JP4620308B2 - 玩具組立セット - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、連結スタッドと、他の組立要素の連結スタッドを摩擦係合で受ける対応する空洞とを有する、玩具組立要素を備えた玩具組立セットに関する。
【０００２】
ＧＢ１，２６９，７５５は現在のタイプの玩具組立セットを開示している。組立要素の空洞には、２つの弾性壁すなわち凸縁が２つの外壁と平行に存在する。別の組立要素の円筒形の連結スタッドは、それらが外壁ならびに空洞内の弾性壁の１つと摩擦接触するように空洞内で受けることができる。連結スタッドが空洞内で特定の位置を取ることを保証するために、外壁の内面には、突出したガイド・リブが設けられている。
【０００３】
ＵＳ５，７９５，２１０（図１１および図１２を参照）は、ユーザが、２つの組立要素を互いに対して異なった方向に向けることにより、補助連結手段を係合または係合解除することを選択することによって、相互接続された組立要素の間で「通常の」連結力または増大した連結力を意図的に選択できる組立要素を開示している。
【０００４】
これらの文献は、本発明におけるように、連結手段に対して異なった摩擦を有する連結手段を開示していない。
【０００５】
米国特許第３，００５，２８２号は、商標ＬＥＧＯおよびＤＵＰＬＯの下で販売されている、組立要素を備えた玩具組立セットを開示している。
【０００６】
図１および図２はそれぞれ、上および下から遠近法で見た、かかる既知の玩具組立セット１０を示している。この既知の玩具組立要素は正方形の水平断面を有し、４個の垂直な外壁１１および水平な上壁１２を備え、この上壁１２はこれらの外壁と共に、その上壁の内面から延伸する中央管１４を収容している（accommodate）空洞１３を画定している。上面は４個の円筒形の連結スタッド１５を有し、これらは、上記の米国特許第３，００５，２８２号において説明されているように、連結スタッド１５が、外壁１１の内面および連結管とも呼ばれる管１４と摩擦接触するように、対応する組立要素の空洞１３で受けることができる。
【０００７】
図３は、下から見た別の既知の玩具組立要素１６を示しており、その要素の上面は、各列に４個の連結スタッドを備えた、互いに対して直交する４列に配置された円筒形の連結スタッド（図示せず）を有している。この組立要素は、４個の外壁１７および正方形の外形を有している。４個の外壁は空洞１８を画定しており、この空洞中には空洞を４個の小空洞に分割する仕切り１９がある。４個の小空洞のそれぞれは、円筒形の連結管２０を収容しており、中央の連結管は、仕切り１９が交わる中央に設けられている。これらの連結管は全て、空洞１８の終端すなわち天井を形成する、組立要素の上壁２１の下面から延伸している。
【０００８】
図３に示したような既知の組立要素および、対応するより大きい組立要素は、図１および図２における組立要素１０と同様に一体に組み立てることができる。要素１６の１つにある連結スタッドは、別の要素の空洞１８に受けられるので、これらの連結スタッドは、外壁１７の内面および／または、空洞内の管２０の１つまたは２つと摩擦接触する。空洞１８内の仕切り１９は外壁１７よりも薄く、このことは連結スタッドが仕切りと摩擦接触しないことを意味する。
【０００９】
その結果、外壁にその角で接触している連結スタッドのみが完全な摩擦、すなわち、図１および図２における組立要素の場合と同じ総摩擦を有し、一方、角から間隔が開いた連結スタッドおよび外壁と接触していない連結スタッドはそれぞれ、より小さい総摩擦を有する。ここで、総摩擦は、２つの組立要素を組み立てるか、あるいは分解するために克服しなければならない摩擦力であり、したがってこの力は連結力とも呼ばれる。
【００１０】
これは既知の組立要素によって意図されており、これらの組立要素は４ｘ４以上の連結スタッドを備えた上面を有する。これらの既知の組立要素の空洞が説明したように配置されていないが、全４ｘ４の連結スタッドが空洞内で完全な摩擦を有するようになっているとすれば、総連結力はそれに応じて図１および図２に示したような２つの要素での力よりも大きくなり、それによってそれらを組み立てるために、また分解するためには、それに応じた大きな力が必要になる。したがって、多数の連結スタッドを有するより大きな組立要素を組み立て、かつ分解することは、子供にとって困難である。したがって、連結スタッドが仕切りと接触しないように仕切りを形成して、ある位置のみにある連結スタッドが完全な連結力を有し、別の位置にある連結スタッドは低減された連結力を有するようにすることが意図されている。これは、多数の連結スタッドを備えた、より大きい玩具組立要素であっても、子供が容易に組み立て、かつ分解することができるという利点を提供する。
