JP4621947B2 - 発泡体及び発泡体層を有する成形品の製造方法並びに製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原料の損失を最小限に抑えることができ、且つ発泡体及び発泡体層を有する成形品を効率よく製造することができる発泡体及び発泡体層を有する成形品の製造方法、並びにそれに用いる製造装置に関する。本発明の製造方法及び製造装置によれば、発泡体のボイド、ピンホール等の発生を抑えることができ、各種のローラ、或いはパッキン、シール材などに用いられる発泡体を製造することができる。ローラとしては、特に、複写機、ファクシミリ、プリンタ等に組み込まれているトナー供給ローラ、転写ローラ、クリーニングローラ、圧縮変形させて用いるカール取りローラ等が挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
メカニカルフロス法は、原則として水又は発泡剤を配合せず、発泡体原料に予め不活性ガスを混入させ、機械的に攪拌することにより発泡体を形成する成形法である。この方法によれば、例えば、ポリウレタン発泡体の場合、ポリウレタンスラブフォームなどのように、硬化時の反応熱による発泡剤の物理的な膨張、或いは水とポリイソシアネートとの反応による二酸化炭素の発生、によりセルが鉛直方向へ成長するといったことがなく、セルの異方性がない。そのため、ローラ、パッキン及びシール材など、多くの用途において使用されており、特に、ローラのように他の部材に当接され、使用される場合は、その周面における押圧力が一定になるという利点もある。
【0003】
このメカニカルフロス法では、従来より、一対の割型を閉型することにより、製品に近似の形状のキャビティが形成される成形型が用いられており、型を開いた状態で原料である混合液を注入し、型締めした後、加熱し、混合液を硬化させ、次いで、脱型することにより発泡体が形成されている。原料の注入時に発生するエア溜り等はキャビティから型外面へと貫通する細孔、所謂、ベントホールから排出される。
【0004】
また、長尺の成形品を製造する場合は、長手方向を上下方向とする縦長のキャビティを有する成形型が使用されており、図10のように、原料注入部bをキャビティaの底部、即ち、型の下方に設けるとともに、ガスを排出するためのベントホールcはキャビティの上部、即ち、型の上方に設けられている。この成形型では、原料を十分に充填するため、閉型した状態で原料が供給されるが、それでもボイド、ピンホール等の原因となる空気等がキャビティの上部に溜まっていくのを十分に抑えることはできない。そのため、ベントホールから空気等を原料とともに排出させているが、その場合、バリの形成が避けられない。
【0005】
一方、原料を供給した後のノズルdは、原料注入部から取り外し、直ちに成形型をキャビティの長手方向が水平方向となるようにし、原料注入部からの原料の漏れを防止するとともに、ベントホールが上方を向くようにした後、加熱、硬化が行われている。これはノズルを原料注入部から取り外さないと、原料注入部内において原料が硬化してしまい、その後の原料の供給ができなくなるためである。しかし、その結果として、ノズルの脱着にともなう原料垂れ、ベントホールにおけるバリの形成等のため、成形品に要する所要量を越える過剰の原料を供給することになり、これが生産コスト上昇の一因になっている。
【0006】
更に、ノズルの脱着にともなう原料垂れ等による原料の損失を少しでも低減するため、従来より、図11に示すように、1個の原料注入口eから複数のキャビティaに原料を供給することもなされている。しかし、このような構造とした場合、原料供給路に多数の分岐fが形成されることになり、原料が分岐に達する度に背圧が変動することになる。その結果、分散されていた気泡が合体し、ボイド、或いはセル荒れ等を生ずることがある。
【0007】
一方、チャンバー内で気液混合された原料を、成形型の内部に形成された1個のキャビティに供給し、成形品を製造する場合は、流路に分岐がないため、原料に加わる背圧はそれほど変化せず、大きな問題はない。しかし、複数のキャビティに原料を供給する際に、原料の流れを繰り返し停止した場合は、この停止が原因となって、その度に背圧が大きく変化する。この背圧の変化を抑えるため、通常、各々のキャビテイへの原料の供給の合間も、原料の供給はそのまま続けられており、原料の損失が大きく、周辺の作業環境の汚損等も含め、問題となっている。
【0008】
