JP4614628B2

JP4614628B2 - 表示ラベル取付構造

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Publication number: JP4614628B2
Application number: JP2003076795A
Authority: JP
Inventors: ジャック・イー・ケイヴニー; ジョン・ジェイ・ブランダ
Original assignee: Panduit Corp
Current assignee: Panduit Corp
Priority date: 2002-03-21
Filing date: 2003-03-20
Publication date: 2011-01-19
Anticipated expiration: 2023-03-20
Also published as: US6718674B2; JP2010271738A; CN1447273A; US20080138573A1; CN100511264C; US20030177676A1; JP5222332B2; US7007422B2; US20040231215A1; JP2004038147A; US7353629B2; US20060112603A1; EP1347551A1

Description

【０００１】
【発明の分野】
本発明は、通信線ポートやネットワークポートにラベルを取付けるためのラベル取付構造に関し、より具体的には、多用途性において優れ、ラベル交換が容易であり、密集した多数のポートにラベルを取付けることのできる、ラベル取付構造に関するものである。
【０００２】
【発明の背景】
通信システムやコンピュータネットワークは、その複雑度がますます増大しており、１つのシステムないしネットワークに収容可能なユーザ数ないし周辺機器の台数を更に増大させるべく努力がなされている。そのため、例えば、パッチパネルなどのハードウェアを多数備えた大規模な機器アレイを装備したシステムでは、それら多数のハードウェアと通信サーバやネットワークとの間に必要とされる、例えば数百回線にも及ぶ接続のために、そのシステムに数百個ものポートが設けられることがある。システム構成が適切に設定された状態を維持するためには、それらポートの各々を正確に識別できるようにしておくことが重要である。例えば、あるポートに対応したユーザや周辺機器が変更ないし交換されるときには、そのポートの構成設定を変更することになるが、その際に、そのポートの表示情報を変更せねばならず、この表示情報変更作業は一般的に、修正作業などと呼ばれている。
【０００３】
従来から様々な表示ラベル取付方式が提案されている。一般的に広く採用されている表示ラベル取付方式は、非常に原始的なものである。例えば、接続用ポートを備えたパッチパネルなどのハードウェアの前面パネルの、表示を付与しようとするポートのすぐ近くの位置に、矩形の粘着ラベルを貼付するという方法がある。粘着ラベルとしては、裏面の粘着剤層を裏紙で覆った形のものが一般的に供給されている。これを使用する際には、先ず、その粘着ラベルの表面に然るべき表示情報を記入する。この表示情報の記入は、プリンタで印字することによって行うこともあれば、ペンを用いて手書きで行うこともある。次に、裏紙を剥がして粘着剤層を露出させ、手に持ったその粘着ラベルを、該当するポートを備えた前面パネルの然るべき位置に貼付する。
【０００４】
この種の従来のラベル取付方式には多くの短所が付随している。先ず、この種の従来の粘着ラベルは、そのラベル表面が保護されていないため、ラベルの表示情報が汚れたり、かすれたりして、読み取りにくくなることがある。これらの汚れ、かすれは、ラベルの貼付作業中に発生することもあれば、機器の清掃時に発生することもあり、更に、不注意にラベル表面に触れることで発生することもある。また、ラベルの貼付は正確に行わねばならず、そのためには手先の器用さが要求される。このことは、パネルが比較的不便な場所に設置されていて、表示を付与しようとするポートが見えにくかったり、そのポートに手が届きにくかったりする場合に特に問題となり、これに該当するのは、例えば、パネルの設置場所がクローゼットの中である場合、壁際である場合、デスクの下である場合などである。
【０００５】
上述した従来の粘着ラベルに付随する更なる短所として、時間の経過とともにラベルの粘着剤が劣化することにより、ラベルが剥がれて失われ、それによってポートの表示情報も失われるおそれがあるということがある。これは特に、ラベルを貼付したパネルが熱や湿気に曝される場合に、よく発生する問題である。また更なる短所として、上述した従来の粘着ラベルでは、修正作業が容易でないということがある。古い粘着ラベルは、剥がせなかったり、剥がしにくかったりすることがある。また、既に貼付されている粘着ラベルの上に、新たな粘着ラベルを重ね貼りすると、上に貼付したラベルの粘着剤が劣化して、剥がれてしまうおそれがある。
【０００６】
以上のものとは別の従来のラベル取付方式として、パネルに矩形の凹部を形成し、その凹部の中に、矩形の紙製ラベルを収容するようにしたラベル取付構造がある。この従来のラベル取付構造を、図１〜図４に示した。紙製ラベルを透明プラスチック製の保護板で覆うこともある。しかしながらこのラベル取付構造によれば、図示したように、ラベルを収容する凹部の一端または両端に、開放形状のスロットが形成される。そのため、図４に示したように、ラベル２００及び保護板を凹部に嵌め込んだときに、ラベル２２０が凹部の一端のスロットを通って、パネルの背面側へ抜け出でるおそれがある。場合によっては、それによってラベルが隠れてしまうこともあり、また、それほどでなくとも、ラベルの位置が大きくずれて、表示情報が読み取りにくくなることがある。
【０００７】