【００１１】
それでもなお、図３に示したような既知の組立要素には欠点がある。さらに、図３は、４個の連結スタッド１５の何れも外壁１７と接触しないように、他の既知のより大きい組立要素内の空洞に４個の連結スタッド１５が受けられた状態の、図１および図２に示した既知の組立要素１０を模式的に示している。ここで、空洞内の中央の連結管は要素１０内の連結管１４と同軸上に位置決めされているので、４個の連結管はこの中央の連結管と接触している。組立要素１０は、薄い仕切り１９との連結スタッドの係合によって決定され、そのため回転のエンド・ストップとしての役割を果たす限界の間で、連結管を中心に回転できることが理解されるであろう。したがって、このように一体に組み立てられた２つの組立要素は固定されておらず、互いに対して回転できる。それに応じて、１つの同じ連結管の外面と全てが接触している１個、２個または３個の連結スタッドを備えた組立要素は回転可能になる。
【００１２】
本発明の目的は、この欠点を修正すること、換言すれば、連結力が既知の比較的大きな組立要素と基本的に同じになるような方法で、比較的大きな組立要素を一体に組み立てることができ、一方で、より小さい組立要素は、より大きい要素と一体に組み立てられたときに回転できないように基本的に固定される、玩具組立セットを提供することである。
【００１３】
この目的は、空洞内における連結スタッドの可動性を抑制し、連結スタッドに対してわずかな摩擦を有するだけであるガイド手段が空洞内に配置された、本発明による組立セットによって達成される。
【００１４】
以下で、好適な実施形態により、かつ図面を参照して本発明を説明する。
【００１５】
図１から図３は、上記で説明した先行技術を示している。
【００１６】
図４は、空洞３２を画定する４個の外壁３１を有する玩具組立要素３０を示している。空洞３２は、図３における組立要素１６と同じ方法で、空洞３２を４個のより小さな小空洞３４、３４ａに分割する内部仕切り３３を有する。４個の小空洞３４のそれぞれは、個々の小空洞内で中央に位置決めされた連結管３５を有している。既知の組立要素１０は組立要素３０と一体に組み立てられており、要素１０の連結スタッド１５のそれぞれは、図３におけるのと同じようにして、連結管３５のそれぞれおよび、連結管１４と同軸の中央の連結管３５ｃと接触している。組立要素での連結スタッド１５ａの可能な位置が、小空洞３４ａ内に示されている。連結スタッドのための全ての可能な位置において、連結スタッドは１つまたは２つの連結管３５、３５ｃと摩擦接触しており、このことは一体に組み立てられた組立要素１０および３０の間の連結力に寄与する。
【００１７】
外壁３１および仕切り３３は、２つの異なった機能を備えた突出リブを有するが、これを以下で説明する。
【００１８】
ここで外壁３１はそれぞれ、図１ないし図３における、組立要素１０および１６の対応する外壁１１および１７よりも若干薄い。このことの第１の利点は、材料が節約されることである。連結スタッド１５、１５ａと外壁３１との間の連結力を達成するために、外壁には選択された場所に突出した連結リブ３６が設けられ、この連結リブは、組立要素１０が組立要素３０と一体に組み立てられたときに、組立要素１０の連結スタッドが、連結管３５、３５ｃまたは連結リブ３６あるいはこれらの組合せの何れかと摩擦接触するように配置されている。
【００１９】
より薄い外壁の別の利点は、連結力を有するのに適した壁上の選択位置に、連結リブ３６を配置できることである。連結スタッドが連結リブ３６に接触するのは、組立要素３０での連結スタッドのための可能な位置の半分にすぎないことが、図３における組立要素と比較すれば分かるであろう。より大きい連結力が望ましい場合には、連結リブ３６の数を増やすことができるし、より小さい連結力が望ましい場合には、連結リブ３６の数を減らすことができる。
【００２０】
ここで連結リブ３６は、連結スタッドと接触するそれらの接触面が、連結管３５に対して互いに正反対の２つ一組で位置決めされる位置に配置されている。接触面は向きを有しており、この向きは連結スタッドに接していて、単なる点や線の接触ではなく最終的な接触範囲との面接触を提供する。いくつかの場所では、連結スタッドはこのようにその円筒形の表面上の２つの場所で連結し、一方、他の場所では、連結スタッドはその円筒形の表面上の単一の場所で連結するだけである。個々の連結スタッドがその円筒形の表面上の１つまたは２つの場所で連結するだけであるこの構成は、２個の組立要素１０および３０の明確に画定された相互位置を保証するには、それ自体十分ではない。
