JP4624657B2 - 止め輪組付方法 - Google Patents

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Description

本発明は、等速自在継手に使用される円筒状のアウトローラなどの被装着部品に形成された被装着穴の環状溝にC形止め輪を取付ける組付方法に関する。
トリポード型等速自在継手は、例えば図8に示すようにトリポード部材1と筒状の外側継手部材6を連接して構成される(特許文献1など参照)。トリポート部材1の先端部外周に半径方向に突設した脚軸2にインナローラ3が回転自在に嵌合され、インナローラ3の外周に複数の針状転動体10を介してアウタローラ11が回転自在に嵌合される。アウタローラ11を外側継手部材6の内周面のトラック溝7に摺接可能に嵌合させて、等速自在継手が構成される。
アウタローラ11の内周面12が針状転動体10の転動面であり、この転動面の軸方向両端部に周方向に環状溝13が形成され、この軸方向両端の環状溝13に弾性金属板のC形止め輪14が嵌合される。軸方向両端の一対の止め輪14は、アウタローラ11の内周面12からの転動体10の軸方向の抜けを防止する。以下、必要に応じて止め輪14に対するアウタローラ11を被装着部品、その内周面12を被装着穴と称する。
上記アウタローラ11のような被装着部品の被装着穴に形成した環状溝に、C形で両端部に互いに離隔した切口部を有する止め輪を装着する止め輪組付装置は、例えば図10に示すようなテーパコーン型が一般的である(例えば、特許文献2参照)。その基本構造、組付動作例を図10(A)〜(C)に示し、組付動作時の止め輪の形状例を図10(A’)〜(C’)に示す。
図10(A)は、止め輪組付装置の止め輪挿入前の断面図であり、図10(A’)は挿入前の自由状態での止め輪20の平面図である。なお、図10に示す止め輪20は、図8の止め輪14と実質的に同じものであるが、等速自在継手のアウタローラ以外の被装着部品にも取り付けられることから、符号20を付しており、この止め輪20が取付けられるアウタローラなどの被装着部品に符号21を付している。この被装着部品21は円筒部品で、軸方向にストレートな被装着穴22を有し、被装着穴22の軸方向両端部の内周に環状溝23が形成され、この環状溝23に弾性金属板のC形止め輪20が縮径及び拡径の過程を経て嵌合される。
被装着穴22に鉛直な円柱状の軸30が定位置まで嵌挿され、被装着部品21の真上に縮径治具31が連接される。縮径治具31は、逆円錐台状の縮径テーパ面32を有する。縮径テーパ面32の下端の開口部の内径は被装着穴22の穴径以下であり、上端の開口部の内径は自由状態の止め輪20の最大外径D1以上である。縮径テーパ面32の真上に同心に挿入治具33が上下動可能に配置される。挿入治具33の下端部は円筒状で、この下端部の外径は被装着穴22の穴径以下である。挿入治具33の下端面は平坦で、この下端面が水平な止め輪20の平坦な上面に当接する。
縮径テーパ面32の中に止め輪20を水平にセットすると、図10(A)に示すように止め輪20の外周が縮径テーパ面32の途中箇所に当接して保持される。この止め輪20の真上から挿入治具33を下降させ、挿入治具33の平坦な環状下端面を止め輪20の上面に当接させて更に下降させると、図10(B)に示すように止め輪20の外周が縮径テーパ面32を摺接して、止め輪20の全周が同時に縮径されて縮径テーパ面32の小径開口部から被装着穴22と軸30の間に移動する。このときの止め輪20の外径D2が図10(B’)に示され、この外径D2は止め輪20の両端の切口部20a、20bの先端同士が突き当たるところで最小となる。
