JP4609713B2 - 陽極酸化処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、金属製被処理物の陽極酸化処理装置に関するものである。
一般的に金属製部品の陽極酸化処理は、通電を確保するため酸化処理電解液液面下において行う。例えば、アルミニウム基金属製被処理物の表面の一部に陽極酸化処理を施す場合には、被処理物の表面にアルマイト被膜を形成させない部分を確保するため、マスキング材を用いる方法が知られている。特開平07−238396号公報には、被処理物の表面に弾性材料で作られたマスキング材を取付け、アルマイト電解液の浸漬からシールドさせる方法が記載されている。また、特開平07−173672号公報には、マスキングテープを被処理物の表面に貼り付けてシーリングし、その後電解液の中に被処理物を浸漬し、陽極酸化処理を行う方法は一般的であると記載されている。
このような従来のマスキング方法では、マスキング材料の使用が必要となる一方、被処理物の表面にマスキング材を取り付けたり、外したりする工程、作業、装置、及び時間が必要となる。このため、金属製部品の陽極酸化処理の生産性が悪くなり、更に高コストとなっている。
これらの問題を改善する手段として、マスキングを行わずに金属製部品表面の一部に陽極酸化処理を施す方法として、例えば、陽極酸化処理部と非処理部の見切りを電解液の液面で分離して確保する方法が特開平11−012781号公報に記載されている。この液面境界で見切りを確保する方法は電解液を攪拌したり補充する際に発生する液面の変動によって見切りが不安定となり、確実な見切を形成できない。
特開平07−238396号公報 特開平07−173672号公報 特開平11−012781号公報
本発明は、上記の点に鑑み、マスキング材を使用せず、かつ液面界面を見切りとしない金属製部品表面の一部に金属酸化被膜を形成することができる陽極酸化処理装置を提供することを目的とする。
また、より効率的に金属酸化被膜を形成することができる陽極酸化処理装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段、作用、効果
本発明の陽極酸化処理装置は、側周面にリング状の溝部を持つ金属製の被処理物に接触し電流を通電する第1電極部と、被処理物の前記溝部に対向する噴出口を備えるノズルを有する電解液噴射手段と、電解液を前記噴出口に供給する電解液通路を有し、該電解液を前記噴出口から前記被処理物に噴射させる電解液駆動手段と、前記電解液通路の少なくとも一部を構成することで電解液に接触し、該電解液に電流を通電する第2電極部と、前記第1電極部と前記第2電極部との間に電圧を印加する通電手段と、を有することを特徴とする。
本発明の表面陽極酸化処理装置では、噴射手段の非導電性ノズルの噴出口を被処理物の被処理表面部に対向させる。そして、電解液駆動手段で電解液を噴射手段の非導電性ノズルの噴出口より噴射させ、同時に通電手段により保持手段を介して第1電極部と接触する被処理物を陽極とし、噴射手段と接触する第2電極部(陰極)との間に電圧を印加する。噴出口より噴射される電解液は被処理物の被処理表面部に当たり、噴射された電解液の噴射流が第1電極部と接触する被処理物と噴射手段と接触する第2電極部を電気的に接続し、ノズルに対向する被処理物の被処理表面部を選択的に陽極酸化して金属酸化被膜が形成される。
さらに第2電極部は噴射手段と接触して設置され、電解液通路において電解液と接する部分が設けられている。このため陽極を構成する第1電極部と接触する被処理材の表面部分と陰極を構成する第2電極部とはノズルの噴出口を持つ電解質通路を介して通電される。このため電流密度の高い陽極酸化される被処理材の表面部分はノズルの噴出口近くに限られる。噴出口から遠い電解液と接触しない表面部分は陽極酸化されない。このため本発明の表面陽極酸化装置ではマスキング材を使用しなくても目的とする表面部分に金属酸化被膜を形成することができる。
また、陽極酸化される被処理材の表面部分はノズルより常に新たな電解液が噴射されるため、通電による発熱は新たな電解液により効果的に冷却され被処理表面部の温度上昇は限られたものとなる。これによりバーニング現象等の不具合を伴うことなく、被処理物を部分的に効率よく陽極酸化処理でき、部分金属酸化被膜を形成することができる。
本発明の金属製部品の陽極酸化処理装置は、マスキング材を使用することに伴う工程及び費用を必要とせず、陽極酸化処理の工程を短縮し、生産能率の向上及び生産コストの低減を計ることが可能となる。
