JP4607727B2 - コンピュータ断層撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、平行移動(Translate)と回転(Rotate)とを組み合わせたTR方式コンピュータ断層撮影装置(TR方式CT装置)に係り、特に、被検体の断面像のデータを高速に収集できるTR方式CT装置に関する。
近年、産業製品の開発分野では、コンピュータ断層撮影装置(Computed Tomography Scanner:以下CT装置ともいう。)が用いられている。
具体的には、アルミニウム製の鋳物や陶器製品等の多数の断面像のデータをCT装置から得て、その製品を3次元画像表示する。そして、3次元画像表示した製品に対し、コンピュータを用いて種々のシミュレーションを行い、その製品の評価および解析をする。このように製品を仮想的に3次元画像表示して評価及び解析を行うことをデジタルエンジニアリングといい、CT装置はこのデジタルエンジニアリングに応用されている。
CT装置には、Rotate / Rotate(RR)方式CT装置と、Translate / Rotate(TR)方式CT装置とがある。両者のうち、デジタルエンジニアリングにおいては、寸法精度を向上させる等の観点からTR方式CT装置が利用されることが多い。
TR方式CT装置は、被検体をトランスレート(平行移動)およびステップ回転させてTRスキャン(走査)し、その被検体の断面像を得る装置である。従来のTR方式CT装置においては、例えば図15に示すように、X線管101の焦点Fから射出されるファン角θ0のファン状のX線ビーム102をN個のチャンネルを有する検出器103で検出する。ここでファン角θ0は自然数Kを用いてθ0=180°/Kに設定される。
TRスキャンは、回転テーブル105上の被検体104をトランスレートさせて、この間に一定ピッチで被検体104の透過データを収集することにより行う。これにより、各チャンネルで平行ビームの透過データを得ることができる。1トランスレートが終了したら、被検体104を回転軸Cに対してファン角θ0だけステップ回転させる。その後、逆向きにトランスレートさせる。これを繰り返して、K回のトランスレートでデータ収集するとTRスキャンが終了し、被検体を基準とする方位ψに対して180°分の平行透過データが、θ0/Nの角度ピッチで得られる。得られた透過データがフィルタ補正逆投影され、被検体の断面像が再構成される。
再構成をするためには、まず、対数変換した各平行透過データをP(ψ,t)として、トランスレートする方向(t方向)に高域強調フィルタを掛ける(図16参照)。次に、X線ビーム102に沿って仮想格子点に逆投影する。これにより、被検体の断面像が得られる。なお、透過データP(ψ,t)上の回転軸投影位置tc(回転中心)が回転軸Cに一致するように逆投影する。
以上説明したようなTR方式CT装置は、産業製品の開発に利用されることが多いため、複数種類の製品の断面像のデータを高速に収集する必要がある。なぜなら、断面像のデータの収集スピードが遅いと、デジタルエンジニアリング処理が遅れてしまい、製品開発にも遅れが生じるおそれがあるからである。
また、産業製品の開発分野では種々の製品の断面像を得るために、複数の焦点を有するTR方式CT装置が用いられることがある(例えば、特許文献1参照)。ここで、焦点とは、放射されるX線ビームを(逆方向に)辿った収束点のことである。この複数の焦点を有するTR方式CT装置は、X線を透過し難い被検体の場合や高速撮影を行いたい場合等には、大きな焦点に切り換えてX線量を増やして使用することができ、高い分解能が必要である場合には、小さな焦点に切り換えて使用することができるものである。このため、種々のニーズに沿って製品の断面像のデータを得ることができる。
特開平5−329143号公報
しかしながら、上述した特許文献1のTR方式CT装置は、X線の放射角(放射範囲)が焦点毎に変わるものである。そのため、各焦点の放射角がたがいに重なる角度範囲内に、CT装置全体のファン角を設定している。
詳しくは、図17に示すように、小焦点をFaとし、小焦点時の放射角をθaとし、大焦点をFbとし、大焦点時の放射角をθbとすると、焦点を切り換えた場合に、放射角θaとθbとにずれが生じる。そのため、検出器103で検出するX線ビーム102のファン角θ0は、焦点の切り換えに対応できるように、放射角θaとθbとの重複する範囲に設定される。
このように、従来のTR方式CT装置ではファン角θ0を大きくすることができず、被検体の断面像のデータを得るためにはトランスレートの回数を多くする必要がある。それゆえ、トランスレートの回数が多いと、被検体の断面像のデータを収集するのに時間がかかってしまう。
本発明の目的は、被検体の断面像のデータを高速に収集できる複数の焦点を有するTR方式CT装置を提供することにある。
本発明によれば、発生するX線ビームの焦点を指定した大きさに変えて被検体に放射するX線量を変える事ができるX線源と、前記被検体を透過したX線ビームを検出する検出手段と、前記被検体と該X線ビームとを相対的に回転させる回転手段と、前記回転手段により回転させられる面に沿って前記被検体とX線ビームとを相対的に平行移動させる平行移動手段と、前記平行移動とステップ状の前記回転とを交互に繰り返すTRスキャンにおいて、前記平行移動がなされる度に、前記検出手段により多数の位置で前記X線ビームを検出して得る被検体の透過率を示す透過データに基づいて被検体の断面像を得る再構成手段とを備えたコンピュータ断層撮影装置であって、前記再構成手段は、前記焦点の大きさが変更された場合に、変更された焦点の大きさに応じ、前記平行移動の方向において前記透過データを使用する範囲を変えると共に前記ステップ状の回転の回転角度を超える透過データを使用して該被検体の断面像データを得るコンピュータ断層撮影装置である
