JP4626449B2 - 光学フィルム重畳体の梱包方法 - Google Patents
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Description
光学フィルム重畳体の包装体は、湾曲せず、据わりが良いように、光学フィルム面が水平方向に平置きされる(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
しかしながら、対角10インチ以下の光学フィルム重畳体は、包装する際に揺れ動いたり、光学フィルム間にずれが生じたりするために、包装し難いこと、また包装体を容器に入れて梱包する際にも、種々のサイズの緩衝材を準備して包装体と包装体の間、包装体と容器の間に配置する等の手間を要するという問題を有している。
また、1列の光学フィルム重畳体を容器内に配置し、光学フィルム重畳体の光学フィルム面側の両端面と容器の間に緩衝材を配置すると共に、光学フィルム重畳体の光学フィルム面と直角方向の面とその水平方向と垂直方向の容器との間にそれぞれ1個の緩衝材を配置することを特徴とする上記の光学フィルム重畳体の梱包方法である。
更に、複数列の光学フィルム重畳体を容器内に並べて配置し、光学フィルム重畳体の光学フィルム平面側の両端面と容器の間に緩衝材を配置すると共に、(1)光学フィルム重畳体の光学フィルム面と直角方向の面とその水平方向の容器との間または光学フィルム重畳体同士の直角方向の面の間、および(2)光学フィルム重畳体の光学フィルム面と直角方向の面とその垂直方向の容器との間にそれぞれ1個の緩衝材を配置することを特徴とする請求項1記載の光学フィルム重畳体の梱包方法である。
位相差フィルムは、例えばポリカーボネート系樹脂フィルムを延伸することで得られる一軸配向フィルムなどが使用され、その厚みは通常30〜100μm程度である。
また、特定の角度からの入射光は散乱し、それ以外の角度からの入射光はそのまま透過する性質を有する光制御フィルムなどのような方向性を有するフィルムも挙げられる。このような光制御フィルムとしては、住友化学株式会社製の“ルミスティー(登録商標)”が例示される。
さらに、光学フィルムは光制御フィルムと偏光板、位相差板との積層フィルムであってもよい。かかる光学フィルムの形状は、目的とする液晶表示装置の画面サイズに対応する大きさの矩形に加工されることが多い。
1列の光学フィルム重畳体(6)が包装されることなく、光学フィルム面を垂直にして、光学フィルム面と直角方向の面の一方が容器(7)と接触するように片側に寄せられて配置されている。光学フィルム重畳体の光学フィルム面側の両端面と容器との間、すなわち辺cの矢印方向の両側と容器の間に緩衝材(9)が配置されている。更に、光学フィルム重畳体の光学フィルム面と直角方向の面と容器の間、すなわち辺aの矢印方向の光学フィルム重畳体と容器の間および辺bの矢印方向の光学フィルム重畳体と容器の間にそれぞれ1個の緩衝材が配置されている。なお、光学フィルム重畳体の周囲6面に仕切り板が配置されている。
このように配置された容器には上蓋をし、最終の梱包体とされる。上蓋は、テープ接着、紐で結束するなどの通常の方法によって固定される。
光学フィルム面と直交する面のうちの上下方向、すなわち辺bの矢印方向の光学フィルム重畳体と容器の間は、容器の上側でも下側でも、すなわち光学フィルム重畳体の上でも下でもよい。
2列の光学フィルム重畳体(6)が包装されることなく、光学フィルム面を垂直にして、容器(7)内に片側に寄せられて並べて配置されている。2列の光学フィルム重畳体について、その光学フィルム面側の両端面と容器との間、すなわち辺cの矢印方向の両側と容器の間にそれぞれ緩衝材(9)が配置されている。更に、容器に接していない側の光学フィルム重畳体の光学フィルム面と直角方向の面と容器の間、すなわち辺aの矢印方向の光学フィルム重畳体と容器の間および辺bの矢印方向の光学フィルム重畳体と容器の間にそれぞれ1個の緩衝材が配置されている。なお、光学フィルム重畳体の周囲6面に仕切り板が配置されている。
2列の光学フィルム重畳体(6)が包装されることなく、光学フィルム面を垂直にして、容器(7)内に並べてそれぞれ容器の片側に寄せられて配置されている。2列の光学フィルム重畳体について、その光学フィルム面側の両端面と容器との間、すなわち辺cの矢印方向の両側と容器の間にそれぞれ緩衝材(9)が配置されている。更に、光学フィルム重畳体同士の直角方向の面の間、すなわち辺aの矢印方向の光学フィルム重畳体間および辺bの矢印方向の光学フィルム重畳体と容器の間にそれぞれ1個の緩衝材が配置されている。なお、光学フィルム重畳体の周囲6面に仕切り板が配置されている。
複数列の光学フィルム重畳体を容器内に配置する場合における緩衝材の厚みなどは、図3で示す実施態様について説明したと同様である。