更に、メカニカルフロス法により事務機器用ローラ等を製造する場合、従来より、予め、成形型のキャビティ内に芯金を配設しておき、これに発泡体原料を供給することにより、発泡ポリウレタン層等の発泡体層と芯金とを一体に形成する方法が採られている。しかし、このようなローラの製造方法では、所望の径及び長さのローラ毎に所定の寸法、形状を有するキャビティを備える成形型が必要となり、これが製造コスト上昇の一因になっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の従来の問題点を解決するものであり、メカニカルフロス法による発泡体、及び発泡体層を有する成形品の製造方法、並びにそれに用いる製造装置であって、必要最小限の原料によって、ボイド、ピンホール等が低減された発泡体、及び発泡体層とすることができる製造方法、並びにそれに用いる製造装置を提供することを目的とする。本発明の製造装置を使用し、本発明の方法により製造される発泡体は、広範な用途において用いることができ、特に、事務機器用ローラ等の成形品の発泡体層として有用である。尚、メカニカルフロス法により製造することができる発泡体としては、ポリウレタン発泡体、アクリル樹脂発泡体、ラテックスゴム発泡体等が挙げられる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
メカニカルフロス法では、ボイド、ピンホール等の原因となる空気等が、成形型のキャビティに供給される発泡体原料に混入し易い。しかし、キャビティの長手方向を上下方向とし、その底部近傍から発泡体原料を供給すれば、ボイド、ピンホール等の発生の原因となる空気等は原料中を上昇してキャビティの上部から抜けていくか、上部に溜まる。そのため、原料を供給した後、そのまま硬化させても、空気等の影響を受けることなく、所望の形状、寸法の発泡体を、必要最少限の原料によって製造することができ、生産性を向上させることができる。
本発明は、このような知見に基づきなされたものである
【0011】
以下、参考発明1〜7について説明した後に、本発明たる請求項1〜9について詳細に説明する。
参考発明1の発泡体の製造方法は、メカニカルフロス法による発泡体の製造方法において、成形型のキャビティの底部近傍から、上記発泡体の所要量の100〜120%に相当する気液混合された発泡体原料を供給した後、そのまま加熱し、該発泡体原料を硬化させることを特徴とする。
そして、原料が硬化した後、脱型することにより発泡体を得ることができる。
【0012】
上記「キャビティ」の形状、寸法は特に限定されないが、断面積に対する長さの比が大きい場合に、作用、効果が特に十分に得られるため好ましい。このキャビティは、参考発明2記載のように、成形型の上面において開口していることが好ましく、これにより原料に混入する空気等が容易に排出され、ボイド、ピンホール等の発生が十分に抑えられる。また、開口部の断面積が、形成される発泡体の上端近傍の断面積以上であることが、背圧に変動を与えないので好ましい。
【0013】
上記「成形型」は、参考発明3のように、一対の割型により形成することができ、一方の割型の外壁面と、この割型の内壁面であって、キャビティを形成することとなる凹部の底部近傍と、に開口する原料供給路が形成されていることが好ましい。凹部の底部近傍、即ち、キャビティの底部近傍から原料を供給すれば、供給される原料の全量から空気等を十分に除くことができる。
【0014】
更に、原料供給路は、参考発明4のように、キャビティの底部近傍におけるパーティングラインを含む部位に開口させることが好ましい。このようにすれば、このパーティングラインの近傍ばかりでなく、対向するパーティングラインにおいても、これらのラインに沿って原料が供給され易く、パーティングライン部への原料の供給不足による凹部の形成等が防止される。また、参考発明5のように、このパーティングラインを含む部位における開口面の形状が、パーティングラインを軸とする対称形であることが特に好ましい。このような開口部から原料が供給されれば、キャビティの周方向においてより均等に原料が供給され、均質な発泡体とすることができる。
【0015】
参考発明6の発泡体層を有する成形品の製造方法は、芯金と、該芯金の周面にメカニカルフロス法により形成された発泡体層と、を有する成形品の製造方法において、 成形型のキャビティ内に仮シャフトを配設し、該キャビティの底部近傍から、上記発泡体層の所要量の100〜120%に相当する気液混合された発泡体原料を供給した後、そのまま加熱し、該発泡体原料を硬化させ、次いで、上記発泡体層から上記仮シャフトを引き抜いた後、脱型し、仮シャフトを引き抜くことにより形成された中空部に、上記芯金を挿入する工程を備えることを特徴とする。
【0016】
上記「芯金」は回転する際、或いは長期間の使用によって変形などを生ずることのないだけの機械的強度が必要である。従って、通常、ステンレス鋼等の金属からなり、断面円形の棒状体が用いられるが、必ずしもその断面が円形である必要はない。
【0017】
上記「仮シャフト」は、芯金を挿入するための中空部を有する発泡体を得るためのものである。通常、仮シャフトは、熱伝導性のよい金属製の断面円形の棒状体が用いられるが、必ずしも金属製で断面が円形である必要はなく、樹脂製のものなどを使用することもできる。また、仮シャフトを配設して発泡体を形成した後、この仮シャフトを引き抜き、得られる円筒形等の筒状の発泡体を所望の長さに切断し、中空部に所定の寸法の芯金を挿入し、次いで、必要であれば発泡体の表面を研磨することにより、発泡体層を有する成形品を作製することができる。このように参考発明6記載の方法によれば、1種類の成形型で種々の長さの発泡体層を有する成形品を作製することができる。
