JP4609916B2 - ケーブル制振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エクストラドーズド橋、斜張橋、吊り橋などに用いるケーブルにおける制振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、ケーブル構造の橋梁、例えば、エクストラドーズド橋などに用いるケーブルを被制振部材とするケーブル制振装置を例に従来技術を説明する。図7(a)はケーブル構造の橋梁の一例として橋梁ケーブルの概略構成を示したものであって、同図で1は橋桁、2は支塔、3はケーブル、4はケーブル制振装置である。ケーブル制振装置4は、風や走行車両などの影響によるケーブル3の振動を減衰させ、ケーブル3に掛かる負荷を緩和して、ケーブル3の破損を防止するものである。
【0003】
このケーブル制振装置4は、図7(b)(c)に示すように、橋桁1に取り付けたケーブル定着管11の近傍において、粘弾性体の一種である高減衰性を有するゴムからなるゴムダンパー12をケーブル3の周囲に複数個等間隔状態で配設し、ゴムダンパー12の一端をケーブル定着管11側に取り付け、他端をケーブル3側に固定したもので、雨水や紫外線を遮蔽するため保護カバー13で覆ってある。ゴムダンパー12の取り付けは、図7(d)に示すように、ゴムダンパー12の一端に接着した鋼板製の取付板14を、ケーブル定着管11の上端の固定リング15に固着したフランジ16に取り付け、ゴムダンパー12の他端に接着した鋼板製の取付板17をケーブル3にクランプリング18で固定したホルダ19に取り付けている。
【0004】
このケーブル制振装置4によれば、風などの影響により振動するケーブル3の振動エネルギーを受けてゴムダンパー12がせん断方向に弾性変形し、そのせん断方向の反力で振動を減衰させてケーブル3の振動を抑制する仕組みになっている。
【0005】
上記のケーブル制振装置4は、ケーブル3の振動エネルギーを受けてせん断方向に変形するゴムダンパー12のせん断方向の反力により振動を減衰させるものである。一般に同一材料で作られた同一断面積のゴム体の場合、引張方向の弾性係数である縦弾性係数E(σ/ε)と、せん断方向の弾性係数である横弾性係数G(τ/γ)との比(E:G)は、約3:1の関係にある。このことから、一般のゴム体は、同じ値の応力を引張(圧縮)方向に与えた場合とせん断方向に与えた場合とでは、せん断方向に応力を与えた場合の方がより大きく変形する性質がある。換言すれば、一般のゴム体は引張(圧縮)方向によりもせん断方向の方が軟らかい性質がある。
【0006】
このため、上記のケーブル制振装置4のように、ケーブル3の半径方向の変位に対してゴムダンパー12がせん断方向に弾性変形するように、ケーブル3の直径方向の両側にゴムダンパー12を配設している。
【0007】
ところで、ゴムダンパー12の材質や構造については、種々検討されており各種の提案がなされているが、制振装置を保護する保護カバーの支持構造については、十分な検討がなされているとは言い難いのが現状である。例えば、特許第3123987号公報や特開平9−298919号公報に見られるように、直円筒状の定着管に、円錐筒状部および縮径部を有する保護カバーを装着している。以下、それらについて説明する。
【0008】
前記特許第3123987号公報に開示されたケーブル制振装置41は、図8に示すように、円錐筒状部13aと縮径部13bとを一体に形成した保護カバー13を直円筒状の定着管11に装着して、前記円錐筒状部13aの最大径部分でフランジ16を跨ぐようにしたものであるが、保護カバー13の縮径部13bの保持強度が弱く、ケーブル3の振動によって保護カバー13がケーブル軸方向に移動するため、初期状態において保護カバー13の取付位置がばらつくのみならず、使用中に定着管11との接続フランジ16や、ホルダ19、ケーブルフランジ20、結合フランジなどの内部構造部材と接触して損傷したり、保護カバー13自体が外れたりする場合がある。なお、図8において、21は弾性部材、22はバックアップ部材、23は前記弾性部材21およびバックアップ部材22によって形成された空間部に充填された充填筒である。
【0009】
