JP2549325B2 - 自動分析装置の検体サンプリング方法及びその装置 - Google Patents

自動分析装置の検体サンプリング方法及びその装置

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JP2549325B2
JP2549325B2 JP3253190A JP25319091A JP2549325B2 JP 2549325 B2 JP2549325 B2 JP 2549325B2 JP 3253190 A JP3253190 A JP 3253190A JP 25319091 A JP25319091 A JP 25319091A JP 2549325 B2 JP2549325 B2 JP 2549325B2
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弘司 仲田
巧 坂本
明 成瀬
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勝巳 長谷川
雄助 飛田
勝典 内堀
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HIRANUMA SANGYO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、理化学的分析、生化
学的分析、免疫学的分析等を行う自動分析装置の検体サ
ンプリング方法及びその装置に係り、特に、検体のサン
プリング量が検査精度に大きく影響する臨床検査におけ
る微量成分分析等の免疫学的分析に対して好適な自動分
析装置の検体サンプリング方法及びその装置の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、臨床検査における微量成分分析と
しては、RIA法、EIA法及びラテックス凝集反応法
が知られており、これらを利用した自動分析装置として
は、上下方向及び水平方向に沿って移動自在な検体吸引
分注用のサンプルピペットで検体カップ内の液状検体を
所定量吸引すると共に、当該検体を反応セルに分注した
後、反応セル内に所定の試薬を分注して検体と試薬との
反応を光学的に分析するようにしたものが既に提供され
ている。
【0003】ところで、この種の自動分析装置において
は、反応セル内の検体のサンプリング量(分注量)が規
定量に対してばらつくと、検査分析結果に大きく影響
し、検査分析の信頼性を損なうことになるため、従来に
あっては、例えば、サンプルピペットで検体カップ内の
検体を吸引する際に、サンプルカップの先端ノズルが検
体の液面に到達したことを検知し、その液面から微小量
だけ先端ノズルを降下させ、ノズルの外壁が不必要に検
体内に浸漬しないようにし、もって、反応セル内に検体
を分注する際にノズルの外壁に付着した検体が反応セル
内に入り込まないようにし、反応セル内の検体のサンプ
リング量のばらつきを必要最小限に抑えるようにした手
法が既に採用されている(例えば(株)ラボサイエンス
製のRSP5000)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の液面
検知方法としては、電極による電気伝導度測定法に基づ
くもの、静電容量測定法に基づくもの、光学的測定法に
基づくもの、あるいは、超音波測定法に基づくもの等各
種開発されているが、例えば、電極による電気伝導度測
定法に基づくものにあっては、電気的ノイズによる誤検
知の虞れがあるばかりか、検体が導電性であることが必
須になり、非導電性の検体に対しては適用できず、ま
た、静電容量測定法に基づくものにあっては、電気的ノ
イズによる誤検知の虞れがあるばかりか、例えば各検体
毎にサンプルピペットの先端ノズルチップを着脱自在に
交換する方式を採用する場合には、ノズルチップの製造
誤差等が検知した静電容量にそのまま影響する分、液面
検知精度が低下し易く、サンプルピペットのノズルの検
体内への実質的な浸漬量がばらつき、反応セル内に検体
を分注する際に、ノズルの外壁に付着した検体量ばらつ
きがそのまま検体のサンプリング量ばらつきに影響して
しまい、また、光学的測定法に基づくものにあっては、
検体の成分や色の差により検知感度が微妙に変化し、そ
の分、液面検知精度が低下し易く、上述したのと同様に
サンプリング量誤差が大きくなってしまい、また、超音
波測定法に基づくものにあっては、そもそも装置構成が
大型であり、径の小さなサンプルカップ内の検体の液面
検知には適用し難いという技術的課題が見い出された。
【0005】また、サンプルピペットで反応セル内に検
体を分注する際には通常ポンプによって検体を吐出させ
るが、検体のサンプリング量が微量である場合には、検
体の表面張力によりサンプルピペットの先端ノズルの内
壁部分に検体の残液が残存し易く、しかも、先端ノズル
の外壁部分に付着した検体の残液量のばらつきが検体の
サンプリング量に大きく影響するので、検体の微量サン
プリング量が不正確になり易いという根本的な技術的課
題も見い出された。
【0006】この発明は、以上の技術的課題を解決する
ためになされたものであって、検体カップ内の検体の液
面検知を簡単且つ正確に行い、サンプルピペットの先端
ノズルの検体への浸漬量を容易に一定に保つことができ
(第一の技術的課題)、また、微量サンプリング時にお
けるサンプルピペットの先端ノズル内外壁の検体残液を
微小に抑えることができ(第二の技術的課題)、最終的
に検体のサンプリング精度を良好に保つようにした自動
分析装置の検体サンプリング方法及びその装置を提供す
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、第一の技術的
課題を解決する第一の方法発明は、上下方向及び水平方
向に沿って移動自在な検体吸引分注用のサンプルピペッ
トで検体カップ内の液状検体を所定量吸引すると共に、
当該検体を反応セルに分注した後、反応セル内に所定の
試薬を分注して検体と試薬との反応を光学的に分析する
自動分析装置を前提とし、サンプルピペットで検体カッ