上記の梱包方法により、光学フィルム重畳体を包装することなく、簡単に、輸送中の擦れなどによる光学フィルムの品質が劣化することがない光学フィルム重畳体の梱包体を得ることができる。
なお、下記のフィルム、容器などを用いて行った。
(1)光学フィルム:偏光フィルム、スミカラン(登録商標)SRW862AP7-S/3(住友化学株式会社製)、厚み311μm
(2)容器:ポリスチレン製容器、PCT-A(中央ハリキ製作所製)、厚み2mm
(3)緩衝材用シート:軟質発泡ポリエチレンシート、ミラマット(日泉ポリテック製)、厚み3、5、8mm
(4)緩衝材用袋:ポリエチレンフィルム(日泉ポリテック社製)、厚み50μm
(5)仕切り板:硬質発泡ポリエチレンシート、サンパール(藤田産業製)、厚み1mm
以下のとおり、図3に示すように光学フィルム重畳体を容器に入れ梱包した。
光学フィルム重畳体として、上記の光学フィルムを55mm×38mm(対角2.6インチ)に切断し、500枚重ねたものを1体準備した。高さは156mmになった。それぞれの長さは、a=55mm、b=38mm、c=156mmである。
容器として、上記の容器を準備した。それぞれの内寸は、縦A=110mm、深さB=65mm、横C=190mmである。
続いて、厚さ8mmの上記の軟質発泡ポリエチレンシートを6枚重ね、ポリエチレンフィルム袋に入れて包んで厚さ48mmの緩衝材を準備した。
上記容器の一方の側に寄せて光学フィルム重畳体を配置した。厚さ48mmの緩衝材を辺aの矢印方向の光学フィルム重畳体と容器の間に配置した。なお、重畳体に接する面に上記の仕切り板を配置した。緩衝材(仕切り板を含む)の厚みは、重畳体と容器の間隔の91%{[(48+1×2)/(110-55)]×100=91}である。
続いて、厚さ5mmのシートを3枚重ね、ポリエチレンフィルムで包んで厚さ15mmの2個の緩衝材を準備し、辺cの矢印方向の光学フィルム重畳体の光学フィルム面側の両端面と容器との間に配置した。なお、重畳体に接する面に上記の仕切り板を配置した。緩衝材(仕切り板を含む)の厚みは、重畳体と容器の間隔の94%{[(15×2+1×2)/(190-156)]×100=94}である。
更に、厚さ8mmのシートを3枚重ね、ポリエチレンフィルムで包んで厚さ24mmの緩衝材を準備し、辺bの矢印方向の光学フィルム重畳体の上側に配置した。なお、重畳体に接する面に上記の仕切り板を配置した。緩衝材(仕切り板を含む)の厚みは、重畳体と容器の間隔の96%{[(24+1×2)/(65-38)]×100=96}である。
この容器に上蓋をし、接着テープで固定した。この容器をダンボール箱に入れ、トラックに載せ、輸送試験を行った。約1700km搬送した後、中身を確認した。その結果、光学フィルムには特に外観異常は認められず、輸送試験前の品質が維持できていた。結果を表1に纏めて示す。
以下のとおり、図4に示すように光学フィルム重畳体を容器に入れ梱包した。
光学フィルム重畳体として、上記の光学フィルムを24mm×38mm(対角1.8インチ)に切断し、500枚重ねたものを2列準備した。高さは156mmになった。それぞれの長さは、a=25mm、b=38mm、c=156mmである。
容器として、実施例1と同じものを準備した。
続いて、厚さ8mmの上記の軟質発泡ポリエチレンシートを3枚と厚さ5mmの上記の軟質発泡ポリエチレンシートを6枚とを重ね、ポリエチレンフィルム袋に入れて包んで厚さ54mmの緩衝材を準備した。
上記容器の一方の側に寄せて2列の光学フィルム重畳体を配置した。厚さ54mmの緩衝材を辺aの矢印方向の光学フィルム重畳体と容器の間に配置した。なお、重畳体に接する面に上記の仕切り板を配置した。緩衝材(仕切り板を含む)の厚みは、重畳体と容器の間隔の95%{[(54+1×3)/(110-25×2)]×100=91}である。
続いて、辺cの矢印方向の光学フィルム重畳体の光学フィルム面側の両端面と容器との間、および辺bの矢印方向の光学フィルム重畳体の上側に実施例1で使用したものと同様の緩衝材を実施例1と同様に配置した。
この容器に上蓋をし、接着テープで固定した。実施例1と同様に、この容器をダンボール箱に入れ、トラックに載せ、輸送試験を行った。約1700km搬送した後、中身を確認した。その結果、光学フィルムには特に外観異常は認められず、輸送試験前の品質が維持できていた。結果を表1に纏めて示す。
以下のとおり、図5に示すように光学フィルム重畳体を容器に入れ梱包した。
光学フィルム重畳体、容器、緩衝材は、実施例2と同様のものを準備した。
2列の光学フィルム重畳体を容器の両側に寄せて配置した。
厚さ54mmの緩衝材を辺aの矢印方向の光学フィルム重畳体と光学フィルム重畳体の間に配置した。他の光学フィルム重畳体と容器の間には実施例2と同様に緩衝材を配置した。光学フィルム重畳体に接する面には仕切り板を配置した。
この容器に上蓋をし、接着テープで固定した。実施例1と同様に、この容器をダンボール箱に入れ、トラックに載せ、輸送試験を行った。約1700km搬送した後、中身を確認した。その結果、光学フィルムには特に外観異常は認められず、輸送試験前の品質が維持できていた。結果を表1に纏めて示す。
