JP4629606B2 - 走査式照射ノズル装置、ビーム輸送チェンバ及び粒子線治療システム - Google Patents

走査式照射ノズル装置、ビーム輸送チェンバ及び粒子線治療システム Download PDF

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Description

本発明は、走査式照射ノズル装置、ビーム輸送チェンバ及び粒子線治療システムに係わり、特に、陽子及び炭素イオン等の荷電粒子ビームを患部に照射して治療する粒子線治療システムに用いる走査式照射ノズル装置と、この走査式照射ノズル装置に用いられる荷電粒子ビームの散乱を抑制するためのビーム輸送チェンバ、及びその粒子線治療システムに関する。
癌などの患者の患部に陽子等の荷電粒子ビーム(イオンビーム)を照射する治療方法が知られている。この治療方法に用いる治療システム(粒子線治療システム)は、荷電粒子ビーム発生装置、ビーム輸送系及び回転式の照射装置を備え、回転式の照射装置は治療室に設置されかつ回転ガントリーに取り付けられた照射ノズル装置を有している。荷電粒子ビーム発生装置の加速器で加速された荷電粒子ビームは、ビーム輸送系を経て治療室の照射装置に達し、照射ノズル装置から患者の患部に照射される。
照射ノズル装置は、荷電粒子ビーム発生装置からのイオンビームを、照射目標である患部の立体形状に合わせて照射する装置であり、その方式として、例えば特許文献1記載のように、2組の走査電磁石(x方向走査電磁石及びy方向走査電磁石)を用いてイオンビームを直交する2方向に走査する方式が知られている。
特開平9−99108号公報
粒子線治療システムに用いられる走査式照射ノズル装置は、患者の患部への照射位置精度を高めるために、荷電粒子ビームの散乱を極力抑え、ビームサイズを小さくする必要がある。このビームの散乱を抑えるために、高速の磁場変動に耐え得る非磁性であるセラミックス製のチャンバ本体を有するビーム輸送チェンバを用い、このチェンバ内に真空領域や空気よりも軽いヘリウムなどのガス領域を確保し、ビームを輸送することが提案されている(特願2006−51478号)。この走査式照射ノズル装置は、2組の走査電磁石は1組のx方向走査電磁石と1組のy方向走査電磁石を有し、y方向走査電磁石は例えば上流側に配置され、x方向走査電磁石は例えば下流側に配置されている。チェンバ本体は、2組の走査電磁石の配置に対応して、上流側チェンバセクションと下流側チェンバセクションとからなる2分割構造を有し、上流側チェンバセクションはy方向走査電磁石の間に配置され、下流側チェンバセクションはx方向走査電磁石の間に配置されている。
しかしながら、上記したビーム輸送チェンバにおいては、セラミックスは割れ物であるため、輸送時の衝撃や照射ノズル装置内への組み込み時にチェンバ本体が破損する恐れがあり、チャンバ本体の厚みを厚くして強度・剛性を持たせる必要がある。また、セラミックスは焼き物であるため、チェンバ本体の形状を自由に選択することができない。これらはセラミックス製チェンバ本体の外形を大きくし、単純な直管形状で製作しなければならないことを意味し、その大きさ及び形状に応じてビームを偏向する走査装置の磁極間隔や外形も大きくしなければならない。
走査式照射ノズル装置は、ビーム輸送チェンバ及び走査電磁石を鋼製のハウジング内に収納し、各走査電磁石はコイルと鉄心を備えている。このため、セラミックス製チェンバ本体の外形が大きくなり、走査電磁石の磁極間隔や外形が大きくなると、鋼製のハウジングや鉄心も大きくなり、走査式照射ノズル装置全体の外形が大きくなり、重量が増す。
上述したように、照射ノズル装置は回転式の照射装置に備えられているため、照射ノズル装置の外形が大きくなり、重量が増すと、それに伴って回転ガントリを含む照射装置全体の重量が増す。その結果、回転式照射装置の製作コストが増すばかりでなく、回転ガントリを回転させるための電気モータも高出力が必要となり、電源装置も大型化する。
また、上流側チェンバセクションと下流側チェンバセクションとを互いに接続するには金属フランジが必要となり、セラミックスと金属間を銀ロウ付けなどの特殊な方法で接着する必要がある。また、チェンバの寿命や破損による交換の際、チェンバ本体を引き抜く必要があるが、その際に金属フランジと走査電磁石の磁極が干渉し、メンテナンス性が悪い。
以上のように提案されている前述の走査式照射ノズル装置は、コンパクト化ができず、かつチェンバ破損時のメンテナンス性が悪いという問題があった。
本発明の第1の目的は、コンパクトな荷電粒子ビームの走査式照射ノズル装置、走査式照射ノズル装置をコンパクト化できるビーム輸送チェンバ、及びそのような走査式照射ノズル装置を備えた粒子線治療システムを提供することである。
本発明の第2の目的は、ビーム輸送チェンバのメンテナンス性が向上する荷電粒子ビームの走査式照射ノズル装置、メンテナンス性の良いビーム輸送チェンバ、及びそのような走査式照射ノズル装置を備えた粒子線治療システムを提供することである。
