JP4624923B2 - 水酸基保護試薬およびそれを用いた水酸基の保護方法 - Google Patents

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Description

本発明は、メトキシメチル基等のアセタール型保護基による水酸基の保護に有用な保護試薬および当該保護試薬を用いた水酸基の保護方法に関する。
水酸基、アミノ基等の官能基を有する化合物の有機合成において、これら官能基を適切に保護することが、合成戦略上重要である。
一般式(II):−CHOR(II)(式中、Rは置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいベンジル基を示す。)で表されるアセタール型保護基(例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基等、以下、保護基(II)ともいう。)は水酸基の保護基として利用されており、種々の反応条件に安定であり、弱酸性条件で容易に脱保護できることから、水酸基の保護基としての利用価値が高い。
水酸基を保護基(II)で保護する方法としては、1)少過剰のジイソプロピルエチルアミン存在下でアルコキシメチルクロリドを滴下し反応させる方法、2)強酸触媒存在下で大過剰のジアルコキシメタンを加熱反応させる方法が知られている(Protective Groups in Organic Synthesis,第3版,Wiley Interscience Publication,John Wiley & Sons,Inc.,1999年,p.27−49.)。
しかしながら、1)の反応系は塩基性条件であり、塩基に不安定なアルコールの保護には適用できない他、毒性の強いアルコキシメチルクロリドを使用するという問題点があった。また、2)の反応系は強酸性であり、酸に不安定なアルコールには適用できない他、大過剰のジアルコキシメタンを使用するため経済的ではなく、さらには平衡反応であるため反応が複雑になりやすいなどの問題があった。
このため、酸や塩基に不安定なアルコールを含む一般性のあるアルコールに対して、温和な条件で保護基(II)を導入できる方法が望まれる。
本発明の目的は、温和な条件で水酸基にアセタール型保護基を導入し得る方法およびそのための保護試薬を提供し、さらに当該保護試薬を安全かつ簡便に製造できる方法を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、弱酸性のような緩和な反応条件下で水酸基に保護基(II)を収率よく導入し得る試薬を見出した。さらには当該保護試薬を従来より安全かつ簡便に製造できる方法を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)一般式(I):
Figure 0004624923
(式中、Rは置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいベンジル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。)で表される化合物(以下、化合物(I)ともいう。)と水酸基含有化合物とを、酸触媒存在下反応させて、該水酸基含有化合物の水酸基の水素原子を、保護基(II)に置換することを特徴とする、水酸基の保護方法。
(2)Rが置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいアルキル基である、上記(1)記載の水酸基の保護方法。
(3)Rがアルキル基である上記(2)記載の水酸基の保護方法。
(4)酸触媒が、ピリジニウムp−トルエンスルホネートまたはp−トルエンスルホン酸である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の水酸基の保護方法。
(5)酸触媒が、ピリジニウムp−トルエンスルホネートである上記(4)記載の水酸基の保護方法。
(6)化合物(I)を含有する水酸基保護試薬。
(7)Rが、置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいアルキル基である、上記(6)記載の水酸基保護試薬。
(8)Rがアルキル基である上記(7)記載の水酸基保護試薬。
(9)Rがメチル基である上記(8)記載の水酸基保護試薬。
(10)以下の第1工程および第2工程を含むことを特徴とする、化合物(I)の製造方法;
第1工程:一般式(III):
Figure 0004624923
(式中、Xは前記と同義を示す。)で表される化合物(以下、化合物(III)ともいう。)と一般式(IV):
Figure 0004624923
(式中、Rは前記と同義を示す。)で表される化合物(以下、化合物(IV)ともいう。)を反応させて、一般式(V):
Figure 0004624923
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物(以下、化合物(V)ともいう。)を得て;
第2工程:得られる化合物(V)を、塩基存在下反応させて、化合物(I)を得る。