【0018】
尚、この参考発明6記載の製造方法においても、キャビティと発泡体の断面積の関係、及び一対の割型からなる成形型の原料供給路の形態等は、参考発明1記載の発明における参考発明2乃至5記載の発明の場合と同様にすることが好ましい。
【0019】
発泡体層を有する成形品としては、参考発明7記載のように、電子写真、静電記録技術等を応用した複写機、ファクシミリ、プリンタ等に組み込まれているトナー供給ローラ、転写ローラ、クリーニングローラ、特に、圧縮変形させて用いるカール取りローラなど、各種の事務機器用ローラが挙げられる。
【0020】
参考発明1記載の発泡体の製造方法、及び参考発明6記載の発泡体層を有する成形品の製造方法において、上記「発泡体原料」の供給量は、各々の所要量の100〜120%であり、100〜110%、特に100〜105%とすることが好ましい。発泡体原料は120%を越えて供給する必要はなく、本発明では、所要量の110%以下、特に105%以下であっても、欠肉等のない均質な発泡体、及び発泡体層を形成することができる。
【0021】
請求項1記載の発泡体の製造装置は、メカニカルフロス法により形成される発泡体の製造装置において、複数のキャビティと、一端側が少なくとも1個の該キャビティの底部近傍に開口し、他端が型表面に開口する複数の原料供給路と、を有する成形型、及び原料供給源と連通する原料供給口を有し、上記原料供給路の開口部が形成された上記成形型の表面と密接して移動させることにより、上記原料供給口を上記開口部に開口させることができ、且つすべての該開口部を閉止することができる大きさを有するスライド板、を備えることを特徴とする。
【0022】
この製造装置は、請求項2記載のように、複数のキャビティの各々に仮シャフトが配設され、それぞれの仮シャフトの上端側を所定の間隔で固定するための固定治具を有するものとすることができる。このようにすれば、事務機器用ローラ等において芯金の周面に配設される円筒形等の筒状の発泡体を容易に製造することができる。
【0023】
上記「成形型」の材質は特に限定されず、金型、樹脂型等を使用することができるが、熱伝導性のよい金型がより好ましく、アルミニウム合金、ステンレス鋼等からなる金型が多用される。
【0024】
上記「キャビティ」の形状及び寸法は特定されないが、同一形状、同一寸法の複数のキャビティが等間隔に形成されることが好ましい。このようにすれば、複数の同一の発泡体を効率よく製造することができる。また、キャビティの個数も特に限定されないが、短時間のうちに効率よく、すべてのキャビティに原料を均等に、且つ十分に供給するためには、通常、2〜12個、特に4〜8個とすることが好ましい。
【0025】
上記「原料供給路」はキャビティの個数により適宜の本数とすることができる。原料供給路は複数のキャビティに対してそれぞれ設けてもよく、原料供給側からの供給路を途中で分岐させ、複数のキャビティに開口させてもよい。この場合、原料供給側の一つの開口部から原料が供給されるキャビティは2個とすることが好ましく、このキャビティが3個以上になると、各々のキャビティに原料を均等に、且つ十分に供給することが難しくなる。更に、原料供給路の分岐が多くなることにより、型内の原料と空気とが混ぜ合わされ、ボイド等が発生することがあり、好ましくない。
【0026】
尚、原料供給路は、各々のキャビティ側において、その底部近傍に開口している。このようにすれば、下方から供給される原料が上方に向けて充填されていくことにより、空気等の気体がキャビティの上方から容易に外部に放出され、ボイド等のない良質な発泡体とすることができる。また、この請求項1乃至2記載の発泡体の製造装置においても、キャビティと発泡体の断面積の関係、及び一対の割型からなる成形型の原料供給路の形態等は、参考発明1における参考発明2乃至5記載の発明におけると同様にすることが好ましい。
【0027】
上記「スライド板」は、成形型と同質の金属により形成され、成形型の表面と摺動される側の表面は原料が容易に漏洩しないように平滑であることが好ましい。また、スライド板は、原料供給路の成形型の表面における上記「開口部」のすべてを閉止することができる長さを有しており、移動時に型表面との摺動面に隙間を生ずることのない剛性を備える必要がある。スライド板には上記「原料供給口」が設けられており、この原料供給口と連通し、スライド板の他面に開口する開口部に原料供給源である気液混合チャンバー等に連通するゴム製等の原料移送管が接続されている。尚、原料供給口はスライド板の端縁に設けることが好ましく、このようなスライド板であれば、必要最小限の長さですべての開口部を閉止することができる。
【0028】