上記第1及び第2の目的を達成するため、本発明の走査式照射ノズル装置は、電粒子ビームを偏向するビーム走査装置と、前記荷電粒子ビームの散乱を抑制するための真空領域或いはガス領域を確保するビーム輸送チェンバとを備え、前記ビーム走査装置は、前記荷電粒子ビームを一方向に偏向する1対の第1ビーム走査電磁石と、前記第1ビーム走査電磁石の下流側に位置し、前記荷電粒子ビームを前記一方向に直交する方向に偏向する1対の第2ビーム走査電磁石とを有し、前記ビーム輸送チェンバは、前記第1ビーム走査電磁石の対の間に位置する第1チェンバセクションと、前記第2ビーム走査電磁石の対の間に位置する第2チェンバセクションとからなる2分割構造を有し、前記第1及び第2チェンバセクションのうち少なくとも前記第2チェンバセクションが前記荷電粒子ビームの進行方向上流側から下流側へと広がるラッパ形状を有し、前記第1チェンバセクションと前記第2チェンバセクションは、それぞれ、両者の連結端部に金属製の接続フランジを有し、前記接続フランジの前記第1ビーム走査電磁石の対が向かい合う方向の外形寸法を前記第1ビーム走査電磁石の磁極間隔よりも小さくして、前記第1チェンバセクションを前記第1ビーム走査電磁石の間から引き抜き可能とし、前記接続フランジの前記第2ビーム走査電磁石の対が向かい合う方向の外形寸法を前記第2ビーム走査電磁石の磁極間隔よりも小さくして、前記第2チェンバセクションを前記第2ビーム走査電磁石の間から引き抜き可能としたものとする。
また、上記第1及び第2の目的を達成するために、本発明は、荷電粒子ビームを偏向するビーム走査装置と、前記荷電粒子ビームの散乱を抑制するための真空領域或いはガス領域を確保するビーム輸送チェンバとを備え、前記ビーム走査装置は、前記荷電粒子ビームを一方向に偏向する1対の第1ビーム走査電磁石と、前記第1ビーム走査電磁石の下流側に位置し、前記荷電粒子ビームを前記一方向に直交する方向に偏向する1対の第2ビーム走査電磁石とを有し、前記ビーム輸送チェンバは、前記第1ビーム走査電磁石の対の間に位置する第1チェンバセクションと、前記第2ビーム走査電磁石の対の間に位置する第2チェンバセクションとからなる2分割構造を有し、前記第1チェンバセクションは、前記第1ビーム走査電磁石の偏向方向において、前記荷電粒子ビームの進行方向上流側から下流側へと広がるラッパ形状を有し、前記第2チェンバセクションは、前記第1ビーム走査電磁石の偏向方向と前記第2ビーム走査電磁石の偏向方向の両方向において、前記荷電粒子ビームの進行方向上流側から下流側へと広がるラッパ形状を有し、前記第1チェンバセクションと前記第2チェンバセクションは、それぞれ、両者の連結端部に金属製の接続フランジを有し、前記接続フランジの前記第1ビーム走査電磁石の対が向かい合う方向の外形寸法を前記第1ビーム走査電磁石の磁極間隔よりも小さくして、前記第1チェンバセクションを前記第1ビーム走査電磁石の間から引き抜き可能とし、前記接続フランジの前記第2ビーム走査電磁石の対が向かい合う方向の外形寸法を前記第2ビーム走査電磁石の磁極間隔よりも小さくして、前記第2チェンバセクションを前記第2ビーム走査電磁石の間から引き抜き可能としたものとする。
前記第1及び第2チェンバセクションは好ましくは樹脂製である。
このようにビーム輸送チェンバの少なくとも第2チェンバセクションをラッパ形状とすることにより、第2ビーム走査装置が位置する第2チェンバセクション部分の外形は第2ビーム走査装置によるビーム偏向幅が最大となる第2チェンバセクション部分の外形よりも小さくなり、それに応じて第2ビーム走査装置の磁極間隔や外形を小さくすることができるとともに、第2ビーム走査装置が位置する第2チェンバセクション部分の外形が小さくなることに伴って、第2チェンバセクションの上流側に位置する第1チェンバセクションの外径及び第1ビーム走査装置の磁極間隔や外形も小さくすることができ、ビーム輸送チェンバ及びそれを組み込んだ走査式照射ノズル装置をコンパクト化できる。
また、少なくとも第2チェンバセクションをラッパ形状し、接続フランジの第1ビーム走査電磁石の対が向かい合う方向の外形寸法を第1ビーム走査電磁石の磁極間隔よりも小さくして、第1チェンバセクションを第1ビーム走査電磁石の間から引き抜き可能とし、接続フランジの第2ビーム走査電磁石の対が向かい合う方向の外形寸法を第2ビーム走査電磁石の磁極間隔よりも小さくして、第2チェンバセクションを第2ビーム走査電磁石の間から引き抜き可能とすることにより、従来メンテナンス時に走査電磁石の分解が必要であった第1チェンバセクション側についても、第1チェンバセクションの接続フランジの外形寸法を第1ビーム走査電磁石の磁極間隔よりも小さくできるようになり、第1及び第2ビーム走査電磁石のいずれも分解することなく、第1及び第2チェンバセクションを引き抜くことができ、メンテナンス性が良い。
