JP4621565B2 - 電荷付与装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被電荷付与部材の被電荷付与面に対して電荷を付与する電荷付与装置及びこれを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
この種の電荷付与装置としては、コロナチャージャー等の放電装置が広く知られている。放電装置は、一般に、白金やタングステン等からなるワイヤー電極又はステンレス材料等からなる針状電極の周囲に導電性のケースを設けられる。そして、電極とケースとの間に直流もしくは交流の高圧バイアスを印加することで、電極周辺の空気中に存在する分子を電離してイオン化し、そのイオンを被電荷付与部材の被電荷付与面に付着させてその被電荷付与面に電荷を付与する。このような放電装置においては、放電によって空気中の分子を電離させるため、オゾンや窒素酸化物(NOx)といった放電生成物が生成される。このような放電生成物は、種々の不具合を引き起こすことが知られており、その生成量を少なくすることが課題となっている。
一方で、電界中で電子を放出する電子放出部材を用いた電荷付与装置も知られている。この電子放出部材としては、カーボンナノ材料が利用できることが知られている。カーボンナノ材料の中でも、カーボンナノチューブは高い電子放出能を有し、電荷付与装置に適している。このような電子放出部材を用いた電荷付与装置は、電子放出部材に電界を印加し、その電子放出部材から放出される電子を空気中の分子に付着させることにより分子をイオン化する。そして、そのイオンを被電荷付与部材の被電荷付与面に付着させてその被電荷付与面に電荷を付与する。上記放電装置ではイオンを生成するために空気中の分子を電離させるので放電生成物が生成されるが、電子放出部材を用いた電荷付与装置ではイオンを生成するために空気中の分子を電離させる必要がない。よって、電子放出部材を用いた電荷付与装置によれば、放電生成物を生成することなく電荷を付与することができる。
カーボンナノチューブを電荷付与装置に応用したものとしては、例えば特許文献1に記載されたものがある。
上記特許文献1に記載の電荷付与装置では、電極上に形成したカーボンナノチューブを被電荷付与部材である感光体に対向配置し、電極と感光体との間に電界を形成してカーボンナノチューブから電子を放出させる。この特許文献1には、カーボンナノチューブと感光体とを非接触で配置した非接触型の電荷付与装置と、カーボンナノチューブと感光体とを接触させた接触型の電荷付与装置とが開示されている。ただし、接触型の電荷付与装置は、カーボンナノチューブが表面移動する感光体との接触により摩耗したり、カーボンナノチューブに感光体上の異物が付着したりして、カーボンナノチューブの電子放出能が経時的に劣化しやすいという欠点がある。よって、接触型の電荷付与装置よりも、このような欠点がない非接触型の電荷付与装置の方が好適である。
特開2001−250467号公報
ところが、上記特許文献1に記載された非接触型の電荷付与装置のように、電子放出部材に電子を放出させるための電界を形成する電極の一方が被電荷付与部材であると、次のような問題が発生する。すなわち、被電荷付与部材と電極との間の組み付け誤差や設置誤差等が原因で、被電荷付与表面と電極との距離を所望の距離に設定することは極めて困難となる。そのため、被電荷付与部材と電極との間に形成される電界を一定に維持することができない。その結果、電子放出部材からの電子放出量が一定にならず、被電荷付与表面に対して所望の電荷量を付与することができないという問題が発生する。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、電子放出部材を用いて被電荷付与部材へ電荷を付与する構成において、被電荷付与部材に対して所望の電荷量を付与することが従来よりも容易となる電荷付与装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、被電荷付与部材の被電荷付与面に対して電荷を付与する電荷付与装置において、互いに対向する2つの電極間に電界を形成するための電界形成部と、該電界形成部を構成するいずれか一方の電極における他方の電極と対向する対向箇所に設けられ、電界中で電子を放出する電子放出部材と、該他方の電極と該電子放出部材との間に形成されるイオン発生空間内で発生したイオンを該イオン発生空間外へ排出するための出口開口部とを有し、上記電子放出部材は、上記イオン発生空間内で発生したイオンが上記出口開口部に向けて移動するイオン移動方向に対して直交する方向に沿って配置された複数の電子放出部で構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の電荷付与装置において、上記複数の電子放出部を、上記イオン移動方向に対して直交する方向における上記被電荷付与面に対応する領域にわたって配置したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、被電荷付与部材の被電荷付与面に対して電荷を付与する電荷付与装置において、互いに対向する2つの電極間に電界を形成するための電界形成部と、該電界形成部を構成するいずれか一方の電極における他方の電極と対向する対向箇所に設けられ、電界中で電子を放出する電子放出部材と、該他方の電極と該電子放出部材との間に形成されるイオン発生空間内で発生したイオンを該イオン発生空間外へ排出するための出口開口部とを有し、上記イオン発生空間内で発生したイオンが上記出口開口部に向けて移動するイオン移動方向に沿って複数の電界形成部を配置し、各電界形成部を構成する上記いずれか一方の電極に上記電子放出部材をそれぞれ設け、該イオン移動方向の下流側に位置する電界形成部から順に電界を形成するように、該各電界形成部を制御する電界制御手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電荷付与装置において、上記2つの電極の互いに対向する各電極面はそれぞれ互いに平行な平面であり、上記電子放出部材は、上記いずれか一方の電極の電極面上に設けられるほぼ均一な厚さの電子放出層であることを特徴とするものである
た、請求項の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電荷付与装置において、上記イオン発生空間の出口開口部又はその近傍に、該イオン発生空間内で発生したイオンを該被電荷付与面へ移動させる移動電界を形成するための移動制御電極を設け、上記いずれか一方の電極に印加する電圧をA[V]とし、上記他方の電極に印加する電圧をB[V]とし、該移動制御電極に印加する電圧をC[V]としたとき、各電圧が下記の関係式(1)を満たすように構成したことを特徴とするものである。
|A|>|B|>|C|・・・(1)
また、請求項の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電荷付与装置において、上記イオン発生空間を囲う空間囲い部材を有し、該空間囲い部材は、上記出口開口部と、外気を取り込むための吸気開口部とを有することを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電荷付与装置において、上記2つの電極を支持してこれらの電極間の距離を一定に維持する電極支持機構を有することを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の電荷付与装置において、上記イオン発生空間の出口開口部又はその近傍に、該イオン発生空間内で発生したイオンを該被電荷付与面へ移動させる移動電界を形成するためのグリッド型の移動制御電極を有し、上記電極支持機構を、該グリッド型の移動制御電極と、上記2つの電極を該移動制御電極上に固定するための絶縁性固定部材とから構成したことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、被電荷付与部材と、該被電荷付与部材の被電荷付与面に対して電荷を付与する電荷付与手段と、該被電荷付与部材を利用して記録材上に画像を形成する画像形成部とを有する画像形成装置において、上記電荷付与手段として、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電荷付与装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項の画像形成装置において、上記被電荷付与部材は潜像担持体であり、上記電荷付与装置は、該潜像担持体の表面を一様に帯電するための帯電装置であり、上記画像形成部は、該電荷付与装置により一様に帯電された該潜像担持体の表面に潜像を形成した後、該潜像を可視像化した画像を上記記録材上に転写して画像形成を行うものであることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項又は10の画像形成装置において、上記電荷付与装置は、上記2つの電極が互いに対向する電極対向方向に対して略直交する方向に上記出口開口部を有し、該出口開口部が上記被電荷付与部材の上記被電荷付与面に対向するように配置されていることを特徴とするものである。