米国特許第５６１３８７４号公報（Orlando et al.）に、更に別の表示ラベル取付構造が開示されており、その取付構造は、前面パネルにラベルホルダを装着するようにしたものである。同米国特許公報の図２に示されているように、紙製ラベルを透明プラスチック製カバーに挟み込んだものを、ラベルホルダの溝に挿し込むようにしている。ラベルホルダの背面には、各々が一対の係合突起から成る２つのタブが形成されており、それらタブを、前面パネルに形成されている対応する２つのスロットに夫々挿入することで、ラベルホルダを、前面パネルの表面から突出した状態で前面パネルに装着するようにしている。ラベルホルダは、一旦前面パネルに装着したならば二度と取外すことができないため、ラベルの表示情報を変更できるようにするために、ラベルホルダの溝を、端部が開放した形状にしておかねばならない。同米国特許公報のラベル取付構造には数々の短所が付随しているが、その中でも特に重大な短所は、その他の従来のラベル取付構造と同様に、不注意にラベルに触れたならば、ラベルがラベルホルダの溝の中を移動して、外れてしまうおそれがあるということである。更に、同米国特許公報の図２からも分かるように、このラベル取付構造によれば、比較的面倒な作業が必要であり、即ち、紙製ラベルをプラスチック製カバーに挟み込んだものをラベルホルダの溝に挿し込むためには、手先の器用さが要求される。更に、修正作業としてのラベル取付作業を行う場合には、上述した係合突起の構造により、一旦前面パネルに装着したラベルホルダを取外すことが不可能であることから、紙製ラベルをプラスチック製カバーに挟み込んだものを、前面パネルに取付けたままのラベルホルダに挿し込まねばならない。そのため、前面パネルの設置場所が、手の届きにくい場所である場合などには、修正作業に際して新たなラベルを挿し込むことに、非常な困難を伴うことがある。更に、同米国特許公報のラベル取付構造によれば、２個のポートについての表示情報を１枚のラベルに記入しなければならないため、修正作業において、それらポートのうちの一方のポートについての表示情報だけを更新すればよい場合であっても、新しいラベルには、それら両方のポートについての表示情報を印字しなければならないということも短所となっている。
【０００８】
従来の表示ラベル取付構造に付随する以上の欠点ないし短所を鑑みるならば、多用途性において優れ、修正作業を容易に行え、しかも、複数種類の表示ラベルに対応してそれらラベルを適切に保護することのできる、改良した表示ラベル取付方式が求められているといえる。
【０００９】
【発明の概要】
従って本発明の目的は、多用途性において優れた、改良した表示ラベル取付構造を提供することにある。
【００１０】
本発明の更なる目的は、装着した状態において前面パネルの表面と面一となるよにした、表示ラベル取付構造を提供することにある。
本発明の更なる目的は、複数のポートが並べて設けられている場合に、それらポートに対する表示ラベル取付けを好適に行うことのできる、表示ラベル取付構造を提供することにある。更にこれに関連した本発明の目的として、それら複数のポートのうちのただ１つのポートについての表示情報を修正する際に、その他のポートについての表示情報を記入し直すことを必要としない、表示ラベル取付構造を提供することがある。
【００１１】
本発明の更なる目的は、並べて設けられている複数のポートについての情報を表示するための、タイプや寸法の異なる複数種類のラベルに対応することのできる、表示ラベル取付構造を提供することにある。更にこれに関連した本発明の目的として、プリンタで印字するための幅の狭いラベルと、手書きで記入するための幅の広いラベルとの両方に対応することのできる、表示ラベル取付構造を提供することがある。
【００１２】
本発明の更なる目的は、様々な種類の非粘着ラベルに対応することのできる、多用途性において優れた、改良した表示ラベル取付構造を提供することにある。
本発明の更なる目的は、紙製ラベルと、タブ形状の表示用アイコン部材との両方に対応することのできる、多用途性において優れた、改良した表示ラベル取付構造を提供することにある。
【００１３】
以上の目的及び利点を、本発明は、多用途性において優れた、改良した表示ラベル取付構造を提供することによって達成するものである。本発明によれば、前面パネルなどの部材の表面に、ラベルカバーを嵌め込む凹部を形成する。このラベルカバーは、透明または半透明のものとすることが好ましく、プラスチック製とすることが好ましい。また凹部は、その両端部が閉塞した形状に形成し、この凹部の両端部に、ラベルカバーに形成した係合突起が係合することによって、ラベルカバーが係止され、表示ラベルが保持されるようにする。ラベルカバーの厚さは、このラベルカバーを凹部に嵌め込んだ状態で、このラベルカバーの表面が前面パネルの表面に対して面一となるような厚さとすることが好ましい。前面パネルには、そこに形成した凹部に接する位置に、引起しスロットを形成するようにしてもよく、この引起しスロットは、例えば修正作業を行うときなどに、係止されているラベルカバーを容易に取外せるようにするためのものである。更に、凹部に孔を設けて、成形品として製作した１つずつ分離したアイコン部材をその孔に装着できるようにしてもよい。ラベルカバーに、１枚ずつ分離した複数枚のラベルを収容するための複数のラベル収容部を設けるようにしてもよく、その場合に、そのラベルカバーの正面壁部と、長手方向に延在する一対のガイド部とによって、１つまたは複数のスロットが画成されるようにして、ラベルをそれらスロットに挿入するようにするとよい。また、このようにしてラベルカバーが複数の区画を備えたものとする場合には、それら区画の間の境界を小突起によって画成するようにしてもよい。
【００１４】
本発明は、複数の種類のラベルに対応し得るものである。即ち、第１に、１枚ずつ分離した複数枚の区画用ラベルを、ラベルカバーに形成されている複数の区画の夫々のスロットに挿入した上で、そのラベルカバーを凹部に嵌め込むという使い方が可能である。それら区画用ラベルに表示情報を記入するには、デスクトップ型ないしポータブル型のプリンタで印字するなどすればよい。第２に、凹部の長さと略々同じ長さで、区画用ラベルと略々同じ幅の連続形ラベルにも対応することができ、このような連続形ラベルは、凹部に直接挿入した上で、ラベルカバーで押さえて保持するようにする。この場合のラベルカバーは、区画が形成されていないものであっても構わない。また、この場合には、ラベルカバーの背面で連続形ラベルを押さえて保持した状態で、そのラベルカバーが前面パネルの凹部に係止される。この種の連続形ラベルに表示情報を記入するには、デスクトップ型またはポータブル型のプリンタで印字するなどすればよい。更に本発明は、上述した連続形ラベルと比べて、幅が僅かに広く、長さが僅かに短い連続形ラベルにも対応することができ、このような連続ラベルは、表示情報を手書きで記入する場合に好都合なものである。更に別の構成例として、凹部に孔を設けて、成形品として製作した１つずつ分離したアイコン部材をその孔に装着できるようにする場合に、例えば、そのアイコン部材の背面に半割球形係合部を形成して、それを凹部の孔に挿入することで、アイコン部材を係止できるようにしてもよい。更に、本発明は多用途性において優れたものであるため、以上に述べた様々なラベル取付方式を様々に組み合せて利用することも可能である。
