JP4608293B2 - 手の立体計測装置及び方法 - Google Patents
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また、前腕と手首の境界についても同様に曲率を用いて求めていたが、曲率だけではその部位の推定が不正確であるという問題があった。
(1)操作性
手の位置合わせを正確に行わなくては、十分な計測を行うことができない場合があった。
また、従来はカメラの撮像画像から原点を求めていたため、基準台(透明のアクリル板)に汚れ等が付着した場合、原点が狂った位置に認識される場合があった。このような状況においては、プログラムを再起動しても汚れ等が除去されない限り再び違った位置を原点としてしまうことがあった。従って、正しい原点を設定するためには、目視でライン光の位置を確認して原点を決める作業が必要であった。
また、ミラーの駆動にステップモータを使っているため、プログラム動作中に外力によってモータが回転すると、外力による回転をコンピュータが認識できない為、それ以降の測定は正しく出来ないことがあった。
(2)安全性
レーザー光を用いた装置構成においては、レーザー光漏洩防止のための仕組みが要望されていた。
(3)計測精度
画像処理を行うために、良質の原画像を得ることができない場合があった。原因としては、手と背景画像の切り分けが難しいこと、外光の影響があることなどがある。
(4)計測速度
特許文献1の装置では、1回の測定に2〜3分の計測時間(印刷時間除く)が掛かるため、計測速度の改善が求められていた。
(1)操作性向上の仕組み
基準台(拡散板)上に凸状のストッパーを設けることにより被計測者に触覚で位置を知らせること、あるいは光センサーと基準台に基準線を引き、光センサーとの組み合わせによりずれを知らせることにより、計測位置のずれが生じないようにした。
また、操作手順を音声及び/又は画面表示ガイダンスすることで、適切な位置へ被計測物(手)を導くようにしている。
基準台の汚れによるずれについては、ライン光発生器をサーボモータで直接回転しているため、モータ自身が回転(位置)情報を有しており、このモータの回転情報から原点を求めているため、基準台の状態に左右されずに原点を求めることが出来る。また、サーボモータを用いることにより外部からの耐衝撃性を高めている。
耐衝撃性については、モータ自身が位置情報をもって位置決めしているため、外力が加わってもプログラムで指定した角度位置を保持しようとする機能があり、これによりプログラム動作中は外力によるモータ制御のずれは生じにくくなっている。
ア.ソフトウェアによるライン光路の規制
制御プログラムにより、ライン光路が観測機器外に出ないようにレーザー光路の動作範囲を制限する。
イ.ハードウエアによるレーザー光路の規制
レーザー光源と挿入孔との同一直線上に光漏洩防止板物を設け、制御プログラムの異常や設定ミスによって想定外の動作をしてもレーザー光が観測機器外に出ないようにする。
また、図2に示すように、ストッパーを設けることにより、物理的に振り角度を制限している。
透過光源としてLED(Light Emitting Diode)を拡散板と組み合わせて使用する。具体的には、LED光源の配列を、拡散板上の光輪が概ね隣接するように配置することで、光を平均化することを特徴とする。
被計測物の形状が概ね同一の場合には、被測定物の平面形状の輪郭線に沿ってLED光源を配置してもよい。また、撮像手段に光学フィルタを装着することで外乱光の影響を最小限とする。
計測ピッチを可変にすることにより計測精度の必要な部位は計測ピッチを小さくして計測密度を上げ、計測密度の必要でない部位では計測ピッチを大きくとることにより、計測時間の短縮を図ることができる。
また、計測時間を長くすることで精度を向上させるのではなく、計測精度の必要な部位のみ計測密度を上げることで計測時間を短縮しつつ精度を落とさないようにしている。
また、レーザー光を用いた装置構成においても、漏洩防止の機構を設けることにより、安全性を確保している。
さらには、従来装置と比べ計測時間を大幅に短縮することができた。
1.装置構成