本発明においては、互いに対向する2つの電極のいずれか一方の電極に電子放出部材を設けるとともに、他方の電極をこれに対向するように設ける。これにより、当該2つの電極間に形成される電界によって電子放出部材から電子が放出され、その電子が空気中の分子に付着することにより、当該他方の電極と電子放出部材との間に形成されるイオン発生空間内にイオンを発生させることができる。そして、出口開口部に対して被電荷付与部材の被電荷付与面を対向させ、その出口開口部から排出されたイオンが被電荷付与部材へ移動することにより、その被電荷付与面に電荷が付与される。
本発明では、上記他方の電極が被電荷付与部材ではなく、上記いずれか一方の電極と同じように電荷付与装置の構成部品である。そのため、上記他方の電極が被電荷付与部材である従来構成に比べて、これらの電極間の距離を所望の距離に設定することが容易となる。よって、電界形成部に形成される電界を一定に維持することが容易となる結果、電子放出部材からの電子放出量を容易に一定にすることができる。
以上、本発明によれば、従来構成よりも被電荷付与部材に対して所望の電荷量を付与することが容易となるという優れた効果が奏される。
以下、本発明を、画像形成装置であるレーザプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した実施形態について説明する。
図2、本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。
このプリンタは、単色画像形成用のプリンタであり、被電荷付与部材である潜像担持体としての感光体ドラム1を有している。感光体ドラム1は、30[mm]の径をもち、図示しない駆動手段により図中矢印Aの方向に200[mm/sec]の表面移動速度で回転駆動する。感光体ドラム1の表面(被電荷付与面)は、電荷付与装置である帯電装置10により一様に帯電される。この帯電装置10の出口開口部と感光体ドラム1の表面との距離は、1[mm]に設定されている。この帯電装置10は負イオンを出口開口部から放出し、これを感光体ドラム1の表面に付着させることで、帯電処理を行う。帯電装置10の詳細については後述する。
帯電処理後の感光体ドラム1の表面には、潜像形成手段としての図示しない光書込ユニットにより画像情報に基づく光Lを走査しながら照射する。これにより、感光体ドラム1の表面には静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段としての現像装置2により現像されることでトナー像となる。このトナー像は、感光体ドラム1の回転により転写手段としての転写ローラ3との対向領域(転写領域)へ移動する。一方、図示しない給紙カセットから給紙された記録材としての転写紙Pは、図示しないレジストローラ対により所定のタイミングで転写領域に向けて送り出される。転写紙Pは記録材搬送手段としての紙搬送ベルト4の表面に担持された状態で、転写領域を通過するように搬送される。転写ローラ3には、所定の転写バイアスが印加され、転写領域に転写電流が形成される。これにより、転写紙Pが転写領域を通過する際、感光体ドラム1上のトナー像が転写電流の影響を受けて転写紙P側へ移動し、転写が行われる。転写終了後の転写紙Pは、定着手段としての定着装置5内へ搬送される。この定着装置5は、転写紙P上のトナー像を熱と圧力により転写紙Pに定着させる。定着後の転写紙Pは、機外に排出される。
転写されずに感光体ドラム1上に残留した転写残トナーは、クリーニング手段としてのクリーニングユニット6により感光体ドラム1の表面から除去される。また、感光体ドラム1上の残留電荷は、除電手段としての除電ランプ7で除去される。本実施形態では、クリーニングユニット6により転写残トナーを除去しているが、公知のクリーナレス構成を採用し、クリーニングユニット6を設けずに転写残トナーを現像装置2等により回収するようにしてもよい。
次に、本発明の特徴部分である帯電装置10について詳しく説明する。
図1は、本実施形態の帯電装置10を感光体ドラム軸方向から見たときの概略構成図である。
この帯電装置10は、感光体ドラム表面移動方向(図中左右方向)の両側部に、アルミニウム等からなる電極(以下、「電子放出側電極」という。)11a,11bを備えている。これらの電子放出側電極11a,11bの帯電装置内面側には、それぞれ、電子放出部材である電子放出層12a,12bが形成されている。この電子放出層12a,12bは、薄膜あるいは粉体の電子放出素子を分散して固定化したものである。また、帯電装置10は、感光体ドラム表面移動方向(図中左右方向)の中央部に、アルミニウム等からなる対向電極13を備えている。これらの電極11a,11b,13は、電極支持機構を構成する樹脂等からなる絶縁性支持部材14にそれぞれ固定されている。この絶縁性支持部材14により、各電子放出側電極11a,11bと対向電極13との間隔が所望の間隔で維持されている。電子放出側電極11a,11bと対向電極13との間の空間(イオン発生空間)Bは、感光体ドラム1と対向する側とは反対側については絶縁性支持部材14により閉塞されているが、感光体ドラム1と対向する側については開口しており、出口開口部15a,15bが形成されている。
本実施形態において、帯電装置10は、電圧印加手段としての図示しない直流電源から電圧が印加される各電子放出側電極11a,11bとアースされた対向電極13とによって、それぞれ電界形成部が形成される。各電子放出側電極11a,11bに電圧が印加されると、電子放出側電極11a,11bと対向電極13との間に電界が形成される。これにより、電子放出層12a,12bを構成する電子放出素子から電子が放出される。放出された電子は、イオン発生空間B内に存在する気体分子(酸素、二酸化炭素、窒素等)又はこれらに水が付着した分子などに付着し、これらの分子を負イオン化する。このようにして生成された負イオンは、出口開口部15a,15bから出ていき、感光体ドラム1の表面に付着する。これにより、感光体ドラム1の表面は負極性に帯電される。
本実施形態の帯電装置10によれば、コロナ帯電方式等を採用した従来の帯電装置(放電装置)において発生するオゾンやNOx等の発生量を大幅に減少させることができる。以下、この点について説明する。
一般に、コロナ放電を用いて帯電を行う場合、非常に多くのオゾンやNOxが発生する。これは、コロナ放電により生成された電子を気体分子に衝突して電離させることにより、イオンを発生させるためである。具体的には、コロナワイヤーから放出される電子のエネルギーは30[eV]以上であるのに対し、窒素分子の電離エネルギーは24.3[eV]、酸素分子の電離エネルギーは8[eV]なので、コロナワイヤーからの電子が窒素分子や酸素分子に衝突すると、これらの分子が容易に電離するからである。
これに対し、本実施形態の帯電装置10では、電子放出側電極11a,11bに印加させる電圧は、イオン発生空間Bに放電を発生させない電圧、言い換えればパッシェンの放電則によるスレッショルド電圧を越えない電圧であるため、イオン発生空間Bに放電が発生しない。しかも、本実施形態では、電子放出素子として、sp3結合性5H−BN材料から構成されたものを用いている。この電子放出素子を用いる場合、その電子放出素子から放出されるのエネルギーは6[eV]程度なので、放出された電子が気体分子に衝突しても電離が発生しない。したがって、本実施形態によれば、オゾンやNOx等の放電生成物を発生させずに、イオンを生成することができる。
