JP4639642B2 - 面発光装置 - Google Patents

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Description

本発明はEL(エレクトロルミネッセンス)素子を適用した面発光装置に関する。
近年、電場発光を利用したEL素子が各種表示装置の発光素子として注目されている。EL素子は発光材料に無機化合物を用いた無機EL素子と有機化合物を用いた有機EL素子とに大別される。これらのうち、有機EL素子は自発光型の平面表示装置としての研究が進められている。さらに、有機EL素子は印加電圧が小さく、消費電力を大幅に低減できると共に、発光輝度に優れる等の特徴を有することから、液晶表示装置のバックライトを始めとする面発光源等の照明用途への適用も検討されている。
有機EL素子の代表的な構造としては、ガラス基板等の透明基板上にITO等からなる透明電極を陽極として形成し、この透明電極上に有機化合物からなる発光層(有機発光層)と金属電極からなる陰極を順に形成したものが知られている。このような有機EL素子において、透明電極として用いるITOは金属に比べて高抵抗であることから、ライン状やドットマトリクス状に分割して配置している。このため、発光部は面積的に制約を受けている。また、発光面積の増大を図るために単純に面積を拡大すると、発光時のジュール熱で発光物質としての有機化合物が結晶化しやすくなり、これにより発光層が発光しなくなるという重大な問題を招いてしまう。
さらに、有機EL素子は透明基板上に屈折率が異なる材料層を積層して形成しているため、発光部からの光がファイバー効果で透明基板の面方向、すなわち本来の発光方向とは異なる方向に導かれてしまうという問題がある。このような横方向への光の照射は光の取出し効率を悪化させ、結果的に有機EL素子を適用した面発光源の発光効率を低下させるという問題が生じている。このような点に対して、透明基板の発光面全面を凹凸状にして光の取出し効率を高めることも検討されているが(例えば特許文献1参照)、このような構成では光の取出し効率を十分に高めることができないと共に、加工工数や加工コストの増大等を招くという問題がある。
また、有機EL素子をバックライト等の面発光源として利用する場合には白色発光を得ることが重要となる。有機EL素子で白色発光を得る方法としては、例えば(1)赤、緑、青の各色または補色関係にある2色に発光する有機化合物を共蒸着させ、1つの有機発光層内に2色以上の発光材料を混在させる方法、あるいは(2)単一色に発光する有機発光層を白色が得られるように複数積層して形成する方法が主として用いられている。
(1)の2色以上の発光材料を混在させる方法は、最終的に各有機化合物の濃度がそれぞれ所定の値となるように、各有機化合物の蒸着速度に応じて共蒸着時の条件を設定する必要がある。しかし、各発光材料の濃度を蒸着速度に応じて正確に制御することは困難であり、発光色の制御性や量産性に劣るという問題を有している。また、(2)の方法は複数の有機発光層を階層的に積層する必要があることから、各有機発光層が正孔輸送層と電子輸送層の少なくともいずれか一方を有していなければならず、材料や製造プロセスが制約されるという問題を有している。
上述した白色発光タイプの有機EL素子の問題を改善するために、例えば第1の有機発光層をパターン化して形成し、それとは補色関係にある第2の有機発光層をパターン化された第1の有機発光層を覆うように形成することによって、第1および第2の有機発光層の少なくとも一部を並列配置した素子構造が提案されている(例えば特許文献2参照)。しかし、複数の有機発光層を例えば真空蒸着で形成することに変わりはないため、製造工数や製造コストの増大を招くという問題は残されている。
特開2002-043054号公報 特開2003-123971号公報
上述したように、従来の有機EL素子を適用した面発光装置(有機LED)は、透明電極が高抵抗であることや発光物質としての有機化合物が発光時のジュール熱で結晶化しやすいこと等に基づいて発光部の面積に制約があり、さらに素子構造に起因するファイバー効果で光の取出し効率を低いというような難点を有している。このようなことから、発光部が面積的に制約を受ける面発光装置の光の取出し効率を高めることによって、面発光装置としての発光量や発光面積の向上を図ることが求められている。また、白色発光タイプの面発光装置においては発光量の向上と共に、簡易的な素子構造や製造プロセスで白色光を得ることを可能にすることが望まれている。