請求項3記載の発泡体の製造方法は、メカニカルフロス法による発泡体の製造方法において、複数のキャビティと、一端が少なくとも1個の該キャビティの底部近傍に開口し、他端が型表面に開口する複数の原料供給路と、を有する成形型の表面における該原料供給路の開口部のうちの、該型表面の片端側に位置する開口部から相隣る開口部へと、原料供給源と連通する原料供給口を有するスライド板の該原料供給口を、順次、開口させ、発泡体原料を供給するとともに、該スライド板により各々の開口部を、順次、閉止し、その後、加熱し、発泡体原料を硬化させることを特徴とする。
【0029】
更に、請求項4記載の発泡体の製造方法は、請求項3記載の発泡体の製造方法を工程順により詳しく特定したことを特徴とする。
図8は、この工程を後記の実施例において採用した場合のフローチャートである。
【0030】
請求項3乃至4記載の製造方法においては、特に、請求項1記載の製造装置を使用することができ、スライド板は、その原料供給口が、先ず、成形型の表面の片端側に位置する原料供給路の開口部に開口され、所定量の原料が供給される。その後、スライド板は、原料供給口が相隣る原料供給路の開口部に開口される位置まで移動され、同時に、先に原料供給口が開口されていた開口部は閉止される。このようにして、原料供給口が、成形型の表面の他端側に位置する原料供給路の開口部に開口され、発泡体原料が供給され、スライド板が更に移動されて他端側の開口部が閉止されるまで、原料の供給と、スライド板の移動と、原料供給路の開口部の閉止が繰り返される。次いで、これを加熱し、原料を硬化させる。その後、脱型することにより、発泡体を得ることができる。
尚、これらの製造方法においても、均質な発泡体とするためには、請求項5記載のように、1本の原料供給路は2個のキャビティに開口していることが好ましい。
【0031】
請求項6記載の発泡体層を有する成形品の製造方法は、芯金と、該芯金の周面にメカニカルフロス法により形成された発泡体層と、を有する成形品の製造方法において、内部に仮シャフトが配設された複数のキャビティと、一端側が少なくとも1個の該キャビティの底部近傍に開口し、他端が型表面に開口する複数の原料供給路とを有する成形型の表面における該原料供給路の開口部のうちの、該成形型の片端側に位置する開口部から相隣る開口部へと、原料供給源と連通する原料供給口を有するスライド板の、該原料供給口を、順次、開口させ、発泡体原料を供給するとともに、該スライド板により各々の開口部を閉止し、その後、加熱し、発泡体原料を硬化させ、次いで、上記仮シャフトを引き抜き、脱型し、その後、仮シャフトを引き抜くことにより形成された中空部に芯金を挿入する工程を備えることを特徴とする。
【0032】
また、請求項7記載の発泡体層を有する成形品の製造方法は、請求項6記載の発泡体層を有する成形品の製造方法を工程順により詳しく特定したことを特徴とする。
図9は、この工程を後記の実施例において採用した場合のフローチャートである。
【0033】
請求項6乃至7記載の製造方法においては、特に、請求項2記載の製造装置を使用することができ、成形型のキャビティは発泡体層を形成するための形状、寸法を有しており、この長尺の円柱状等のキャビティが、複数個、通常、等間隔に形成されている成形型が使用される。また、スライド板の材質等、及びこのスライド板を操作し、発泡体原料を各々のキャビティに順次供給した後、これを加熱し、原料を硬化させるまでの操作、手順は請求項3乃至4記載の発明の場合と同様である。尚、これら請求項6乃至7記載の発明では、原料が硬化した後、仮シャフトを引き抜き、脱型し、次いで、形成される中空部に芯金を挿入した後、通常、発泡体層の表面を研磨し、仕上げることにより発泡体層を有する成形品を製造することができる。
【0034】
尚、これらの製造方法において、発泡体層を有する成形品としては、請求項8記載のように、事務機器用ローラが挙げられる。また、均質な発泡体層とするためには、請求項9記載のように、1本の原料供給路は2個のキャビティに開口していることが好ましい。
【0035】
請求項3乃至9記載の発泡体及び発泡体層を有する成形品の製造方法においては、キャビティが縦方向に配列され、原料供給路の一端はキャビティの底部近傍に開口し、他端は成形型の表面において横列に並んで開口されていることが好ましい。このような構成であれば、スライド板を横方向に移動させ、順次、原料を供給していく操作が容易である。
【0036】
また、原料を供給した後、キャビティが縦方向になったままの状態で加熱し、硬化させることがより好ましい。原料を供給した後、成形型を横にして加熱、硬化させる場合は、ローラ等の成形品の所定長さにかかわらず、キャビティを原料により充満させる必要がある。そのようにしないと、未硬化の原料がキャビテイ内で容易に流動し、所定形状の発泡体層とすることができない。一方、縦方向のまま加熱し、硬化させることにより、発泡体層の所要量の100〜120%、特に100〜110%、即ち、所要量を大きく越えない供給量とすることができる。このようにすれば、原料の損失をより抑えることができ、且つローラ等の成形品の所定寸法によって多数の異なった寸法を有するキャビティを備える成形型を用意する必要もない。
【0037】