上記sp3結合性5H−BN材料は、ダイヤモンドと同じ結合状態をもち、ダイヤモンドの次に硬い窒化ホウ素の一種である。窒化ホウ素は、一般にはルツボなどにも使われる材料であり、抜群の耐熱性と化学物質に対する耐性を有することから、従来にない耐久性を持ち、かつ高負荷にも耐えられる電子材料である。製法は、シリコン、ニッケルなどの基板に混合ガスプラズマ(ジボラン:水素化ホウ素B26、水素、アンモニア、アルゴン)と同時にデフォーカス(多少集光した)紫外エキシマレーザー(波長λ:193[nm]、周波数f:1030[Hz])を照射して作成する。レーザー照射方向に揃って薄膜表面に10[μm]程度の先端の尖った紡錘形状が多数形成され、電子放出エミッターとして働くのが特徴である。
本実施形態では、電子放出部材として、電子放出側電極11a,11b上にsp3結合性5H−BN材料からなる薄膜層あるいは粉体を固定化した層を形成した電子放出層12a,12bを用いる。固定化の方法としては導電性樹脂等のバインダを用い、作成は印刷方法やスパッタ等で行ってもよい。好ましくは、粒子を電子放出層表面に多く析出させることが望ましい。本実施形態では、sp3結合性5H−BN材料を薄膜または粒子を分散して接着した電子放出層12a,12bを電子放出側電極11a,11bの表面に導電性接着剤で接着している。電子放出層12a,12bが形成された各電子放出側電極11a,11bは、それぞれ対向電極13との間にギャップを持たせて対向配置する。そして、各電子放出側電極11a,11bに電圧を印加すると、電子放出層12a,12bから電子の放出が開始され、放出された電子が気体分子に付着することで、対向電極13と電子放出層12a,12との間の各イオン発生空間B内に負イオンが発生する。
本実施形態では、その安定性や寿命の観点から、電子放出部材を構成する材料としてsp3結合性5H−BNを用いているが、他の電子放出材料、例えばCNT(カーボンナノチューブ)、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の材料も、同様に用いることもできる。
ここで、感光体ドラム表面を所望の電位に帯電するのに要する電子放出量を得るためには、電子放出層12a,12bの表面積を十分に大きくとる必要がある。従来のように電子放出層12aを感光体ドラム1に対向配置する構成を用いて本実施形態と同様の帯電能力を得るには、電圧条件が同じであるとすると、その従来の帯電装置における感光体ドラム表面移動方向(図1中左右方向)の長さは、2つの電子放出層12a,12bの図1中上下方向長さを合算した長さ以上になる。
これに対し、本実施形態では、図1に示すように、電子放出層12aを感光体ドラム1とは別の対向電極13に対向配置し、電子放出層12a及び対向電極13の面方向が感光体ドラム1の表面法線方向に平行となるように構成されている。この場合、帯電装置10における感光体ドラム表面移動方向の長さは、電子放出層12a,12bの表面積の大小に依存せず、電子放出側電極11aと対向電極13との間隔によって決まる。この間隔は、本実施形態では300[μm]という非常に狭いものであるため、帯電装置10の感光体ドラム表面移動方向長さは、上記従来の帯電装置に比べて大幅に短くなる。よって、本実施形態によれば、感光体ドラム周りの省スペース化を図ることができる。なお、本実施形態における帯電装置10の感光体ドラム表面移動方向長さは約1.5mmである。
層参考例1
次に、電子放出側電極11a,11b上に設けられる電子放出層12a,12bの一参考例(以下、本参考例を「層参考例1」という。)について説明する。
図3は、本層参考例1における一方の電子放出側電極11a上に設けられた電子放出層12aの正面図である。なお、他方の電子放出層12bについても同様であるので説明を省略する。
本実施形態において、電子放出側電極11aは、感光体ドラム1の軸方向に沿って長尺な直方体部材であり、その長尺方向長さは感光体ドラム1の表面上における画像領域(静電潜像が形成され得る領域)よりも長い。そして、電子放出側電極11aは、長尺方向については画像領域全域に対向するように配置される。そして、本層参考例1では、この電子放出側電極11a上に設けられる電子放出層12aは、一体的に形成された単一の層であり、長尺方向については画像領域全域に対向するように配置される。
層参考例1においては、電子放出側電極11aに−1200[V]の印加電圧を印加し、その結果、200[mm/s]の表面移動速度(線速)で回転駆動させた感光体ドラム1の表面は、−400[V]にムラ無く帯電された。
層参考例2
次に、電子放出側電極11a,11b上に設けられる電子放出層12a,12bの他の参考例(以下、本参考例を「層参考例2」という。)について説明する。
図4は、本層参考例2における一方の電子放出側電極11a上に設けられた電子放出層12aの正面図である。なお、他方の電子放出層12bについても同様であるので説明を省略する。
層参考例2では、この電子放出側電極11a上に設けられる電子放出層12aは、電子放出側電極11aの長尺方向(感光体ドラム軸方向)に長尺な2つの電子放出部から構成され、各電子放出部を当該長尺方向に対して直交する方向に並べて配置したものである。この電子放出層12aも、上記層参考例1の場合と同様に、長尺方向ついては画像領域全域に対向するように配置される。
層参考例2でも、上記層参考例1の場合と同様の帯電能力が得られた。
〔層構成例3〕
次に、電子放出側電極11a,11b上に設けられる電子放出層12a,12bの構成例(以下、本構成例を「層構成例3」という。)について説明する。
図5は、本層構成例3における一方の電子放出側電極11a上に設けられた電子放出層12aの正面図である。なお、他方の電子放出層12bについても同様であるので説明を省略する。
本層構成例3では、この電子放出側電極11a上に設けられる電子放出層12aは、多数の電子放出部を電子放出側電極11aの長尺方向(感光体ドラム軸方向)に並べて配置した列を2つ備え、これらの2つの列を当該長尺方向に対して直交する方向に並べて配置したものである。この電子放出層12aも、上記層参考例1や上記層参考例2の場合と同様に、長尺方向ついては画像領域全域に対向するように配置される。そして、本層構成例3では、一方の列における電子放出部の隙間に対応する箇所に他方の列の電子放出部が位置するように構成されている。これにより、多数の電子放出部を電子放出側電極11aの長尺方向に並べて配置した場合でも、その長尺方向における本帯電装置全体の電子放出量のムラを低減することができる。
本層構成例3でも、上記層参考例1や上記層参考例2の場合と同様の帯電能力が得られた。
なお、上述した層参考例1、2及び3では、2つの電子放出層12a,12bは互いに同じ層構成である場合について説明したが、両電子放出層12a,12bが互いに異なる層構成であってもよい。例えば、一方の電子放出層12aに上記層参考例1を採用し、他方の電子放出層12bに上記層参考例2を採用することも可能である。
〔層構成例4〕
次に、電子放出側電極11a,11b上に設けられる電子放出層12a,12bの他の構成例(以下、本構成例を「層構成例4」という。)について説明する。
図6は、本層構成例4における2つの電子放出側電極11a,11b上にそれぞれ設けられた電子放出層12a,12bを示す正面図である。
本層構成例4では、一方の電子放出側電極11a上に設けられる電子放出層12aは、多数の電子放出部が電子放出側電極11aの長尺方向(感光体ドラム軸方向)に並べて配置されたものである。また、他方の電子放出側電極11b上に設けられる電子放出層12bも、多数の電子放出部が電子放出側電極11bの長尺方向(感光体ドラム軸方向)に並べて配置されたものである。これらの電子放出層12a,12bも、上述した各層参考例1、2及び3の場合と同様に、長尺方向ついては画像領域全域に対向するように配置される。そして、本層構成例4では、一方の電子放出側電極11a上に設けられる電子放出部の隙間に対応する箇所に、他方の電子放出側電極11b上の電子放出部が位置するように構成されている。これにより、多数の電子放出部を各電子放出側電極11a,11bの長尺方向に並べて配置した場合でも、その長尺方向における本帯電装置全体の電子放出量のムラを低減することができる。
