JP4622329B2 - 希土類珪酸塩単結晶及び希土類珪酸塩単結晶の製造方法 - Google Patents

希土類珪酸塩単結晶及び希土類珪酸塩単結晶の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シンチレ−タ等に用いられる希土類珪酸塩単結晶及び希土類珪酸塩単結晶の製造方法に関する。
従来、シンチレータ材料として使用されるCe添加GdSiO単結晶(以下、必要に応じて「GdSiO:Ce単結晶」又は「GSO単結晶」という)等の電子機器等に用いられる単結晶を製造する方法としては、原料を加熱して得られる融液から単結晶を製造する「溶融法」が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。この方法による製造方法は、歪の残存の少ない結晶性の高い単結晶を得ることを意図した製造方法である。
特開平3−103398号公報 特開平7−187880号公報
しかしながら、GSO単結晶を上述した従来の溶融法により製造する場合、単結晶育成過程、得られた単結晶(又は単結晶インゴット)を切断する切断加工過程、又は、得られた単結晶(又は単結晶インゴット)を研磨する研磨加工過程において割れ(へき開割れ)が発生する問題があった。特にこの問題は、体積が2000cm以上又はφ90mm以上の大きな単結晶(又は単結晶インゴット)を製造することを意図した場合に顕著に発生していた。
例えば、GSO単結晶の場合には、(100)面にへき開性を有し、更に、[010]軸の方向の熱膨張係数が他の軸の方向の熱膨張係数の2〜3倍であるため、これらを原因とする結晶の割れが発生する問題があった。
また、上記の問題は、GSO単結晶以外の無機材料からなる単結晶においても同様に発生していた。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、大型化してもへき開割れの発生を十分に防止することが可能な希土類珪酸塩単結晶及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、以下の1)〜3)の応力発生が上記問題の発生に大きな影響をおよぼしていることを見出した。すなわち、1)得られる結晶を切り離す過程及び結晶を冷却する過程で発生する熱応力、2)多結晶成長による、熱膨張係数の異方性のために発生する応力、3)結晶育成中に生じる結晶内欠陥による残留応力。
そして本発明者らは、上記1)〜3)の応力の発生を考慮して更に検討を重ねた結果、シンチレータ材料などの光学材料としての希土類珪酸塩単結晶を製造する場合、通常は歪をできる限り低減した高い結晶性を有する単結晶を得るように製造条件を設定することが当業者の一般的な認識であったのにも拘わらず、光学材料として許容される範囲内で結晶性を意図的に低下させることにより、上記目的が達成可能であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、単結晶インゴットとして製造された場合に該単結晶インゴットを切り出すことにより形成可能であり、かつ、X線回折法により面指数を決定可能である結晶面を有しており、
結晶面がへき開性を有する(100)面であり、
結晶面は、平滑な複数の部分領域面から構成されており、
複数の部分領域面は、X線回折法により検出可能な面積をそれぞれ有しており、
複数の部分領域面の法線ベクトル同士のなす角θが下記式(1)で表される条件を満たしていること、
を特徴とする希土類珪酸塩単結晶を提供する。
0.1°≦θ≦2.0° ・・・(1)
式(1)に示す条件を満たす範囲であれば、シンチレータ材料などの光学材料として十分に使用可能な結晶性を保つことができ、更には、製造過程において先に述べた1)〜3)の応力が発生しても、へき開割れの発生を十分に防止することが可能となる。
より詳細には、平滑な複数の部分領域面のそれぞれの法線ベクトル同士のなす角θが5°以下であれば実質的にシンチレータ材料などの光学材料として十分に使用可能な単結晶を得ることができる。
そして、更に、式(1)に示す条件を満たす範囲であれば、その単結晶のへき開面方位がそろっていない、単結晶を得ることができる。このようなへき開面{例えば、先に述べたGSO単結晶であれば(100)面}の面方位がそろっていない単結晶、すなわち、式(1)の条件を満たす単結晶を製造することにより、製造過程における割れ(へき開割れ)の発生を十分に防止することが可能となる。
ここで、結晶面の複数の部分領域面の法線ベクトル同士のなす角θが式(1)で表される条件を満たしていることで、製造過程において先に述べた1)〜3)の応力が発生しても、へき開割れの発生を十分に防止することが可能となる詳細なメカニズムについては、明確に解明されていないが、本発明者らは、以下のように推察している。