メカニカルフロス法により形成される代表的な発泡体であるポリウレタン発泡体では、先ず、ポリオール、触媒及び鎖延長剤等を含有し、発泡剤を含まないポリオール成分を調製し、このポリオール成分、整泡剤及びポリイソシアネート等からなる発泡体原料をチャンバー内に供給し、同時に不活性ガスを供給し、オークスミキサ、ホバートミキサ等の攪拌器により攪拌し、気液混合させる。そして、チャンバー内で気液混合された発泡体原料を、成形型の内部に吐出させる。その後、この成形型を所要温度に加熱し、発泡体原料を硬化させることにより、ポリウレタン発泡体を形成することができる。
【0038】
ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、及びポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールとを共重合させたポリエーテルエステルポリオール等を用いることができる。更に、メカニカルフロス法では、十分な引張強さ等を有するフォームとするため、通常、ポリマーポリオールを併用する。このポリマーポリオールとは、ポリエーテルポリオールにアクリロニトリル、スチレン、メチルメタアクリレート等のエチレン性不飽和化合物を、固形分率で10〜40質量%、好ましくは15〜30質量%、グラフト重合させたポリオールをいう。
【0039】
ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDIの他、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、粗製HDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添MDI、イソホロンジイソシアネート等、芳香族系並びに脂肪族系の各種のものを用いることができる。これらの他、プレポリマー型のポリイソシアネートを使用することもできる。
【0040】
触媒としては、スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート等の有機錫化合物、オクチル酸亜鉛等の有機亜鉛化合物、ニッケルアセチルアセトエート、ニッケルジアセチルアセトエート等の有機ニッケル化合物、鉄アセチルアセトエート等の有機鉄化合物、酢酸ナトリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコキシド、フェノキシドなどの金属触媒を使用することができる。更に、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリンジメチルアミノメチルフェノール、イミダゾール、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン等の3級アミン系触媒の他、有機酸塩等を使用することもできる。
【0041】
鎖延長剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等の短鎖ジオール系、又はグリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール系のものを使用することができる。尚、トリオール系等の3官能以上のポリオールを鎖延長剤として用いた場合は、分子鎖中に架橋構造を導入することができる。また、より硬度の低いフォームとするためには、エチレングリコール若しくはトリメチロールプロパン等を開始剤として、ε−カプロラクトンで鎖延長したエステル系オリゴマー、及び分子量400〜700程度の3官能ポリエーテルポリオール等、分子量の大きい鎖延長剤を使用することが好ましい。
【0042】
整泡剤としては、一般に、ジメチルポリシロキサンとポリエーテルのブロック共重合体を使用することができる。更に、ポリシロキサンに有機官能基を付加した整泡剤を用いることもできる。このように、整泡剤としてはシリコーン系整泡剤が多用される。
尚、フォーム原料には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機及び無機充填剤、着色剤等、ウレタン配合に一般に使用される原料を適宜使用することもできる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により図1乃至7も用いて本発明を更に詳しく説明する。
(1)ポリウレタン発泡体の製造
実施例1
ポリマーポリオール(三井化学株式会社製、商品名「POP2430」)90質量部(以下、「部」と略記する。)、ポリエステルポリオール(ダイセル化学工業株式会社製、商品名「PCL305」)8部、触媒(ニッケルアセチルアセトネート、OSiスペシャリティーズ社製、商品名「LC−5615」)2部、及びアミン系触媒(三共エアプロダクツ株式会社製、商品名「DABCO−33LV」)0.1部を混合し、攪拌してポリオール成分を調製した。
【0044】
