JP4618542B2 - 懸垂式昇降搬送装置用台車におけるグリッパ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レールに吊り下げ状態で走行する懸垂式昇降搬送装置用台車(以下、OHT用台車という)に配設され、一対のフィンガがほぼ水平に接近し、更に、例えば、各種処理前後のウエハを収納したカセットほかのキャリアにおけるフランジの下方に入り込んで、前記キャリアを吊り下げ支持し、あるいは前記一対のフィンガがほぼ水平に離隔して前記キャリアの吊り下げ状態を解除するためのグリッパ装置に関するものである。
例えば、半導体製造工程における各種処理(洗浄、CVDほか)を順次行うために半導体ウエハを収納、搬送するためのカセットほか、液晶製造、FAなどにおいて板状体を各種処理部に移送させるためのキャリア搬送手段は、生産性向上の観点から、近年、懸垂式昇降搬送装置(以下、OHTという)が主流となってきている。
このOHTは、OHT用台車が有する昇降機構によって所定の箇所においてキャリアを昇降させるとともに、当該OHT用台車を、所定の軌道に沿って配設されたレールに懸垂状態で移送させる構成をなしている。
さて、本願各発明に係るOHT用台車におけるグリッパ装置と関連する先行技術として下記特許文献1がある。この特許文献1を援用してOHT用台車におけるグリッパ装置の従来技術を説明すると次の通りである。
先ず、特許文献1において、OHTの要部を示す図1及び図2に示されるようにキャリアCを搬送するためにOHT用台車Vが使用される。このOHT用台車Vは、天井に取付けられた走行レールRに吊り下げ状態で走行するものであり、OHT用台車Vの下部にグリッパ装置Aが配設されている。このグリッパ装置Aは、OHT用台車Vに配置されたリフタ装置(図示せず)により昇降できる。
次に図4及び図5に示されるように、グリッパ装置AにはキャリアCのフランジ5を両側から支持するための一対のフィンガ4a、4bが取付けられている。この一対のフィンガ4a、4bはガイドレール11に装着された各ガイドブロック12a、12bに連係部材を介して固定されている。そして、一対のフィンガ4a、4bに夫々対応して設けられた一対の連結ブロック21a、21bに対して、夫々、軸方向の両側に、一定方向に対して互いにねじの螺旋方向を異にするねじが形成されたボールねじ18の各ねじ部18a、18bを螺合している。この構成によって、前記一対のフィンガ4a、4bは、前記ボールねじ18を回転させることにより、回転方向に応じて相互に接近あるいは離隔される。このボールねじ18は、制御モータ17によって回転される。
ところで、前記OHT用台車V内にキャリアCが上昇し、ガイドレール11に沿って搬送される期間は、安全性(誤動作によるキャリアCの落下事故の防止)の観点から制御用モータ17への給電が停止されることがある。このような場合、モータ17のモータ軸17aは、電気的拘束が解かれ、フリーな状態になるため、前記ボールねじ18もフリー状態となる。この結果、OHT用台車Vが走行レールRを走行する際、車輪を通じてOHT用台車に伝達される振動により、一対のフィンガ4a、4bの相互間の距離が、除々に離隔される方向に前記ボールねじ18が回転する可能性がある。
なお、前記制御用モータ17がブレーキ付きモータである場合には、給電が停止されても、そのモータ軸17aは静止状態で保持される。しかし、ブレーキ付きモータは通常の制御用モータ17より大きく、しかもグリッパ装置Aにおける制御用モータの設置スペースは限られているためブレーキ付きモータを採用することは困難である。
このようなキャリアCの落下事故を防止するための手段として、特許文献1の発明は、図1〜図7において開示のように、ほぼ水平に近接・離隔される一対のフィンガ4a、4bがキャリアCのフランジ5の保持部6に入り込んでキャリアCを吊り下げ支持するためのグリッパ装置に関し、フィンガ4a、4bによるキャリアCの保持状態が、各フィンガ4a、4bの駆動源への電力供給休止状態においても、互いに吸引状態を維持する手段を設け、キャリアCの搬送中における落下を防止する手段を開示している。
そして、その具体的手段としてエアによる吸引手段、或いは磁気吸引手段などが開示されている。
