JP4613283B2 - 微量液の供給装置および混合装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、液体が保持された容器に、より少ない誤差範囲内において、微量液を供給する技術に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
生化学的分析装置などにおいては、血液や尿などの検体を希釈した後、この希釈検体(試料液)を試薬と反応させてから、たとえば光学的手法により試料液中の特定成分の濃度、ひいては検体中の特定成分の濃度の測定を行っている。このような測定に際して必要とされる試料液の量は、たとえば10μlと微量であるため、試料液は50μlも調製すれば十分である。この場合、たとえば50μl弱の希釈用液に対して数μlの検体が混合されるため、希釈用の容器に対しては微量液の希釈用液や検体を供給する必要がある。
【0003】
このような操作は困難である反面、希釈用の容器に対して希釈液や検体を所望とする量だけ正確に供給しなければ、測定誤差を生じる原因ともなりかねない。とくに、検体の供給量は、たとえば数μlと極微量であり、供給量の誤差が測定値に与える影響は大きい。そのため、微量液をより正確に供給すべく、種々の方法が提案されている。
【0004】
その一例として、図8(a)および(b)に示したように、容器9内に予め希釈用液90を保持させておき、その液面91を安定化させた後、ノズル92を下動させて液面91に対してノズル92の先端93を接触させた状態で検体を吐出する方法がある。
【0005】
この方法では、容器9やそれを支持する台やホルダなどの製造誤差や組み立て誤差などに起因して、液面91の高さ位置が所望位置より低くなっていれば、図9(a)に示したように液面91に接することなく気相中で検体94が吐出されてしまうことがある。この場合には、吐出すべき検体94の一部がノズル92の先端93に付着したままとなることがあり、希釈用液(試料液)の濃度は所望とするものよりも小さくなる傾向にある。
【0006】
一方、容器9中に保持される希釈用液90の量が少ない場合には、容器9の底95から液面91までの距離が小さいため、容器9の底95の位置が設計位置よりも高位となっていれば、図9(b)に示したようにノズル92の先端93が容器9の底95に当たってしまうことがある。この状態では、ノズル92の先端93に設けられた吐出口が容器9の底95に塞がれた格好となるため、安定して検体を吐出することができず、得られる試料液の濃度が安定しないといった問題も生じかねない。
【0007】
このような不具合を回避するためには、容器9の底95や液面91の高さ位置を均一化すべく、容器9やこれを支持する台やホルダなどを精度良く形成し、それらを精度良く組み立てて装置を製造すれば良い。しかしながら、液面91の高さ位置は、容器9の底95から数mm程度の場合があり、その場合には寸法精度や組み立て精度を向上させることは、大幅な製造コストの上昇を招いてしまうため、必ずしも有効な方策とは言えない。
【0008】
上記した問題は、検体を希釈用液により希釈する場合に限らず、試薬を試料液に供給する場合のように、微量液を他の液と混合する場合において一般に生じる得るものである。
【0009】
本願発明は、このような事情のもとに考え出されたものであって、コスト的に不利になることなく所望通りの量の微量液を、他の液に対して簡易かつ適正に供給できるようにすることを課題としている。
【0010】
【発明の開示】
上記した課題を解決するため、本願発明では次の技術的手段を講じている。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
本願発明の第1の側面においては、少なくとも2方向にノズルを移動させるとともに、上記ノズルによる液体の吸引および吐出を可能とするノズル駆動系と、このノズル駆動系による上記ノズルの動作を制御する制御手段と、を備え、液体が保持された容器内に、ノズルの先端部から微量液を吐出して、これを供給するように構成された微量液の供給装置であって、上記ノズル駆動系は、上記制御手段による制御に基づいて、上記容器の上方位置から上記ノズルを下動させて上記液体中に設定された第1定位置において上記ノズルの先端を停止させた後、上記ノズルを上動させて上記液体中に設定された第2定位置において上記ノズルの先端を停止させ、上記ノズルの先端部から上記液体中に上記微量液を吐出するように構成されており、上記第1定位置は、上記容器の底の設計位置(容器やこれを支持する部材などが理想通りに形成され、これら理想通りに組み立てられた場合の容器の理想の底面位置)に設定され、上記第2定位置は、上記ノズルの下動が停止した位置(ノズルが容器の底に接触しない場合には第1定位置であり、接触した場合には容器の底の位置)よりも、上記容器の底と上記液体の静置液面(ノズルが浸漬されていない場合における液面を安定化させた状態の液面)との間の距離から、実際の上記容器の底の位置として予想される位置と上記設計位置との間の最大誤差寸法の絶対値を引いた距離だけ、上方位置に設定されていることを特徴とする、微量液の供給装置が提供される。