辺aの矢印方向の光学フィルム重畳体と容器の間に配置した厚さ48mmの緩衝材の変わりに、厚さ5mmのシートを4枚重ね、ポリエチレンフィルムで包んで厚さ20mmの緩衝材を準備して配置した以外は実施例1と同様にして光学フィルム重畳体を梱包した。
この緩衝材(仕切り板を含む)の厚みは、重畳体と容器の間隔の40%{[(20+1×2)/(110-55)]×100=40}である。
実施例1と同様にして輸送試験を行った。試験後、容器中身を確認すると、光学フィルムはきちんと積み上げられておらず重畳体としての形状が維持できていなかった。また光学フィルム表面には擦り傷が観察された。結果を表1に纏めて示す。
辺bの矢印方向の光学フィルム重畳体の上側に配置した厚さ24mmの緩衝材の変わりに、厚さ8mmのシートを6枚重ね、ポリエチレンフィルムで包んで厚さ48mmの緩衝材を準備して配置した以外は実施例1と同様にして光学フィルム重畳体を梱包した。
この緩衝材(仕切り板を含む)の厚みは、重畳体と容器の間隔の185%{[(48+1×2)/(65-38)]×100=185}である。
実施例1と同様にして輸送試験を行った。試験後、容器中身を確認すると、光学フィルムは重畳体としての形状を維持していたが、光学フィルム端面が押しつぶれたように変形していた。結果を表1に纏めて示す。
辺cの矢印方向の光学フィルム重畳体の光学フィルム面側の両端面と容器との間に配置した厚さ15mmの2個の緩衝材の代わりに、厚さ5mmのシートを6枚重ね、ポリエチレンフィルム袋に入れて包んだ厚さ30mmの1個の緩衝材を準備して、図6に示すように光学フィルム重畳体および緩衝材を配置した以外は実施例1と同様に行った。辺cの矢印方向の緩衝材(仕切り板を含む)の厚みは、重畳体と容器の間隔の94%{[(30+1×2)/(190-156)]×100=94}である。
実施例1と同様にして輸送試験を行った。試験後、容器中身を確認すると、光学フィルム重畳体は崩れてその形状が維持できておらず、辺cの矢印方向の緩衝材が配置されていない側の光学フィルム重畳体の光学フィルムの一部が、辺aの矢印方向に配置した緩衝材と容器との間にずれ込んでいた。結果を表1に纏めて示す。
2 粘着剤層
3 保護フィルム
4 剥離フィルム
5 接着層を有する光学フィルム
6 光学フィルム重畳体
7 容器
8 仕切り板
9 緩衝材
a 光学フィルムの一辺
b 光学フィルムの一辺
c 光学フィルム重畳体の高さ
A 容器の一辺
B 容器の高さ
C 容器の一辺
Claims (6)
- 対角10インチ以下である光学フィルムを複数枚積み重ねた光学フィルム重畳体を包装することなく光学フィルム面を垂直にして容器内に配置し、(1)光学フィルム重畳体の光学フィルム面側の両端面と容器の間、および(2)光学フィルム重畳体の光学フィルム面と直角方向の面と容器の間または光学フィルム重畳体同士の光学フィルム面と直角方向の面の間に、それぞれの間隔の80〜100%の厚みの緩衝材を配置することを特徴とする光学フィルム重畳体の梱包方法。
- 1列の光学フィルム重畳体を容器内に配置し、光学フィルム重畳体の光学フィルム面側の両端面と容器の間に緩衝材を配置すると共に、光学フィルム重畳体の光学フィルム面と直角方向の面とその水平方向と垂直方向の容器との間にそれぞれ1個の緩衝材を配置することを特徴とする請求項1記載の光学フィルム重畳体の梱包方法。
- 複数列の光学フィルム重畳体を容器内に並べて配置し、光学フィルム重畳体の光学フィルム平面側の両端面と容器の間に緩衝材を配置すると共に、(1)光学フィルム重畳体の光学フィルム面と直角方向の面とその水平方向の容器との間または光学フィルム重畳体同士の直角方向の面の間、および(2)光学フィルム重畳体の光学フィルム面と直角方向の面とその垂直方向の容器との間にそれぞれ1個の緩衝材を配置することを特徴とする請求項1記載の光学フィルム重畳体の梱包方法。
- 光学フィルム重畳体の周囲6面に仕切り板を配置していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム重畳体の梱包方法。
- 光学フィルムが、偏光フィルム、偏光分離フィルム及び位相差フィルムからなる群より選ばれた少なくとも一種のフィルムである請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム重畳体の梱包方法。
- 光学フィルムが、偏光フィルム、偏光分離フィルム及び位相差フィルムからなる群より選ばれた少なくとも二種のフィルムの積層体である請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム重畳体の梱包方法。
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