本発明の金属製部品の陽極酸化処理装置は、第1電極部と、電解液噴射手段と、電解液駆動手段と、第2電極部と、通電手段とを有する。
第1電極部は、被処理物に接触する導電体で構成される。
導電体としては通電性を必要とするため、通電性のよい金属製材料が好ましい。
被処理物としては、金属製で表面にリング状の溝部を持つものである。具体的にアルミニウム合金製のピストンを例示することができる。ピストンのように筒状、棒状でその外表面に外周を一周するリング状溝を持つものが好ましい。ここでアルミニウム基金属とは、アルミニウム金属およびアルミニウムに銅、亜鉛、ケイ素などの他の元素を混合した合金をも含む。ピストンでは、ピストンリング溝を区画する表面にアルマイト被膜を形成する必要があるが、ピストンの頭頂部分を除く下方部分はアルマイト被膜の形成は求められていない。
また、第1電極部は被処理物を保持する保持手段を兼ねることができる。さらに、保持手段は保持する被処理物を回転駆動させる回転手段としての回転駆動部を持つことができる。回転駆動部は、被処理物が該被処理物の軸を中心として回転するものとすることができる。また、保持手段は被処理物を、例えば着脱位置と電解処理位置に移動させる移動手段を持つものとすることができる。
電解液噴射手段は噴出口を持ち非導電材料で作られたノズルを持つ。また、この電解液噴射手段にはその電解液と接する部分が陰極を構成する第2電極部が電気的に接続されている。電解液と接する部分とは電解液を通す電体液通路を区画する部分とすることができる。噴射手段はノズルを固定する基部等を持つものとすることができる。
噴出口の形状は被処理物の被処理面に合わせた形状とすることができる。噴出口の形状は円形または楕円形が一般であるが、噴射効率を高めるために方形も好ましい。また、噴出口を持つノズルは被処理物を中心とした遠心側に被処理物の外周面に向けてリング状に複数個配置することができる。ノズルの数、噴出口の数、噴出口のサイズ等も被処理物に合わせて自由に設定することができる。
第2電極部は、電解液通路の少なくとも一部を構成し、電解液に接触するものである。第2電極部の内周面は電解液通路の一部となり、先端ノズルと連通している。また、第2電極部は通電性を必要とするため、通電性のよい金属製材料が好ましい。
アルミニウム合金製ピストンを被処理物とした場合、ノズルの噴出口径は、0.1〜0.3mmで、ノズルの数は1〜32本が好ましい。そこで、ノズルの噴出口の形状がノズル内電解液の流路の有効断面積を左右するため、噴出口より噴射される電解液の流速にも影響を与える。電解液が噴射される際、飛散しないように電解液の流速を抑えるため、被処理部の形状に合わせ、より大きい断面積を持つ噴出口を持つノズルとすることができる。円形噴出口を持つノズルに比べ、被処理物の被処理面に合わせて扁平形噴出口にした噴出口の有効断面積は大きい。例えば、円形ノズルの噴出口の直径が0.2mmで、有効断面積が0.03mm2となることに対して、扁平形ノズルの噴出口の形状が0.2×40mmで、有効断面積が8mm2となることから、ノズルの有効断面積は約260倍に増加している。
電解液駆動手段は、電解液を貯留する貯留槽と、該貯留槽と電解液通路とを接続する流入路と、流入路に配置され貯留槽から電解液通路に電解液を送出するポンプとで構成することができる。
また、電解液駆動手段には電解液を冷却させる冷却手段、及び電解液の温度を制御する温度制御手段、電解液の流量を制御する流量制御手段を設けることもできる。
また、第2電極部は電解液を収集する収集容器を組んで構成することが好ましい。収集容器は貯留槽の一部として構成することができる。収集容器は被処理物に噴射された後の電解液を収集し、電解液噴射手段に送出する。収集容器本体は上端開放の容器状のものでも、被処理物によっては密閉された容器状のものでも良い。収集容器は一個、あるいは複数個で連通設置することができる。電解液は強酸を用いる場合が多いことから、収集容器本体の材質はSUS316あるいは塩化ビニル製が好ましい。収集容器が第2電極部とは、一体的に構成されていても着脱自在に形成されていてもよい。
通電手段は、第1電極部と第2陰極部との間に電圧を印加する手段である。この通電手段は電流密度を調整できるように電流制御手段を持つものとするのが好ましい。電流制御手段は電流計、電圧計、整流器等で構成され、従来公知のものを用いることができる。
また、ノズルは、噴出口が形成されている部分が非導電材料よりなるのが好ましい。これにより、ノズルが被処理材に接触したときの電気の短絡を防止することができる。
