JP4640906B2 - 積層体及び固体電解質型燃料電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層体及び固体電解質型燃料電池に関する。更に詳しくは、セラミック成形体と耐熱合金成形体とを、Ag、Pd及びTiを含有する接合材により接合してなり、固体電解質型燃料電池に用いられる積層体、及び複数の単セル等が積層されてなる燃料電池において、固体電解質層とセパレータなどとが、Ag、Pd、及びTiを含有する接合材により接合されている固体電解質型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
平板型の固体電解質型燃料電池(以下、「平板型SOFCスタック」ということもある。)は、複数の単セルが積層されて形成される。この平板型SOFCスタックには、スタック内部にガス通路を備える内部マニホールド型(例えば、特許文献1参照。)と、スタックの外部にガス通路を備える外部マニホールド型とがある。
【0003】
特許文献1には、図11のような平板型SOFCスタックの一例が開示されている。この平板型SOFCスタックは、複数の単セル4Aが、ランタンクロマイト系複合酸化物又は耐熱金属からなるセパレータ5Aを介して積層されて形成されている。各々の単セル4Aは、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなる固体電解質層41Aと、この固体電解質層41Aの一面に設けられ、Ni及びYSZからなる燃料極と、他面に設けられ、ランタンマンガナイト等のペロブスカイト型複合酸化物からなる空気極とを有する。また、固体電解質層41A及びセパレータ5Aの四隅角部には、ガス流通用の貫通孔22Aが形成され、それぞれ単セル4Aの燃料極及び空気極へガスを流入、流出させるための流路となっている。尚、固体電解質層41Aとセパレータ5Aとはガラス質のシール材により気密にシールされている。
【0004】
更に、近年、YSZ等の固体電解質層をできるだけ薄くして内部抵抗を低減し、800℃以下の比較的低温域でSOFCを動作させる研究が活発化している。この場合、金属製の安価なセパレータを使用することができ、注目されている。特に、より安価なステンレス鋼を用いることができれば、大幅にコストを引き下げることができる。しかし、ガラス質のガスシール材を使用した場合、接合部の信頼性が低下することがある。この信頼性の向上のため、SOFCではないが、類似の動作条件となる酸素製造装置の固体電解質層とステンレス鋼からなるセパレータとの気密シール部に、Agを主成分とするシール材を使用し、Agの融点以下の温度域で接合する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−199554号公報
【特許文献2】
特開2002−20180号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載の平板型SOFCスタックでは、以下のような問題点が挙げられる。
(1)加工性に劣るセラミック層に穴あけ加工した場合、歩留まりが低く、コストが高くなる。
(2)穴あけ加工により、セラミック層の機械的強度が大きく低下する。
(3)ガラス質のシール材を使用し、セパレータとしてランタンクロマイト系複合酸化物を用いた場合は、いずれも脆性体であるため、熱応力等により破損することがある。
【0007】
また、特許文献2に記載の酸素製造装置の場合、劣化した電解質管をステンレス鋼との気密シール部において容易に交換することができる程度の剥離性を有する必要がある。そのため、剥離不能なほどに強固に接合されないようにAgの融点以下の温度域で接合している。一方、SOFCのように可燃性ガスと酸素とが高温で接触する装置では、容易に剥離しない強靭な接合部とする必要があり、Agの融点を越える温度で接合することが好ましい。このように、酸素製造装置とSOFCでは、同様にAgを主成分とするシール材を用いるにしても、その目的はまったく異なる。
【0008】
本発明は上記の状況に鑑みてなされたものであり、セラミック成形体と耐熱合金成形体とを、AgとPdとTiとを含有する接合材により接合してなり、固体電解質型燃料電池に用いられる積層体を提供することを目的とする。更に、複数の単セル等が積層されて形成され、固体電解質層とセパレータなどとが、AgとPdとTiとを含有する接合材により接合されている固体電解質型燃料電池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下の通りである。
1.固体電解質層となるセラミック成形体と、隔離セパレータとなるステンレス鋼成形体からなる耐熱合金成形体とが接合材により接合された積層体であって、
該接合材はAgとPdとTiとを含有し、該セラミック成形体と該耐熱合金成形体との接合部は、
Ti偏析層と、
Ti、Pd及びFeとAgとの反応層で、Ti、Ag、Pd及びFeの合計を100質量%とした場合に、Tiが30〜60質量%含有されている第1反応層と、
Ti、Ag及びPdを含有し、これらの合計を100質量%とした場合に、Agの含有量が95質量%以上である層と、
Ti、Pd及びFeとAgとの反応層で、Ti、Ag、Pd及びFeの合計を100質量%とした場合に、Tiが15〜40質量%含有され、且つ上記第1反応層に比べてTiが少ない第2反応層とを備え、
上記セラミック成形体側から上記耐熱合金成形体側へむけて、上記Ti偏析層、上記第1反応層、上記Agの含有量が95質量%以上である層及び上記第2反応層の順番で各層を備え、
上記接合材に含有される上記Ag、上記Pd及び上記Tiの合計を100質量%とした場合に、該Tiの含有量は0.05〜10質量%であり、
固体電解質型燃料電池に用いられることを特徴とする積層体。
2.上記接合の温度が、上記接合材の固相点温度以上で、且つ液相点温度を50℃越える温度以下である上記1.に記載の積層体。
3.上記セラミック成形体が、安定化されたジルコニアからなる成形体である上記1.又は2.のいずれかに記載の積層体。
4.絶縁性セラミックからなる枠体となるセラミック成形体と、隔離セパレータ、中間セパレータ又は金属性枠体となるステンレス鋼成形体からなる耐熱合金成形体とが接合材により接合された積層体であって、該接合材はAgとPdとTiとを含有し、
該セラミック成形体と該耐熱合金成形体との接合部は、
Ti偏析層と、
Ti、Pd及びFeとAgとの反応層で、Ti、Ag、Pd及びFeの合計を100質量%とした場合に、Tiが30〜60質量%含有されている第1反応層と、
Ti、Ag及びPdを含有し、これらの合計を100質量%とした場合に、Agの含有量が95質量%以上である層と、
Ti、Pd及びFeとAgとの反応層で、Ti、Ag、Pd及びFeの合計を100質量%とした場合に、Tiが15〜40質量%含有され、上記の第1反応層に比べてTiが少ない第2反応層とを備え、
上記セラミック成形体側から上記耐熱合金成形体側へむけて、上記Ti偏析層、上記第1反応層、上記Agの含有量が95質量%以上である層及び上記第2反応層の順番で各層を備え、
上記接合材に含有される上記Ag、上記Pd及び上記Tiの合計を100質量%とした場合に、該Tiの含有量は0.05〜10質量%であり、
上記セラミック成形体がMgOとMgAl2O4とを含むセラミックからなる成形体であり、固体電解質型燃料電池に用いられることを特徴とする積層体。
5.上記1.乃至4.のうちのいずれかに記載の積層体からなる構造部分を備えることを特徴とする固体電解質型燃料電池。
6.複数の発電層が耐熱合金からなる隔離セパレータを介して積層された構造を備える固体電解質型燃料電池において、各々の発電層は、固体電解質層、該固体電解質層の一面に設けられた燃料極、及び他面に設けられた空気極を有し、隔離セパレータは、一部が隣り合う発電層のそれぞれの固体電解質層に接合され、且つ一方の発電層の燃料極に燃料ガスを導入するための流路と他方の発電層の空気極に空気を導入するための流路とを備え、各々の固体電解質層と隔離セパレータとは、AgとPdとTiとを含有する接合材により接合されており、
上記接合材の上記Ag、上記Pd及び該Tiの合計を100質量%とした場合に、該Tiの含有量は0.05〜10質量%であることを特徴とする固体電解質型燃料電池。
7.複数の単セルが中間セパレータを介して積層された構造を備える固体電解質型燃料電池において、各々の単セルは、固体電解質層、該固体電解質層の一面に設けられた燃料極、及び他面に設けられた空気極を有する発電層と、一部が該固体電解質層に接合され、且つ該燃料極に燃料ガスを導入するための流路と該空気極に空気を導入するための流路とを隔離する耐熱合金からなる隔離セパレータとを備え、少なくとも一部の中間セパレータと隔離セパレータとの間に絶縁性セラミックからなる枠体が配設されており、少なくとも各々の固体電解質層と隔離セパレータとは、それぞれAgとPdとTiとを含有する接合材により接合されており、