<用語>
なお、「焦点」とは、X線管から放射されるX線ビームを逆方向に辿った収束点のことをいう。
また、「再構成処理」とは、X線の透過データから被検体の断面像のデータを得る処理のことをいう。
本発明によれば、被検体の断面像のデータを高速に収集できる複数の焦点を有するTR方式CT装置を提供することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
(1−1.構成)
図1は本発明の第1の実施形態に係るTR方式CT装置10とその制御装置20との構成を示す模式図である。図2はTR方式CT装置10の側面図である。
TR方式CT装置10は、X線管11とスリット12・検出器13・機構部14とを備える。
X線管11は、被検体5を撮影する撮影面Sに沿って、被検体5にX線ビームLを射出するものである。射出されたX線ビームLは、被検体5を透過して検出器13に到達する。
X線ビームLaとLbは、小焦点Faと大焦点Fbのそれぞれから射出される。ここで、「焦点」とは、X線管11から放射されるX線ビームを逆方向に辿った収束点のことをいい、フィラメント等の電子線発生手段から発生した電子が衝突するとX線を発生するターゲット上のX線発生点がこれに該当する。
なお、小焦点Faと大焦点Fbの名称は、それぞれについて相対的な焦点の大きさを表したものである。すなわち、小焦点Faは、大焦点Fbに比して、焦点の面積が小さい。そのため、小焦点FaによりTRスキャンを実行すると、大焦点Fbの場合に比して、X線量は小量であるが、高分解能のデータを取得できる。
また、X線管11の焦点は、後述するX線制御部23により切り換えられる。X線管11の焦点が切り換えられると焦点の位置は変化する。ただし、ここでは、X線管11の焦点が切り換えられたとしても、X線ビームLの射出面(=撮影面S)に沿って焦点がずれるようにX線管11が配置されている。
また、X線ビームLの空間的な広がりは、X線管11の開口で制限を受ける。そのため、焦点の位置がずれると、放射範囲もずれる。具体的には、小焦点FaからはX線ビームLaが放射角θaで放射され、大焦点FbからはX線ビームLbが放射角θbで放射される。
スリット12は、X線管11から射出されるX線ビームの厚さを絞るためのものである。これにより、無駄なX線が被検体5に照射されないようになる。
検出器13は、X線管11と対向して配置されるX線検出器である。詳しくは、X線管11から射出されたX線ビームLを検出するための複数のチャンネル13A〜13Nを備えている。このN個のチャンネルにより撮影面Sに対する1次元の透過データI(N)を得ることができる。
機構部14は、被検体5をTRスキャンするための回転テーブル14Aを備える。
回転テーブル14Aは、被検体5が載置される台である。機構部14は、この回転テーブル14AをX線ビームLの撮影面Sに沿って回転させる。さらに、その回転軸Cと共に平行移動させることにより、被検体5を撮影面Sに対して平行移動および回転させることができる。
さらに、機構部14は、回転テーブル14Aを昇降させることができる。これにより、被検体5の撮影部位をX線ビームの面(撮影面S)に合せることができる。
なお、機構部14および回転テーブル14Aの移動は、後述する機構制御部22により制御される。
制御装置20は、入力部21と機構制御部22・X線制御部23・スキャン条件設定部24・チャンネル設定部25・データ収集部26・記憶部27・抽出部28・作成部29・出力部30とを備える。
なお、制御装置20は、ハードウェア構成で実現可能であり、またはハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせとしても実現可能となっている。後者の場合、ソフトウェア構成は、予めコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又はネットワークから得られたプログラムがコンピュータにインストールされることにより、制御装置20としての各機能が実現される。ハードウェア構成の例としては、CPUやメモリ・ディスク・キーボード・各種インターフェース等が挙げられる。
入力部21は、焦点選択データやスキャン範囲データ・スキャン速度データ・回転軸投影位置データ等を入力したり選択したりすることができるものである。また、回転テーブルの位置情報を入力したり、TRスキャンの開始をTR方式CT装置10に実行させるスキャン開始指令を入力したりすることができるものである。例えば、TR方式CT装置10の焦点を、小焦点Faとするのか大焦点Fbとするのかを入力部21により選択することができる。選択された焦点を示す焦点選択データはX線制御部23に送出される。また、スキャン範囲やスキャン速度を示すスキャン条件データはスキャン条件設定部24に送出される。回転軸投影位置データは記憶部27に送出される。スキャン開始指令は機構制御部22とX線制御部23とに送出される。
機構制御部22は、入力部21からスキャン開始指令を受けると、機構部14を制御して、TRスキャンを実行するものである。すなわち、機構部14の動作位置の信号等(エンコーダパルス等)を入力部21から受けて、回転テーブル14A等の位置を制御する。
X線制御部23は、入力部21から送出された焦点選択データに基づいてX線管11の焦点を選択し、焦点の切り換えを制御するものである。すなわち、入力部21からの指令に基づいて小焦点Faか大焦点Fbかの切り換えを行う。また、入力部21によりスキャン開始指令が入力されると、X線管11の管電流および管電圧を制御して、X線放射の開始および停止等を行う。