以下、実施例に基づいて本発明の陽極酸化処理装置を詳細に説明する。本実施例の陽極酸化処理装置の機能説明図を図1に示す。この陽極酸化処理装置はアルミニウム合金製のピストンWのピストンリング溝W1を陽極酸化処理するものである。より正確にはピストンWの頂部の外周面にある頂部よりスカート部にかけて形成された3個のピストンリング溝W1、W2及びW3の内、頂部側のピストンリング溝W1を含む頂部外周面を主として陽極酸化処理するものである。
この陽極酸化処理装置は、ピストンWを保持する保持手段1と、噴射手段2と、電解槽3と、電解液駆動手段4と、通電手段5とを有する。
保持手段1はフレーム(図示せず)の上端に固定された昇降装置(図示せず)の昇降部に固定された減速モータ11と、この減速モータ11の出力軸に固定された保持軸12と、保持軸12の下端に設けられたピストンWの内周面に着脱自在に係止する係止爪(図示せず)とからなる。この係止爪にはその下端側からピストンWの内腔が覆い被さるように軸方向に挿入され、保持軸12とピストンWは同軸的となる。なお、保持軸12の軸方向中程に、後で説明する、通電手段5を構成する集電リング51が固定され、この集電リング51と図示しない係止爪とは電気的に電通し、かつ係止爪を介してピストンWに電通している。なお、集電リング51及び保持軸12は本発明の第1電極部(陽極)を構成するものである。
また、アルマイト処理を行う際、被処理物であるピストンWが保持手段1の係止爪により収集容器としての電解槽3の上方に保持されるため、ピストンWは電解槽3内に収容される電解液に接触することがない。即ち、電解液液面の変動による処理を必要としない部分をマスキング材によりカバーする必要がない。なお、電解槽3は本発明の貯留槽の一部を構成するものである。
電解液噴射手段2は、図1、図2、図3、図4、図5に示すように、基部22と、噴出口231を持つノズル23と、円筒状導電体24と、連結パイプ25から構成されている。ノズル23、円筒状導電体24、連結パイプ25には、電解液通路としての通孔232、通孔241、通孔251がそれぞれ形成されている。なお、円筒状導電体24は本発明の第2電極部(陰極)を構成するものである。連結パイプ25は本発明の流入路を構成するものである。また、本実施形態においては、ノズル23、円筒状導電体24、連結パイプ25は、電解液駆動手段の一部を構成する。
基部22は、塩化ビニル製で、方形の板状ものであり、電解槽3の底に保持されている。この基部22の上方にノズル23と導電体24が支持されている。ノズル23の噴出口231はピストンWのピストンリング溝W1に所定間隔を隔てて対向配置されている。なお、ピストンリング溝W2に対しては、ピストンリング溝W1の処理の後、保持手段1の昇降装置(図示せず)によりピストンWを下方に移動させ、ピストンリング溝W2にノズル23の噴出口231を対向させて処理するようにしてもよい。
この装置では、図3、図4に示すように、複数のノズル23をピストンWを中心として周方向に並列させることができる。具体的には、図4に示すように、ピストンWを中心とした遠心側に4個のノズル23がリング状に等間隔に配置することができる。噴出口231はピストンWのピストンリング溝W1の被処理面と平行になるように、ピストンWの中心と同軸的な弧状となっている。ノズル23の中心部には水平方向に広がる方形通路232が設けられており、この通路232の出口がノズル23の噴出口231を形成している。
また、ノズル23には、その噴出口231の反対側に開口する電解液流入口233が設けられている。このノズル23のリング状の導電体24が一体的に固定されている。この導電体24は陰極の機能を果たし、この導電体24の軸孔を流れる電解液に通電する。
導電体24は、通電性の良い、例えば、ステンレスあるいは、チタン製で、円筒形状を持つものである。導電体24はノズル23と同軸に配置され、ノズル23の後部に接触して基部22により固定されている。円筒状導電体24が持つ通孔241はノズル23の電解液流入口233と同位置にあり、円筒状導電体24が持つ通孔241と連通するようになっている。このように、通孔232、通孔241またはパイプ25が持つ通孔251により電解液通路が構成される。このため、電解液は水平方向に軸心に向かって噴射される。