特開2001−294390
前記特許文献1において従来技術として述べられているように、OHT用台車Vに備えられた一対のフィンガ4a、4bによってキャリアCのフランジ部5を保持し、当該キャリアCを軌道に沿って移動する際に発生する振動は、駆動モータ17への電力供給休止状態で当該駆動モータ17における軸の回転の拘束力を失った際には、ボールねじ18が一対のフィンガ4a、4bを離隔する方向に回転させる可能性がある。
このような状況はキャリアCのフランジ5とフィンガ4a、4bとの係合が解かれ、OHT用台車Vからキャリアが落下し、重大事故発生の要因となる。
一方、駆動モータ17への電力供給休止状態で当該駆動モータ17における軸の回転の拘束力を失った際においても、前記特許文献1の発明の1態様における一対のフィンガ4a、4bの各支持部の相対向する端面同士の磁気吸引力、一対のフィンガ4a、4bの離隔を防止することでボールねじ18が一対のフィンガ4a、4bを離隔する方向に回転させる可能性はない。
しかし、磁気吸引力を発生するフィンガ4a、4bの各支持部の相対向する端面同士が当接する場合においては、この端面同士の当接時に衝撃振動が発生し、ボールねじ18の雄ねじと、これに螺合しフィンガ4a、4bと一体的に移動する雌ねじ部が傷つく。
更に、これが異常磨耗に発展し、最終的にボールねじ18が回転不能のロック状態に陥ってしまい、この結果、ボールねじ18とこれと螺合する前期雌ねじ部を頻繁に交換しなければならない事態に陥る。
また、特許文献1における請求項4に係る発明のように一対のフィンガ4a、4bと一体的に変位する磁気吸引力発生を得る対向面相互間に空隙を設ける構成は、磁気吸引力発生用対向面同士の衝突に基づく破損は避けられる。この反面、磁気抵抗大の空隙の存在により、一対のフィンガ4a、4bの離隔を阻止する力が弱く、フィンガ4a、4bによるキャリアCの保持力が十分得られない。
そこで、本発明の目的は、OHT用台車に備えられた一対のフィンガがボールねじを含む機構によって接近し、キャリアのフランジ部に係合して、当該キャリアを昇降し更に軌道に配したレールに懸垂状態で移動するに当って、一対のフィンガ夫々に対応して設けられた磁気吸引面は当接し、かつ、この当接に際して生じる衝撃振動のボールねじへの伝達を緩和する手段を設け、フィンガの駆動機構の消耗を軽減させることにある。
課題を解決するための手段及び効果
上記の課題を解決するため、請求項1に記載のOHT用台車におけるグリッパ装置は、天井に取付けられたレールに吊り下げ状態で走行する懸垂式昇降搬送装置用台車に昇降可能にして取付けられ、水平に接近・離隔される一対のフィンガが、キャリアのフランジの下方に入り込んで、前記キャリアを吊り下げ支持するためのグリッパ装置において、前記一対のフィンガの各動力受部材に形成され、一定方向を基準として互いに反対方向の螺旋状をなす一対の雌ねじ部と、前記一対の雌ねじ部が夫々螺合し、軸方向の両側に互いに反対方向の螺旋状をなす雄ねじを形成したボールねじと、モータとその動力を前記ボールねじに伝達する機構とからなり、前記一対のフィンガを同じ長さだけ接近・離隔させるボールねじの回転駆動手段と、前記一対のフィンガの各動力受部材に各々固定される一対のストッパ部材と、本体部と頭部とを有し、前記動力受部材を前記本体部の前記頭部側に遊嵌させるとともに、前記ストッパ部材には前記本体部の先端側がねじ止め固定されることで、前記動力受部材と前記ストッパ部材とを各々固定する固定ねじと、前記一対のストッパ部材の相互間に設けられ対向する磁気吸引面を有する磁気吸引手段と、前記対向する磁気吸引面同士の当接時にボールねじに伝わる衝撃を緩和する衝撃緩和手段と、を備え、前記衝撃緩和手段が、前記ストッパ部材と前記動力受部材との間における前記固定ねじの本体部に介在する、ゲル材料からなる第1のダンピング部材と、前記ストッパ部材と前記頭部との間における前記固定ねじの本体部に介在する、ゲル材料からなる第2のダンピング部材と、を有するように構成した。
この請求項1に係る発明によれば、対向する磁気吸引面同士が当接する際に発生する振動衝撃は緩和され、ボールねじと、これに螺合するフィンガ支持部に形成された雌ねじとの間への衝撃力の伝達も緩和される。
これによって、ボールねじ及びこれに螺合する雌ねじの耐久性の向上を図ることができる。