【0025】
この構成では、容器内におけるノズルの先端の最下位置よりも上方において微量液が吐出されるため、ノズルが容器の底に接触した状態で微量液が吐出されるといった事態を確実に回避することができる。また、第2定位置は、容器に保持された液体中に設定されているから、液面よりも上方である気相中において微量液が吐出されてしまうといった事態も回避することができる。
【0026】
このように、本願発明では、容器やこれを支持する台やホルダなどの部品の精度を著しく改善し、また組み立て誤差に対する特別の配慮をすることなく、容器に保持された液体中に、確実に微量液を吐出することができる。これにより、装置の製造コストを上昇することなく、所望量の微量液を確実かつ簡易に、容器に保持された液体に供給できるようになる。
【0027】
また、容器に保持された液体中にノズルの先端部が浸漬した状態からノズルを上動させた場合には、ノズルの先端位置が液面よりも高位となろうとしたとしても、液面の近傍では液面の表面張力によりノズルの先端部に容器に保持された液体がまとわりついた格好となる。そのため、ノズルを浸漬する前における容器に保持された液体の静置水面よりも若干上方にノズルの先端が位置したとしても、ノズルの先端が液面に接触した格好となる。したがって、気相中からノズルを下動させて液面にノズルを接触させる場合よりも、容器に保持された液体中からノズルを引き上げる場合のほうが、より高位において液面と接触した状態で、微量液を吐出することができるため、この点からも本願発明ではより確実に、容器に保持された液体に対して所望量の微量液を供給することができると言える。
【0028】
好ましい実施の形態においては、上記ノズルの先端が上記容器の底に接触したか否かを検知する検知手段をさらに備え、かつ、この検知手段により上記ノズルの先端が上記容器の底に接触したことが検知された場合には、上記ノズル駆動系は、上記制御手段による制御に基づいて、上記ノズルの下動を停止した後に上記第2定位置に上記ノズルの先端が位置するまで上記ノズルを上動させるように構成されている。
【0029】
この構成では、ノズルの先端が容器の底に接触すれば、余分な負荷を作用させることなく、その下動が停止される。その結果、ノズルの先端部に必要以上に負荷が作用してしまうこともないため、ノズルの先端部の損傷が回避され、ノズルの先端部から安定して微量液を吐出できるようになる。
【0030】
【0031】
また、上記のように第1定位置が設定されているので、それよりも上方において微量液が吐出されるため、ノズルの先端が容器の底に接触したままで微量液が吐出されてしまうことがより確実に回避される。一方、上記したように第2定位置が設定されているので、各部品などに寸法誤差などが生じていたとしても、第2定位置はさらに確実に容器内に保持された液体中に設定されることとなるため、気相中で微量液が吐出されてしまうといった事態がより確実に回避される。
【0032】
本願発明の第2の側面によれば、第1のノズルにより供給され、容器内に保持された液体中に、第2のノズルにより微量液を供給することにより、微量液と他の液体とを混合する装置であって、上記第2のノズルを駆動するために、上述した本願発明の第1の側面に係る微量液の供給装置が採用されていることを特徴とする、微量液の混合装置が提供される。
【0033】
この混合装置では、容器に保持された液体に対して微量液を供給する装置として本願発明の第1の側面に係る微量液の供給装置が採用されているため、容器内の液体中に微量液をより確実に所望量だけ供給できる。その結果、微量液を他の液体に対して所望の割合でより確実に混合できるようになり、たとえば微量液として血液や尿などの検体を採用し、他の液体として希釈用液を採用すれば、所望濃度の希釈検体(試料液)をより確実に調製できるようになる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図1ないし図7を参照して具体的に説明する。なお、図1は本願発明に係る微量液の供給装置を採用した本願発明に係る微量液の混合装置の一例の概略構成を示す模式図、図2は容器に希釈用液を供給する方法を説明するための模式図、図4ないし図7は微量液としての検体を供給する方法を説明するための模式図である。