その後、このポリオール成分と、8部のシリコーン系整泡剤(OSiスペシャリティーズ社製、商品名「L−5614」)と、14部のポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「MTL」)をチャンバーに供給し、この泡状体に0℃、1気圧において200cm3/分に相当する流量で窒素ガスを供給した。次いで、チャンバーにおいて混合され、攪拌されて、調製された泡状の発泡体原料7を、内径7mmの仮シャフト6が挿入され、且つ90℃に維持された成形型1のキャビティ11(内径:20mm、長さ:350mm)の底部近傍の原料供給路12から供給した。
【0045】
更に、そのまま成形型1をキュアー炉に入れて120℃で30分間加熱し、原料を硬化させた。その後、仮シャフト6を引き抜き、次いで、脱型して、図2に示すように、外径20mm、長さ330mm(カットしろ部;50mm)の円筒形のポリウレタン発泡体8を得た。次いで、カットしろ部分である8a、8bを切断し、長さ300mmにして、仮シャフト6を引き抜くことにより形成された中空部8cに、図3に示すように、外径8mmの芯金92を圧入し、製品外径を19mmまで研磨して事務機器用ローラ9とした。この事務機器用ローラを得るために供給した発泡体原料は、成形型1の原料供給路12の1.5gと、切断したカットしろ部分8a、8bを合わせて30gであった。
【0046】
比較例1
実施例1と同じ組成の泡状体を調製し、この発泡体原料を、実施例1と同様に、仮シャフトが挿入され、且つ90℃に維持された成形型に供給した。そして、上方にあるベントホールから空気と共に原料を溢れ出させたところで供給を止め、その後、成形型を横にしてキュアー炉に入れて120℃で30分間加熱し、発泡体原料を硬化させた。次いで、仮シャフトを引き抜き、脱型して外径20mm、長さ350mm(カットしろ部:50mm)の円筒形のポリウレタン発泡体を得た。その後、カットしろ部分を切断し、長さ300mmにして、外径8mmの芯金を圧入し、製品外径を19mmまで研磨して事務機器用ローラとした。この事務機器用ローラを得るために供給した発泡体原料は、成形型の原料供給路の1.5g、ベントホールから溢れ出させた3.5g、切断したカットしろ部分を合わせて35.5gであった。
【0047】
上記のように、事務機器用ローラ(外形:19mm、長さ:300mm)の製造において、比較例1ではフォーム原料が35.5g必要であった。これに対して実施例1ではフォーム原料が30g必要であり、比較例1では実施例1よりも約18%多くの原料を必要とした。
【0048】
(2)製造装置及びこの装置を用いた事務機器用ローラの製造
実施例2
▲1▼使用した成形型
成形型は2個の半割型1a、1bを組み合わせた形態となっており、図4は各々の半割型を開いた状態を示す正面図である。また、図5は半割型を閉じ、仮シャフト6を配設し、スライド板を取り付けた状態を示す正面図である。尚、図5では、スライド板は、その原料供給口が、4個ある原料供給路の型表面における開口部のうちの右側から2個目の開口部に開口しており、最も右側の開口部はスライド板3の開口閉止部32により閉止されている状態である。
【0049】
図5においては、8個の円柱状のキャビティが横方向に等間隔に並んでおり、各々の長さ方向の頂部は成形型1の上面において開放されており、底部の径方向の中央部には、仮シャフト6の下端部を固定するための円柱路13が形成されている。また、8個のキャビティのそれぞれ相隣る2個の底部下方の中間の位置から各々のキャビティの底部近傍へと原料供給路が形成されている。この原料供給路は左右に枝分かれする部位において型表面に向かって形成されており、型表面において横方向に等間隔に開口している4個の開口部121に連通している。
【0050】
図6は仮シャフト6の上端部が固定治具2の上板に等間隔に設けられた貫通孔に挿通され、固定されている様子を示す斜視図である。固定治具は成形型の上面に嵌め込み部22により嵌め込まれて固定されており、その上板には、各々の仮シャフトがそれぞれのキャビティの径方向の中心に配設されるように所要個数の貫通孔が設けられている。
【0051】
また、図7は成形型とレール4上に配置されたスライド板とを斜め上方からみた斜視図である。スライド板は、原料供給部31、これに延設される開口閉止部32、並びにその上面に原料供給部及び開口閉止部が載置され、固定されている台座33、及びこの台座の下面の両側部に取り付けられたローラ3a及び3bにより構成されている(図7では、ローラ3a、3bが図示されているが、実際には、レールを挟んで対向する位置に更に2個のローラが取り付けられている。)。これら4個のローラがレール4を両側方から押圧する形態で、スライド板はレール4上を安定して移動することができる。尚、型表面と摺動される原料供給部の表面と開口閉止部の表面とは、段差のない一連の平滑な面を形成している。
【0052】
また、原料供給部の表面には、他面の開口部に連通する原料供給口が開口しており、この開口部に原料供給源からの原料供給管5が接続されている。またスライド板は、その上下方向(幅方向)の中央部を型表面に開口する4個の開口部121に当接させることができるように配置されており、開口閉止部の横方向(長さ方向)の寸法は、すべての開口部から原料を供給した後、やや左方向へ移動させることにより、4個の開口部のすべてを閉止することができる長さとなっている。