上記接合材の上記Ag、上記Pd及び該Tiの合計を100質量%とした場合に、該Tiの含有量は0.05〜10質量%であることを特徴とする固体電解質型燃料電池。
8.少なくとも一部の、上記中間セパレータ及び上記隔離セパレータと、上記枠体とは、それぞれAgとPdとTiとを含有する接合材により接合されており、
この接合材の上記Ag、上記Pd及び該Tiの合計を100質量%とした場合に、該Tiの含有量は0.05〜10質量%である上記7.に記載の固体電解質型燃料電池。
9.上記絶縁性セラミックが、MgOとMgAl2O4とを含む上記7.又は8.に記載の固体電解質型燃料電池。
10.上記接合の温度が、上記接合材の固相点温度以上で、且つ液相点温度を50℃越える温度以下である上記6.乃至9.のいずれかに記載の固体電解質型燃料電池。
【0010】
【発明の効果】
本発明の積層体では、特定の接合材を使用することにより、セラミック成形体と耐熱合金成形体とを強固に接合することができ、熱応力等による強度の低下も抑えられる。
また、接合材に含有されるAg、Pd及びTiの合計を100質量%とした場合に、Tiの含有量が0.05〜10質量%であるので、セラミック成形体と耐熱合金成形体とをより強固に接合することができ、剥離することがない。
更に、接合の温度が、上記接合材の固相点温度以上で、且つ液相点温度を50℃越える温度以下である場合は、セラミック成形体と耐熱合金成形体とを特に強固に接合することができ、剥離することがない。
また、セラミック成形体が、安定化されたジルコニアからなる成形体又はMgOとMgAl2O4とを含むセラミックからなる成形体である場合、これらのセラミック成形体と耐熱合金成形体とを強固に接合することができる。
本発明の固体電解質型燃料電池では、ガスシール部が強固に接合され、熱応力等による強度の低下も抑えられるため、長期に渡って良好な発電効率が維持される。
また、絶縁性セラミックからなる枠体が、MgOとMgAl2O4とを含む場合は、枠体とセパレータ等とを、より十分に密着させ、接合させることができる。
更に、接合材が更にTiを含有し、Ag、Pd及びTiの合計を100質量%とした場合に、Tiの含有量が0.05〜10質量%である場合は、固体電解質層とセパレータ等とをより強固に接合することができる。
また、接合の温度が、上記接合材の固相点温度以上で、且つ液相点温度を50℃越える温度以下である場合は、固体電解質層及びセパレータ等を特に強固に接合することができ、剥離することがない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
[1]セラミック成形体と耐熱合金成形体との積層体
上記「積層体」は、セラミック成形体と耐熱合金成形体とが特定の接合材により接合されたものである。図1のように、この積層体1は、セラミック成形体11と耐熱合金成形体12とが、接合部13を介して接合されたものである。
(1)セラミック成形体
上記「セラミック成形体」を構成するセラミックは特に限定されず、酸化物系セラミック、窒化物系セラミック、炭化物系セラミック、ケイ化物系セラミックなどが挙げられる。酸化物系セラミックとしては、ジルコニア、マグネシア、スピネル、アルミナ、チタニア等が挙げられる。また、2種以上の元素を含有する複合酸化物からなるセラミックが挙げられる。窒化物系セラミックとしては、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等が挙げられる。炭化物系セラミックとしては、炭化ケイ素、炭化タングステン等が挙げられる。ケイ化物系セラミックとしては、ケイ化モリブデン等が挙げられる。これらのセラミックは、積層体の用途等によって選択することができる。
【0012】
(2)耐熱合金成形体
上記「耐熱合金成形体」を構成する耐熱合金はステンレス鋼である。ステンレス鋼としては、フェライト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼が挙げられる。フェライト系ステンレス鋼としては、SUS430、SUS434、SUS405等が挙げられる。マルテンサイト系ステンレス鋼としては、SUS403、SUS410、SUS431等が挙げられる。オーステナイト系ステンレス鋼としては、SUS201、SUS301、SUS305等が挙げられる。これらの各種の耐熱合金は、それぞれ積層体の用途等によって選択することができる。
【0013】
(3)接合材
上記「接合材」はAgとPdとを含有する。接合材における上記「Ag」及び上記「Pd」の各々の含有量は特に限定されないが、AgとPdとの合計を100質量%とした場合に、Agの含有量は90〜98質量%、特に93〜97質量%、Pdの含有量は2〜10質量%、特に3〜7質量%であることが好ましい。
Agの含有量が98質量%を越えると、即ち、Pdの含有量が2質量%未満であると、接合材の耐酸化性等が低下し、十分な耐久性を有する接合部を形成することができない場合がある。一方、Agの含有量が90質量%未満であると、即ち、Pdの含有量が10質量%を越えると、接合時に接合材が十分に流動せず、接合部のシール性が低下する傾向にある。
【0014】
接合材には、更にCuが含有されていてもよい。Cuが含有されている場合のAg、Pd及びCuの各々の含有量は特に限定されないが、Ag、Pd及びCuの合計を100質量%とした場合に、Agの含有量は45〜65質量%、特に50〜60質量%、Pdの含有量は15〜35質量%、特に20〜30質量%、Cuの含有量は10〜30質量%、特に15〜25質量%であることが好ましい。
Cuが含有されている場合、含有されていない接合材に比べてより多量のPdを含有していても、十分な流動性を有し、優れたシール性が維持される。一方、AgとCuの合計が65質量%未満、即ち、Pdの含有量が35質量%を越えると、流動性が低下し、シール性が不十分になる傾向にある。
【0015】
接合材には、更にTiが含有される。適量のTiを含有することにより、接合温度が比較的低い場合でも、特に大きな接合強度が得られる。このTiの含有量は、Ag、Pd及びTiの合計を100質量%とした場合に、又はCuが含有されているときは、Ag、Pd、Cu及びTiの合計を100質量%とした場合に、0.05〜10質量%であることが好ましく、特に0.05〜8質量%、更には0.05〜6質量%であることがより好ましい。Tiの含有量が0.05〜10質量%であれば、接合雰囲気が真空ではなく、アルゴン等の不活性雰囲気であっても、実用上、十分な強度を有する接合部を形成することができる。また、接合雰囲気が真空である場合は、Tiの含有量は、0.05〜20質量%、特に0.05〜15質量%とすることもでき、更に、Tiの含有量が0.08〜10質量%であれば、接合強度が大きく向上し、接合強度の測定時に接合面における界面剥離ではなく、セラミック成形体を構成するセラミックが凝集破壊することもある。例えば、セラミックがYSZ及びMgO−MgAl2O4である場合、200MPa以上の大きな接合強度(セラミック破壊、)が得られる。
【0016】
尚、このAg、Pd、更にはCu、Tiを含有する接合材は、通常、20×10−6/℃以上の熱膨張係数を有し、被接合材であるジルコニア系、セリア系等のセラミックの(10〜11.5)×10−6/℃、及び耐熱合金であるステンレス鋼の(12〜17)×10−6/℃とは大きく異なる。しかし、優れた柔軟性を有するAgにより熱膨張係数の差異による応力が緩和されるため、安定した十分なシール性及び接合強度が維持される。
【0017】
接合材には、Ag、Pd、Cu及びTi以外に、接合強度及びガスシール性等が低下しない範囲で他の成分が含有されていてもよい。そのような成分としてはSn、In、Ni、Nb等が挙げられる。これらの他の成分は、Ag、Pd及びTiの合計、更にCuを含有する場合はAg、Pd、Cu及びTiの合計を100質量部とした場合に、10質量部以下、特に0.1〜10質量部、更には0.5〜5質量部含有させることができる。
【0018】
(4)接合部の構成
