JP4620861B2 - 貼付剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は主として、皮膚損傷の予防や創傷部の保護、さらには体液吸収材料や創傷部治療材料の固定用として用いられる新しい貼付剤に関する。さらに詳しくは本発明は剥離時に皮膚表面に対して低刺激性を必要とする用途、二度貼りを必要とする用途、長時間の貼付においてもカブレにくいことが要求される用途、防水性を必要とする用途、高通気性を必要とする用途、吸水性を必要とする用途に好適に用いられる新しい貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、皮膚損傷の予防や創傷部の保護、さらには体液吸収材料や創傷部治療材料の固定用として用いられる貼付剤の粘着剤としては通常、アクリル系粘着剤やゴム系粘着剤が用いられている。しかし、これらの粘着剤はいずれも皮膚に対する粘着力が強く使用用途によっていくつかの問題点が指摘されている。例えば、幼児向け貼付剤等では貼付後の剥離に際して皮膚表面の角質層の一部を一緒にはがしてしまう結果、痛みやかゆみを伴うことが多い。又、忙しい医療現場などでは一度皮膚上に仮止めした貼付剤を患部に貼り直すことが行われるが、仮止めした貼付剤をはがした時皮膚の角質層が該貼付剤の粘着剤表面に付着する結果、粘着力が失われ二度貼りができないという問題が生じている。さらには長時間の貼付を必要とする場合などでは貼付剤の粘着力が強すぎる結果、貼付剤エッジ面と皮膚との引っ張り合いによる物理的(機械的)な皮膚刺激によってカブレが起こりやすい等の問題が指摘されている。さらに又、防水性を必要とする用途等では前記の従来の粘着剤では粘着剤の凝集力が大きく、貼付に際して皮溝へ浸入しにくく、この結果貼付界面から水の浸入を許してしまうなどの欠点が指摘されている。又、高通気性を必要とする用途では、支持体に通気性をもたせるだけでは不十分で、粘着剤層にも通気性をもたせる必要があり、粘着剤の線引き塗工等が行われるが、この方法では粘着剤の占める面積が当然少なくなるため、肌への密着性が悪い通常の粘着剤では、被着体の動きに追随できずすぐにはがれてしまうなどの問題がある。さらに付け加えれば、アクリル系粘着剤やゴム系粘着剤は吸水性が乏しく体液等を吸収しなければならない用途には当然のことながら用いることができない。
【0003】
一方、薬物含有保護パッドや薬物含有貼付剤についてはこれらの欠点を少なくした膏体層(粘着剤層)が提案されている。例えば、特開昭61−249934号公報や特開昭62−53933号公報では、薬物の経皮吸収を高める目的から炭素数1〜5のアルコール、炭素数7〜20のアルコール、脂肪族カルボン酸類などを含有させた外皮投与用組成物が提案されている。
【0004】
また、特開昭61−186316号公報では、薬物、吸収促進作用を呈する水溶性蛋白質、軟性を付与する多価アルコール類、粘着性賦与剤、経皮吸収を促進する油性物質を含有する軟質な外用貼付剤が開示されている。
【0005】
さらに、特開平4−368322号公報には、ビニルピロリドン(共)重合体と(メタ)アクリル酸共重合体とのブレンドポリマーを主成分としてこれに軟化剤として多価アルコールと粘着付与剤としてロジンを添加した医療用粘着剤が提案されている。
【0006】
さらに又、特開平4−312525号公報には、支持体の片面に薬物と水不溶性粘着剤と多価アルコールと無水珪酸と必要に応じて粘着剤への可塑化作用を有する化合物を含む膏体層が設けられた貼付剤が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭61−249934号公報や特開昭62−53933号公報に開示される技術では、薬物透過性を促進し膏体を軟らかくする低級アルコールが使用されているが、支持体つき貼付剤の膏体層に薬物透過促進が十分発揮されるだけの低級アルコール量を含有せしめた場合、膏体層が柔らかくなりすぎ膏体を皮膚からはがす時などに皮膚上に糊残りが生じたり膏体の粘着力が極端に低下するなどの問題がある。
【0008】
又、特開昭61−186316号公報、特開平4−368322号公報に開示される粘着剤(膏体層)に軟らかさを付与するための軟化剤として多価アルコールを用いる方法では、確かに粘着剤(膏体層)に柔軟性が付与でき皮膚等へのフィット感を得ることはできるが、反面粘着剤(膏体層)の凝集力や粘着力を保持することが困難でこれ自体での皮膚等への固定・固着が難しいという問題が生じる。
【0009】
さらに、特開平4−312525号公報では、水不溶性粘着剤の凝集力をアップさせることにより粘着剤の流動性を抑える目的で無水珪酸を多価アルコールや可塑化化合物とともに粘着剤中に添加しているが、無水珪酸の添加は粘着剤中への分散が難しく粘着剤の不均質化を招くという問題を有している。
【0010】