【0053】
▲2▼事務機器用ローラの製造
90質量部(以下、「部」と略記する。)のポリマーポリオール(三井化学株式会社製、商品名「POP2430」)、8部のポリエステルポリオール(ダイセル化学工業株式会社製、商品名「PCL305」)、2部の金属触媒(ニッケルアセチルアセトネート、OSiスペシャリティーズ社製、商品名「LC−5615」)、及び0.1部のアミン系触媒(三共エアプロダクツ株式会社製、商品名「DABCO−33LV」)を混合し、攪拌してポリオール成分を調製した。
【0054】
その後、このポリオール成分と、8部のシリコーン系整泡剤(OSiスペシャリティーズ社製、商品名「L−5614」)、及び14部のポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「MTL」)とをチャンバーに投入し、0℃、1気圧において200cm3/分に相当する流量で窒素ガスを供給した。次いで、チャンバー内で混合、攪拌され、調製された泡状の原料を、内径7mmの仮シャフト6が配設され、且つ90℃に維持された成形型1の8個のキャビティ11(内径:20mm、長さ:350mm)の底部近傍に連通する型表面の4個の開口部121から供給した。
【0055】
発泡体原料の供給は、図5乃至図7における最も右側の開口部(右側の2個のキャビティに原料が供給される。)から、原料の供給速度は一定に維持したまま、順次、左側の開口部(各々2個の相隣るキャビティに原料が供給される。)へとスライド板を移動させて行った。このようにして原料を供給する操作の間、及び成形型をキュアー炉に移送する間ともに、成形型の表面とスライド板との間隙からの原料の漏洩は観察されなかった。
【0056】
この成形型を、縦方向のまま120℃に調温されたキュアー炉に20分間静置し、原料を硬化させた後、キュア炉から取り出して放冷し、常温にまで降温してから更に20分間放置した後、仮シャフトを上部から引き抜き、次いで、脱型して、外径20mm、長さ350mmの筒状の発泡ポリウレタンを8本得た。その後、カットしろ部分を切断して除去し、長さ300mmとし、仮シャフトを引き抜いた後に形成された中空部に、内径8mmの芯金を挿入し、周面を研磨して外径19mmのポリウレタン発泡体層を有する実施例1の場合と同様の事務機器用ローラを得た。
【0057】
尚、本発明においては、上記の具体的な実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。例えば、ポリウレタン発泡体は円筒形ばかりでなく、円柱、直方体等、種々の形状とすることができる。
【0058】
【発明の効果】
請求項1記載の製造装置によれば、発泡体原料の損失を最小限に抑え、且つ均質な発泡体とすることができる。また、請求項3乃至4の製造方法によれば、均質な発泡体を、容易に、且つ効率的に製造することができ、請求項6乃至7記載の製造方法によれば、優れた品質の各種の事務機器用ローラ等を効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における発泡体原料を供給し、硬化させる前の成形型内の様子を示す断面図である。
【図2】実施例1における所定長さに加工する前の円筒形のポリウレタン発泡体の斜視図である。
【図3】実施例1において得られた事務機器用ローラの斜視図である。
【図4】半割型を組み合わせてなる成形型を開いた状態を示す正面図である。
【図5】半割型を組み合わせてなる成形型を閉じた状態を示す正面図である。
【図6】仮フャフトの上端部の固定方法を詳細に示す斜視図である。
【図7】スライド板の詳細を示す斜視図である。
【図8】請求項11記載の発泡体の製造方法の工程を表すフローチャートである。
【図9】請求項14記載の発泡体層を有する成形品の製造方法の工程を表すフローチャートである。
【図10】原料の供給と脱気とを説明するための模式図である。
【図11】1個の原料供給口から4個のキャビティへ原料を供給する場合の原料供給路の分岐の様子を示す模式図である。
【符号の説明】
1;成形型、1a、1b;半割型、11;キャビティ、111;キャビティの上方の開放部、12;原料供給路、121;原料供給路の型表面における開口部、13;仮シャフトの下端部を固定するための円柱路、2;仮シャフトの上端部を固定するための治具、21;貫通孔、22;嵌め込み部、31;原料供給部;32、開口閉止部;33、台座、3a、3b;ローラ、4;レール、5原料供給管、6;仮シャフト、7;発泡体原料、8;円筒形のポリウレタン発泡体、8a、8b;カットしろ部分、8c;中空部、9;事務機器用ローラ、91;ポリウレタン発泡体層、92;芯金。
Claims (9)
- メカニカルフロス法により形成される発泡体の製造装置において、