また、前記特開平9−298919号公報に開示されたケーブル制振装置42は、図9に示すように、円錐筒状部13aの下端に厚肉状の縮径部13cを一体に設けた保護カバー13を、直円筒状の定着管11に装着したものであり、縮径部13bを円錐筒状部13aと同一肉厚状に形成した上記保護カバー13に比較すれば、厚肉状の縮径部13cによって定着管11への保持強度で大きくすることができるが、ケーブル3の振動に起因する保護カバー13の移動を完全に無くすことはできないという問題点がある。なお、図9において、24はケーブルフランジで、それぞれ半円筒部25とサイドフランジ26とを有するケーブルバンド半割体27,27をボルトおよびナットで締結固定したものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、図10(a)(b)に示すケーブル制振装置43のように、定着管11に段部11aを設けて、この段部11aで保護カバー13の縮径部13bを支持するようにしたものが提案されている。このような構造によれば、段部11aがストッパになって保護カバー13の位置決めおよび移動防止ができるが、大径の管状部材11bと小径の管状部材11cと環状部材11dとを、すべて切削加工で製作し、しかも、前記大径の管状部材11bと小径の管状部材11cとを、環状部材11dを介して溶接接合して製作しているため、材料費がかさむのみならず、切削・溶接などの加工コストが高く、長い加工時間を要した。
【0011】
また、ケーブル軸方向に金属接触する環状部材11dの表面、および地盤基礎部と定着管11のフランジ部の接触するフランジ部表面は、機械加工がなされているが、これらの加工精度は実際には、誤差の大きい地盤基礎部の工事精度やケーブルの展張精度に比較して無視できるレベルにあり、機能を維持する上において、特に必要ではないにも関わらず、これら表面機械加工には、長い時間を要するとともに、高いコストを要する。
【0012】
そこで、本発明は、構造が簡単で安価な定着管を用いて、保護カバーを確実に支持して保護カバーのずれを防止することができるケーブル制振装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のケーブル制振装置は、直径方向に沿って2分割した一組の半円筒形状フランジ部材によって構成され、ケーブルを橋桁に固定する定着管と、該定着管とケーブルの連結部に制振部材を備え、前記連結部を覆う保護カバーを有するケーブル制振装置において、前記定着管の長さ方向中間部の外周に前記保護カバーの下端のストッパとなる突起部を備えると共に、前記定着管の端部に設けられたフランジ板と前記突起部との間に、前記一組の半円筒形状フランジ部材を締結する締結用部材を介在させたことを特徴とするものである。
【0014】
ここで、上記の「突起部」は、定着管の外周面から連続的または断続的に周方向に突出しているもので、例えば、定着管の長さ方向中間部の外周に環状のフランジ部材を溶接接合して形成することができる。
【0015】
上記のケーブル制振装置によれば、突起部を保護カバーの下端のストッパとして用いることができるので、初期状態において保護カバーを、容易、かつ、確実に所定位置に保持することができるとともに、使用時にケーブルの振動によって移動することが防止される。また、定着管は、従来の大径の円筒状部材と小径の円筒状部材とを、環状部材を介して溶接接合したものに比較して、構造が簡単で材料費が安く、また製作容易であるため、加工費も少なく安価である。
【0016】
請求項2に記載のケーブル制振装置は、前記突起部が、前記外周を一周する環状のつば部をなすものである。
【0017】
上記のケーブル制振装置によれば、突起部が定着管の外周を一周する環状のつば部をなすため、このつば部を保護カバーの下端全周にわたってストッパとして機能させることができ、保護カバーを確実に所定位置に保持することができる。
【0018】
請求項3に記載のケーブル制振装置は、前記定着管および前記ケーブルに固定されたケーブルフランジを構成する部材を、プレス加工を用いて切り出し加工およびせん孔加工により構成してなるものである。
【0019】