【００１５】
当業者には容易に理解されるように、本発明によれば、１枚ずつ分離した区画用ラベルと、幅狭の連続形ラベルとは、どちらもプリンタで印字することが可能であり、しかも互いに幅寸法が等しいため、これら２種類のラベルは、同一のポータブル型プリンタと、同一のラベルロールないしラベルカートリッジとを用いて印字することができる。このことは、本発明の利点の１つであり、表示情報の修正作業を容易化するものである。作業現場においてポータブル型プリンタを用いてラベルの印字をする場合には、区画用ラベルと連続形ラベルとのいずれにおいても、長さは異なっていてかまわないが、幅寸法が同一であることが重要であり、さもないと、幅寸法の異なった多数の種類のラベルストックを携帯して、必要に応じてそれらを装着して使用しなければならなくなる。尚、それら区画用ラベル及び連続形ラベルは、幅が比較的狭いため、プリンタで印字すると見た目のよいラベルに仕上がる。
【００１６】
本発明のその他の目的及び利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明らかとなる。
【００１７】
【実施の形態の詳細な説明】
図５及び図６は、本発明の１つの実施の形態に係るラベルカバー１０及び区画用ラベル２０を示した図であり、ラベルカバー１０はその全体形状が細長い略々矩形であり、区画用ラベル２０も、その全体形状が略々矩形である。以下の説明から明らかなように、本発明は、多用途性という点において優れたものであり、複数種類のラベルに対応し得るものである。以下に説明する本発明の実施の形態のうち、最初に示すものは、１枚ずつ分離した区画用ラベル２０を複数枚収容できるようにした実施の形態である。即ち、図５に示したラベルカバー１０は、複数区画型ラベルカバーであって、互いに区切られた３つの区画を備えている。このラベルカバー１０を装着する前面パネル（不図示）には３個のポートが並べて設けられており、ラベルカバー１０の３つの区画は、その各々がそれら３個のポートの１つずつに対応している。尚、図示例の複数区画型ラベルカバー１０は、あくまでも１つの具体例を例示したに過ぎず、様々な利点をもたらす本発明の特徴的構造は、より単純な構成の、単一区画型ラベルカバーの形態で実施することもでき、或いは、前面パネルに並べて設けられているポートの個数が２個である場合や、４個以上である場合には、そのポートの個数に応じて、二区画型ラベルカバーの形態で実施したり、４個以上の区画を有する複数区画型ラベルカバーの形態で実施するようにすればよい。
【００１８】
図示例の複数区画型ラベルカバー１０では、互いに隣接する区画どうしの間の境界が、横方向（長手方向に直交する方向）に延出する一対の小突起３０によって画成されており、それら小突起３０は、区画用ラベル２０をラベルカバー１０へ挿入する際には、ラベルストッパ部として機能するものである。これとは別の構成例を挙げるならば、例えば、横方向に延出する一対の小突起３０を、ラベルカバー１０の一方の側縁から他方の側縁まで横断して延在する１本の突条にかえてもよい。ただし、図示例のように、一対の小突起３０を設けるか、ないしはこれと類似した構成とすることが好ましく、なぜならば、一対の小突起３０とすればそれらの間に間隙３５が形成されるため、その間隙３５にねじ回しなどの工具の先端を挿し込むことで、ラベルカバー１０に保持されているラベル２０を容易に取外すことができるからである。ラベルカバー１０の前面部分は、ラベル保護部４０を構成しており、このラベル保護部４０は透明ないし半透明としておくことが好ましく、なぜならば、そのようにしておけば、印刷または手書きなどによって区画用ラベル２０に記入した表示情報を、ラベル保護部４０を通して視認することができるからである。ただし、本発明の別の構成例として、表示情報を記入する必要がない場合には、ラベルカバーの前面部分を構成するラベル保護部を不透明にしてもよく、前面パネルと同色にするなどしてもよい。
の色に合わせた色にと同色にしてとしたり、前面パネルの色に合わせて彩色したものとしてもよい。
【００１９】
ラベルカバー１０は、このラベルカバー１０の長手方向に延在する一対の互いに対向するガイド部５０を備えたものとすることが好ましく、更に、それら一対のガイド部５０とラベル保護部４０との間に小さな間隙が確保されるようにすることで、区画用ラベル２０の幅より広い幅を有するスロット５５が画成されるようにすることが好ましい。また、かかる一対のガイド部５０を、図示例のように複数区画型ラベルカバー１０の各区画ごとに個別に設けるようにしてもよい。ラベルカバー１０の各端部には端面６０が形成されており、それら端面６０もラベルストッパ部として機能する。従って各区画ごとに、一対のガイド部５０と一対のラベルストッパ部とで、１枚の区画用ラベル２０を保持するためのラベル収容部が画成されており、ここでいうラベルストッパ部は、ラベルカバー１０の端面６０か、または、一対の小突起３０かの、いずれかによって形成されたものである。図示例では、ガイド部５０は、小突起３０ないし端面６０に達するまで延在してはおらず、その手前で終わっているため、ある１つの区画の収容部に区画用ラベル２０を挿入する際には、その区画用ラベル２０を軽く湾曲させれば、ガイド部５０により画成されているスロット５５へ、その区画用ラベル２０を滑り込ませることができる。
【００２０】
図５は、区画用ラベル２０をどのように挿入するかを示した図であり、区画用ラベル２０の挿入方向は図中に矢印で示した方向としてもよく、また、それとは逆方向に、ガイド部５０と端面６０との間の間隙を通して挿入することも可能である。中央の区画に挿入する場合もこれと同様であり、区画用ラベル２０をどちら側からでも挿入することができ、ガイド部５０と小突起３０との間の間隙を通して滑り込ませるようにすればよい。また、図示例のように、ラベルカバー１０の４つの角部の各々に、面取り部９０と係合突起１２０とを形成し、一方、前面プレートの凹部に、面取り部９０の形状に対応した形状の隅肉部９２と係合突起１２０の形状に対応した形状の係止突片１３０とを形成するようにしてもよく、それらを形成することで、ラベルカバー１０を前面プレートの凹部に嵌め込むことが容易になり、これについては後に更に詳細に説明する。