スキャン条件設定部24は、TRスキャンのスキャン範囲Bやスキャン速度を設定するためのものである。スキャン範囲Bは、回転テーブル14Aの回転軸Cを中心とする円形領域内の範囲であり、予め何段階かに定められている。例えば、直径の大きさに応じて、S(小)・M(中)・L(大)の3段階に定められている。TRスキャンをする際には、回転テーブル14Aに載置される被検体5の大きさにあわせて、このスキャン範囲Bを設定する。このように設定されたスキャン範囲やスキャン速度を示すスキャン条件データは、抽出部28に送出される。
チャンネル設定部25は、X線制御部23により制御されて選択される焦点に対応する検出器13のチャンネルを設定するものである。
ここで、検出器13のチャンネル13A〜13Nで、被検体5を透過するX線の透過データのうち使用する透過データが得られるチャンネルはX線管11の焦点毎に異なる。例えば、図3に示すように、小焦点Faのチャンネルの範囲は13a1〜13an(∈13A〜13N)となり、大焦点Fbのチャンネルの範囲は13b1〜13bm(∈13A〜13N)となる。そこで、チャンネル設定部25には焦点毎に使用するチャンネルの範囲を示すチャンネル範囲データが予め設定されており、焦点が選択された場合には、選択された焦点に対応するチャンネル範囲データをデータ収集部26に送出する。
なお、この検出器13のチャンネル範囲データは以下のようにして設定する。まず、小焦点Faと大焦点FbとのそれぞれによりX線を射出する。続いて、検出器13に射出されたX線を検出するチャンネルを焦点毎にそれぞれ調査する。そして、このX線を検出したチャンネル範囲の内側に使用するチャンネル範囲を設定し、この両端をチャンネル範囲データとして焦点毎に設定する。
また、小焦点Faおよび大焦点Fbにおいて設定されるチャンネルの範囲は、ともにX線ビームのファン角θ0の同一角度を検出するように設定する。ファン角θ0はKを自然数とすると、θ0=180°/Kとなる角度である。
なお、チャンネルの設定は一度しておけば、X線管11の交換等をしない限り、再設定する必要がない。すなわち、同じチャンネル範囲データを用いて、何度もTRスキャンを実行できる。
データ収集部26は、チャンネル13A〜13Nから被検体5のデータを収集するものである。被検体5のデータを収集すると、チャンネル設定部25により設定されたチャンネルの範囲(13a1〜13an又は13b1〜13bm)に該当する被検体5のデータを作成部29に送出する。(あるいは全チャンネル13A〜13Nのデータを作成部29に送出し、作成部29が設定されたチャンネル範囲のみのデータから断面像データを作成する。)
記憶部27は、平行移動における回転軸Cの検出器13への投影位置のデータである「回転軸投影位置データ」を予め記憶しているものである。この回転軸投影位置データにより、回転テーブルの回転中心Cの誤差を補正することができる。回転テーブルの回転中心Cの誤差は、TRスキャンのスキャン範囲およびスキャン速度により変化するため、回転軸投影位置データは、X線管11の焦点・スキャン範囲・スキャン速度の組に対して設定される。詳しくは、記憶部27に記憶された焦点選択データおよびスキャン条件データのそれぞれにはIDが付与されており、これらのIDの組み合わせに応じて一義的に回転軸投影位置データが特定される。
ここで、記憶部27では、チャンネルの範囲(13A〜13N)において、センター(真中)のチャンネルにおける回転軸投影位置データ(tcc)を記憶する。特に、TRスキャンの平行移動における往路と復路とのそれぞれのセンターのチャンネルにおける回転軸投影位置データ(tccf・tccb)を記憶する。センターチャンネルのみ記憶する理由は、センターのチャンネル以外の回転軸投影位置は、センターのチャンネルの回転軸投影位置tccから幾何学的に求めることができるからである。詳しくは後述する方法により求める。
抽出部28は、焦点・スキャン範囲・スキャン速度に対応する回転軸投影位置データを記憶部27から抽出するものである。また、抽出した回転軸投影位置データを作成部29に送出する。
作成部29は、データ収集部26から送られたデータであって、チャンネル設定部で設定されたチャンネル範囲の被検体5のデータと、抽出部28により抽出された回転軸投影位置データとに基づいてデータを再構成処理し、被検体5の断面像データを作成するものである。また、作成した断面像データを出力部30に送出する。
出力部30は、作成部29により作成された被検体5の断面像データを出力するものである。ここでは、通常のディスプレイ等により被検体5の断面像が表示される。
(1−2.動作)
次に、本実施形態におけるTR方式CT装置10および制御装置20の動作を説明する。
(1−2−1.初期設定)
制御装置20は回転軸投影位置データに基づいて、被検体の断面像データを再構成処理する。そこで、TRスキャンを実行する前提として、回転軸投影位置データの初期設定を行う必要がある。
初期設定に際し、ここでは、平行移動(translate)の読み取り値をx(mm)とし、データ収集ピッチを△xとし、収集点番号をtとする(図5参照)。
まず、較正用ピンRを平行移動させて、収集開始点xstからΔxおきにt=0〜T−1のデータ(T個)を収集する。これにより、X線を検出するチャンネル毎にT個の透過データが収集される。チャンネル番号をnとすれば、透過データはチャンネルと収集点番号による配列I(n,t)で表される。なお、較正用のファントム(試験用の被検体)としては、図4に示すような細い円柱状の較正用ピンRを用いることができる。