プ内の検体を吸引するに際し、サンプルピペット内から
気体を微小圧で吐出させながらサンプルピペットを上止
点位置から降下させるピペット第一降下工程と、サンプ
ルピペット内の気体圧が所定レベルに上昇した時点でサ
ンプルピペットの先端が検体の液面に到達したと判断
し、気体の吐出動作を停止させる液面検知工程と、この
液面検知工程で検体の液面が検知された時点でサンプル
ピペットを微小規定量だけ降下させて検体内に先端ノズ
ルを僅かに浸漬させるピペット第二降下工程と、このピ
ペット第二降下工程が終了した時点で検体の仮吸引動作
を実行する検体仮吸引実行工程と、この検体仮吸引実行
工程が終了した時点で先端ノズルが検体内に浸漬しない
程度までサンプルピペットを僅かに上昇させるピペット
上昇工程と、このピペット上昇工程が終了した時点でサ
ンプルピペット内の仮吸引した検体を吐出する検体吐出
実行工程と、この検体吐出実行工程が終了した時点でサ
ンプルピペットをピペット上昇工程の上昇分だけ再度降
下させて検体内に先端ノズルを僅かに浸漬させるピペッ
ト第三降下工程と、このピペット第三降下工程が終了し
た時点で検体の吸引動作を実行する検体吸引実行工程
と、この検体吸引実行工程が終了した時点でサンプルピ
ペットを上止点位置へ復帰させるピペット復帰工程とを
備えたことを特徴とする検体サンプリング方法である。
【0008】この第一の方法発明を具現化する装置発明
は、図1に示すように、反応セル11内に分注された液
状検体kと試薬との反応を光学的に分析する自動分析装
置を前提とし、上下方向及び水平方向に沿って移動自在
な検体吸引分注用のサンプルピペット3を有し、検体吸
引ステージにて検体カップ1内の検体吸引動作を実行す
ると共に、検体分注ステージにて反応セルに対して検体
分注動作を実行する検体吸引分注手段2と、サンプルピ
ペット3内に微小圧の気体を供給する気体供給手段4
と、サンプルピペット3内の気体圧が所定レベルに上昇
したことを検出する圧力変化検出手段5と、上記気体供
給手段4を作動させ、サンプルピペット3内から気体を
微小圧で吐出させながらサンブルピペット3を上止点位
置から降下させるピペット第一降下制御手段6と、上記
圧力変化検出手段5にてサンプルピペット3内の気体圧
が所定レベルに上昇したことを検出した時点で上記気体
供給手段4の作動を停止させる気体供給停止手段7と、
この気体供給停止手段7が作動した時点でサンプルピペ
ット3を微小規定量だけ降下させて検体内に先端ノズル
を僅かに漫漬させるピペット第二降下制御手段8と、こ
のピペット第二降下制御手段8によるサンプルピペット
3の降下動作が終了した時点で検体の仮吸引動作を実行
するピペット仮吸引制御手段と、このピペット仮吸引制
御手段の終了時点で先端ノズルが検体内に浸漬しない程
度までサンプルピペット3を僅かに上昇させるピペット
上昇制御手段と、このピペット上昇制御手段によるサン
プルピペット3の上昇動作の後に、サンプルピペット3
内の仮吸引した検体を吐出する検体吐出制御手段と、こ
の検体吐出制御手段による検体の吐出動作が終了した時
点でサンプルピペット3をピペット上昇制御手段による
サンプルピペット上昇分だけ再度降下させて検体内に先
端ノズルを僅かに浸漬させるピペット第三降下制御手段
と、このピペット第三降下制御手段によるサンプルピペ
ット3の降下動作が終了した時点で検体吸引動作を実行
させるピペット吸引制御手段9と、このピペット吸引制
御手段9による検体吸引動作が終了した時点でサンプル
ピペット3を上止点位置へ復帰させるピペット復帰制御
手段10とを備えたことを特徴とする検体サンプリング
装置である。
【0009】また、第二の技術的課題を解決するための
方法発明は、上下方向及び水平方向に沿って移動自在な
検体吸引分注用のサンプルピペットで検体カップ内の液
状検体を所定量吸引すると共に、当該検体を反応セルに
分注した後、反応セル内に所定の試薬を分注して検体と
試薬との反応を光学的に分析する自動分析装置におい
て、サンプルピペットで反応セル内に検体を分注するに
際し、反応セル内の検体サンプリング量液面レベルに近
接した位置までサンプルピペットを上止点位置から降下
させるピペット降下工程と、このピペット降下工程が終
了した時点で検体の分注動作を実行する検体分注実行工
程と、この検体分注実行工程が終了した時点で、少なく
ともサンプルピペットが検体サンプリング量の液面レベ
ル付近に位置する間サンプルピペット内から気体を吐出
させながら、サンプルピペットを上止点位置へ復帰させ
るピペット復帰工程とを備えたことを特徴とする検体サ
ンプリング方法である。
【0010】そして、第二の方法発明を具現化する装置
発明は、図1に示すように、反応セル11内に分注され
た液状検体と試薬との反応を光学的に分析する自動分析
装置を前提とし、上下方向及び水平方向に沿って移動自
在な検体吸引分注用のサンプルピペット3を有し、検体
吸引ステージにて検体吸引動作を実行すると共に、検体
分注ステージにて反応セル11に対して検体分注動作を
実行する検体吸引分注手段2と、サンプルピペット3内
に所定圧の気体を供給する気体供給手段12と、反応セ
ル11内の検体サンプリング量液面レベルに近接した位
置までサンプルピペット2を上止点位置から降下させる
ピペット降下制御手段13と、このピペット降下制御手
段13によるサンプルピペット3の降下動作が終了した
時点で検体分注動作を実行させるピペット分注制御手段
14と、このピペット分注制御手段14による検体分注
動作が終了した時点で気体供給手段12を所定時間作動
させる気体供給制御手段15と、ピペット分注制御手段
14による検体分注動作が終了した時点でサンプルピペ
ット3を上止点位置へ復帰させるピペット復帰制御手段
16とを備えたことを特徴とする検体サンプリング装置
である。
【0011】このような技術的手段において、検体吸引
分注手段2によるサンプルピペット3の水平方向の移動
軌跡としては適宜選定して差し支えないが、駆動系を簡
略化するという観点からすれば、回転アームによってサ
ンプルピペット3を回転移動させるように設計すること
が好ましい。また、サンプルピペット3としては、先端