本発明はこのような課題に対処するためになされたもので、光の取出し効率を高めることで発光量や発光面積の向上を図った面発光装置を提供することを目的としている。さらに、光の取出し効率を高めると共に、簡易的な素子構造や製造プロセスで白色光等の任意の光を得ることを可能にした面発光装置を提供することを目的としている。
請求項記載の面発光装置は、ガラスからなる透光性基板と;前記透光性基板上に複数の電極領域に分割されて形成され、かつ透光性材料からなる第1の電極と;前記第1の電極の各電極領域の側方に位置する前記基板部分に設けられた凹部と、前記凹部内に充填され、前記発光層からの青色光または紫外線を任意の可視光に変換する1種または複数種の蛍光材料が分散された透光性高分子材料とを有する光変換部と;前記第1の電極上および前記光変換部上全体に形成され、青色光または紫外線を放出するエレクトロルミネッセンス材料層を有する単一の発光層と;前記発光層を介して前記第1の電極と少なくとも一部が対向するように配置された第2の電極と;を具備することを特徴としている。
請求項1記載の発明によれば、第1の電極の各電極領域の側方に位置する基板部分に設けられた凹部内に透光性高分子材料を充填して光変換部を構成しているため、素子構造等に起因するファイバー効果で基板の面方向に導かれる光を発光面方向に取出すことができると共に、透光性高分子材料内に分散された蛍光材料に基づいて白色光等の任意の光を得ることが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。図1、図2および図3は本発明の第1の実施形態による面発光装置の構成を模式的に示す図である。図1は第1の実施形態による面発光装置の構成を一部切り欠いて示す平面図、図2は図1に示す面発光装置のA−A線に沿った断面図、図3は図1に示す面発光装置のB−B線に沿った断面図である。
これらの図に示す面発光装置は発光素子として有機EL素子を適用した有機LED1である。この面光源としての有機LED1は、基板としてガラス基板や透明樹脂基板等の透光性基板2を有している。透光性基板2上には第1の電極としてITO等の透光性導電材料からなる透明電極3が形成されている。透明電極3は複数のライン状に形成されており、これら各ライン部に基づいて複数の電極領域3a、3a…に分割されている。透明電極3の各電極領域3a、3a…はそれぞれ陽極として機能するものである。
透明電極3の各電極領域3a、3a…の側方に位置する部分には、溝状の凹部4が各電極領域3a、3a…に沿って設けられている。すなわち、透明電極3を構成する各電極領域3a、3a…間には、透光性基板2に例えばブラスト処理、エッチング処理、切削加工等を施して形成した溝状凹部4、4…がそれぞれ配置されている。溝状凹部4の断面形状は円弧状、V状、コ字状等が適用可能である。これら各溝状凹部4、4…内にはそれぞれ透光性基板2と屈折率が異なる光拡散材料5が充填されている。これら溝状凹部4と光拡散材料5は光放出部を構成するものである。
溝状凹部4内に充填された光拡散材料5は、透光性基板2との屈折率の違いに基づいて、透光性基板2の面方向に逃げる光を拡散させて有機LED1の発光面(透光性基板2の前面側)方向に放出させるものである。光拡散材料5としては光のレンズ効果や放出性等の点から透光性高分子材料を使用することが好ましい。具体的には、紫外線硬化性や熱硬化性のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、あるいは熱可塑性のフッ素樹脂等を用いることができる。これらのうちでも、溝状凹部4内への充填性に優れることから、紫外線硬化性や熱硬化性の光透過性樹脂を使用することが好ましい。