図10(B)の状態から挿入治具33を下降させ、止め輪20を被装着穴22の環状溝23まで移動させると、図10(C)に示すように止め輪20が弾性復帰力で拡径して環状溝23に嵌合し、環状溝23から突出する止め輪20の内径部分で挿入治具33の下降が停止する。このときの止め輪20の外径は図10(C’)で示すD3で、環状溝23の最大内径と同じになる。
特開2002−327773号公報(図6) 特開2002−292529号公報
図10に示すような止め輪の組付方法は、機構が単純にでき、組付けの完全自動化や高速対応が容易であるが、被装着穴の環状溝にC形止め輪を嵌合したときの止め輪の両端切口部間の隙間を小さく設定するほど、適正な対応が難しくなる問題があった。例えば、図10(C’)の組付完了時の止め輪20の両端切口部20a、20bの先端間の隙間G3は、図8の等速自在継手においては転動体10が抜け出さないように転動体10の外径未満にする必要から十分に小さく設定しているが、小さく設定するほど、図10(B’)のときの隙間G2が小さくなる。両端切口部20a、20bの先端同士を突き当てて隙間G2=0にすると、それ以上に止め輪20を縮径することができないことから、隙間G2を所定の適値に設定して縮径を容易にし、最後に拡径して環状溝23に嵌合しているため、最終的な隙間G3を転動体10の外径未満に設定することが難しくなる。
本発明は、斯かる実情に鑑みてなされたもので、C形止め輪を簡単な機構で生産性良く被装着部品の穴に組付ける方法を提供することを目的とする。
本発明は、被装着部品の被装着穴の内周に形成した環状溝に、被装着穴の穴径より大きい外径で、両端部に離隔した切口部を有するC形の止め輪を嵌合させる止め輪組付方法であって、止め輪を、その外周から半径方向内方に押圧して前記両端切口部を互いにオーバラップさせて前記穴径以下に縮径させる工程と、止め輪のオーバラップした両端切口部の一方を環状溝の一部に嵌合した状態で止め輪を弾性復帰力で拡径させて、環状溝に一方の切口部から他方の切口部へと順に嵌合させる工程とを有し、前記止め輪の半径方向外方に同じ半径方向に前後移動可能に配置した複数の可動式縮径治具を順に止め輪の半径方向内方へと前進させて止め輪の外周を順に押圧することで、止め輪を一方の切口部から他方の切口部に向けて順に縮径させることを特徴とする。
ここで、被装着部品はトリポード型等速自在継手における筒状ローラなどで、軸方向にストレートな円形の被装着穴を有し、この穴の軸方向両端に周方向に形成された環状溝に弾性金属からなるC形止め輪を被装着穴の穴径以下に縮径して穴内に挿入し、穴内で拡径して環状溝に嵌合する。止め輪の縮径は、止め輪の外周を止め輪の中心に向けて押圧する各種の治具を使うことで自動的に行え、また、この縮径の際に止め輪の両端切口部の側面同士が互いに重合するようにオーバラップさせることで、十分に小さく縮径することができる。縮径した止め輪を被装着穴の環状溝の位置へと挿入して、オーバラップした両端切口部の先頭位置にある一方の切口部を環状溝の一部に嵌挿した状態で、止め輪を他方の切口部へと順に拡径させて環状溝に嵌挿することで、止め輪を環状溝に簡単な治具を使って自動又は半自動で嵌合することができる。環状溝に拡径して嵌合した止め輪の両端切口部は、その先端が互いに離隔して対向し、先端間の隙間は縮径時における両端切口部のオーバラップ量に比例させて小さくできる。
ここでの複数の可動式縮径治具は、止め輪の外周近くに止め輪の中心点から放射状に配置した板状のものが適用でき、この複数の縮径治具を単数ずつ、或いは、複数ずつ順番に止め輪の中心に向けて前進移動させて止め輪の外周に押し当てて、止め輪を周方向で順に縮径する。また、縮径治具で止め輪を縮径するとき、止め輪の内周に円筒や円柱状の軸を当て、止め輪の中心点が移動しないようにしておいて、止め輪を縮径させるようにすることが望ましい。C形止め輪を複数の可動式縮径治具で順に縮径させることで、複数の縮径治具の各々は小さな押圧力で止め輪を縮径することができ、機構の簡略化が容易となる。