ノズルが一体的なものでも差し支えないが、キャリオー
バ(ノズル内に残存した他人の検体の影響を受け、検査
項目の信頼性を低下させる現象)を回避するという観点
からすれば、サンプルピペット3の先端ノズルを各検体
検査毎に洗浄するように設計することが必要であり、キ
ャリオーバを確実に回避するという観点からすれば、各
検体kに対応する廃棄処分可能なノズルチップを用意
し、各検体検査毎にサンプルピペット3の先端にノズル
チップを着脱自在に取付けるようにすることが好まし
い。
【0012】また、気体供給手段4から供給される気体
としては、空気のみならず、検体kと反応しないもので
あればN2,He,Ar等適宜選定してよい。また、気
体の供給圧(吐出圧)としては、サンプルピペット3の
先端ノズルが検体kの液面に接近した時に検体kの液面
において発泡しないように設定することが必要であり、
検体kの種類によっても異なるが、通常2〜3H2O程
度のものが選定される。
【0013】更に、圧力変化検出手段5の検出レベルと
しては、サンプルピペット3の先端ノズルが検体kの液
面に接触した段階の理論的な圧力上昇に基づいて設定し
てもよいが、実際の圧力上昇を考慮して設定するように
するのが好ましい。
【0014】更にまた、ピペット第一降下制御手段6と
しては、気体供給停止手段7が働いた時にサンプルピペ
ット3を一時的に停止させるようにしてもよいし、サン
プルピペット3を停止させることなく直ちにピペット第
二降下制御手段8による降下動作へ移行するようにして
もよい。
【0015】また、ピペット第二降下制御手段8による
サンプルピペット3の降下寸法としては、検体吸引動作
を損なわない範囲で必要最小限のものが選定され、検体
kのサンプリング量を考慮して各検査項目毎に個別的に
設定される。
【0016】また、気体供給手段12で用いられる気体
も、気体供給手段4と同様に空気に限られるものではな
く、検体kと反応しないものであればN2,He,Ar
等適宜選定してよい。また、この気体供給手段12の気
体圧については、サンプルピペット3の内壁に残留する
検体を吹き出せる程度に設定することが必要であり、検
体kの種類によっても異なるが、通常液面検知用の気体
供給圧よりも高い微小圧が用いられる。更に、第一の発
明と第二の発明とを同時に実現しようとする場合には、
装置の簡略化を考慮すると、気体供給手段4.12を共
用化することが好ましいが、この場合には、夫々に要求
される気体圧が得られるように圧力調整手段を設けるよ
うに設計することが必要である。
【0017】また、ピペット降下制御手段13によるサ
ンプルピペット3の降下動作の下止点としては、検体サ
ンプリング量液面レベルより僅かに上方であればよく、
具体的には、検体分注動作が終了した時点で、サンプル
ピペット3の先端ノズルと反応セル11内の検体kとの
間が表面張力により曳糸状態になる程度に設定すること
が必要である。
【0018】また、気体供給制御手段15の気体の供給
タイミングとしては、少なくともサンプルピペット3の
復帰動作開始直後においてサンプルピペット3と検体k
との間の曳糸状態が消滅する間だけでよく、不必要に長
く設定する必要はない。
【0019】また、サンプルピペット3内が詰まると、
検体のサンプリング動作を実行することが不可能になる
ので、装置の安全性を確保するという観点からすれば、
サンプルピペット3の詰まりを検出する手段を設けるこ
とが必要であり、装置の簡略化という観点からすれば、
気体供給制御手段15による気体供給動作時にサンプル
ピペット3内の気体圧が異常レベルに上昇したことを検
出する異常圧力検出手段17を付加し、異常圧力検出手
段17にて異常圧力を検出した時点でサンプルピペット
3の詰まりを検出するように設計することが好ましい。
【作用】
【0020】上述したような技術的手段において、第一
の装置発明によれば、検体kの吸引動作工程は図2に示
すように行われる。先ず、ピペット第一降下制御手段6
は、サンプルピペット3内から気体を微小圧で吐出させ
ながらサンプルピペット3を上止点位置から降下させ
(図2a)、圧力変化検出手段5がサンプルピペット3
内の気体圧の圧力上昇を検出する(サンプルピペット3
の先端が検体kの液面に到達したことに相当)と、気体
供給停止手段7が気体の吐出動作を停止させる(図2
b)。すると、ピペット第二降下制御手段8がサンプル
ピペット3を微小規定量だけ降下させて検体k内に先端
ノズルを僅かだけ浸漬させる(図2c)この段階にお
いて、ピペット仮吸引制御手段が検体の仮吸引動作を実
行し、その後、ピペット上昇制御手段は先端ノズルが検
体内に浸漬しない程度までサンプルピペットを僅かに上
昇させ、検体吐出制御手段がサンプルピペット3内の仮
吸引した検体を吐出する。 この後、ピペット第三降下制
御手段がサンプルピペット3をピペット上昇制御手段に
よるサンプルピペット3上昇分だけ再度降下させて検体
内に先端ノズルを僅かに浸漬させる。 そして、ピペット
吸引制御手段9が検体kの吸引動作を実行し(図2
d)、この後、ピペット制御手段10がサンプルピペッ
ト3を上止点位置へ復帰させる(図2e)。
【0021】また、第二の装置発明によれば、検体kの
分注動作工程が図3のように行われる。先ず、ピペット
降下制御手段13は、反応セル11内の検体サンプリン
グ量液面レベルに近接した位置までサンプルピペット3
を上止点位置から降下させ(図3a)、ピペット分注制
御手段14が検体kの分注動作を実行する(3b)。そ
して、検体kの分注動作が終了すると、気体供給制御手
段15がサンプルピペット3が検体サンプリング量の液
面レベル付近に位置する間サンプルピペット3内から気
体を吐出させ、ピペット復帰制御手段16がサンプルピ
ペット3を上止点位置へ復帰させる(図3c)。このと
き、図3の拡大部分に示すように、検体kの分注動作が
終了した時点で、サンプルピペット3の先端ノズルと検
体kとの間は検体kの表面張力により曳糸状態になって
おり、この状態で、サンプルピペット3内に気体が供給
されると、サンプルピペット3の内壁に付着した検体k
