８に内装された図示しないインジケータランプを点灯させるための点灯信号を該パーキングポジションスイッチ８へ出力するとともに、パーキングロック信号をパーキングロックアクチュエータ１１へ出力する。変速装置１２は、制御装置１０から入力される切替信号に基づいて、各シフトポジションへの切替を行う。そして、変速装置１２は、実際に切り替えたシフトポジションを伝えるシフトポジション信号を制御装置１０を通じて、インジケータ７及びインストルメントパネル９へ出力する。インジケータ７は、制御装置１０を通じて受信したシフトポジション信号に基づいてシフトポジションを表示する。また、パーキングポジションスイッチ８は、制御装置１０から入力される点灯信号に従い、インジケータランプを点灯する。インストルメントパネル９は、制御装置１０から出力されるシフトポジション信号に基づき同インストルメントパネル９内にあるメータに実際に切り替えられたシフトポジションを表示する。パーキングロックアクチュエータ１１は、制御装置１０からパーキングロック信号が入力されるとパーキングロックを掛ける。そして、パーキングロックを掛けるとパーキングポジション信号を制御装置１０に出力する。

次に、前述のように構成したシフト装置の操作態様について説明する。図６は、ステアリングホイール１側から見たシフト装置の拡大図である。図７は、インストルメントパネル９側から見たシフト装置の拡大図である。

図６に示されるように、シフトレバー６は、ドライブ（図中ではＤ）及びニュートラル（図中ではＮ）、リバース（図中ではＲ）の操作位置に回動操作可能である。シフトレバー６は、エンジン始動時には、その回動範囲の中央に対応するニュートラルの操作位置に位置している。前進したいときにはシフトレバー６を時計方向へ回動操作することにより該シフトレバー６は、ドライブの操作位置に変位される。また、後進したいときにはシフトレバー６を反時計方向へ回動操作することにより該シフトレバー６は、リバースの操作位置に変位される。すなわち、ドライブの操作位置からリバースの操作位置へ変位するときには、ニュートラルの操作位置を経由する。同様に、リバースの操作位置からドライブの操作位置へ変位するときにも、ニュートラルの操作位置を経由する。

シフトレバー６は、遮蔽板５が介在しているので、シフト操作の際、該遮蔽板５に形成されたガイド溝５１に沿って回動操作される。このリバース及びドライブのシフト位置の遮蔽板５の周方向へ延びる外周縁には、それぞれの操作位置に合わせてステアリングコラム２からの距離が長い突出した形状の突出部５２，５３が形成されている。このため、遮蔽板５の外周形状からシフトレバー６の操作位置を手によって把握することができる。

インジケータ７は、制御装置１０から出力されるシフトポジション信号に基づいて、シフトレバー６の操作位置に連動してドライブ及びニュートラル、リバースの操作位置のそれぞれを表すＤ、Ｎ、Ｒの文字と、パーキングポジションスイッチ８の押圧に連動してパーキングを表すＰの文字とを表示する。このため、運転者は、その時々のシフトポジションをインジケータを見ることにより容易に認識できる。

パーキングポジションスイッチ８は、停車中に押圧されると、制御装置１０を通じて、パーキングロックアクチュエータ１１にパーキングロック信号を出力し、パーキングロックを掛ける。パーキングポジションスイッチ８は、パーキングロックが掛かるとインジケータランプが点灯して、パーキングロックが掛かっていることを表示する。また、パーキングポジションスイッチ８が押圧されると、制御装置１０からニュートラル信号がシフトレバー６に出力され、シフトレバー６は自動でニュートラルの操作位置に変位する。このため、変速装置１２のシフトポジションとシフトレバー６の操作位置とが一致し、運転者が誤解を招くことを抑制することができる。なお、パーキングポジションスイッチ８によってパーキングロックが掛かるのは、車両が停止しているときのみである。パーキングポジションスイッチ８が押圧されたときには、インジケータ７の表示は、シフトレバー６の操作位置によらず、Ｐの文字が表示される。