複数のキャビティと、一端側が少なくとも1個の該キャビティの底部近傍に開口し、他端が型表面に開口する複数の原料供給路と、を有する成形型、及び原料供給源と連通する原料供給口を有し、上記原料供給路の開口部が形成された上記成形型の表面と密接して移動させることにより、上記原料供給口を上記開口部に開口させることができ、且つすべての該開口部を閉止することができる大きさを有するスライド板、を備えることを特徴とする発泡体の製造装置。 - 複数の上記キャビティの各々に仮シャフトが配設され、それぞれの仮シャフトの上端側を所定の間隔で固定するための固定治具を有する請求項1記載の発泡体の製造装置。
- メカニカルフロス法による発泡体の製造方法において、
複数のキャビティと、一端が少なくとも1個の該キャビティの底部近傍に開口し、他端が型表面に開口する複数の原料供給路と、を有する成形型の表面における該原料供給路の開口部のうちの、該型表面の片端側に位置する開口部から相隣る開口部へと、原料供給源と連通する原料供給口を有するスライド板の該原料供給口を、順次、開口させ、発泡体原料を供給するとともに、該スライド板により各々の開口部を、順次、閉止し、その後、加熱し、発泡体原料を硬化させることを特徴とする発泡体の製造方法。 - メカニカルフロス法による発泡体の製造方法において、
(1)一対の割型を閉型し、複数のキャビティと、一端が少なくとも1個の該キャビティの底部近傍に開口し、他端が型表面に開口する複数の原料供給路と、を有する成形型とする工程と、
(2)原料供給源に連通する原料供給口を有し、上記型表面に密接して移動させることができるスライド板の上記原料供給口を、上記型表面の片端側に位置する上記原料供給路の開口部に開口させる工程と、
(3)上記片端側に位置する開口部から、所定量の発泡体原料を供給する工程と、
(4)上記スライド板を移動させ、上記原料供給口を上記片端側に位置する開口部に相隣る開口部に開口させるとともに、上記スライド板により上記片端側に位置する開口部を閉止する工程と、
(5)上記相隣る開口部から、所定量の発泡体原料を供給する工程と、
をこの順に備え、且つ上記スライド板の上記原料供給口を、順次、相隣る開口部に開口させ、すべての開口部から発泡体原料を供給した後、上記スライド板を更に移動させてすべての開口部を閉止し、次いで、加熱し、発泡体原料を硬化させることを特徴とする発泡体の製造方法。 - 上記原料供給路の上記一端が、2個のキャビティに開口している請求項3又は4に記載の発泡体の製造方法。
- 芯金と、該芯金の周面にメカニカルフロス法により形成された発泡体層と、を有する成形品の製造方法において、
内部に仮シャフトが配設された複数のキャビティと、一端側が少なくとも1個の該キャビティの底部近傍に開口し、他端が型表面に開口する複数の原料供給路とを有する成形型の表面における該原料供給路の開口部のうちの、該成形型の片端側に位置する開口部から相隣る開口部へと、原料供給源と連通する原料供給口を有するスライド板の該原料供給口を、順次、開口させ、発泡体原料を供給するとともに、該スライド板により各々の開口部を閉止し、その後、加熱し、発泡体原料を硬化させ、次いで、上記仮シャフトを引き抜き、脱型し、その後、仮シャフトを引き抜くことにより形成された中空部に芯金を挿入する工程を備えることを特徴とする発泡体層を有する成形品の製造方法。 - 芯金と、該芯金の周面にメカニカルフロス法により形成された発泡体層と、を有する成形品の製造方法において、
(1)一対の割型を閉型し、複数のキャビティと、一端が少なくとも1個の該キャビティの底部近傍に開口し、他端が型表面に開口する複数の原料供給路と、を有する成形型とする工程と、
(2)上記複数のキャビティの各々の内部に仮シャフトを配設する工程と、
(3)原料供給源に連通する原料供給口を有し、上記型表面に密接して移動させることができるスライド板の上記原料供給口を、上記型表面の片端側に位置する上記原料供給路の開口部に開口させる工程と、
(4)上記片端側に位置する開口部から、所定量の発泡体原料を供給する工程と、
(5)上記スライド板を移動させ、上記原料供給口を上記片端側に位置する開口部に相隣る開口部に開口させるとともに、上記スライド板により上記片端側に位置する開口部を閉止する工程と、
(6)上記相隣る開口部から、所定量の原料を供給する工程と、
をこの順に備え、且つ上記スライド板の上記原料供給口を、順次、相隣る開口部に開口させ、すべての開口部から発泡体原料を供給した後、上記スライド板を更に移動させてすべての開口部を閉止し、次いで、加熱し、発泡体原料を硬化させ、上記仮シャフトを引き抜いた後、脱型し、次いで、仮シャフトを引き抜くことにより形成された中空部に上記芯金を挿入する工程を備えることを特徴とする発泡体層を有する成形品の製造方法。 - 上記成形品が事務機器用ローラである請求項6又は7に記載の発泡体層を有する成形品の製造方法。
- 上記原料供給路の上記一端が、2個の上記キャビティに開口している請求項6乃至8のうちのいずれか1項に記載の発泡体層を有する成形品の製造方法。
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