すなわち、先にも述べたように、単結晶の場合、単結晶の切断加工、研磨加工、或いは、結晶表面を高温のエッチング液によりエッチング処理するなどの製造工程において、上記加工或いは上記処理により得られる結晶表面に、該加工或いは該処理によって発生する歪により微小なクラックが発生したときに、その微小なクラックがもとになって加工或いは処理後の単結晶全体にクラックが発生・進展(展開)し易くなると考えられる。これは、単結晶の場合、その構成原子が規則正しく並んでいるため、クラックの進展(展開)が停止されにくいのが原因であると考えられる。また、このようなクラックの進展(展開)は特にへき開面において顕著に起こる。
しかし、本発明の希土類珪酸塩単結晶では、式(1)で表される条件を満たすように、単結晶の構成原子の並びに乱れを起すことができているため、製造工程により得られる結晶表面に、上述の歪により微小なクラックが発生しても、その微小なクラックがもとになって加工或いは処理後の単結晶全体にクラックが発生・進展(展開)することが、この構成原子の並びの適度な乱れのために十分に抑制されていると考えられる。
すなわち、0.1°≦θとすることにより、クラックの発生・進展(展開)を十分に抑制可能な構成原子の並びの適度な乱れを結晶中に形成できていると考えられる。特に、本発明においては、クラックの発生・進展(展開)の起きやすいへき開面の複数の部分領域面の法線ベクトル同士のなす角θが式(1)で表される条件を満たしているようにすることにより、先に述べたクラックの発生・進展(展開)が十分に抑制されるようになっていると考えられる。
ここで、上記θが0.1°未満となると、先に述べたクラックの発生・進展(展開)を十分に抑制可能な構成原子の並びの適度な乱れを結晶中に形成できず、先に述べた本発明の効果を得ることができなくなる。
また、上記式(1)中のθが2.0°を超える場合、製造工程における加熱処理後に室温(25℃)まで冷却されることにより得られる単結晶には大きな歪が残留していることになり、その後の切断、研磨、又はエッチングなどの加工中に、上記歪を開放するような割れの発生を十分に防止することが困難となり、先に述べた本発明の効果を得ることができなくなる。特に、GSO単結晶の場合には、例えば、600℃の温度領域においては、[100]軸の方向の熱膨張係数が約5×10−6/℃、[010]軸の方向の熱膨張係数が約16×10−6/℃、[001]軸の方向の熱膨張係数が約7×10−6/℃であり、熱膨張係数の違いが結晶方位により約2倍〜約3倍あるため、特に上記歪を開放するような割れの発生を十分に防止することが困難となり、先に述べた本発明の効果を得ることができなくなる。
すなわち、本発明の希土類珪酸塩単結晶は、結晶面が、平滑な複数の部分領域面から形成された構造(結晶性を従来のものよりも意図的に低減したもの)を有しており、更に複数の部分領域面が上述の式(1)に示す条件を満たすように調節されているので、大型化してもへき開割れの発生を十分に防止することが可能となる。
例えば、本発明の希土類珪酸塩単結晶は、式(1)に示す条件を満たすように調節して製造することにより、体積が2000cm以上又はφ90mm以上の大きな単結晶(又は単結晶インゴット)として製造することができる。
なお、本発明において、「希土類珪酸塩」を構成する「希土類元素に属する元素」とは、3族元素のうち、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Tb、Ho、Er、Tm、Lu、Sm、Eu、Dy、Pm及びYbを示す。
また、本発明は、溶融法に基づき原料を溶融状態とした溶融液を得る溶融工程と、
溶融液を冷却固化させることにより、単結晶インゴットを得る冷却固化工程と、
冷却工程を経て得られる単結晶インゴットを所望の形状及び大きさに切り出す切断工程と、
を少なくとも有しており、
切断工程を経て得られる切断後の単結晶の切断面が、X線回折法により面指数を決定可能である結晶面であり、結晶面がへき開性を有する(100)面であり、上記結晶面が平滑な複数の部分領域面から構成されており、かつ、複数の部分領域面の法線ベクトル同士のなす角θが下記一般式(1)で表される条件を満たすように、溶融工程における溶融液の化学組成条件及び溶融条件、並びに、冷却固化工程における冷却条件を少なくとも調節すること、
を特徴とする希土類珪酸塩単結晶の製造方法を提供する。
本発明者らは、詳細なメカニズムについては明確に解明されていないが、単結晶を切断加工又は研磨加工する等の製造過程において、上記の割れ(へき開割れ)が発生するのは、その単結晶のへき開面方位がそろっていることが大きな原因の一つであると考えている。実際に、単結晶のへき開面{例えば、先に述べたGSO単結晶であれば(100)面}の面方位がそろっていない単結晶、すなわち、式(1)の条件を満たす単結晶を製造することにより、製造過程における割れ(へき開割れ)の発生を十分に防止することが可能となる。
すなわち、上述の式(1)の条件を満たすように、溶融工程における溶融液の化学組成条件及び溶融条件、並びに、冷却固化工程における冷却条件を少なくとも調節することにより、製造過程において先に述べた1)〜3)の応力が発生しても、へき開割れの発生を十分に防止することが可能な、希土類珪酸塩単結晶をより確実に形成することができる。