【0035】
図1に示した微量液の混合装置Xは、第1および第2のノズル1,2、希釈用液貯留槽3、検体貯留槽4、容器5、制御手段6、検知手段7、およびノズル駆動系8を備えて概略構成されている。
【0036】
第1のノズル1は、希釈用液貯留槽3に保持された希釈用液30を容器5に供給するものである。そのため、第1のノズル1は、希釈用液30を微小量だけ吸引・吐出可能とされている。そして、第1のノズル1は、矢印A1,A2に示したように希釈用液貯留槽3の上方と希釈用液貯留槽3内との間を上下動可能であるとともに、矢印A3,A4に示したように希釈用液貯留槽3の上方と容器5の上方との間を往復動可能とされ、矢印C1,C2に示したように容器5の上方と容器5内との間を上下動可能とされている。
【0037】
第2のノズル2は、検体貯留槽4に保持された血液や尿などの生化学的な検体40を容器5に供給するものであるため、第1のノズル1と同様に、微小量の検体を吸引・吐出可能とされている。そして、第2のノズル2は、矢印B1,B2に示したように検体貯留槽4の上方と検体貯留槽4内との間を上下動可能であるとともに、矢印B3,B4に示したように検体貯留槽4の上方と容器5の上方との間を往復動可能とされ、矢印C1,C2に示したように容器5の上方と容器5内との間を上下動可能とされている。
【0038】
第1および第2のノズル1,2による微量液の吸引・吐出、およびこれらのノズル1,2の移動は、ノズル駆動系8により行われる。ノズル駆動系8は、たとえば第1および第2のノズル1,2に吸引圧や吐出圧を与えるポンプなどの動力源(図示略)、第1および第2のノズル1,2のそれぞれを個別に図中の矢印A1,A2,B1,B2,C1,C2方向に上下動させるための2つの昇降機構(図示略)、第1および第2のノズル1,2のそれぞれを個別に図中の矢印A3,A4,B3,B4に往復動させるための搬送機構(図示略)を備えている。
【0039】
昇降機構は、たとえばステッピングモータやパルスモータなどの回転軸の回転に第1または第2のノズル1,2を連動させ、この回転軸の回転方向や回転角度に応じて第1または第2のノズル1,2が上下動するような構成が採用される。搬送機構は、たとえば第1または第2のノズル1,2をスイングアームやスライドアームに連結し、これらのアームを回動あるいは水平動させる構成が採用される。
【0040】
容器5は、たとえばプラスチック製やガラス製の透明なものであり、断面積が6mm×4mmの角柱の収容空間を有している。この容器5では、その内部において希釈用液30により検体40を希釈して試料液とすれば、そのままでの状態で、試料液ひいては検体における特定成分の濃度を光学的手法により測定可能とされている。
【0041】
また、収容空間の断面寸法を上記したものとすれば、たとえば45μlの希釈用液30を容器5内に保持させれば、容器5の底50から希釈用液30の液面30aまでの距離L1は約1.6mmとなる(図2(b)参照)。
【0042】
制御手段6は、たとえばCPU、ROM、RAMなどを備えて構成されている。この制御手段6は、CPUの指令に基づいて、RAMを利用しつつROMに格納されたプログラムを実行することにより、第1および第2のノズル1,2の移動や液体の吸引・吐出といった動作に関して、ノズル駆動系8を制御するものである。
【0043】
検知手段7は、容器5の底50に第2のノズル2が当接したか否かを検知するものである。この検知手段7は、たとえば圧力センサや静電容量を利用したセンサなどの公知のセンサと、センサからの情報を処理するとともにCPU、ROM、およびRAMなどにより構成された演算部と、を有している。そして、検知手段7により第2のノズル2が容器5の底50に当接したことが検知された場合には、その情報は制御手段6に送信され、制御手段6により第2のノズル2の動作が制御される。もちろん、検知手段7の演算部の機能を制御手段6により果たすように構成してもよい。また、第2のノズル2の昇降機構としてステッピングモータやパルスモータを利用する場合には、第2のノズル2の先端20a(図5参照)が容器5の底50に当接すれば、モータを駆動する負荷電圧が大きくなることから、検知手段7はその負荷電圧を検知するような構成であってもよい。