本層構成例4でも、上述した各層参考例1、2及び3の場合と同様の帯電能力が得られた。
〔変形例1〕
次に、上記実施形態における帯電装置の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
図7は、本変形例1の帯電装置110を感光体ドラム軸方向から見たときの説明図である。
この帯電装置110の基本的構成は、上記実施形態と同様であるが、本変形例1では上記実施形態における対向電極13側に電子放出層112a,112bを設けている点が異なっている。すなわち、本変形例1では、上記実施形態における対向電極13が電子放出側電極111として機能し、上記実施形態における電子放出側電極11a,11bが対向電極113a,113bとして機能する。
また、本変形例1では、イオン発生空間Bと感光体ドラム1の表面との間に、イオン発生空間Bに発生した負イオンを感光体ドラム表面へ移動させる移動電界を形成するためのグリッド型の移動制御電極であるグリッド電極116を備えている点でも、上記実施形態と異なっている。
本変形例1の帯電装置110では、感光体ドラム表面移動方向(図中左右方向)の中央部に設けられた電子放出側電極111の両面に、電子放出部材である電子放出層112a,112bがそれぞれ形成されている。この電子放出層112a,112bは、上記実施形態と同様のものである。本変形例1においては、第1直流電源117から電圧が印加される電子放出側電極111と、第2直流電源118から電圧が印加される各対向電極113a,113bとによって、それぞれ電界形成部が形成される。これらの電極111,113a,113bに電圧が印加されると、電子放出側電極111と対向電極113a,113bとの間に電界が形成される。これにより、電子放出層112a,112bを構成する電子放出素子から電子が放出され、イオン発生空間B内に負イオンが生成される。
また、本変形例1の帯電装置110に設けられたグリッド電極116はステンレス製のもので、このグリッド電極116にはグリッド電源119から電圧が印加される。このグリッド電極116としては、従来からスコロトロン帯電器で用いられているハニカム構造のステンレス板を用いているが、これに限らず、例えばイオンが通過し得る構造を備えたものであれば、例えば導電性膜や穴のあいた導電性板状部材を使用することもできる。電子放出側電極111及び各対向電極113a,113bの端部とグリッド電極116との間隔は、パッシェン放電が発生しない距離に設定されており、本変形例1では500[μm]としている。また、グリッド電極116と感光体ドラム1の表面との間の間隔は1[mm]としている。
本変形例1においては、イオン発生空間B内に負極性のイオンを発生させた後、グリッド電極116に印加された電圧によって形成される移動電界により、その負イオンを感光体ドラム1の表面に向けて移動させる。このような負イオンの発生及び移動を実現するには、電子放出側電極111に印加する電圧をA[V]とし、対向電極113a,113bに印加する電圧をB[V]とし、グリッド電極116に印加する電圧をC[V]としたとき、各電圧が下記の関係式(1)を満たすようにする。
|A| > |B| > |C| ・・・(1)
この関係式(1)を満たすことで、電子放出側電極111上の電子放出層112a,112bから放出された電子は対向電極113a,113bへ向けて移動し、これがイオン発生空間B内の気体分子と衝突して負イオンが生成される。そして、生成された負イオンは、グリッド電極116側へ移動する。帯電処理開始前における感光体ドラム1の表面帯電量は、除電ランプ7により0[V]付近まで低下しているので、グリッド電極116側へ移動した負イオンは、グリッド電極116を通過して感光体ドラム1の表面に付着する。そして、感光体ドラム1の表面帯電量がグリッド電極116の印加電圧とほぼ同等になると、負イオンの感光体ドラム1の表面への移動が停止される。このように、本変形例1によれば、グリッド電極116に印加された電圧によって形成される移動電界により、負イオンの感光体ドラム1の表面への移動を促進することができる。
本変形例1では、第1直流電源117から電子放出側電極111に−1200[V]を印加し、第1直流電源118から各対向電極113a,113bに−800[V]を印加し、グリッド電源119からグリッド電極116に−650[V]を印加した。その結果、200[mm/s]の表面移動速度(線速)で回転駆動させた感光体ドラム1の表面は、−600[V]にムラ無く帯電された。上記実施形態では上述したように、感光体ドラム1の表面帯電量は−400[V]であったことから、グリッド電極116により帯電能力が向上することが確認された。
〔変形例2〕
次に、上記実施形態における帯電装置の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
図8は、本変形例2の帯電装置210を感光体ドラム軸方向から見たときの概略構成図である。
この帯電装置210の基本的構成は、上記変形例1と同様であるが、本変形例2ではイオン発生空間Bが4つ設けられている点が異なっている。具体的には、感光体ドラム表面移動方向(図中左右方向)の中央部と両側の3箇所に対向電極213a,213b,213cを設け、各対向電極213a,213b,213cの間に、それぞれ電子放出側電極211a,211bを設けている。各電子放出側電極211a,211bの両面には、電子放出部材である電子放出層212a,212b,212c,212dが形成されている。なお、各電極に印加する電圧は、上記変形例1と同様である。
本変形例2によれば、電子放出層212a,212b,212c,212dの総面積が上記変形例1に比べて約2倍となり、帯電装置全体での電子放出量を大幅に増やすことができる。その結果、単位時間当たりにイオン発生空間B内に発生するイオンの量を大幅に増やすことができ、帯電能力を大幅にアップさせることができる。その結果、感光体ドラム1を高速回転させる場合、上記変形例1では十分に帯電させることが困難なときでも、本変形例2では十分に帯電することができるようになる。
〔変形例3〕
次に、上記実施形態における帯電装置の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
図9は、本変形例3の帯電装置310を感光体ドラム軸方向から見たときの概略構成図である。
この帯電装置310の基本的構成は、上記変形例1と同様であるが、本変形例3では各イオン発生空間B内に外気を取り込むための吸気開口部320a,320bが絶縁性支持部材314に設けられている。すなわち、本変形例3の帯電装置310は、空間囲い部材としての絶縁性支持部材314及び電極311,313a,313bを有し、これらによってイオン発生空間Bを囲っている。そして、イオン発生空間Bに発生したイオンがイオン発生空間内を感光体ドラム1の表面に向けて移動するイオン移動方向(図中下方向)の出口開口部315a,315bと、イオン発生空間B内に外気を取り込むための吸気開口部320a,320bとを有している。
上述した実施形態及び変形例1及び2では、イオン発生空間Bは出口開口部315a,315bのみで外部と連通する構成となっているため、空気の流れが悪く、出口開口部315a,315bから負イオンを効率よく出すことが困難である。本変形例3では、出口開口部315a,315bのほかに吸気開口部320a,320bを有するので、出口開口部315a,315bから出ていく負イオンの移動により、イオン発生空間内には吸気開口部320a,320bから出口開口部315a,315bへ向かう気流が発生する。この気流により、イオン発生空間内の負イオンは更に出口開口部315a,315bから出やすくなる。その結果、イオン発生空間内に発生した負イオンを効率よく感光体ドラム1の表面へ移動させることができるようになり、帯電能力の向上を図ることができる。
特に、本変形例3のように、吸気開口部320a,320bを出口開口部315a,315bと対向する位置に設ければ、イオン発生空間B内に直線的な空気の流れを作り出すことができるので、イオン発生空間内の負イオンをより効率よく出口開口部315a,315bから出すことができる。
なお、本変形例3のように吸気開口部320a,320bを設ける構成は、上記実施形態のようにグリッド電極が存在しない構成においても有効である。
