JP4640149B2 - フッ素含有水の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウム含有水が混入するフッ素含有水をアルミニウム含有水と共に安定かつ効率的に凝集処理する方法に関する。
半導体部品製造におけるシリコンウェハ製造工程から排出されるフッ素含有排水、ステンレス鋼板製造工程から排出される酸洗排水、アルミニウム表面処理排水、フッ酸製造排水、肥料製造排水、ゴミ焼却排水等のフッ素含有排水は、排水基準を満たすようにフッ素の除去処理を行った後排出する必要がある。フッ素含有排水については、その排水基準が平成13年度にフッ素濃度15mg/Lから8mg/Lに強化されたことに伴い、処理水のフッ素濃度をより一層低減することができる処理技術の開発が望まれている。
従来、フッ素含有水の処理方法として、フッ化カルシウム法と、高度処理としての水酸化物共沈法とが知られており、一段目にフッ化カルシウム法で処理を行った後、二段目に水酸化物共沈法(以下「アルミニウム吸着法」と称す。)で高度処理を行う二段処理法も知られている(非特許文献1)。即ち、フッ化カルシウム法では、フッ化カルシウムの理論溶解度が8mg/Lであるため、処理水のフッ素濃度は、排水基準を満たすことはできないため、このような二段処理が採用されている。
フッ化カルシウム法は、原水(フッ素含有水)にカルシウム化合物を添加した後、中和剤を添加してpH中性付近に調整し、フッ素とカルシウムとの反応によりフッ化カルシウムの不溶性塩を生成させ、高分子凝集剤を添加して凝集処理し、その後固液分離する方法である。一方、アルミニウム吸着法は、アルミニウムが水酸化アルミニウムとして沈殿する際の共沈作用、即ち吸着作用を利用するものであり、一般的には、高度処理に用いられている。この方法では、原水にポリ塩化アルミニウム(PAC)や硫酸アルミニウム(硫酸バンド)を添加した後、中和剤で中和し、高分子凝集剤を添加して凝集処理し、その後固液分離する。
図4は、従来の二段処理法を示す系統図である。
フッ素含有排水は、その他の排水と共に原水槽1から第1pH調整槽2及び第2pH調整槽3に順次導入され、消石灰(Ca(OH)2)等のカルシウム化合物が添加されると共に硫酸(H2SO4)等の酸が添加されて所定のpHで処理されることにより、排水中のフッ素がフッ化カルシウム(CaF2)として不溶化される。消石灰と硫酸でpHの微調整を行なった第2pH調整槽3の処理水は第1凝集槽4で高分子凝集剤(ポリマー)が添加されて凝集処理され、凝集処理水は第1沈殿槽5で固液分離される。このフッ化カルシウム法による処理pHは5〜10の任意のpHから選ばれるが、好ましくはpH6〜7である。カルシウム化合物としては一般には安価な消石灰が使用されるが、pH6〜7にpH調整したとき、フッ素に対し十分なカルシウムが確保されない場合は、原水に酸、一般には安価な硫酸を予め注入することにより、CaF2の沈殿生成に必要なカルシウムを確保するように調整される。
このフッ化カルシウム法で得られる処理水(第1沈殿槽5の分離水)のフッ素濃度は10〜20mg/L程度であるため、更に二段目のアルミニウム吸着法で高度処理が行われる。即ち、第1沈殿槽5の分離水は反応槽6に導入され、硫酸バンド等のアルミニウム塩を添加すると共に、必要に応じて水酸化ナトリウム(NaOH)等のpH調整剤を添加してpH6〜7にpH調整し、アルミニウム塩の吸着作用によりフッ素を吸着処理して水酸化アルミニウムと共に沈殿させ、次いで第2凝集槽7でポリマーを添加して凝集処理した後、第2沈殿槽8で固液分離する。第2沈殿槽8の分離水は、更に水質を高めるために濾過器9で濾過処理し、濾過水が処理水として系外へ排出される。
一段目のフッ化カルシウム法による処理において、第1沈殿槽5から得られる分離汚泥と、二段目のアルミニウム吸着法による処理において、第2沈殿槽8で得られる分離汚泥とは、脱水機10で脱水処理され脱水ケーキは系外へ排出される。一方、脱水濾液(脱水脱離水)は貯槽11に送給される。また、濾過器9の逆洗で排出される逆洗排水も、この貯槽11に送給される。これらの排水は、貯槽11で貯留された後、定量ポンプPで原水槽1に返送され、原水であるフッ素含有排水と共に処理される。