酸化物系セラミック、特にYSZ焼結体及びScSZ焼結体等からなる成形体と、耐熱合金成形体との接合部は、接合材がTiを含有している場合、各々の成形体の間で複数の組成の異なる層を有している。具体的には、耐熱合金成形体としてステンレス鋼成形体を用いた場合、接合部13は、酸化物系セラミックからなる成形体の側からステンレス鋼成形体の側へと、(a)Ti偏析層131、(b)主としてTi、Pd及び微量のFeとAgとの反応層で、Ti、Ag、Pd及びFeの合計を100質量%とした場合に、Tiが30〜60質量%、特に40〜60質量%含有されている層133、(c)Ti、Ag及びPdを含有し、これらの合計を100質量%とした場合に、Agの含有量が95質量%以上、特に98質量%以上(100質量%でもよい。)である層134、(d)主としてTi、Pd及び微量のFeとAgとの反応層で、Ti、Ag、Pd及びFeの合計を100質量%とした場合に、Tiが15〜40質量%、特に20〜30質量%含有されており、上記の(b)に比べてTiが少ない層135を有している。更に、ステンレス鋼としてSUS430を用いた場合は、図2のように、(d)の反応層に続いて(e)Ti偏析層132、並びに(f)Ag、Pd及びFeを含有する層136、が形成される。尚、耐熱金属の種類によって(e)及び(f)の層に対応する位置に(e)及び(f)の層とは組成の異なった層が形成されることがある。
【0019】
また、(a)及び(e)のそれぞれのTi偏析層には、酸化物系セラミックからなる成形体から移動した酸素、又は接合雰囲気から混入した酸素が含有されている。更に、(a)〜(f)の各々の層において耐熱合金に比べてより多量の酸素が検出される。尚、Ti偏析層における酸素の含有量は、接合材に含有されるTiが10質量%以下であれば少量であり、接合強度が低下することはない。一方、接合材に含有されるTiが10質量%を越えると、Ti偏析層にTiO2が生成するほどの酸素が含有され、これによりTi偏析層と酸化物系セラミックからなる成形体との間で容易に剥離してしまうことがある。更に、接合材に含有されるTiが過多であると、接合材の液相点温度が上昇して流動性が低下し、これによっても接合強度が大きく低下することが推察される。
【0020】
また、耐熱合金の種類によって、接合部を構成するそれぞれの層の組成は変化するが、接合材の固相点温度以上の温度で接合することにより、少なくとも(a)〜(d)の複数の層からなる接合部が形成され、セラミック成形体と耐熱合金成形体とが強固に接合される。更に、セラミックがマグネシア、スピネル、アルミナ及びこれらの混合物等である場合は、各々の層において微量のMg及びAl等も検出されるが、接合部は基本的に上記(a)〜(d)のそれぞれに相当する層により形成される。(e)、(f)の層は形成されることもあり、形成されないこともある。
尚、(a)〜(f)の各々の層は、例えば、接合部の断面をX線マイクロアナライザー等により観察することにより確認することができる。
【0021】
更に、接合材がTiを含有しない場合は、上記のような複数の層からなる接合部は形成されないが、同様に強固に接合することができる。この場合、セラミック成形体と接合部との界面近傍にTi偏析層は認められないが、下記(5)のように固相点温度以上の温度で接合することにより、接合材の液相がセラミックスの微細な凹凸及び残留気孔等に侵入し、アンカー効果により強固に接合されるものと推察される。一方、耐熱合金成形体の側では、接合後、界面近傍における接合材に含有されるPdの含有量が接合前に比べて減少していることが確認されている。このことから、接合材に含まれるPdが耐熱合金成形体の側に拡散して何らかの反応層を形成していることが推察され、これにより強固に接合されるものと考えられる。そのため、接合材の固相点温度以上の温度で接合し、Pdを十分に拡散させてより強固な接合部を形成することが好ましい。
【0022】
(5)接合温度
接合材を用いてセラミック成形体と耐熱合金成形体とを接合する際の温度は特に限定されないが、接合材の固相点温度以上で、且つ液相点温度を50℃越える温度以下とすることが好ましい。Agの融点は約962℃であるが、接合材の固相点温度以上の温度で接合すれば、Agを含む接合材成分が融解し、展延性に富むAgがセラミック成形体と耐熱合金成形体との間に十分に流動し、これらを密着させることができる。また、特に接合材の液相点温度を越える温度で接合した場合は、より安定した十分なシール性及び接合強度が維持され、容易に剥離することがない。一方、この接合の温度は液相点温度を50℃を越えて高い温度とする必要はなく、固相点温度以上、且つ液相点温度を50℃越える温度以下で接合すれば、十分なシール性及び接合強度が得られる。
【0023】
(6)接合雰囲気
接合の際の雰囲気は不活性雰囲気であれば特に限定されず、真空、及びアルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気とすることができる。接合雰囲気は特に真空であることが好ましく、真空雰囲気であれば接合強度を大きく向上させることができる。尚、真空の程度は10Pa以下、特に1×10−2〜1Paとすることが好ましい。
【0024】
[2]固体電解質型燃料電池
固体電解質型燃料電池は、複数の単セル等が積層されて形成されている。また、各々の単セルは発電層を備え、それぞれの発電層は、固体電解質層と、この固体電解質層の一面に設けられた燃料極と、他面に設けられた空気極とを有する。更に、各々の単セル等は、燃料電池の構造にもよるが、燃料ガスの流路と支燃性ガスの流路とを隔離するための上記「隔離セパレータ」又は各々の単セル間に配設される上記「中間セパレータ」を介して積層されている。これらの隔離セパレータ、中間セパレータ、及び蓋部材、底部材等のその他の構成部材は、いずれもステンレス鋼等の耐熱金属により形成されている。また、それぞれの単セルの発電層間を電気的に絶縁するため、絶縁性セラミックからなる上記「枠体」が、積層方向の所定部分に積層されており、短絡が防止されている。本発明の固体電解質型燃料電池では、固体電解質層と隔離セパレータは接合材により接合されており、隔離セパレータ、中間セパレータ、枠体、蓋部材、底部材等のその他の構成部材の間も、直接又は間接的に接合材により接合されている。
【0025】
上記「固体電解質層」は、電池の作動時に燃料極に導入される燃料ガス又は空気極に導入される支燃性ガスのうちの一方の一部をイオンとして移動させることができるイオン伝導性を有する。どのようなイオンを伝導することができるかは特に限定されないが、イオンとしては、例えば、酸素イオン及び水素イオン等が挙げられる。また、上記「燃料極」は、水素源となる燃料ガスと接触し、SOFCにおける負電極として機能する。更に、上記「空気極」は、酸素源となる支燃性ガスと接触し、SOFCにおける正電極として機能する。
【0026】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
[1]YSZ焼結体又はMgO−MgAl2O4焼結体と、SUS430との接合強度の評価
実施例1(実験例1〜7)及び比較例1(比較実験例1〜6)(YSZ焼結体とSUS430との接合)
Agを主成分とし、Pdを含有する接合材、又はAgを主成分とし、Pd及びCuを含有する接合材、これらの接合材に更に特定量のTiを含有する接合材により、SOFCの固体電解質層として使用されることが多いYSZ焼結体と、セパレータ等として用いられることが多い耐熱金属とを接合し、その接合強度を評価した。耐熱金属としてはフェライト系ステンレス鋼であるSUS430を用いた。
【0027】
比較実験例1〜6及び実験例1〜7
(1)被接合材及び接合材
YSZ焼結体は、常法により原料粉末を成形し、焼成して作製した。15×15×20mmの十分に緻密化された直方体の焼結体を得、これを試験片の作製に使用した。また、厚さ0.3mmのSUS430鋼板を15×15mmに切断し、これを試験片の作製に用いた。接合材としては、厚さが50μmのシート状であり、(a)95質量%のAgと5質量%のPdとを含有するもの(固相点温度は970℃、液相点温度は1010℃である。)、及び(b)54質量%のAg、25質量%のPd及び21質量%のCuを含有するもの(固相点温度は900℃、液相点温度は950℃である。)を使用した。更に、接合時に下記のように(a)、(b)の接合材にTi箔を積層して用いることにより、(a)の接合材との合計で、0.1質量%、2質量%、5質量%及び10質量%のTiを含有する接合部(0.1質量%、2質量%、5質量%及び10質量%のTiを含有する接合材の固相点温度は、いずれも約970℃であり、液相点温度はそれぞれ約1010℃、約1010℃、約1020℃、約1030℃である。)、及び(b)の接合材との合計で、2質量%のTiを含有する接合部(2質量%のTiを含有する接合材の固相点温度は約900℃、液相点温度は約950℃である。)が形成されるように接合した。また、比較実験例1として市販の結晶化ガラスペースト(ガラス組成;43質量%BaO/33質量%SiO2/15質量%ZnO/6質量%Al2O3/2質量%ZrO2/1質量%CaO)を用いた。
【0028】
(2)積層体の形成