また、本変形例3では、吸気開口部320a,320bを出口開口部315a,315bと対向する位置に設ける場合について説明したが、出口開口部315a,315bと対向しない位置に設けるようにしてもよい。例えば、図10に示すように、対向電極313a,313bに吸気開口部320a,320bを形成してもよい。この場合、図10に示すように、吸気開口部320a,320bは、出口開口部315a,315bから離れた位置に形成するのが好ましく、また、電子放出側電極311上の電子放出層312a,312bと対向しない箇所に形成するのが好ましい。また、2つのイオン発生空間Bを連通させる通路321を電子放出側電極311に設けるようにしてもよい。
また、本変形例3では、吸気開口部320a,320bは、それぞれ、各イオン発生空間Bの長尺方向(感光体ドラム軸方向)のほぼ全域にわたって開口する1つの開口部であるが、その長尺方向の一部にだけ開口するものであってもよいし、複数の開口部で構成するようにしてもよい。
また、気流発生手段としてのファン等を設け、イオン発生空間B内に吸気開口部320a,320bから外気を積極的に送り込むようにしてもよい。この場合、イオン発生空間B内に出口開口部315a,315bへ向かう速い気流を発生させることができ、イオン発生空間内の負イオンをより効率よく出口開口部315a,315bから出すことができるようになる。この場合に用いる気流発生手段としては、プリンタ本体に他の目的で設置しているファン等を利用してもよい。
〔変形例4〕
次に、上記実施形態における帯電装置の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例4」という。)について説明する。
図11は、本変形例4の帯電装置410を感光体ドラム軸方向から見たときの説明図である。
この帯電装置410の基本的構成は、上記変形例3と同様であるが、本変形例4では電子放出側電極411上に設けられる電子放出層412a,412bとして、上述した層参考例2を採用している点で異なっている。また、対向電極は、各電子放出層412a,412bにおいて2つの電子放出部にそれぞれ対向する位置に、それぞれ設けている点でも上記変形例3とは異なっている。
具体的には、感光体ドラム表面移動方向(図中左右方向)の両側に、それぞれ絶縁性の電極支持部材422a,422bを設け、電子放出層412a,412bを構成する電子放出部と対向する電極支持部材422a,422b上の箇所に、それぞれ対向電極413a,413b,413c,413dを設けている。なお、対向電極413a,413cは、出口開口部415a,415bから離れた位置に配置される電極であり、対向電極413b,413dは、出口開口部415a,415bに近い位置に配置される電極である。
本変形例4では、2つのイオン発生空間Bの各々において、電子放出側電極411と各対向電極413a,413b,413c,413dとによって構成される電界形成部が、イオン発生空間Bに発生した負イオンがイオン発生空間B内を感光体ドラム1の表面に向けて移動するイオン移動方向(図中下方向)に沿って2つ配置されている。以下、出口開口部415a,415bから離れた側の電界形成部を上流側電界形成部とし、出口開口部415a,415bに近い側の電界形成部を下流側電界形成部とする。
本変形例4においては、各対向電極413a,413b,413c,413dに印加される第2直流電源118からの電圧が電界制御手段としての制御部423によって制御される。詳しくは、イオン移動方向(図中下方向)の下流側に位置する下流側電界形成部から順に電界を形成するように、各対向電極413a,413b,413c,413dへの印加電圧を制御する。
具体的に説明すると、まず、制御部423は、下流側電界形成部に電界を形成すべく対向電極413b,413dに−800[V]の電圧を印加するとともに、上流側電界形成部に電界が形成されないように対向電極413a,413cに−1200[V]の電圧を印加する。なお、電子放出側電極411の印加電圧は、上述したように−1200[V]である。これにより、イオン発生空間B内の下流側電界形成部に対応した領域(以下、「下流側領域」という。)すなわちイオン発生空間B内の出口開口部415a,415bに近い側の領域(図中下半分の領域)では負イオンが発生し、イオン発生空間B内の上流側電界形成部に対応した領域(以下、「上流側領域」という。)すなわちイオン発生空間B内の出口開口部415a,415bから離れた側の領域(図中上半分の領域)では負イオンが発生しない。そして、イオン発生空間B内の下流側領域で発生した負イオンは、グリッド電極416による移動電界に加え、上流側領域に印加されている電圧による電界も作用して、感光体ドラム1の表面に向けて効率よく移動する。
続いて、制御部423は、上流側電界形成部に電界を形成すべく対向電極413a,413cに−800[V]の電圧を印加するとともに、下流側電界形成部に電界が形成されないように対向電極413b,413dに−1200[V]の電圧を印加する。これにより、今度は、イオン発生空間B内の上流側領域で負イオンが発生し、イオン発生空間B内の下流側領域では負イオンが発生しない。このとき、下流側電界形成部を構成する電子放出側電極411の部分と対向電極413b,413dには−1200[V]の電圧が印加されている関係で、イオン発生空間B内の上流側領域で発生した負イオンは下流側領域に移動できずに上流側領域にとどまる。
次に、制御部423は、再び、下流側電界形成部に電界を形成すべく対向電極413b,413dに−800[V]の電圧を印加するとともに、上流側電界形成部に電界が形成されないように対向電極413a,413cに−1200[V]の電圧を印加する。これにより、イオン発生空間B内の下流側領域で負イオンが発生するとともに、イオン発生空間B内の上流側領域にとどまっていた負イオンが下流側領域へ移動してくる。そして、下流側領域で発生した負イオン及び上流側領域から下流側領域へ移動してきた負イオンは、グリッド電極416による移動電界によって感光体ドラム1の表面に向けて移動する。
このような電圧制御を繰り返し行うことで、イオン発生空間B内の上流側領域で発生した負イオンを順次感光体ドラムの表面へ移動させることができ、イオン発生空間B内の上流側領域で発生した負イオンの移動を促進することができる。このような電圧制御を行わない場合、感光体ドラム1の表面から離れたイオン発生空間B内の領域で発生した負イオンは、グリッド電極を設けている場合でも、出口開口部側より対向電極側へ引き寄せられる力の方が強い。そのため、その領域で発生した負イオンを効率よく出口開口部側へ移動させることが困難となる結果、イオン発生空間B内に発生させた負イオンを効率よく感光体ドラム1の表面へ付着させることができない。これに対し、本変形例4では、上記のような電圧制御を行うことで、感光体ドラム1の表面から離れたイオン発生空間B内の領域(上流側領域)で発生した負イオンを効率よく出口開口部側へ移動させることができるので、イオン発生空間B内に発生させた負イオンを効率よく感光体ドラム1の表面へ付着させることができる。
特に、上流側電界形成部と下流側電界形成部との間での電圧印加切換タイミングを適切に設定することで、負イオンの移動速度を加速させながら負イオンを感光体ドラム1の表面へ移動させることができる。この場合には、より高い帯電能力が得られる。
なお、本変形例4では、電子放出層412a,412bとして上記層参考例2を採用しているが、他の層構成例を用いても同様の効果が得られる。例えば、上記層参考例1を採用した場合には、図12に示すような構成となる。
〔変形例5〕
次に、上記実施形態における帯電装置の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例5」という。)について説明する。
図13は、本変形例5の帯電装置510を感光体ドラム軸方向から見たときの概略構成図である。
