JPH0798743B2 - 貼付剤 - Google Patents

貼付剤

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JPH0798743B2
JPH0798743B2 JP9269390A JP9269390A JPH0798743B2 JP H0798743 B2 JPH0798743 B2 JP H0798743B2 JP 9269390 A JP9269390 A JP 9269390A JP 9269390 A JP9269390 A JP 9269390A JP H0798743 B2 JPH0798743 B2 JP H0798743B2
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隆司 中川
弘子 塚原
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Sekisui Chemical Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、薬物の経皮投与に用いられる貼付剤に関す
る。
(従来の技術) 薬物などの有効成分を経皮投与するために、支持体の片
面に粘着性を有し、有効成分を含有する粘着剤層を設け
た貼付剤が用いられている。このような貼付剤は、皮膚
表面から剥離することなく、所定の時間保持される必要
がある。したがって、粘着剤層には、ある程度強力な粘
着力が要求される。しかし、粘着剤層の粘着力が大きす
ぎると、以下のような問題点が生じる。例えば、貼付剤
を剥がす際に毛がむしり取られたり、皮膚刺激性が高い
ために皮膚のかぶれなどが生じやすい。さらに、粘着力
が大きい粘着基剤は粘度が高く、粘着剤層中で薬物が拡
散しにくくなる。そのため薬物の放出速度を上げること
に限界がある。
粘着基剤の粘着力を低下させると、皮膚への刺激性が小
さくなるが、このような貼付剤は皮膚表面から剥がれや
すい。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は上記従来の課題を解決するものであり、その目
的とするところは、皮膚刺激性が低く、長時間にわたり
剥離することなく皮膚表面に貼付することが可能で、か
つ皮膚表面から機械的刺激を伴うことなく容易に剥離し
得る貼付剤を提供することにある。本発明の他の目的は
上記優れた性質を有する貼付剤であって、薬物を含有さ
せた場合に、該薬物が効果的に放出され得る貼付剤を提
供することである。
(課題を解決するための手段) 本発明の貼付剤は、支持体の片面に、粘着剤層が設けら
れた貼付剤であって、該粘着剤層が、粘着基剤、該粘着
基剤に対して可塑化作用を有する化合物、無水ケイ酸、
おおびニトログリセリンを除く薬物を含有し、該無水ケ
イ酸が、親水性無水ケイ酸と疎水性無水ケイ酸とからな
り、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の貼付剤に用いられる粘着基剤としては、アクリ
ル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが
用いられる。アクリル系粘着剤としては、アルキル(メ
タ)アクリレートの重合体、およびその共重合体が用い
られる。上記ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、スチレ
ン−イソプレンブロック共重合体、ポリイソプレン、ポ
リブテン、ポリイソブチレン、EVAなどが用いられる。
そして、これらのゴム系樹脂は、粘着性付与樹脂、軟化
剤、安定剤などが添加されて用いられる。上記シリコー
ン系粘着剤には、ポリジメチルシロキサンなどを主成分
とする粘着剤が用いられる。このような粘着剤の他にポ
リビニルエーテルなどの親水性粘着剤も粘着基剤として
使用され得る。
本発明に用いられる可塑化作用を有する化合物(可塑化
剤)には、上記粘着基剤に対して可塑化作用を有し、主
として液状の化合物が用いられる。このような化合物
は、粘着剤層の粘土を調整し、配合された薬物の経皮吸
収性を促進する。さらに、このような化合物としては、