(11)Rがメチル基である、上記(10)記載の製造方法。
(12)化合物(III)と化合物(IV)を反応させることを特徴とする、化合物(V)の製造方法。
(13)Rがメチル基である、上記(12)記載の製造方法。
本発明の水酸基保護試薬および水酸基の保護方法は、弱酸性などの緩和な反応条件で、水酸基を保護基(II)で保護することができる。したがって、強塩基性条件や強酸性条件で不安定な水酸基含有化合物の水酸基を、保護基(II)により保護することができるので、合成戦略上の有用性が高い。さらに、毒性が高く、取扱いに注意を要するアルコキシメチルクロリドを使用する必要がないため、安全に行なうこともできるという利点も有する。
また、上記(10)〜(13)によれば、本発明の水酸基保護試薬のほか、アセトニル化試薬としても有用な化合物(I)を、毒性が高いアルコキシメチルクロリドを使用することなく、安全かつ簡便に製造することができる方法が提供される。
発明の詳細な説明
以下、本発明について詳細に説明する。
1.記号の定義
Xで示される「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、塩素原子、臭素原子が好ましい。より好ましくは塩素原子である。
Rで示される「置換基を有していてもよいアルキル基」の「アルキル基」としては、炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜3の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等が挙げられ、好ましくはメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルであり、より好ましくはメチルまたはエチルである。
当該アルキル基は置換可能な位置に置換基を有していてもよく、該置換基としては、ハロゲン原子(上記と同じものが例示される。)、アルコキシ基(炭素数1〜12、好ましくは1〜4、より好ましくは炭素数1〜3の直鎖状または分枝鎖状のアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ等)等が挙げられ、好ましくはメトキシまたはエトキシである。当該置換基の数は特に限定はなく、1〜3個が好ましく、同一または異なっていてもよい。
Rで示される「置換基を有していてもよいフェニル基」または「置換基を有していてもよいベンジル基」の置換基としては、上記アルキル基の置換基として例示されたものに加えて、アルキル基(上記で定義されたアルキル基と同様である。)が挙げられる。当該置換基の数は特に限定はなく、1〜3個が好ましく、同一または異なっていてもよい。
Rとしては、「置換基を有していてもよいアルキル基」または「置換基を有していてもよいフェニル基」が好ましく、「置換基を有していてもよいアルキル基」がより好ましく、「アルキル基」がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
2.水酸基含有化合物
水酸基含有化合物とは、およそ分子内に水酸基を有する有機化合物であれば特に限定されることはなく、フェノール性水酸基であっても、脂肪族アルコールであってもよく、また第1級アルコール、第2級アルコール、第3級アルコールを問わず、本発明に適用可能であり、例えば、下記一般式(A):
Figure 0004624923
(式中、R、RおよびRは同一または異なって、それぞれ独立して、水素原子、アルコキシカルボニル基、アシル基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基等を示すか、または、RおよびRが結合する炭素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい同素環または複素環を形成してもよい。)で表されるアルコール化合物(以下、アルコール(A)ともいう。)を好適に使用することができるが、これに限定されるものではない。
アルコール(A)において「アルコキシカルボニル基」としては、そのアルキル部分がRにおいて例示されたアルキル基であるアルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等が挙げられる。
アルコール(A)における「アシル基」としては、炭素数2〜5のアシル基、例えば、アセチル、プロピオニル、イソプロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ピバロイル等が挙げられる。
アルコール(A)における「置換基を有していてもよいアルキル基」の「アルキル基」としては、Rで定義されたアルキル基と同じものが挙げられる。
アルコール(A)における「置換基を有していてもよいシクロアルキル基」の「シクロアルキル基」としては、炭素数3〜8個のシクロアルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。