更に、第1及び第2チェンバセクションをセラミックスに代わる非磁性材として樹脂製とすることにより、第1及び第2チェンバセクションの強度・剛性を保ったまま第1及び第2チェンバセクションの厚みを薄くすることができ、第1及び第2ビーム走査装置の磁極間隙や外形を小さくでき、ビーム輸送チェンバ及びそれを組み込んだ走査式照射ノズル装置をコンパクト化できる。
また、第1及び第2チェンバセクションと金属製のフランジとの接合は樹脂と金属との接合となるため、セラミックス特有の銀ロウ付けなどの接着処理をする必要がなく、普通の接着剤を用いて接合可能であり、製作が容易で、安価となる。
また、上記第1及び第2の目的を達成するため、本発明のビーム輸送チェンバは上記構成を備え、本発明の粒子線治療システムは、回転ガントリを含む回転式照射装置に上記走査式照射ノズル装置を備える。
本発明の走査式照射ノズル装置は上記のようにコンパクトになるため、その重量が低減する。その結果、走査式照射ノズル装置が組み込まれる回転ガントリを含む回転式照射装置全体の重量を低減し、回転ガントリを回転させるための電気モータを小形化でき、その電源も小形化できる。
本発明によれば、ビーム輸送チェンバの少なくとも第2チェンバセクションをラッパ形状とすることにより、ビーム走査装置が位置する第2チェンバセクション部分の外形は第2ビーム走査装置によるビーム偏向幅が最大となる第2チェンバセクション部分の外形よりも小さくなり、それに応じて第2ビーム走査装置の磁極間隔や外形を小さくすることができるため、ビーム輸送チェンバ及びそれを組み込んだ走査式照射ノズル装置をコンパクト化できる。
また、本発明によれば、少なくとも第2チェンバセクションをラッパ形状とすることにより、接続フランジの外形寸法を関連するビーム走査電磁石の磁極間隔よりも小さくすることができ、第1及び第2ビーム走査電磁石のいずれも分解することなく、第1及び第2チェンバセクションを引き抜くことができ、メンテナンス性が良い。
また、本発明によれば、ビーム走査装置の磁極間内のスペースを確保し、ビーム偏向磁場を監視する検出子などを設置できる。
また、本発明によれば、第1及び第2チェンバセクションを樹脂製とすることにより、第1及び第2チェンバセクションの強度・剛性を保ったまま第1及び第2チェンバセクションの厚みを薄くすることができるため、ビーム輸送チェンバ及びそれを組み込んだ走査式照射ノズル装置をコンパクト化できる。
また、本発明によれば、第1及び第2チェンバセクションと金属製のフランジとの接合は樹脂と金属との接合となるため、セラミックス特有の銀ロウ付けなどの接着処理をする必要がなく、普通の接着剤を用いて接合可能であり、製作が容易で、安価となる。
また、本発明によれば、走査式照射ノズル装置の重量が低減するため、走査式照射ノズル装置が組み込まれる回転ガントリを含む回転式照射装置全体の重量を低減し、回転ガントリを回転させるための電気モータを小形化でき、その電源も小形化できる。
以下、本発明の一実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係わる走査式照射ノズル装置の全体構成を示す図である。図1において、本実施の形態の走査式照射ノズル装置1は、ビーム走査装置2と、ビーム輸送チェンバ3と、検出器5a、5b(図2参照)と、線量モニタ6と、ビーム位置モニタ7と、これらを収納する金属製(例えば鋼製)のハウジング8とを有している。荷電粒子ビーム10は図1の右側よりビーム輸送チェンバ3へ進入し、ビーム輸送チェンバ3内の真空領域或いはヘリウムなどのガス領域を図示左方向に輸送され、照射ノズル装置1内にて走査された後、患者に照射される。
ビーム走査装置2は荷電粒子ビーム10を偏向するための装置であり、荷電粒子ビーム10を一方向(図2のy方向)に偏向する1対の第1ビーム走査電磁石21と、荷電ビームを前記一方向に直交する方向(図2のx方向)に偏向する1対の第2ビーム走査電磁石22とを有している。第1ビーム走査電磁石21は第2ビーム走査電磁石22よりも荷電粒子ビーム10の進行方向上流側に位置している。
ビーム輸送チェンバ3は、荷電粒子ビーム10の散乱を抑制するための真空領域や空気よりも軽いヘリウムなどのガス領域を確保するための装置であり、本実施の形態では、一例として、ビーム輸送チェンバ3内にはヘリウムのガス領域が形成されている。このビーム輸送チェンバ3は荷電粒子ビーム10を輸送するチェンバ本体30と、隔離窓36とを有している。また、チェンバ本体30は、第1及び第2ビーム走査電磁石21,22に対応して、第1ビーム走査電磁石21が位置する第1チェンバセクション31と、第2ビーム走査電磁石22が位置する第2チェンバセクション32とからなる2分割構造を有し、第1チェンバセクション31は第1ビーム走査電磁石21の対の間に位置し、第2チェンバセクション32は第2ビーム走査電磁石22の対の間に位置し、第1チェンバセクション31は第2チェンバセクション32よりも荷電粒子ビーム10の進行方向上流側に位置している。