薬物の吸収助剤として作用する化合物を用いることが好
ましい。含有される薬物が液状である場合は、薬物自身
が可塑化作用を有する化合物に該当する場合もある。
可塑化作用を有する化合物としては、以下に示す化合物
が挙げられる。例えば、オクタン酸セチル、ラウリン酸
ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オ
クチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチ
ン酸オクチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オク
チル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、イソノナン酸
イソトリデシル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシ
ル、ミンク油脂肪酸エチル、乳酸ミリスチルなどの一価
アルコール脂肪酸エステル;アジピン酸ジイソプロピ
ル、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジエチル、コハ
ク酸ジオクチルなどの二塩基酸エステル;ジカプリン酸
プロピレングリコール、トリオクタン酸グリセリル、ト
リ(オクタン酸・デカン酸)グルセリル、トリパルミチ
ン酸グリセリル、ソビタンオレート、中性油脂脂肪酸グ
リセリンエステルなどの多価アルコール脂肪酸エステ
ル;オリーブ油、サフラワー油、ヤシ油脂肪酸トリグリ
セライド、綿実油などの動植物油;スクワラン、α−オ
レフィンオリゴマー、流動パラフィン、ワックスなどの
炭化水素;セタノール、ベヘニルアルコール、2−ヘキ
シルデカノール、2−オクチルデカノール、オレイルア
ルコールなどのアルコール;ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなど
のエーテル;オレイン酸アミド、ラウリン酸モノエタノ
ールアミドなどのアミド化合物;ジメチルポリシロキサ
ン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーンが
ある。
可塑化作用を有する化合物は、得られる粘着剤層の粘度
が液状製剤や軟膏と同程度となるように含有される。可
塑化作用を有する化合物の配合量は、この化合物の種類
と極性、粘着基剤の種類、極性および分子量によって異
なる。通常、上記粘着基剤100重量部に対して、5〜300
重量部、好ましくは、15〜200重量部である。5重量部
を下まわると粘着剤層を柔らかくする効果が小さい。30
0重量部を上まわると粘着剤層の凝集力が不足する。粘
着剤層に含有される薬物が可塑化作用を有する場合に
は、薬物の添加量を考慮して、可塑化剤の配合量を調整
することが好ましい。
上記粘着剤と可塑化作用を有する化合物との混合物を適
当な支持体表面に塗工して得られる貼付剤は、JIS Z023
7にしたがって測定した場合の保持力が3分以下である
ことが好ましい。この保持力が3分を上回ると、貼付剤
の粘着剤層の柔軟性が低下する。そして、粘着剤層に充
分な凝集力を付与するためには、上記の保持力が0.05分
以上であることが好ましい。
本発明の貼付剤の粘着剤層には、さらに、粘着剤層の凝
集力を改善する目的で無水ケイ酸が配合される。無水ケ
イ酸には、粒径が約5〜約100nmの微粒子が用いられ
る。さらにこのような微粒子が凝集して形成されてい
る、粒径が1〜100μmの粒子も用いられ得る。このよ
うな無水ケイ酸の配合量は、粘着基剤の種類と組成、可
塑化作用を有する化合物の種類と量などによって調整さ
れるが、通常、粘着基剤100重量部に対して3〜50重量
部、好ましくは5〜30重量部の割合で配合される。3重
量部未満では凝集力を向上させる効果が小さく、50重量
部を越えると粘着基剤と均一に混合することが困難とな
る。無水ケイ酸は、表面に水酸基を有する親水性のもの
が一般的であるが、表面がジメチルシラノール基などで
覆われた疎水性の無水ケイ酸もある。このような疎水性
無水ケイ酸は、上記表面に水酸基を有する無水ケイ酸粒