そのため、本発明の希土類珪酸塩単結晶の製造方法によれば、先に述べた本発明の希土類珪酸塩単結晶を容易かつ確実に形成することができる。
更に、本発明は、溶融法に基づき原料を溶融状態とした溶融液を得る溶融工程と、
溶融液を冷却固化させることにより、単結晶インゴットを得る冷却固化工程と、
冷却固化工程を経て得られる単結晶インゴットを所望の形状及び大きさに切り出す切断工程と、
切断工程を経て得られる切断後の単結晶インゴットのうち、切断面が、X線回折法により面指数を決定可能である結晶面であり、結晶面がへき開性を有する(100)面であり、上記結晶面が平滑な複数の部分領域面から構成されており、かつ、複数の部分領域面の法線ベクトル同士のなす角θが下記一般式(1)で表される条件を満たすものを選択し、該条件を満たさないものを排除する選択工程と、を少なくとも有すること、
を特徴とする希土類珪酸塩単結晶の製造方法を提供する。
0.1°≦θ≦2.0° ・・・(1)
この場合の希土類珪酸塩単結晶の製造方法によっても、先に述べた本発明の希土類珪酸塩単結晶を容易かつ確実に形成することができる。

本発明によれば、大型化してもへき開割れの発生を十分に防止することが可能な希土類珪酸塩単結晶及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の希土類珪酸塩単結晶及び希土類珪酸塩単結晶の製造方法の実施の形態について詳細に説明する。先ず、本発明の希土類珪酸塩単結晶の好適な一実施形態について説明する。
図1は本発明の希土類珪酸塩単結晶の好適な一実施形態(特にGSO単結晶)を概略的に示す斜視図である。また、図2(a)は図1に示した希土類珪酸塩単結晶1の結晶面(へき開面)の一部を図1に示したZ軸(例えば、GSO単結晶であれば[001]軸)の方向からみた場合の模式断面図である。更に、図2(b)は、(a)に示した部分領域面f100Aの法線ベクトルf100aと部分領域面f100Bの法線ベクトルf100bとのなす角θを示す説明図である。
例えば、図1に示す希土類珪酸塩単結晶1(以下、「単結晶1」という)がGSO単結晶である場合、結晶面(へき開面)は、(100)面となる。更にこの場合には、図1に示すX軸はGSO単結晶の[100]軸、Y軸はGSO単結晶の[010]軸、Z軸はGSO単結晶の[001]軸となる。
図1に示す単結晶1は、後述する本発明の製造方法により好適に形成されるものである。図1に示す単結晶1は、単結晶インゴットとして製造された場合に該単結晶インゴットを切り出すことにより形成可能であり、かつ、X線回折法により面指数を決定可能である結晶面F100を有している。そして、この結晶面F100は、平滑な複数の部分領域面から構成されている。例えば、図2に示す部分領域面f100A及び部分領域面f100Bである。ここで、本発明において、「結晶面」(例えば、結晶面F100)とは、XRD分析により検知可能な結晶面をいう。
また、本発明において、「平滑な複数の部分領域面」とは、XRD分析により検知可能な大きさの面積(0.1〜2.0cm)を有する面であって、XRD分析により実質的に「平滑である」と評価することができる面を示す。
そして、結晶面F100を構成する複数の部分領域面(図2に示す部分領域面f100A及び部分領域面f100Bなど)は、X線回折法により検出可能な面積をそれぞれ有している。更に、図2に、部分領域面f100A及び部分領域面f100Bを用いて例示するように、結晶面F100を構成する複数の部分領域面は、それぞれの法線ベクトル同士のなす角θが下記式(1)で表される条件を満たしている。なお、このθもXRD分析により測定される値である。
0.1°≦θ≦2.0° ・・・(1)
単結晶1は、結晶面F100が、平滑な複数の部分領域面から形成された構造(結晶性を従来のものよりも意図的に低減したもの)を有しており、更に複数の部分領域面(図2に示す部分領域面f100A及び部分領域面f100Bなど)が上述の式(1)に示す条件を満たすように調節されているので、大型化してもへき開割れの発生を十分に防止することが可能となる。
ここで、上記θが0.1°未満となると、先に述べたクラックの発生・進展(展開)を十分に抑制可能な構成原子の並びの適度な乱れを結晶中に形成できず、先に述べた本発明の効果を得ることができなくなる。
また、上記式(1)中のθが2.0°を超える場合、製造工程における加熱処理後に室温(25℃)まで冷却されることにより得られる単結晶には大きな歪が残留していることになり、その後の切断、研磨、又はエッチングなどの加工中に、上記歪を開放するような割れの発生を十分に防止することが困難となり、先に述べた本発明の効果を得ることができなくなる。特に、GSO単結晶の場合には、例えば、600℃の温度領域においては、[100]軸の方向の熱膨張係数が約5×10−6/℃、[010]軸の方向の熱膨張係数が約16×10−6/℃、[001]軸の方向の熱膨張係数が約7×10−6/℃であり、熱膨張係数の違いが結晶方位により約2倍〜約3倍あるため、特に上記歪を開放するような割れの発生を十分に防止することが困難となり、先に述べた本発明の効果を得ることができなくなる。