の残液k1が気体によってノズル先端側へ吹き流され、
また、サンプルピペット3の先端ノズルが上昇し始める
と、サンプルピペット3の先端ノズルの外壁に付着して
いる検体の残液k2が曳糸状態の検体部分k0の張力に
て一様に吸引され、反応セル11側へ回収される。
【0022】
【実施例】以下、添付図面に示す実施例に基づいてこの
発明を詳細に説明する。図4は〜図6はこの発明が適用
された自動分析装置の一実施例の全体システムを示す説
明図である。 1.自動分析装置の概要 この実施例に係る自動分析装置はラテックス凝集反応法
を利用した免疫化学分析用として構成されたものであ
り、複数の検体(この実施例では血清)を夫々サンプリ
ングする検体サンプリング装置100と、サンプリング
された検体に対して所定の試薬(この実施例ではラテッ
クス試薬)を分注して検体と試薬とを反応させ、反応結
果を光学的に測定する検体反応測定装置200と、検体
サンプリング装置100及び検体反応測定装置200を
所定のシーケンスに従って制御し、検体と試薬との反応
結果を出力するコントロール系300とを備えている。
【0023】◎検体サンプリング装置100の概要 図4〜図6において、符号101は所要数のサンプルカ
ップ(検体カップ)102及び希釈カップ103を同心
円のループ状に保持したディスク状サンプルテーブルで
あり、所定の検体吸引ステージに検査対象となる検体が
収容されたサンプルカップ102及びその検体の希釈液
が収容され得る希釈カップ103を間欠移送するように
なっている。また、サンプルテーブル101の最外周部
には検体カップ102数に対応した数の廃棄処分可能な
ノズルチップ104[この実施例では孔径は0.5±
0.05(mm)]がループ状に着脱自在に保持されて
いる。
【0024】また、符号105は検体である血清をサン
プリングする(検体吸引動作及び検体分注動作)ための
血清ピペッティング機構であり、上下動及び回転動作自
在なサンプルピペット106を有し、このサンプルピペ
ット106の先端に上記ノズルチップ104を検体検査
毎に着脱自在に装着し、サンプルカップ102内の検体
を所要量吸引し、あるいは、必要に応じて希釈カップ1
03内に検体及び希釈液を分注し、あるいは、後述する
キュベット202に対してサンプリングした検体を分注
するものである。尚、符号107は血清用定量ポンプ
(サンプリングポンプ)、108は希釈液タンク、10
9は希釈用定量ポンプである。そして、この実施例で
は、同一検体に対するノズルチップ104は所謂キャリ
オーバの虞れがないので、洗浄槽110にて洗浄して再
度利用されるようになっており、同一検体に対する複数
項目の検査及び再検査が終了した段階で人為的に廃棄さ
れるものである。
【0025】◎検体反応測定装置200の概要 図4〜図6において、符号201は所要数(この実施例
では60)のキュベット(反応セル)202が所定のピ
ッチ間隔でループ状に保持される反応テーブルであり、
ステップ回転駆動して結果としてキュベット202を一
定方向へ間欠移送するようになっている。また、符号2
03はラテックス試薬が収容された試薬ボトルであり、
反応テーブル201と同軸に設けられるが、反応テーブ
ル201とは別異に回転駆動されるようになっている。
また、符号204及び205は第1試薬ピペッティング
機構及び第2試薬ピペッティング機構、206及び20
7は各試薬ピペッティング機構を洗浄する試薬洗浄槽、
208及び209は第1試薬定量ポンプ及び第2試薬定
量ポンプである。
【0026】また、符号211は反応テーブル201内
に新たなキュベット202を供給し、検査が終了したキ
ュベット202を廃棄するキュベット供給廃棄装置であ
り、複数列のキュベット202を最前列側へ順次案内搬
送するキュベットラックホルダ212と、検査済みキュ
ベット202を廃棄するキュベット廃棄トレイ213
と、キュベットラックホルダ212の最前列部分に設け
られ、一つのキュベット202を把持して反応テーブル
201の所定部位にキュベット202をセットし、検査
済みのキュベット202を把持してキュベット廃棄トレ
イ213側へ搬送するキュベットフィーダ214とで構
成されている。
【0027】更に、符号215は所定の検査ステージに
て検体と試薬との反応を光学的に測定する光学測定装置
であり、光源として半導体レーザダイオードを使用し、
光路中のキュベット202内の抗原、抗体反応の進行と
共に変化する前方散乱強度の変化量を積分球で捕捉測定
すると同時に透過光強度も測定し、その比率を求めて抗
原、抗体反応本来の変化量以外の干渉因子に対する補償
措置を講じ、これにより、濁度値を求めるものである。
【0028】◎コントロール系 この実施例におけるコントロール系300としては所謂
マイクロコンピュータシステムが採用されており、CP
U301が所定の検査プログラムを実行し、制御系回路
302を介して検体サンプリング装置100及び検体反
応測定装置200を作動させるようになつている。尚、
符号303は検査結果等を表示する液晶ディスプレイ、
304は検査メニュー等を指示する操作パネル、305
は検査結果等を出力するプリンタ、306は検査結果等
のデータを例えばフロッピディスクに保管する場合に使
用するフロッピディスクドライブである。
【0029】2.検体サンプリング装置の各部構成 ◎サンプルテーブル 図7及び図8において、サンプルテーブル101は、駆
動モータ(この実施例ではステッピングモータ)111
に連結された回転駆動軸112に支承されており、ま
た、サンプルテーブル101にはサンプルカップ102
及び希釈カップ103を係止する係止孔113,114
が開設されると共に、ノズルチップ104を係止する係
止溝115が設けられ、この実施例では、検査対象とな
る検体が収容されたサンプルカップ102、希釈カップ
103、ノズルチップ104は、後述するサンプルピペ
ット106の水平方向回転軌跡(図8にAで示す)に沿
って配列されるようになっている。尚、図7中、符号1
16はサンプルテーブル101の間欠移送動作を補償す
るための位置検出器であり、上記回転駆動軸112と同