ここで、透過データI(n,t)における回転軸投影位置tcは、n個のチャンネル毎に異なるものである。そのため、透過データI(n,t)毎に回転中心のずれを補正する必要があり、全てのチャンネルから検出した透過データに対して回転軸投影位置データが必要となる。しかし、使用するチャンネルのうちセンター(真中)のチャンネル以外のチャンネルにおける回転軸投影位置は、センターのチャンネルの回転軸投影位置から幾何学的に求めることができる。このため、回転軸投影位置データを記憶するための負荷を軽減することができる。
詳しくは、図5に示すように、センターのチャンネルでの回転軸投影位置をtccとし、焦点Fと回転軸Cの軌跡との距離をFCDとし、n番目のチャンネルのセット角をθ(n)とすると、n番目のチャンネルでの回転軸投影位置tc(n)は、以下の(1)式で求めることができる。
tc(n)=tcc+FCD・tan(θ(n))/△x ……(1)
そして、このtc(n)の回転軸投影位置データを用いることにより、回転中心のずれを補正することができる。
なお、センターのチャンネルにおける回転軸投影位置tccは、平行移動における往路と復路とで異なる回転軸投影位置データを用いる。
そこで、初期設定として、往路と復路との回転軸投影位置をそれぞれtccf・tccbとする回転軸投影位置データを予め記憶部27に記憶しておく。
なお、具体的なtccの決め方としては、適当なtccを設定し、較正用ピンを被検体としてTRスキャンし、断面像を得、このピンの断面像が正常になるまでtccを変えてTRスキャンをくりかえす方法が用いられる。
(1−2−2.TRスキャン)
初期設定の終了後、TR方式CT装置10によりTRスキャンを実行することができる。具体的には、図6に示すフローチャートの手順に従いTRスキャンを実行することができる。
まず、操作者は被検体5を回転テーブル14Aに載置する(S1)。そして、入力部21により入力した情報に基づいて、機構制御部22が回転テーブル14Aを昇降する。これにより、被検体5の撮影部位が撮影面Sに調節される。
続いて、入力部21により入力した情報に基づいて、焦点を小焦点Faとするか大焦点Fbとするかが選択される(S2)。また、スキャン範囲およびスキャン速度も設定される。例えば、スキャン範囲Bの直径がS・M・Lの中から選択される。
次に、TRスキャンの開始指令が実行される(S3)。これにより、機構制御部22が回転テーブル14Aを制御し、X線制御部23がX線管11を制御して、TRスキャンを開始する。
TRスキャンが開始されると、まず、平行移動とデータ収集が行なわれる(S4)。この際、被検体5を載せた回転テーブル14Aが片道平行移動され、この時選択されたスキャン範囲Bの直径がX線ビームを完全に横切るように制御される。
この平行移動中に、データ収集部26により、予め決められた検出開始点xstから所定のピッチΔxおきに各チャンネルnごとに所定点数分の被検体5の透過データI(n,t)が収集される(S4)。
次に、K回の平行移動が終わったかが判定され(S5)、終わっていない場合はファン角θ0のステップ回転を行ない(S6)、さらに(逆方向の片道の)平行移動とデータ収集(S4)を繰り返す。
ステップS5でK回の平行移動が終わったと判定された場合は、TRスキャン終了と判断され、断面像データ作成(S7)へ進む。
次に、収集された透過データI(n,t)に基づいて、被検体5の断面像データが作成部29により作成される(S7)。小焦点Faの場合は、チャンネル13a1〜13anの検出データを用いて断面像が再構成される。大焦点Fbの場合は、チャンネル13b1〜13bmの検出データを用いて断面像が再構成される。
また、再構成処理に際しては、回転中心のずれを補正した断面像データが作成される。具体的には、作成部29において、n番目のチャンネルでの回転軸投影位置tc(n)のデータを用いて回転中心のずれが補正される。そして、補正した断面像のデータが出力部30に送出される。
続いて、この補正された断面像データが出力部30により出力表示される(S8)。
(1−3.効果)
以上説明したように、本実施形態に係るTR方式CT装置10は、複数の焦点を切換自在に有するX線管11と、複数のチャンネル13A〜13Nからなる検出器13と、被検体5をTRスキャンするために、被検体5と撮影面Sとを相対的に平行移動および回転させるための回転テーブル14Aとを備えている。また、制御装置20は、X線管11の焦点を制御して選択するX線制御部23と、TRスキャンの条件を設定するスキャン条件設定部24と、選択された焦点に対応するチャンネルを設定するチャンネル設定部25と、検出器13からの被検体5のデータを収集するデータ収集部26と、収集された被検体5のデータのうちチャンネル設定部25により設定されたチャンネルのデータに基づいて、被検体5の断面像データを作成する作成部29とを備えている。すなわち、制御装置20を用いることにより、最適なファン角θ0を焦点毎に方向を変えて設定して、被検体の透過データをTR方式CT装置10から収集することができる。これにより、複数の焦点を有するTR方式CT装置10の焦点を切り換えてもファン角θ0を大きくすることができので、被検体5の断面像のデータを高速に収集することができる。
また、本実施形態に係る制御装置20においては、回転軸投影位置データを予め記憶する記憶部27と、回転軸投影位置データを記憶部27から抽出する抽出部28とを備え、作成部29は、データ収集部26により収集された被検体5のデータと、抽出部28により抽出された回転軸投影位置データとに基づいて、被検体5の補正した断面像データを作成するので、アーチファクトを低減することができ、高品質な断面像を得ることができる。