電解液駆動手段4は、電解槽3から回収された電解液を貯留し、かつ冷却させる冷却槽41と、電解液を送出するポンプ43と、電解液の流量を制御する流量制御手段である流量計44と、ポンプ43から圧送される電解液を送るパイプ25とから構成されている。さらに、冷却槽41には、電解液を貯蔵するサブタンク(図示せず)と、回収された電解液を冷却する冷凍機412と、電解液の温度を制御する温度制御手段を構成する温度センサー413が設けられている。なお、冷却槽41は本発明の貯留槽の一部を構成するものである。
通電手段5は、導電体24と保持手段1で保持されるピストンWとの間に電圧を印加する手段であり、直流電源(図示せず)、電流計、電圧計、整流器(図示せず)等で構成されている。
円形噴射口231を持つノズル23が一般的に使用されているが、場合によって噴射口231を楕円形、方形にすることも可能である。さらに、噴射ノズル23の数は自由設定することができ、1個でも、複数個でも良い。さらにノズルは軸方向に複数段となるようにしても良い。
また、ノズル23が被処理面を構成するピストンリング溝W1の被処理面と接触してショートする恐れを回避するため、そして、使用する電解液が強い酸であるため、ノズル23は絶縁性かつ耐腐食性を持つ材料から造られている。電解液をノズル23からピストンWの頂部側のピストンリング溝W1を含む頂部外周面の表面に噴射される際、ピストンリング溝W1と噴射ノズル23の間に電解液が満たされ、微小電解槽が構成され電気が流れるようになる。
ノズル23の噴射口231とピストンリング溝W1との間の距離は陽極酸化処理の効果に影響する。被処理面から噴射ノズル23の噴射口231間の距離が1.0〜10.0mmであることが好ましい。
さらに、電解処理では噴出口231に面する箇所にアルマイト被膜が形成され、アルマイト被膜が部分的に不均一となる問題に対しては、ピストンWを保持する保持手段1の回転手段を構成する減速モータ11が装備されているため、ピストンWを回転しながら電解処理をすることによりアルマイト被膜を均一に形成することができる。
ピストンWの回転はアルマイト被膜を均一に形成する作用を持つが、必要以上に回転数を上げると電解液が飛散するため、回転数を10〜600rpmに設定することが好ましい。
本実施例の噴射ノズル23の噴射口231を方形形状にしたため、円形形状噴射口231を持つノズル23を使用した場合に比べ、有効断面積が増えると共に、噴射される電解液の流量を減らさずに流速を抑えることができる。即ち、過大な流速による電解液の飛散を軽減することができ、より確実なアルマイト被膜の見切り形成、部分アルマイト被膜の形成を実現することができる。
噴射ノズル23により噴射される電解液の流量は0.010〜0.5L/分を使用することができる。
なお、この陽極酸化処理装置の電解槽3は塩化ビニル製で、上端開口する容器状ものであり、さらに、電解槽3の底に受け溜まった電解液を電解液駆動手段4に回収させる回収口31が設けられている。また、この実施例では、電解液として硫酸濃度が150g/L〜600g/Lである硫酸水溶液を使用している。さらに、定電流制御による電流密度はが1〜50A/dm2で、電圧は15〜50Vである。
次に、アルミニウム基金属製部品を陽極酸化処理する際の電解液の経路を説明する。電解液駆動手段に組み込まれている冷却槽41で冷却された電解液は、流量制御手段44により流量が制御され、循環ポンプ43により、電解槽3に送られる。電解液は電解槽3に繋ぐ接続パイプ25を通じで基部22より支持された導電手段24の通孔241とノズル23の通孔232からなる電解液通路に送られ、ノズル23の噴射口231からピストンリング溝W1を含む頂部外周面に噴射される。さらに、電解液が噴射口231から噴射され、陽極酸化処理が行われた後、液の自重により下方に落下し、電解槽3の底に設けている回収口31を通じて電解液駆動手段4に回収される。電解液駆動手段4が保有する冷却手段412により冷却され、再び電解槽3に送られる。
[実験例1]
本発明の陽極酸化処理装置を用いてアルマイト処理実験を行った。本実験では、図3に示されている噴射手段2のように、噴射口231は円形である一個のノズル23を用いた。噴出口231の口径は0.3mmで、噴出口231からピストンリング溝W1までの距離は1mmで、噴射ノズル23により噴射される電解液の流量は0.01L/分である。実験結果を表1に示す。
Figure 0004609713
表1に、陽極酸化処理条件である電流密度、処理電圧、電解液流量、回転数、電解液濃度、電解液温度、アルマイト処理速度及びアルマイト膜厚のデータを示す。
なお、比較例は、従来の方法で電解液に被処理物であるピストンの先端部のみを漬けて陽極酸化処理を行ったものである。