軸に設けられ、その周囲にサンプルカップ102の配列
角度ピッチ毎にスリットを刻設した回転ディスク117
と、この回転ディスク117のスリット位置を検出する
光学センサ118とで構成されている。また、符号11
9はサンプルテーブル101の上方を覆い、検体吸引ス
テージに対応した箇所に切欠120を有するテーブルカ
バーである。
【0030】◎血清ピペッティング機構 図9〜図11において、血清ピペッティング機構105
は回転自在で且つ上下動自在な可動アーム121を有
し、この可動アーム121の先端部分にサンプルピペッ
ト106を装着するようにしたものである。この実施例
において、上記可動アーム121の支持構造は、支持ブ
ラケット122に固定された駆動モータ123の軸にリ
ンク機構124を介して昇降台125を設け、この昇降
台125に軸受126を介して支持ロッド127を回転
自在に支承し、この支持ロッド127の先端に可動アー
ム121の基部を固着するようにしたものである。そし
て、上記支持ロッド127の一部には直線摺動ベアリン
グ128を介して支持ロッド127と一体的に回転する
案内プーリ129が装着され、この案内プーリ129に
は支持ブラケット122に固定された駆動モータ130
からの駆動力がベルト131を介して伝達されるように
なっている。尚、符号132は上記支持ロッド127の
上限位置及び下限位置を規制するストッパ機構、133
は支持ロッド127の回転停止角度位置を検出する位置
検出器である。
【0031】また、上記サンプルピペット106の具体
的構成を図12に示す。同図において、符号140は平
行ピン141及びスライドガイド142に沿って上下方
向にのみ摺動するスライド軸であり、このスライド軸1
40の下端に電磁弁ホルダ143が取り付けらけ、この
電磁弁ホルダ143に電磁弁144が保持される一方、
上記電磁弁ホルダ143にはジョイント145を介して
流路形成用のパイプ147を具備したチップホルダ14
6が取り付けられ、電磁弁144による流路切り換え動
作に応じて適宜流路が選択されるようになっている。
尚、符号148はノズルチップ104にチップホルダ1
46を一定圧力で挿入するための緩衝用スプリング、1
49は電磁弁144ほかの部材を覆うカバーである。
【0032】また、上記支持ロッド127の周囲に位置
する支持ブラケット122にはガイド筒135が立設さ
れており、このガイド筒135にはサンプルピペット1
06からノズルチップ104を取り外すためのチップ離
脱レバー150が回転自在に係合している。このチップ
離脱レバー150は、特に図11,図13に示すよう
に、チップ着脱ステージC(検体カップ102位置に対
応する検体吸引ステージSに隣接する係止溝115位置
に相当)と検体分注ステージRTとの中間に位置する後
述の洗浄ステージWよりもチップ着脱ステージC側の初
期位置に設置されると共に、この初期位置にチップ離脱
レバー150を待機させるために、チップ離脱レバー1
50が当接するストッパ151が設けられ、付勢スプリ
ング152によってチップ離脱レバー150が常時はス
トッパ151側へ付勢されるようになっている。そし
て、チップ離脱レバー150の先端側の検体分注ステー
ジRT寄りの側方部に係止溝153が形成されており、
サンプルピペット106が上止点よりも下方の中間止点
に設定される場合にのみ、サンプルピペット106とノ
ズルチップ104との結合部にチップ離脱レバー150
の係止溝153が係合するようになっている。
【0033】◎ノズルチップの洗浄システム この実施例において、チップ着脱ステージCと検体分注
ステージRTとの中間に位置する洗浄ステージWには洗
浄槽110が設置されている。この洗浄槽110は、特
に図5,図6,図13に示すように、円筒状の槽本体1
61の下部には排水タンク163に通じる排水ダクト1
62が連結され、槽本体161の周壁のチップ着脱ステ
ージC側にはU字状の切り込み164が形成されてい
る。そして、槽本体161の内壁の略二箇所には洗浄槽
ポンプ165に連通接続されている噴射ノズル166が
設けられ、槽本体161内に挿入されたノズルチップ1
04の外壁に洗浄水が噴射されるようになっている一
方、槽本体161の内壁には図示外のエア吐出ノズルが
設けられ、洗浄水によるノズルチップ104の外壁洗浄
が終了した時点で、ノズルチップ104の外壁にエアが
吹き付けられるようになっている。また、サンプリング
ポンプ107からサンプルピペット106への流路には
切り換えバルブ167を介して洗浄ポンプ168が接続
されており、切り換えバルブ167にて洗浄ポンプ16
8側が選択された場合に、ノズルチップ104内に洗浄
ポンプ168からの洗浄水が流入するようになってい
る。尚、図5,6中、符号169は給水タンクであり、
給水タンク169と洗浄ポンプ168との間には開閉バ
ルブ170が介装されている。また、この実施例では、
洗浄槽ポンプ165が試薬洗浄槽206,207にも接
続されると共に、洗浄ポンプ168が夫々切り換えバル
ブ171,172を介して試薬ポンプ208,209流
路にも接続されている。
【0034】◎エアによるサンプリング補助システム この実施例で用いられているエアによるサンプリング補
助システムを図6,図14に示す。尚、図14におい
て、既に説明した構成要素については同様な符号を付し
てここではその詳細な説明を省略する。同図において、
符号181はエアポンプ、182は例えば0.2kgf
/cm2程度のエア圧に調整されるエア圧調整バルブ、
183はエアセンシングユニットであり、例えば図15
に示すような空気マイクロメータ(構成要素:流路内の
圧力が上昇した時にダイアフラムが所定量作動する空気
圧アンプリファイア184,空気圧アンプリファイア1
84のダイアフラムが作動した時に、対応するダイアフ
ラムが作動してマイクロスイッチをオンさせる空電変換
器185、動作設定圧を可変設定するための流量可変絞
り186)にて構成されている。
【0035】また、符号187はエアセンシングユニッ
ト183が所定の圧力上昇を検知した場合にエアポンプ
181からのエア流路を塞ぐ電磁弁、188はエアセン