アルコール(A)における「置換基を有していてもよいアルケニル基」の「アルケニル基」としては、炭素数2〜12の直鎖または分枝のアルケニル基、例えばエテニル、1−プロペニル、アリル、1−メチル−2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、1−ヘプテニル、2−ヘプテニル、1−オクテニル、2−オクテニル、1−ノネニル、2−ノネニル、1−デセニル、2−デセニル等が挙げられる。
アルコール(A)における「置換基を有していてもよいアルキニル基」の「アルキニル基」としては、炭素数2〜12の直鎖または分枝のアルキニル基、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−メチル−2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、1−ヘプチニル、2−ヘプチニル、1−オクチニル、2−オクチニル、1−ノニニル、2−ノニニル、1−デシニル、2−デシニル等が挙げられる。
アルコール(A)における「置換基を有していてもよいアリール基」の「アリール基」としては、炭素数6〜20のアリール基、例えばフェニル、1−または2−ナフチル、ビフェニル、ビナフチル等が挙げられる。
アルコール(A)における「置換基を有していてもよいアラルキル基」の「アラルキル基」としては、例えば上記で定義された「アルキル基」の任意の位置に上記で定義された「アリール基」が置換して形成されるアラルキル基、例えばベンジル、1−または2−フェネチル、1−、2−または3−フェニルプロピル、1−または2−ナフチルメチル、ベンゾヒドリル、トリチル等が挙げられる。
アルコール(A)における「置換基を有していてもよいヘテロアリール基」の「ヘテロアリール基」としては、例えば炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1〜4個含む5〜7員の芳香性を有する複素環基、及びその縮合ヘテロ環基等が挙げられる。例えば2−又は3−チエニル、2−又は3−フリル、1−、2−又は3−ピロリル、1−、2−、4−又は5−イミダゾリル、2−、4−又は5−オキサゾリル、2−、4−又は5−チアゾリル、1−、3−、4−又は5−ピラゾリル、3−、4−又は5−イソオキサゾリル、3−、4−又は5−イソチアゾリル、1,2,4−トリアゾール−1、3、4又は5−イル、1,2,3−トリアゾール−1、2又は4−イル、1H−テトラゾール−1又は5−イル、2H−テトラゾール−2又は5−イル、2−、3−又は4−ピリジル、2−、4−又は5−ピリミジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−又は7−インドリル、2−、3−、4−、5−、6―又は7−ベンゾフリル、2−、3−、4−、5−、6−又は7−ベンゾチエニル、1−、2−、4−、5−、6−又は7−ベンズイミダゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−イソキノリル等が挙げられる。
およびRが結合する炭素原子と一緒になって形成してもよい、置換基を有していてもよい同素環としては、炭素数3〜8の脂肪族同素環、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等が挙げられる。
およびRが結合する炭素原子と一緒になって形成してもよい、置換基を有していてもよい複素環としては、炭素数3〜7の脂肪族複素環、例えば、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン等が挙げられる。
上記「アルキル基」、「シクロアルキル基」、「アルケニル基」、「アルキニル基」、「アリール基」、「アラルキル基」、「ヘテロアリール基」、「同素環」または「複素環」は、置換可能な位置に置換基を有していてもよく、置換基としては、例えばアルキル基(上記で定義されたものと同じものが例示される。但し、アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基の置換基とはならない。)、ハロゲン原子(上記で定義されたものと同じものが例示される。)、アルコキシカルボニル基(上記で定義されたものと同じものが例示される。)、アシル基(上記で定義されたものと同じものが例示される。)、オキソ、ニトロ基、シアノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。当該置換基の数は特に限定はなく、1〜4個が好ましく、同一または異なっていてもよい。
アルコール(A)としては、R、R又はRのうち、いずれか一つが水素原子のもの、すなわち第2級アルコールまたは第3級アルコールが、収率が良好であることから好ましく、第2級アルコールがより好ましい。
アルコール(A)のうちでも、特に、医薬品の合成中間体(例えば、D又はL−乳酸エステル、(S)又は(R)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン、(S)又は(R)−4−クロロ−3−ヒドロキシブタン酸エステル、(S)又は(R)−3−ヒドロキシテトラデカン酸エステル等)のような光学活性アルコールまたはβ−ヒドロキシエステル等は、強塩基性条件または強酸性条件で、ラセミ化、脱離反応等を起こしやすく不安定であるため、弱酸性などの緩和な反応条件で行い得る本発明の保護方法に好適に使用できる。