【0044】
以上のように構成された混合装置Xでは、容器5への希釈用液30の供給は次のようにして行われる。
【0045】
希釈用液30の供給は、まず、図1および図2(a)に示したように、制御手段6による制御に基づいて、ノズル駆動系8の搬送機構により第1のノズル1を希釈用液貯留槽3の上方に位置させた後、ノズル駆動系8の昇降機構により図1の矢印A1方向に第1のノズル1を下動させ、図2(a)において実線で示したように第1のノズル1の先端部10が希釈用液30に浸漬した状態とする。この状態において、制御手段6による制御に基づいて、ノズル駆動系8の動力源からの動力を利用して第1のノズル1により希釈用液30の吸引する。このときの希釈用液30の吸引量は、たとえば45μlとされる。その後、制御手段6による制御に基づいて、ノズル駆動系8の昇降機構および搬送機構により図中の矢印A2およびA3方向に第1のノズル1を移動させ、図2(a)に仮想線で示したように容器5の上方に第1のノズル1を位置させる。
【0046】
次いで、図1および図2(b)に示したように、制御手段6による制御に基づいて、ノズル駆動系8の昇降機構により第1のノズル1を矢印C1方向に下動させた後、ノズル駆動系8の動力源からの動力を利用して容器5内に希釈用液30を吐出する。このとき、吸引した希釈用液30の全量を吐出した場合には、容器5における液面30aの高さは、たとえば上記したように容器5の底50を基準とすれば約1.6mmとなる。その後、制御手段6による制御に基づいて、ノズル駆動系8の昇降機構および搬送機構により第1のノズル1を所定位置に待機させる。
【0047】
一方、混合装置Xによる容器5への検体40の供給は、図3のフロー図に示した手順に基づいて、次のようにして行われる。
【0048】
まず、図3に示したように制御手段6が検体40を吸引すべきと判断した場合には(S1:YES)、第2のノズル2により検体40を吸引する(S2)。検体40の吸引は、図1および図4に示したように、まず制御手段6による制御に基づいて、ノズル駆動系8の搬送機構により第2のノズル2を検体貯留槽4の上方に位置させた後に昇降機構により図1の矢印B1方向に第2のノズル2を下動させて第2のノズル2の先端部20を検体40に浸漬した状態とする。この状態において、ノズル駆動系8の動力源からの動力を利用して第2のノズル2により検体40を吸引する。このときの検体40の吸引量は、たとえば3μlとされる。
【0049】
次に、図3および図4に示したように、制御手段6による制御に基づいて、ノズル駆動系8の昇降機構および搬送機構により第2のノズル2を矢印B2,B3方向に移動させて、図4に仮想線で示したように第2のノズル2を容器5の上方に位置させる(S3)。その後、制御手段6による制御に基づいて、ノズル駆動系8の昇降機構により第2のノズル2を下動させる(S4)。
【0050】
第2のノズル2の下動過程(S4)においては、制御手段6は、第2のノズル2の先端20aが第1定位置P1(図5参照)に到達したか否かを判断する(S5)。この判断は、第2のノズル2の下動距離が予め定められた距離に達したか否かを制御手段6が演算することにより行われる。
【0051】
ここで、図5に示したように第1定位置P1は、誤差なく設計通りに容器や支持部などの部材が形成され、しかもこれらの部材が誤差なく組み立てられた理想状態において、容器5を支持部に支持させた場合における容器5の底50の位置に設定される。実際には、たとえば±1.0mm程度の誤差Pが生じ、図5に符号P1′やP1″で示したように第1定位置P1から±1.0mmの範囲で、容器5の底50が第1定位置P1よりも下方や上方に位置することとなる。
【0052】
制御手段6が第2のノズル2の先端20aが第1定位置P1に到達していないと判断した場合には(S5:NO)、制御手段6は第2のノズル2の先端20aが容器5の底50に当接したか否かを検知手段7からの情報に基づいて判断する(S6)。
【0053】
そして、制御手段6が第2のノズル2の先端20aが容器5の底50に当接していないと判断した場合には(S6:NO)、制御手段6はS5およびS6の演算を繰り返し、制御手段6がS5またはS6においてYESと判断するまでその演算を繰り返し行う。
【0054】