この帯電装置510の基本的構成は、上記変形例4と同様であるが、本変形例5では電子放出側電極511a,511b,511c,511dの印加電圧を制御する点で異なっている。具体的には、感光体ドラム表面移動方向(図中左右方向)の両側に対向電極513a,513bを設け、感光体ドラム表面移動方向中央部に絶縁性の電極支持部材522を設ける。そして、その電極支持部材522の両面に、それぞれ、イオン移動方向(図中上下方向)に沿って2つの電子放出側電極511a,511b,511c,511dを設け、各電子放出側電極上に電子放出層512a,512b,512c,512dを形成する。なお、電子放出側電極511a,511cは、出口開口部515a,515bから離れた位置に配置される電極であり、電子放出側電極512b,512dは、出口開口部515a,515bに近い位置に配置される電極である。よって、本変形例5では、2つのイオン発生空間Bの各々において、電子放出側電極511a,511cと各対向電極513a,513bとによって構成される上流側電界形成部と、電子放出側電極511b,511dと各対向電極513a,513bとによって構成される下流側電界形成部とが設けられている。
このような構成においても、上記変形例4で説明した電圧制御と同様の制御を行うことにより、イオン発生空間B内の上流側領域で発生した負イオンを順次感光体ドラムの表面へ移動させることができ、イオン発生空間B内の上流側領域で発生した負イオンの移動を促進することができる。その結果、イオン発生空間B内に発生させた負イオンを効率よく感光体ドラム1の表面へ付着させることができる。
〔変形例6〕
次に、上記実施形態における帯電装置の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例6」という。)について説明する。
図14は、本変形例6の帯電装置610を感光体ドラム軸方向から見たときの概略構成図である。
この帯電装置610の基本的構成は、上記変形例1と同様であるが、本変形例6ではグリッド電極616と対向する絶縁性支持部材614上に、移動制御対向電極624a,624bを配置している点で異なっている。この移動制御対向電極624a,624bには、図示しない電源から、グリッド電極616の印加電圧(−650[V])よりも大きい電圧、例えば−800[V]を印加する。これにより、グリッド電極616と移動制御対向電極624a,624bとの間に、イオン発生空間B内の負イオンを出口開口部615a,615bへ移動させるより強い移動電界を形成することができる。その結果、イオン発生空間B内に発生した負イオンの移動を促進することができ、イオン発生空間B内に発生させた負イオンを効率よく感光体ドラム1の表面へ付着させることができる。
特に、電子放出側電極611及び対向電極613a,613bの少なくとも一方の印加電圧を制御して、これらの電極611,613a,613bにより構成される電界形成部に電界を形成する時期と電界を形成しない時期とを交互に実現するようにし、後者の時期にだけ移動制御対向電極624a,624bへ電圧を印加するようにしてもよい。この場合、移動制御対向電極624a,624bへの電圧印加中は、イオン発生空間B内に、負イオンを移動制御対向電極624a,624bからグリッド電極616へ真っ直ぐに移動させる移動電界が形成される。よって、イオン発生空間B内に発生させた負イオンを、より効率よく感光体ドラム1の表面へ付着させることができる。
〔変形例7〕
次に、上記実施形態における帯電装置の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例7」という。)について説明する。
図15は、本変形例7の帯電装置710を感光体ドラム軸方向から見たときの概略構成図である。
この帯電装置710の基本的構成は、上記変形例1と同様であるが、本変形例7では電子放出側電極711と対向電極713a,713bとの間の距離を一定に維持する電極支持機構として、絶縁性のスペーサ725を利用している点で異なっている。具体的に説明すると、このスペーサ725は、挿入部725aを有し、その挿入部725aが電子放出側電極711と対向電極713a,713bとの間に嵌り込むようにして、各電極711,713a,713bにおける長尺方向(図中左右方向)の両端部に取り付けられる。このようなスペーサ725を設けることで、電子放出側電極711と対向電極713a,713bとの間を、挿入部725aの厚さに相当する距離に安定して維持することができる。挿入部725aは、その厚さが所望の厚さとなるように高精度かつ容易に製造することができるので、電子放出側電極711と対向電極713a,713bとの間の距離を、所望の距離に安定して維持することができる。その結果、電界形成部に安定した電界を形成することができるようになり、電子放出層712a,712bからの電子放出量のムラを抑制できる。したがって、イオン発生空間B内に安定した量の負イオンを発生させることができる結果、感光体ドラム1の表面をムラなく帯電することができる。
〔変形例8〕
次に、上記実施形態における帯電装置の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例8」という。)について説明する。
図16は、本変形例8の帯電装置810を感光体ドラム軸方向から見たときの概略構成図である。
この帯電装置810の基本的構成は、上記変形例1と同様であるが、本変形例8では電子放出側電極811と対向電極813a,813bとの間の距離を一定に維持する電極支持機構として、グリッド電極816を利用している点で異なっている。具体的に説明すると、本変形例8の電極支持機構は、グリッド電極816と、電子放出側電極811及び対向電極813a,813bをグリッド電極816上に固定するための絶縁性固定部材としての固定部816aとから構成されている。この固定部816aは、グリッド電極816上に所定間隔を開けて固定されており、各固定部816aには電子放出側電極811及び対向電極813a,813bがそれぞれ取り付けられる。これにより、電子放出側電極811と対向電極813a,813bとの間を、グリッド電極816上に設けられた固定部816aの間隔に相当する距離に安定して維持することができる。各固定部816aは、所望の間隔となるようにグリッド電極816上に高精度かつ容易に固定することができるので、電子放出側電極811と対向電極813a,813bとの間の距離を、所望の距離に安定して維持することができる。その結果、電界形成部に安定した電界を形成することができるようになり、電子放出層812a,812bからの電子放出量のムラを抑制できる。したがって、イオン発生空間B内に安定した量の負イオンを発生させることができる結果、感光体ドラム1の表面をムラなく帯電することができる。
以上、上記実施形態(上述した各層構成例や各変形例を含む。以下同じ。)の帯電装置10,110,210,310,410,510,610,710,810は、被電荷付与部材としての感光体ドラム1の被電荷付与面である画像領域面に対して電荷を付与する電荷付与装置である。この帯電装置は、互いに対向する2つの電極である電子放出側電極11a,11b,111,211a,211b,311,411,511a,511b,511c,511d,611,711,811と、対向電極13,113a,113b,213a,213b,213c,313a,313b,413a,413b,413c,413d,513a,513b,613a,613b,713a,713b,813a,813bとの間に電界を形成するための電界形成部と、電界形成部を構成するいずれか一方の電極(電子放出側電極)における他方の電極(対向電極)と対向する対向箇所に設けられ、電界中で電子を放出する電子放出部材としての電子放出層12a,12b,112a,112b,212a,212b,212c,212d,312a,312b,412a,412b,412c,412d,512a,512b,512c,512d,612a,612b,712a,712b,812a,812bと、対向電極と電子放出層との間に形成されるイオン発生空間B内で発生したイオンを該イオン発生空間外へ排出するための出口開口部15a,15b,115a,115b,315a,315b,415a,415b,515a,515b,615a,615bとを有している。これにより、電界形成部に電界を形成させると電子放出層から電子が放出され、その電子が空気中の分子に付着することによりイオン発生空間Bに負イオンが発生し、この負イオンが感光体ドラム1へ移動することにより感光体ドラム1の画像領域面に負イオンが付着してその画像領域面に電荷が付与される。上記実施形態では、対向電極が感光体ドラム1ではなく、電子放出側電極と同じように帯電装置の構成部品である。そのため、対向電極が感光体ドラム1である従来構成に比べて、これらの電極間の距離を所望の距離に設定することが容易となる。よって、電界形成部に形成される電界を一定に維持することが容易となる結果、電子放出層からの電子放出量を容易に安定化でき、感光体ドラム1に対して所望の電荷量を付与することが容易となる。しかも、上記実施形態の帯電装置においては、電子放出層の対向電極が感光体ドラム1ではないため、感光体材料のポリカーボネートなどの有機材料をアタックして酸化・焼失させることがない結果、感光体膜削れも低減でき、感光体の寿命を延ばすことができる。加えて、上記実施形態の帯電装置によれば、感光体ドラム1の帯電処理に際してオゾンやNOx等の放電生成物を発生させなくて済む。また、帯電装置に印加する電圧を従来のコロナ帯電やローラ帯電方式に比べて低減できるので、省エネルギー化が可能となる。