本発明は上述の従来技術の欠点を解消するために創案されたものであり、その目的は柔軟でありながらも糊残りのない皮膚への固定・固着が良好な粘着性能を有する軟粘性粘着剤を用いて、貼付後の剥離における低刺激性能、二度貼りが可能な繰り返し貼付性能、長時間貼付においてカブレにくい耐カブレ性能、貼付界面からの水の浸入を阻止できる防水性能、貼付部のムレやただれを防止する高通気性能、及び体液をすみやかに吸収して患部を雑菌から守ることのできる吸水性能を付与できる貼付剤を得ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は官能基を有するアクリル酸アルキルエステル系共重合体、脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸アルキルエステルを含む油性類から選択されたポリマー軟粘剤、及びエポキシ、金属キレート、イソシアネート、メラミン、エチレンイミンまたはエチレンチオウレアから選択された架橋剤を含有する軟粘性粘着剤層を支持体の片面又は両面に設けたことを特徴とする貼付後の剥離に際して皮膚表面の角質層を痛めない低刺激性能、二度貼り貼付が可能な繰り返し貼付性能、及び長時間貼付においてもカブレにくい耐カブレ性能を有する貼付剤である。
【0012】
本発明の貼付剤の好ましい態様では、前記軟粘性粘着剤が前記アクリル酸アルキルエステル系共重合体を固形分で85〜50重量%、前記ポリマー軟粘剤を有効成分で15〜30重量%、前記架橋剤を有効成分で0.25〜10.0重量%含有し、前記軟粘性粘着剤がアクリル系重合体、グラフト澱粉系重合体、及びセルロース系重合体から選択される少なくとも一つの親水性高分子物質を前記アクリル酸アルキルエステル系共重合体に対する固形分比で99/1〜70/30(アクリル酸アルキルエステル系共重合体/親水性高分子物質)の割合でさらに含有する。
【0013】
本発明の貼付剤の好ましい態様では、前記軟粘性粘着剤層にパッドを貼付した貼付剤であって、前記軟粘性粘着剤層が前記パッドの外縁部より少なくとも5mm外側にはみ出るようにする。さらに本発明の貼付剤の好ましい態様では、前記パッドがカルボキシビニルポリマー、多糖類、セルロース類、及びポリビニルアルコールから選択される少なくとも一つの物質を含有する。
【0014】
本発明の貼付剤の好ましい態様では、前記支持体がフィルム、織布、編布、不織布、紙の単層体もしくは積層体、又はこれらの二つ以上を組合せた積層体からなる。さらに本発明の貼付剤の好ましい態様では、前記支持体がフィルムの片面に織布又は編布を熱圧着せしめてなり、軟粘性粘着剤が前記織布又は編布が表層に露出しない程度の厚さで前記織布又は編布面上に設けられている。
【0015】
本発明の貼付剤の好ましい態様では、前記支持体の片面又は両面に設けられた軟粘性粘着剤層が所望の形状の実質的に非粘着の部分を所望の箇所に有する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて詳述する。
図1はロール巻き形状の本発明貼付剤の斜視図であり、
図2はストリップ形状の本発明貼付剤の一部破断斜視図であり、
図3は軟粘性粘着剤層上にパッドを設けた形状の本発明貼付剤の斜視図であり、
図4はフィルムと編布の二層構造からなる支持体と軟粘性粘着剤とからなる本発明貼付剤の一部破断斜視図であり、
図5は実質的に非粘着の紋様を軟粘性粘着層中に有する本発明貼付剤の一部破断斜視図である。
尚、図中の符号のうち、1は本発明貼付剤、2は支持体、2aはフィルム、2bは編布(織布)、3は軟粘性粘着剤(層)、4は芯管、5は離型紙、6はパッド、6aはパッド外縁部、7は紋様を示す。
【0017】
本発明貼付剤は、上述のように官能基を有するアクリル酸アルキルエステル系共重合体、脂肪酸アルキルエステル又は脂肪酸アルキルエステルを含む油性類から選択されたポリマー軟粘剤、エポキシ、金属キレート、イソシアネート、メラミン、エチレンイミン、又はエチレンチオウレアから選択された架橋剤を含有する軟粘性粘着剤を、支持体の片面もしくは両面に設けて構成されるものである。本発明貼付剤はかかる構成を採用する限りいかなる形状も採ることができるが、例えば図1に示す如きロール形状や図2〜図5に示す如きストリップ形状を採ることができる。尚、図面では軟粘性粘着剤3を支持体2の片面に設けた場合のみを例示したが要すれば軟粘性粘着剤3は支持体2の両面に設けても勿論差し支えない。
【0018】
本発明貼付剤の軟粘性粘着剤を構成する官能基を有するアクリル酸アルキルエステル系共重合体としては、アクリル酸アルキルエステルと官能性モノマーとの共重合体またはアクリル酸アルキルエステルと官能性モノマーと第3成分との共重合体が挙げられる。上記のアクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜18のアクリル酸アルキルエステルが挙げられ、例えばアクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸・2エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリルなどのうちの一つもしくは二つ以上の組合せが挙げられる。