更に、1対のフィンガがキャリアのフランジに係合し、キャリアの昇降許容状態においては、一対のフィンガの各支持部に設けられた一対の磁気吸引表面同士が当接状態を維持し、強力な磁気吸引力にて、1対のフィンガを離隔することはない。従って、OHT用台車が走行中に振動衝撃を受けても、キャリアはフィンガによって的確に支持され、キャリアの落下の可能性は皆無である。
更に、ストッパ部材と動力受部材との間における固定ねじの本体部に、ゲル材料からなる第1のダンピング部材を介在させるようにしている。そのため、ボールねじと、これに螺合するフィンガの動力受部材に形成された雌ねじとの間への衝撃力伝達緩和機構が簡素化され、かつ、取付けねじの本体部は、その先端部が磁気吸引手段の固定部(ストッパ部材)に固定され、ダンピング部材とフィンガ支持部とは遊嵌状態となっているため衝撃力伝達の緩和効果と組立て工数減少の効果があり、衝撃力緩和効果のみならず、グリッパ装置のコストダウンを図ることができる。
更に、ストッパ部材と頭部との間における固定ねじの本体部にも、ゲル材料からなる第2のダンピング部材を介在させるようにしている。そのため、磁気吸引手段の対向する一対の磁気吸引面の当接時に振動衝撃が発生した場合においても何れの方向の衝撃においても、ボールねじ及びこれに螺合する雌ねじに伝達される衝撃は減衰し、ボールねじ及びこれに螺合する雌ねじの耐久性を更に向上させることができる。
更に、第1及び第2のダンピング部材をゲル材料から構成しているので、ボールねじと雌ねじとの耐久性を向上させることができる。こうしたゲル材料を用いれば、500万回の対向する磁気吸引面の当接試験においてもボールねじとこれに螺合する雌ねじの損傷は認められていない。
因みに、ダンピング材を使用しない構成においての耐久試験においては、5〜6万回の磁気吸引面の当接試験にてボールねじとこれに螺合する雌ねじの損傷が発生した。
また、ダンピング材としてウレタンゴム、天然ゴムを使用する場合に比べてゲル材は圧縮永久歪が概ね1割程度と少なく、ダンピング材としての効果は著しい。
請求項2に記載のOHT用台車におけるグリッパ装置は、請求項1に記載のOHT用台車におけるグリッパ装置において前記対向する磁気吸引面は一方が永久磁石の磁極面、他方が磁性板の外表面であること若しくは、前記対向する磁気吸引面は極性を異にする永久磁石の磁極面であることを特徴とする。
この請求項2に係る発明によれば、引用元の請求項1に係る発明の効果に加えて磁気吸引手段の構成が最も容易に得られ、とりわけ対向する磁極面が極性を異にする磁極面である場合には強力な磁気吸引力が得られる。
請求項3に記載のOHT用台車におけるグリッパ装置は、請求項1又は2に記載のOHT用台車におけるグリッパ装置において、一対のフィンガ接近状態において、前記対向する磁気吸引面が非接触状態であって磁気吸引力によって接合できるまで、前記回転駆動手段を動作させる制御手段を備えたことを特徴とする。
この請求項3に係る発明によれば、引用元の請求項1又は2に係る発明の効果に加えて、対向する磁気吸引面同士の当接時の衝撃はもっぱら磁気吸引力に基づくもので、回転駆動手段による力はなく、対向する磁気吸引面同士の当接時にボールねじに伝わる衝撃を緩和する手段と相俟ってボールねじ及びこれに螺合する雌ねじの耐久性の更なる向上を図ることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
先ず、図面の概要を述べると、図1は本発明に係るOHT用台車の要部構成を示す正面図、図2は本発明の要部構成を示す斜視図、図3は図2の一部拡大断面図である。
さて、図1に示されるようにOHT用台車Vは、天井における所定の軌道に沿って設けられた走行レールRに吊り下げられている。そして、このOHT用台車Vは、その案内・駆動部1において、図示しない走行輪と案内輪とで走行レールRに規制されて走行する。この際、必要とされる動力は、走行輪に駆動モータを備えること、或いはレールR側とOHT用台車V側に夫々2次側、1次側を設ける直流リニアモータを備えること等周知の手段によって得られる。2は昇降ベルトで、前後左右に4本設けられ、OHT用台車V内に備えられるリフタ装置(図示せず)により伸縮自在に制御され、グリッパ装置Aを昇降させるように構成される。そして、この昇降ベルト2は、内部にグリッパ装置Aの制御用電線を備えている。