【００２１】
区画用ラベル２０の寸法は、区画の収容部の中に区画用ラベル２０を傷めることなく収容できるような所定の寸法としてあり、ここでいう所定の寸法とは、その長さ（ラベルの長辺の寸法）が、小突起３０または端面６０によって画成されたラベルストッパ部どうしの間の間隔より僅かに小さく、その幅（ラベルの短辺の寸法）が、ガイド部５０によって画成されたスロット５５の幅よりより僅かに小さく、その厚さ（ラベルの厚さ）が、ガイド部５０とラベル保護部４０との間の間隔より僅かに小さいというものである。区画用ラベル２０の材料として使用できるのは、様々な種類の紙、様々な種類のプラスチック、それに様々な種類の布材料であり、更にその他の材料も使用することができ、その表面に表示情報を記入できるようなものがよい。また、区画用ラベル２０は、僅かなりとも可撓性を備えたものであることが好ましく、なぜならば、可撓性を備えている方が、ラベルカバー１０の各区画の収容部へ容易に挿入できるからである。
【００２２】
ラベルカバー１０は、単一部品として製作してもよく、そうする場合には、例えば、プラスチック成形品などとして製作してもよい。別の構成例として、ラベルカバー１０を、複数の部品を組合せた複合部品として製作してもよく、そうする場合には、例えば、そのラベルカバー１０のうちの、ラベル保護部４０だけを別部材として形成し、残りの部分（即ち、小突起３０、ガイド部５０、それに端面６０の部分）をフレーム部材として形成するようにし、そのフレーム部材に、別部材のラベル保護部４０を、接着剤を用いるなどして結合してもよい。ラベルカバー１０を単一部品として製作する場合も、また複数の部品を組合せた複合部品として製作する場合も、ラベル保護部４０は透明とするか、或いは少なくとも半透明として、ラベルに記入した表示情報を、そのラベル保護部４０を通して視認できるようにしておくことが好ましい。更に、ラベルカバー１０の材料には、多少なりとも可撓性及び弾性を備えた材料を使用することが好ましく、その具体例としては、例えばポリカーボネートなどの、高強度のエンジニアリングプラスチックがある。ラベルカバー１０を、このような特性を備えたものとすることが望まれる理由は、そのようにすれば、ラベルカバー１０の形状に対応した形状に形成されている前面パネルの凹部にラベルカバー１０を着脱する際に、そのラベルカバー１０が、本来の形状をおおむね保ちつつ、僅かに変形するようにすることができるからである。
【００２３】
図７は、ラベルを取付けて表示をしようとしている前面パネル８０の凹部７０に、ラベルカバー１０をどのように装着しているかを示した図であり、この前面パネル８０の凹部７０は、ラベルカバー１０の形状に対応した形状に形成されている。以下の説明では、前面パネルの凹部７０にラベルカバー１０を係止するための係止構造として、１つの具体的な好ましい構造を例示するが、ただし、以下に説明する係止構造以外の、様々な係止構造を採用し得ることも明らかであり、そのようなその他の係止構造を採用したものも本発明の範囲に含まれる。図６、図７、及び図８に示した本発明の好適な実施の形態においては、凹部７０の深さＴｒは、ラベルカバー１０の厚さＴｃと略々同じであり、それによって、ラベルカバー１０のラベル保護部４０の前面が、前面パネル８０の表面と面一になるようにしている。このように、ラベルカバー１０を、前面パネル８０の表面に対して面一となるように装着するという特徴は、本発明の好適な実施の形態に係る凹部に装着するようにしたラベルカバーの優れた特徴の１つであり、なぜならば、これによって、外観性が向上し、埃が積もり易い凹部を形成せずに済み、更に、前面パネルに形成する凹部の深さを減じることができるからである。前面パネルに形成する凹部の厚さを減じることで、前面パネルのデザインが改善される。例えば、ねじで固定するようにした前面パネルの最小パネル厚さは、ねじを覆うラベルカバーの深さに応じた厚さにすることができる。
【００２４】
図７に示したように、ラベルカバー１０の角部には面取り部９０が形成されており、前面パネルの凹部７０の角部には隅肉部９２が形成されている。それら面取り部９０及び隅肉部９２は、互いに対応する形状に形成されている。それら面取り部９０及び隅肉部９２の機能は、１つには、ラベルカバー１０を前面パネルの凹部７０に嵌め込む際に両者の位置合せを容易にすることにあり、もう１つには、以下に詳述するように、長さはいずれもラベルカバーと略々同じであるが、幅が互いに異なる、２種類の連続形ラベルを収容できるようにすることにある。前面パネルの凹部７０には、その一端または両端に、溝状切欠き部１００を設けるようにしてもよく、この溝状切欠き部１００は、そこにねじ回しなどの工具の先端を挿し込んで、前面パネルの凹部７０に係止されたラベルカバー１０を取外すためのものである。更に、前面パネル８０には、凹部７０の一方の側縁に隣接した位置に、溝状切欠き部１００より大きな、引起しスロット１１０を形成するようにしてもよい。引起しスロット１１０は、前面パネルの凹部７０の奥壁面まで達する深さに形成してもよく、前面パネル８０を貫通する形状に形成してもよい。また、斜面を備えた形状に形成するのもよく、これらのようにすることで、係止されたラベルカバー１０を、指先や工具の先端で容易に取外すことが可能となる。
【００２５】
図８に示すように、ラベルカバー１０が前面パネルの凹部７０に嵌め込まれて係止されているとき、区画用ラベル２０は、ラベル保護部４０と、ガイド部５０により画成されているスロット５５と、一対のラベルストッパ部とによって、所定の位置に保持されている。図示の一対のラベルストッパ部は、その一方が、一対の小突起３０によって画成されており、他方が、ラベルカバー１０の端面６０によって画成されている。更に、ラベルカバー１０を前面パネルの凹部７０に嵌め込んだ状態で係止するための、係止構造が備えられている。この係止構造は、図８に例示した具体例では、ラベルカバー１０の各端部に設けた一対の係合突起１２０が、前面パネル８０の凹部７０の各端部から延出するように設けた係止突片１３０と係合する構造として構成されている。係合突起１２０には、ラベルカバー１０を前面パネルの凹部７０に容易に係止できるようにするための、僅かに傾斜させた傾斜面１２２が形成されている。ラベルカバー１０を凹部７０へ押し込めば、係合突起１２０の傾斜面１２２が前面パネル８０の係止突片１３０に当接して、ラベルカバー１０に僅かな曲げ変形を発生させるため、それによって、係合突起１２０を係止突片１３０の背面に係合させることができる。前面パネルの凹部７０に係止したラベルカバー７０を取外すには、工具の先端を溝状切欠き部１００に挿入するか、或いは、引起しスロット１１０に挿入して、ラベルカバー１０を僅かに撓ませて曲げ変形を発生させるようにすれば、係合突起１２０を係止突片１３０の背面から外すことができる。