子の表面をジメチルジクロルシランなどで処理して得ら
れる。本発明では、無水ケイ酸として、親水性無水ケイ
酸と疎水性無水ケイ酸との混合物が使用される。親水性
無水ケイ酸と疎水性無水ケイ酸との好ましい配合割合
は、無水ケイ酸全量に対して親水性無水ケイ酸が10〜90
重量%、そして疎水性無水ケイ酸が90〜10重量%の割合
である。疎水性無水ケイ酸が10重量%未満であり、親水
性無水ケイ酸が90重量%を越えると、粘着基剤のチクソ
トロピー性が大きくなり、粘着剤層を支持体に塗工する
ことが難しくなる。さらに、粘着剤層が吸湿しやすくな
り、貼付剤が発汗時に剥がれやすくなる。逆に、疎水性
無水ケイ酸が90重量%を越えると、粘着剤層の凝集力を
高めることができない。特に、粘着基剤としてアクリル
系粘着剤を用いた場合に、このような傾向が強い。
本発明の貼付剤に使用される薬物としては、経皮製剤投
与により生体膜を透過し得る薬物であれば特に限定され
ない。例えば、解熱消炎鎮痛剤、ステロイド系抗炎症
剤、血管拡張剤、高血圧・不整脈用剤、血圧降下剤、鎮
咳去たん剤、抗腫瘍剤、局部麻酔剤、ホルモン剤、喘息
・鼻アレルギー治療剤、抗ヒスタミン剤、抗凝血剤、鎮
痙剤、脳循環・代謝改善剤、抗うつ・抗不安剤、ビタミ
ンD製剤、経口血糖降下剤、抗潰瘍剤、睡眠剤、抗生物
質などがある。
解熱消炎鎮痛剤としては、インドメタシン、サリチル
酸、アスピリン、アセトアミノフェノン、ジクロフェナ
ックナトリウム、イブプロフェン、スリンダック、ナプ
ロキセン、ケトプロフェン、フルフェナム酸、イブフェ
ナック、フェンブフェン、アルクロフェナック、フェニ
ルブタゾン、メヘナム酸、ベンダザック、ピロキシカ
ム、フルルビプロフェン、ペンタゾシン、塩酸ブプレノ
ルフィン、酒石酸ブトルファノールなどがある。
ステロイド系抗炎症剤としては、ヒドロコルチゾン、プ
レドニゾロン、フルオシノロンアセトニド、フルドキシ
コルチド、メチルプレドニゾロン、酢酸ヒドロコルチゾ
ン、トリアムシノロンアセトニド、デキサメタゾン、酢
酸ヘタメサゾン、吉草酸ジフルコルトロン、プロピオン
クロヘタゾール、フルオシノニドなどがある。血管拡張
剤としては、ジルチアゼム、ベラパミル、四硝酸ペンタ
エリスリトール、ジピリダモール、硝酸イソソルビド、
ニフェジピンなどがある。
高血圧・不整脈用剤としては、プロパノール、アテノロ
ール、ピンドロール、硫酸キニジン、アジマリン、塩酸
アルプレノロール、酒石酸メトプロロール、ナドロー
ル、マレイン酸チモロール、ジソピラミドなどがある。
血圧降下剤としては、塩酸クロニジン、カプトリル、塩
酸プラゾシン、硫酸ベンブトロール、酢酸グアナベン
ズ、塩酸グアンファシン、酢酸グアナベンズ、塩酸プナ
ゾシン、マレイン酸エラナプリル、塩酸アロチノロー
ル、塩酸ブニトロロールなどがある。
鎮咳去たん剤としては、塩酸プロカテロール、硫酸テル
ブタリン、臭化水素酸フェノテロール、塩酸ツロブテロ
ール、塩酸アンブロキソール、塩酸ピルブテロール、塩
酸マブテロール、塩酸クレンブテロール、塩酸トリメト
キノール、フマル酸フォルモテロールなどがある。
抗腫瘍剤としては、5−フルオロウラシル、1−(2−
テトラヒドロフリル)−5−フルオロウラシル、マイト
マイシンCなどがある。
局所麻酔剤としては、ベンゾカイン、プロカイン、リド
カイン、テトラカインなどがある。
ホルモン剤としては、エストロゲン、エストラジオー
ル、テストステロン、プロゲステロン、プロスタグラン
ジンなどのステロイドホルモン類;インスリンなどのペ
プチドホルモン類などがある。
喘息・鼻アレルギー治療剤としては、フマル酸ケトチフ
ェン、塩酸アゼラスチン、クロモグリク酸ナトリウムな
どがある。抗ヒスタミン剤としては、塩酸シクロヘプタ
ジン、塩酸ジフェンヒドラミン、フェンベンザミン、メ
キタジンなどがある。
抗凝血剤としては、ヘパリンなどがあるが、鎮痙剤とし
ては、スコポラミン、クロフルペロールなどがある。脳
循環代謝改善剤としては、ピンポセチン、塩酸フルナリ
ジン、塩酸ニカルジピン、フマル酸ブロビンカミン、メ
シル酸ジヒドロエルゴトキシン、酒石酸イフェンプロジ
ル、塩酸イソクスプリンなどがある。抗うつ・抗不安薬