二段目のアルミニウム吸着法で得られる分離汚泥は、フッ素と共に沈殿した水酸化アルミニウムの汚泥であり、従って、これを脱水して得られる脱水濾液はアルミニウムを含むものである。また、濾過器9では、第2沈殿槽8で分離し得ずに分離水中に混入した水酸化アルミニウムを含むSSを捕捉しており、従って、この濾過器9の逆洗で得られる逆洗排水もアルミニウムを含むものである。従って、貯槽11から原水槽1に返送される混合排水はアルミニウムを含有する排水である。
従来においては、貯槽11の排水を一段目の処理系に返送することにより処理水量をできるだけ一定とし、沈殿槽5における沈降状態の安定化を図っている。この際、この貯槽11に集められた排水は、水酸化アルミニウムを含むものであり、一方でアルミニウム塩はフッ素の吸着作用を有するものであるため、従来においては、これを原水槽1に返送することが望ましいと考えられており、従って、貯槽11からのアルミニウム含有排水は原水槽1に返送されていた。
このような二段処理法を採用する場合、二段目のアルミニウム吸着法で添加する硫酸バンド等のアルミニウム塩の添加量が多いと、薬剤コストのみならず発生汚泥量の増加による汚泥処理コストも高くつくことから、二段目の処理におけるアルミニウム塩の添加量を低減することが望まれる。
二段目のアルミニウム吸着法における処理で添加されるアルミニウム塩の添加量は、一段目の処理水、即ち、第1沈殿槽5の分離水中のフッ素濃度を、目標水質が得られる濃度にまで低減させる量に対応する。この目標水質は水質基準によりフッ素濃度8mg/L以下である。従って、常に、二段目の処理水のフッ素濃度が8mg/L以下となるようなアルミニウム塩が必要とされることから、二段目の処理におけるアルミニウム塩の添加量を低減するためには、一段目の処理において、処理水のフッ素濃度を低い値で安定化させる必要がある。即ち、一段目の処理水のフッ素濃度が高いと当然二段目の処理で必要とされるアルミニウム塩の添加量が多くなるが、たとえ、一段目の処理水の平均的なフッ素濃度が低い場合であっても、このフッ素濃度が変動する場合においては、二段目の処理において、処理水フッ素濃度を確実に目標値とするために、アルミニウム塩添加量は一段目処理水のフッ素濃度の変動幅の上限値に対応した添加量に設定することから、一段目の処理においては、処理水の平均的なフッ素濃度を下げるだけでなく、フッ素濃度の変動を小さく抑え、処理を安定化させる必要がある。
「公害防止の技術と法規」第288頁〜第289頁
しかしながら、従来の二段処理法では一段目の処理水の平均的なフッ素濃度が高い上に、フッ素濃度が不安定であり、二段目の処理においては、その最大変動値に対応できるようなアルミニウム塩の添加量が設定されていることから、アルミニウム塩添加量を低減し得なかった。
本発明者らは、この一段目処理水のフッ素濃度の変動の原因について検討した結果、その主な原因は、原水中のアルミニウムにあることを見出した。
即ち、上述の如く、フッ素含有排水の二段処理では、二段目のアルミニウム吸着法での処理工程で発生したアルミニウム含有排水が原水槽1に返送されてフッ素含有排水と共に一段目のフッ化カルシウム法により処理される。原水槽1にはまた、その他の排水が導入される場合もあり、その排水中にもアルミニウムが含まれている場合がある。即ち、例えば、従来、原水槽1には、用水の加圧浮上又は凝集沈殿工程における濾過器の逆洗排水や、イオン交換樹脂の再生排水等のアルミニウムを含む雑排水が混入されている。そして、これらのアルミニウム含有排水が原水槽1に導入されることにより、一段目のフッ化カルシウム法による処理に供される原水中に数〜数十mg/L程度のアルミニウム塩が共存するものとなる。
アルミニウム塩は、フッ素の吸着能を有するものではあるが、本発明者らの検討により、原水中に数〜数十mg/L程度の低濃度に混入したアルミニウム塩は、フッ化カルシウム法によるフッ素処理においては処理効率を悪化させる要因となり、この結果、一段目のフッ化カルシウム法による処理で得られる処理水のフッ素濃度が不安定なものとなっていたことが判明した。