なお、「プレス加工」とは、せん断加工、曲げ加工、絞り加工、張り出し加工などを含み、「切り出し加工」とは、張り出し加工の一種で、部材に一部を残して切り目を入れ、その切り目によって囲まれる舌片部を突き起す加工のことをいい、例えば、定着管を構成する半円筒状部材の周面に沿って、断続的に、例えば、逆U字形の複数の切れ目を形成し、それぞれの舌片部分を半円筒状部材の内方側から外方側に向かって突き起して、半円筒状部材の周方向に断続的に突起部を形成することをいう。「せん孔加工」とは、せん断加工の一種で、孔を形成することをいう。
【0020】
上記のケーブル制振装置によれば定着管およびケーブルフランジを、切削加工によらないで、プレス加工を用いて切り出し加工およびせん孔加工により構成するので、加工コストが低くなり、しかも、加工時間が著しく短縮される結果、ケーブル制振装置を安価に提供することができる。
【0021】
請求項4に記載のケーブル制振装置は、前記定着管と橋桁の接触する定着管フランジ部表面および/または定着管とその定着管に取り付けられた調芯フランジ部の接触する部分の双方またはいずれか一方の表面および/または調芯フランジ部とその調芯フランジ部に取り付けられた前記制振部材のフランジ部材が接触する部分の双方またはいずれか一方の表面を、機械加工せず素地のままとしてなるものである。
【0022】
上記のケーブル制振装置によれば、定着管と橋桁の接触する定着管フランジ部表面、定着管と調芯フランジ部の接触する部分、調芯フランジ部と制振部材のフランジ部材が接触する部分を、表面機械加工せず、素地のままとするので、これらの表面に機械加工を施す場合に比較して、煩雑な表面機械加工を省略できて、加工時間が短縮できるとともに、加工コストを低減することができる。
【0023】
図1(a)は、被制振部材としてのケーブル3に取り付けられたケーブル制振装置30の軸線方向の概略縦断面図であり、図1(b)は図1(a)のケーブル制振装置30におけるA−A線に沿った半横断面図である。図1(a)(b)において、31はケーブル3に固定されたケーブルフランジ、32は制振部材としてのゴムダンパー、33は調心フランジ部、34は定着管(ブラケット)である。以下、それらに付いて説明する。
【0024】
図2(a)は、前記ケーブルフランジ31の平面図で、図2(b)は、図2(a)のケーブルフランジ31における一方の半円体部材の側面図である。このケーブルフランジ31は、一組の半円筒体31a,31aを組み合わせて構成されたフランジ部材で、ケーブル3に円筒状のゴムパッド35{図1(a)参照}を介して装着し、ボルトおよびナット36で締結固定されている。
【0025】
前記各半円筒体31a,31aは、それぞれ中央部に半円形状の孔31bを有する半環状板部材31cの片面の、前記孔31bの周囲に沿って半円筒状部材31dを溶接接合するとともに、この半円筒状部材31dを溶接接した同一面における、直線状端縁部に締結部材31eおよびそれらの中間位置に補強部材31fを溶接接合し、前記締結部材31eに、ボルト締結用の複数の丸孔31gを形成し、さらに、前記半環状板部材31cに後述するゴムダンパー32を取り付けるための複数の丸穴31hを設けて構成されている。
【0026】
このケーブルフランジ31は、予めケーブル3のケーブルフランジ取付位置に前記円筒状のゴムパッド35を装着しておいて、このゴムパッド35の両側から前記各半円筒体31a,31aを押し当て、前記締結部材31eに設けた孔31gを利用して、ボルトおよびナット36で締結することにより、斜張橋ケーブル3に固定されている。
【0027】
図3(a)は前記ゴムダンパー32の平面図で、図3(b)はその縦断側面図、すなわち、図3(b)の上半分は縦断面図で、下半分は側面図を示す。ゴムダンパー32は、例えば、損失係数tanδが0.30よりも大きな円環状の高減衰性ゴム32aの表裏両面に略菱形状の鋼製フランジ部材32b,32cを接着したもので、各フランジ部材32b,32cの長手方向の両端近傍に取り付け用の丸孔32dを有する。前記ケーブルフランジ31の丸孔31hの大きさおよびピッチは、この丸孔32dの大きさおよびピッチに対応している。
【0028】
図4(a)は前記調心フランジ部33の平面図を示し、図4(b)は図4(a)の一方の半環状部材の縦断側面図、すなわち、図4(b)の上1/4部分は図4(a)のA−A線に沿った縦断面図を示し、下3/4部分は、一方の半環状部材33aの側面図を示す。
【0029】