また、本実施形態では、焦点サイズごとに方向を変えてファン角θ0を設定する。これに対し、従来は放射角θaとθbとの重複部を超えないようにファン角θ0を設定していた。すなわち、本実施形態では、焦点FaとFbとのそれぞれの放射角θaとθbとを超えないようにθ0を決めることができ、従来に比して明らかにθ0を大きくすることができる。具体例としては、従来のファン角θ0=30°において平行移動回数は6回となっていた。これに対し、本実施形態では、θ0を30°から36°に変更することができ、θ0=36°で平行移動回数を5回にできる。これにより、スキャン速度を上げることが可能となる。
また、本実施形態によれば、焦点を変更して焦点位置がずれても、透過データI(n,t)中の回転軸の投影位置に対応するデータ位置tc(n)をそれぞれの焦点で較正した値に変更して被検体5の断面像のデータを得ることができる。このため、焦点位置が変わらないようにX線管11を移動させて調整することを不要とする。
なお、本実施形態においては、大小2点の焦点の切り換えをしているが、もっと多数の焦点を切り換えることが可能なX線管11を用いることもできる。
また、本実施形態においては、TRスキャン時にデータ収集部26は全チャンネルからデータを収集しているが、設定されたチャンネル範囲のデータのみを収集するようにしてもよい。
また、本実施形態では、較正用ピンRの断面像が正常になるように回転軸投影位置を調整している。これに対し、断面像を求めずに、補正用ピンRの透過データから直接調整することもできる。例えば、較正用ピンRは必ずしも回転軸に合ってはいないので、回転角0°と180°の2ヶ所で、それぞれ平行移動しながら較正用ピンRのセンターのチャンネルでの投影位置を求めて、平均して回転軸投影位置データ(tcc)を求める。そして、この平均した回転軸投影位置データを調整値として用いても良い。または、各チャンネルでそれぞれ、0°と180°での較正用ピンRの投影位置を求め、これを平均して、回転軸投影位置データtc(n)を計算して調整値として記憶してもよい。
また、本実施形態において、被検体5を平行移動および回転させてTRスキャンを実行するが、X線ビームと被検体とが相対的に等価な動きをすればよい。例えば、X線管11と検出器13を一体で平行移動および回転させてもよい。
また、本実施形態で、TRスキャンは180°方向の透過データから断面像を得るハーフスキャンであるが、2×180°のフルスキャンや、4×180°のダブルフルスキャンなどを実行してもよい。
<第2の実施形態>
図7は本発明の第2の実施形態に係るTR方式CT装置10とその制御装置20Sの構成を示す模式図である。なお、既に説明した部分と同一部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する。また、以下の各実施形態も同様にして重複した説明を省略する。
本実施形態では、被検体5の断面像データを、回転軸投影位置データにより補正して求めるのではなく、TRスキャンにおける平行移動時の検出開始点xstの位置を補正することにより求めている(図5参照)。
データ収集部26Sは、後述する抽出部28Sにより抽出された検出開始点データに基づいて、各平行移動中にデータ収集を開始する。
記憶部27Sは、焦点・スキャン範囲・スキャン速度の組ごとに断面像のデータが最良となる検出開始点を記憶する。具体的には、TRスキャンの平行移動における往路と復路とのそれぞれの検出開始点xstf・xstbを示す検出開始点データを記憶する。
抽出部28Sは、焦点・スキャン範囲・スキャン速度によりTRスキャンの平行移動における往路と復路との検出開始点xstを記憶部27Sから抽出する。そして、その抽出した検出開始点データをデータ収集部26Sに送出する。
次に、本実施形態に係る制御装置20Sの動作を説明する。
初期設定は、焦点・スキャン範囲・スキャン速度の組ごとに較正用ピンをTRスキャンして、このピンの断面像が正常になるように平行移動における検出開始点を調整することにより行う。平行移動の往路と復路の検出開始点を変えながら調整して、往路と復路のそれぞれで最良の検出開始点xstfとxstbを決定し、記憶部27Sに記憶する。
TRスキャンは、第1の実施形態と同様にして行う。TRスキャン中に、データ収集部26Sは、入力部21Sから入力する平行移動位置の信号を受け、この信号が抽出部28Sにより予め設定された検出開始点xstに一致した時、被検体5の透過データI(n,t)を収集開始し、ピッチΔxごとに所定数Tのデータを収集する。そして、作成部29Sは、データ収集部26Sにより収集された被検体5のデータのうちチャンネル設定部25Sにより設定されたチャンネルのデータに基づいて、被検体5の補正した断面像データを作成する。
以上説明したように、本実施形態に係る制御装置20Sは、平行移動における回転軸Cの投影位置を補正するためのデータであって、平行移動における検出開始点を示すデータを予め記憶する記憶部27Sと、選択された焦点・スキャン範囲・スキャン速度に対応する検出開始点を抽出する抽出部28Sと、抽出された検出開始点に基づいてデータ収集を開始するデータ収集部26Sとを備えた構成により、回転軸投影位置tccに一定の値を用いることができる。これにより、計算上のtc(n)は変えずに、回転軸の投影位置を変えて計算値tc(n)に合せることができる。
これにより、焦点を変更して焦点位置がずれても、透過データI(n,t)中の回転軸の投影位置を、予め定めた一定値tc(n)にすることができる。このため、焦点位置が変わらないようにX線管11を移動させて調整することを不要とすることができる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、TRスキャンの時間的に隣り合う(すなわち回転角が隣り合う)2つの平行移動間で、被検体5を基準とするビームの方位ψを重複させた透過データを検出して断面像データを作成する。