例えば、HF50mg/L、H2SO4 200mg/L、CaCl2 250mg/L(Caとして)の合成排水Aと、HF100mg/L、H2SO4 200mg/L、CaCl2 250mg/L(Caとして)の合成排水Bと、HF200mg/L、H2SO4 200mg/L、CaCl2 250mg/L(Caとして)の合成排水Cとについて、各々市販の液体硫酸バンドを0〜6000mg/L添加し、その後、Ca(OH)2を添加してpH6.1〜6.3にpH調整して処理した結果を示す図5より明らかなように、アルミニウム塩を含む原水においては、フッ素の処理特性は著しく悪化し、この傾向はフッ素濃度が低い場合程大きい。ただし、硫酸バンドの添加量を多くしてゆき、硫酸バンド/フッ素比が大きくなると、硫酸バンドがフッ素の吸着剤として機能するようになり、処理特性は回復する。なお、ここで用いた液体硫酸バンドはAl23含有量8重量%のものであるので、液体硫酸バンド100mg/Lの添加で8×2Al/Al23=4.2mg/LのAl含有量に相当する。従って、この結果から、フッ素濃度の低い原水においては、アルミニウムとして1〜2mg/Lの混入で処理特性が悪化すること、少量のアルミニウム塩の混入はフッ化カルシウム法によるフッ素の処理の妨害要因になることが明らかとなった。
従って、本発明は、フッ素含有水をアルミニウム含有水と共に処理する場合の処理特性の不安定さの問題を解決し、安定かつ効率的な凝集処理を行って、フッ素が十分に除去された処理水を得る方法を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)のフッ素含有水の処理方法は、フッ素含有水とアルミニウム含有水とを凝集処理する方法において、フッ素含有水とアルミニウム含有水を分別し、アルミニウム含有水を、フッ素凝集処理工程中のpH6以上の中性条件下の処理工程に添加するフッ素含有水の処理方法であって、前記アルミニウム含有水が、脱水濾液、用水の加圧浮上又は凝集沈殿工程における濾過器の逆洗排水、イオン交換樹脂の再生排水であるアルミニウムを含む他工程排水;フッ素含有水の凝集・固液分離処理水を更にアルミニウム塩を用いて吸着処理して得られる吸着処理水の固液分離汚泥の脱水脱離水;又は、前記吸着処理水を濾過処理する濾過器を逆洗して得られる逆洗排水;であり、前記フッ素凝集処理工程は、フッ素含有水にカルシウム化合物を添加してフッ素をフッ化カルシウムとして不溶化する一段目処理工程と、該一段目処理工程の処理水にアルミニウム塩を添加して凝集処理する二段目処理工程を含み、前記アルミニウム含有水は、該フッ化カルシウムの不溶化物が生成した一段目処理工程に添加されることを特徴とする
求項のフッ素含有水の処理方法は、請求項1において、前記アルミニウム含有水を貯槽に受け、pH5以上に中和した後、前記pH6以上の中性条件下の処理工程に添加することを特徴とする。
請求項のフッ素含有水の処理方法は、請求項1又は2において、前記第一段目処理工程は、前記フッ素含有水にカルシウム化合物を添加してpH6〜8にpH調整する第1pH調整工程と、第1pH調整工程の処理水に更にカルシウム化合物を添加してpH6〜8にpH調整する第2pH調整工程とを有し、前記一段目処理工程に添加されるアルミニウム含有水は、第1pH調整工程の処理水、又は第2pH調整工程に添加されることを特徴とする。
本発明によれば、アルミニウム含有水を、フッ素凝集処理工程中のpH6以上の中性条件下の工程に添加することにより、アルミニウム塩によるフッ素の凝集処理の妨害作用を防止して、安定かつ効率的な凝集処理を行える。
即ち、前述の如く、フッ素含有水にアルミニウムが混入した場合、その混入量の多少によりフッ素の処理特性が異なること、即ち、Al/F比が大きい場合にはアルミニウムは吸着剤として機能し、フッ素の処理特性が向上するのに対して、Al/F比が小さい場合には、アルミニウムによる妨害作用でフッ素の処理特性が悪化する理由は次の通りである。