まず、本発明に係る装置の基本構成を、図3〜7を用いて説明する。図3に示すように、本発明に係る装置は、被計測者に誘導アナウンスを行うための表示画面兼タッチパネル(6)と、撮像用CCDカメラ(1)(図示せず)と、被計測物を下方から照らすLED光源(37)と、拡散板(22)と、被計測物を上方から照らすラインレーザー光投光装置(37)と、投光装置駆動用のサーボモータ(8)とから構成される。また、図示していないが、被計測者に被計測物の載置状況を通知する音声出力装置(6)も有する。
上記各部材を収納する筐体(20)は、測定者の手を挿入する挿入口(21)が設けられており、筐体(20)内部には測定する手を載置する拡散板(22)が設けられており、拡散板(22)には被計測者が手の位置を決めるための凸状基準線である手首ストッパー(38)が設けられている。上記筐体(20)の上部に配置されたライン投光装置(36)は、公知のレーザー光源(例えば、株式会社オーディオテクニカ社製LM-6)であり、サーボモータ(8)により回転制御される。
本立体計測装置を制御するプログラムは、被計測者の個人情報を入力するためのパーソナルデータ入力プログラムと、レーザー光を規則通りに照射するためにモータ駆動命令を出し、計測装置の作動を制御する撮像用プログラムと、撮像された画像を形状データに変換し、計測データにもとづき必要寸法を計算し、計算結果をデータエリアに記憶させるための演算プログラムとで構成されている。
また、計測時に付加的に入力されるパーソナルデータ又は計測データに基づき、検索又は検索設定範囲内での平均、最大、最小データを計測結果に加えて蓄積することも可能である。
立体画像の撮像は、従来公知の「光切断法」(例えば、井口征士、佐藤宏介著「3次元画像計測」照晃堂)によって行う。手の各部位の推定は、従来の方法では、手の甲側の画像と三次元計測結果を用いて手の輪郭線を抽出した結果から求めていた。具体的には、手の輪郭線の曲率に注目し、曲率が大きく変化する部分が指の先や付け根であることを利用して指の位置を推定していた。また、手の付け根についても同様に曲率を用いて求めていた。しかし、本発明は、ライン光により立体計測を行い、輪郭線の抽出は拡散板の裏側からLED光源を照射した際の影を撮像したものを利用する。
次に、図9〜11により、画像の処理方法を説明する。
《平面画像の処理》
平面画像による計測にもとづく測定寸法の種類としては、各指の長さ、手長等が有り、図9上の、A、Bをあらかじめ計測しておき撮像された各ポイントが写される画像の位置からXY座標系への位置変換が行えるようにしておき、平面画像の処理は各画素の位置をXY絶対座標系に換算した平面データにしてから行う。なお、レンズの収差補正のためにはさらに多くのポイントを設けておいてもよい。また、立体画像の撮像時に、ライン光が拡散板で反射して立体計測時に計測の障害になるのを防ぐため平面撮像した後、絶対座標に変換した手の領域以外は、立体側側撮像からマスクする操作を行うことが好ましい。
立体画像の撮像にあたっては、平面画像と同じく、図10上の、A、B寸法はあらかじめ計測しておき撮像された各ポイントが写される画素の位置から基準点からのXYZ絶対座標系への位置変換が行えるようにしておく。また、平面画像の撮像の場合と同様に、レンズの収差補正のためにはさらに多くのポイントを設けておいてもよい。
図11に示すように、上記の処理をなされた平面画像と立体画像とを、以下の工程を経てデータリンクする。
(i)初期設定:板上にいくつかのポイントを置き、それがCCDカメラのどの画素に写るかをあらかじめ調べる。
(ii)画素位置対応:(i)からLED光照射時の撮像の各画素で見えている点が、ライン光照射時の撮像の各画素のどの位置で見えるかを特定できるようにしておく。
(iii)LED光照射時の画像で計測位置・箇所を特定・選択
(iv)ライン光照射時の撮像との計算により、2.5次元(それぞれの二次元位置とその高さ)を計測する。
(v)ライン光照射時の座標値とLED光源照射時の座標値の整合性を(i)(ii)による補正によりとる。
(vi)(iii)の計測位置での高さから立体形状の断面の輪郭線を出して必要寸法を得る。したがって、立体画像から計測された立体データと平面画像から計測された平面形状データ、どちらも基準点からのXY、又はXYZ絶対座標系になっているので単純にデータ合成することができる。