前記調心フランジ部33は、直径方向で2分割した一組の半環状部材33a,33aを組み合わせて構成されており、各半環状部材33aは、中央に半円形状の孔33bを有する半環状板部材33cの直線状端縁部近傍およびこれらと約90度の位置に、直線状端縁部と平行な3個の長孔33dを形成するとともに、前記ケーブルフランジ31の丸孔31hおよびゴムダンパー32の取り付け用の丸孔32dに挿入可能な大きさおよびピッチで、取り付け用のスタッドボルト33eを突出形成したものである。
【0030】
上記の調心フランジ部33の各スタッドボルト33eを、前記ゴムダンパー32の各フランジ部材32b,32cの丸孔32dに挿通し、さらに、ケーブルフランジ31の丸孔31hに挿通して、ナットで固定することによって、ケーブルフランジ31、ゴムダンパー32および調心フランジ部33が一体化されている。図1(a)(b)では、円周方向に等間隔(90度)で、4個のゴムダンパー32が設けられている。
【0031】
図5(a)は前記定着管(ブラケット)34の縦断側面図、すなわち、図5(a)の上半分は縦断面図で、下半分は側面図を示す。図5(b)は図5(a)の定着管34における半平面図を示す。また、図6(a)は図5(a)の定着管34におけるA−A線に沿った半横断面図、図6(b)は図5(a)の定着管34におけるB−B線に沿った半横断面図を示す。
【0032】
この定着管(ブラケット)34は、直径方向に沿って2分割した一組の半円筒形状フランジ部材34a,34aによって構成されており、各半円筒形状フランジ部材34aは、それぞれ半円筒状部材34bと、この半円筒状部材34bの軸方向の両端に溶接接合された半環状のフランジ板34c,34dとを備えるものである。
【0033】
この定着管(ブラケット)34の橋桁1(地盤基礎部)側のフランジ板34cは、周方向に複数個(図示例では3個)の円弧状の長孔34eが形成され、この長孔34eに座金37(図1参照)を介して橋桁1にアンカーボルト38(図1参照)を挿通して、橋桁1に締結固定するものであり、定着管34の取り付け位置を橋桁1に対して周方向に調節するものである。
【0034】
この定着管(ブラケット)34の調心フランジ部33側のフランジ板34dは、図5(b)に示すように、外形の中心bに対して偏心した位置aを中心として孔34fが形成してあり、この孔34fに沿うように所定の位置、すなわち、前記調心フランジ部33の長孔33dに挿入可能な位置に、複数個の調心フランジ部取付用のスタッドボルト34gを植設して備えている。
【0035】
また、この定着管(ブラケット)34は、半円筒状部材34bにおける長さ方向の中間部の外周に、周方向に連続して保護カバーのストッパとなる突起部(つば部)34hが設けてあり、直線状端縁部には締結用部材34iが溶接接合されている。この締結用部材34iには、複数のボルト締結用の丸孔34jが形成されている。また、半円筒状部材34bにおける一方側の直線状端縁部近傍の内周部には、半円筒状フランジ部材34aを位置合わせする円弧状のガイド部材34kが溶接固定されている。
【0036】
前記調心フランジ部33と定着管(ブラケット)34は、半径方向および周方向に位置を調整して定着管34を橋桁1に取り付けるものであり、ケーブル3の取り付けを容易にするとともに、初期状態で斜張橋ケーブル3に掛かる負荷を低減させて、ケーブル3の損傷防止を図るものである。
【0037】
前記定着管(ブラケット)34は、図5(b)から明らかなように、ケーブル3がケーブル挿通管39{図1(a)参照}の中心の位置からずれた位置にある場合、橋桁1側のフランジ部34cの周方向に長孔34eが形成してあることにより、定着管34を所定角度回転させて調心フランジ部33側のフランジ板34dに形成した孔34fの中心aをケーブル3の偏心の向きに合わせてアンカーボルト38で橋桁1に締結する。
【0038】
なお、この定着管34を橋桁1に締結する場合は、同時に、一組の半円筒形状フランジ部材34a,34aを、締結用部材34i,34iの間に、この締結用部材34iおよび突起部34hを合わせた形状と略同一形状のゴムパッド34m{図1(a)(b)参照}を介在して、丸孔34jにボルトを挿通してナット40で締結する。
【0039】