キャリアCは、例えば、所定枚数の各種処理前後のウエハが収納されるキャリア本体3と、該キャリア本体3の上方に取付けられ、グリッパ装置Aの主たる構成要素としての一対のフィンガ4a、4bによって吊り下げ支持される略方形状のフランジ5とから構成されている。このフランジ5は、前記キャリア本体3の上面部で、平面視におけるほぼ中央部に取付けられたフランジ保持部6の上面に、ほぼ水平にして取付けられている。前記フランジ保持部6は、前記キャリア本体3と、前記フランジ5との間に、一対のフィンガ4a、4bを入り込ませるための隙間を形成させるためのものである。そして、前記フランジ5と前記フランジ保持部6とは、ほぼ軸心同一にして取付けられている。
次にグリッパ装置Aについて、特に図1に開示の一対のフィンガ4a、4bとその駆動機構の好適な具体的構成について図2を参照して説明する。図2において、4ax、4bxは夫々一対のフィンガ4a、4bの支持部で、各フィンガ4a、4bの外方端に一体的に固定され、上方に延びている。7a、7bはフレームで、夫々各フィンガ4a、4bに対応し、夫々の外方端が夫々フィンガ用支持部4ax、4bxの内方面の所定位置に一体的に固定されている。
なお、フレーム7a、7bは、図示しない案内機構により長手方向に水平に移動可能に支持されている(例えば、特許文献1の図5のガイドレール11、ガイドブロック12a、12bを含む周辺構成を参照)。8a、8bはストッパ部材で、夫々前記フレーム7a、7bの内方端に固定ねじ9a、9bによって固定されている。10a、10bは永久磁石で、夫々前記ストッパ部材8a、8bに一体的に固定されており、相対向する面は極性を異にし、対向する磁極面同士の距離が近づくに従って磁気吸引力が増し、磁極面同士が当接すると相応の外力が加わらない限り、離隔することはない。
次に、図3をも参照して本願各発明の要部構成について説明する。11はボールねじで、長手方向の中央部を境に特定方向に対する螺旋方向が反対であって、等ピッチの雄ねじ11a、11bが両端の支持部に至るまで形成されている。12a、12bは動力受部材で、夫々ボールねじ11の雄ねじ11a、11bに螺合する雌ねじ12ax、12bx(図示は12bxのみ)が形成され、これらの雌ねじ12ax、12bxは、夫々ボールねじ11の長手方向の中心から等距離に位置する雄ねじ11a、11bに螺合するように初期設定されるものとする。そして、これら対をなす動力受部材12a、12bは、夫々第1のダンピング部材13a、13bを介して適宜の数、例えば、2個ずつの固定ねじ14a、14bによって前記ストッパ部材8a、8bに固定される。
この際、固定ねじ14a、14bに関し、その本体部14ax、14bx(図示は14bxのみ)は、ストッパ部材8a、8bに対してねじ止め作用にて固定され、動力受部材12a、12bに対しては遊嵌している。15a、15bは第2のダンピング部材で、夫々固定ねじ14a、14bの頭部と動力受部材12a、12bとの間に介在する。この第2のダンピング部材15a、15bは、設けなくとも第1のダンピング部材13a、13bの作用で十分とも考えられる。
しかし、永久磁石10a、10bの対向する磁極面の当接時において生じる衝撃は、かなり大となる場合もあり、第2のダンピング部材15a、15bはボールねじ11の雄ねじ11a、11bとこれらに螺合する動力受部材12a、12bに形成した雌ねじ12ax、12bxとの螺合部に伝達される衝撃(特に永久磁石10a、10bの対向する磁極面同士が当接瞬時の衝撃方向と反対方向の振動衝撃)の減衰効果をより高めるのに役立つ。
なお、前記第1のダンピング部材13a、13b及び第2のダンピング部材15a、15bの素材としてはゴム材、ウレタン材、ゲル材等弾性体を用いるが、とりわけ、圧縮永久歪が最も小さいゲル材を使用することが望ましい。
因みに、ゲル材を第1のダンピング部材とした、フィンガ4a、4bの開閉耐久試験において、500万回に及ぶ開閉において、最も衝撃による損傷を受けやすいボールねじ11の雄ねじ11a、11bとこれらに螺合する動力受部材12a、12bに形成した雌ねじ12ax、12bxの損傷を確認する状態は発見されていない。