本発明においては、C形の止め輪を複数の縮径治具で周方向で順に縮径させるとき、被装着穴の環状溝の一部に止め輪の一方の切口部を嵌挿した状態にしておいて、止め輪を可動式縮径治具で縮径することができる。被装着穴の環状溝にC形止め輪の一方の切口部を嵌挿する動作は自動又は手動で行い、環状溝に嵌挿した一方の切口部から他方の切口部に向けて止め輪の外周の複数箇所を対応する縮径治具で順番に押圧していくことで、止め輪が周方向で順に縮径される。この縮径動作は、止め輪の一方の切口部が環状溝で位置決め支持されているので、常に正確にして円滑に行え、高速作業が容易となる。
また、本発明においては、被装着穴の環状溝にC形止め輪の一方の切口部を嵌挿して、止め輪を複数の可動式縮径治具で順に縮径した後、止め輪を軸方向に押圧する押圧治具で止め輪を一方の切口部から他方の切口部に向けて順に押圧して、止め輪を環状溝に順に嵌合させることができる。ここでの押圧治具は、止め輪と同心で、中心線を中心に回転する円筒治具、円柱治具や、縮径された止め輪上を転動するローラ治具が適用できる。
前者の円筒治具や円柱治具の場合は、縮径された止め輪を押圧するための先端面の一部に突起部を設けて、この突起部だけを止め輪に押し当て、治具自体を回転させて突起部を止め輪上を摺動させる。このような治具は、構造簡単なものが適用できる。また、後者ローラ治具は、止め輪上をローラが転動するだけのために、止め輪を傷付けず、より円滑な止め輪組付動作をする。
以上の要領で止め輪組付けが行われる被装着部品は、その被装着穴の内周面が複数の転動体の転動面であり、この転動面の軸方向両端部に環状溝を有する等速自在継手用ローラが適用できる。この等速自在継手用ローラは、トリポード型等速自在継手のアウタローラが適切である。
また、トリポード型等速自在継手のアウタローラのような被装着部品において、本発明は、内周面が複数の転動体の転動面である被装着穴の軸方向両端部に形成した環状溝に、被装着穴の穴径より大きい外径で、両端部に離隔した切口部を有するC形の止め輪を嵌合した止め輪組付構体の場合、止め輪の両端切口部の先端同士を突き合わせたときの環状止め輪の外径が、被装着穴の穴径より大きく、かつ、環状溝の最大内径より小さく、この止め輪を拡径して環状溝に嵌合したときに、止め輪の両端切口部の先端同士が転動体単品の外径より小さな隙間で対向する構造を特徴とする。
ここでの被装着部品がトリポード型等速自在継手のアウタローラの場合、被装着穴の内周面を転動する針状転動体が止め輪の両端切口部の間から抜けることがなく、アウタローラの内周に定数の転動体を組付けた状態で、アウタローラを対応するインナローラなどに組付けるといったことができて、等速自在継手の組立性を改善することができる。
本発明の止め輪組付方法によれば、被装着穴の環状溝にC形止め輪を構造簡単な治具を使って両端切口部をオーバラップさせた状態から嵌合させることができて生産性の改善が図れる。また、止め輪の両端切口部のオーバラップ量を調整することで、止め輪を環状溝に嵌合したときの両端切口部の間の隙間を十分に小さく設定することができて、被装着穴の内周面を転動面とする転動体が直径の小さなものであっても、これに十分に対応できる有利さがある。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1〜図3は第1の止め輪組付方法を説明するためのもので、図10と同一又は相当する部分には同一符号を付している。即ち、図中の止め輪20はC形金属板で、図1には螺旋状C形を成して、両端切口部20a、20bが軸方向に段差を有する。この止め輪20が装着される被装着部品21と、その被装着穴22の環状溝23、及び、縮径された止め輪20の位置ずれ、芯ずれを防止する軸30は、便宜上に図10に示したものと同一にしてある。本発明方法は、次の複数の可動式縮径治具40で止め輪0を縮径させ、上下動及び回転動する押圧治具50で縮径された止め輪20を環状溝23に嵌合させる。