【0019】
上記のアクリル酸アルキルエステルと共重合しうる官能性モノマーとしては、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、水酸基などの官能基を有するモノマーが挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、▲1▼マレイン酸、▲2▼アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸、▲3▼マレイン酸ブチルなどのマレイン酸モノアルキルエステル、▲4▼フマル酸、▲5▼クロトン酸などがある。
【0020】
アミノ基を有するモノマーとしては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ビニルピロリドンなどがある。アミド基を有するモノマーとしては、▲1▼アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミドなどのアルキルアクリルアミド、▲2▼ブトキシメチルアクリルアミド、エトキシメチルアクリルアミドなどのアルキルエーテルメチロールアクリルアミドの他、ジアセトンアクリルアミドがある。
【0021】
水酸基を有するモノマーとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレートがある。
【0022】
上記のアクリル酸アルキルエステルに共重合しうる第3成分としては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニルなどが挙げられる。
【0023】
尚、上記のアクリル酸アルキルエステル系共重合体のうちアクリル酸アルキルエステルと共重合しうる官能性モノマーの含有率は0.2〜20モル%の範囲が好適である。その理由は、0.2モル%未満の量では架橋点としての作用効果が得られにくく、その結果架橋剤を添加して反応させても粘着剤における十分な架橋が得られにくいからであり、20モル%を超える量では配合・塗工等の工程において架橋剤を添加した粘着剤がゲル化しやすいなどの問題が生じるおそれがあるからである。なお、上記のアクリル酸アルキルエステルと共重合しうる第3成分の含有率は0〜50モル%の範囲が好適である。
【0024】
本発明貼付剤の軟粘性粘着剤を構成するポリマー軟粘剤は脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸アルキルエステルを含む油性類から選択される。上記脂肪酸アルキルエステルとしては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジオクチル、ジオクタン酸ヘキサデシル、オレイン酸エチル、オレイン酸ジグリセリド、オレイン酸トリグリセリド、オレイン酸デシル、オクタン酸セシル、カプリル酸ジグリセリド、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸ジグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸とカプリン酸とからなる混酸基トリグリセリド、コハク酸ジオクチル、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、セバシン酸ジエチル、トリアセチン、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、モノパルミチン酸ソルビタン、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、リノール酸ジグリセリド、リノール酸とオレイン酸とからなる混酸基トリグリセリドなどが挙げられる。
【0025】
上記脂肪酸アルキルエステルを含む油性類としては、豚脂、羊脂、牛脂、鯨蝋等の動物油脂、大豆油、ゴマ油、綿実油、ヤシ油、オリーブ油、ヒマ油、ミツロウ等の植物油脂などが挙げられる。
【0026】
本発明貼付剤の軟粘性粘着剤を構成する架橋剤はエポキシ、アルミ等の金属キレート、イソシアネート、メラミン、エチレンイミン、又はエチレンチオウレアから選択される。
【0027】