ここで、単結晶1は、空間群P2/cの単斜晶に属することが好ましい。このような単結晶1は本発明の効果をより容易に得ることができる。このような単結晶1としてはGSO単結晶が挙げられる。
また、単結晶1は、結晶面F100が(100)面であり、該(100)面にへき開性を有していることが好ましい。このような単結晶1は本発明の効果をより容易に得ることができる。このような単結晶1としてはGSO単結晶が挙げられる。
更に、単結晶1は、下記一般式(2)で表される化学組成を有しており、かつ、下記式(3)〜(5)で表される条件を同時に満たしていることが好ましい。このような単結晶1は本発明の効果をより容易に得ることができる。
Ln2xSi(3x+2y):A ・・・(2)
0.9≦x≦1.1 ・・・(3)
0.9≦y≦2.1 ・・・(4)
4.5≦(3x+2y)≦7.5 ・・・(5)
ここで、式(2)〜(5)中、Ln2xSi(3x+2y)は母体材料の化学組成を示し、Lnは希土類元素に属する元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を示す。また、Aは前記母体材料中にドープされているドーパントの構成元素であって、Ce、Eu、Tb及びYbからなる群より選択される少なくとも1種の元素を示す。更に、x及びyはそれぞれ前記式(3)〜(5)で表される条件を同時に満たす数値を示す。
また、式(2)〜(5)の条件を満たす場合、単結晶1は、下記一般式(I)で表される化学組成を有していることが好ましい。このような単結晶1(GSO単結晶)は本発明の効果をより容易に得ることができる。
GdSiO:Ce ・・・(I)
更に、単結晶1は、下記一般式(6)で表される化学組成を有しており、かつ、下記式(7)〜(9)で表される条件を同時に満たしているものであってもよい。このように、ドーパントを含まない単結晶であっても本発明の効果を容易に得ることができる。
Ln2xSi(3x+2y) ・・・(6)
0.9≦x≦1.1 ・・・(7)
0.9≦y≦2.1 ・・・(8)
4.5≦(3x+2y)≦7.5 ・・・(9)
ここで、式(6)〜(9)中、Ln2xSi(3x+2y)は母体材料の化学組成を示し、Lnは希土類元素に属する元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を示し、x及びyはそれぞれ前記式(7)〜(9)で表される条件を同時に満たす数値を示す。
また、式(6)〜(9)の条件を満たす場合、単結晶1は、下記一般式(II)で表される化学組成を有していることが好ましい。このような単結晶1は本発明の効果をより容易に得ることができる。
GdSiO ・・・(II)
次に、本発明の希土類珪酸塩単結晶の好適な一実施形態について説明する。
本発明の希土類珪酸塩単結晶の製造方法は、溶融法に基づき原料を溶融状態とした溶融液を得る溶融工程と、溶融液を冷却固化させることにより、単結晶インゴットを得る冷却固化工程と、冷却固化工程を経て得られる単結晶インゴットを所望の形状及び大きさに切り出す切断工程と、を少なくとも有する。
そして、本発明の希土類珪酸塩単結晶の製造方法では、切断工程を経て得られる切断後の単結晶1の切断面が、X線回折法により面指数を決定可能である結晶面F100であり、該結晶面F100が平滑な複数の部分領域面(例えば、図2に示す部分領域面f100A及び部分領域面f100B)から構成されており、かつ、複数の部分領域面の法線ベクトル同士のなす角θが下記一般式(1)で表される条件を満たすように、溶融工程における溶融液の化学組成条件及び溶融条件、並びに、冷却固化工程における冷却条件を少なくとも調節する。この方法により上述の単結晶1を容易かつ確実に得ることができる。
0.1°≦θ≦2.0° ・・・(1)
本発明の効果をより確実に得る観点から、溶融法がチョクラルスキー法であることが好ましい。この場合、図3に示す構成を有する引き上げ装置10を用いて溶融工程及び前記冷却固化工程における作業を行なうことが好ましい。
図3は本発明の製造方法の好適な一実施形態で使用される引き上げ装置の基本構成の一例を示す模式断面図である。
図3に示す引き上げ装置10は、高周波誘導加熱炉(2ゾーン加熱育成炉)14を有している。この高周波誘導加熱炉14は先に述べた溶融工程及び冷却固化工程における作業を連続的に行うためのものである。
この高周波誘導加熱炉14は耐火性を有する側壁が筒状の有底容器であり、有底容器の形状自体は公知のチョクラルスキー法に基づく単結晶製造に使用されるものと同様である。この高周波誘導加熱炉14の底部の該側面には高周波誘導コイル15が巻回されている。そして、高周波誘導加熱炉14の内部の底面上には、るつぼ17(例えば、Ir製のるつぼ)が配置されている。このるつぼ17は、高周波誘導加熱ヒータを兼ねている。そして、るつぼ17中に、単結晶1の構成材料を投入し、高周波誘導コイル15に高周波誘導をかけると、るつぼ17が加熱され、単結晶1の構成材料からなる溶融液18(融液)が得られる。