さらに水酸基含有化合物として、糖類、水酸基含有アミノ酸(セリン、チロシン等)または当該アミノ酸を含むペプチド類、核酸類等の天然物またはその合成中間体にも本発明の保護方法を好適に適用できる。
3.水酸基の保護方法
本発明の水酸基の保護方法は、例えば溶媒中において、水酸基保護試薬としての化合物(I)と水酸基含有化合物とを、酸触媒存在下反応させて、該水酸基含有化合物の水酸基の水素原子を、保護基(II)に置換することで達成される。試薬の添加順序は特に限定はなく、各試薬を順次または同時に添加すればよい。
化合物(I)は、上記R及びXで定義されるものであれば特に制限されないが、入手容易であることから、2−(クロロメチル)−3,5−ジオキサヘキサ−1−エンが好ましい。
水酸基含有化合物も上記のとおり特に制限されないが、収率が良好であることから、脂肪族第2級アルコール類および第3級アルコール類が好ましく、第2級アルコール類がより好ましい。
使用される酸触媒としては、例えばピリジニウムp−トルエンスルホネート、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酸性イオン交換樹脂等が挙げられ、ピリジニウムp−トルエンスルホネートまたはp−トルエンスルホン酸が好ましい。弱酸性の緩和な反応条件で行なえるという観点からはピリジニウムp−トルエンスルホネートが好ましく、反応時間を短くすることができるという観点からはp−トルエンスルホン酸が好ましいため、水酸基含有化合物の安定性と生産性を考慮して、適当な酸触媒を適宜選択すればよい。
化合物(I)の使用量は、水酸基含有化合物1モルに対して、0.9モル〜1.5モルが好ましく、1.0モル〜1.3モルがより好ましい。
酸触媒の使用量は、使用する酸触媒の酸性度にも依存するが、水酸基含有化合物1モルに対して、0.0001モル〜0.5モルが好ましく、0.001モル〜0.1モルがより好ましい。酸触媒の使用量は、この範囲外でも行なうことができるが、この範囲より少ないと反応が遅くなる傾向があり、この範囲より多いと副反応が進行するおそれがある。
使用される溶媒としては、当該反応を阻害しないものであれば特に限定はなく、例えばアセトニトリル、ベンゾトリフルオリド、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン、トルエン、クロロベンゼン、メチルtert−ブチルエーテル等を単独または混合して用いることができ、アセトニトリルまたはベンゾトリフルオリドが好ましい。混合溶媒とする場合は、任意の割合で混合すればよい。
溶媒の使用量としては、水酸基含有化合物1kgに対して、1L〜50Lの範囲が好ましい。
反応温度は、通常は−20℃〜100℃であるが、0℃〜50℃が好ましい。
反応時間は、通常10分間〜14日間であり、好ましくは10分間〜240時間であり、より好ましくは10分〜60時間である。
水酸基が保護された水酸基含有化合物は、反応終了後、定法により単離、精製することができる。例えば、反応混合物に水または炭酸水素ナトリウム水溶液等を加え、有機溶媒にて抽出後、有機層を濃縮することにより、水酸基が保護された水酸基含有化合物を単離することができる。さらには、通常の精製法、例えば、再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィーまたは減圧蒸留等によって精製することができる。
このようにして得られた水酸基が保護された水酸基含有化合物の保護基(II)は、公知の方法、例えばProtective Groups in Organic Synthesis,第3版,Wiley Interscience Publication,John Wiley & Sons,Inc.,1999年,p.27−49.に記載の方法によって、脱保護することができる。
4.化合物(I)の製造方法
本発明において、水酸基保護試薬として使用される化合物(I)は、医薬、農薬などを製造する際の有用なアセトニル化試薬であることが知られており(Journal of Organic Chemistry,1987年,第52巻,p.3192−3196およびJournal of Organic Chemistry,1986年,第51巻,p.5425−5427参照)、特にRがメチルであり、Xが塩素原子である化合物は岡原試薬として知られている。
化合物(I)は、入手可能なものは市販品を用いてもよいが、以下のスキームで表される製法1により合成することができる(Journal of Organic Chemistry,1986年,第51巻,p.5425−5427参照)。
製法1
Figure 0004624923
(式中、各記号は前記と同義を示す。)