本発明貼付剤の軟粘性粘着剤には必要によりアクリル系重合体、グラフト澱粉系重合体、セルロース系重合体の一つまたは二つ以上からなる親水性高分子物質が添加される。これらの親水性高分子物質のうち、アクリル系重合体としては、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリアクリル酸塩架橋重合体、ジアクリレート架橋重合体、アクリル−酢酸ビニルケン化物共重合体、ポリアクリロニトリルグラフト重合体等が挙げられ、グラフト澱粉系重合体としては、デンプン−ビニルスルホン酸グラフト重合体、セルロース−スチレンスルホン酸グラフト重合体、デンプン−ビニルスルホン酸グラフト重合体等が挙げられ、セルロース系重合体としては、セルロース−アクリロニトリルグラフト重合体、セルロース−スチレンスルホン酸グラフト重合体、カルボキシメチルセルロース架橋重合体等が挙げられる。なお、前述のアクリル酸アルキルエステル系共重合体と共架橋が必要な場合の親水性高分子としては、上記の重合体のうち、同時に用いられるアクリル酸アルキルエステル系共重合体に用いられている官能基を持つ親水性高分子物質が選択されることが望ましい。
【0028】
これらの親水性高分子物質においては、薬剤や生体を刺激する生理活性物質等の薬学的活性成分をブレンドしたり、練り込んだり、含浸せしめたり、混在せしめたりできる。これらの親水性高分子物質に用いる薬学的活性成分としては、特に限定されるものではないが、例えばトリアムシノロンアセトニド、ハルシノニド、ベタメタゾンバレレート、ヒドロコルチゾン、チプレダンなどのステロイド類を含有する消炎剤、消炎鎮痛剤及び止痒剤、ブフェキサマク、アスピリン、ケトプロフェン、インドメタシン、フルルビプロフェンなどの非ステロイド系薬剤、ジスラノール、コールタール抽出物などの抗乾癬剤、サリチル酸、サリチル酸メチル、尿素などの角質溶解剤、リドカイン、ベンゾカインなどの局所麻酔薬、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩、グルコン酸クロルヘキシジン、次亜塩素酸ナトリウム、フシジン酸等の抗細菌剤、ナイスタチン、ジスラノール、アムホテリシン、エコナゾール等の抗真菌剤及び抗ウイルス剤、過酸化ベンゾイル、ビタミンA誘導体などの抗貧血剤、ウロキサナーゼ、組織プラスミノーゲン活性化因子などの生物学的活性剤、フィブリン溶解酵素、タンパク質分解酵素などの酵素、ハッカ油、メントール、ノナン酸バニリルアミド(カプサイシン)、カンフル、ビタミン剤、漢方薬などのその他薬効剤が用途により適宜選択されて用いられる。
【0029】
本発明貼付剤に用いる軟粘性粘着剤はベースポリマーとして水分を吸収するが水に溶解することのない、官能基を有するアクリル酸アルキルエステル系共重合体を固形分で85〜50重量%含有し、さらに前記アクリル酸アルキルエステル系共重合体に軟粘性を与える脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸アルキルエステルを含む油性類から選択されたポリマー軟粘剤を有効成分で15〜30重量%とポリマーの凝集力を高める架橋剤を有効成分で0.25〜10.0重量%含有する。ここにおいて用いられるベースポリマーは水分を吸収するが水に溶解してしまうことのない性質が要求されるが、この訳は潮解性の大きなベースポリマーは、水分を含有することで凝集力を失い皮膚にべとついて糊残りをおこす等の欠点があり、この改善には水に不溶性の成分が5割以上を占めるベースポリマーが必要であるからである。一方、これらのアクリル酸アルキルエステル系共重合体の使用量が全固形分の85〜50重量%である理由は、アクリル酸アルキルエステル系共重合体の量が85重量%を超える場合は添加するポリマー軟粘剤の量が相対的に少なくなりすぎ、粘着剤に必要十分な軟粘性を与えることができないからであり、アクリル酸アルキルエステル系共重合体の量が50重量%未満では相対的に他の添加成分の量が多くなりすぎ軟粘性粘着剤に必要な凝集力と粘着力を付与し得ないからである。又、凝集力を上昇するポリマー架橋の効率の点からも好ましくないからである。
【0030】
又、ポリマー軟粘剤はベースポリマーに軟粘性を付与する目的から使用されるが、その使用量を全固形分の15〜30重量%とする理由は、15重量%未満の量では用いるベースポリマーに十分な軟粘性を付与できないからであり、30重量%を超える量ではポリマーを軟らかくしすぎる結果、皮膚へのべたつき感が大きすぎる他、支持体に設けられた粘着剤がコールドフローして流れ出したり、多すぎる軟粘剤が粘着剤表面に移行してブリードの原因となる恐れがあるからである。
【0031】
また架橋剤は軟粘性粘着剤の必須成分であり、軟粘剤で軟らかくしたポリマーを架橋によってそのまま固化せしめ、一定の凝集力を付与し、柔軟でありながら、しかも糊残りのしない凝集力を有する粘着剤とする働きをする。またこの架橋剤の使用量は有効成分で0.25〜10.0重量%の範囲が適当である。即ち、0.25重量%未満の量では特に軟粘剤を多く含む場合などではポリマーを十分に架橋することが困難であり、ポリマーの凝集力を高めることができないからであり、10.0重量%を超える量では架橋密度との関係から粘着力や凝集力が低下しすぎる他、経時的物性変化が大きく好ましくないからである。
【0032】