隔離窓36はビーム輸送チェンバ3の下流側端部(チェンバ本体30の下流側端部)に設置され、真空領域或いはヘリウムなどのガス領域と大気とを隔てている。本実施の形態では、ビーム輸送チェンバ3内にはヘリウムのガス領域が形成されているため、隔離窓36はガス隔離窓であり、ビーム輸送チェンバ3の上流側端部(チェンバ本体30の上流側端部)にも、ビーム輸送チェンバ3内のヘリウムガス領域とビーム輸送チェンバ3の上流側のビーム輸送ダクトとを隔てるガス隔離窓37が設置されている。ビーム輸送チェンバ3内に真空領域が確保される場合は、隔離窓36は真空隔離窓となり、ビーム輸送チェンバ3の上流側端部は、上流側のビーム輸送ダクトに直接接続される。
チェンバ本体30の材質(第1及び第2チェンバセクション31,32の材質)は樹脂(非磁性材)であり、好ましくは、GFRP(ガラス繊維補強プラスチック:Glass Fiber Reinforced Plastic)、或いはCFRP(炭素繊維補強プラスチック:Carbon Fiber Reinforced plastic)、或いはそれらの組み合わせ等、長繊維材料に樹脂を含浸させた繊維補強樹脂の成型品である。この成型品は、例えば、第1及び第2チェンバセクション31,32の内部空洞と同じ形状の金型或いは木型を用意し、この金型或いは木型の外周に樹脂を含浸させたガラス繊維或いは炭素繊維を巻き付けて成形するフィラメントワインディング法により作ることができる。第1及び第2チェンバセクション31,32の材質をGFRPとCFRPとの組み合わせとする場合、耐放射性のあるCFRPを内層とし、比較的安価なGFRPを外層とすることが好ましい。
また、ビーム輸送チェンバ3のチェンバ本体30は、荷電粒子ビーム10の進行方向上流側から下流側へと広がるラッパ形状を有している。
図2は、チェンバ本体30のラッパ形状の詳細を示す図である。図2中、上段(a)は、上流側の第1ビーム走査電磁石21による偏向方向に垂直な方向から見たチェンバ3の側面図であり、中段(b)は、下流側の第2ビーム走査電磁石22による偏向方向に垂直な方向から見たチェンバ3の側面図であり、下段(c)は、上段及び中段の側面図におけるチェンバ3のA−A断面図、B−B断面図、C−C断面図、D−D断面図を示すものである。
チェンバ本体30の第1チェンバセクション31は、第1ビーム走査電磁石21の偏向方向(図2のy方向)において、荷電粒子ビーム10の進行方向上流側から下流側へと広がるラッパ形状を有し、第2チェンバセクション32は、第1ビーム走査電磁石21の偏向方向(図2のy方向)と第2ビーム走査電磁石22の偏向方向(図2のx方向)の両方向において、荷電粒子ビーム10の進行方向上流側から下流側へと広がるラッパ形状を有している。第1チェンバセクション31の断面形状は、上流側端部付近においてほぼ正方形であり(A−A断面図)、下流に行くにしたがってy方向に横長となり(B−B断面図)、第2チェンバセクション32の断面形状は、上流側端部付近においてほぼ横長であり(C−C断面図)、下流に行くにしたがって、y方向に横長のままx方向及びy方向の長さが増大する(D−D断面図)。また、第1及び第2チェンバセクション31,32は、樹脂製で破損の可能性が少ないため、共に、特願2006−51478号にて提案されているセラミック製のチェンバに比べて肉厚が薄くなっている。
第1及び第2チェンバセクション31,32は、それぞれ、両端に接続フランジ33a,33b,34a,34bを有し、接続フランジ33aは第1チェンバセクション31の上流側端部と隔離窓6とを連結し、接続フランジ33b,34aは第1チェンバセクション31の下流側端部と第2チェンバセクション32の上流側端部を連結し、接続フランジ34bは第2チェンバセクション32の下流側端部と隔離窓4とを連結している。接続フランジ33a,33b,34a,34bはアルミ合金製であり、樹脂製の第1及び第2チェンバセクション31,32の各端部と接着剤で接合され、かつ接続フランジ33b,34a間、接続フランジ33aと隔離窓6間、接続フランジ34bと隔離窓4間にはOリングが装着され、ボルト締めにより締結されている。また、接続フランジ33a,33b,34a,34bは、第1及び第2チェンバセクション31,32の対応する端部の断面形状とほぼ相似の矩形形状から角部をカットした形状を有し、接続フランジ33b,34aの形状及び寸法は同じである。第1チェンバセクション31の接続フランジ33bのx方向の外形寸法wxは第1ビーム走査電磁石21の磁極間隔gxよりも小さく(wx<gx)、第2チェンバセクション32の接続フランジ34aのy方向の外形寸法wyは第2ビーム走査電磁石22の磁極間隔gyよりも小さく(wy<gy)、メンテナンス時に、第1チェンバセクション31を第1ビーム走査電磁石21の磁極間から引き抜き、組み込み可能とし、第2チェンバセクション32を第2ビーム走査電磁石22の磁極間から引き抜き、挿入可能としている(後述)。