また、上記実施形態においては、電子放出側電極及び対向電極の互いに対向する各電極面はそれぞれ互いに平行な平面であり、電子放出部材が電子放出側電極の電極面上に設けられるほぼ均一な厚さの電子放出層である。このような構成により、電子放出層からの電子放出量のムラを容易に抑制することができる。その結果、感光体ドラム1に対して所望の電荷量をムラ無く付与することが容易となる。
また、上記層参考例1及び上記層参考例2においては、電子放出層が、イオン発生空間B内で発生した負イオンが上記出口開口部に向けて移動するイオン移動方向に対して直交する方向(長尺方向)における感光体ドラムの画像領域面に対応する領域にわたって延在している。これにより、限られた範囲内で電子放出層の表面積を最大限に確保することが可能となり、大きな電子放出量を確保することができる。
また、上記層構成例3及び上記層構成例4においては、上記長尺方向に沿って複数の電子放出部が配置されている。上記層参考例1及び上記層参考例2のように電子放出層が長尺方向にわたって長尺な層である場合、その層の製造誤差等によりその長尺方向において電子放出能のムラが発生することが多い。そのため、長尺方向において電子放出量のムラが発生してイオン発生量のムラが生じ、その長尺方向において感光体ドラム1上に帯電ムラが発生しやすい。これに対し、長尺方向に沿って複数の電子放出部を配置した構成であれば、個々の電子放出部間に電子放出能のムラが多少あっても、これらの電子放出部を無作為に長尺方向に沿って複数配置することで、その長尺方向全体の電子放出能のムラは平均化される。その結果、長尺方向における電子放出量のムラが抑制されるのでイオン発生量のムラも抑制され、その長尺方向における感光体ドラム1上に帯電ムラを抑制できる。
特に、上記層構成例3及び上記層構成例4においては、複数の電子放出部が長尺方向における感光体ドラム1の画像領域面に対応する領域にわたって配置されている。すなわち、長尺方向においては、電子放出部が感光体ドラム1の画像領域面に対応する領域で隙間無く配置されている。よって、長尺方向における感光体ドラム1上に帯電ムラを更に抑制できる。
また、上記変形例4においては、上記イオン移動方向に沿って複数の電界形成部を配置し、各電界形成部を構成する電子放出側電極411に電子放出層412a,412b,412c,412dをそれぞれ設け、イオン移動方向の下流側に位置する下流側電界形成部から順に電界を形成するように、各電界形成部を制御する電界制御手段として制御部423を設けている。これにより、感光体ドラム1の画像領域面から離れたイオン発生空間B内の領域で発生した負イオンを効率よく出口開口部415a,415b側へ移動させることができるので、イオン発生空間B内に発生させた負イオンを効率よく感光体ドラム1の画像領域面へ付与することができる。
また、上記各変形例においては、イオン発生空間Bの出口開口部又はその近傍に、イオン発生空間B内で発生した負イオンをその画像領域面へ移動させる移動電界を形成するための移動制御電極としてのグリッド電極116,216,316,416,516,616,716,816を設け、電子放出側電極に印加する電圧をA[V]とし、対向電極に印加する電圧をB[V]とし、グリッド電極に印加する電圧をC[V]としたとき、各電圧が上記関係式(1)を満たすように構成されている。これにより、イオン発生空間B内に生じる電界の作用により、そのイオン発生空間B内で発生した負イオンを感光体ドラム1の画像領域面に向けて移動させることができる。よって、イオン発生空間B内の負イオンを感光体ドラム1の画像領域面に効率よく付与することができる。
また、上記変形例3においては、イオン発生空間Bを囲う空間囲い部材として、絶縁性支持部材314及び電極311,313a,313bを有し、この空間囲い部材は、出口開口部315a,315bと外気を取り込むための吸気開口部320a,320bとを有している。これにより、イオン発生空間内に吸気開口部320a,320bから出口開口部315a,315bへ向かう気流を発生させることができ、イオン発生空間B内の負イオンを出口開口部315a,315bから出しやすくなる。その結果、イオン発生空間内に発生した負イオンを効率よく感光体ドラム1の画像領域面へ移動させることができるようになり、帯電能力の向上を図ることができる。また、イオン発生空間B内に新しい空気を取り込むことができる結果、電子放出層から放出された電子による気体分子のイオン化を安定させることができ、安定した帯電が可能となる。
また、上記実施形態においては、電子放出側電極と対向電極とを支持してこれらの電極間の距離を一定に維持する電極支持機構として絶縁性支持部材14,214,314,414,514,614,714,814を有している。これにより、電子放出側電極と対向電極との間の距離を、所望の距離に安定して維持することが可能となる。その結果、電界形成部に安定した電界を形成することができるようになり、電子放出層からの電子放出量のムラを抑制できる。したがって、イオン発生空間B内に安定した量の負イオンを発生させることができる結果、感光体ドラム1の表面をムラなく帯電することができる。特に、上記変形例7では、絶縁性支持部材714とスペーサ725とから電極支持機構を構成しているため、電子放出側電極と対向電極との間の距離を所望の距離に設定することが容易である。
また、上記変形例8においては、電極支持機構が、グリッド電極816と、電子放出側電極及び対向電極をグリッド電極上に固定するための絶縁性固定部材としての固定部816aとから構成されている。これにより、電子放出側電極と対向電極との間の距離を所望の距離に設定することが容易になる。
また、上記実施形態に係るプリンタは、被電荷付与部材としての感光体ドラム1と、その感光体ドラム1の画像領域面に対して電荷を付与する電荷付与手段と、感光体ドラム1を利用して記録材である転写紙P上に画像を形成する画像形成部とを有する画像形成装置である。そして、上記帯電装置10,110,210,310,410,510,610,710,810を、上記電荷付与手段として用いている。
特に、上記実施形態では、上記帯電装置は、電子放出側電極及び対向電極が互いに対向する電極対向方向に対して略直交する方向(イオン移動方向)に出口開口部を有し、その出口開口部が感光体ドラム1の画像領域面に対向するように配置されている。これにより、感光体ドラム表面移動方向における帯電装置の長さは、電子放出層の表面積の大小に依存せず、電子放出側電極と対向電極との間隔によって決まる。よって、大きな帯電能力を得るべく電子放出量を多くするために電子放出層の表面積を広くしても、感光体ドラム表面移動方向における帯電装置の長さは長くならず、感光体ドラム周りの省スペース化を図ることができる。
なお、上述した実施形態においては、単色画像形成用のプリンタを例に挙げて説明したが、複数色画像形成用の画像形成装置についても同様に適用可能である。特に、図17に示すような色ごとに感光体を備えるいわゆるタンデム型の画像形成装置においては、感光体周りの小型化は非常に有益であり、各感光体についてそれぞれ設けられる帯電装置として上述した帯電装置10,210,310,410,510,610,710,810を利用することは極めて有用である。