[Al/F比が小さい場合]
下記反応により、フッ化アルミニウム錯体が生成し、これがフッ化カルシウムの不溶化物に吸着することにより、フッ化カルシウムのコロイド分散を起こし、フッ化カルシウムの凝集性が悪化する。ただし、以下の反応式において、x>3である。
Al3++xF-→AlFx (3-x)
nCaF2(沈殿)+AlFx (3-x)→(CaF2)nAlFx (3-x)(分散〜溶解)
[Al/F比が大きい場合]
フッ化アルミニウム錯体は形成されず、以下の反応式で水酸化アルミニウムにフッ素が吸着されて沈殿する。
nAl3++F-→[Al(OH)3]n・F(沈殿)
フッ化アルミニウム錯体はpH3以下の酸性条件下で生成し易いが、従来においては、図4に示す如く、原水槽1において、通常pH3以下の酸性のフッ素含有水にアルミニウム含有水を添加混合して処理を行うため、この原水槽1内でフッ化アルミニウム錯体が既に生成してしまい、次工程でカルシウム化合物を添加してフッ素をフッ化カルシウムとしても、生成したフッ化カルシウムに既に存在するフッ化アルミニウム錯体が吸着し、コロイド分散を起こすことになる。
本発明では、フッ化アルミニウム錯体の生成し難いpH6以上の中性条件下のフッ素凝集処理工程でアルミニウム含有水を添加するため、フッ化アルミニウム錯体の生成に起因するフッ素の凝集阻害は抑制される。
本発明において、アルミニウム含有水としては、他工程排水、フッ素含有水の凝集・固液分離処理水を更にアルミニウム塩を用いて吸着処理して得られる吸着処理水の固液分離汚泥の脱水脱離水、又は、前記吸着処理水を濾過処理する濾過器を逆洗して得られる逆洗排水が挙げられる。アルミニウム含有水は、これらの2以上のアルミニウム含有排水の混合水であっても良い。
また、添加するアルミニウム含有水のpHが過度に低い酸性であったり、過度に高いアルカリ性である場合には、上述の如く、pH6以上の中性条件下のフッ素凝集処理工程に添加してもフッ化アルミニウム錯体の生成等でフッ素の凝集処理を阻害するおそれがあることから、この場合には、アルミニウム含有水を貯槽に受け、pH5以上に中和した後、前記pH6以上の中性条件下の処理工程に添加することが好ましい(請求項)。
本発明のフッ素含有水の処理方法は、より具体的には、フッ素含有水にカルシウム化合物を添加してフッ素をフッ化カルシウムとして不溶化するフッ化カルシウム法によるフッ素の凝集処理工程において、アルミニウム含有水を、フッ化カルシウムの不溶化物が生成したフッ素含有水に、フッ素含有水と混合することなく添加することで実施される。
以下に図面を参照して本発明のフッ素含有水の処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明のフッ素含有水の処理方法の実施の形態を示す系統図である。図1において、図4に示す部材と同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。
図1の方法は、貯槽11からのアルミニウム含有排水が原水槽1ではなく、第2pH調整槽3の入口側に注入されること;貯槽11において、pH調整が行われること;その他の排水をアルミニウム含有排水とアルミニウム非含有排水とに分割し、アルミニウム含有排水は貯槽11に、アルミニウム非含有排水は原水槽1にそれぞれ導入したこと;以外は、図4に示す従来法と同様に処理が行われる。
即ち、フッ素含有排水は、その他の工程からのアルミニウムを含まない排水と共に原水槽1を経て抜き出され、硫酸(H2SO4)等の酸がライン注入された後、第1pH調整槽2に導入され、消石灰(Ca(OH)2)等のカルシウム化合物が添加されてpH6〜8、好ましくはpH6.0〜6.5の中性にpH調整される。これにより原水中のフッ素がフッ化カルシウムとして不溶化する。第1pH調整槽2の処理水は、次いで第2pH調整槽3に移送される間に貯槽11からのアルミニウム含有排水が定量的に注入された後、第2pH調整槽3に導入され、ここで更に消石灰(Ca(OH)2)等のカルシウム化合物が添加されると共に硫酸(H2SO4)等の酸を添加してpHの微調整を行ない、pH6〜8、好ましくはpH6.0〜6.5の中性にpH調整され、更にフッ素の不溶化が行われる。