YSZ焼結体の15×15mmの面が上面になるように縦置きし、表1の比較実験例2〜4の場合、この面に15×15mmに切断した接合材(a)を2枚載置し、この接合材上にSUS430鋼板を1枚載置し、このSUS430鋼板上に更に接合材(a)を2枚載置し、この接合材上に他のYSZ焼結体をその15×15mmの面が接するように載置した。そして、各々の部材がそれぞれの接触面で相互にずれないように、上部のYSZ焼結体の上面に質量500gのタングステンを主成分(含有量;95質量%)とする錘を載せ、これを雰囲気制御熱処理炉に収容し、真空雰囲気(1Pa以下)又はアルゴン雰囲気にて表1に記載の所定の温度で30分保持して接合し、積層体を作製した。昇降温速度は500℃/時間とした。
【0029】
また、表1の実験例1〜6では、比較実験例2〜4の場合における2枚の接合材(a)の間に、それぞれ所定の質量となるように切断した厚さ10μmの純Ti箔を載置した他は、比較実験例2〜4と同様にして積層体を作製した。また、比較実験例5〜6では、接合材(b)を用いた他は、比較実験例2〜4と同様にして積層体を作製した。更に、実験例7では、比較実験例5〜6の場合における2枚の接合材(b)の間に、所定の質量となるように切断した厚さ10μmの純Ti箔を載置した他は、比較実験例5〜6と同様にして積層体を作製した。また、比較実験例1では、YSZ焼結体とSUS430鋼板の接合されることとなる両面に結晶化ガラスペーストを塗布し、アルゴン雰囲気の熱処理炉に収容し、1050℃で1時間保持して熱処理した他は、比較実験例2〜4と同様にして積層体を作製した。尚、この比較実験例1では昇降温速度は200℃/時間とした。
【0030】
(3)試験片の作製及び接合強度の測定
(2)において作製した比較実験例1〜6及び実験例1〜7の各々の積層体を、それぞれ接合面に対して垂直方向に切断し、7.5×7.5×40mmの寸法の4本の棒状体とした。その後、JIS R 1624に従って棒状体の側面を研磨し、6×6×40mmの試験片とし、4点曲げ法により接合強度を測定した。結果を4本の試験片の平均値として表1に併記する。
【0031】
(4)接合部の構成
実験例3の積層体において、YSZ焼結体とSUS430との接合部の断面をX線マイクロアナライザーにより観察した。その結果、接合部はYSZ焼結体とSUS430との間で複数の組成の異なる層を有していることが分かった。具体的には、この複数の層は、YSZ焼結体の側から、(a)Ti偏析層、(b)主としてTi、Pd及び微量のFeとAgとの反応層で、Ti、Ag、Pd及びFeの合計を100質量%とした場合に、Tiが53質量%含有されている層、(c)Ti、Ag及びPdを含有し、これらの合計を100質量%とした場合に、Agの含有量が98質量%である層、及び(d)主としてTi、Pd及び微量のFeとAgとの反応層で、Ti、Ag、Pd及びFeの合計を100質量%とした場合に、Tiが25質量%含有されており、上記の(b)に比べてTiが少ない層、であることが分かった。また、上記(d)に続いて、(e)Ti偏析層及び(f)Ag、Pd及びFeを含有する層が更に形成されていることも確認された。
【0032】
実施例2(実験例8〜13)及び比較例2(比較実験例7〜9)(MgO−MgAl2O4焼結体とSUS430との接合)
比較実験例7〜9及び実験例8〜13
セラミック焼結体として、YSZ焼結体に代えてMgO−MgAl2O4焼結体を使用した他は、実施例1の場合と同様にして積層体を形成し、同様にして試験片を作製し、接合強度を測定した。MgO−MgAl2O4焼結体の原料粉末としては、70質量%のMgO粉末と30質量%のMgAl2O4粉末との混合粉末を使用し、常法により成形し、焼成して焼結体を作製した。積層体及び試験片の作製方法は実施例1の場合と同様であり、用いた接合材、接合温度、接合雰囲気の詳細は表1の通りである。また、接合強度の測定結果を表1に併記する。尚、実験例10の積層体において、MgO−MgAl2O4焼結体とSUS430との接合部の断面をX線マイクロアナライザーにより観察した結果、実験例3の場合の(a)〜(e)と同様の複数の組成の異なる層を有していることが分かった。
【0033】
【表1】
【0034】
表1の結果によれば、実施例1及び比較例1のYSZ焼結体とSUS430との接合の場合、結晶化ガラスペーストを使用した比較実験例1では、接合強度は48MPaと低いことが分かる。一方、Agを主成分とし、Pdを含有する接合材(a)を用いた比較実験例2〜4では、接合強度は125〜191MPaであり、更にCuを含有する接合材(b)を用いた比較実験例5〜6では、接合強度は102〜128MPaであって、接合温度により変化するもののいずれも十分な強度であることが分かる。更に、接合材が適量(0.1〜10質量%)のTiを含有する実験例1〜6及び7では、接合強度は132〜230MPa(実験例1〜3及び5ではYSZ焼結体が破壊した。)であり、特に接合雰囲気が真空である場合は、より優れていることが分かる。また、実験例1はTiの含有量が0.1質量%と少ないが、このように極めて少量のTiであっても、Tiを含有しない比較実験例3に比べて接合強度が予測し得ないほどに大きく向上していることが分かる。更に、Tiの含有量が10質量%と多い実験例5及び6の場合、接合雰囲気がアルゴンである実験例6では、Tiを含有する効果が十分に得られない傾向にある。一方、接合雰囲気が真空である実験例5では、YSZ焼結体が破壊するほど強固に接合されており、真空雰囲気における接合がより好ましいことが分かる。
【0035】
実施例2及び比較例2のMgO−MgAl2O4焼結体とSUS430との接合の場合は、結晶化ガラスペーストを使用した比較実験例7では、接合体の研削時に剥離してしまい、接合強度の測定はできなかった。一方、Agを主成分とし、Pdを含有する接合材(a)を用いた比較実験例8、更にCuを含有する接合材(b)を用いた比較実験例9では、接合強度は67〜78MPaであり、十分な強度であることが分かる。また、接合材が適量(0.1〜10質量%)のTiを含有する実験例8〜12及び13では、接合強度は132〜256MPa(実験例10及び12ではMgO−MgAl2O4焼結体が破壊した。)であり、Tiを含有することにより接合強度が大きく向上していた。特に、実験例8はTiの含有量が0.1質量%と少ないが、このように極めて少量のTiであっても、Tiを含有しない比較実験例8に比べて接合強度が予測し得ないほどに大きく向上していることが分かる。更に、このMgO−MgAl2O4焼結体の場合も、実験例10と11とを比較すれば分かるように、真空雰囲気において接合することにより強度が大きく向上する。
【0036】
また、比較実験例3、実験例1〜3及び5(YSZ焼結体の場合)並びに比較実験例8、実験例8〜10及び12(MgO−MgAl2O4焼結体の場合)の各々における接合材に含有されるTi量と接合強度との関係を図3に示す。この図3によれば、0.1質量%という極めて少量のTiにより接合強度が大きく向上することが分かる。更に、YSZ焼結体の場合は、Tiの含有量が0.1〜10質量%の範囲においてYSZ焼結体が破壊しており、Ti含有量の増加とともに強度が僅かながら向上している。また、MgO−MgAl2O4焼結体の場合は、Ti含有量が5質量%で接合強度が最大になり、10質量%では強度が低下するが、それでもMgO−MgAl2O4焼結体が破壊しており、十分な強度が維持されている。
【0037】
[2]固体電解質型燃料電池
実施例3(燃料ガス及び支燃性ガスの流路を有するセパレータを備え、2個の発電層が積層された燃料電池)
(1)燃料電池の構造
2個の発電層が積層された平板型SOFCスタック100の断面を図4に模式的に示す。
この平板型SOFCスタック100では、2個の発電層2が積層用セパレータ31を介して積層された構造を備える。各々の発電層2は、Scにより安定化されたジルコニア(ScSZ)からなり、厚さが200μmの固体電解質層21と、その下面に設けられ、NiとScSZとからなり、厚さが30μmの燃料極22と、上面に設けられ、La1−xSrxMnO3系複合酸化物からなり、厚さが30μmの空気極23とを有する。固体電解質層21、燃料極22及び空気極23は、いずれも平面形状が正方形であり、固体電解質層21は燃料極22及び空気極23より面積が大きく、燃料極22と空気極23は同じ大きさであって、対向した位置に設けられている。
【0038】
2個の発電層2は、SUS430からなる積層用セパレータ31を介して積層されている。この積層用セパレータ31の上面には燃料ガスの流路41が、下面には支燃性ガスの流路42が形成されている。また、上層の発電層2の上側には、SUS430からなる上部セパレータ32が配設されており、その下面には支燃性ガスの流路42が形成されている。更に、下層の発電層2の下側には、SUS430からなる下部セパレータ33が配設されており、その上面には燃料ガスの流路41が形成されている。