次に、図2に基づいて、ボールねじ11の支持・駆動機構について述べる。図2において、16a、16bは支持板で、前記ボールねじ11の両端部を回動自在に支持する。17は基板で、前記支持板16a、16bを所定位置に固定するとともに、前記ボールねじ11を駆動するモータ18を設置し、4つの昇降ベルト2a、2a、2b,2bによりOHT用台車Vより懸垂される。そして、前記モータ18の回転軸は、ユニバーサルジョイント19の入力側に連結される。このユニバーサルジョイント19の出力側にはギア20が設けられる。21は前記ギア20に噛合ってモータ18からの動力を受けるギアであって、前記ボールねじ11の一方端部に固定され、当該ボールねじ11と一体的に回転する。
次に、図1〜図3に開示した構成の作用について述べる。
先ず、図1において、OHT用台車Vが、周知の光学的手段(図示せず)を基にキャリア本体3の位置を検知すると、昇降ベルト2が繰り出され、グリッパ装置Aは降下する。次いで、グリッパ装置Aに設置されているフィンガ4a、4bがフランジ保持部6の両側に入り込み、1対のフィンガ4a、4bがキャリア本体3をOHT用台車V内に上昇させる態勢を得る。その後、昇降ベルト2がOHT用台車V内に巻き込まれることに伴って、OHT用台車V内に上昇したキャリア本体3は、所定の軌道に沿って配設されたレールRに懸垂状態にて走行し、必要な処理を行う所定箇所に達する。この時、OHT用台車は走行を停止し、再度昇降ベルト2がOHT用台車Vから繰り出され、キャリア本体3は所定場所に降下する。その後、一対のフィンガ4a、4bは離隔作用を受け、キャリア本体3に設けられたフランジ保持部6との係合が解かれ、その結果、キャリア本体3はOHT用台車Vにおける保持状態が解かれる。
前記作用は、本願各発明の適用対象装置全体における動作の概要であるが、本願各発明に係る構成を示す図2及び図3(図2の要部断面図)の作用を説明する。
図2はフィンガ4a、4bが互いに接近し、永久磁石10a、10bの対向する磁極面が当接直前の状態を示している。
先ず、一対のフィンガ4a、4bの接近又は離隔に当っては、ボールねじ11の回転に伴って、動力受部材12a、12bが、ボールねじの長手方向の中心部から左右に等距離ずつ移動し、これによって一対のフィンガ4a、4bも同じ距離移動する。この際の動力伝達は、モータの動力が、ユニバーサルジョイント19、ギア20、21を順次介してボールねじ11に伝えられる。
このようにして、一対のフィンガ4a、4bは接近、離隔制御を受けるが、接近、離隔の限度は、例えば、モータ18にパルスモータを用いて精密制御を行う。また、さほど精密制御を要しない場合は、一対のフィンガ4a、4bの必要移動距離に応じてモータ18の回転数を制御するか、或いは、例えば、永久磁石10aの磁極面の位置を光学的に検出し、この検出信号によってモータ18の電力供給を停止する制御によって対処できる。
ところで、一対のストッパ部材8a、8bに固定された永久磁石10a、10bの磁極面相互間に空隙が存在すると磁気吸引力は低下する。従って、モータ18への電力供給がなく、フリー状態において、一対のフィンガ4a、4bによって保持されているキャリアC(図1を参照)が搬送中の振動にて一対のフィンガ4a、4bが離隔方向に動作するとキャリアCの落下事故を引き起こす可能性がある。
このような状態を防止するため、本願各発明では、一対のフィンガ4a、4bが接近状態でキャリアCを保持する状態において、一対の永久磁石10a、10bの各対向面は当接状態とする。
さて、モータ18への電力供給によって、ボールねじ11が一対の動力受部材12a、12bを互いに接近させる方向に駆動する過程において、一対の永久磁石10a、10bの対向面同士が当接する際には振動衝撃力が発生する。この衝撃力は、先ず一対の第1のダンピング部材13a、13bにて減衰し、ボールねじ11に形成した雄ねじ11a、11bと夫々に螺合する動力受部材12a、12b夫々に形成した雌ねじ12ax、12bxと螺合部への影響は緩和され、ボールねじ11と動力受部材12a、12bの耐久性の向上が図れる。