シングユニット183が所定の圧力上昇を検知した場合
にノズルチップ104が詰まっていることを検出する詰
まり検出器、189は常時はエア流路側を開放し、サン
プリングポンプ107とエア流路との切り換えを行う電
磁弁、190は常時はエア流路側を開放し、希釈ポンプ
109とエア流路との切り換えを行う電磁弁である。
尚、符号191は希釈液タンク108と希釈ポンプ10
9との間の流路を開閉するための電磁弁である。
【0036】3.検体サンプリング装置の動作 検体サンプリング装置の動作はCPUが所定の検査プロ
グラムを実行することにより以下のように行われる。
【0037】◎ノズルチップの装着動作処理(図16
a) 血清ピペッティング機構105が初期位置(洗浄槽ステ
ージWの上止点)よりチップ着脱ステージCの対応する
ノズルチップ104の上に移動する。このとき、血清ピ
ペッティング機構105のサンプルピペット106は上
止点にて移動するため、洗浄槽位置とチップ着脱ステー
ジCとの中間地点に位置するチップ離脱レバー150が
血清ピペッティング機構105のサンプルピペット10
6と干渉することはない。そして、血清ピペッティング
機構105のサンプルピペット106が下へ下がり、サ
ンプルピペット106の先端がノズルチップ104に衝
合すると、ノズルチップ104はサンプルテーブル10
1上で支承されているため、サンプルピペット106の
先端にノズルチップ104が装着される。
【0038】◎検体の吸引動作処理(図16b) ノズルチップ104が装着された血清ピペッティング機
構105はサンプルカップ102上(検体吸引ステージ
S)に移動する。ここで、血清ピペッティング機構10
5がサンプルカップ102に向かって下がるが、このと
き、エアポンプによるエア(この実施例では2.0mm
2O圧のエア)がラインを通りノズルチップ104の
先端から吹き出している。そして、ノズルチップ104
の先端が検体に接触すると、エアセンシングユニット1
83が圧力の変化を感知し、バルブが切り換わりサンプ
リングポンプ107側に流路が通じると共に、吸引に必
要なだけ血清ピペッティング機構105が下がる。この
後、血清用定量ポンプ107が一旦所定量だけ検体を吸
引した後、血清ピペッティング機構105が僅かに上昇
した段階で、血清用定量ポンプ107が一吸引した検体
をサンプルカップ102内に吐出する。これにより、ノ
ズルチップ102内は常に検体によって濡れた状態に保
たれることになり、ノズルチップ102が乾いた状態で
検体を吸引する場合とノズルチップ102が濡れた状態
で検体を吸引する場合とで生ずる定量誤差を回避するよ
うにしており、この実施例のように、ノズルチップ10
2が再利用される場合であっても、常時定量性を良好に
保つことができる。この後、サンプリングポンプ107
が予め指定された量だけ検体を吸引し、しかる後、血清
ピペッティング機構105が上止点まで上がる。
【0039】◎検体分注処理過程(図16c) 血清ピペッティング機構105が反応テーブル201の
検体分注ステージRTの位置まで移動する。この後、血
清ピペッティング機構105が下がり、キュベットの底
付近までノズルチップ104の先端を接近させ、サンプ
リングポンプ107によりキュベット202内に検体を
吐出する。そして、検体の吐出が終了すると、ラインが
エアポンプ181側に切り換わり、ノズルチップ104
の先端よりエアを吐出させ、ノズルチップ104の周り
に僅かに付いた検体もキュベット202内に吐出させ、
定量精度を良好に保つようにしている。この後、血清ピ
ペッティング機構105が上止点まで上がる。
【0040】また、この実施例においては、仮に、ノズ
ルチップ104内が血清のヒビリン等により目詰まりし
ていたと仮定すると、検体の吐出動作が終了した後に行
われるエアの吐出動作時に、エアセンシングユニット1
83が圧力の異常を検知するため、ノズルチップ104
が目詰まりした状態で検査が続行される事態は有効に回
避される。
【0041】◎ノズルチップ洗浄処理過程(図16d,
図13) 血清ピペッティング機構105が洗浄槽110まで移動
した後に中間止点まで降下し、ノズルチップ104の外
壁を洗浄槽ポンプ165で洗浄すると共に、洗浄ポンプ
168によりノズルチップ104の内壁を洗浄する。そ
して、血清ピペッティング機構105のラインがバルブ
により切り換わりエアポンプ181側の流路につなが
り、ノズルチップ104内にあった洗浄水を吹き流すと
共に、ノズルチップ104を上昇させながら、図示外の
エア吐出ノズルによりノズルチップ104の外壁にエア
を吹き付けて水滴を除去する。このようにエアによる水
滴除去を行うと、ろ紙等で清掃する方式で生ずるノズル
チップ104の汚染は有効に回避される。
【0042】◎ノズルチップ離脱処理動作(図16e,
図13) 血清ピペッティング機構105は中間止点のまま洗浄槽
110の切り込み164を利用してチップ着脱ステージ
Cへ向かう。このとき、ノズルチップ104がチップ離
脱レバー150の係止溝153に係合し、チップ離脱レ
バー150と一体となって移動する。そして、血清ピペ
ッティング機構105がチップ着脱ステージCへ到達す
ると、血清ピペッティング機構105が上止点まで上昇
するが、上記ノズルチップ104はチップ離脱レバー1
50によって上昇動作が規制されるため、必然的にノズ
ルチップ104が血清ピペッティング機構105のサン
プルピペット106から外れて落下し、サンプルテーブ
ル101のチップ係止溝115に係合する。このため、
同一検体に対して他の検査項目を検査する場合や再検査
を行う場合には、既に洗浄済みのノズルチップ104を
そのまま再利用することが可能になる。
【0043】◎処理の変形例 この実施例において、上記洗浄槽110の検体分注ステ
ージRT側にも切り込みを設けるようにすれば、検体の
分注動作が終了した時点で血清ピペッティング機構10
5を中間止点まで上昇させ、このままの位置で洗浄ステ
ージW及びチップ着脱ステージCへ移動させることが可
能になり、血清ピペッティング機構105の上下動作の