【0039】
また、上層の発電層2の固体電解質層21の周縁と、上部セパレータ32及び積層用セパレータ31の各々の周縁、並びに下層の発電層2の固体電解質層21の周縁と、下部セパレータ33及び積層用セパレータ31の各々の周縁は、それぞれ接合され、接合層10が形成されている。接合材としては、上記[1]に記載の特定の接合材のうちの固体電解質層と金属との接合に適した接合材(例えば、実験例3の接合材)が使用され、実験例3と同じ条件により強固に接合されている。
【0040】
(2)燃料電池の作用
この固体電解質型燃料電池においては、2個の発電層の各々の固体電解質層が、YSZの2倍ほどのイオン導電率を有するScSZにより形成されており、750℃程度の作動温度でも安定して電流を取り出すことができる。そのため、セラミックではなくSUS430等のステンレス鋼からなるセパレータを使用することができ、固体電解質層とセパレータとをAg、Pd及び少量のTiを含有する、例えば、実施例1における実験例3の特定の接合材等により強固に接合することができる。そして、各々の接合部においては圧縮応力が残留しているものと考えられ、種々の外力に耐えられる強靭なスタック構造を形成することができる。
【0041】
実施例4(積層された2個の単セルを有し、燃料極を基板とする外部マニホールド型燃料電池)
(1)燃料電池の構造
(a)発電層及び各種セパレータ
2個の発電層が積層された実施例3の燃料電池とは異なる他の構造を備える平板型SOFCスタック100’の外観を図5に斜視図により示す。また、図6は、図5におけるA−A断面の模式図であり、図7は、図5におけるB−B断面の模式図である。
この平板型SOFCスタック100’では、2個の単セルが中間セパレータ341を介して積層されている。各々の単セルが備える発電層は、それぞれ実施例3の燃料電池と同じ材質からなり、平面形状が正方形であり、厚さが1000μmの燃料極22を基板としている。この燃料極22の表面にはそれぞれ実施例3の燃料電池と同じ材質からなり、平面方向の形状、寸法が燃料極22と同じであり、厚さが30μmの固体電解質層21が形成されている。更に、この固体電解質層21の表面にはそれぞれ実施例3の燃料電池と同じ材質からなり、平面方向の形状が固体電解質層21と同じであり、寸法が固体電解質層21より小さく、厚さが30μmの空気極23が形成されている。
【0042】
上部の単セルは、中間セパレータ341の上面に配設されたニッケルフェルト層5、基板となる燃料極22、固体電解質層21、空気極23、インコネル繊維メッシュ層6及び蓋部材35をこの順に備える。また、インコネル繊維メッシュ層6の周面を取り囲み、下面が固体電解質層21と接合され、上面が絶縁性セラミックであるMgO−MgAl2O4焼結体からなる枠体7を介して蓋部材35と接合されている上部単セル用隔離セパレータ36を有する。一方、下部の単セルは、底部材37の上面に配設されたニッケルフェルト層5、基板となる燃料極22、固体電解質層21、空気極23及びインコネル繊維メッシュ層6をこの順に備える。また、インコネル繊維メッシュ層6の周面を取り囲み、下面が固体電解質層21と接合され、上面が枠体7を介して中間セパレータ341と接合されている下部単セル用隔離セパレータ38を有する。
【0043】
蓋部材35、上部単セル用隔離セパレータ36、中間セパレータ341、下部単セル用隔離セパレータ38及び底部材37は、いずれもSUS430により形成されている。更に、上部単セル用隔離セパレータ36と中間セパレータ341、及び下部単セル用隔離セパレータ38と底部材37、はそれぞれAg、Pd及び少量のTiを含有する接合材のうち、特に金属間の接合に適した組成の接合材により接合され、接合層10が形成されている。
【0044】
(b)燃料ガス導入管又は排出管、及び支燃性ガス導入管又は排出管
上部単セルにおいて、上部単セル用隔離セパレータ36と中間セパレータ341との間に形成された空間には、上部単セルの燃料極22に燃料ガスを導入するための燃料ガス導入管91が開口している(図6参照)。また、この空間の燃料ガス導入管91の開口部とは対角線方向の位置には、上部単セルの燃料極22から燃料ガスを排出するための燃料ガス排出管92が開口している(図7参照)。更に、上部単セル用隔離セパレータ36の一方の側面側には、上部単セルの空気極23に支燃性ガスを導入するための貫通孔361が設けられ(図6参照)、対向する他方の側面側の対角線方向には、上部単セルの空気極23から支燃性ガスを排出するための貫通孔362が設けられている(図7参照)。これらの貫通孔361、362は、それぞれ蓋部材35上部単セル用隔離セパレータ36との間に形成された空間に連通されており、各々の空間には、支燃性ガスを導入するための支燃性ガス導入管93(図6参照)、又は排気するための支燃性ガス排出管94(図7参照)が開口している。
【0045】
一方、下部単セルにおいて、下部単セル用隔離セパレータ38と底部材37との間に形成された空間には下部単セルの燃料極22に燃料ガスを導入するための燃料ガス導入管91が開口している(図6参照)。また、この空間の燃料ガス導入管91の開口部とは対角線方向の位置には、下部単セルの燃料極22から燃料ガスを排出するための燃料ガス排出管92が開口している(図7参照)。更に、下単セル用隔離セパレータ38の一方の側面側には、下部単セルの空気極23に支燃性ガスを導入するための貫通孔381が設けられ(図6参照)、対向する他方の側面側の対角線方向には、下部単セルの空気極23から支燃性ガスを排出するための貫通孔382が設けられている(図7参照)。これらの貫通孔381、382は、それぞれ中間セパレータ341と下部単セル用隔離セパレータ38との間に形成された空間に連通されており、各々の空間には、支燃性ガスを導入するための支燃性ガス導入管93(図6参照)、又は排出するための支燃性ガス排出管94(図7参照)が開口している。
尚、この実施例4の燃料電池では、上部単セルの上面に更に他の単セルが積層された場合、蓋部材が中間セパレータとして機能することになる。また、下部単セルの下面に更に他の単セルが積層された場合、底部材が中間セパレータとして機能することになる。
【0046】
また、上部単セル及び下部単セルの各々に燃料ガス又は支燃性ガスを導入し、又は排出するためのそれぞれの管は、本管に側管が取り付けられた構造であり、上部発電層及び下部発電層に燃料ガス又は支燃性ガスが同時に導入され、且つ排出される。更に、燃料ガス導入管と燃料ガス排出管、及び支燃性ガス導入管と支燃性ガス排出管は、この実施例4の場合は、燃料ガス及び支燃性ガスがそれぞれ対角線方向に流通するような位置に取り付けられる。これにより、上部発電層及び下部発電層の各々の燃料極と燃料ガス、及び空気極と支燃性ガスをそれぞれ効率よく接触させることができる。
【0047】
(2)燃料電池からの電力の取り出し
この平板型SOFCスタックでは、上部単セルの燃料極22は、ニッケルフェルト5を介して中間セパレータ341と電気的に接続されている。また、中間セパレータ341は、インコネル繊維メッシュ6を介して下部単セルの空気極23と電気的に接続されている。このように上部単セルと下部単セルは直列に接続されている。また、スタックを所定の作動温度に昇温させ、燃料ガス導入管91に水素等の燃料ガスを導入して燃料極と接触させ、支燃性ガス導入管93に空気等の支燃性ガスを導入して空気極と接触させることにより、燃料極と空気極との間に起電力が生じ、この電力を外部に取り出すことにより発電装置として機能させることができる。電力は、燃料極側においては下部単セルの下面に配設されたニッケルフェルト5を介して底部材37に取り出され、空気極側においては上部単セルの上面に配設されたインコネル繊維メッシュ6を介して蓋部材35に取り出され、蓋部材35と底部材37との間でスタック全体の電力を取り出すことができる。
【0048】
(3)燃料電池の作用
この固体電解質型燃料電池では、2個の発電層がそれぞれ燃料極支持型であり、この構造の場合、750℃程度の作動温度でも電流を取り出すことができる。そのため、蓋部材、各種セパレータ及び底部材を、セラミックではなくSUS430等のステンレス鋼により形成することができる。上部単セル及び下部単セルの各々において、固体電解質層と隔離セパレータとは、上記[1]に記載の特定の接合材のうちの固体電解質層と金属との接合に適した接合材(例えば、実験例3の接合材)により、実験例3と同じ条件で強固に接合されている。
【0049】