また、高周波誘導加熱炉14の溶融液18に接触しない上部内壁面には、ヒータ13(抵抗加熱ヒータ)が更に配置されている。このヒータはその加熱出力を高周波誘導コイル15に対して独立に制御することが可能となっている。
また、高周波誘導加熱炉14の底部中央には、高周波誘導加熱炉14の内部から外部へ貫通する開口部(図示せず)が設けられている。そして、この開口部を通じて、高周波誘導加熱炉14の外部からるつぼ支持棒16が挿入されており、るつぼ支持棒16の先端はるつぼ17の底部に接続されている。このるつぼ支持棒16を回転させることにより、高周波誘導加熱炉14中において、るつぼ17を回転させることができる。開口部とるつぼ支持棒16との間には、パッキンなどによりシールされている。
次に、引き上げ装置10を用いたより具体的な製造方法について説明する。
先ず、溶融工程では、るつぼ17中に、単結晶1の構成材料を投入し、高周波誘導コイル15に高周波誘導をかけることにより、単結晶1の構成材料からなる溶融液18(融液)を得る。
次に、冷却固化工程において溶融液を冷却固化させることにより、円柱状の単結晶インゴット1Aを得る。より具体的には、後述する育成工程と、冷却工程の2つの工程に分けて作業が進行する。
先ず、育成工程では、高周波誘導加熱炉14の上部から、種子結晶2を下部先端に固定した引き上げ棒12を溶融液18中に投入し、次いで、引き上げ棒12を引き上げながら、円柱状の単結晶インゴット1Aを形成する。このとき、育成工程では、ヒータ13の加熱出力を調節し、溶融液18から引き上げられる円柱状の単結晶インゴット1Aを、その断面が直径D[mm]となるまで育成する。
次に、冷却工程ではヒータの加熱出力を調節し、前記育成工程後に得られる育成後の単結晶インゴット(図示せず)を冷却する。
ここで、式(1)で表される条件を満たす単結晶1をより確実に製造する観点から、冷却工程では、冷却固化工程における冷却条件が下記式(10)及び下記式(11)で表される条件を同時に満たすようにヒータ13の加熱出力を調節することが好ましい。
0.25D≦A≦0.35D・・・(10)
B≧0.4D・・・(11)
なお、式(10)及び式(11)中、Aは、育成工程の終了時におけるヒータの加熱出力の大きさを100%とし、後段の冷却工程において加熱出力の大きさを100%から50%に低下させるまでの冷却時間[h]を示し、Bは、加熱出力の大きさを50%から0%にするまでの冷却時間[h]を示す。
本発明者らは、式(10)及び式(11)の条件を同時に満たすようにヒータ13の加熱出力(kW)を調節することにより、クラックの発生をより確実に防止できることを見出した。一方、単結晶を育成工程で育成した後、冷却工程において急激に冷却しても該単結晶に熱歪を発生させることができるが、この場合、単結晶1(例えば、GDO単結晶)にクラックが発生しやすくなる傾向が大きくなる。このクラックの発生は短時間で冷却するほど発生しやすくなる傾向にある。
また、単結晶1(例えば、GDO単結晶)のクラックの発生を十分に防止する観点から、溶融工程及び冷却固化工程の作業中に、高周波誘導加熱炉14内の気相を、下記式(12)で表される条件を満たす不活性ガスを主成分とする混合ガスで満たしておくことが好ましい。
0%<100×{G/(E+G)}≦2.0%・・・(12)
式(12)中、Eは混合ガス中の不活性ガスの分圧を示し、Gは混合ガス中の酸素ガスの分圧を示す。なお、本発明において、「不活性ガス」とは、希ガス及び窒素ガスを示す。
{G/(E+G)}の値が0%となると、単結晶1に熱エッチングによるマイクロクラックが発生する傾向が大きくなる。また、{G/(E+G)}の値が2.0%を超えると、結晶に着色が発生し、シンチレータ性能が低下する傾向が大きくなる。なお、{G/(E+G)}の値が4.0%を超えると、るつぼの構成材料にIrを使用した場合には、この構成材料の蒸発が激しく進行するようになり、結晶の育成が困難になる。
次に、切断工程において、単結晶インゴット1Aを所望の形状及び大きさに切り出し、単結晶1を得る。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、先に述べた本発明の製造方法の実施形態の切断工程の後の製造工程を以下のように行ってもよい。すなわち、切断工程を経て得られる切断後の単結晶インゴットのうち、「切断面が、X線回折法により面指数を決定可能である結晶面であり、該結晶面が平滑な複数の部分領域面から構成されており、かつ、複数の部分領域面の法線ベクトル同士のなす角θが下記一般式(1)で表される条件を満たすもの」を選択し、該条件を満たさないものを排除する選択工程を設けてもよい。
0.1°≦θ≦2.0° ・・・(1)
以下、本発明の好適な実施例について更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、図4は後述する実施例1の希土類珪酸塩単結晶について得られたX線回折パターンを示すグラフである。また、図5は後述する比較例1の希土類珪酸塩単結晶について得られたX線回折パターンを示すグラフである。
(実施例1)