溝状凹部4と光拡散材料5とからなる光放出部は、例えば以下のようにして形成される。まず、透光性基板2上に透明電極(ITO電極等)3をスパッタ法でライン状にパターニングして形成した後、透明電極3上をマスキングし、このマスキングで覆われていない基板部分にブラスト処理やエッチング処理等を施して溝状凹部4を形成する。この溝状凹部4内に例えば光透過性樹脂組成物を充填した後、その硬化条件に応じて紫外線照射や熱処理等を施す。このようにして、溝状凹部4内に透光性高分子材料等からなる光拡散材料5を充填した光放出部が形成される。
透明電極3上には有機EL材料層を有する発光層6が設けられている。発光層6としては、例えば図4に示すように、正孔輸送層7と有機発光材料層8と電子注入層9とを順に積層形成したものが挙げられる。正孔輸送層7には例えばジフェニルナフチルジアミン(α-NPD)が用いられる。有機発光材料層8には、例えばアルミキノリノール錯体(Alq3)、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体等、またこれらホスト材に各種のドーパントをドープした材料等が用いられる。電子注入層9にはフッ化リチウム(LiF)等が用いられる。発光層6の層構成や構成材料はこれらに限られるものではなく、各種公知の積層構造や材料を採用することが可能である。
発光層6の発光色は、例えば青色、緑色、赤色、またこれらの中間色等の単色、もしくは青、緑、赤の各色または補色関係にある2色に発光する有機化合物(ホスト材にドーパントをドープした有機材料を含む)を用いた白色等、有機LED1の使用用途に応じて適宜に選択することができる。白色発光を得るための構成としては、各色に発光する有機化合物を積層形成したり、あるいは各色のドーパントをドーピングした有機化合物(ホスト材としての有機化合物の発光色とドーパントの発光色との補色関係に基づく白色発光等を含む)を用いる等、各種公知の手段を採用することが可能である。
上記した発光層6上には第2の電極としてAl、Ag、Pd、Pt等の金属、あるいはMg−Al合金等からなる金属電極10が形成されている。金属電極10は陰極として機能するものであり、透光性基板2の素子形成領域全体に形成されている。また、有機化合物からなる発光層6も透明電極3上を含む素子形成領域全体に形成されている。言い換えると、発光層6はライン状の透明電極3全体を覆うように形成されており、この発光層6を介してベタ膜状の金属電極10が形成されている。従って、透明電極3と金属電極10とが直接接触してショート等が生じることを発光層6で防止している。
透明電極3、発光層6および金属電極10は、透光性基板2の外周部に封止用接着剤11を介して接着された封止部材12により気密封止されている。封止部材12は基板2と同様にガラス基板や透光性樹脂基板で構成してもよいし、また透光性は必要ないため、金属製の封止部材を適用してもよい。さらに、封止部材12の内面には乾燥剤13が取り付けられており、空気中の水分等による発光層6の劣化が防止されている。これら各構成要素によって、第1の実施形態の有機LED1が構成されている。
上述した有機LED1においては、透明電極3の各電極領域3a、3a…の上部に相当する部分が発光部となる。すなわち、有機LED1はライン状の発光部を複数有している。ここで、図5に示すように、各発光部から放出された光は透明電極3および透光性基板2を通過して、有機LED1の発光面(透光性基板2の前面側)方向に放出される。また、透明電極3を通過する光の一部は素子膜や基板のファイバー効果等で、透光性基板2内をその面方向に伝播しようとするが、この透光性基板2内を伝わる光は光放出部のレンズ効果等に基づいて有機LED1の発光面側に導かれる。さらに、金属電極10で反射された光も光放出部のレンズ効果等に基づいて有機LED1の発光面側に導かれる。従って、発光部で生じた光を発光面側の所望方向に効率よく取出すことが可能となる。
このように、第1の実施形態によれば発光部の面積を制約するライン状の透明電極3を使用した有機LED1において、光の取出し効率の向上に基づいて発光量を向上させることができる。さらに、透光性基板2内を伝わる光や金属電極10で反射された光が光放出部から放出されるため、実質的に発光面積を増大させることが可能となる。すなわち、有機LED1は液晶表示装置のバックライトを始めとする高輝度の大型面光源として好適に使用することができる。