一方、上述の軟粘性粘着剤に体液等の水分を吸収せしめる目的から親水性高分子物質を添加した場合、アクリル酸アルキルエステル系共重合体と親水性高分子物質との割合は固形分比で99/1〜70/30の範囲が適当である。この理由は親水性高分子物質の割合が30%を超えるとポリマーの水分吸収量が多くなり、粘着剤のべとつきが大きくなりすぎるなど好ましくないからであり、1%未満では粘着剤中の軟粘性のブリードの防止や貼付時の体液の吸収等の働きを持つ親水性高分子物質の添加の効果が実質的に認められず好ましくないからである。
【0033】
尚、言うまでもないが各成分の使用量についてベースポリマーで固形分換算、ポリマー軟化剤及び架橋剤で有効成分換算を使用して表現する理由は、配合に際してそれぞれが混合しやすいようにそれぞれに適した量のトルエン、酢酸エチル、MEK、アルコール、アセトン、ヘキサン及び水等の溶媒で希釈して用いる場合も多いため、絶対量での表現では配合の都度それぞれの固形分又は有効成分が異なり、適切でないからである。
【0034】
次に本発明では、このようにして得られた軟粘性粘着剤をポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−メチルメタアクリレート、軟質ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテルポリアミドブロックコポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー及びこれらの水添物等を原材料とするフォーム状フィルムを含むフィルム、コットン−合成繊維混紡等を原料とする織布、編布、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、天然セルロース等の繊維を原料とする不織布または天然紙、合成紙等を原料とする紙単層体もしくは積層体あるいはこれらのうちの二つ以上を組み合わせた積層体を素材とする支持体の片面もしくは両面に直接塗布又は貼り合わせて、例えば図1に示すロール巻き形状の貼付剤1とするか、図2〜図5に示すシート(ストリップ)形状の貼付剤1とする。尚、貼付剤の形状はこれらの図面の形状のみに限定する必要はなく、剤形加工しうる範囲のどのような形状であってもよい。
【0035】
又、本発明貼付剤に設ける軟粘性粘着剤の厚みは20μm〜50μmが好適であるが、特にこの範囲に限定されるものではなく、使用目的あるいは使用用途によってその都度適正な厚みが選択できる。
【0036】
このようにして得られた本発明貼付剤は、貼付後の剥離に際して皮膚表面の角質層を痛めない低刺激性能を有する。これは一つにはポリマー軟粘剤を添加することにより、低粘着力、高タックの粘着性能を得ることができたこと、さらには選択された架橋剤の添加により、軟粘性を保持したままで粘着剤の凝集力を確保することができたことにより剥離時の剥離抵抗が極めて少ない貼付剤とすることができたためである。
【0037】
さらに本発明貼付剤は、二度貼り貼付が可能な繰り返し貼付性能を有する。これは本貼付剤の粘着剤層が軟粘性で皮膚等へ貼付した時の接着面積が大きいこと、皮膚に対する濡れ性が大きいこと、また皮膚等への追随性が良いこと及び前述のごとく粘着剤層が低粘着性と一定の凝集力を有する軟粘性粘着剤から構成されているため剥離による角質層のはがれも糊残りもほとんどないことなどからいわゆる「二度貼り」は勿論のこと複数回の繰り返し貼付が可能になるのである。
【0038】
さらに又、本発明貼付剤は長時間貼付においてもカブレにくい耐カブレ性能を有する。カブレは大きく分けて粘着剤の化学的刺激によって起こるものと物理的刺激によって起こるものの二つに大別できるが、本発明貼付剤は粘着剤層を軟粘性粘着剤で構成する結果、皮膚への追随性が大きく物理的な皮膚刺激が起こりにくいという特性を有している。また、粘着剤のベースポリマーとして低刺激性のアクリル酸アルキルエステル系共重合体又は該アクリル酸アルキルエステル系共重合体と親水性高分子物質のブレンド物を用いるため化学的刺激によるカブレも少ない。このような理由のため本発明貼付剤は長時間貼付においてもカブレにくい耐カブレ性能を有している。さらに述べれば、粘着剤成分に親水性高分子物質を混入した軟粘性粘着剤で構成した貼付剤または後述するようなパッドを親水性高分子物質で構成した貼付剤は、これらの親水性高分子物質が特に吸水性に優れるため、装着する患部等から滲出する体液を外にもらすことなく吸収し患部周辺を清潔に保ち、雑菌の繁殖やこれらの汚染から患部及び患部周辺を守ることができる。なお、粘着剤成分に親水性高分子物質を混入した軟粘性粘着剤にあって、潮解性が認められるような場合には、アクリル酸アルキルエステル系共重合体と親水性高分子物質をそれぞれまたは同時に架橋することにより防ぐことができるが、この場合の親水性高分子物質としては、架橋点としてのカルボキシル基、アミノ基、アミド基、水酸基などの官能基を持つものが選択される。
【0039】