一方、制御手段6が第2のノズル2の先端20aが第1定位置P1に到達したと判断した場合(S5:YES)、あるいは制御手段6が第2のノズル2の先端20aが容器5の底50に当接したと判断した場合には(S6:YES)、図6に示したように、制御手段6はノズル駆動系8の昇降機構を動作させて第2のノズル2を第2定位置P2まで上動させる(S7)。
【0055】
これにより、第2のノズル2が容器5の底50に接触した状態のままで検体40が吐出されてしまうといった事態が回避される。また、第2のノズル2の先端20aが容器5の底50に当接した場合には第2のノズル2の下動が停止されることから、第2のノズル2が容器5の底50に接触した状態で必要以上に第2のノズル2に下動する力が作用することもないため、第2のノズル2の先端部20の損傷が抑制される。
【0056】
ここで、第2定位置P2は、たとえば第2のノズル2の下動停止位置(第1定位置P1において下動停止した場合には第1定位置P1、容器5の底50に当接した場合には底50の位置)よりも、容器5の底50からの希釈用液30の静置液面(希釈用液30内に第2のノズル2が浸漬していない状態における安定化した液面)30aまでの距離L1から、容器5の底50の位置のずれ(想定される誤差)の最大値の絶対値Pを差し引いた距離だけ、上方に設定される。
【0057】
たとえば、容器5の底50から液面30aまでの距離L1が1.6mm、想定される誤差の最大値の絶対値Pが1.0mmであるとすると、第2のノズル2の先端20aが第1定位置P1に到達したことにより下動が停止された場合には、第2定位置P2は第1定位置P1よりも0.6mmだけ上方位置に設定される。一方、第2のノズル2の先端20aが容器5の底50に当接したことにより下動を停止した場合には、第2定位置P2は容器5の底50よりも0.6mmだけ上方位置に設定される。
【0058】
このようにして設定される第2定位置P2の最上方位置は、図6に示したように希釈用液30の液面30aの位置と略一致し、それ以外の場合は図7に示したように第2定位置P2は希釈用液30の液中に設定される。つまり、図5に示したように、実際の容器5の底50が第1定位置P1よりも最大誤差Pだけ下方位置P1′に位置していた場合には、第2のノズル2の先端20aは容器5の底50に当接することなく第1定位置P1において停止される。この停止位置は、実際の底50の位置P1′よりも最大誤差寸法P(たとえば1mm)だけ上方であり、そこから第2のノズル2を上記した方法により演算される距離(たとえば0.6mm)だけ上動させれば、図6に示したように第2のノズル2の先端20aは液面30aに位置することとなる。
【0059】
このとき、実際の誤差寸法Pが想定されるものよりも若干大きく、たとえば実際の容器5の底50の位置がP1′よりも若干下方位置となった場合であっても、第2のノズル2の先端20aが液面30aと接触したままとなる。つまり、希釈用液30に先端部20が浸漬した状態で第2のノズル2を上動させ、先端20aが液面30aから抜け出そうとした場合、図6に示したように液面30aの表面張力により第2のノズル2の先端部20に希釈用液30がまとわりつくため、静置状態の液面30aよりも若干上方に第2のノズル2の先端20aが位置するまでは第2のノズル2の先端部20は液面30aと接触することなる。また、液面30aの高さ位置は、第2のノズル2の先端部20が浸漬することにより静置水面30aよりも上方となっているが、この状態から第2のノズル2を上動させた場合には、液面30aの高さ位置が低くなるため、第2のノズル2の先端部20には、希釈用液30がよりまとわりつきやすい。
【0060】
次いで、図3および図6もしくは図7に示したように、制御手段6による制御に基づいて、ノズル駆動系8の動力源からの動力により第2定位置P2において第2のノズル2の先端部20から検体40を吐出する(S8)。このとき、第2定位置P2は、希釈用液30の液面30aよりも下方であって容器5の底50よりも上方に設定されるため、気相中において検体40が吐出され、あるいは第2ノズル2の先端20aが容器5の底50に接触したまま検体40が吐出されることもなく、希釈用液30中に検体40を安定して吐出することができる。
【0061】
検体40の吐出が終了した場合には、制御手段6による制御に基づいて、ノズル駆動系8の昇降機構および搬送機構により第2のノズル2を移動させて、所定の位置に第2のノズル2を退避させ(S9)、検体40の供給を終了する。もちろん、S1において制御手段6が検体吸引の指示がないと判断した場合には(S1:NO)、検体40の供給を行わずに、第2のノズル2を所定の位置に待機させた状態としておく。