ここで添加されるアルミニウム含有排水は、後述の如く貯槽11において、必要に応じてpH調整剤を添加することにより、pH5〜9、好ましくはpH5.5〜8に中和されたものであるため、第2pH調整槽3内におけるフッ化アルミニウム錯体の生成の問題はなく、従ってフッ化アルミニウム錯体によるフッ素の凝集阻害を抑制して、アルミニウム塩の存在しないフッ素含有排水の処理の場合と同様に優れた処理効果を得ることができる。
第2pH調整槽3の処理水は、次いで第1凝集槽4で凝集剤としてポリマーが添加されて凝集処理された後、第1沈殿槽5で固液分離される。第1沈殿槽5の分離水(一段目の処理水)は反応槽6に送給され、分離汚泥は脱水機10で脱水処理される。
反応槽6では、一段目の処理水に硫酸バンド、PAC等のアルミニウム塩を添加すると共に、必要に応じて水酸化ナトリウム(NaOH)等のpH調整剤を添加してpH6〜7にpH調整し、アルミニウム塩の吸着作用によりフッ素を吸着処理して水酸化アルミニウムと共に沈殿させ、次いで第2凝集槽7でポリマーを添加して凝集処理した後、第2沈殿槽8で固液分離する。第2沈殿槽8の分離水は、更に水質を高めるために濾過器9で濾過処理し、濾過水が処理水として系外へ排出される。
第2沈殿槽8で得られる分離汚泥は、第1沈殿槽5の分離汚泥と共に脱水機10で脱水処理され脱水ケーキは系外へ排出される。一方、脱水濾液は貯槽11に送給される。また、濾過器9の逆洗で排出される逆洗排水も、この貯槽11に送給される。
この貯槽11にはその他の工程から排出されるアルミニウム含有排水が導入されている。また、硫酸(H2SO4)等の酸の添加手段と消石灰Ca(OH)2等のアルカリの添加手段が設けられており、必要に応じて酸又はアルカリを添加することにより、貯槽11内の排水のpHをpH5〜9、好ましくはpH5.5〜8の中性にpH調整するように構成されている。
そして、この貯槽11でpH中性にpH調整されたアルミニウム含有排水はポンプPにより、第2pH調整槽3への原水の導入ラインに送給されてフッ素含有排水と共に凝集処理される。
本発明によれば、このように、アルミニウム含有排水をフッ素含有排水の凝集処理工程のうちの、排水がpH6以上の中性に調整された段階に添加することにより、安定かつ効率的な処理を行える。
なお、図1に示す方法は本発明のフッ素含有水の処理方法の実施の一形態であって本発明は何ら図示の方法に限定されず、例えば、貯槽11からのアルミニウム含有排水の添加箇所は、第1凝集槽4或いはそれよりも上流側であれば良く、第1pH調整槽2、第2pH調整槽3、又は第1凝集槽4への導入ライン、或いは第1凝集槽4に添加することもできる。アルミニウム含有排水についても十分な凝集処理を行うためには、アルミニウム含有排水の添加箇所は、アルミニウム含有排水を添加した後、十分な凝集処理時間を確保できるような箇所であることが好ましく、pH調整槽又はその導入ライン、特に、図1に示す如く、2段に直列配置されたpH調整槽の中間で添加することが好ましい。
なお、図1においては貯槽11内の排水のpH調整のためのアルカリとして、Ca(OH)2を用いているが、このアルカリはNaOHであっても良い。ただし、ここで、Ca(OH)2を添加することにより、これを一段目の処理におけるカルシウム化合物として有効利用することができ、有利である。
同様な目的で、反応槽6におけるNaOHに代えて、Ca(OH)2を添加しても良い。
本発明において、フッ素含有水に添加するカルシウム化合物としては特に制限はないが、通常、消石灰(Ca(OH)2)が用いられる。ただし、何ら消石灰に制限されるものではなく、塩化カルシウム、炭酸カルシウム等を用いても良い。ただし、これらのカルシウム化合物を用いる場合には、別途pH調整のためのアルカリを併用することとなる。これらのカルシウム化合物は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