図1に示すように、鉛直な軸30に被装着部品21が嵌挿されて定位置に位置決め保持され、この被装着部品21の平坦な上面に沿って複数の可動式縮径治具40が配置され、軸30の真上に同心に円柱状の押圧治具50が配置される。
複数の可動式縮径治具40は、例えば図3に示すように被装着部品21の中心から水平方向放射状に延びる帯板で、被装着部品21の上面に90°隙間で4枚が配置される。各縮径治具40は同一又は独立した水平駆動系に連結されて、各々が独自に被装着部品21の半径方向内方に前進し、半径方向外方に後退する。4枚の縮径治具40は時間隙間をもって順番に前進して、止め輪20を周方向で順に縮径する。この縮径動作の説明を分かりやすくするため、以下、4枚を必要に応じて縮径治具40a〜40dと称する。
押圧治具50の下端部50aは、被装着穴22と軸30の間に挿通できる内外径の円筒部で、この下端部50aの下面は平坦であり、一部に突起部51を有する。突起部51は、例えば図1と図2に示すようなローラ52で構成される。円筒状下端部50aの下面一部を真上に切欠き、この切欠きにローラ52を回転自在に設置して、ローラ52の下部を下端部50aの下面から少し突出させる。ローラ52は、縮径された止め輪20の上面一部に当接して軸方向に押圧し、押圧治具50の回転でローラ52が止め輪20上を転動して止め輪20を押圧する位置が順に移動する。
次に、4枚の縮径治具40a〜40dを使った止め輪縮径動作と、押圧治具50による止め輪押圧動作を説明する。
図1に示すように、軸30で位置決め保持された被装着部品21の被装着穴22と軸30との間に自由状態にある螺旋状の止め輪20を挿入し、止め輪20の下端となる一方の切口部20aの先端を環状溝23の一部に嵌挿する。このとき、止め輪20の一方の切口部20aが、図3(A)で示すように特定の1枚の縮径治具40dの在る方向で環状溝23に嵌挿されるように止め輪20の位相を決める。このような止め輪20のセットは、手動で良否確認しながら行うことができる。自由状態の止め輪20は、環状溝23から被装着穴22の上方へと螺旋状に延び、その外周の90°隙間の4箇所に4枚の縮径治具40a〜40dの先端が所定の隙間で対峙する。
止め輪20のセットが完了すると、まず、図3(B)に示すように予め順番が決められた1枚の縮径治具40aだけを前進させて止め輪20の一方の切口部20aに近い外周の一部を軸30に向けて押圧し、押圧した状態を保持させる。次に、図3(C)に示すように2枚目の縮径治具40bを前進させて止め輪20を軸30に向けて押圧する。この押圧で止め輪20の半分近い部分が縮径され、他方の切口部20bが一方の切口部20aへと近付く。次に、図3(D)に示すように3枚目の縮径治具40cを前進させて止め輪20を軸30に向けて押圧して、止め輪20の残り半分近い部分を縮径し、切口部20bを一方の切口部20aに近付け、少しオーバラップさせる。最後に、残り1枚の縮径治具40dを前進させると、図3(E)に示すように止め輪20のオーバラップした両端切口部20a、20bを縮径治具40dが軸30に向けて押圧して、止め輪20の最後の縮径が行われ、両端切口部20a、20bが所定の長さでオーバラップする。
以上のように止め輪20を4枚の縮径治具40a〜40dで順に縮径することで、縮径治具個々による押圧力が小さくて済み、小さな動力、簡単な駆動系が使用できる。また、止め輪20を一方の切口部20aから他方の切口部20bに向けて順に縮径するため、安定した確実な縮径が可能となる。この縮径は、一方の切口部20aを環状溝23に嵌挿して仮係止させておくことで、より安定して確実に行える。