【００２６】
図９〜図１２は、本発明を用いて、上で説明したラベルとは種類の異なる、連続形ラベル２２ａないし２２ｂを保持する場合を示した図である。これら連続形ラベルは、ラベルカバー１０の１つずつ区切られた区画の収容部に収容するのではなく、前面パネルの凹部７０の全長に亘って収容するようにする。このように連続形ラベルを収容する場合にも、上で説明したラベルカバー１０をそのまま使用すればよく、このラベルカバー１０で、前面パネルの凹部７０に収容した連続形ラベル２２ａないし２２ｂを保持することができる。連続形ラベル２２ａないし２２ｂは、ラベルカバー１０の１つの区画に収容可能な区画用ラベル２０の長さより長いものとすることが好ましい。連続形ラベル２２ａないし２２ｂの寸法は、前面パネルの凹部７０の内法寸法より僅かに小さなものとしている。また、本発明のもう１つの有利な特徴として、前面パネルの凹部７０の形状を、両端部１３２が実質的に閉塞した形状にしてあるということがある。これによって、両端部１３２が、連続形ラベル２２ａないし２２ｂにとってのラベルストッパ部として機能することができるため、連続形ラベル２２ａないし２２ｂを、凹部７０へ直接挿入して、ラベルカバー１０ａと、凹部の奥壁部１３４との間に保持することが可能となっている。連続形ラベル２２ａは、プリンタで印字するのに適したラベルであり、１つまたは複数の並べて設けられたポートに表示を付すための充分な長さを有するものである。連続形ラベル２２ｂは、連続形ラベル２２ａや区画用ラベル２０と比べて多少幅が広いことから、手書きで記入するのに適したラベルである。
【００２７】
図１０に示すように、ラベルカバー１０の小突起３０の背面と、ラベルカバー１０のガイド部５０の背面と、ラベルカバー１０の端縁部の背面１３８とが、連続形ラベル２２ａないし２２ｂを、前面パネルの凹部７０の中に保持する機能を果たす表面となっている。図１０及び図１２から明らかなように、ラベルカバー１０及び凹部７０の係止構造は、図８に示した係止構造と同じ構造とすることができる。単に、図１０及び図１２においては、連続形ラベル２２ａないし２２ｂが、ラベルカバー１０の背面と、凹部７０の奥壁面１３４との間に保持されているだけである。連続形ラベル２２ａないし２２ｂには、例えば、前面パネル８０に設けられているポートの表示情報などが記入される。連続ラベル２２ａないし２２ｂの長さは、複数区画型ラベルカバー１０の全長と略々同じ長さであり、連続形ラベル２２ａないし２２ｂに記入する表示情報は、それらラベルに対応する複数の区画についての表示情報とすることができ、また、更に一般化した言い方をするならば、連続形ラベル２２ａないし２２ｂに対応する複数の区画から成る区画群についての表示情報とすることができる。
【００２８】
図９〜図１２に示したように、本発明によれば、前面パネルの凹部７０の中には、互いに寸法の異なる２種類の連続形ラベルを収容することができる。図９〜図１２において、線２４ａは連続形ラベル２２ａの端縁を表しており、線２４ｂは連続形ラベル２２ｂの端縁を表している。図９には、前面パネルの凹部７０に連続形ラベル２２ａを収容した場合を示し、この連続形ラベル２２ａは、図１１に示した連続形ラベル２２ｂと比べて、長さが僅かに長く、幅が僅かに狭い。これについて更に詳細に説明すると、図９に示した連続形ラベル２２ａは、幅が凹部７０の幅よりかなり狭いため、隅肉部９２により形成されたテーパ付外角部を通過してその先まで延在することができる。図９に示したものでは、連続形ラベル２２ａは、凹部７０の端面１３２のすぐ近くまで延在している。この構成においては、連続形ラベル２２ａの長手方向の移動は、凹部７０の端面１３２によって規制されている。一方、図１１に示した連続形ラベル２２ｂは、図９に示した連続形ラベル２２ａと比べて、長さが僅かに短く、幅が僅かに広い。この図１１に示した連続形ラベル２２ｂは、幅が凹部７０の幅より僅かに狭いだけであり、また長さが、隅肉部９２と凹部７０の側縁部とが交わる交点までしか延在しない長さとされている。この構成においては、連続形ラベル２２ｂの長手方向の移動は、隅肉部９２により形成されたテーパ付内角部によって規制されている。
【００２９】
図１３及び図１３Ａは、本発明の特徴のうちの係止構造を構成する上で、前面パネル８０に凹部７０をどのように形成しているかを示した図である。図１３は前面パネルの凹部７０の端部の形状を示しており、図１３Ａは図１３の破断図である。凹部７０の４つの角部には、隅肉部９２を設けることが好ましく、それら隅肉部９２は、ラベルカバー１０を挿入する際の案内としても機能し、また、連続形ラベル２２ａを凹部７０の中に挿入し、ラベルカバー１０で押さえて保持する場合には、その連続形ラベル２２ａを凹部７０の中の正しい位置に位置付けるための案内としても機能するものである。溝状切欠き部１００を設けるようにしてもよく、この溝状切欠き部１００は、そこにねじ回しなどの工具の先端を挿し込むことで、凹部７０に嵌め込まれて係止されたラベルカバー１０を容易に取外せるようにするものである。前面パネルの凹部７０の端部には、更に、係止突片１３０が設けられ、この係止突片１３０は、ラベルカバー１０の係合突起１２０と係合することで、ラベルカバー１０を、凹部７０の中に嵌め込まれた状態で係止するものである。一対の係止突片１３０を形成するために、前面パネル８０の背面を貫通して延在する一対の鋳抜き孔１３３を設けるようにするとよく、そうすれば、本発明の好適な特徴を備えた前面パネル８０を容易に製作することができるようになる。これに関して、一対の鋳抜き孔１３３を設けることで、前面パネルのうちの、係止突片１３０の下側の部分の材料が除去されるが、一対の鋳抜き孔１３３の間の部分である中央の端部障壁部１３２は残され、この端部障壁部１３２と奥壁部１３４とで、凹部７０の端部が画成されている。容易に理解されるように、凹部７０の端部の一対の鋳抜き孔１３３は、この凹部７０に連通する開口部を形成しているが、それら一対の鋳抜き孔１３３の間の部分である中央の端部障壁部１３２と、凹部７０の奥壁部１３４とがあるために、ラベルが鋳抜き孔１３３を通って前面パネルの背面側へ抜け落ちることが防止されている。ラベルが前面パネルの凹部の鋳抜き孔を通って前面パネルの背面側へ抜け落ちるおそれがあるということは、従来の多くの表示ラベル取付構造において問題となっていたことである。従って、鋳抜き孔を上述した形態のものとすることによって、その他の点では従来の前面パネルと変わるところのない前面パネルに、本発明の好適な特徴を組込んでいるのである。