ビーム輸送チェンバ3の内部を真空領域或いはガス領域とするため、真空度試験においてヘリウムリーク量が1.33×10−9[Pa・m/s]以下となる真空度が規定されるように、接続フランジ33a,33b,34a,34bと第1及び第2チェンバセクション31,32の各端部との接合部、接続フランジ33aと隔離窓6との連結、接続フランジ33b,34a同士の連結、接続フランジ34bと隔離窓4との連結部における密封性が維持されている。また、図示はしないが、ビーム輸送チェンバ3には、真空度或いはガス純度の維持を目的とした供給口と排気口が備えられている。
図1に戻り、検出器5aは第1ビーム走査電磁石21の対の間に配置され、検出器5bは第2ビーム走査電磁石22の対の間に配置され、検出器5a、5bは、それぞれ、第1及び第2ビーム走査電磁石21,22が発生する磁場を検出する。線量モニタ6は走査式照射ノズル装置1から出射される荷電粒子ビーム10の線量を検出し、ビーム位置モニタ7は走査式照射ノズル装置1に入射される荷電粒子ビーム10の位置を検出する。
次に、以上のように構成した本実施の形態の作用効果を特願2006−51478号にて提案されているビーム輸送チェンバと比較しつつ説明する。
図3は、特願2006−51478号にて提案されているセラミック製のチェンバ本体を備えたビーム輸送チェンバの形状を示す、図2と同様な図であり、図2に示したものに対応する部分には図2で用いた数字を100番台に変えて示している。図3中、上段(a)は、上流側の第1ビーム走査電磁石121による偏向方向に垂直な方向から見たチェンバ103の側面図であり、中段(b)は、下流側の第2ビーム走査電磁石122による偏向方向に垂直な方向から見たチェンバ103の側面図であり、下段(c)は、上段及び中段の側面図におけるチェンバ103のE−E断面図、F−F断面図、G−G断面図、H−H断面図を示すものである。
提案されている上記のビーム輸送チェンバ103はセラミックス製のチェンバ本体130を有し、このセラミックス製チェンバ本体130は、本実施の形態のビーム輸送チェンバ3と同様、上流側チェンバセクション131と下流側チェンバセクション132とからなる2分割構造を有している。しかし、第1及び第2チェンバセクション131,132は、共に、単純な直管形状をしている。
<効果1>
ビーム輸送チェンバ103においては、チェンバ本体130の素材であるセラミックスは割れ物であるため、輸送時の衝撃や照射ノズル装置のハウジング内への組み込み時にチェンバ103(チェンバ本体130)が破損するおそれがあり、図3(c)に示す如く、チェンバ本体130の厚みを厚くして強度・剛性を持たせる必要がある。また、セラミックスは焼き物であるため、チェンバ本体130の形状を自由に選択することができない。これらはセラミックス製チェンバ本体130の外形を大きくし、単純な直管形状で製作しなければならないことを意味し、その大きさ及び形状に応じてビームを偏向する走査装置(第1及び第2ビーム走査電磁石121,122)の磁極間隔gcx,gcyや外形も大きくしなければならない。その結果、ビーム輸送チェンバ103及びそれを組み込んだ走査式照射ノズル装置をコンパクト化できない。
これに対し、本実施の形態のビーム輸送チェンバ3においては、チェンバ本体30(第1及び第2チェンバセクション31,32)の材質は樹脂(好ましくはGFRP,CFRP或いはそれらの組み合わせ)であるため、提案されているセラミック製チェンバ本体130のような破損のおそれが少なく、図2(c)と図3(c)との比較から分かるように、チェンバ本体30の強度・剛性を保ったままセラミック製チェンバ本体130に比べ厚みが薄くすることができる。その結果、第1ビーム走査電磁石21の磁極間隙gx及び第2ビーム走査電磁石22の磁極間隔gyや外形を小さくできる(gx<gcx、gy<gcy)。
また、チェンバ本体30(第1及び第2チェンバセクション31,32)は樹脂製であるため、それらの形状を自由に選択することができ、チェンバ3はラッパ形状となっている。その結果、第2ビーム走査電磁石22の磁極間隔gyや外形を更に小さくすることができる。つまり、第2ビーム走査電磁石22は荷電粒子ビームを偏向するために、第2チェンバセクション32の長手方向中央よりも上流側に位置している。しかし、図3のチェンバ103では、第2チェンバセクション132は直管であるため、その直管の外形は、第2ビーム走査電磁石122によるビーム偏向幅が最大となるチェンバ本体部分(第2チェンバセクション132の下流側端部)の外形に合わせた寸法とせざるを得ず、第2ビーム走査電磁石122の磁極間隔gcyは、第2チェンバセクション132に対する設置位置に係わらず、ビーム偏向幅が最大となるチェンバ本体部分の外形よりも大きな寸法とする必要がある。これに対して、本実施の形態では、第2チェンバセクション32がラッパ形状であるため、第2ビーム走査電磁石22が位置するチェンバ本体部分の外形は第2ビーム走査電磁石22によるビーム偏向幅が最大となるチェンバ本体部分の外形よりも小さくなり、それに応じて第2ビーム走査電磁石22の磁極間隔gyや外形を小さくすることができる。