縮径が完了した止め輪20は4枚の縮径治具40a〜40dで押圧されたまま、一方の切口部20aから上の部分が被装着穴22から螺旋状に浮いた状態にある。ここで押圧治具50を下降させて、下端面から突出するローラ52の下部を縮径状態にある止め輪20の一方の切口部20aの上面に押し当てる。環状溝23から出た切口部20aの上面にローラ52を当てて、押圧治具50を図3(F)の矢印で示すように左方向に回転させると、ローラ52が一方の切口部20aの上面を転動しながら環状溝23に近付くように順に押圧して切口部20aが順に環状溝23に弾性復帰力で嵌挿していく。ローラ52が一方の切口部20aから他方の切口部20bに向けて順に転動するように押圧治具50をほぼ一回転させると、止め輪20の全体が環状溝23に嵌合し、両端切口部20a、20bのオーバラップが解かれて先端同士が所定の隙間で対向する。ローラ52は止め輪20の上面を転動しながら順に押圧するので、止め輪20は傷付かず、また、ローラ52の摩耗が少なくて長寿命となる。
図4〜図6は第2の止め輪組付方法を説明するためのもので、図4に示す固定式縮径治具60と挿入治具70を使用して止め輪20を全周から同時に縮径し、被装着穴22の環状溝23に順に嵌挿する。
固定式縮径治具60は従来同様なテーパコーン型で、逆円錐台状の縮径テーパ面61を有する。縮径テーパ面61の下端の開口部の内径は被装着穴22の穴径以下であり、上端の開口部の内径は自由状態の止め輪20の最大外径以上である。縮径テーパ面61の真上に同心に円柱状の挿入治具70が上下動可能、かつ、中心線を中心に回転可能に配置される。挿入治具70の下端部70aは円筒状で、この下端部70aの外径は被装着穴22の穴径以下であり、内径は軸30の外径より少し大きい。挿入治具70の下端面70bは螺旋面で、図5に示すように一部に半径方向に延びる段差部71を有する。段差部71の段差は、止め輪20の板厚以上に設定される。段差部71は凹段側下面mと凸段側下面nとの境界部分であり、凸段側下面nが最も低い位置にあって、この下面nから下端面70bが螺旋状に延びて凹段側下面mに到る。
なお、図4に示されるC形止め輪20は、図10と同じ平坦なものが使用されるが、両端切口部20a、20bに多少の段差を持たせた螺旋状のものであってもよい。
図6(A)に示すように、縮径テーパ面61の中に止め輪20を水平にセットして、自由状態の止め輪20の外周を縮径テーパ面61の途中箇所に当接させる。このとき、止め輪20の両端切口部20a、20bと挿入治具70の段差部71との位相を合わせる。例えば、止め輪20の片方の切口部20bの先端の真上に段差部71が位置するように、縮径テーパ面61に止め輪20を位相調整してセットする。このような位相合わせは、縮径テーパ面61にセットされた止め輪20に対して、挿入治具70を回転させて行うようにしてもよい。
図6(A)の状態で挿入治具70を真下に下降させ、下端面70bを止め輪20の上面に押し当て、図6(B)に示すように段差部71の両側で止め輪20の両切口部20a、20bを押し下げて軸方向に変形させ、片方の切口部20bの先端を段差部71に係止させる。この状態で挿入治具70をさらに下降させると、止め輪20の外周が縮径テーパ面61を軸方向下方に摺接しながら全体が同時に縮径する。このとき、止め輪20の片方の切口部20bが段差部71に係止して周方向の移動が規制されており、両切口部20a、20bの先端間に止め輪板厚以上の段差があるので、止め輪20が縮径されるにつれて一方の切口部20aが他方の切口部20bへと移動して、図6(C)の破線で示すように両切口部20a、20bがオーバラップする。このオーバラップで一方の切口部20aが他方の切口部20bより下位に位置した状態で止め輪20が螺旋状に変形する。