具体的に、溝状凹部4と光拡散材料5とからなる光放出部を適用した有機LED1の前面照射照度を、従来の光放出部を有さない有機LEDの前面照射照度と比較したところ、従来の有機LEDの前面照射照度を100%としたとき、光放出部を具備する有機LED1の前面照射照度は140%まで向上した。また、同一の前面照射照度に基づく寿命を比較したところ、従来の有機LEDの寿命を100%としたとき、光放出部を具備する有機LED1の寿命は180%まで向上した。なお、上記した照度および寿命の比較は、厚さ1mmのガラス基板を使用し、このようなガラス基板に幅5mmの透明電極をライン状に形成すると共に、幅3mm、深さ0.2mmの溝を形成し透光性樹脂材料を充填して光放出部を形成した有機LEDを用いて実施した。
なお、上述した第1の実施形態では本発明をライン状の透明電極3を有する有機LED1に適用したが、透明電極の形状はこれに限られるものではなく、正方形状や長方形状の透明電極をマトリクス状に配置したものであってもよい。この場合、光放出部を構成する凹部は各電極領域間に穴状に点在される。このようなマトリクス状の透明電極を適用する場合には、例えば図6に示すように、透明電極3全体に通電することが可能なように、透明電極3の各電極領域3a間を金属薄膜14で接続する。これによって、上述した第1の実施形態の有機LED1と同様な効果が期待できる。また、金属薄膜14で接続した透明電極3は抵抗値を下げることができるため、発光時におけるジュール発熱を抑制することが可能となる。これは寿命の向上等に寄与する。また、有機LED1は透明電極3と金属電極10の位置を逆転させた構造であってもよい。
次に、本発明の第2の実施形態について、図7の装置断面図を参照して説明する。なお、ここでは平面図を省略したが、装置平面構造は図1と概略同様とされている。図7は図1のA−A線に沿った断面図に相当する。図7に示す有機LED20は、第1の実施形態と同様に、ライン状の透明電極3が形成された透光性基板2を有している。透明電極3は複数の電極領域3a、3a…に分割されており、これら各電極領域3a、3a…はそれぞれ陽極として機能する。
透明電極3の各電極領域3a、3a…の側方に位置する部分には、溝状の凹部4が各電極領域3a、3a…に沿って設けられている。すなわち、透明電極3を構成する各電極領域3a、3a…間には、透光性基板2に例えばブラスト処理、エッチング処理、切削加工等を施して形成した溝状凹部4、4…がそれぞれ配置されている。これら各溝状凹部4、4…内には、発光層6から放出された光を任意の可視光に変換する1種または複数種の蛍光材料が分散された透光性高分子材料21が充填されている。これら溝状凹部4と蛍光材料が分散された透光性高分子材料21は光変換部を構成するものである。
溝状凹部4内に充填する透光性高分子材料21には、第1の実施形態と同様に、透光性基板2と屈折率が異なる高分子材料が用いられ、これにより透光性基板2の面方向に逃げる光をレンズ効果で発光面(透光性基板2の前面側)方向に放出させることが可能となる。透光性高分子材料21には第1の実施形態と同様に、紫外線硬化性や熱硬化性のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、あるいは熱可塑性のフッ素樹脂等を用いることができる。これらのうちでも、溝状凹部4内への充填性に優れることから、紫外線硬化性や熱硬化性の光透過性樹脂を使用することが好ましい。透光性高分子材料21中に分散される蛍光材料については後に詳述する。
透明電極3上には有機EL材料層を有する発光層6が設けられている。発光層6上には第2の電極としてAl、Ag、Pd、Pt等の金属、あるいはMg−Al合金等からなる金属電極10が形成されている。金属電極10は陰極として機能するものであり、透光性基板2の素子形成領域全体に形成されている。また、有機化合物からなる発光層6も透明電極3上を含む素子形成領域全体に形成されており、透明電極3と金属電極10とが直接接触してショート等が生じることを発光層6で防止している。