しかし製法1では、化合物(V)を製造するためには、毒性が強い一般式(IV’)で表されるアルコキシメチルクロリドを使用するため(Bulletin of the Chemical Society of Japan,1987年,第60巻,p.397−398参照)、化合物(I)を工業的に製造するにあたっては、除害設備が整った製造所で注意深く製造する必要があり、また、アルコキシメチルクロリドを使用する必要がないという上記水酸基の保護方法のメリットを減殺するものである。
したがって、本発明者らが提案する下記のスキームで表される製法2により化合物(I)を製造する方法が、化合物(I)を安全かつ簡便に製造することができるため好ましい。
製法2
Figure 0004624923
(式中、各記号は前記と同義を示す。)
すなわち製法2では、毒性が高く、取扱いに注意を要するアルコキシメチルハライドの代わりに毒性が低い化合物(IV)を用い、化合物(III)と反応させることにより、化合物(V)を製造することができ、さらに化合物(V)を塩基で処理して脱ハロゲン化水素化することにより、化合物(I)を製造することができる。このように、製法2は毒性が強いアルコキシメチルハライドを使用する必要がないので、製法1より安全かつ簡便に化合物(I)を製造することができる。
以下、製法1および製法2を説明する。
4−1.製法1
製法1では、化合物(III)をテトラヒドロフラン(THF)中、N,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下、一般式(IV’)で表される化合物(以下、化合物(IV’)ともいう。)と反応させて、化合物(V)を得る第1工程、次いで硫酸水素テトラn−ブチルアンモニウムのような相間移動触媒存在下、水酸化ナトリウムと反応させる第2工程により、化合物(I)を合成することができる。
化合物(IV’)は、化合物(III)1モルに対して、0.8モル〜1.5モルの範囲で用いられる。
N,N−ジイソプロピルエチルアミンは、化合物(III)1モルに対して、1モル〜2モルの範囲で用いられる。
THFは、化合物(III)1gに対して、1mL〜50mLの範囲で用いられる。
第1工程の反応温度は、通常−20℃〜80℃であり、反応時間は0.5時間〜15時間程度である。
第1工程の反応終了後、化合物(V)は、抽出、水洗、濃縮により反応混合物より単離することができる。
第2工程は、無溶媒で行うことができる。
水酸化ナトリウムは、微粒状のものが好ましく、化合物(V)1モルに対して、1モル〜5モルの範囲で用いられる。
相間移動触媒は、硫酸水素テトラn−ブチルアンモニウムが好ましく、化合物(V)1モルに対して、0.01モル〜1モルの範囲で用いられる。
第2工程の反応温度は、通常20℃〜150℃であり、反応時間は0.5〜24時間程度である。
第2工程の反応終了後、化合物(I)は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーや減圧蒸留等により精製することができる。
4−2.製法2
製法2は、化合物(III)と化合物(IV)を反応させる第1工程および化合物(V)を塩基存在下反応させる第2工程を含む化合物(I)の製造方法である。
4−2−1.第1工程
第1工程は、化合物(III)と化合物(IV)を反応させて化合物(V)を製造し得る条件であれば、如何なる反応条件であってもよいが、好ましくは、溶媒中または無溶媒で、化合物(III)および化合物(IV)を、酸触媒の存在下反応させることにより行うことができる。
第1工程で用いられる化合物(III)は、公知化合物であり、自体公知の方法で調製することができる。例えば、Bulletin of the Chemical Society of Japan,1987年,第60巻,p.397−398に記載されているようにエピハロヒドリンを対応するハロゲン化水素で開環することにより製造することができ、また市販品を用いることもできる。
第1工程で用いられる化合物(IV)は、公知化合物であり、自体公知の方法(例えば、実験化学講座(丸善)第4版、第20巻、p.245−248に記載の方法)で調製することができ、また市販品を用いることもできる。
化合物(IV)の使用量は、化合物(III)に対し、好ましくは2当量〜50当量、より好ましくは5当量〜30当量である。化合物(IV)の使用量は、この範囲外でも行なうことができるが、この範囲より少ないと反応が十分進行せず、化合物(III)が残存しやすくなり、この範囲より多く使用しても使用量に見合う効果が少なくなり、工業的に不利になりやすい。
第1工程で使用される酸触媒としては特に限定はないが、例えばp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、硫酸、塩酸、リン酸、過塩素酸、酸性イオン交換樹脂等が挙げられ、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸または硫酸が好ましい。
当該酸触媒の使用量は、化合物(III)に対し、好ましくは0.001当量〜1当量、より好ましくは0.01当量〜0.3当量である。酸触媒の使用量は、この範囲外でも行なうことができるが、この範囲より少ないと反応速度が遅くなる傾向があり、この範囲より多く使用しても使用量に見合う効果が少なくなり、工業的に不利になりやすい。