直径180mm、高さ180mm、厚み3mmのIr製るつぼの中に、Gd23を20489.1g、CeO2を97.8g、SiO2を3413.1g投入し、これらの混合物(24,000g)を得た。次に、高周波誘導加熱炉で1950℃以上に加熱し融解してCe0.01Gd1.99SiO5からなる溶融液を得た。
次に、種子結晶を先端に固定した引き上げ棒の当該先端を溶融液中に入れ種付けを行った。次に、引上げ速度1〜3mm/hの速度でネック径8mmの単結晶インゴットを引上げてネック部を形成した。その後、コーン部(直胴部)の引上げを行い、直径(D)が105mmになった時点より、直胴部の引き上げを開始した。直胴部を育成した後、単結晶インゴットを融液から切り離し、冷却を開始した。
このとき、先に述べた式(10)及び式(11)の条件を同時に満たすように、冷却時間A=30時間、冷却時間B=50時間とした。冷却終了後、得られた単結晶を取り出した。得られた単結晶インゴットは、結晶質量19.6kg、コーン部の長さ70mm、直胴部の長さ290mm、直胴部の直径(D)が108mmであった。
内周刃切断機を用い、得られた単結晶インゴットを20mm間隔で輪切り切断した。内周刃切断機の刃は、#325〜400の天然ダイヤモンドを電着したものを用いた。輪切り切断後、マルチバンドソーを用い、得られる単結晶を輪切り切断面と垂直方向に6mmピッチで切断し、さらにそれら切断面と垂直方向に4mmピッチで切断し、4×6×20mmの製品(単結晶)を切り出した。マルチバンドソーの切断砥粒は#500のSiCスラリーを用いた。切断された4×6×20mmの製品を検査したところ、へき開割れの発生した製品は5%であり、歩留りは95%であった。
次に、切断された製品の(100)面のX線による反射を測定した(XRD分析を行なった。)。XRD分析は、リガク社製のX線回折装置(商品名:「RAD」)を用いた。そして、2θ=30.8°に固定し、θを10度から20度までスキャンし、(300)面の反射を測定した。なお、このX線回折装置のX線照射範囲は5〜10mm×5〜10mmである。その測定結果を図1に示す。X線反射のピークは13.625度と14.180度に2つ確認された。したがって、製造された単結晶は、(100)面に、式(1)の条件を満たすθ=0.555°の2つの部分領域面を有する単結晶であることが確認された。
(比較例1)
先ず、実施例1と同様の手順及び条件で、Ce0.01Gd1.99SiO5からなる溶融液を得た。次に、種子結晶を先端に固定した引き上げ棒の当該先端を溶融液中に入れ種付けを行った。次に、引上げ速度1〜3mm/hの速度でネック径8mmの単結晶インゴットを引上げてネック部を形成した。その後、コーン部(直胴部)の引上げを行い、直径(D)が105mmになった時点より、直胴部の引き上げを開始した。直胴部を育成した後、単結晶インゴットを融液から切り離し、冷却を開始した。
このとき、冷却時間A=50時間、冷却時間B=50時間とした。冷却終了後、得られた単結晶を取り出した。得られた単結晶は、結晶質量18.9kg、コーン部の長さ70mm、直胴部の長さ280mm、直胴部の直径(D)が108mmであった。
次に、内周刃切断機を用い、得られた単結晶を20mm間隔で輪切り切断した。内周刃切断機の刃は、#325〜400の天然ダイヤモンドを電着したものを用いた。輪切り切断後、マルチバンドソーを用い、得られる単結晶を輪切り切断面と垂直方向に6mmピッチで切断し、さらにそれら切断面と垂直方向に4mmピッチで切断し、4×6×20mmの製品(単結晶)を切り出した。マルチバンドソーの切断砥粒は#500のSiCスラリーを用いた。切断された4×6×20mmの製品を検査したところ、へき開割れの発生した製品は37%であり、歩留りは63%であった。
次に、切断された製品の(100)面のX線による反射を測定した(XRD分析を行なった。)。XRD分析は、リガク社製のX線回折装置(商品名:「RAD」)を用いた。そして、2θ=30.8°に固定し、θを10度から20度までスキャンし、(300)面の反射を測定した。なお、このX線回折装置のX線照射範囲は5〜10mm×5〜10mmである。測定結果を図2に示す。X線反射のピークは12.470度の1つのみ確認された。したがって、製造された単結晶は、(100)面に、式(1)の条件を満たす2つの部分領域面を有しない単結晶であることが確認された。
本発明の希土類珪酸塩単結晶は、シンチレータ材料などの光学材料として利用することができる。
本発明の希土類珪酸塩単結晶の好適な一実施形態を概略的に示す斜視図である。 (a)は図1に示した希土類珪酸塩単結晶の結晶面(へき開面)の一部を図1に示したZ軸の方向からみた場合の模式断面図であり、(b)は、(a)に示した部分領域面f100Aの法線ベクトルf100aと部分領域面f100Bの法線ベクトルf100bとのなす角θを示す説明図である。 本発明の製造方法の好適な一実施形態で使用される引き上げ装置の基本構成の一例を示す模式断面図である。 実施例1の希土類珪酸塩単結晶について得られたX線回折パターンを示すグラフである。 比較例1の希土類珪酸塩単結晶について得られたX線回折パターンを示すグラフである。