【００３０】
図１４は、本発明の別の実施の形態を示した図であり、この実施の形態においては、ラベルカバー１０ａが、上で説明したラベルカバー１０と少々異なっており、その相違点は、ラベルカバー１０ａには、区画用ラベル２０を収容するための特徴的な形状部分が形成されていないということであり、これに該当する形状部分には、面取り部９２、小突起３０、間隙３５、案内部５０、それにスロット５５などが含まれる。それ以外の点では、ラベルカバー１０ａは、上で説明したラベルカバー１０と同様の構成となっている。本発明のこの実施の形態にかかるラベルカバー１０ａは、連続形ラベル２２ａないし２２ｂを保持するために用いるものであり、その保持の仕方は、先に図９〜図１２を参照して説明したラベルカバー１０による保持の仕方と同様である。ラベルカバー１０ａには、その背面の、側縁部に沿った複数の位置に、複数の凸部１３８が設けられており、それら凸部１３８までも含めたこのラベルカバー１０ａの全体の厚さは、凹部７０の深さからラベルの厚さを差し引いた寸法に略々等しくしてあり、これによって、連続形ラベル２２ａまたは２２ｂを、凹部７０の奥壁部１３４に押し付けることができるようにしてある。図１４のラベルカバー１０ａを収容するための前面パネルの凹部の具体例を、図１９及び図２０に示した。図１４に示したラベルカバー１０ａは、透明または半透明のものであり、それによって、連続形ラベル２２ａまたは２２ｂに記入した表示情報を読み取れるようにしており、これに関しては後に図１８の凹部７０ｅについて説明する際に、更に詳しく説明する。図１４の実施例の別の利用法として、連続形ラベル２２を使用せずに、このラベルカバー１０ａだけを凹部に嵌め込むような使い方をしてもよい。そのような場合には、ラベルカバー１０ａを不透明としてもよく、また、ラベルカバー１０ａの色を前面パネル８０の色に合わせるようにしてもよく、これらに関しては後に図１８の凹部７０ｈについて説明する際に、更に詳しく説明する。
【００３１】
図１５及び図１６は、ポートに表示を付けるための本発明の更に別の具体例を示した図である。これらの図に示した構成によれば、前面パネルの凹部７０に、１つ１つが分離したアイコン部材１４０ａ及び１４０ｂを装着することで、対応するポートに表示情報を付与することができる。アイコン部材１４０を製作するための材料としては、プラスチックなどの適当な材料を使用すればよく、アイコン部材１４０の厚さＴｉは、前面パネルの凹部７０の深さＴｒと同じにすることが好ましい。アイコン部材１４０は、プラスチック成形品として製作するのがよく、また、様々な色のものとするのもよく、更に、電話機、ファクシミリ、コンピュータなどの、特定の種類のデバイスないし周辺機器を表す図形を形成したものとするのもよい。また、アイコン部材１４０の両端に、斜面１５５を備えた取外し用スロット１５０ａ、１５０ｂを形成するようにしてもよく、それら取外し用スロット１５０ａ、１５０ｂは、そこにねじ回しなどの工具の先端を挿し込むことで、アイコン部材１４０を凹部７０から容易に取外せるようにするものである。アイコン部材１４０の寸法は、凹部７０の寸法に合わせた寸法とすることが好ましく、また、図示の如く、複数のポートに対応した凹部７０には、それら複数のポートに合わせて、複数のアイコン部材１４０を装着可能にすることが好ましい。アイコン部材１４０の４つの角部には、凹部７０の隅肉部９２の形状に対応した形状の面取り部９４が形成されている。
【００３２】
アイコン部材１４０を凹部７０に係止するための係止手段は、様々な構造のものとすることができる。その具体例を挙げるならば、例えば図１５及び図１６に示したように、凹部７０の奥壁部１３４に孔１６０を形成し、その孔１６０に、半割球形係合部１７０を挿入するようにした係止手段を使用してもよい。図１８に示したように、半割球形係合部１７０は、その直径を、孔１６０の直径より僅かに大きくしてあり、半割球形係合部１７０を孔１６０に挿入すれば、アイコン部材１４０が係止されるようにしてある。半割球形係合部１７０は、その形状が球形であるため、これを孔１６０に挿脱する際には、脚部１７２、１７４が互いに接近するように変形する。そして、一旦挿入されてしまえば、半割球形係合部１７０は、アイコン部材１４０を凹部７０の中に保持する機能を果たすようになる。図１５から明らかなように、複数のポートに亘って１つの凹部７０を形成して、その凹部７０の中にそれらポートの個数と同数のアイコン部材１４０を装着する構造とすることができる。本発明のこの実施の形態は、凹部７０にラベルカバー１０を装着するかわりに、アイコン部材１４０を装着できるようにしたものである。
【００３３】
図１７に示した前面パネル８０は、複数のポート１８０ａ、１８０ｂ、１８０ｃ、及び１８０ｄと、それらポートの上側に形成した上側凹部７０ａと、それらポートの下方に形成した下側凹部７０ｂとを備えたものである。本発明のこの実施の形態の利用法としては、例えば、２つの凹部のうちの一方を、複数のポート１８０ａ、１８０ｂ、１８０ｃ、１８０ｄから成るポート群に共通した表示情報を記入した１枚の表示ラベルを収容するために使用し、他方の凹部を、複数のポート１８０ａ、１８０ｂ、１８０ｃ、１８０ｄの各々についての表示情報を記入した複数の表示ラベルを収容するために使用するという利用法などがある。より具体的には、下側凹部７０ｂには、対応する複数のポート１８０ａ、１８０ｂ、１８０ｃ、１８０ｄから成るポート群に共通した表示情報を記入した１枚の連続形ラベル２２ａを保持している下側ラベルカバー１０ｂを装着するようにする。また、上側凹部７０ａには、対応する複数のポート１８０ａ、１８０ｂ、１８０ｃ、１８０ｄの各々についての表示情報を記入した複数の区画用ラベル２０ａ、２０ｂ、２０ｃ、２０ｄを保持している上側ラベルカバー１０ａを装着するということが考えられる。