更に、上部単セル用隔離セパレータ36と、絶縁性セラミックからなる枠体7の一面及び枠体7の他面と蓋部材35、並びに下部単セル用隔離セパレータ38と、絶縁性セラミックからなる枠体7の一面及び枠体7の他面と中間セパレータ341は、上記[1]に記載の特定の接合材のうちの絶縁性セラミックと金属との接合に適した接合材(例えば、実験例10の接合材)により、実験例10と同じ条件で強固に接合されている。また、上部単セル用隔離セパレータ36と中間セパレータ341、及び下部単セル用隔離セパレータ38と底部材37は、上記[1]に記載の特定の接合材と同様の組成であり、金属間の接合に適した接合材により強固に接合されている。このように各々の接合部はいずれもAg、Pd及び少量のTi等を含有する接合材により接合されており、それぞれの接合部においては圧縮応力が残留しているものと考えられ、種々の外力に耐えられる強靭なスタック構造を形成することができる。
【0050】
実施例5(積層された3個の単セルを有し、燃料極を基板とする内部マニホールド型燃料電池)
(1)燃料電池の構造
(a)発電層及び各種セパレータ
3個の発電層が積層された、実施例3及び4の燃料電池とは更に異なる他の構造を備える平板型SOFCスタック100"の外観を図8に斜視図により示す。また、図9は、図8におけるA−A断面の模式図であり、図10は、図8におけるB−B断面の模式図である。
この平板型SOFCスタック100"では、3個の単セルが中間セパレータ342、343を介して積層されている。各々の単セルが備える発電層は、それぞれ実施例3の燃料電池と同じ材質からなり、平面形状が正方形であり、厚さが1000μmの燃料極22を基板としている。この燃料極22の表面にはそれぞれ実施例3の燃料電池と同じ材質からなり、平面方向の形状、寸法が燃料極22と同じであり、厚さが30μmの固体電解質層21が形成されている。更に、この固体電解質層21の表面にはそれぞれ実施例3の燃料電池と同じ材質からなり、平面方向の形状が固体電解質層21と同じであり、寸法が固体電解質層21より小さく、厚さが30μmの空気極23が形成されている。
【0051】
上部の単セルは、中間セパレータ342の上面に配設されたニッケルフェルト層5、基板となる燃料極22、固体電解質層21、空気極23、インコネル繊維メッシュ層6及び蓋部材35をこの順に備える。また、下面が固体電解質層21及び金属製枠体82と接合され、上面が絶縁性セラミックであるMgO−MgAl2O4焼結体からなる枠体7及び金属製枠体81を介して蓋部材35と接合されている上部単セル用隔離セパレータ36を有する。
中間の単セルは、中間セパレータ343の上面に配設されたニッケルフェルト層5、基板となる燃料極22、固体電解質層21、空気極23及びインコネル繊維メッシュ層6をこの順に備える。また、下面が固体電解質層21及び金属製枠体84と接合され、上面が絶縁性セラミックであるMgO−MgAl2O4焼結体からなる枠体7及び金属製枠体83を介して中間セパレータ342と接合されている中間単セル用隔離セパレータ39を有する。
下部の単セルは、底部材37の上面に配設されたニッケルフェルト層5、基板となる燃料極22、固体電解質層21、空気極23及びインコネル繊維メッシュ層6をこの順に備える。また、下面が固体電解質層21及び金属製枠体86と接合され、上面が枠体7及び金属製枠体85を介して中間セパレータ343と接合されている下部単セル用隔離セパレータ38を有する。
【0052】
蓋部材35、上部単セル用隔離セパレータ36、下部単セル用隔離セパレータ38、中間単セル用隔離セパレータ39、中間セパレータ342、343、金属製枠体81、82、83、84、85、86及び底部材37は、いずれもSUS430により形成されている。更に、蓋部材35と金属製枠体81、上部単セル用隔離セパレータ36と金属製枠体82、金属製枠体82と中間セパレータ342、中間セパレータ342と金属製枠体83、中間単セル用隔離セパレータ39と金属製枠体84、金属製枠体84と中間セパレータ343、中間セパレータ343と金属製枠体85、下部単セル用隔離セパレータ38と金属製枠体86、及び金属製枠体86と底部材37、はそれぞれAg、Pd及び少量のTiを含有する接合材のうち、特に金属間の接合に適した組成の接合材により接合され、接合層10が形成されている。
【0053】
(b)燃料ガス導入管又は排出管、及び支燃性ガス導入管又は排出管
上部単セルにおいて、上部単セル用隔離セパレータ36と中間セパレータ342との間に形成された空間には、上部単セルの燃料極22に燃料ガスを導入するための燃料ガス導入管91が開口している(図9参照)。また、この空間の燃料ガス導入管91の開口部と対向する側には、上部単セルの燃料極22から燃料ガスを排出するための燃料ガス排出管92が開口している(図9参照)。更に、蓋部材35と上部単セル用隔離セパレータ36との間に形成された空間には、上部単セルの空気極23に支燃性ガスを導入するための支燃性ガス導入管93が開口している(図10参照)。また、この空間の支燃性ガス導入管93の開口部と対向する側には、上部単セルの空気極23から支燃性ガスを排出するための支燃性ガス排出管94が開口している(図10参照)。
【0054】
また、中間部単セルにおいて、中間部単セル用隔離セパレータ39と中間セパレータ343との間に形成された空間には、中間部単セルの燃料極22に燃料ガスを導入するための燃料ガス導入管91が開口している(図9参照)。更に、この空間の燃料ガス導入管91の開口部と対向する側には、上部単セルの燃料極22から燃料ガスを排出するための燃料ガス排出管92が開口している(図9参照)。また、中間セパレータ342と中間部単セル用隔離セパレータ39との間に形成された空間には、中間部単セルの空気極23に支燃性ガスを導入するための支燃性ガス導入管93が開口している(図10参照)。更に、この空間の支燃性ガス導入管93の開口部と対向する側には、上部単セルの空気極23から支燃性ガスを排出するための支燃性ガス排出管94が開口している(図10参照)。
【0055】
更に、下部単セルにおいて、下部単セル用隔離セパレータ38と底部材37との間に形成された空間には、下部単セルの燃料極22に燃料ガスを導入するための燃料ガス導入管91が開口している(図9参照)。また、この空間の燃料ガス導入管91の開口部と対向する側には、下部単セルの燃料極22から燃料ガスを排出するための燃料ガス排出管92が開口している(図9参照)。更に、中間セパレータ343と下部単セル用隔離セパレータ38との間に形成された空間には、下部単セルの空気極23に支燃性ガスを導入するための支燃性ガス導入管93が開口している(図10参照)。また、この空間の支燃性ガス導入管93の開口部と対向する側には、下部単セルの空気極23から支燃性ガスを排出するための支燃性ガス排出管94が開口している(図10参照)。
尚、この実施例5の燃料電池では、上部単セルの上面に更に他の単セルが積層された場合、蓋部材が中間セパレータとして機能することになる。更に、下部単セルの下面に更に他の単セルが積層された場合、底部材が中間セパレータとして機能することになる。
【0056】
また、上部単セル、中間部単セル及び下部単セルの各々に燃料ガス又は支燃性ガスを導入し、又は排出するためのそれぞれの管は、本管に側管が取り付けられた構造であり、上部発電層、中間部発電層及び下部発電層に燃料ガス又は支燃性ガスが同時に導入され、且つ排出される。更に、燃料ガス導入管と燃料ガス排出管、及び支燃性ガス導入管と支燃性ガス排出管は、この実施例5の場合は、燃料ガス及び支燃性ガスがそれぞれ対向方向に流通するような位置に取り付けられている。これにより、上部発電層、中間部発電層及び下部発電層の各々の燃料極と燃料ガス、及び空気極と支燃性ガスをそれぞれ効率よく接触させることができる。
【0057】
(2)燃料電池からの電力の取り出し
この平板型SOFCスタックでは、上部単セルの燃料極22は、ニッケルフェルト5を介して中間セパレータ342と電気的に接続されている。また、中間セパレータ342は、インコネル繊維メッシュ6を介して中間部単セルの空気極23と電気的に接続されている。更に、中間部単セルの燃料極22は、ニッケルフェルト5を介して中間セパレータ343と電気的に接続されている。また、中間セパレータ343は、インコネル繊維メッシュ6を介して下部単セルの空気極23と電気的に接続されている。このように上部単セル、中間部単セル及び下部単セルは各々直列に接続されている。また、スタックを所定の作動温度に昇温させ、燃料ガス導入管91に水素等の燃料ガスを導入して燃料極22と接触させ、支燃性ガス導入管93に空気等の支燃性ガスを導入して空気極23と接触させることにより、燃料極22と空気極23との間に起電力が生じ、この電力を外部に取り出すことにより発電装置として機能させることができる。電力は、燃料極側においては下部単セルの下面に配設されたニッケルフェルト5を介して底部材37に取り出され、空気極側においては上部単セルの上面に配設されたインコネル繊維メッシュ6を介して蓋部材35に取り出され、蓋部材35と底部材37との間でスタック全体の電力を取り出すことができる。