以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
（１）ステアリングホイール１又は右レバーコンビネーションスイッチ３を操作する際に、シフトレバー６との間は遮蔽板５によって遮られているため、シフトレバー６に手が触れることを抑制できる。その結果、意図しないシフト操作を抑制することができる。

（２）シフトレバー６は操作時に遮蔽板５の表面を摺動しながら回動操作されるため、操作が容易である。また、遮蔽板５の表面に沿って力を掛ければよく、大きな力が掛からない。

（３）ガイド溝５１によって更にシフトレバー６の操作が容易であり、無駄な力を掛ける必要がない。
（４）リバース及びドライブの操作位置の遮蔽板５の周方向へ延びる外周縁には、リバース及びドライブの操作位置に合わせて突出部５２，５３が形成されているため、シフトレバー６の操作位置を把握することができる。この結果、誤って操作位置を操作することを抑制することができる。

（５）遮蔽板５は、ステアリングホイール１側から見た際にシフトレバー６を見ることができる程度の光透過性を有する材料よりなるため、シフトレバー６の操作位置を目視によって確認することができる。また、インストルメントパネル９のメータ等を見ることができるようになる。

（６）インジケータ７を設けることによって、シフトレバー６の位置に基づいて操作位置を確認する必要がなく、インジケータ７を見ることによって操作位置を確認することができるようになる。

（７）パーキングポジションスイッチ８によってパーキングロックを掛けるようにしているため、ワンタッチでパーキングポジションへの切り替え操作を行うことができる。また、パーキングポジションスイッチ８を遮蔽板５に設けることにより、操作し易くなる。

なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態では、遮蔽板５の材料として合成樹脂材料を用いたが、ガラス等の他の材料を用いてもよい。

・上記実施形態では、シフトレバー６の回動範囲の中心をステアリングホイール１の水平位置から半時計回りの角度θがおよそ３０度の位置となるように設け、ステアリングホイール１側から見て、右レバーコンビネーションスイッチ３より上方に位置するようにした。しかしながら、必ずしも上方に位置する必要はなく、右レバーコンビネーションスイッチ３やインストルメントパネル９等との位置関係を考慮した配置であればよい。

・上記実施形態では、シフトレバー６は、ドライブ及びニュートラル、リバースの操作位置に回動操作可能であるようにしたが、ニュートラルとドライブとの間に中立位置を設けるようにしてもよい。すなわち、シフトレバー６が常に中立位置に戻るモーメンタリタイプとしてもよい。また、リバースへの操作時には、長押し操作するようにすることによって、誤操作を更に抑制するようにしてもよい。

・上記実施形態では、パーキングポジションスイッチ８が押圧されるとシフトレバー６がニュートラルの操作位置に変位するようにしたが、変位するのではなく、シフトレバー６がニュートラルの操作位置に位置しているときにのみ、パーキングポジションスイッチ８が押圧できるようにしてもよい。

・上記実施形態では、パーキングスイッチの操作を押圧によって行うようにしたが、タッチすることによって操作する等、他の操作によって行うようにしてもよい。
・上記実施形態では、パーキングポジションスイッチ８によってパーキングロックを掛けるようにしたが、シフトレバー６の操作位置にパーキングの操作位置を加え、シフトレバー６がパーキングの操作位置のときにパーキングロックが掛かるようにしてもよい。ただし、操作位置は、パーキング、リバース、ニュートラル及びドライブとなる。