図8は第3の実施形態に係る断面像データの作成方法を説明するための図である。
本形態では、TRスキャン中のステップ回転の角度であるファン角θ0を超える放射角θ0+2・βのX線ビームの検出データが断面像データ作成に使用される。
すなわち、機構制御部22Tは、回転テーブル14Aを、X線管11から射出されるX線ビームの使用する放射角θ0+2・βより小さい角度θ0で回転させる。
図9は被検体を基準とするビーム方位ψの重複を示す図である。
時間的に隣り合う平行移動間では使用するビーム方位ψが2・βだけ重複する。換言すれば、TRスキャンの際、前回の平行移動と、ステップ状の回転後の今回の平行移動とでは、被検体を基準とするX線ビームの方位が重複する部分がある。これにより、重複部では同一方位が異なるチャンネルで検出される。
作成部29Tは、TRスキャンで得られる、隣接する平行移動間で方位が重複する被検体5の検出データに基づいて、当該部位の断面像データを作成する。
ここで、作成部29Tでは、この重複部分に対して、ウエイトW0(θ)を掛けてから逆投影を行い再構成処理する。ウエイトW0(θ)は、例えば図10に示すような関数であり、X線ビームの回転の面に沿った方向θの関数である。ここでは、ウエイトW0(θ)は使用範囲の両端の2・βで1から0に直線的に減少するものを用いる。ウエイトW0(θ)は、図10のように、小焦点と大焦点で異なるものを用いることで放射角のずれに対応できる。さらに、重複部で一方から他方に滑らかに繋がるウエイトを掛けて、この重複が補正され、ψ方向のデータが滑らかに繋がる。
すなわち、トポロジーを考慮しながら、ψでの各重複部で、重複ウエイトの加算が1になるようなウエイトを掛けることにより、1つの平行移動によるデータ範囲の両端部におけるデータの継ぎ目で、異なる時間と状態で収集されたデータが隣り合うことにより生じるψ方向の段差を平滑化して断面像を得ることができる。なお、ウエイトとは、TRスキャンにおいてステップ回転の前後で異なるチャンネルにより被検体5の同一方位のデータを収集した場合に、それらのチャンネルのデータを加重平均するために掛け合わせる加重値である。
なお、1つの平行移動データごとのそれぞれにウエイトを掛けて逆投影を行っても、ウエイトを掛けたデータを平行移動間で、加算してψに対して1系統のデータにしてから逆投影しても、数学的に等価である。
また、ウエイトW0(θ)は図10に示すものには限られない。例えば、図11に示すのは、(1つの焦点サイズに対する)最も一般的なウエイトである。これは、平行移動毎のウエイトW0(θ)をステップ回転ずつずらして重ねたものである。横軸は被検体基準の方位ψである。ここで、180°離れたψは同じ透過方位になる。そのため、ψはトポロジーとして180°のリングと考えられる。ウエイトは、各重複部で、それぞれのウエイトを加算して1になりさえすればよい。すなわち、曲線でも、図11のようにβとβ'が異なっていてもよく、平行移動ごとにW0(θ)が異なっていてもよい。ここでは、トポロジーから、重複部分は最後の平行移動と最初の平行移動の間の重複も含む。さらに、ψでの重複ウエイトの加算が1になりさえすれば、ステップ回転θ0は180°の整数分の1である必要はない。また、必ずしも毎回同じでなくてもよい。なお、以上のウエイト設定およびステップ回転設定は、異なる焦点間で全く独立に設定可能である。
以上説明したように本実施形態に係る制御装置20Tによれば、機構制御部22Tは、回転テーブル14Aを、X線管11から射出されるX線ビームの使用する放射角より小さい角度で回転させ、作成部29Tは、TRスキャンで得られる、隣接する平行移動間で方位が重複する被検体5のデータに基づいて、被検体5の断面像データを作成するので、隣接する平行移動間のデータ継ぎ目によるアーチファクトを低減でき、高品質な断面像が得られる。
なお、作成部29Tにおいては、ステップ回転角であるファン角θ0を超える範囲の透過データを使用し、隣接する平行移動間の透過データがψ方向にスムーズに繋がるようウエイトを掛ける以外の平滑化をおこなってから再構成処理することもできる。
<第4の実施形態>
本実施形態による検出器13は、X線ビームLを、撮影面Sの両面に沿って個別に検出する。
本実施形態に係る検出器13は、図12〜14に構造を示すように、X線管11から射出されたファン状のX線ビームを検出するものである。
ここで、図12は放射線検出器の外観斜視図であり、図13(A)は正面図、図13(B)はA−A´断面図、図13(C)はB−B´断面図である。また、図14(A)は凹部の拡大図、図14(B)はC−C´断面図、図14(C)はD−D´断面図である。
この検出器13は、機構部14の一部である検出器ベース14Z上に並べられた同一構造の検出器ユニット13Zが多数集合したものである。ただし、図12〜図14においては、説明を簡単にするため、1つの検出器ユニットのみを例示する。また、検出器ユニットのチャンネル数を4としているが、通常はより多くのチャンネル数を用いる。なお、検出器ユニットは、放射線ビームの焦点Fを中心として円弧状に配置しても良く、直線状に配置しても良い。
検出器ユニット13Zは、図13(A)に示すように、検出器ベース14Zの上に設置されたL字状のユニットベース139と、このユニットベース139に取り付けられたチャンネルコリメータ131と、チャンネルコリメータ131の後ろに配置されるようにユニットベース139に取り付けられた2列のチャンネル列133A・133Bとを備えている。