工程数を少なくすることができる分、実施例のものより
も全体の処理システムを単純化することが可能である。
また、検体の希釈液を使用するような場合には、サンプ
ルカップ102から検体を所定量吸引した後に、血清ピ
ペッティング機構105を希釈液ステージSDへ移動さ
せ、希釈ポンプ109を利用して検体及び希釈液を希釈
カップ103内に注入するようにすればよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1ない
し3いずれかに記載の発明によれば、サンプルピペット
からの気体の噴出動作を利用し、サンプルピペットの先
端が検体液面に接触した時点を圧力変化によって検出す
ようにしたので、液面検知専用の部材を別途用いて装
置自体を複雑且つ大型化することなく、検体の成分や色
の差による検知感度のばらつきをなくした状態で、検体
の液面を正確且つ簡単に検出することができる。このた
め、サンプルピペットの先端ノズルの検体への浸漬量を
一定に保つことができ、その分、検体のサンプリング精
度を良好に保つことができる。特に、この発明において
は、サンプルピペット内からの気体の噴出動作を利用し
て液面検知を行なった後、検体吸引動作を行なう前に検
体仮吸引動作を行なうようにしたので、先端ノズルが乾
いた状態で検体を吸引する場合と先端ノズルが濡れた状
態で検体を吸引する場合とで生ずる定量誤差を回避する
ことが可能になり、検体サンプリング精度をより良好に
保つことができる。
【0045】特に、請求項3記載の発明によれば、キャ
リオーバ現象を回避するうえで、検体毎にサンプルピペ
ットの先端のノズルチップを着脱自在に交換するように
したとしても、ノズルチップの先端孔径のみを精度良く
製造して吐出エア圧を一定に保つようにすれば、ノズル
チップの化学的材質(例えば導電性、非導電性)やノズ
ルチップの物理的性質(例えば密度、重量)、言い換え
れば製造ばらつきに影響されずに、検体の液面を極めて
正確に検知することができる。従って、液面検知専用の
部材を別途用いることなく、液面検知精度を良好に保ち
ながら、ノズルチップ間の互換性を容易に確保すること
ができる。
【0046】また、請求項4ないし6いずれかに記載の
発明によれば、微量サンプリング時におけるサンプルピ
ペットの先端ノズル内外壁の検体残液を微少に抑えるこ
とができるので、検体のサンプリング精度を良好に保つ
ことができる。
【0047】特に、請求項6記載の発明によれば、気体
の噴出動作によりサンプルピペットの目詰まりを容易に
検出することができるので、装置の簡略化を図りなが
ら、自動分析装置の安全性を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る自動分析装置の検体サンプリ
ング装置の構成を示す説明図である。
【図2】 第一の発明に係る自動分析装置の検体サンプ
リング装置の作用を示す説明図である。
【図3】 第二の発明に係る自動分析装置の検体サンプ
リング装置の作用を示す説明図である。
【図4】 この発明が適用された自動分析装置の一実施
例を示す斜視図である。
【図5】 実施例に係る自動分析装置の平面説明図であ
る。
【図6】 実施例に係る自動分析装置の正面説明図であ
る。
【図7】 実施例に係るサンプルテーブルの詳細を示す
断面説明図である。
【図8】 その平面図である。
【図9】 実施例に係る血清ピペッティング機構の断面
説明図である。
【図10】 図9中X方向から見た矢視図
【図11】 図9の平面図である。
【図12】 実施例で用いられるサンプルピペットの詳
細を示す説明図である。
【図13】 実施例で用いられる洗浄槽の具体的構成を
示す斜視図である。
【図14】 実施例で用いられるエアによるサンプリン
グ補助システムの詳細を示す説明図である。
【図15】 実施例で用いられるエアセンシングユニッ
トの詳細を示す説明図である。
【図16】 実施例における検体サンプリング装置の動
作処理過程を示す説明図である。
【符号の説明】
k:検体,1:検体カップ,2:検体吸引分注手段,
3:サンプルチップ,4:気体供給手段,5:圧力変化
検出手段,6:ピペット第一降下制御手段,7:気体供
給停止初段,8:ピペット第二降下制御手段,9:ピペ
ット吸引制御手段,10:ピペット復帰制御手段,1
1:反応セル,12:気体供給手段,13:ピペット降
下制御手段,14:ピペツト分注制御手段,15:気体
供給制御手段,16:ピペツト復帰制御手段,17:異
常圧力検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 巧 茨城県水戸市吉沢町12−21 (72)発明者 成瀬 明 茨城県水戸市吉沢町12−78 (72)発明者 兎沢 義功 茨城県那珂湊市西赤坂4010−24 (72)発明者 長谷川 勝巳 茨城県那珂湊市平磯南町298−3 (72)発明者 飛田 雄助 茨城県勝田市本町3−17 (72)発明者 内堀 勝典 茨城県水戸市元吉田町1745−1 (56)参考文献 特開 昭63−109373(JP,A) 特開 平2−17448(JP,A) 特開 昭63−47665(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下方向及び水平方向に沿って移動自在
    な検体吸引分注用のサンプルピペットで検体カップ内の
    液状検体を所定量吸引すると共に、当該検体を反応セル
    に分注した後、反応セル内に所定の試薬を分注して検体
    と試薬との反応を光学的に分析する自動分析装置におい
    て、サンプルピペットで検体カップ内の検体を吸引する
    に際し、サンプルピペット内から気体を微小圧で吐出さ
    せながらサンプルピペットを上止点位置から降下させる
    ピペット第一降下工程と、サンプルピペット内の気体庄
    が所定レベルに上昇した時点でサンプルピペットの先端
    が検体の液面に到達したと判断し、気体の吐出動作を停
    止させる液面検知工程と、この液面検知工程で検体の液
    面が検知された時点でサンプルピペットを微小規定量だ