【0058】
(3)燃料電池の作用
この固体電解質型燃料電池では、3個の発電層がそれぞれ燃料極支持型であり、この構造の場合、750℃程度の作動温度でも電流を取り出すことができる。そのため、蓋部材、各種セパレータ、金属製枠体及び底部材を、セラミックではなくSUS430等のステンレス鋼により形成することができる。上部単セル、中間部単セル及び下部単セルのそれぞれにおいて、固体電解質層と隔離セパレータとは、上記[1]に記載の特定の接合材のうちの固体電解質層と金属との接合に適した接合材(例えば、実験例3の接合材)により、実験例3と同じ条件で強固に接合されている。
【0059】
更に、上部単セル用隔離セパレータ36と、絶縁性セラミックからなる枠体7の一面及び枠体7の他面と金属製枠体81、中間部単セル用隔離セパレータ39と、絶縁性セラミックからなる枠体7の一面及び枠体7の他面と金属製枠体83、並びに下部単セル用隔離セパレータ38と、絶縁性セラミックからなる枠体7の一面及び枠体7の他面と金属製枠体85は、上記[1]に記載の特定の接合材のうちの絶縁性セラミックと金属との接合に適した接合材(例えば、実験例8の接合材)により、実験例8と同じ条件で強固に接合されている。また、蓋部材35と金属製枠体81、上部単セル用隔離セパレータ36と金属製枠体82、金属製枠体82と中間セパレータ342、中間セパレータ342と金属製枠体83、中間部単セル用隔離セパレータ39と金属製枠体84、金属製枠体84と中間セパレータ343、中間セパレータ343と金属製枠体85、下部単セル用隔離セパレータ39と金属製枠体86、及び金属製枠体86と底部材37は、上記[1]に記載の特定の接合材と同様の組成であり、金属間の接合に適した接合材により強固に接合されている。
このように各々の接合部はいずれもAg、Pd及び少量のTi等を含有する接合材により接合されており、それぞれの接合部においては圧縮応力が残留しているものと考えられ、種々の外力に耐えられる強靭なスタック構造を形成することができる。
【0060】
[3]燃料ガス及び支燃性ガス
実施例3、実施例4及び実施例5の固体電解質型燃料電池を用いて発電させる場合、燃料極側には燃料ガスを導入し、空気極側には支燃性ガスを導入する。燃料ガスとしては、水素、水素源となる炭化水素、水素と炭化水素との混合ガス、及びこれらのガスを所定温度の水中を通過させ加湿した燃料ガス、これらのガスに水蒸気を混合させた燃料ガス等が挙げられる。炭化水素は特に限定されず、例えば、天然ガス、ナフサ、石炭ガス化ガス等が挙げられる。更に、メタン、エタン、プロパン、ブタン及びペンタン等の炭素数が1〜10、好ましくは1〜7、より好ましくは1〜4の飽和炭化水素、並びにエチレン及びプロピレン等の不飽和炭化水素を主成分とするものが好ましく、飽和炭化水素を主成分とするものが更に好ましい。これらの燃料ガスは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。また、50体積%以下の窒素及びアルゴン等の不活性ガスを含有していてもよい。
【0061】
支燃性ガスとしては、酸素と他の気体との混合ガス等が挙げられるが、本発明では、これらの支燃性ガスのうちでも安全であって、且つ安価であるため空気(約80体積%の窒素が含まれている。)が用いられる。
【0062】
尚、本発明では上記の実施例に限られず、目的、用途等によって本発明の範囲内において種々変更した実施例とすることができる。例えば、発電層等の平面形状は、長方形、円形及び楕円形等とすることができ、同様の平面形状を有する固体電解質型燃料電池とすることができる。また、平板型SOFCスタックでは、各種セパレータ等の金属成形体の間は溶接などの方法によっても接合することができる。しかし、例えば、図11に従来の燃料電池として示す内部マニホールド型のスタックにおけるセパレータの周縁の貫通孔の内部は溶接では接合することができない。この場合に、前記[1]における特定の接合材を使用すれば、展延性に優れるAgによって貫通孔の周縁を十分に気密にシールすることができる。
【0063】
更に、固体電解質層の形成に用いる材料はScSZに限定されず、SOFCの使用条件等により適宜選択することができる。この材料としては、例えば、ZrO2系セラミック、LaGaO3系セラミック、BaCeO3系セラミック、SrCeO3系セラミック、SrZrO3系セラミック及びCaZrO3系セラミック等が挙げられる。これらのセラミック系材料のうちでは、ZrO2系セラミックが好ましく、Y及び希土類元素のうちの少なくとも1種により安定化されたZrO2系セラミックが好ましい。こられの安定化ジルコニアもScSZと同様に優れたイオン伝導性及び機械的強度を有する。
尚、この固体電解質層の厚さは電気抵抗と強度とを勘案し、5〜100μm、特に5〜50μm、更には5〜30μmとすることができる。
【0064】
また、燃料極の形成に用いる材料もNi及びScSZに限定されず、SOFCの使用条件等により適宜選択することができる。この材料としては、例えば、Pt、Au、Ag、Pd、Ir、Ru、Rh、Ni及びFe等の金属が挙げられる。これらの金属は1種のみでもよいし、2種以上の金属の合金でもよい。また、これらの金属及び/又は合金と、Y及び希土類元素のうちの少なくとも1種により安定化されたジルコニア等のジルコニア系セラミック、セリア系セラミック及び酸化マンガン等のセラミックとの混合物(サーメットを含む。)が挙げられる。更に、Ni及びFe等の金属の酸化物と、上記セラミックのうちの少なくとも1種との混合物などが挙げられる。
また、燃料極の平面形状は特に限定されないが、固体電解質層及び空気極と同じ形状であることが好ましい。更に、燃料極と固体電解質層とは各々の全面で積層されていることが好ましい。
【0065】
固体電解質型燃料電池において、各々の単セルが有する発電層は、強度の観点から過度に薄くすることは好ましくないが、発電性能の観点では前記のように固体電解質層を厚くすることは好ましくない。そのため、実施例4及び実施例5のように燃料極支持型とすることができ、この燃料極支持型では、燃料極は固体電解質層の20倍以上の厚さであることが好ましい。20倍未満であると発電層の機械的強度が不十分となる傾向にある。この燃料極の厚さは200〜3000μm、特に500〜2000μmであることが好ましい。200μm未満であると基板として有効に機能せず、3000μmを越えると、体積当たりの発電効率が低下する傾向にある。一方、空気極支持型とすることもでき、この場合は、燃料極の厚さは、10〜50μm、特に20〜40μmであることが好ましい。この厚さが10〜50μmであれば、電極として十分に機能し、50μmを越えて厚くする必要はない。
【0066】
また、空気極の形成に用いる材料はLa1−xSrxMnO3系複合酸化物に限定されず、SOFCの使用条件等により適宜選択することができる。この材料としては、例えば、Pt、Au、Ag、Pd、Ir、Ru及びRh等の金属が挙げられる。これらの金属は1種のみでもよいし、2種以上の金属の合金でもよい。また、La、Sr、Ce、Co及びMn等の酸化物(例えば、La2O3、SrO、Ce2O3、Co2O3、MnO2及びFeO等)が挙げられる。更に、La、Sr、Ce、Co及びMn等のうちの少なくとも1種を含有する各種の複合酸化物(例えば、La1−xSrxCoO3系複合酸化物、La1−xSrxFeO3系複合酸化物、La1−xSrxCo1−yFeyO3系複合酸化物、Pr1−xBaxCoO3系複合酸化物及びSm1−xSrxCoO3系複合酸化物等)が挙げられる。
【0067】
これらの材料のうちでは、複合酸化物が好ましく、更にはLn1−xMxCoO3系複合酸化物(但し、Lnは希土類元素であり、MはSr又はBaである。)をCeO2系酸化物による反応防止層と組み合わせて用いることが好ましい。このLn1−xMxCoO3系複合酸化物においてLn及びMが更に他の元素により置換されていてもよい。これらのLn1−xMxCoO3系複合酸化物のうちでは、組成式Ln1−xMxCoO3 ±δで表され、0.2≦x≦0.8、且つ、0≦δ<1(δは酸素過剰量又は酸素欠損量を表す。)であるものが特に好ましく、LnがLa、Pr及びSmのうちの少なくとも1種であるものが更に好ましい。このようなLn1−xMxCoO3系複合酸化物としては、例えば、La0.6Sr0.4CoO3 ±δ、Pr0.5Ba0.5CoO3 ±δ及びSm0.5Sr0.5CoO3 ±δ等が挙げられる。
【0068】