また、凝集槽4,7で添加するポリマーとしては、ポリアクリルアミド部分加水分解物、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアミジン等の1種又は2種以上を用いることができ、その添加量は、処理対象原水の水質や用いるポリマーによっても異なるが、通常0.1〜5mg/L程度である。
図1において、第1沈殿槽5で得られた分離汚泥の一部は、第1pH調整槽2及び/又は第2pH調整槽3に返送しても良く、またこの場合において、カルシウム化合物を予め返送汚泥と混合してpH調整槽に添加しても良く、このようにすることにより、返送汚泥の種晶効果で汚泥の凝集性の向上、含水率の低下、沈降性の向上を図ることができる。更に、返送汚泥をカルシウム化合物と混合して添加することにより、より一層の処理水質の向上、汚泥発生量の低減を図ることができる。
本発明において処理するフッ素含有水としては、半導体部品製造におけるシリコンウェハ製造工程から排出されるフッ素含有排水、ステンレス鋼板製造工程から排出される酸洗排水、アルミニウム表面処理排水、フッ酸製造排水、肥料製造排水、ゴミ焼却排水等の各種フッ素含有水が挙げられる。
一方、このようなフッ素含有水と共に凝集処理されるアルミニウム含有水としては、前述の二段目のアルミニウム吸着法による処理で発生する濾過器の逆洗排水や脱水濾液などが挙げられる。また、他系統で発生したアルミニウム含有排水、例えば、脱水濾液、用水の加圧浮上又は凝集沈殿工程における濾過器の逆洗排水や、イオン交換樹脂の再生排水等のアルミニウムを含む雑排水等が挙げられる。
このような本発明のフッ素含有水の処理方法は、特に、フッ化カルシウム法の後段に高度処理としてのアルミニウム吸着法による処理を行う二段処理法による処理において、後段のアルミニウム吸着法による処理に必要とされるアルミニウム塩の使用量の大幅削減で処理コストの低減、汚泥発生量の低減を図ることができ、工業的に極めて有利である。
以下に実験例、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[実験例1]
下記水質のフッ素を含有する原水に液体硫酸バンド(Al23含有量8重量%)を添加した後消石灰(Ca(OH)2)を添加してpH6.1〜6.3に中和する場合(No.1)と、原水に消石灰(Ca(OH)2)を添加してpH6.1〜6.3に中和した後、予めpH7.0〜7.2に中和した液体硫酸バンドとを添加する場合(No.2)とで、処理水のフッ素濃度に及ぼす硫酸バンド添加量の影響を調べる実験を行った。
<原水水質>
F:100mg/L
2SO4:200mg/L
CaCl2(Ca換算):250mg/L
その結果、図2に示す如く、原水に硫酸バンドを混合した後Ca(OH)2で中和しても良好な処理結果は得られず、硫酸バンド添加量の増加と共に処理水フッ素濃度が高くなるが、原水にCa(OH)2を添加して中和し、その後、予め中和した硫酸バンドを添加した場合には、硫酸バンド添加量に関係なく、良好な処理結果が得られることが確認された。
[実施例1〜3、比較例1〜3]
下記水質の半導体製造排水(フッ素含有水)と、アルミニウム吸着法で発生した濾過器の逆洗排水と汚泥脱水濾液との混合水(アルミニウム含有水)とを図3に示す方法で処理した。図3において、図1における部材と同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。
<フッ素含有水>
pH:2.7
F:89.5mg/L
NH4−F:18.4mg/L
<アルミニウム含有水水質>
pH:6.5
SS:280mg/L
T−PO4:15mg/L
F:42mg/L
T−Al:25mg/L
各槽の容量は次の通りであり、原水処理量は2L/hrとした。フッ素含有水とアルミニウム含有水との混合比は、流量比でフッ素含有水/アルミニウム含有水=2/0.2となるように、貯槽から200mL/hrで送給した。
原水槽:100L
第1pH調整槽:0.8L
第2pH調整槽:0.8L
凝集槽:0.8L
沈殿槽:10L