表1により、本発明の装置によるアルミニウム基金属製ピストン先端部の陽極酸化処理を行い、アルマイト処理速度として3.2μm/分という従来方法よりも速い速度でアルマイト膜が形成できることが明らかになった。また、常に冷却された電解液をピストン先端部に噴射してアルマイト処理を行うため、バーニングなどの問題の発生は無かった。
[実験例2]
本実験では、図4に示されている噴射手段2のように、噴射口231は方形である4個のノズル23が用いられ、ピストンWを中心とした遠心側にリング状に等間隔に配置されている。噴出口231の口径は40.0×1.0mmで、噴出口231からピストンリング溝W1までの距離は1.0〜1.5mmで、噴射ノズル23により噴射される電解液の流量は1.0〜4.7L/分である。実験結果が表2に示される。
Figure 0004609713
表2に、陽極酸化処理条件である電流密度、処理電圧、電解液流量、回転数、電解液濃度、電解液温度、アルマイト処理速度及びアルマイト膜厚のデータを示す。
なお、比較例は、従来の方法で電解液に被処理物であるピストンの先端部のみを漬けて陽極酸化処理を行ったものである。
表2により、本発明の装置によるアルミニウム基金属製ピストン先端部の陽極酸化処理を行い、従来方法より高い電流密度かつ電圧を用いることができ、そして方形噴射口の採用により大きい断面積が得られ、噴射流量を大きくすることができる。その結果として、従来方法に比べ、20倍ほどの酸化処理速度を得ることができる。また、従来方法では、有効的に金属酸化被膜を冷却するための電解液温度を0℃まで制御することが必要となるのに対して、本発明の装置では、電解液温度が室温度に近い温度である15℃まで大きく改善したことが明らかである。即ち、電解液を冷却させる冷却手段に使用する電力を減すことができ、生産コストを低減することができる。
本発明の装置は、従来装置のマスキングを必要とする煩雑な工程を除去でき、アルマイト処理における生産工程をより効率化することができる。
本発明の陽極酸化処理装置の概略図である。 ノズルを含む部分の縦断面拡大図である。 円形噴出口を持つ噴射手段と被処理物との位置関係を示す水平断面図である。 方形噴出口を持つ噴射手段と被処理物との位置関係を示す水平断面図である。 ノズルの噴射口を示す側面図である。
符号の説明
1:保持手段 11:減速モータ 12:保持軸
W:被処理物(ピストン) W1:第一溝部 W2:第二溝部
W3:第三溝部 2:噴射手段 24:導電体 25.パイプ
3:電解槽 4:電解液駆動手段 41:冷却槽 412:冷却手段
413:温度制御手段 43:ポンプ 44:流量制御手段

Claims (7)

  1. 側周面にリング状の溝部を持つ金属製の被処理物に接触し電流を通電する第1電極部と、
    被処理物の前記溝部に対向する噴出口を備えるノズルを有する電解液噴射手段と、
    電解液を前記噴出口に供給する電解液通路を有し、該電解液を前記噴出口から前記被処理物に噴射させる電解液駆動手段と、
    前記電解液通路の少なくとも一部を構成することで電解液に接触し、該電解液に電流を通電する第2電極部と、
    前記第1電極部と前記第2電極部との間に電圧を印加する通電手段と、
    を有することを特徴とする陽極酸化処理装置。
  2. 前記第1電極部は、保持手段を兼ね
    保持手段は、前記被処理物を該被処理物の軸を中心として回転させる回転手段を有する請求項に記載の陽極酸化処理装置。
  3. 前記ノズルは、被処理物の軸周りに、該被処理物の外周面に前記噴出口がそれぞれ対向するように複数配置されている請求項1または2に記載の陽極酸化処理装置。
  4. 前記ノズルは、前記噴出口が前記溝部内に配置される請求項1ないしのいずれか1項に記載の陽極酸化処理装置。
  5. 前記電解液駆動手段は、電解液を貯留する貯留槽と、該貯留槽と前記電解液通路とを接続する流入路と、該流入路に配置され前記貯留槽から前記電解液通路に電解液を送出するポンプと、を有する請求項1ないしのいずれか1項に記載の陽極酸化処理装置。
  6. 前記貯留槽は、前記被処理物に噴射された後の電解液を受ける収集容器を持つ請求項に記載の陽極酸化処理装置。
  7. 前記ノズルは、前記噴出口が形成される部分が非導電材料よりなる請求項1ないしのいずれか1項に記載の陽極酸化処理装置。
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