さらに挿入治具70を下降させて縮径された螺旋状の止め輪20を被装着穴22へと挿入し、止め輪20の最下端となる切口部20aが環状溝23の位置まで移動し、弾性復帰力で拡径して切口部20aの先端部が環状溝23の一部に嵌挿されると、挿入治具70の下降を停止させて、図6(D)の左回転矢印で示すように挿入治具70を回転させる。この挿入治具70の回転は、段差部71が止め輪20の一方の切口部20aから他方の切口部20bへと移動する方向で行われる。挿入治具70の回転始めにおいて、図4で示す段差部71の凸段側下面nが既に環状溝23に嵌挿された一方の切口部20aの近くの上面を摺接しながら下方に押圧して環状溝23に嵌挿し、この嵌挿が止め輪20の一方の切口部20aから他方の切口部20bに向けて順に行われて、挿入治具70が一回転する間に止め輪20が周方向で順に拡径し、両端切口部20a、20bのオーバラップが解かれて止め輪全体が環状溝23に嵌合する。
図4の固定式縮径治具60と挿入治具70を使った第3の止め輪組付方法を、図7(A)〜(D)で説明する。この第3の方法は、挿入治具70を回転させながら下降させて止め輪20を縮径させるところが、図6の第2の方法と相違する。
図7(A)に示すように、縮径治具60の縮径テーパ面61に止め輪20をセットし、止め輪20の真上から挿入治具70を図7(B)の右回転矢印で示すように定方向に回転させながら下降させる。挿入治具70の下端面70bが止め輪20の上面に当接するとき、まず最初に段差部71の凸段側下面nが止め輪20の任意の箇所に接触し、そのまま下面nが挿入治具70の回転で止め輪20上を摺接移動し、下面nが止め輪20の両端切口部20a、20bの間まで移動したところで段差部71の両側で両端切口部20a、20bが軸方向に押圧されて変形し、片方の切口部20bの先端が段差部71に係止する。こように挿入治具70を回転させながら下降させることで、止め輪20との位相関係を予め調整しなくても段差部71に確実に切口部20bを係止させることができる。
図7(B)の状態から後は、図6の場合と同様である。つまり、挿入治具70をさらに下降させて、図7(C)に示すように止め輪20を縮径し、止め輪20の最下端の切口部20aの先端部を環状溝23の一部に嵌挿して挿入治具70の下降と右方向回転を停止する。次に、図7(D)に示すように、挿入治具70を左方向回転(下降時の回転方向と逆方向)させて止め輪20を順に環状溝23に嵌挿する。
図8のトリポード型等速自在継手のアウタローラ11に止め輪14を本発明方法で組付けた止め輪組付構体を図9に示す。被装着部品であるアウタローラ11の内周面が複数の針状転動体10の転動面である被装着穴12の軸方向両端部に環状溝13が形成され、両環状溝13に止め輪14を嵌合して、転動体10の抜け止めにする。
アウタローラ11と止め輪14は、次の寸法関係にある。止め輪14の両端切口部14a、14bの先端同士を突き合わせたときの環状止め輪の外径が、被装着穴12の穴径より大きく、かつ、環状溝13の最大内径より小さい。また、止め輪14を拡径して環状溝13に嵌合したときに、止め輪14の両端切口部14a、14bの先端同士が転動体10の外径dより小さな隙間gで対向する。
以上の寸法関係に設定することで、転動体10が止め輪14の隙間gから抜け出ず、止め輪14が穴の環状溝13に本発明方法により構造簡単な治具を使って作業性良く組み付けられる。また、転動体10に直径dの小さな針状ころを使用して、アウタローラ11の内周に組込んでも落下せず、図9のようにアウタローラ11と転動体10と止め輪14を一体にユニット化した状態で図8に示すインナローラ3に組付けることができて、トリポード型等速自在継手の生産性が良くなる。