チャンネルコリメータ131は、X線ビームLと対向する位置に配置され、当該X線ビームLが通過して射出される側の射出側面Gであって撮影面Sに沿った位置に凹部131Aを有するものである。また、チャンネルコリメータ131は、ユニットベース139に多数取り付けられており、スリット131Bを形成している。
スリット131Bは、チャンネルコリメータ131間の隙間であり、各チャンネルに対応するX線通路である。このスリット131Bは、X線の焦点Fの方向を向くようにユニットベース139上に密に配置される。
凹部131Aは、チャンネル列133A・133Bの位置合せのために列セパレータ132と係合する部分である。これにより、列セパレータ132の面を撮影面Sに一致させることができる。この凹部131Aは、チャンネルコリメータ131の撮影面Sの位置(高さh)に加工されている。
列セパレータ132は、射出側面Gと対向する位置に、凹部131Aと係合するように配置される平面状の板である。ここでは、厚さ0.2mmのタングステンの板が用いられる。列セパレータ132の表面は、シンチレータ134の光を反射する反射処理が施されている。
チャンネル列133Aは、シンチレータ134の列であるシンチレータブロック134Aに対し、光検出素子列135Aを接着したもので、1つのシンチレータ134と対応する光検出素子が1つのX線の検出チャンネルを成す。チャンネル列133Bも同様の構成である。そして、チャンネル列133A・133Bは列セパレータ132を介し撮影面Sに沿って設けられる(図13(A)・(C)参照)。
このようにチャンネル列が2列であるので、撮影面Sに沿って、ファン角θ0にわたりあるいはそれ以上にわたり2列のデータを得ることができる。
シンチレータブロック134A・134Bは、1枚の列セパレータ132の上面及び下面に、多数のシンチレータ134が列状に接着されたものである。このシンチレータブロック134A・134Bは、下側の光検出素子列135Bを介して、金具136Aとねじ136Bにより、L字状のユニットベース139に固定されている。
このとき列セパレータ132の突出部が凹部131Aに係合されるように、シンチレータブロック134A・134Bの位置が固定される。これにより、シンチレータブロック134A・134Bの側面とチャンネルコリメータ131の側面とが段差が無いように配置されるため、スリット131Bを通ったX線ビームLは、シンチレータ134が配置された位置に精度良く入射される。
また、各シンチレータ134の間には、チャンネルセパレータ137が接着されている。さらに、シンチレータ134とチャンネルセパレータ137との間には、シンチレータ134の光を反射する図示しない反射層がある。
光検出素子列135A・135Bは、1つのシンチレータ134に1つの素子が対応することにより光を検出するものであり、シンチレータブロック134Aの上面及び134Bの下面に設けられている。チャンネルコリメータ131の各スリット131Bを通過したX線ビームLはそれぞれ、シンチレータ134を発光させ、シンチレータブロック134A・134Bの発光はそれぞれ、光検出素子列135A・135Bで測定される。
光検出素子列135A・135Bの出力は、図示されていない回路部分で増幅・積分・マルチプレックス・デジタル変換を受けデータ収集部26へ送出される。
以上説明したように、本実施形態においては、2次元分解能の検出器13を用いている。
すなわち、X線ビームに沿ったチャンネル列を、これと直交する方向に複数列並べた2次元の検出器を用いている。これにより、1回のTRスキャンで複数(2枚)の断面像を得ることができる。
なお、2次元分解能の検出器としては、上述した構成の検出器に限られることはなく、たとえば、X線I.I.とテレビカメラの組合せによる検出器や、2次元光センサ上にシンチレータを接着した検出器、また、2次元半導体X線検出器のようなものでもよい。
また、列数が多い場合は、コーンビーム用の再構成法(L.A.Feldkamp,L.C.Davis and J.W.Kress, Practical cone-beam algorithm, J.Opt.Soc.Am.A/Vol.1,No.6/June1984)を用いることにより断面像の品質を向上することもできる。
<その他>
なお、上記実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク・ハードディスクなど)・光ディスク(CD−ROM・DVDなど)・光磁気ディスク(MO)・半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することもできる。
また、この記憶媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であっても良い。
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)やデータベース管理ソフト・ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が上記実施形態を実現するための各処理の一部を実行しても良い。
さらに、本発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から上記実施形態における処理が実行される場合も本発明における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何れの構成であっても良い。
尚、本発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、上記実施形態における各処理を実行するものであって、パソコン等の1つの装置からなる構成であっても良く、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の構成であっても良い。