次に、図12のフローチャートを参考に、本発明の立体計測装置を用いて手の立体形状を計測する方法を説明する。
まず、手を置く位置に関する注意事項が、図13に示すように文字とイラストで画面上に表示され、同時に音声によるアナウンスが流れる(STEP1)。被計測者は、被計測物である手の平を拡散板上に配置する(STEP2)。このとき、図14に示すように、画面には拡散板上の手の状態がリアルタイムに表示され、被計測者は、手の位置を正しいかどうかを確認することができる(STEP3)。被計測者(または操作をする第三者)は、正しい位置に手を置いているかどうかの判断を行い(STEP4)、位置が不適切な場合は被計物である手の位置を修正する(STEP5)。手の配置位置が正しくなったら、信号入力装置は、ライン光発生器とサーボモータを制御して、上方からライン光を照射した状態で立体画像を撮像する(STEP6)。この際、サーボモータの回転ピッチは予め設定されており、精度を必要とする部分(例えば手の甲部分)は細かいピッチ(例えば0.288°)であり、精度を必要としない部分(例えば指部分)は荒いピッチ(例えば0.720°)でライン光が照射され、全体で80本のライン光による画像80枚を取得する。
本発明によれば、撮像に20〜30秒、計算に25〜30秒程度で計測を行うことができた。
以下では、本発明の実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
拡散板(22)には、基準線が引かれており、左右の光センサ(5)は被計測者の手の配置位置にずれがある場合には信号をCPUへ送信し、CPUは音声及び画面パネルに表示された画像・文字情報によって、位置の修正を促す。
上記LEDスリット投光装置(18)によると、LEDで作られた4本のスリット光(16)は反射鏡(17)によって下方に向きを変え、手に照射される。反射鏡(17)を回転させることでスリット光(16)を図15の左右方向に移動するため、手全体に対してスリット光(16)を照射することが可能となり、また、回転する反射鏡(17)を用いることによって、LED光源(13)、シリンドリカルレンズ(14)、凸レンズ(15)、反射鏡(17)、CCDカメラ(1)をほぼ同じ高さに配置することが可能となり、立体計測のための光学系がコンパクトに構成できる。
なお、本実施例では反射鏡を用いた投光装置を用いた構成例を示しているが、投光装置を直接モータ(8)で駆動させる方式としてもよい。
図16に示すように、拡散板(3)の手前(被検査者側)には、拡散板(3)より低い位置に載置場所確認用鏡(4)が設けられており、拡散板(3)上に載せた被検査者の手の拡散板(3)よりはみ出した部分を、検査者または被検査者が視認できるようになっている。
拡散板(3)上に手を載せた被検査者は、載置場所確認用鏡(4)に映し出された像を見ながら手を前後させ、掌と手首の境面が視認できる位置に合わせることにより、掌を拡散板の正確な位置に載置することができる。
なお、載置場所確認用鏡(4)は映像を視認しやすいように手前を低く傾斜させて設けるのが好ましい。
また、本発明は手又は足の立体計測のみならず、立体計測が必要な任意の被計測物に適用できる。本発明の他の適用場面としては、既に販売中止となった機械部品の複製、整形外科における義手、義足の作成、コンピュータグラフィックスの元データの収集などが例示される。
4 載置場所確認用鏡
5 光センサー
6 音声部
7 画面パネル
8 位置決め用モータ
11 CPU
12 メモリ
13 光源
14 シリンドリカルレンズ
15 凸レンズ
16 スリット光
17 反射鏡
18 スリット光投光装置
20 筐体
21 挿入孔
22 拡散板
36 ライン光投光装置
37 LED光源
38 手首ストッパー
41 光漏洩防止板
100 モノクロCCDカメラ
101 ライン
102 リニアスライダ
103 照明パネル
104 制御装置
105 パソコン
Claims (11)
- 掌側を載置する透光性の拡散板を有する基準台と、基準台の下方に配置された照明用光源と、基準台に上方からライン光を照射する投光装置と、基準台の上方に配置された撮像手段と、手の挿入孔を有する本体とを備えた手袋を製造するための手の立体計測装置であって、