としては、塩酸マプロチリン、エチゾラム、ジアゼパ
ム、ブロマゼパム、塩酸アミトリプチリン、塩酸ミアン
セリンなどが挙げられる。ビタミンD剤としては、αカ
ルシドール、エルゴカシフェロールなどがある。経口血
糖降下剤としては、グリベンクラミド、グリクラジドな
どが挙げられる。抗潰瘍剤としては、リンゴ酸グレポブ
リド、ファモチジン、臭化グリコピロニウムなどがあ
る。睡眠薬としては、フェノバルビタール、アモバルビ
タールなどがある。抗生物質としてはテトラサイクリ
ン、クロラムフェニコールなどがある。
これらの薬物の配合量は、薬物の種類、製剤の使用目的
などにより異なるが、通常、粘着基剤中に0.1〜30重量
%の割合で含有される。
本発明の貼付剤に用いられる支持体としては、プラスチ
ックフィルム、不織布、プラスチック発砲体シートなど
の可撓性のあるフィルムまたはシートが用いられる。プ
ラスチックの素材としては、ポリ塩化ビニル、軟質ポリ
塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリウレタン、EVA、エチレン−プ
ロピレンゴム、ポリブテン、セルロース、酢酸セルロー
ス、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコールなどが
用いられる。これらの素材は、柔軟性、通気性、水蒸気
透過性、薬物不透過性、保湿性、外観などの、必要とさ
れる特性に応じて選択される。
本発明の貼付剤は、通常の粘着テープの製造方法にした
がって製造され得る。例えば、溶液塗工法およびホット
メルト塗工法が採用される。溶液塗工法では、粘着基
剤、可塑化剤、無水ケイ酸および薬物を適当な溶剤中に
均一に混合し、この混合物を支持体上に塗工し、乾燥す
る。あるいは、この混合物を剥離紙上に塗工し乾燥した
後、支持体に転写することも可能である。ホットメルト
塗工法では、粘着基剤、可塑化剤、無水ケイ酸、および
薬物を加熱溶融し、均一に混合してこの混合物を支持体
上に溶融塗工する。このようにして支持体上に形成され
る粘着剤層の厚みは、粘着剤の用途によって異なるが、
通常、約20μm〜約2000μmの範囲内である。粘着剤層
の上には、この層を保護する目的で、剥離紙が貼付され
てもよい。
(作用) 本発明の貼付剤は上記のように構成されており、粘着剤
層に、粘着基剤に対して可塑化作用を有する化合物を含
有するため、粘着基剤の粘着力は比較的低い。そのた
め、皮膚への刺激性が少なく、皮膚のかぶれなどが生じ
にくい。さらに、貼付剤を剥す際に体表面が毛をむしり
取られることがない。粘着剤層が柔軟であるため、粘着
力が低いにもかかわらず、皮膚表面に密着して、皮膚の
伸縮に追随することができるので剥がれにくい。
一般に、粘着基剤に可塑化作用を有する化合物が添加さ
れると、粘着基剤の凝集力が低下して、支持体の外側に
粘着剤層の組成物がはみ出したり、貼付剤を剥したとき
に粘着剤組成物が皮膚に残ったりする。しかし、本発明
の貼付剤では、粘着剤層中に含有される無水ケイ酸のた
めに、凝集力の低下が生じない。さらに、本発明の貼付
剤は、粘着剤層中の可塑化剤の効果により、粘着基剤が
膨潤状態となり、粘着剤の粘度が低くなっている。粘着
剤層に含有される無水ケイ酸は、粘着基剤の膨潤状態を
維持したまま粘着剤層の流動性を抑制する。従って、粘
着剤層が良好な凝集力を有するにもかかわらず、薬物は
粘着基剤中を容易に拡散移動し得、効果的に放出され
て、経皮吸収される。本発明の貼付剤を用いた場合の薬
物の経皮吸収性は、従来の軟膏剤や液剤と同等であるか
またはそれ以上である。さらに、本発明の貼付剤は、軟
膏剤や液剤では達成し得なかった、長時間にわたる効果
的な薬物の経皮投与、すなわち、コントロールリリース
が可能である。
本発明のこのような効果は、従来、粘着基剤の凝集力を
向上させるために行われてきた、粘着基剤を架橋させる
という手段では達成されないものである。例えば、粘着
基剤を、金属イオン架橋、ウレタン架橋、エポキシ架
橋、メラミン架橋、過酸化物や電子線によるラジカル反
応による架橋などの方法で架橋させた場合、粘着基剤の
凝集力は向上するが、薬物が粘着基剤中を自由に拡散移
動することが困難となるため、薬物の放出性が低下す