本発明貼付剤は例えば図3に示すごとく軟粘性粘着剤層3が設けられた面にパッド6を貼付することができ、この場合軟粘性粘着剤層3がパッド6の外縁部6aより少なくとも5mm外側にはみ出るように貼付されることが好ましい。これは例えば支持体及び粘着剤層を所望の形状及びサイズに打ち抜き加工した後もしくは打ち抜き加工と同時に軟粘性粘着剤層3の所望の位置に、該粘着剤層3がパッド6の外縁部6aより少なくとも5mm外側にはみ出るように、パッド6を貼り付けることによって達成される。この場合、粘着剤層3はパッド6の裏面全面を粘着剤層3に載せるようにして貼着されてもよいし、予め所望の幅の枠型に打ち抜いた支持体及び粘着剤層をパッド6の外周に沿ってパッド裏面にパッド6の外縁部6aから粘着剤層3がはみ出すように貼り付けるようにしてもよい。
【0040】
本発明の貼付剤に用いるパッドは経時的に生体膜を透過し得る薬剤や生体を刺激する生理活性物質等の薬学的活性成分を塗布、練り込み、含浸又は貼り合わせることができる。前記薬学的活性成分としては、消炎鎮痛剤、消炎剤、鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、局所麻酔剤、抗細菌剤(抗菌剤・抗カビ剤・抗ウィルス剤等)、抗高血圧剤、降圧利尿剤、強心剤、血管拡張剤、血管収縮剤、抗不整脈治療剤、循環器用剤、抗てんかん剤、抗めまい剤、精神安定剤、睡眠剤、自律神経用剤、ホルモン剤、抗ホルモン剤、呼吸器官用剤、角質柔軟剤、抗凝血剤、抗生物質、抗腫瘍剤、漢方薬、ビタミン類、血行促進剤等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組合せて使用できる。
【0041】
又、本発明の貼付剤に用いるパッドはカルボキシビニルポリマー、多糖類、セルロース類、ポリビニルアルコールなどの親水性高分子物質の一つ又は二つ以上を含有することができる。上記カルボキシビニルポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸及びこれらのアルカリ金属塩等が挙げられる。又、上記多糖類としては、澱粉、澱粉誘導体、デキストリン、デキストラン、キチン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム塩、グリコーゲン、カラギーナンなどの単一多糖類、マンナン、ペクチン、アラビアゴム、カラヤゴム、キサンタンガム等の複合多糖類等が挙げられる。さらに、上記セルロース類としては、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、メチルプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースのアルカリ金属塩等が挙げられる。
【0042】
さらに本発明貼付剤は、例えば図4に例示するがごとく、支持体2がフィルム2aの片面に織布又は編布2bを熱圧着せしめた二層構造の支持体2であって、圧着された織布又は編布2bが表層に露出しない程度の厚さに、軟粘性粘着剤層3が該織布又は編布2b面上に設けられた貼付剤1とすることもできる。
【0043】
本発明貼付剤はこのような構造をとることにより、皮膚への貼付界面から水の浸入を阻止できる防水性能を付与することができ、特にフィルムの片面に設けられた織布又は編布により比較的薄いフィルムにいわゆる「こし」(靭性)を持たせることができ、さらには織布又は編布の存在により皮溝を埋める程度の厚さが必要な粘着剤の塗布量を低減せしめることができる。
【0044】
また用いられる織布又は編布は特に制限されるものではないが、好適には20〜50デニールの繊維太さのものであって60〜85%の空隙率を有するものが用いられる。この理由は、20デニール未満の繊維太さのものは細すぎて、これを覆うために粘着剤量が多く必要になるなどの不具合があるからである。さらに60%未満の空隙率を持つものは本用途としては目が粗すぎて支持体に「こし」を付与しにくいばかりか、粘着剤量低減の効果もさほど期待できないからである。
【0045】
一方、本発明貼付剤に用いる軟粘性粘着剤は皮膚貼付界面から水の浸入を阻止する上で特に重要な働きを有する。即ち、このような防水用途に用いる従来の貼付剤は支持体の厚みが略30μm、粘着剤層の厚さもやや厚めの60μm前後のものが用いられている。
【0046】
しかし、このような従来の粘着剤は凝集力が大きく、流れにくい(即ち“固い”)粘着剤であるため、強く巻き付けても皮溝中へ浸入していくことが困難で、この結果どうしても皮膚への貼付界面から水の浸入を許してしまうことが多い。また水の浸入を防止するため、粘着剤層の厚さを80〜90μmもの厚さに塗工して、粘着剤の固さの欠点を補おうとする考え方があるが、このような過度の厚みを有する場合には、支持体の剛性に比べ粘着剤層が重すぎて貼付剤としての形状保持が困難なばかりか、保存中に粘着剤のはみ出し(コールドフロー)等が起こりやすい。
【0047】