前記調心フランジ部33は、前述の図4(a)(b)に示すように、直径に沿って半分に分割した一組の半環状部材33a,33aで構成され、ケーブル3を充分な余裕を持って遊嵌させることができる孔33bと、前記定着管(ブラケット)34のスタッドボルト34gをスライド可能に嵌める複数の直線状の長孔33dとを有する。この長孔33dは定着管34の孔34fの偏心方向に整列させて形成したものである。調心フランジ部33は、その長孔33dに定着管34のスタッドボルト34gを挿通し、ケーブル3が調心フランジ部33の中心となるように位置を合わせてナット41で締結する。
【0040】
すなわち、このケーブル制振装置30は、ゴムダンパー32が通常のケーブル3の振動を、変形におけるその減衰域内で吸収して十分な耐久性と優れた制振機能を発揮することができるとともに、ケーブル3に異常に大きな変位が生じた場合でも、半径方向の圧縮変形に対する許容量が大きく、構造的に破損する可能性が低く、かつ、ケーブル3の異常な変位に対してはより大きな反力を発揮してケーブル3を拘束するように作用することができる。
【0041】
しかも、上記のゴムダンパー32は、環状の回転対称形状であり、その中心軸に垂直な方向であれば、どの方向からの圧縮力に対しても、同様の変形をするので、圧縮に対する方向性がなくなる。
【0042】
また、前記定着管(ブラケット)34は、その長さ方向の中間部の外周に径方向に突出する環状の突起部(つば部)34hを有するので、保護カバー13を装着したときに、この突起部34hが、保護カバー13の縮径部13cの下端部を全周にわたってストッパとして支持することができ、初期状態で保護カバー13を容易、かつ、確実に所定位置に装着することができる。また、使用時に斜張橋ケーブル3が振動しても、前記突起部34hが保護カバー13の縮径部13cのストッパとなっているので、保護カバー13が移動したり、はずれたりすることは生じない。
【0043】
なお、以上、本発明の一実施形態を説明したが、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記突起部34hは、半環状板部材を溶接接合した周方向に連続したつば部としたが、断続的な突起部としてもよい。
【0044】
上記の定着管(ブラケット)34の半円筒状部材34bおける断続的な突起部34hは、溶接接合することなく、プレス加工を用いて、切り出し加工およびせん孔加工によって形成することができる。そのようにすれば、突起部を構成する部材を別に容易する必要がなく、材料費が低減できるのみならず、突起部の溶接接合加工が不要になり、加工費を低減することもできる。
【0045】
さらに、前記定着管(ブラケット)34の地盤基礎部と接触する部分のフランジ部34c表面および/または定着管34と調芯フランジ部33の接触する部分の双方またはいずれか一方の表面および/または調芯フランジ部33とゴムダンパーフランジ部32b32cが接触する部分の双方またはいずれか一方の表面を機械加工せず、素地のままとしてもよい。このように機械加工せず、素地のままにすることによって、煩雑な加工工程を省略することができ、加工コストの低減により、ケーブル制振装置の原価低減を図ることができる。
【0046】
さらにまた、上記実施形態では、ゴムダンパー32の高減衰性ゴム32aは、環状のものを用いる場合について説明したが、その他の形状のものを用いてもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、ゴムダンパー32をケーブル3の周囲に4個配置する場合について説明したが、その配置数は、それ以外の複数個であってもよい。ただし、ケーブル3の直径方向の両側に、ゴムダンパーが配置されるようにする。そのようにすることによって、一方側のゴムダンパーが圧縮応力を受けると、他方側のゴムダンパーが引張応力を受けて、バランスがとれた制振作用を営む。
【0048】