透明電極3、発光層6および金属電極10は、透光性基板2の外周部に封止用接着剤11を介して接着された封止部材12により気密封止されている。封止部材12は基板2と同様にガラス基板や透光性樹脂基板で構成してもよいし、また透光性は必要ないため、金属製の封止部材を適用してもよい。さらに、封止部材12の内面には乾燥剤13が取り付けられており、空気中の水分等による発光層6の劣化が防止されている。これら各構成要素によって、第2の実施形態の有機LED20が構成されている。
上述した有機LED20において、発光層6の構成は第1の実施形態と同様であるが、この実施形態では青色光または紫外線を放出する発光層6が用いられる。一方、光変換部の透光性高分子材料21中には、発光層6からの青色光または紫外線を任意の可視光に変換する1種または複数種の蛍光材料が分散されている。そして、有機LED20は発光層6からの光と光変換部からの光との加法混色により任意の可視光を放出することが可能なように構成されている。透光性高分子材料21中に分散させる蛍光材料としては、例えば蛍光体や蛍光色素を適用することができるが、所望の色を確実にかつ効率よく得る上で蛍光色素を使用することが好ましい。
例えば、青色発光の発光層6を適用して白色光を得る場合、光変換部の透光性高分子材料21中には青色光を緑色光に変換する緑色蛍光色素(例えばクマリン6)と赤色光に変換する赤色蛍光色素(例えばローダミン6G)との混合物を分散させる。蛍光色素の分散濃度は0.01〜10質量%の範囲とすることが好ましい。このような有機LED20においては、図8に示すように、発光部から放出された光Bは透明電極3および透光性基板2を通過して、有機LED20の発光面(透光性基板2の前面側)方向に放出される。
一方、透明電極3を通過する光の一部は素子膜や基板のファイバー効果等で、透光性基板2内をその面方向に伝播しようとするが、この透光性基板2内を伝わる光は光変換部のレンズ効果等に基づいて有機LED20の発光面側に導かれる。さらに、金属電極10で反射された光も光放出部のレンズ効果等に基づいて有機LED20の発光面側に導かれる。ここで、光変換部を通過する青色光は緑色蛍光色素および赤色蛍光色素のカラーフィルター効果に基づいて緑色光Gおよび赤色光Rに変換される。従って、発光部から透明電極3を通過して放出される光Bと光変換部を通過した緑色光Gおよび赤色光Rとの加法混色に基づいて、任意の色温度の白色光を得ることができる。
光変換部の蛍光色素で白色発光を得る方法は、上述した緑色蛍光色素と赤色蛍光色素との混合物を用いる方法に限らず、例えば青色光と補色関係にある黄色または橙色の蛍光色素(例えばDCMやルブレン)を用いることで白色発光を得ることも可能である。また、紫外発光の発光層6を適用して白色光を得る場合、光変換部の透光性高分子材料21中には青色蛍光体と緑色蛍光体と赤色蛍光体との混合物を分散させる。このような構成によっても、発光層6から放出された紫外線を光変換部で青色光と緑色光と赤色光に変換し、これらの光の加法混色に基づいて任意の色温度の白色光を得ることができる。
さらに、光変換部を構成する凹部は1つに限られるものではない。図9示す有機LED20は透明電極3の電極領域3aの両側に第1の凹部4Aと第2の凹部4Bとが配置されている。これら凹部4A、4Bには発光層6からの青色光を可視光に変換する異種の蛍光材料が分散された透光性高分子材料21A、21Bが充填されている。例えば、白色光を得る場合には、光変換部の第1の凹部4A内には緑色蛍光色素(例えばクマリン6)が分散された透光性高分子材料21Aを充填する。一方、第2の凹部4B内には赤色蛍光色素(例えばローダミン6G)が分散された透光性高分子材料21Bを充填する。
このような有機LED20においては、図10に示すように、発光部から放出された光Bは透明電極3および透光性基板2を通過して、有機LED20の発光面(透光性基板2の前面側)方向に放出される。一方、透明電極3を通過する光の一部は素子膜や基板のファイバー効果等で、透光性基板2内をその面方向に伝播しようとするが、この透光性基板2内を伝わる光は光変換部のレンズ効果等に基づいて有機LED20の発光面側に導かれる。さらに、金属電極10で反射された光も光放出部のレンズ効果等に基づいて有機LED20の発光面側に導かれる。ここで、第1の凹部4A内を通過する青色光は緑色光Gに変換され、また第2の凹部4Bを通過する青色光は赤色光Rに変換される。従って、発光部から透明電極3を通過して放出される光Bと光変換部を通過した緑色光Gおよび赤色光Rとの加法混色に基づいて、任意の色温度の白色光を得ることができる。