    け降下させて検体内に先端ノズルを僅かに浸漬させるピ
    ペット第二降下工程と、このピペット第二降下工程が終
    了した時点で検体の仮吸引動作を実行する検体仮吸引実
    行工程と、この検体仮吸引実行工程が終了した時点で先
    端ノズルが検体内に浸漬しない程度までサンプルピペッ
    トを僅かに上昇させるピペット上昇工程と、このピペッ
    ト上昇工程が終了した時点でサンプルピペット内の仮吸
    引した検体を吐出する検体吐出実行工程と、この検体吐
    出実行工程が終了した時点でサンプルピペットをピペッ
    ト上昇工程の上昇分だけ再度降下させて検体内に先端ノ
    ズルを僅かに浸漬させるピペット第三降下工程と、この
    ピペット第三降下工程が終了した時点で検体の吸引動作
    を実行する検体吸引実行工程と、この検体吸引実行工程
    が終了した時点でサンプルピペットを上止点位置へ復帰
    させるピペット復帰工程とを備えたことを特徴とする自
    動分析装置の検体サンプリング方法。
  2. 【請求項2】 反応セル内に分注された液状検体と試薬
    との反応を光学的に分析する自動分析装置において、上
    下方向及び水平方向に沿って移動自在な検体吸引分注用
    のサンプルピペットを有し、検体吸引ステージにて検体
    吸引動作を実行すると共に、検体分注ステージにて反応
    セルに対して検体分注動作を実行する検体吸引分注手段
    と、サンプルピペット内に微小圧の気体を供給する気体
    供給手段と、サンプルピペット内の気体圧が所定レベル
    に上昇したことを検出する圧力変化検出手段と、上記気
    体供給手段を作動させ、サンプルピペット内から気体を
    微小圧で吐出させながらサンプルピペットを上止点位置
    から降下させるピペット第一降下制御手段と、上記圧力
    変化検出手段にてサンプルピペット内の気体圧が所定レ
    ベルに上昇したことを検出した時点で上記気体供給手段
    の作動を停止させる気体供給停止手段と、この気体供給
    停止手段が作動した時点でサンプルピペットを微小規定
    量だけ降下させて検体内に先端ノズルを僅かに浸漬させ
    るピペット第二降下制御手段と、このピペット第二降下
    制御手段によるサンプルピペットの降下動作が終了した
    時点で検体の仮吸引動作を実行するピペット仮吸引制御
    手段と、このピペット仮吸引制御手段の終了時点で先端
    ノズルが検体内に浸清しない程度までサンプルピペット
    を僅かに上昇させるピペット上昇制御手段と、このピペ
    ット上昇制御手段によるサンプルピペットの上昇動作の
    後に、サンプルピペット内の仮吸引した検体を吐出する
    検体吐出制御手段と、この検体吐出制御手段による検体
    の吐出動作が終了した時点でサンプルピペットをピペッ
    ト上昇制御手段によるサンプルピペット上昇分だけ再度
    降下させて検体内に先端ノズルを僅かに浸漬させるピペ
    ット第三降下制御手段と、このピペット第三降下制御手
    によるサンプルピペットの降下動作が終了した時点で
    検体吸引動作を実行させるピペット吸引制御手段と、こ
    のピペット吸引制御手段による検体吸引動作が終了した
    時点でサンプルピペットを上止点位置へ復帰させるピペ
    ット復帰制御手段とを備えたことを特徴とする自動分析
    装置の検体サンプリング装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のものにおいて、検体吸引
    分注手段のサンプルピペットは着脱自在なノズルチップ
    を有するものであることを特徴とする自動分析装置の検
    体サンプリング装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の方法において、サンプル
    ピペットで反応セル内に検体を分注するに際し、反応セ
    ル内の検体サンプリング量液面レベルに近接した位置ま
    でサンプルピペットを上止点位置から降下させるピペッ
    ト降下工程と、このピペット降下工程が終了した時点で
    検体の分注動作を実行する検体分注実行工程と、この検
    体分注実行工程が終了した時点で、少なくともサンプル
    ピペットが検体サンプリング量の液面レベル付近に位置
    する間サンプルピペット内から気体を吐出させながら、
    サンプルピペットを上止点位置へ復帰させるピペット復
    帰工程とを備えたことを特徴とする自動分析装置の検体
    サンプリング方法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載のものにおいて、サンプル
    ピペット内に所定圧の気体を供給する気体供給手段と、
    反応セル内の検体分注量液面レベルに近接した位置まで
    サンプルピペットを上止点位置から降下させるピペット
    降下制御手段と、このピペット降下制御手段によるサン
    プルピペットの降下動作が終了した時点で検体分注動作
    を実行させるピペット分注制御手段と、このピペット分
    注制御手段による検体分注動作が終了した時点で気体供
    給手段を所定時間作動させる気体供給制御手段と、ピペ
    ット分注制御手段による検体分注動作が終了した時点で
    サンプルピペットを上止点位置へ復帰させるピペット復
    帰制御手段とを備えたことを特徴とする自動分析装置の
    検体サンプリング装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のものにおいて、気体供給
    制御手段による気体供給動作時にサンプルピペット内の
    気体圧が異常レベルに上昇したことを検出する異常圧力
    検出手段が付加されていることを特徴とする自動分析装
    置の検体サンプリング装置。
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