更に、この空気極の平面形状は特に限定されないが、固体電解質層及び燃料極と同じ形状であることが好ましい。更に、その平面方向の寸法は、燃料電池の構造によっては、固体電解質層及び燃料極と同じにすることもできる。また、隔離セパレータが固体電解質層の一表面の周縁に接合される場合は、空気極は固体電解質層及び燃料極より小さく形成される。この空気極と固体電解質層とは各々の全面で積層されていることが好ましい。
【0069】
空気極は、前記のように発電層の強度を支持する基板として形成されることがある。空気極支持型である場合は、空気極の厚さは固体電解質層の20倍以上の厚さであることが好ましい。20倍未満であると発電層の機械的強度が不十分となる傾向にある。この空気極の厚さは200〜3000μm、特に500〜2000μmであることが好ましい。200μm未満であると基板として有効に機能せず、3000μmを越えると、体積当たりの発電効率が低下する傾向にある。
一方、燃料極支持型である場合は、空気極の厚さは10〜100μm、特に20〜50μmであることが好ましい。10μm未満であると電極として十分に機能しないことがあり、100μmを越えると固体電解質層から剥離することがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層体の断面を示す模式図である。
【図2】接合部を構成する複数の層の一例を模式的に示す説明図である。
【図3】接合材に含有されるTi量と接合強度との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の燃料電池の一例(実施例3)の断面を示す模式図である。
【図5】本発明の燃料電池の他例(実施例4)の外観を示す斜視図である。
【図6】図5の燃料電池のA−A断面を示す模式図である。
【図7】図5の燃料電池のB−B断面を示す模式図である。
【図8】本発明の燃料電池の更に他例(実施例5)の外観を示す斜視図である。
【図9】図8の燃料電池のA−A断面を示す模式図である。
【図10】図8の燃料電池のB−B断面を示す模式図である。
【図11】従来の内部マニホールド型の燃料電池の一例を分解して模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
1;積層体、11;セラミック成形体、12;ステンレス鋼成形体、13;接合部、131、132;Ti偏析層、133;TiとAg及びPdとの反応層で、所定量のTiが含有されている層、134;Ti、Ag及びPdを含有し、Agの含有量が多い層、135;TiとAg及びPdとの反応層で、133の層よりTiが少ない層、136;AgとPdとを含有する層、100、100’;平板型SOFCスタック、21;固体電解質層、22;燃料極、23;空気極、31;積層用セパレータ、32;上部セパレータ、33;下部セパレータ、341、342、343;中間セパレータ、35;蓋部材、36;上部単セル用隔離セパレータ、361、362;貫通孔、37;底部材、38;下部単セル用隔離セパレータ、381、382;貫通孔、39;中間単セル用隔離セパレータ、41;燃料ガスの流路、42;支燃性ガスの流路、5;ニッケルフェルト層、6;インコネル繊維メッシュ層、7;枠体、81、82、83、84、85、86;金属製枠体、91;燃料ガス導入管、92;燃料ガス排気管、93;支燃性ガス導入管、94;支燃性ガス排気管、10;接合層。
Claims (10)
- 固体電解質層となるセラミック成形体と、隔離セパレータとなるステンレス鋼成形体からなる耐熱合金成形体とが接合材により接合された積層体であって、該接合材はAgとPdとTiとを含有し、
該セラミック成形体と該耐熱合金成形体との接合部は、
Ti偏析層と、
Ti、Pd及びFeとAgとの反応層で、Ti、Ag、Pd及びFeの合計を100質量%とした場合に、Tiが30〜60質量%含有されている第1反応層と、
Ti、Ag及びPdを含有し、これらの合計を100質量%とした場合に、Agの含有量が95質量%以上である層と、
Ti、Pd及びFeとAgとの反応層で、Ti、Ag、Pd及びFeの合計を100質量%とした場合に、Tiが15〜40質量%含有され、且つ上記第1反応層に比べてTiが少ない第2反応層とを備え、
上記セラミック成形体側から上記耐熱合金成形体側へむけて、上記Ti偏析層、上記第1反応層、上記Agの含有量が95質量%以上である層及び上記第2反応層の順番で各層を備え、
上記接合材に含有される上記Ag、上記Pd及び上記Tiの合計を100質量%とした場合に、該Tiの含有量は0.05〜10質量%であり、
固体電解質型燃料電池に用いられることを特徴とする積層体。 - 上記接合の温度が、上記接合材の固相点温度以上で、且つ液相点温度を50℃越える温度以下である請求項1に記載の積層体。
- 上記セラミック成形体が、安定化されたジルコニアからなる成形体である請求項1又は2に記載の積層体。
- 絶縁性セラミックからなる枠体となるセラミック成形体と、隔離セパレータ、中間セパレータ又は金属性枠体となるステンレス鋼成形体からなる耐熱合金成形体とが接合材により接合された積層体であって、該接合材はAgとPdとTiとを含有し、
該セラミック成形体と該耐熱合金成形体との接合部は、
Ti偏析層と、
Ti、Pd及びFeとAgとの反応層で、Ti、Ag、Pd及びFeの合計を100質量%とした場合に、Tiが30〜60質量%含有されている第1反応層と、
Ti、Ag及びPdを含有し、これらの合計を100質量%とした場合に、Agの含有量が95質量%以上である層と、
Ti、Pd及びFeとAgとの反応層で、Ti、Ag、Pd及びFeの合計を100質量%とした場合に、Tiが15〜40質量%含有され、上記の第1反応層に比べてTiが少ない第2反応層とを備え、
上記セラミック成形体側から上記耐熱合金成形体側へむけて、上記Ti偏析層、上記第1反応層、上記Agの含有量が95質量%以上である層及び上記第2反応層の順番で各層を備え、
上記接合材に含有される上記Ag、上記Pd及び上記Tiの合計を100質量%とした場合に、該Tiの含有量は0.05〜10質量%であり、
上記セラミック成形体がMgOとMgAl2O4とを含むセラミックからなる成形体であり、
固体電解質型燃料電池に用いられることを特徴とする積層体。 - 請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の積層体により形成された構造を備えることを特徴とする固体電解質型燃料電池。
- 複数の発電層が耐熱合金からなる隔離セパレータを介して積層された構造を備える固体電解質型燃料電池において、各々の発電層は、固体電解質層、該固体電解質層の一面に設けられた燃料極、及び他面に設けられた空気極を有し、隔離セパレータは、一部が隣り合う発電層のそれぞれの固体電解質層に接合され、且つ一方の発電層の燃料極に燃料ガスを導入するための流路と他方の発電層の空気極に空気を導入するための流路とを備え、各々の固体電解質層と隔離セパレータとは、AgとPdとTiとを含有する接合材により接合されており、
上記接合材の上記Ag、上記Pd及び該Tiの合計を100質量%とした場合に、該Tiの含有量は0.05〜10質量%であることを特徴とする固体電解質型燃料電池。 - 複数の単セルが中間セパレータを介して積層された構造を備える固体電解質型燃料電池において、各々の単セルは、固体電解質層、該固体電解質層の一面に設けられた燃料極、及び他面に設けられた空気極を有する発電層と、一部が該固体電解質層に接合され、且つ該燃料極に燃料ガスを導入するための流路と該空気極に空気を導入するための流路とを隔離する耐熱合金からなる隔離セパレータとを備え、少なくとも一部の中間セパレータと隔離セパレータとの間に絶縁性セラミックからなる枠体が配設されており、少なくとも各々の固体電解質層と隔離セパレータとは、それぞれAgとPdとTiとを含有する接合材により接合されており、
上記接合材の上記Ag、上記Pd及び該Tiの合計を100質量%とした場合に、該Tiの含有量は0.05〜10質量%であることを特徴とする固体電解質型燃料電池。 - 少なくとも一部の、上記中間セパレータ及び上記隔離セパレータと、上記枠体とは、それぞれAgとPdとTiとを含有する接合材により接合されており、
この接合材の上記Ag、上記Pd及び該Tiの合計を100質量%とした場合に、該Tiの含有量は0.05〜10質量%である請求項7に記載の固体電解質型燃料電池。 - 上記絶縁性セラミックが、MgOとMgAl2O4とを含む請求項7又は8に記載の固体電解質型燃料電池。
- 上記接合の温度が、上記接合材の固相点温度以上で、且つ液相点温度を50℃越える温度以下である請求項6乃至9のうちのいずれか1項に記載の固体電解質型燃料電池。
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