トリポード型以外の等速自在継手や、他の各種の軸受に使用される環状ローラ、軸受外輪のような被装着部品にも、本発明の止め輪組付方法は適用可能である。
本発明の第1の止め輪組付方法を説明するための止め輪組付装置の要部の断面図である。 図1装置における押圧治具の下面図である。 (A)〜(E)は図1のT−T線断面を含む各動作状態での平面図であり、(F)は被装着穴の環状溝への止め輪挿入動作を示す平面図である。 本発明の第2の止め輪組付方法を説明するための止め輪組付装置の要部の断面図である。 図4装置における挿入治具の下面図である。 (A)〜(D)は図4装置の各動作状態での断面図である。 (A)〜(D)は図4装置を使った第3の止め輪組付方法を説明するための各動作状態での断面図である。 トリポード型等速自在継手の部分断面図である。 本発明方法で組付けた止め輪組付構体の実施の形態を示すもので、図8におけるアウタローラ部分の平面図である。 (A)〜(C)は従来の止め輪組付方法を説明するためのテーパコーン型止め輪組付装置の各動作状態での断面図であり、(A’)〜(C’)は図10(A)〜(C)における止め輪の状態を示す平面図である。
符号の説明
1 トリポート部材
2 脚軸
3 インナローラ
6 外側継手部材
7 トラック溝
10 転動体
11 アウタローラ
12 被装着穴
13 環状溝
14 止め輪
14a、14b 切口部
20 止め輪
20a、20b 切口部
21 被装着部品
22 被装着穴
23 環状溝
30 軸
40 可動式縮径治具
40a〜40d 縮径治具
50 押圧治具
51 突起部
52 ローラ
60 固定式縮径治具
61 縮径テーパ面
70 挿入治具
71 段差部
g 隙間


Claims (5)

  1. 被装着部品の被装着穴の内周に形成した環状溝に、被装着穴の穴径より大きい外径で、両端部に離隔した切口部を有するC形の止め輪を嵌合させる止め輪組付方法であって、
    前記止め輪を、その外周から半径方向内方に押圧して前記両端切口部を互いにオーバラップさせて前記穴径以下に縮径させる工程と、止め輪のオーバラップした両端切口部の一方を環状溝の一部に嵌合した状態で止め輪を弾性復帰力で拡径させて、環状溝に一方の切口部から他方の切口部へと順に嵌合させる工程とを有し、前記止め輪の半径方向外方に同じ半径方向に前後移動可能に配置した複数の可動式縮径治具を順に止め輪の半径方向内方へと前進させて止め輪の外周を順に押圧することで、止め輪を一方の切口部から他方の切口部に向けて順に縮径させることを特徴とする止め輪組付方法。
  2. 前記環状溝の一部に止め輪の一方の切口部を嵌挿した状態で、止め輪を前記可動式縮径治具で縮径することを特徴とする請求項1に記載の止め輪組付方法。
  3. 前記環状溝に一方の切口部を嵌挿した止め輪を前記可動式縮径治具で縮径した後、止め輪を軸方向に押圧する押圧治具で止め輪を前記一方の切口部から他方の切口部に向けて順に押圧して、止め輪を環状溝に順に嵌合させることを特徴とする請求項2に記載の止め輪組付方法。
  4. 前記押圧治具が止め輪を軸方向に押圧しながら止め輪を転動するローラであることを特徴とする請求項3に記載の止め輪組付方法。
  5. 前記被装着部品が、その被装着穴の内周面が複数の転動体の転動面で、この転動面の軸方向両端部に環状溝を有する等速自在継手用ローラであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の止め輪組付方法。
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