また、上述した実施形態においては、本発明を感光体ドラム1を一様に帯電する帯電装置に適用した場合について説明したが、他の電荷付与装置に適用することもできる。例えば、除電ランプ7に代えて本発明を適用した除電装置を除電手段として用いたり、転写ローラ3に代えて本発明を適用した転写装置を転写手段として用いたりすることも可能である。
また、本発明は、画像形成装置以外の装置に搭載される電荷付与装置についても同様に適用することが可能である。
実施形態に係るプリンタの帯電装置を感光体ドラム軸方向から見たときの概略構成図。 同プリンタの概略構成図。 層参考例1における電子放出側電極上に設けられた電子放出層の正面図。 層参考例2における電子放出側電極上に設けられた電子放出層の正面図。 層構成例3における電子放出側電極上に設けられた電子放出層の正面図。 層構成例4における電子放出側電極上に設けられた電子放出層の正面図。 変形例1の帯電装置を感光体ドラム軸方向から見たときの説明図。 変形例2の帯電装置を感光体ドラム軸方向から見たときの概略構成図。 変形例3の帯電装置を感光体ドラム軸方向から見たときの概略構成図。 同帯電装置の他の例を示す概略構成図。 変形例4の帯電装置を感光体ドラム軸方向から見たときの説明図。 同帯電装置の他の例を示す概略構成図。 変形例5の帯電装置を感光体ドラム軸方向から見たときの概略構成図。 変形例6の帯電装置を感光体ドラム軸方向から見たときの概略構成図。 変形例7の帯電装置を感光体ドラム軸方向から見たときの概略構成図。 変形例8の帯電装置を感光体ドラム軸方向から見たときの概略構成図。 タンデム型の画像形成装置の概略構成図。
符号の説明
1 感光体ドラム
10,210,310,410,510,610,710,810 帯電装置
11a,11b,111,211a,211b,311,411,511a,511b,511c,511d,611,711,811 電子放出側電極
12a,12b,112a,112b,212a,212b,212c,212d,312a,312b,412a,412b,412c,412d,512a,512b,512c,512d,612a,612b,712a,712b,812a,812b 電子放出層
13,113a,113b,213a,213b,213c,313a,313b,413a,413b,413c,413d,513a,513b,613a,613b,713a,713b,813a,813b 対向電極
14,214,314,414,514,614,714,814 絶縁性支持部材
15a,15b,115a,115b,315a,315b,415a,415b,515a,515b,615a,615b 出口開口部
116,216,316,416,516,616,716,816 グリッド電極
117 第1直流電源
118 第2直流電源
119 グリッド電源
320a,320b 吸気開口部
422a,422b,522 電極支持部材
423 制御部
624a,624b 移動制御対向電極
725 スペーサ

Claims (11)

  1. 被電荷付与部材の被電荷付与面に対して電荷を付与する電荷付与装置において、
    互いに対向する2つの電極間に電界を形成するための電界形成部と、
    該電界形成部を構成するいずれか一方の電極における他方の電極と対向する対向箇所に設けられ、電界中で電子を放出する電子放出部材と、
    該他方の電極と該電子放出部材との間に形成されるイオン発生空間内で発生したイオンを該イオン発生空間外へ排出するための出口開口部とを有し、
    上記電子放出部材は、上記イオン発生空間内で発生したイオンが上記出口開口部に向けて移動するイオン移動方向に対して直交する方向に沿って配置された複数の電子放出部で構成されていることを特徴とする電荷付与装置。
  2. 請求項1の電荷付与装置において、
    上記複数の電子放出部を、上記イオン移動方向に対して直交する方向における上記被電荷付与面に対応する領域にわたって配置したことを特徴とする電荷付与装置。
  3. 被電荷付与部材の被電荷付与面に対して電荷を付与する電荷付与装置において、
    互いに対向する2つの電極間に電界を形成するための電界形成部と、
    該電界形成部を構成するいずれか一方の電極における他方の電極と対向する対向箇所に設けられ、電界中で電子を放出する電子放出部材と、
    該他方の電極と該電子放出部材との間に形成されるイオン発生空間内で発生したイオンを該イオン発生空間外へ排出するための出口開口部とを有し、
    上記イオン発生空間内で発生したイオンが上記出口開口部に向けて移動するイオン移動方向に沿って複数の電界形成部を配置し、
    各電界形成部を構成する上記いずれか一方の電極に上記電子放出部材をそれぞれ設け、
    該イオン移動方向の下流側に位置する電界形成部から順に電界を形成するように、該各電界形成部を制御する電界制御手段を設けたことを特徴とする電荷付与装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電荷付与装置において、
    上記2つの電極の互いに対向する各電極面はそれぞれ互いに平行な平面であり、
    上記電子放出部材は、上記いずれか一方の電極の電極面上に設けられるほぼ均一な厚さの電子放出層であることを特徴とする電荷付与装置
  5. 求項1乃至4のいずれか1項に記載の電荷付与装置において、
    上記イオン発生空間の出口開口部又はその近傍に、該イオン発生空間内で発生したイオンを該被電荷付与面へ移動させる移動電界を形成するための移動制御電極を設け、
    上記いずれか一方の電極に印加する電圧をA[V]とし、上記他方の電極に印加する電圧をB[V]とし、該移動制御電極に印加する電圧をC[V]としたとき、各電圧が下記の関係式(1)を満たすように構成したことを特徴とする電荷付与装置。
    |A| > |B| > |C| ・・・(1)
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電荷付与装置において、
    上記イオン発生空間を囲う空間囲い部材を有し、
    該空間囲い部材は、上記出口開口部と、外気を取り込むための吸気開口部とを有することを特徴とする電荷付与装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電荷付与装置において、
    上記2つの電極を支持してこれらの電極間の距離を一定に維持する電極支持機構を有することを特徴とする電荷付与装置。
  8. 請求項の電荷付与装置において、
    上記イオン発生空間の出口開口部又はその近傍に、該イオン発生空間内で発生したイオンを該被電荷付与面へ移動させる移動電界を形成するためのグリッド型の移動制御電極を有し、
    上記電極支持機構を、該グリッド型の移動制御電極と、上記2つの電極を該移動制御電極上に固定するための絶縁性固定部材とから構成したことを特徴とする電荷付与装置。
  9. 被電荷付与部材と、
    該被電荷付与部材の被電荷付与面に対して電荷を付与する電荷付与手段と、
    該被電荷付与部材を利用して記録材上に画像を形成する画像形成部とを有する画像形成装置において、
    上記電荷付与手段として、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電荷付与装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項の画像形成装置において、
    上記被電荷付与部材は潜像担持体であり、
    上記電荷付与装置は、該潜像担持体の表面を一様に帯電するための帯電装置であり、
    上記画像形成部は、該電荷付与装置により一様に帯電された該潜像担持体の表面に潜像を形成した後、該潜像を可視像化した画像を上記記録材上に転写して画像形成を行うものであることを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項又は10の画像形成装置において、
    上記電荷付与装置は、上記2つの電極が互いに対向する電極対向方向に対して略直交する方向に上記出口開口部を有し、該出口開口部が上記被電荷付与部材の上記被電荷付与面に対向するように配置されていることを特徴とする画像形成装置。
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