第1工程においては、反応速度を促進させるために、さらに金属のハロゲン化物を添加してもよく、該金属のハロゲン化物としては、臭化リチウム、臭化ナトリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛等が挙げられ、臭化リチウムが好ましい。金属のハロゲン化物の使用量は、化合物(III)に対し、好ましくは0.05当量〜10当量、より好ましくは0.5当量〜5当量である。
第1工程は、当該反応を阻害しない溶媒(例えば、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、クロロベンゼン、ヘキサン等の単独または混合溶媒)中で行ってもよいが、無溶媒で行うことが好ましい。溶媒を使用する場合、その使用量は化合物(III)1kgに対し、好ましくは1L〜30Lである。
第1工程の反応温度は、通常は−20℃〜120℃であるが、10℃〜70℃が好ましい。反応時間は、通常1〜96時間である。
第1工程で得られる化合物(V)は、常法により単離、精製することができる。例えば、反応混合物を必要により炭酸水素ナトリウム水溶液等で中和した後、分液、乾燥、濃縮することにより、化合物(V)を単離することができ、さらに、減圧蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等によって精製することができるが、これに限定されるものではない。また、精製することなく、第2工程に供することもできる。
第1工程で得られる化合物(V)は化合物(I)の中間体として有用であり、また、それ自身アセトニル化試薬として用いることも出来る(Journal of Organic Chemistry,1986年,第51巻,p.5425−5427参照)。
4−2−2.第2工程
第2工程は、例えば、溶媒中または無溶媒で、化合物(V)を、塩基存在下反応させて、脱ハロゲン化水素化することにより行うことができる。
第2工程で用いる塩基としては特に限定はなく、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等の無機塩基、あるいはトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネ−5−エン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)等の有機塩基が挙げられ、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化セシウムが好ましい。該塩基の使用量は、化合物(V)に対し、好ましくは0.9当量〜5当量、より好ましくは1当量〜2当量である。塩基の使用量は、この範囲外でも行なうことができるが、この範囲より少ないと反応が十分進行せず、化合物(V)が残存しやすくなり、この範囲より多く使用した場合、副反応が進行する虞がある。
第2工程において無機塩基を使用する場合は、無機塩基を可溶化して反応を円滑に進行させるために、相間移動触媒を添加するのが好ましい。該相間移動触媒としては、硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヨージド等が挙げられ、硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウムが好ましい。該相間移動触媒の使用量は、化合物(V)に対し、好ましくは0.01当量〜0.5当量、より好ましくは0.05当量〜0.3当量である。相間移動触媒の使用量は、この範囲外でも行なうことができるが、この範囲より少ないと反応が十分進行せず、化合物(V)が残存しやすくなり、この範囲より多く使用しても使用量に見合う効果が少なくなり、工業的に不利になりやすい。
第2工程は、当該反応を阻害しない溶媒(例えば、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、クロロベンゼン、ヘキサン等の単独または混合溶媒)中で行ってもよいが、無溶媒で行うことが好ましい。溶媒を使用する場合、その使用量は化合物(V)1kgに対し、好ましくは1L〜30Lである。
第2工程の反応温度は、通常は0℃〜150℃であるが、20℃〜100℃が好ましい。反応時間は、通常0.1〜12時間である。
第2工程で得られる化合物(I)は、常法(例えば、第1工程と同様の方法)により単離、精製することができるが、Journal of Organic Chemistry,1987年,第52巻,p.3192−3196に記載の方法により単離精製するのが好ましい。すなわち、反応混合物を減圧蒸留することにより化合物(I)を含有する留分を得て、これを必要により、溶媒(ジエチルエーテル等)に希釈、無水硫酸マグネシウム等で乾燥、濃縮することにより、化合物(I)を単離精製することができる。
以下、本発明について、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
[実施例1]:2−クロロ−1−(クロロメチル)エチルメトキシメチルエーテルの合成