以上のように第1ビーム走査電磁石21の磁極間隙gx及び第2ビーム走査電磁石22の磁極間隔gyや外形を小さくできるため、ビーム輸送チェンバ3及びそれを組み込んだ走査式照射ノズル装置1をコンパクト化でき、その重量が低減する。その結果、走査式照射ノズル装置1の製作コストが低減すると共に、走査式照射ノズル装置1が組み込まれる回転ガントリを含む回転式照射装置全体の重量を低減し、回転ガントリを回転させるための電気モータを小形化でき、その電源も小形化できる。
また、第1及び第2ビーム走査電磁石21,22の磁極間隙gx,gyを小さくできるため、第1及び第2ビーム走査電磁石21,22のコイル起磁力を低減でき、その電源を小形化できる。
<効果2>
図4は、メンテナンス時におけるビーム輸送チェンバの引き抜き、組み込み手順を本実施の形態のチェンバ3と提案されているセラミックチェンバ103とを比較して示す図であって、図4上側は本実施の形態のものを、図4下側は提案されているものを示す。
提案されているビーム輸送チェンバ103は、チェンバ本体130(第1及び第2チェンバセクション131,132)が直管形状であるため、第1チェンバセクション131の第1チェンバセクション132との連結端部における接続フランジ133bの外形寸法wcxは下流側の第2チェンバセクション132側の接続フランジ134aの外形寸法に規制され、外径寸法wcxを第1ビーム走査電磁石121の磁極間隔gcxよりも小さくすることができない(wcx>gcx)。
ビーム輸送チェンバは寿命が来たり、破損すると、新しいものと交換する必要があり、チェンバの交換の際は、第1及び第2チェンバセクション131,132を分離して引き抜き、新しいチェンバを組み込む必要がある。このようなチェンバの交換に際して、下流の第2チェンバセクション側については、接続フランジ134aのy方向の外形寸法wcyが第2ビーム走査電磁石132の磁極間隔gcyより小さいため(wcy<gcy)、第2チェンバセクション132はそのまま引き抜き、新しいものと交換することができる。しかし、第1チェンバセクション131側は、上記のように接続フランジ133bのx方向の外形寸法wcxが第1ビーム走査電磁石121の磁極間隔gcxよりも大きいため、第1チェンバセクション131ををそのまま引き抜くと、接続フランジ133bが走査電磁石121の磁極と干渉するため、図4下側に示すように、第1ビーム走査電磁石121を分解してから引き抜く必要がある。また、新しいチェンバセクションを組み込み後は、分解した第1ビーム走査電磁石121を元の状態に復元する必要がある。このためメンテナンス性が悪い。
これに対し、本実施の形態のビーム輸送チェンバ3は、チェンバ本体30(第1及び第2チェンバセクション31,32)がラッパ形状であるため、第1チェンバセクション31の接続フランジ33bのx方向の外形寸法wxは第1ビーム走査電磁石21の磁極間隔gxよりも小さく(wx<gx)、第2チェンバセクション32の接続フランジ34aのy方向の外形寸法wyは第2ビーム走査電磁石22の磁極間隔gyよりも小さい(wy<gy)。このため、第1及び第2チェンバセクション31,32のいずれの側も、図4上側に示すように、第1及び第2ビーム走査電磁石21,22を分解することなく、第1及び第2チェンバセクション31,32をそれぞれ第1及び第2ビーム走査電磁石21,22の磁極間から引き抜くことができる。このためメンテナンス性が良い。
<効果3>
提案されているビーム輸送チェンバにおいても、第1及び第2チェンバセクション131,132に設けられる接続フランジ133a,133b,134a,134bは金属製であり、第1及び第2チェンバセクション131,132と接続フランジ133a,133b,134a,134bとを接合するためには、セラミックスと金属間を銀ロウ付けなどの特殊な方法で接着する必要がある。このため製作し難く、かつコスト高となる。
これに対して、本実施の形態では、第1及び第2チェンバセクション31,32は樹脂製であるため、第1及び第2チェンバセクション31,32の各端部と接続フランジ33a,33b,34a,34bとの接合は、樹脂とアルミ合金(金属)との接合となるため、一般的な接着剤を用いて行うことができる。このため製作が容易であり、かつ安価となる。
<効果4>
本実施の形態のビーム輸送チェンバ3は、第1及び第2チェンバセクション31,32がラッパ形状であるため、第1及び第2ビーム走査電磁石21,22の磁極間内にスペースが確保され、ビーム偏向磁場を監視する検出器5a,5bを設置できる。
次に、本発明の走査式照射ノズル装置を用いて構成した粒子線治療システムの実施の形態を図5を用いて説明する。
図5において、本実施の形態の粒子線治療システムは、荷電粒子ビーム発生装置51、ビーム輸送系52及び回転式照射装置53を備え、回転式照射装置53は治療室に設置されかつ回転ガントリー(図示せず)に取り付けられた走査式照射ノズル装置54を有している。