る。従って、良好な経皮吸収性を得ることができない。
(実施例) 以下に本発明を実施例について説明する。
実施例1 貼付剤の調製:2−エチルヘキシルアクリレート97重量
部、アクリル酸3重量部および過酸化ベンゾイルを酢酸
エチル中に溶解させ、重合を行って、アクリル系重合体
を含む固形分50%の粘着剤溶液を得た。このアクリル系
重合体の重量平均分子量は、5.5x105であった。
このアクリル系粘着剤溶液、ミリスチン酸イソプロピ
ル、親水性無水ケイ酸(コロイダルシリカ200、日本ア
エロジル社製)、疎水性無水ケイ酸(コロイダルシリカ
R972、日本アエロジル社製)およびインドメタシンを下
記に示す組成で酢酸エチル中に混合して、粘着剤層溶液
を得た。この粘着剤層溶液を厚さ50μmのポリエチレン
フィルム上に、乾燥時の厚さが50μmとなるように塗工
し、乾燥して本発明の貼付剤を得た。
アクリル系粘着剤溶液 100重量部 ミリスチン酸イソプロピル 50重量部 コロイダルシリカ200 10重量部 コロイダルシリカR927 10重量部 インドメタシン 3重量部 酢酸エチル 100重量部 実施例2 2−エチルヘキシルアクリレート70重量部およびブチル
アクリレート30重量部を酢酸エチルに溶解させ、重合を
行って、アクリル系重合体を含む固形分60%の粘着剤溶
液を得た。このアクリル系重合体の重量平均分子量は、
7.0x105であった。このアクリル系粘着剤溶液と、ミリ
スチン酸オクチルドデシル、親水性無水ケイ酸(コロイ
ダルシリカ100、日本アエロジル社製)、疎水性無水ケ
イ酸(コロイダルシリカR972)およびインドメタシンを
下記に示す組成で混合して、粘着剤層溶液を得た。この
粘着剤層溶液を厚さ80μmのポリエチレンフィルム上
に、乾燥時の厚さが50μmとなるように塗工し、乾燥し
て本発明の貼付剤を得た。
アクリル系粘着剤溶液 100重量部 ミリスチン酸オクチルドデシル 50重量部 コロイダルシリカ100 10重量部 コロイダルシリカR927 10重量部 インドメタシン 5重量部 実施例3 スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体100
重量部と水素添加ロジン100重量部とを150℃にて均一に
混合して、ゴム系粘着剤を得た。上記ゴム系粘着剤、流
動パラフィン、中性油脂脂肪酸グリセリンエステル(パ
ナセート、日本油脂社製)、親水性無水ケイ酸(コロイ
ダルシリカ200)、疎水性無水ケイ酸(コロイダルシリ
カR972)およびピロキシカムを下記に示す組成で混合し
て、粘着剤層溶液を得た。この粘着剤層溶液を厚さ80μ
mのポリエチレンフィルム上に、乾燥時の厚さが50μm
となるように塗工し、乾燥して本発明の貼付剤を得た。
ゴム系粘着剤 100重量部 流動パラフィン 200重量部 パナセート 50重量部 コロイダルシリカ200 5重量部 コロイダルシリカR927 15重量部 ピロキシカム 20重量部 比較例1 実施例1で調製したアクリル粘着剤溶液を用い、以下に
示す組成で粘着剤層溶液を調製し、実施例1と同様にし
て貼付剤を得た。この粘着剤層溶液は疎水性無水ケイ酸
を用いていないこと以外は実施例1と同様である。
実施例1のアクリル系粘着剤溶液 100重量部 ミリスチン酸イソプロピル 50重量部 コロイダルシリカ200 20重量部 インドメタシン 3重量部 酢酸エチル 100重量部 比較例2 実施例1で調製したアクリル粘着剤溶液を用い、以下に
示す組成で粘着剤層溶液を調製し、実施例1と同様にし
て貼付剤を得た。この粘着剤層溶液は無水ケイ酸を用い
ていないこと以外は実施例1と同様である。
実施例1のアクリル系粘着剤溶液 100重量部 ミリスチン酸イソプロピル 50重量部 インドメタシン 3重量部 酢酸エチル 100重量部 比較例3 実施例1で調製したアクリル粘着剤溶液を用い、以下に
示す組成で粘着剤層溶液を調製し、実施例1と同様にし
て貼付剤を得た。この粘着剤層溶液はミリスチン酸イソ
プロピルおよび無水ケイ酸を用いていないこと以外は実
施例1と同様である。
実施例1のアクリル系粘着剤溶液 100重量部 インドメタシン 3重量部 酢酸エチル 100重量部 比較例4 実施例3で調製したゴム系粘着剤を用い、以下に示す組