また、本発明におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置やマイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器や装置を総称している。
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に構成要素を適宜組み合わせてもよい。
図1は本発明の第1の実施形態に係るTR方式CT装置10とその制御装置20との構成を示す模式図である。 同実施形態に係るTR方式CT装置10の側面図である。 同実施形態に係るX線管11の焦点毎に使用するチャンネルの範囲を示す図である。 同実施形態に係る較正用ピンRの形状を示す図である。 同実施形態に係る回転軸投影位置tc(n)の計算を説明するための図である。 同実施形態に係るTRスキャンの実行手順を示すためのフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るTR方式CT装置10Sとその制御装置20Sの構成を示す模式図である。 本発明の第3の実施形態に係るTRスキャンを説明するための図である。 同実施形態に係る被検体を基準とするビーム方位ψの重複を示す図である。 同実施形態に係るウエイトW0(θ)を説明するための図である。 同実施形態に係るウエイトの最も一般的な例を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る検出器13の外観斜視図である。 同実施形態に係る検出器13の正面図である。 同実施形態に係る凹部の拡大図である。 従来のTR方式CT装置の方式を説明するため模式図である。 従来のTR方式CT装置における再構成処理を説明するための図である。 従来の2つの焦点を有するTR方式CT装置のX線放射角を示す模式図である。
符号の説明
5…被検体、10…TR方式CT装置、11…X線管、12…スリット、13…検出器、13A〜13N…チャンネル、14…機構部、14A…回転テーブル、20…制御装置、21…入力部、22…機構制御部、23…X線制御部、24…スキャン条件設定部、25…チャンネル設定部、26…データ収集部、27…記憶部、28…抽出部、29…作成部、30…出力部、131・・・チャンネルコリメータ、131A・・・凹部、131B・・・スリット、132・・・列セパレータ、133A・133B・・・チャンネル列、134・・・シンチレータ、134A・134B・・・シンチレータブロック、135A・135B・・・光検出素子列、136A・・・金具、136B・・・ねじ、137・・・チャンネルセパレータ、139・・・ユニットベース、B…スキャン範囲、C…回転軸、L…X線ビーム、S…撮影面、R…較正用ピン。

Claims (5)

  1. 発生するX線ビームの焦点を指定した大きさに変えて被検体に放射するX線量を変える事ができるX線源と、
    前記被検体を透過したX線ビームを検出する検出手段と、
    前記被検体と該X線ビームとを相対的に回転させる回転手段と、
    前記回転手段により回転させられる面に沿って前記被検体とX線ビームとを相対的に平行移動させる平行移動手段と、
    前記平行移動とステップ状の前記回転とを交互に繰り返すTRスキャンにおいて、前記平行移動がなされる度に、前記検出手段により多数の位置で前記X線ビームを検出して得る被検体の透過率を示す透過データに基づいて被検体の断面像を得る再構成手段とを備えたコンピュータ断層撮影装置において、
    前記再構成手段は、前記焦点の大きさが変更された場合に、変更された焦点の大きさに応じ、前記平行移動の方向において前記透過データを使用する範囲を変えると共に前記ステップ状の回転の回転角度を超える透過データを使用して該被検体の断面像データを得ることを特徴とするコンピュータ断層撮影装置。
  2. 請求項1に記載のコンピュータ断層撮影装置において、
    前記再構成手段は、前記焦点の大きさの変更があった際に、この変更された焦点の大きさに応じて、透過データに対して、前記平行移動の方向において、異なるウエイトを掛けて前記被検体の補正した断面像データを得ることを特徴とするコンピュータ断層撮影装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のコンピュータ断層撮影装置において、
    前記再構成手段は、前記焦点の大きさの変更があった際に、この変更された焦点の大きさに応じて、前記透過データの前記平行移動の方向の配列における前記回転の回転軸の投影位置を変更して、前記被検体の補正した断面像データを得ることを特徴とするコンピュー夕断層撮影装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載のコンピュータ断層撮影装置において、
    前記再構成手段は、前記焦点の大きさの変更があった際に、この変更された焦点の大きさに応じて、前記平行移動における一連の前記透過データを検出する検出開始点を変更して、前記被検体の補正した断面像データを得ることを特徴とするコンピュータ断層撮影装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のコンピュータ断層撮影装置において、
    前記検出手段は2次元分解能を有するX線検出器であることを特徴とするコンピュータ断層撮影装置。
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