これに対し、本発明の軟粘性粘着剤は軟粘性を有しているため貼付時に皮溝の奧まで粘着剤が浸入するので、皮膚への貼付界面から水が浸入することが全くない。
【0048】
又、粘着剤層の厚みも20〜50μm程度でも十分な防水効果を発揮するので余分な粘着剤量を設ける必要は全くない。さらに、本発明の軟粘性粘着剤は架橋剤により架橋処理が施されているので、はがした時にも糊残りなどの恐れが全くない。
【0049】
さらに又、本発明貼付剤は、支持体の片面又は両面に設けられた軟粘性粘着剤層において所望の形状の実質的に非粘着の部分を所望の箇所に有することができる。例えば図5に示すように軟粘性粘着剤層3において紋様7からなる実質的に非粘着の部分を有する貼付剤1とすることができる。
【0050】
一般に長時間にわたる貼り替えなしの貼付のケースなど貼付剤に高通気性を必要とするような場合では、支持体に通気性を持たせるだけでは不十分で、粘着剤層にも通気性を持たせる必要がある。このような場合、粘着剤をスポット塗工したり部分塗工したりするなど粘着剤層間に空隙をもたせる方法で粘着剤層に通気性を付与することが可能であるが、このような方法を用いた場合、一般的に用いられる粘着剤では粘着面積が少なくなる結果、被着体に対する粘着力(貼付保持力)が低くなりすぎ被着体の動きに追随できずにすぐにはがれてしまうなどの欠点が生じる。
【0051】
一方、本発明の軟粘性粘着剤は、粘着剤が柔らかいため肌への密着性が高く、少ない接着面積でも十分に被着体(肌等)に粘着し、被着体の動きにも柔軟に追随できるので、粘着剤層に所望の形状の非粘着部分を設けても自然剥離などの現象は全く生じない。
【0052】
尚、本発明の軟粘性粘着剤層に設ける実質的に非粘着の部分の形状はグラビア塗工や線引き塗工において直線を組み合わせた形状、曲線を組み合わせた形状、点線もしくは点を組み合わせた形状、又はこれらのいずれか二つ以上を組み合わせた形状で構成することができるが、特に塗工方式は限定するものではなく要は実質的に非粘着の部分が所望の形状で粘着剤層に得られるのであればどのような方法でもよい。
【0053】
さらに、粘着剤層の実質的に非粘着の部分を紋様とするわけは、一つには使用者に対して視覚的な美感を与えるためであり、さらには非粘着部分を分散化して粘着剤層の通気性をより高めるためである。
【0054】
【実施例】
本発明の貼付剤の優れた性能を以下に示す。
実施例1
温度計、撹拌機、還流冷却器、窒素導入管等を備えた反応器内にアクリル酸2−エチルヘキシル45g、アクリル酸ブチル50g、アクリル酸5g及び酢酸エチル45gを仕込み、この混合物を窒素気流下にて撹拌しながら80℃に加熱し、反応系が70℃に到達した時点から重合開始剤溶液(0.2%ラウロイルパーオキサイド溶液)を5時間かけて滴下し、重合反応を行い、固形分60%のアクリル系粘着剤溶液を得た。さらに、この粘着剤溶液を乾燥し、固形分100%のノンソルベントアクリル粘着剤を得た。次いで、このノンソルベントアクリル粘着剤をトルエンに溶解し、固形分40%の粘着剤(A0)にすると共にこの粘着剤にミリスチン酸イソプロピル及び架橋剤を加えて表1に示す配合組成の軟粘性粘着剤A1,A2,A3,A4を得た。この得られた軟粘性粘着剤をそれぞれPET#25のフィルムの片面に糊厚30μmで塗工して加熱乾燥した後、裁断し、貼付剤No.1,2,3,4を得た。これらの貼付剤の粘着性能、繰り返し貼付性能、剥離刺激性能を測定したところ表2の結果を得た。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
実施例2
実施例1で得られた軟粘性粘着剤(A1,A2,A3,A4)を離型処理を施した工程紙の離型面にそれぞれ塗工(糊厚40μm)し、加熱乾燥した後、不織布(ソンタラ#8010(デュポン社製))に貼り合わせ転写して貼付剤No.5,6,7,8を得た。そしてこれらの貼付剤の長時間貼付後の耐カブレ性能を調べたところ表3の結果を得た。
【0058】
【表3】
【0059】
実施例3
実施例1で得られた軟粘性粘着剤(A1,A2,A3,A4)を繊維太さが35デニールのナイロンの編布(空隙率70%)をその片面に熱圧着させた厚さ30μmのウレタンフィルムの編布面に糊厚40μmで塗工し、加熱乾燥した後、裁断して貼付剤No.9,10,11,12を得た。そしてこれらの貼付剤の防水性能を調べたところ表4の結果を得た。
【0060】
【表4】
【0061】
実施例4
実施例1で得られたノンソルベントアクリル粘着剤をトルエンに溶解し固形分40%の粘着剤にする共に、この粘着剤にメチルアルコールに分散せしめたアクリル系重合体の親水性高分子物質を均一に撹拌・混合し、次いでミリスチン酸イソプロピル及び架橋剤を加えて表5に示す配合組成の軟粘性粘着剤B1,B2を得た。次にこれらの軟粘性粘着剤を図5に記載の紋様の彫刻を施したグラビアロールを用いて離型処理を施した工程紙の離型面にそれぞれ塗工(糊厚30μm)し、加熱乾燥した後、厚み30μmのウレタンフィルムに貼り合わせ転写して貼付剤No.13,14を得た。そして、これらの貼付剤の通気性能(透湿度)を調べたところ表6の結果を得た。