原水槽1から原水を2L/hrで第1pH調整槽2に導入した。原水には、この導入ラインにおいてH2SO4を200mg/L添加した。第1pH調整槽2で所定のpHとなるようにCa(OH)2を添加した後、第2pH調整槽3で所定のpHとなるように必要量のCa(OH)2及びH2SO4を添加し、次いで凝集槽4でポリアクリルアミド系ポリマー(栗田工業(株)製「PA331」)を2mg/L添加して凝集処理し、凝集処理水を沈殿槽5で固液分離した。
実施例1〜3では、貯槽11からのアルミニウム含有水を第2pH調整槽3の導入ラインに定量注入し(ラインII)、各pH調整槽2,3の調整pH値は表1に示す値とした。
一方、比較例1〜3では、貯槽11からのアルミニウム含有水を原水槽1に添加混合し(ラインI)、各pH調整槽2,3の調整pH値は表1に示す値とした。
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた処理水(沈殿槽5の分離水)のフッ素濃度を調べ、結果を表1に示した。
Figure 0004640149
表1より、アルミニウム含有水を原水槽でフッ素含有水と混合して凝集処理すると、得られる処理水のフッ素濃度は非常に高いものとなるが、アルミニウム含有水をフッ素含有水と混合することなく、フッ素凝集処理工程のpH6以上の中和工程に添加することにより、アルミニウムによる凝集阻害を抑制して、良好な水質の処理水を安定に得ることができることが分かる。
本発明のフッ素含有水の処理方法の実施の形態を示す系統図である。 実験例1の結果を示すグラフである。 実施例1〜3及び比較例1〜3における処理方法を示す系統図である。 従来の二段処理法を示す系統図である。 硫酸バンドを添加したフッ素含有水の硫酸バンド添加量と処理水フッ素濃度との関係を示すグラフである。
1 原水槽
2 第1pH調整槽
3 第2pH調整槽
4 第1凝集槽
5 第1沈殿槽
6 反応槽
7 第2凝集槽
8 第2沈殿槽
9 濾過器
10 脱水機
11 貯槽

Claims (3)

  1. フッ素含有水とアルミニウム含有水とを凝集処理する方法において、フッ素含有水とアルミニウム含有水を分別し、アルミニウム含有水を、フッ素凝集処理工程中のpH6以上の中性条件下の処理工程に添加するフッ素含有水の処理方法であって、
    前記アルミニウム含有水が、脱水濾液、用水の加圧浮上又は凝集沈殿工程における濾過器の逆洗排水、イオン交換樹脂の再生排水であるアルミニウムを含む他工程排水;フッ素含有水の凝集・固液分離処理水を更にアルミニウム塩を用いて吸着処理して得られる吸着処理水の固液分離汚泥の脱水脱離水;又は、前記吸着処理水を濾過処理する濾過器を逆洗して得られる逆洗排水;であり、
    前記フッ素凝集処理工程は、フッ素含有水にカルシウム化合物を添加してフッ素をフッ化カルシウムとして不溶化する一段目処理工程と、該一段目処理工程の処理水にアルミニウム塩を添加して凝集処理する二段目処理工程を含み、
    前記アルミニウム含有水は、該フッ化カルシウムの不溶化物が生成した一段目処理工程に添加されることを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
  2. 請求項において、前記アルミニウム含有水を貯槽に受け、pH5以上に中和した後、前記pH6以上の中性条件下の処理工程に添加することを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
  3. 請求項1又は2において、前記第一段目処理工程は、前記フッ素含有水にカルシウム化合物を添加してpH6〜8にpH調整する第1pH調整工程と、第1pH調整工程の処理水に更にカルシウム化合物を添加してpH6〜8にpH調整する第2pH調整工程とを有し、前記一段目処理工程に添加されるアルミニウム含有水は、第1pH調整工程の処理水、又は第2pH調整工程に添加されることを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
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