1,3−ジクロロ−2−プロパノール(10.0g,77.5mmol)をジメトキシメタン(150ml)に溶解し、臭化リチウム(20.2g、232.5mmol)およびp−トルエンスルホン酸(1.33g,7.8mmol)を添加し、室温下3日間攪拌した。反応終了後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)を加えて中和分液を行った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾過後濃縮して、粗製の表題化合物(12.44g)を得た。粗製の表題化合物を減圧蒸留(15mmHg,83℃)して、純粋な表題化合物(7.7g,収率57.5%)を得た。
H−NMR(CDCl,δppm)3.43(s,3H),3.69−3.77(m,4H),3.99(m,1H),4.76(s,2H)
[実施例2]:2−(クロロメチル)−3,5−ジオキサヘキサ−1−エンの合成
2−クロロ−1−(クロロメチル)エチルメトキシメチルエーテル(15.0g,86.7mmol)に水酸化カリウム(7.3g,130.0mmol)および硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウム(1.5g,4.3mmol)を加え、室温で30分攪拌した。その後、80〜90℃に加熱し、減圧留去(20〜30mmHg,50〜55℃)した。得られた留出分(10.5g)をジエチルエーテル(50ml)に溶解し無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、無水硫酸マグネシウムを濾過、濃縮して表題化合物(9.3g,収率78.4%)を得た。
H−NMR(CDCl,δppm)3.45(s,3H),3.99(s,2H),4.41(s,2H),5.02(s,2H)
[実施例3]:L−乳酸メチルのメトキシメチルエーテル化
L−乳酸メチル(208mg,2mmol)をベンゾトリフルオリド(2.0mL)に溶解させ、ピリジニウムp−トルエンスルホネート(PPTS,50mg,0.2mmol)を加えた後、2−(クロロメチル)−3,5−ジオキサヘキサ−1−エン(東京化成社製,327mg,2.4mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(3mL)を加え、酢酸エチル(4mL)で抽出した。有機層はさらに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウム(0.5g)上で脱水した後、減圧留去することにより、(S)−2−(メトキシメトキシ)プロピオン酸メチル(248mg,収率84%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δppm:1.44(3H,d,J=7Hz),3.39(3H,s),3.75(3H,s),4.24(1H,q、J=7Hz),4.69(1H,d,J=7Hz),4.70(1H,d,J=7Hz).
[実施例4]:L−乳酸メチルのメトキシメチルエーテル化
ベンゾトリフルオリドの代わりにアセトニトリル2.0mLを使用した以外は、実施例1と同様に行い、(S)−2−(メトキシメトキシ)プロピオン酸メチル(256mg,収率86%)を得た。
[実施例5]:(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンのメトキシメチルエーテル化
L−乳酸メチルの代わりに(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトン(204mg、2mmol)を使用し、反応時間を15時間にした以外は実施例1と同様に行い、対応する(S)−β−(メトキシメトキシ)−γ−ブチロラクトン(226mg,収率77%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δppm:2.61(1H,dd,J=18Hz,J=3Hz),2.74(1H,dd,J=18Hz,J=6Hz),3.39(3H,s),4.36(1H,dd,J=10Hz,J=2Hz),4.42(1H,dd,J=10Hz,J=5Hz),4.48−4.52(1H,m),4.68(2H,s).
[実施例6]:(S)−4−クロロ−3−ヒドロキシブタン酸エチルのメトキシメチルエーテル化
L−乳酸メチルの代わりに(S)−4−クロロ−3−ヒドロキシブタン酸エチル(333mg、2mmol)を使用し、反応時間を15時間にした以外は実施例1と同様に行い、対応する(S)−4−クロロ−3−(メトキシメトキシ)ブタン酸エチル(400mg,95%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δppm:1.28(3H,t,J=7Hz),2.66(1H,dd,J=16Hz,J=7Hz),2.72(1H,dd,J=16Hz,J=5Hz),3.40(3H,s),3.69(2H,d,J=5Hz),4.16(2H,q,J=7Hz),4.20−4.26(1H,m),4.70(1H,d,J=7Hz),4.75(1H,d,J=7Hz).