成で粘着剤層溶液を調製し、実施例3と同様にして貼付
剤を得た。この粘着剤層溶液は疎水性無水ケイ酸を用い
ていないこと以外は実施例3と同様である。
実施例3のゴム系粘着剤 100重量部 流動パラフィン 200重量部 パナセート 50重量部 コロイダルシリカ200 20重量部 ピロキシカム 20重量部 実験例1 上記実施例および比較例で得られた貼付剤について粘着
剤層溶液の塗工性、貼付剤の保持力、貼付性、皮膚刺激
性を評価した。その結果を、表1に示す。なお、保持
力、貼付性および皮膚刺激性の評価方法は次のとおりで
ある。
保持力試験:JIS Z0237の粘着テープ・粘着シート試験方
法に準じて測定した。貼付剤を25mm×50mmの長方形に切
断し、試験片とした。この試験片の上端25mm×25mmの部
分をステンレス製の板に貼付し、試験片の他端に、1kg
重の荷重をかけ、これを40℃のオーブン中に放置して、
試験片がステンレス板から剥がれて落下するまでの時間
(分)を測定し、その値を保持力とした。
貼付性および皮膚刺激性試験:貼付剤を40mm×40mmの大
きさに切断し、試験片とした。この試験片を被験者の上
腕に貼付し、24時間後の試験片の剥がれ、および試験片
を剥したときの糊残りの程度を観察した。試験片を剥し
たときの痛みおよび発赤(皮膚刺激性)の程度について
も評価を行った。
表1からわかるように、親水性無水ケイ酸と疎水性無水
ケイ酸とを含有する本発明の貼付剤は、貼付性、皮膚刺
激性、および塗工性に優れている。これに対して、疎水
性無水ケイ酸を含有しない比較例1および4の貼付剤
は、貼付試験において部分的に剥がれが生じ、該貼付剤
を調製する際の粘着剤層溶液の塗工性も劣っていた。無
水ケイ酸を含有しない比較例2の貼付剤は、保持力およ
び貼付性が劣り、皮膚刺激性も大きい。さらに、無水ケ
イ酸および可塑化作用を有する化合物を含有しない比較
例3の貼付剤は、皮膚刺激性を有する。
実験例2 実施例1、および比較例1〜3の貼付剤について、薬物
の放出性について試験した。試験方法は以下のとおりで
ある。試験結果を表2に示す。
放出性試験:ヌードマウス皮膚透過性試験により行っ
た。Franzの拡散セルにヌードマウスの背部摘出皮膚を
固定し、皮膚上側に上記の貼付剤を貼り付けた。リセプ
ター液として37℃の精製水を用いた。24時間後に皮膚下
側のリセプター液に移行した薬物量を測定し、薬物投与
量に対する透過した薬物量の割合(%)で薬物の放出性
を評価した。
表2からわかるように、ミリスチン酸イソプロピルを含
有しない比較例3の貼付剤の薬物放出性は他の貼付剤に
比較して、著しく劣っている。このことは可塑化作用を
有する化合物の添加によって薬物の放出性が向上してい
ることを示している。無水ケイ酸を含有する実施例1お
よび比較例1の貼付剤の薬物放出性は、無水ケイ酸を含
有しない比較例2の貼付剤とほとんどおなじ値である。
このことは、無水ケイ酸が含有されても、粘着剤層中の
薬物の拡散移動が阻害されず、良好な薬物放出性が維持
されることを示している。
(発明の効果) 本発明の貼付剤は、このように、皮膚刺激性が極めて低
く、長時間にわたり剥がれることなく皮膚表面に貼付し
得る。さらにこの貼付剤は、貼付中に粘着剤層が支持体
の外側にはみ出したり、貼付剤を剥した場合に、皮膚上
に粘着剤組成物が残ることがない。そして、本発明の貼
付剤は薬物の放出性に優れ、良好な薬物の経皮吸収性を
達成し得る。本発明の貼付剤は、必要に応じて粘着剤層
に各種の薬物を含有させることが可能であり、広範囲に
用いられ得る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体の片面に、粘着剤層が設けられた貼
    付剤であって、 該粘着剤層が、粘着基剤、該粘着基剤に対して可塑化作
    用を有する化合物、無水ケイ酸、およびニトログリセリ
    ンを除く薬物を含有し、 該無水ケイ酸が、親水性無水ケイ酸と疎水性無水ケイ酸
    とからなる、 貼付剤。
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