【0062】
【表5】
【0063】
【表6】
【0064】
実施例5
実施例4で得られた貼付剤No.13,14を長さ10cm、幅8cmの長方形にカットし、その略中央部に長さ6cm、幅4cm、厚さ0.1cmの親水性高分子物質を含有する配合物(カラヤゴム50部、CMC−Na50部、ペクチン100部、ゼラチン130部、EVA15部、ホワイトカーボン20部、ポリイソブチレン250部)で作製したパッドを載せ、貼付剤No.15,16を得た。これらの貼付剤の耐水漏れ性能と吸水性能を調べたところ表7の結果を得た。
【0065】
【表7】
【0066】
各表の結果に認められるように、本発明貼付剤は低刺激性能と二度貼りが可能な繰り返し貼付性能と長時間貼付における耐カブレ性能に加えて、貼付界面からの水の浸入を阻止できる防水性能と高通気性能と体液等を速やかに吸収できる吸水性を付与できる優れた貼付剤であった。
【0067】
【発明の効果】
本発明貼付剤は上述のように構成されているので以下のような性能を有する。
▲1▼貼付後の剥離に際して皮膚表面の角質層を痛めない優れた低刺激性能。
▲2▼二度貼り貼付が可能な優れた繰り返し貼付性能。
▲3▼長時間貼付においてカブレにくい優れた耐カブレ性能。
▲4▼貼付界面からの水の浸入を阻止できる優れた防水性能。
▲5▼貼付患部のムレやタダレを防止する優れた高通気性能。
▲6▼体液を速やかに吸収する優れた高吸水性能。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロール巻き形状の本発明貼付剤の斜視図。
【図2】ストリップ形状の本発明貼付剤の一部破断斜視図。
【図3】軟粘性粘着剤層上にパッドを設けた形状の本発明貼付剤の斜視図。
【図4】フィルムと編布の二層構造からなる支持体と軟粘性粘着剤とからなる本発明貼付剤の一部破断斜視図。
【図5】実質的に非粘着の紋様を軟粘性粘着剤層中に有する本発明貼付剤の一部破断斜視図。
【符号の説明】
1 貼付剤
2 支持体
2aフィルム
2b編布
3 軟粘性粘着剤(層)
4 芯管
5 離型紙
6 パッド
6aパッド外縁部
7 紋様
Claims (7)
- 官能基を有するアクリル酸アルキルエステル系共重合体と、脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸アルキルエステルを含む油性類から選択されたポリマー軟粘剤と、エポキシ、金属キレート、イソシアネート、メラミン、エチレンイミンまたはエチレンチオウレアから選択された架橋剤とを含有する軟粘性粘着剤からなる層を支持体の片面又は両面に設けた貼付剤であって、前記軟粘性粘着剤がアクリル系重合体、グラフト澱粉系重合体、及びセルロース系重合体から選択される少なくとも一つの親水性高分子物質を前記アクリル酸アルキルエステル系共重合体に対する固形分比で99/1〜70/30(アクリル酸アルキルエステル系共重合体/親水性高分子物質)の割合でさらに含有することを特徴とする貼付剤。
- 前記軟粘性粘着剤が前記アクリル酸アルキルエステル系共重合体を固形分で85〜50重量%、前記ポリマー軟粘剤を有効成分で15〜30重量%、前記架橋剤を有効成分で0.25〜10.0重量%含有することを特徴とする請求項1に記載の貼付剤。
- 前記軟粘性粘着剤からなる層にパッドを貼付した貼付剤であって、前記軟粘性粘着剤からなる層が前記パッドの外縁部より少なくとも5mm外側にはみ出るようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の貼付剤。
- 前記パッドがカルボキシビニルポリマー、多糖類、及びセルロース類から選択される少なくとも一つの物質を含有することを特徴とする請求項3に記載の貼付剤。
- 前記支持体がフィルム、織布、編布、不織布、紙の単層体もしくは積層体、又はこれらの二つ以上を組合せた積層体からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の貼付剤。
- 前記支持体がフィルムの片面に20〜50デニールの繊維太さで60〜85%の空隙率を有する織布又は編布を熱圧着せしめてなり、軟粘性粘着剤からなる層が20〜50μmの厚さで前記織布又は編布面上に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の貼付剤。
- 前記支持体の片面又は両面に設けられた軟粘性粘着剤からなる層が非粘着の部分を分散して設けられ、それによって軟粘性粘着剤からなる層の通気性が高められていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の貼付剤。
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