上述した有機LED20による白色発光は、青色発光の発光層6と光変換部の蛍光色素に基づいて得られるため、発光層6自体を白色発光させる場合に比べて素子構造や製造プロセスを大幅に簡素化することが可能となる。また、発光部で生じた光を発光面側の所望方向に効率よく取出すことができるため、白色光等の発光量を向上させることができると共に、透光性基板2内を伝わる光や金属電極10で反射された光が光変換部から放出されるため、実質的な発光面積の増大を図ることが可能となる。有機LED20は液晶表示装置のバックライトを始めとする高輝度の大型面光源として好適に使用することができる。
なお、上述した第2の実施形態ではライン状の透明電極3を適用したが、透明電極は第1の実施形態と同様に、正方形状や長方形状であってもよい。このような透明電極をマトリクス状に配置する場合には、第1の実施形態と同様に、透明電極全体に通電することが可能なように、透明電極の各電極領域間を金属薄膜等で接続する。これによって、上述した第2の実施形態の有機LED20と同様な効果が期待できる。また、有機LED20は透明電極3と金属電極10の位置を逆転させた構造、すなわち封止部材12側を発光面とした構造を有するものであってもよい。
本発明の第1の実施形態による有機LEDの概略構造を一部切り欠いて示す平面図である。 図1に示す有機LEDのA−A線に沿った断面図である。 図1に示す有機LEDのB−B線に沿った断面図である。 図1に示す有機LEDの発光層部分を拡大して示す断面図である。 図1に示す有機LEDの発光状態を説明するための図である。 図1に示す有機LEDの変形例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態による有機LEDの概略構造を示す断面図である。 図7に示す有機LEDの発光状態を説明するための図である。 図7に示す有機LEDの変形例を示す断面図である。 図9に示す有機LEDの発光状態を説明するための図である。
符号の説明
1,20…有機LED、2…透光性基板、3…透明電極(陽極)、4…溝状凹部、5…光拡散材料、6…発光層、10…金属電極(陰極)、21…蛍光材料が分散された透光性高分子材料。

Claims (3)

  1. ガラスからなる透光性基板と;
    前記透光性基板上に複数の電極領域に分割されて形成され、かつ透光性材料からなる第1の電極と;
    前記第1の電極の各電極領域の側方に位置する前記基板部分に設けられた凹部と、前記凹部内に充填され、前記発光層からの青色光または紫外線を任意の可視光に変換する1種または複数種の蛍光材料が分散された透光性高分子材料とを有する光変換部と;
    前記第1の電極上および前記光変換部上全体に形成され、青色光または紫外線を放出するエレクトロルミネッセンス材料層を有する単一の発光層と;
    前記発光層を介して前記第1の電極と少なくとも一部が対向するように配置された第2の電極と;
    を具備することを特徴とする面発光装置。
  2. 前記光変換部は前記蛍光材料として前記発光層からの青色光を緑色光に変換する緑色蛍光材料と赤色光に変換する赤色蛍光材料との混合物を有し、前記発光層からの青色光と前記光変換部からの緑色光および赤色光との加法混色により白色光が放出されることを特徴とする請求項記載の面発光装置。
  3. 前記光変換部は第1の凹部と第2の凹部とを有し、前記第1の凹部は前記発光層からの青色光を緑色光に変換する緑色蛍光材料を含むと共に、前記第2の凹部は前記発光層からの青色光を赤色光に変換する赤色蛍光材料を含み、前記発光層からの青色光と前記光変換部からの緑色光および赤色光との加法混色により白色光が放出されることを特徴とする請求項記載の面発光装置。
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