【００２１】
したがって、外壁３１および仕切り３３は、ガイド・リブ３７を付加的に有し、それにより、わずかであるか、少なくとも連結スタッドと連結管または連結リブとの間の連結力よりも遙かに小さい摩擦力で、連結スタッドに接触する。ガイド・リブ３７は、好ましくは全ての連結スタッドが、横方向にずらされる可能性は全くなしに、明確に画定された位置をもっぱら取ることができる（必ずしもそうでなくてもよいが）ことを保証にするように、連結スタッド１５、１５ａに対する選択位置に配置される。このことは、かかる位置において、連結管、連結リブおよびガイド・リブの数の合計が少なくとも３であり、これら３個が三角形または別の多角形を成し、これが連結スタッドの中心に外接するという点で保証される。
【００２２】
ここでは、全てのガイド・リブ３７が矩形の断面を備えて示されており、明確化のために、ガイド・リブと連結スタッドとの間には小さい隙間があるように模式的に示されている。連結スタッドの正確な位置決めを達成するためには、もちろん、できるだけ小さい隙間を有することが理論的には最もよいが、隙間には、容認できるだけの大きいまたは小さい動きを許容するサイズを与えることができる。
【００２３】
ガイド・リブ３７を適切な寸法にすることによって、所望であれば、これらは相互接続された要素の間の連結力にも寄与する。その場合には、もちろん隙間は消える。
【００２４】
明らかに、連結管、連結リブおよびガイド・リブまたはこれらの組合せは、連結スタッドの位置を定め、そのため、いくつかの連結位置においては、連結力は他の位置よりも高くまたは低くなり得る。
【００２５】
ここで、「ガイド・リブ」という語は、基本的に誘導（ガイド）機能を有するだけで、そのため基本的に連結スタッドの位置を定めるのに寄与するだけであり、より低いか取るに足らない程度に、相互接続された要素間の連結力に寄与する手段を指定するものとして選択している。「連結管」および「連結リブ」という語は、それに応じて、連結スタッドの位置を定めることにも必然的に寄与するとしても、相互接続された要素間の連結力に基本的に寄与する手段について用いている。
【図面の簡単な説明】
【図１】 上から遠近法で見た既知の玩具組立要素を示している。
【図２】 下から遠近法で見た図１の既知の玩具組立要素を示している。
【図３】 下から見た、別の既知の玩具組立要素と一体に組み立てられた、図１および図２の既知の玩具組立要素を示している。
【図４】 下から見た、図１および図２の既知の玩具組立要素と一体に組み立てられた、本発明による玩具組立要素を示している。

Claims (2)

1. 軸が第１の四角形の個々の角を画定するように配置された４個の円筒形の連結スタッド（１５）を備えた、側壁を有する第１の玩具組立要素（１０）と、
   軸が第２の四角形の個々の角を画定するように配置された４個の第１の管状連結手段（３５）と、軸が第２の四角形の中心に配置された１つの第２の管状連結手段（３５）とを備えた、空洞（３２）を画定する壁（３１）を有する第２の玩具組立要素（３０）とを含み、
   前記４個の円筒形の連結スタッド（１５）のそれぞれが、第１の摩擦で、前記４個の前記第１の管状連結手段（３５）の対応する何れか一つおよび前記第２の四角形の中心にある前記第２の管状連結手段（３５）の両方と接触するように、前記第１および第２の管状連結手段（３５）各々は前記第１の玩具組立要素（１０）の前記４個の円筒形の連結スタッド（１５）の間で嵌合可能であり、
   前記第１の玩具組立要素（１０）の前記４個の円筒形の連結スタッド（１５）は、前記第２の玩具組立要素（３０）の４個の前記第１の管状連結手段（３５）の間で嵌合可能であり、
   前記第２の玩具組立要素（３０）は、前記空洞（３２）内に、前記第１の管状連結手段（３５）の一つと前記第２の管状連結手段（３５）との間に嵌合された連結スタッド（１５）の横方向の動きを規制するガイド手段（３７）を備えた仕切り（３３）を有することを特徴とする、玩具組立セット。
2. 前記ガイド手段（３７）は、前記第１の摩擦よりも小さい第２の摩擦で、前記連結スタッド（１５）に接触するように適合されていることを特徴とする、請求項１に記載の玩具組立セット。

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