・上記実施形態では、遮蔽板５にインジケータ７を設けるようにしたが、インストルメントパネル９に設けられるメータに兼ねるようにしてもよい。
・上記実施形態では、遮蔽板５の形状をリバース及びドライブの操作位置の周方向へ延びる外周縁にそれぞれの操作位置に併せてステアリングコラム２からの距離が長い突出した突出部５２，５３が形成された形状とした。しかしながら、図８に示されるように、遮蔽板５の周方向へ延びる外周縁において、リバースの操作位置に対応する部位に突出部５２を設けるようにしてもよい。また、図９に示されるように、遮蔽板５の周方向へ延びる外周縁において、ニュートラルの操作位置に対応する部位に突出部５５を設け、さらにリバースの操作位置に対応する部位には、ニュートラルの操作位置に対応する突出部５５より径方向へ突出した突出部５４を設けるようにしてもよい。同構成によれば、どちらもリバースの操作位置を認識しやすく、シフト操作における誤操作を抑制することができる。

・遮蔽板５の厚みを操作位置によって異ならせるようにしてもよい。
・遮蔽板５の形状は、扇型に限らず、四角形等の他の形状にしてもよい。
・上記実施形態では、遮蔽板５をステアリングホイール１側から見た際にシフトレバー６を見ることができる程度の光透過性を有する物質よりなるようにしたが、必ずしも光透過性を有する物質しなくてもよい。ただし、シフトレバー６の操作位置を認識できる表示するものが必要である。

・上記実施形態では、シフトレバー６はガイド溝５１上を回動操作されるようになっていたが、ガイド溝５１を設けないようにしてもよい。ただし、シフトレバー６は、遮蔽板５に摺動状態で回動操作されるのが好ましい。

・上記実施形態では、シフトレバー６は操作時に遮蔽板５の表面を摺動しながら回動操作されるようにしたが、摺動しない状態、すなわち接していない状態で配置してもよい。ただし、このようにしても、遮蔽板５によって、意図しないシフト操作は抑制される。

・上記実施形態では、シフトレバー６が遮蔽板５上に配置されるようにしたが、図１０及び図１１に示されるように、シフトレバー６が遮蔽部材５０に覆われるようにしてもよい。すなわち、シフトレバー６は遮蔽部材５０の内部に形成された扇型のレバー収容部５６に回動操作可能に設置される。そして、遮蔽部材５０のインストルメントパネル９側に開口部５７が設けられ、この開口部５７からシフトレバー６を操作することにより、操作位置の変更を行う。同構成によれば、シフトレバー６のほとんどの部分が遮蔽部材５０に覆われているため、右レバーコンビネーションスイッチ３等を操作する際に、シフトレバー６に触れることが極力抑制される。

・遮蔽部材とシフトレバー６とを設けたシフト装置を単一のユニットとし、該ユニットをステアリングコラム２に取り付けるようにしてもよい。
・上記実施形態のシフトレバー６に、節度機構を設けるようにしてもよい。すなわち、各操作位置で節度が得られるようになる。なお、該節度機構は、シフトレバー６のステアリングコラム側にあってもよいし、シフトレバー６と遮蔽部材との間にあってもよい。

・遮蔽部材としての遮蔽板５に、更にエンジンのスタートを行うスタートスイッチを設けるようにしてもよい。同構成によれば、遮蔽部材にスイッチ類を集約することができる。

・図７に二点鎖線で示されるように、シフトレバー６のインストルメントパネル９側に、同シフトレバー６の回動操作を規制するロック状態と、同回動操作を許容するアンロック状態とを切り替える切替スイッチ６１を設けるようにしてもよい。該シフトレバー６は、通常、ロック状態に保持され、切替スイッチ６１が押されることによりアンロック状態となり回動操作可能となる。同構成によれば、意図しないシフト操作を更に抑制することができる。

・上記実施形態では、シフトレバー６及び遮蔽板５を右レバーコンビネーションスイッチ３側に設けるようにしたが、左レバーコンビネーションスイッチ４側に設けるようにしてもよい。