符号の説明
1・・・単結晶(希土類珪酸塩単結晶)、2・・・種子結晶、10・・・引き上げ装置、12・・・引き上げ棒、13・・・抵抗加熱ヒータ、14・・・高周波誘導加熱炉(2ゾーン加熱育成炉)、15・・・高周波誘導コイル、16・・・るつぼ支持棒、17・・・るつぼ、18・・・溶融液(融液)、F100・・・結晶面(へき開面)、f100A・・・部分領域面、f100a・・・部分領域面f100Aの法線ベクトルf100a、f100B・・・部分領域面、f100b・・・部分領域面f100Bの法線ベクトルf100b。

Claims (16)

  1. 単結晶インゴットとして製造された場合に該単結晶インゴットを切り出すことにより形成可能であり、かつ、X線回折法により面指数を決定可能である結晶面を有しており、
    前記結晶面がへき開性を有する(100)面であり、
    前記結晶面は、平滑な複数の部分領域面から構成されており、
    前記複数の部分領域面は、X線回折法により検出可能な面積をそれぞれ有しており、
    前記複数の部分領域面の法線ベクトル同士のなす角θが下記式(1)で表される条件を満たしていること、
    を特徴とする希土類珪酸塩単結晶。
    0.1°≦θ≦2.0° ・・・(1)
  2. 空間群P2/cの単斜晶に属すること、を特徴とする請求項1に記載の希土類珪酸塩単結晶。
  3. 下記一般式(2)で表される化学組成を有しており、かつ、下記式(3)〜(5)で表される条件を同時に満たしていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の希土類珪酸塩単結晶。
    Ln2xSi(3x+2y):A ・・・(2)
    0.9≦x≦1.1 ・・・(3)
    0.9≦y≦2.1 ・・・(4)
    4.5≦(3x+2y)≦7.5 ・・・(5)
    [式(2)〜(5)中、Ln2xSi(3x+2y)は母体材料の化学組成を示し、Lnは希土類元素に属する元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を示し、Aは前記母体材料中にドープされているドーパントの構成元素であって、Ce、Eu、Tb及びYbからなる群より選択される少なくとも1種の元素を示し、x及びyはそれぞれ前記式(3)〜(5)で表される条件を同時に満たす数値を示す。]
  4. 下記一般式(I)で表される化学組成を有していること、を特徴とする請求項に記載の希土類珪酸塩単結晶。
    GdSiO:Ce ・・・(I)
  5. 下記一般式(6)で表される化学組成を有しており、かつ、下記式(7)〜(9)で表される条件を同時に満たしていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の希土類珪酸塩単結晶。
    Ln2xSi(3x+2y) ・・・(6)
    0.9≦x≦1.1 ・・・(7)
    0.9≦y≦2.1 ・・・(8)
    4.5≦(3x+2y)≦7.5 ・・・(9)
    [式(6)〜(9)中、Ln2xSi(3x+2y)は母体材料の化学組成を示し、Lnは希土類元素に属する元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を示し、x及びyはそれぞれ前記式(7)〜(9)で表される条件を同時に満たす数値を示す。]
  6. 下記一般式(II)で表される化学組成を有していること、を特徴とする請求項に記載の希土類珪酸塩単結晶。
    GdSiO ・・・(II)
  7. 溶融法に基づき原料を溶融状態とした溶融液を得る溶融工程と、
    前記溶融液を冷却固化させることにより、単結晶インゴットを得る冷却固化工程と、
    前記冷却固化工程を経て得られる前記単結晶インゴットを所望の形状及び大きさに切り出す切断工程と、
    を少なくとも有しており、
    前記切断工程を経て得られる切断後の前記単結晶インゴットの切断面が、X線回折法により面指数を決定可能である結晶面であり、前記結晶面がへき開性を有する(100)面であり、前記結晶面が平滑な複数の部分領域面から構成されており、かつ、前記複数の部分領域面の法線ベクトル同士のなす角θが下記一般式(1)で表される条件を満たすように、前記溶融工程における溶融液の化学組成条件及び溶融条件、並びに、前記冷却固化工程における冷却条件を少なくとも調節すること、
    を特徴とする希土類珪酸塩単結晶の製造方法。
    0.1°≦θ≦2.0° ・・・(1)
  8. 溶融法に基づき原料を溶融状態とした溶融液を得る溶融工程と、
    前記溶融液を冷却固化させることにより、単結晶インゴットを得る冷却固化工程と、
    前記冷却固化工程を経て得られる前記単結晶インゴットを所望の形状及び大きさに切り出す切断工程と、