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
なお、本願に係る発明は、本実施の形態において説明したものには限定されない。上記した実施の形態では、容器に保持された希釈用液中に微量液としての検体を供給し、これらを混合する場合について説明したが、たとえば容器内に保持される液および微量液の種類は限定されず、また比較的多量の液に対して微量液を供給し、これらを混合する場合にも本願発明を適用することができる。
【0069】
さらに、容器や検体貯留槽は、支持台上に載置してもホルダに保持させてもよく、もちろん複数の容器や検体貯留槽をホルダに対して一括して保持させ、ホルダとともに容器や検体貯留槽を移動させるような構成を採用することもできる。
【0070】
また、本実施の形態の混合装置や検体(微量液)の供給装置を、光学的手法により特定成分の濃度を測定するように構成された分析装置に組み込んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明に係る微量液の混合装置の一例の概略構成を示す模式図である。
【図2】 図1に示した混合装置によって容器に希釈用液を供給する方法を説明するための模式図である。
【図3】 図1に示した混合装置による容器への検体の供給過程における第2のノズルの動作制御を説明するためのフロー図である。
【図4】 検体の供給過程における検体の吸引前後の第2のノズルの動作を方法を説明するための模式図である。
【図5】 検体の供給過程において、第1定位置もしくはその近傍に第2のノズルの先端が到達した状態を示す模式図である。
【図6】 検体の供給過程において、第2定位置に第2のノズルの先端が到達した状態を示す模式図である。
【図7】 検体の供給過程において、第2定位置に第2のノズルの先端が到達した状態を示す模式図である。
【図8】 従来の微量液の供給方法の一例を説明するための模式図である。
【図9】 従来の微量液の供給方法の問題点を説明するための模式図である。
【符号の説明】
X 混合装置
1 第1のノズル
2 第2のノズル
20 (第2のノズルの)先端部
20a (第2のノズルの)先端
30 希釈用液
21 (第2のノズルの先端部の)貫通孔
22 スリット(貫通孔としての)
40 検体(微量液)
5 容器
50 (容器の)底
6 制御手段
7 検知手段
8 ノズル駆動系
Claims (3)
- 少なくとも2方向にノズルを移動させるとともに、上記ノズルによる液体の吸引および吐出を可能とするノズル駆動系と、このノズル駆動系による上記ノズルの動作を制御する制御手段と、を備え、液体が保持された容器内に、ノズルの先端部から微量液を吐出して、これを供給するように構成された微量液の供給装置であって、
上記ノズル駆動系は、上記制御手段による制御に基づいて、上記容器の上方位置から上記ノズルを下動させて上記液体中に設定された第1定位置において上記ノズルの先端を停止させた後、上記ノズルを上動させて上記液体中に設定された第2定位置において上記ノズルの先端を停止させ、上記ノズルの先端部から上記液体中に上記微量液を吐出するように構成されており、
上記第1定位置は、上記容器の底の設計位置に設定され、
上記第2定位置は、上記ノズルの下動が停止した位置よりも、上記容器の底と上記液体の静置液面との間の距離から、実際の上記容器の底の位置として予想される位置と上記設計位置との間の最大誤差寸法の絶対値を引いた距離だけ、上方位置に設定されていることを特徴とする、微量液の供給装置。 - 上記ノズルの先端が上記容器の底に接触したか否かを検知する検知手段をさらに備え、かつ、
この検知手段により上記ノズルの先端が上記容器の底に接触したことが検知された場合には、上記ノズル駆動系は、上記制御手段による制御に基づいて、上記ノズルの下動を停止した後に上記第2定位置に上記ノズルの先端が位置するまで上記ノズルを上動させるように構成されている、請求項1に記載の微量液の供給装置。 - 第1のノズルにより供給され、容器内に保持された液体中に、第2のノズルにより微量液を供給することにより、上記微量液と他の液体とを混合する装置であって、
上記第2のノズルを駆動するために、請求項1または2に記載した微量液の供給装置が採用されていることを特徴とする、微量液の混合装置。
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