[実施例7]:(S)−3−ヒドロキシテトラデカン酸エチルのメトキシメチルエーテル化
(S)−3−ヒドロキシテトラデカン酸エチル(2.00g,7.3mmol)及び2−(クロロメチル)−3,5−ジオキサヘキサ−1−エン(東京化成社製,1.20g,8.8mmol)をTHF(10mL)に溶解させ、p−トルエンスルホン酸(p−TsOH,10mg)を加え、室温で15時間攪拌した。反応液にトリエチルアミン(1mL)流入した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)と飽和食塩水(10mL)で洗浄後、無水硫酸マグネシウム(0.5g)上で脱水濾過後、溶媒を留去することにより、対応する(S)−3−メトキシメトキシテトラデカン酸エチル(2.20g,収率95%)を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δppm:0.88(3H,t,J=7Hz),1.20−1.40(18H,m),1.47−1.60(2H,m),2.45(1H,dd,J=15Hz,J=5Hz),2.56(1H,dd,J=15Hz,J=7Hz),3.92−4.02(1H,m),4.14(2H,q,J=7Hz),4.65(1H,d,J=7Hz),4.68(1H,d,J=7Hz).
[実施例8]:1−フェニルエタノールのメトキシメチルエーテル化
1−フェニルエタノール(1.35g,12.5mmol)、2−(クロロメチル)−3,5−ジオキサヘキサ−1−エン(2.05g,15.0mmol)およびアセトニトリル(12.5ml)の混合物に、p−トルエンスルホン酸・1水和物(11.9mg,0.063mmol)を添加し、混合物を室温にて、4時間攪拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(25ml)に注ぎ、酢酸エチル(25ml)にて抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(25ml)にて洗浄後、無水硫酸マグネシウム(2.5g)にて乾燥した。濾過後、濾液を減圧下濃縮し、(1.74g,収率84%)を得た。結果を表1に示す。
[実施例9]:1−フェニルエタノールのメトキシメチルエーテル化
p−トルエンスルホン酸・1水和物の代わりにピリジニウムp−トルエンスルホネート(314mg,1.25mmol)を使用し、反応時間を54時間としたこと以外は、実施例8と同様に行い、メトキシメチル 1−フェニルエチルエーテル(1.77g,収率85%)を得た。結果を表1に示す。
[実施例10〜25]
水酸基含有化合物、酸触媒とその当量(mol%)および反応時間を表1に記載したとおりにしたこと以外は、実施例8または9と同様に行なった。結果(収率)を表1に示す。水酸基含有化合物が、第1級アルコール(実施例16〜21)および第3級アルコール(実施例22〜25)である場合は、シリカゲルカラムクロマトグラフィーまたは減圧蒸留にて精製した。
Figure 0004624923
L−乳酸の水酸基を保護した化合物は、たとえば抗真菌薬の原料として有用であり、(S)−β−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンや(S)−4−クロロ−3−ヒドロキシブタン酸エチルの水酸基を保護した化合物は、たとえば抗エイズ薬や高脂血症の治療薬の原料として有用であり、(S)−3−ヒドロキシテトラデカン酸エチルの水酸基を保護した化合物は、たとえば抗肥満薬の原料として有用である。
本出願は、日本で出願された特願2003−288300および特願2004−79061を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。

Claims (9)

  1. 一般式(I):
    Figure 0004624923
    (式中、Rは置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいベンジル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。)で表される化合物と水酸基含有化合物とを、酸触媒存在下反応させて、該水酸基含有化合物の水酸基の水素原子を、一般式(II):
    Figure 0004624923
    (式中、Rは前記と同義を示す。)で表される保護基に置換することを特徴とする、水酸基の保護方法。
  2. Rが置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいアルキル基である、請求項1記載の水酸基の保護方法。
  3. Rがアルキル基である請求項2記載の水酸基の保護方法。
  4. 酸触媒が、ピリジニウムp−トルエンスルホネートまたはp−トルエンスルホン酸である請求項1〜3のいずれかに記載の水酸基の保護方法。
  5. 酸触媒が、ピリジニウムp−トルエンスルホネートである請求項4記載の水酸基の保護方法。
  6. 一般式(I):
    Figure 0004624923
    (式中、Rは置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいベンジル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。)で表される化合物を含有する水酸基保護試薬。
  7. Rが、置換基を有していてもよいフェニル基または置換基を有していてもよいアルキル基である、請求項6記載の水酸基保護試薬。
  8. Rがアルキル基である請求項7記載の水酸基保護試薬。
  9. Rがメチル基である請求項8記載の水酸基保護試薬。
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