    前記切断工程を経て得られる切断後の前記単結晶インゴットのうち、切断面が、X線回折法により面指数を決定可能である結晶面であり、前記結晶面がへき開性を有する(100)面であり、前記結晶面が平滑な複数の部分領域面から構成されており、かつ、前記複数の部分領域面の法線ベクトル同士のなす角θが下記一般式(1)で表される条件を満たすものを選択し、該条件を満たさないものを排除する選択工程と、
    を少なくとも有すること、
    を特徴とする希土類珪酸塩単結晶の製造方法。
    0.1°≦θ≦2.0° ・・・(1)
  9. 前記溶融法がチョクラルスキー法であり、
    前記溶融工程及び前記冷却固化工程における作業を、高周波誘導コイルを用いた加熱処理により前記溶融液を得る高周波誘導加熱炉を有する引き上げ装置を用いて行い、かつ、
    前記高周波誘導加熱炉の前記溶融液に接触しない上部内壁面には、前記溶融液から引き上げられる円柱状の単結晶インゴットを加熱することが可能なヒータが更に配置されており、
    前記ヒータの加熱出力を前記高周波誘導コイルに対して独立に制御すること、
    を特徴とする請求項7又は8に記載の希土類珪酸塩単結晶の製造方法。
  10. 前記チョクラルスキー法に基づく前記冷却固化工程は、
    前記ヒータの加熱出力を調節し、前記溶融液から引き上げられる円柱状の単結晶インゴットを、その断面が直径D[mm]となるまで育成する育成工程と、
    前記ヒータの加熱出力を調節し、前記育成工程後に得られる育成後の単結晶インゴットを冷却する冷却工程と、
    を有しており、
    前記冷却固化工程における冷却条件が下記式(10)及び下記式(11)で表される条件を同時に満たすように前記ヒータの加熱出力を調節すること、
    を特徴とする請求項に記載の希土類珪酸塩単結晶の製造方法。
    0.25D≦A≦0.35D・・・(10)
    B≧0.4D・・・(11)
    [式(10)及び式(11)中、Aは、前記育成工程の終了時における前記ヒータの加熱出力の大きさを100%とし、後段の前記冷却工程において加熱出力の大きさを100%から50%に低下させるまでの冷却時間を示し、Bは、加熱出力の大きさを50%から0%にするまでの冷却時間を示す。]
  11. 前記溶融工程及び前記冷却固化工程の作業中に、前記高周波誘導加熱炉内を、下記式(12)で表される条件を満たす不活性ガスを主成分とする混合ガスで満たしておくこと、
    を特徴とする請求項9又は10に記載の希土類珪酸塩単結晶の製造方法。
    0%<100×{G/(E+G)}≦2.0%・・・(12)
    [式(12)中、Eは前記混合ガス中の不活性ガスの分圧を示し、Gは前記混合ガス中の酸素ガスの分圧を示す。]
  12. 得られる単結晶が、空間群P2/cの単斜晶に属すること、を特徴とする請求項7〜11のうちの何れか1項に記載の希土類珪酸塩単結晶の製造方法。
  13. 得られる単結晶が下記一般式(2)で表される化学組成を有しており、かつ、下記式(3)〜(5)で表される条件を同時に満たしていること、を特徴とする請求項7〜12のうちの何れか1項に記載の希土類珪酸塩単結晶の製造方法。
    Ln2xSi(3x+2y):A ・・・(2)
    0.9≦x≦1.1 ・・・(3)
    0.9≦y≦2.1 ・・・(4)
    4.5≦(3x+2y)≦7.5 ・・・(5)
    [式(2)〜(5)中、Ln2xSi(3x+2y)は母体材料の化学組成を示し、Lnは希土類元素に属する元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を示し、Aは前記母体材料中にドープされているドーパントの構成元素であって、Ce、Eu、Tb及びYbからなる群より選択される少なくとも1種の元素を示し、x及びyはそれぞれ前記式(3)〜(5)で表される条件を同時に満たす数値を示す。]
  14. 得られる単結晶が下記一般式(I)で表される化学組成を有していること、を特徴とする請求項13に記載の希土類珪酸塩単結晶の製造方法。
    GdSiO:Ce ・・・(I)
  15. 得られる単結晶が下記一般式(6)で表される化学組成を有しており、かつ、下記式(7)〜(9)で表される条件を同時に満たしていること、を特徴とする請求項7〜12のうちの何れか1項に記載の希土類珪酸塩単結晶の製造方法。
    Ln2xSi(3x+2y) ・・・(6)
    0.9≦x≦1.1 ・・・(7)
    0.9≦y≦2.1 ・・・(8)
    4.5≦(3x+2y)≦7.5 ・・・(9)
    [式(6)〜(9)中、Ln2xSi(3x+2y)は母体材料の化学組成を示し、Lnは希土類元素に属する元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を示し、x及びyはそれぞれ前記式(7)〜(9)で表される条件を同時に満たす数値を示す。]
  16. 得られる単結晶が下記一般式(II)で表される化学組成を有していること、を特徴とする請求項15に記載の希土類珪酸塩単結晶の製造方法。
    GdSiO ・・・(II)
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