基準台は、前腕と手首の境界を規定する手首係止部材を有し、
投光装置から照射角度を変えながらライン光を複数回照射して撮像手段により手の各指および甲部分を含むライン光画像を複数取得する第1の手段と、
照明用光源から照明光を照射して撮像手段により手の平面影画像を取得する第2の手段と、
前記平面影画像に基づき輪郭線情報および指部位の位置推定情報を含む手の2次元形状情報を算出する第3の手段と、
前記各ライン光画像について手の断面の輪郭線情報を算出する第4の手段と、
前記手首係止部材の位置に基づき前腕と手首の境界を算出する第5の手段と、
前記2次元形状情報および前記各輪郭線情報から手の立体計測情報を算出する第6の手段とを備えることを特徴とする手の立体計測装置。 - 前記基準台は、基準点を有する拡散板であり、基準点に基づき前記平面影画像および前記各ライン光画像を絶対座標系に変換する手段を備えることを特徴とする請求項1の手の立体計測装置。
- 前記照明用光源は、前記基準台上における光輪の外周が概ね隣接するように配置される複数のLED光源からなることを特徴とする請求項1または2の手の立体計測装置。
- 前記第1の手段は、指部分へのピッチを荒くし、その他の部分へのピッチを細かくしてライン光を照射することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの手の立体計測装置。
- 前記第4の手段は、ライン光画像から手の領域の画像のみを切り出し、当該手の領域の画像からライン光を抽出しその重心位置を求め、その重心位置から撮像手段の視線角度を求めて光切断法により高さ情報を各ライン光画像について算出することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの手の立体計測装置。
- 透光性の拡散板を有する基準台上に掌側を載置し、基準台の上方に配置された撮像手段により撮像して手袋の製造するための手の立体計測を行う方法であって、
基準台は、前腕と手首の境界を規定する手首係止部材を有し、
基準台上に載置された手に、基準台の上方に配置された投光装置から照射角度を変えながらライン光を複数回照射して撮像手段により手の各指および甲部分を含むライン光画像を複数取得する第1の工程と、
基準台の下方に配置された照明用光源から照明光を照射して撮像手段により手の平面影画像を取得する第2の工程と、
前記平面影画像に基づき輪郭線情報および指部位の位置推定情報を含む手の2次元形状情報を算出する第3の工程と、
前記各ライン光画像について手の断面の輪郭線情報を算出する第4の工程と、
前記手首係止部材の位置に基づき前腕と手首の境界を算出する第5の工程と、
前記2次元形状情報および前記各輪郭線情報から立体計測情報を算出する第6の工程を含んでなる手の立体計測方法。 - 前記基準台は、基準点を有する拡散板であり、
前記第1の工程において、前記各ライン光画像を前記基準点に基づき絶対座標系に変換し、
前記第2の工程において、前記平面影画像を前記基準点に基づき絶対座標系に変換することを特徴とする請求項6の手の立体計測方法。 - 前記照明用光源は、前記基準台上における光輪の外周が概ね隣接するように配置される複数のLED光源からなることを特徴とする請求項6または7の手の立体計測方法。
- 前記第1の工程において、指部分へのピッチを荒くし、その他の部分へのピッチを細かくしてライン光を照射することを特徴とする請求項6ないし8のいずれかの立体計測方法。
- 前記第4の工程において、ライン光画像から手の領域の画像のみを切り出し、当該手の領域の画像からライン光を抽出しその重心位置を求め、その重心位置から撮像手段の視線角度を求めて光切断法により高さ情報を各ライン光画像について算出することを特徴とする請求項6ないし9のいずれかの手の立体計測方法。
- 請求項6ないし10のいずれかの立体計測法により取得した手の立体寸法に基づき作成した手袋の型紙を用いて手袋を製造することを特徴とする手袋の製造方法。
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