【００３４】
図１８は、本発明の様々な利用法を示した図であり、図１７と同様に、表示ラベル取付構造に要求される様々な条件に好適に対応し得る本発明の優れた多用途性を例示した図である。図１８に示した、傾斜部を備えた前面パネル２００は、第１凹部７０ｅ、第２凹部７０ｆ、第３凹部７０ｇ、及び第４凹部７０ｈを備えており、第１凹部７０ｅは、例えば、前面パネル２００それ自体についての情報を表示する連続形ラベル２２ａを収容するために利用し、第２凹部７０ｆは、例えば、第１ペアのポート１８０ｅ、１８０ｆについての情報を表示する連続形ラベル２２ｂを収容するために利用し、第３凹部７０ｇは、例えば、第２ペアのポート１８０ｇ、１８０ｈについての情報を表示するために利用し、第４凹部７０ｈは、例えば、前面パネル２００を固定しているねじを覆うカバーを装着するためだけに利用することなどが可能である。第１凹部７０ｅに装着する第１ラベルカバー１０ａは、連続形ラベル２２ａと２２ｂとのいずれも収容することのできるラベルカバーとすることができる。
【００３５】
第２凹部７０ｆは、２個のポート１８０ｅ及び１８０ｆに対応した凹部であるため、それらポートについての表示情報を付与する第２ラベルカバーとしては、二区画用ラベルカバー（１０）と連続形ラベル用ラベルカバー（１０ａ）とのいずれも使用できるが、図１８に示したものは、対応するポート１８０ｅ及び１８０ｆについての表示情報をプリンタで印字した連続形ラベル２２ａを覆うラベルカバーである。また、第３凹部７０ｇも、第２凹部７０ｆと同様に２個のポート１８０ｇ及び１８０ｈに対応した凹部であるが、図１８に示した第３凹部７０ｇは、対応する２個のポート１８０ｇ及び１８０ｈの各々の表示情報を個別に付与する２個のアイコン部材１４０を収容している。そして、第４凹部７０ｈは、前面パネル２００を固定しているねじを覆うだけの不透明のラベルカバー１０を装着するために利用されている。尚、この前面パネル２００の４個の凹部７０ｅ〜７０ｈは、表示ラベル取付けのための以上に例示した利用法とは異なった様々な利用の仕方が可能なものであり、それら利用の仕方をした場合も本発明に包含されることはいうまでもない。
【００３６】
以上の詳細な説明から明らかなように、本発明が提供する改良した表示ラベル取付構造は、多用途性という点において優れたものであって、寸法及び形式の異なる様々な種類の表示ラベルに対応することができ、例えば、ラベルカバーに収容して保持する区画用ラベルにも、また、前面パネルの凹部に収容してラベルカバーで押さえて保持する連続形ラベルにも、また、前面パネルの凹部に装着して保持するアイコン部材にも対応可能なものである。また、それら様々な種類のラベルを組合せて１つの前面パネルに取付けることも可能である。本発明は更に、多用途性という点以外でも、多くの利点を提供するものである。例えば、ラベルカバー１０及び１０ａは、前面パネルの表面に対して面一にして装着することができ、また、本発明の構造によれば、ラベルに記入した表示情報が外部のものによって損傷されることなく保護される。
【００３７】
本発明の実施の形態のうち、区画用ラベルを収容できるようにした実施の形態には、更に、前面パネルの凹部からラベルカバーを取外せば、収容していた区画用ラベルを抜き取って、別のものに取り替えられるという利点がある。この点は従来の構造と比べて大きな進歩といえるものであり、従来の構造では、ラベルを（前面パネル上の）貼付位置に手作業で正確に位置合わせなければならず、しかも、その貼付位置に手が届きにくいこともあり得た。換言すれば、本発明に係るラベルカバーは、前面パネルの凹部から取外すことができるため、ラベルカバーに収容されていた区画用ラベルを抜き取って、それを新しいものに取り替える作業を、前面パネルの凹部のすぐ前で行う必要がなく、別の場所で行うことができる。更に、凹部それ自体も、また、ラベルカバーの角部に形成した面取り部及び凹部の角部に形成した隅肉部も、手に持ったラベルカバーを凹部に嵌め込む際の案内として機能し、このことは、特に前面パネルが、比較的手が届きにくい位置に設置されている場合に大きな利点となる。また、本発明によれば、ラベルに情報を記入する作業と、ラベルをラベルカバーに挿入する作業との両方を、前面パネルの設置場所とは別の場所で、全て完了することができる。この点に関して更に付言すると、表示情報を付与する必要のある前面パネルを多数含んでいる大規模なシステムでは、そのシステムの設定作業を現場とは別の場所で行うことができるとなれば、そのシステムの設定を行う技術者などの担当者は、区画用ラベルにプリンタで印字する作業と、その区画用ラベルを対応するラベルカバーに挿入する作業を別の場所で済ましてしまうことができるため、そのシステムの設定を行う作業と表示情報を付与する作業とをともに現場で行う場合に必要な作業時間を、大幅に減縮することができる。
【００３８】
以上に図面を参照しつつ、本発明の幾つかの好適な実施の形態について詳細に説明したが、本発明は、以上に説明した実施の形態に様々な変更を施した形態で実施することも可能であり、以上に説明した実施の形態とは異なる様々な形態で実施することも可能である。従って、本発明は、以上に説明した具体的な実施の形態に限定されるものではなく、請求の範囲に記載した本発明の概念及び範囲に該当する限りの、あらゆる変更形態、別形態、及び均等形態を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】従来のラベル取付構造を示した斜視図。
【図２】図１の従来のラベル取付構造における開放した形状のスロットを示した２−２線に沿って切断した破断図。
【図３】図１の従来のラベル取付構造におけるラベルを収容した凹部を示した断面図。
【図４】図３と同様の断面図であり、ラベルが凹部の一端からスロットの中へずれ込んだ状態を示した図。
【図５】本発明の１つの実施の形態における、ラベルカバーを示した斜視図であり、ラベルカバーに区画用表示ラベルを挿入するところを示した図。
【図６】図５のラベルカバーの６−６線に沿った断面図。
【図７】本発明の１つの実施の形態における、ラベルカバーが前面パネルの凹部に係止された状態を示した斜視図。