荷電粒子ビーム発生装置51は、イオン源(図示せず)、前段加速器(例えば直線加速器)61及びシンクロトロン62を有し、イオン源で発生したイオン(例えば、陽子イオン(または炭素イオン))は前段加速器61で加速され、前段加速器61から出射されたイオンビームはシンクロトロン62に入射される。このイオンビームは、シンクロトロン62で加速され、設定されたエネルギーまでに高められた後、出射用デフレクタ63から出射される。シンクロトロン62から出射されたイオンビームは、ビーム輸送系52を経て回転式照射装置53の照射ノズル装置54に達し、照射ノズル装置54から治療台(ベッド)64に乗っている患者65の患部に照射される。
照射ノズル装置54は、図1に示した本発明の照射ノズル装置1であり、照射ノズル装置1の先端には、患者コリメータを挿入設置するためのスノート66が装着されている。
走査式照射ノズル装置1は、ビーム輸送チェンバ3及び走査電磁石21,22を鋼製のハウジング8内に収納し、各走査電磁石21,22はコイルと鉄心を備えている。このため、提案されているセラミックス製チェンバ103のように、チェンバ103の外形(チェンバ本体130の外形)が大きくなり、走査電磁石121,122の磁極間隔や外形が大きくなると、鋼製のハウジングや鉄心も大きくなり、走査式照射ノズル装置全体の外形が大きくなり、重量が増す。
照射ノズル装置は回転ガントリを含む回転式照射装置に備えられているため、照射ノズル装置の外形が大きくなり、重量が増すと、それに伴って回転ガントリを含む照射装置全体の重量が増し、その結果、回転式照射装置の製作コストが増すばかりでなく、回転ガントリを回転させるための電気モータも高出力が必要となり、その電源装置も大型化する。
これに対し、本実施の形態では、前述したように第1ビーム走査電磁石21の磁極間隙gx及び第2ビーム走査電磁石22の磁極間隔gyや外形を小さくできるため、ビーム輸送チェンバ3及びそれを組み込んだ走査式照射ノズル装置1をコンパクト化でき、その重量が低減する。その結果、走査式照射ノズル装置1が組み込まれる回転ガントリを含む回転式照射装置53全体の重量を低減し、回転ガントリを回転させるための電気モータを小形化でき、電源装置を小形化できる。
なお、以上の実施の形態では、ベストモードとして、ビーム輸送チェンバ3のチェンバ本体30を樹脂製でかつラッパ形状としたが、チェンバ本体30を樹脂製で直管形状としてもよく、この場合も、チェンバ本体30を樹脂製としたことによるコンパクト化等の効果を得ることができる。また、セラミックスの成型技術が許容する場合は、逆に、チェンバ本体30を従来通りのセラミックス製でラッパ形状としてもよく、この場合も、チェンバ本体30をラッパ形状としたことによるコンパクト化、メンテナンス性向上等の効果を得ることができる。
また、上記実施の形態では、ビーム輸送チェンバ3のチェンバ本体30を2分割構造としたが、ビーム輸送チェンバ3の寿命が伸びて交換が不要である場合は、ビーム輸送チェンバ3のチェンバ本体30を一体構造としてもよい。この場合でも、ビーム輸送チェンバ3のチェンバ本体30を樹脂製かつ/又はラッパ形状とすることにより、コンパクト化等の効果を得ることができる。
更に、上記実施の形態では、第1及び第2チェンバセクション31,32の両方をラッパ形状としたが、下流側の第2チェンバセクション32だけをラッパ形状にしてもよく、この場合でも、メンテナンス性向上の効果を得ることができる。
また、上記実施の形態では、本発明をガン治療などの医療系粒子線治療システムに適用した場合について説明したが、その他、実験照射利用などのビーム輸送システムに適用してもよい。
また、上記実施の形態では、荷電粒子ビームの走査方式として、荷電粒子ビームを直交するに方向に走査する方式のビーム走査装置を有する走査式照射ノズル装置におけるビーム輸送チェンバに本発明を適用したが、2つの走査電磁石を用いて照射量が一様となるよう荷電粒子ビームを螺旋状に走査するウォブラー方式のビーム走査装置を有する走査式照射ノズル装置のビーム輸送チェンバに本発明を適用してもよい。
本発明の一実施の形態に係わる走査式照射ノズル装置の全体構成を示す図である。 本発明の一実施の形態に係わるビーム輸送チェンバのチェンバ本体のラッパ形状の詳細を示す図であり、図中、上段(a)は、上流側の第1ビーム走査電磁石による偏向方向に垂直な方向から見たチェンバの側面図であり、中段(b)は、下流側の第2ビーム走査電磁石による偏向方向に垂直な方向から見たチェンバの側面図であり、下段(c)は、上段及び中段の側面図におけるチェンバのA−A断面図、B−B断面図、C−C断面図、D−D断面図を示す。 提案されているセラミック製チェンバ本体を備えるビーム輸送チェンバの形状を示す、図2と同様な図である。 メンテナンス時におけるビーム輸送チェンバの引き抜き、組み込み手順を本実施の形態と提案されているセラミックチェンバとを比較して示す図であって、図4上側は本実施の形態のものを、図4下側は提案されているものを示す。 本発明の走査式照射ノズル装置を用いて構成した粒子線治療システムの一実施の形態を示す図である。