一方、一対の永久磁石10a、10bの対向面同士が当接瞬時の衝撃に比べて弱い衝撃ではあるが、振動衝撃として反対方向の衝撃が発生することもある。この反対方向の衝撃は第2のダンピング材15a、15bによって減衰され、前記同様ボールねじ11に形成した雄ねじ11a、11bと夫々に螺合する動力受部材12a、12b夫々に形成した雌ねじ12ax、12bxと螺合部への影響は緩和され、ボールねじ11と動力受部材12a、12bの耐久性の向上が図れる。
なお、永久磁石10a、10bの磁極面相互間の当接時に生じる振動衝撃は、一対の永久磁石10a、10bの対向面同士の間隔が相互の磁気吸引力のみにて当接可能であって当接前の範囲までモータ18の駆動力によりボールねじ11を回転させることにより、更に減衰させることができる。
この際、モータ18の動力消失から磁気吸引力のみで相対向する磁極面同士が当接するまで、永久磁石10a、10bは相応の距離移動する。この移動距離は、モータ18と永久磁石10a、10bに至るまでの機械要素のクリアランスとして設定され、実用的最適距離は経験的に把握される。
相対向する面同士で磁気吸引力を発生する手段としての一対の永久磁石10a、10bにおいて一方を磁性体としてもよい。
ダンピング部材15a、15bは、磁極面相互間の当接時の衝撃が特に大きくならないと判断できる場合には設けるには及ばない。
本発明に係るOHT用台車の要部構成を示す正面図である。 本発明の要部構成を示す斜視図である。 図2の一部拡大断面図である。
符号の説明
A.グリッパ装置
R.レール
V.OHT用台車
3.キャリア
4a、4b.フィンガ
5.フランジ
10a、10b.永久磁石
11.ボールねじ
11a、11b.雄ねじ部
12a、12b.動力受部材
12ax、12bx.雌ねじ部
13a、13b.第1のダンピング材
15a、15b.第2のダンピング材
18.モータ

Claims (3)

  1. 天井に取付けられたレールに吊り下げ状態で走行する懸垂式昇降搬送装置用台車に昇降可能にして取付けられ、水平に接近・離隔される一対のフィンガが、キャリアのフランジの下方に入り込んで、前記キャリアを吊り下げ支持するためのグリッパ装置において、
    前記一対のフィンガの各動力受部材に形成され、一定方向を基準として互いに反対方向の螺旋状をなす一対の雌ねじ部と、
    前記一対の雌ねじ部が夫々螺合し、軸方向の両側に互いに反対方向の螺旋状をなす雄ねじを形成したボールねじと、
    モータとその動力を前記ボールねじに伝達する機構とからなり、前記一対のフィンガを同じ長さだけ接近・離隔させるボールねじの回転駆動手段と、
    前記一対のフィンガの各動力受部材に各々固定される一対のストッパ部材と、
    本体部と頭部とを有し、前記動力受部材を前記本体部の前記頭部側に遊嵌させるとともに、前記ストッパ部材には前記本体部の先端側がねじ止め固定されることで、前記動力受部材と前記ストッパ部材とを各々固定する固定ねじと、
    前記一対のストッパ部材の相互間に設けられ対向する磁気吸引面を有する磁気吸引手段と、
    前記対向する磁気吸引面同士の当接時にボールねじに伝わる衝撃を緩和する衝撃緩和手段と、
    を備え
    前記衝撃緩和手段が、
    前記ストッパ部材と前記動力受部材との間における前記固定ねじの本体部に介在する、ゲル材料からなる第1のダンピング部材と、
    前記ストッパ部材と前記頭部との間における前記固定ねじの本体部に介在する、ゲル材料からなる第2のダンピング部材と、
    を有する構成であることを特徴とする懸垂式昇降搬送装置用台車におけるグリッパ装置。
  2. 前記対向する磁気吸引面は一方が永久磁石の磁極面、他方が磁性板の外表面であること若しくは、極性を異にする永久磁石の磁極面であることを特徴とする請求項1に記載の懸垂式昇降搬送装置用台車におけるグリッパ装置。
  3. 前記一対のフィンガ接近状態において、前記対向する磁気吸引面が非接触状態であって磁気吸引力によって接合できるまで、前記回転駆動手段を動作させる制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の懸垂式昇降装置用台車におけるグリッパ装置。
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