【図８】図７のラベルカバー及び前面パネルであり、ラベルカバーに区画用ラベルが装着され、そのラベルカバーが前面パネルの凹部に係止された状態を示した８−８線に沿った断面図。
【図９】プリンタで印字された幅狭の連続形ラベルが装着された、前面パネルの凹部の正面図。
【図１０】図９のラベルカバー及び連続形ラベルが前面パネルに係止された状態を示した１０−１０線に沿った断面図。
【図１１】手書きで表示が記入された幅広の連続形ラベルが装着された前面パネルの凹部の正面図。
【図１２】図１１のラベルカバー及び連続形ラベルが前面パネルに係止された状態を示した１２−１２線に沿った断面図。
【図１３】本発明に係る前面パネルの凹部の端部を示した拡大図。
【図１３Ａ】図１３を然るべき切断線に沿って切断した破断図。
【図１４】１枚ずつ分離した区画用ラベルを収容するためのラベル収容部が形成されていない点において図５のラベルカバーと異なり、その他の点では図５のラベルカバーと同様の、別のラベルカバーを示した図。
【図１５】本発明に係る前面パネルの凹部の斜視図であり、１つずつ分離したアイコン表示部材が装着されるところを示した図。
【図１６】図１５の前面パネルの凹部及びアイコン表示部材の１６−１６線に沿った断面図。
【図１７】複数のポートを備えた前面パネルにパネル表示部を２つ設けるようにした本発明の実施の形態の正面図。
【図１８】傾斜部を備えた前面パネルの斜視図であり、本発明の様々な特徴的構造部分と、本発明に係るラベル取付けの様々な利用法とを示した図。
【図１９】手書きで表示を記入した幅広の連続形ラベルを装着した前面パネルの凹部の別の実施の形態の正面図。
【図２０】図１９に示した本発明に係る前面パネルの凹部の端部の拡大図である。

Claims

表示ラベル取付構造であって、
略々矩形で所定の深さを有する凹部が形成された前面パネルと、
表示ラベルを保持するための少なくとも１つのラベル収容部が形成された略々矩形で前記凹部の深さと略々同じ厚さを有するラベルカバーと、を備え、
前記ラベルカバーが、少なくとも１つの係合突起を備えており、前記凹部が、少なくとも１つの係止突片を備えており、前記少なくとも１つの係止突片は前記少なくとも１つの係合突起の形状に対応した形状に形成されており、それら係合突起及び係止突片によって前記ラベルカバーが前記凹部に係止されるようにしてあることを特徴とする表示ラベル取付構造。
略々矩形の前記ラベルカバーの角部に面取り部が形成されており、略々矩形の前記凹部の角部に前記面取り部の形状に対応した形状の隅肉部が形成されていることを特徴とする請求項１記載の表示ラベル取付構造。
前記ラベルカバーに複数のラベル収容部が形成されており、それらラベル収容部どうしの境界は少なくとも一対の横方向に延出した小突起によって画成されており、それら小突起が少なくとも部分的に前記ラベル収容部を画成していることを特徴とする請求項１記載の表示ラベル取付構造。
前記少なくとも１つのラベル収容部が、前記ラベルカバーの長手方向に延在する一対の互いに対向するガイド部を備えており、それら一対のガイド部によって前記表示ラベルを保持するスロットが画成されており、更に、それら一対のガイド部が少なくとも部分的に前記ラベル収容部を画成していることを特徴とする請求項１記載のラベル取付構造。
前記少なくとも１つのラベル収容部が、前記ラベルカバーの横方向に延在する少なくとも１つの内側端面を備えており、該内側端面が少なくとも部分的に前記ラベル収容部を画成していることを特徴とする請求項１記載のラベル取付構造。
前記少なくとも１つの係合突起には、該係合突起を前記少なくとも１つの係止突片の背面に容易に係合できるようにする傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項１記載のラベル取付構造。
前記ラベルカバーが、実質的に透明なラベル保護部を備えていることを特徴とする請求項１記載のラベル取付構造。
前記前面パネルが更に、前記凹部の近傍に形成された少なくとも１つの溝状切欠き部を備えており、該溝状切欠き部は、そこに工具を挿入することで、前記凹部に係止されたラベルカバーを取外せるようにしたものであることを特徴とする請求項１記載のラベル取付構造。
前記凹部が、該凹部の中で前記ラベルカバーが長手方向に移動するのを阻止する実質的に閉塞した端壁部を備えていることを特徴とする請求項１記載のラベル取付構造。
前記凹部が更に、係止部を備えた少なくとも１つの表示アイコン部材を装着するための少なくとも１つの孔を有する奥壁部を備えていることを特徴とする請求項１記載のラベル取付構造。
前記少なくとも１つの表示アイコン部材が、前記凹部の深さと略々同じ厚さを有することを特徴とする請求項１０記載のラベル取付構造。
前記少なくとも１つの表示アイコン部材が、少なくとも１つの取外し用スロットを備えており、該取外し用スロットは、そこに工具を挿入することで、前記凹部に係止された表示アイコン部材を取外せるようにしたものであることを特徴とする請求項１０記載のラベル取付構造。
前記凹部がテーパ付角部を備えており、該テーパ付角部と矩形の前記ラベルカバーとの組み合わせによって連続形ラベルが所定位置に位置付けられるようにしたことを特徴とする請求項１記載のラベル取付構造。
前記ラベルカバーの背面部によって連続ラベルが所定位置に位置付けられるようにしたことを特徴とする請求項１３記載のラベル取付構造。
前記ラベルカバーを装着した状態で該ラベルカバーが前記前面パネルの表面と面一になるようにしたことを特徴とする請求項１記載のラベル取付構造。
表示ラベル取付構造であって、
所定の深さを有する略々矩形の凹部が形成された、略々平坦な表面を有する前面パネルと、
前記凹部の中に配設されたラベルと、
略々矩形のラベルカバーとを備え、
前記ラベルカバーの厚さを、該ラベルカバーが前記ラベルを前記凹部の中に保持している状態で該ラベルカバーの表面が前記前面パネルの表面と面一になる厚さとし、
前記ラベルカバーが、少なくとも１つの係合突起を備えており、前記凹部が、少なくとも１つの係止突片を備えており、前記少なくとも１つの係止突片は前記少なくとも１つの係合突起の形状に対応した形状に形成されており、それら係合突起及び係止突片によって前記ラベルカバーが前記凹部に係止されるようにしてあり、
略々矩形の前記ラベルカバーの角部に面取り部が形成されており、略々矩形の前記凹部の角部に前記面取り部の形状に対応した形状の隅肉部が形成されていることを特徴とする表示ラベル取付構造。