符号の説明
1 走査式照射ノズル装置
2 ビーム走査装置
3 ビーム輸送チェンバ
4 隔離窓
5a,5b 検出器
6 線量モニタ
7 ビーム位置モニタ
8 ハウジング
10 荷電粒子ビーム
21 第1ビーム走査電磁石
22 第2ビーム走査電磁石
30 チェンバ本体
31 第1チェンバセクション
32 第2チェンバセクション
33a,33b,34a,34b 接続フランジ
51 荷電粒子ビーム発生装置
52 ビーム輸送系
53 回転式照射装置
54 走査式照射ノズル装置
61 前段加速器
62 シンクロトロン
63 出射用デフレクタ
64 治療台
65 患者
66 スノート

Claims (6)

  1. 荷電粒子ビームを偏向するビーム走査装置と、前記荷電粒子ビームの散乱を抑制するための真空領域或いはガス領域を確保するビーム輸送チェンバとを備え、
    前記ビーム走査装置は、前記荷電粒子ビームを一方向に偏向する1対の第1ビーム走査電磁石と、前記第1ビーム走査電磁石の下流側に位置し、前記荷電粒子ビームを前記一方向に直交する方向に偏向する1対の第2ビーム走査電磁石とを有し、
    前記ビーム輸送チェンバは、前記第1ビーム走査電磁石の対の間に位置する第1チェンバセクションと、前記第2ビーム走査電磁石の対の間に位置する第2チェンバセクションとからなる2分割構造を有し、
    前記第1及び第2チェンバセクションのうち少なくとも前記第2チェンバセクションが前記荷電粒子ビームの進行方向上流側から下流側へと広がるラッパ形状を有し、
    前記第1チェンバセクションと前記第2チェンバセクションは、それぞれ、両者の連結端部に金属製の接続フランジを有し、
    前記接続フランジの前記第1ビーム走査電磁石の対が向かい合う方向の外形寸法を前記第1ビーム走査電磁石の磁極間隔よりも小さくして、前記第1チェンバセクションを前記第1ビーム走査電磁石の間から引き抜き可能とし、
    前記接続フランジの前記第2ビーム走査電磁石の対が向かい合う方向の外形寸法を前記第2ビーム走査電磁石の磁極間隔よりも小さくして、前記第2チェンバセクションを前記第2ビーム走査電磁石の間から引き抜き可能としたことを特徴とする走査式照射ノズル装置。
  2. 荷電粒子ビームを偏向するビーム走査装置と、前記荷電粒子ビームの散乱を抑制するための真空領域或いはガス領域を確保するビーム輸送チェンバとを備え、
    前記ビーム走査装置は、前記荷電粒子ビームを一方向に偏向する1対の第1ビーム走査電磁石と、前記第1ビーム走査電磁石の下流側に位置し、前記荷電粒子ビームを前記一方向に直交する方向に偏向する1対の第2ビーム走査電磁石とを有し、
    前記ビーム輸送チェンバは、前記第1ビーム走査電磁石の対の間に位置する第1チェンバセクションと、前記第2ビーム走査電磁石の対の間に位置する第2チェンバセクションとからなる2分割構造を有し、
    前記第1チェンバセクションは、前記第1ビーム走査電磁石の偏向方向において、前記荷電粒子ビームの進行方向上流側から下流側へと広がるラッパ形状を有し、前記第2チェンバセクションは、前記第1ビーム走査電磁石の偏向方向と前記第2ビーム走査電磁石の偏向方向の両方向において、前記荷電粒子ビームの進行方向上流側から下流側へと広がるラッパ形状を有し、
    前記第1チェンバセクションと前記第2チェンバセクションは、それぞれ、両者の連結端部に金属製の接続フランジを有し、
    前記接続フランジの前記第1ビーム走査電磁石の対が向かい合う方向の外形寸法を前記第1ビーム走査電磁石の磁極間隔よりも小さくして、前記第1チェンバセクションを前記第1ビーム走査電磁石の間から引き抜き可能とし、
    前記接続フランジの前記第2ビーム走査電磁石の対が向かい合う方向の外形寸法を前記第2ビーム走査電磁石の磁極間隔よりも小さくして、前記第2チェンバセクションを前記第2ビーム走査電磁石の間から引き抜き可能としたことを特徴とする走査式照射ノズル装置。
  3. 前記第1及び第2チェンバセクションは樹脂製であることを特徴とする請求項1又は2記載の走査式照射ノズル装置。
  4. 荷電粒子ビーム発生装置と、前記荷電粒子ビーム発生装置から出射された荷電粒子ビームを輸送するビーム輸送系と、前記ビーム輸送系により輸送された荷電粒子ビームを照射対象に照射する回転式照射装置とを備え、前記回転式照射装置は請求項1〜のいずれか1項記載の走査式照射ノズル装置を有することを特徴とする粒子線治療システム。
  5. 前記第1及び第2チェンバセクションの樹脂はGFRP或いはCFRPで或いはGFRPとCFRPの組み合わせであることを特徴とする請求項3記載の走査式照射ノズル装置。
  6. 前記第1及び第2チェンバセクションは、GFRP或いはCFRP或いはGFRPとCFRPの組み合わせのフィラメントワインディング成型品であることを特徴とする請求項1又は記載の走査式照射ノズル装置。
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