次に、前記実施形態から把握できる請求項記載の発明以外の技術的思想をその効果と共に記載する。
（ａ）請求項７に記載のシフト装置において、前記パーキングポジションスイッチを操作すると、前記シフトレバーはニュートラルの操作位置に変位することを特徴とするシフト装置。パーキングロックが掛かると、変速装置のシフトポジションはニュートラルの位置となる。同構成によれば、パーキングポジションスイッチが押されたことによって、シフトレバーがニュートラルの操作位置になるので、変速装置のシフトポジションとシフトレバーの操作位置とが一致するようになり、誤解を招くことを抑制できる。

（ｂ）請求項１〜７のいずれか一項に記載のシフト装置において、前記シフトレバー及び前記遮蔽部材は、前記ステアリングホイール側から見て、前記レバーコンビネーションスイッチより上方に位置することを特徴とするシフト装置。同構成によれば、運転者がレバーコンビネーションスイッチ又はシフトレバーを操作する際に、レバーコンビネーションスイッチ及びシフトレバー各々の位置が相違することによって各々を認識でき、誤操作を抑制することができる。

（ｃ）前記シフトレバーに、同シフトレバーの回動操作を規制するロック状態と、同回動操作を許容するアンロック状態とを切り替える切替スイッチを備える請求項１〜７のいずれか一項に記載のシフト装置。同構成によれば、意図的に切替スイッチを操作しないとシフトレバーを回動操作できない。その結果、意図しないシフト操作を更に抑制することができる。

シフト装置の全体図。 シフト装置の側面図。 シフト装置のＡ矢視図。 シフト装置のＢ矢視図。 シフト装置の電気的な構成を示すブロック図。 シフト装置の拡大図。 シフト装置の拡大図。 遮蔽板の拡大図。 遮蔽板の拡大図。 シフト装置の拡大図。 シフト装置の拡大図。

符号の説明

１…ステアリングホイール、２…ステアリングコラム、３…右レバーコンビネーションスイッチ、４…左レバーコンビネーションスイッチ、５…遮蔽板、６…シフトレバー、７…インジケータ、８…パーキングポジションスイッチ、９…インストルメントパネル、１０…制御装置、１１…パーキングロックアクチュエータ、１２…変速装置、２１…ステアリングシャフト、５０…遮蔽部材、５１…ガイド溝、５２，５３，５３，５４，５５…突出部、５６…レバー収容部、５７…開口部、６１…切替スイッチ。

Claims (7)

1. 先端にステアリングホイールが配設されるステアリングコラムにシフトレバーが設けられるバイワイヤ式のシフト装置であって、
   前記ステアリングコラムには、前記ステアリングホイールと前記シフトレバーとの間を遮蔽する遮蔽部材が設けられ、該遮蔽部材は前記シフトレバーに近接して配置される
   ことを特徴とするシフト装置。
2. 請求項１に記載のシフト装置において、
   前記遮蔽部材は、前記シフトレバーに密接して設けられ、
   前記シフトレバーは、前記遮蔽部材の表面を摺動しながら操作される
   ことを特徴とするシフト装置。
3. 請求項１又は２に記載のシフト装置において、
   前記遮蔽部材の前記シフトレバーの少なくとも一つの操作位置に対応する外周形状を、他の操作位置に対応する外周形状と異ならせる
   ことを特徴とするシフト装置。
4. 請求項１〜３のいずれか一項に記載のシフト装置において、
   前記遮蔽部材には、前記シフトレバー自体の操作を案内するガイドを有する
   ことを特徴とするシフト装置。
5. 請求項１〜４のいずれか一項に記載のシフト装置において、
   前記遮蔽部材は、前記ステアリングホイール側から前記遮蔽部材を通して前記シフトレバーを見ることができる程の光透過性を有する材料よりなる
   ことを特徴とするシフト装置。
6. 前記遮蔽部材の前記ステアリングホイール側には、前記シフトレバーの操作位置を表示する表示部が設けられる
   請求項１〜５のいずれか一項に記載のシフト装置。
7. 前記遮蔽部材の前記ステアリングホイール側の表面には、パーキングポジションスイッチが設けられる
   請求項１〜６のいずれか一項に記載のシフト装置。

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