さらに、上記の実施形態では、エクストラドーズド橋のケーブル制振装置について説明したが、斜張橋ケーブルや、吊り橋ケーブルなどの橋梁、その他に用いられるケーブルにおける制振装置として広く適用することができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明のケーブル制振装置は、直径方向に沿って2分割した一組の半円筒形状フランジ部材によって構成され、ケーブルを橋桁に固定する定着管と、該定着管とケーブルの連結部に制振部材を備え、前記連結部を覆う保護カバーを有するケーブル制振装置において、前記定着管の長さ方向中間部の外周に前記保護カバーの下端のストッパとなる突起部を備えると共に、前記定着管の端部に設けられたフランジ板と前記突起部との間に、前記一組の半円筒形状フランジ部材を締結する締結用部材を介在させたことを特徴とするものであるから、従来の直円筒状の定着管を用いるケーブル制振装置に比較して、初期状態において保護カバーを定着管の所定位置に装着できるのみならず、使用時にケーブルや橋桁の振動によって保護カバーがずれることがない。また、従来の大径円筒管および小径円筒管を環状部材を介して溶接接合した定着管を備えるケーブル制振装置に比較して、構造が簡単で、かつ製造容易であり、ケーブル制振装置を安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態に係るケーブル制振装置における軸線に垂直な縦断面図、
(b)は(a)のケーブル制振装置のA−A線に沿った半横断面図である。
【図2】(a)は本発明のケーブル制振装置におけるケーブルフランジの平面図、
(b)は(a)のケーブルフランジの半円筒体の側面図である。
【図3】(a)は本発明のケーブル制振装置におけるゴムダンパーの平面図、
(b)は(a)のゴムダンパーの縦断側面図である。
【図4】(a)は本発明のケーブル制振装置における調心フランジ部の平面図、
(b)は(a)の調心フランジ部の半環状体の縦断側面図である。
【図5】(a)は本発明のケーブル制振装置における定着管(ブラケット)の縦断側面図、
(b)は(a)の定着管(ブラケット)の半平面図である。
【図6】(a)は図5(a)の定着管(ブラケット)のA−A線に沿った半横断面図、(b)は図5(a)の定着管(ブラケット)のB−B線に沿った半横断面図である。
【図7】(a)はケーブル使用例の概略図、
(b)は(a)のケーブルにおけるケーブル制振装置の拡大縦断面図、
(c)は(b)のケーブル制振装置の拡大横断面図、
(d)は(b)のケーブル制振装置のゴムダンパー部分の拡大部分縦断面図である。
【図8】従来のケーブル制振装置の一例の拡大縦断面図である。
【図9】従来のケーブル制振装置の他の例における拡大縦断面図である。
【図10】(a)は従来のケーブル制振装置のさらに他の例の縦断面図、
(b)は(a)のケーブル制振装置におけるA−A線に沿った半横断面図である。
【符号の説明】
3 ケーブル
30 制振装置
31 ケーブルフランジ
32 ゴムダンパー
33 調心フランジ部
34 定着管(ブラケット)
34a 半円筒状フランジ部材
34b 半円筒状部材
34c,34d フランジ部
34e 円弧状の長孔
34f 半円状の孔
34g スタッドボルト
34h 突起部(つば部)
34i 締結用部材
34j 丸孔
34k ガイド部材

Claims (4)

  1. 直径方向に沿って2分割した一組の半円筒形状フランジ部材によって構成され、ケーブルを橋桁に固定する定着管と、該定着管とケーブルの連結部に制振部材を備え、前記連結部を覆う保護カバーを有するケーブル制振装置において、
    前記定着管の長さ方向中間部の外周に前記保護カバーの下端のストッパとなる突起部を備えると共に、前記定着管の端部に設けられたフランジ板と前記突起部との間に、前記一組の半円筒形状フランジ部材を締結する締結用部材を介在させたことを特徴とするケーブル制振装置。
  2. 前記突起部が、前記外周を一周する環状のつば部をなす請求項1に記載のケーブル制振装置。
  3. 前記定着管、および前記ケーブルに固定されたケーブルフランジを構成する部材を、プレス加工を用いて切り出し加工およびせん孔加工により構成してなる請求項1または2に記載のケーブル制振装置。
  4. 前記定着管と橋桁の接触する定着管フランジ部表面および/または定着管とその定着管に取り付けられた調芯フランジ部の接触する部分の双方またはいずれか一方の表面および/または調芯フランジ部とその調芯フランジ部に取り付けられた前記制振部材のフランジ部材が接触する部分の双方またはいずれか一方の表面を、機械加工せず素地のままとしてなる請求項1から3のいずれかに記載のケーブル制振装置。
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