JP4603684B2 - 13−デオキシアントラサイクリン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

13−デオキシアントラサイクリン誘導体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
関連する出願の相互参照用記入事項
この出願は、Xini Zhangにより1998年8月13日に出願されたUS特許出願連続番号08/910218号の一部継続出願であり、それの開示する全内容をここに参照により取り入れる。
【0002】
技術分野
本発明は、心臓毒性の副作用を示さない誘導体としての13−デオキシアントラサイクリン誘導体、及び、このような13−デオキシアントラサイクリン誘導体を製造する方法に関する。
【0003】
背景技術
アントラサイクリンは他の全ての癌化学療法と比較してヒトの癌に最も広範な活性スペクトルを持つ。最も良く知られたアントラサイクリン抗癌剤は、13−ケト基を含むドキソルビシンとダウノルビシンである。なかでも、米国特許3590028号に開示されているドキソルビシンは広範な抗癌スペクトル作用を持ち、白血病、リンパ腫及び充実性腫瘍のほか、肉腫及び癌腫に最も有効な薬剤の1つである。
近似の構造類縁体であり米国特許3616242号に開示されているダウノルビシンは肉腫及び癌腫に有効でないが、この違いはダウノルビシンにおける14−OHの欠如に起因するものと思われる。しかし、ダウノルビシンは急性白血病の治療に有用である。
【0004】
しかしながら、蓄積する心臓毒性はこれら薬剤の有用性を制限している。それらの性質に習い、例えば心臓毒性のためドキソルビシン治療の期間は通常の服用で最大約9ヵ月に制限されている。ドキソルビシン又はダウノルビシンの総累積服用量は通常550mg/m2 を越すことができない(E.A.Lefrakら、Cancer,32:302,1973)。推奨される最大総累積服用量(430〜650mg/m2 )かその付近でも、60%の患者に重大かつ持続性の心臓機能不全が生じ、14%の患者が鬱血性心臓機能不全が生じる(A.Dresdaleら、Cancer,52:51,1983)。このように、これらの薬品が癌腫瘍の成長阻害に有用である一方で、患者は薬品の痛烈な心臓毒性の副作用による鬱血性心臓機能不全で死ぬ可能性がある。
上記化合物自体の心臓毒性作用に加えて、アントラサイクリン化合物の既知の製造方法は、約30%台で比較的低収率である(参照、Smithら、J.Med.Chem.,21:280−283,1978)。
【0005】
腫瘍の除去におけるドキソルビシンの効能及びその治療上の使用における制限は、より良いドキソルビシンを開発しようとする世界中の研究者の共通基盤であった。これらの性質に従い、蓄積する不可逆的な心臓毒性による制限のないドキソルビシン類似体が永年待ち望まれている。過去25年以上にわたり2000以上の類似体が合成されたが、ドキソルビシンに対する有意な進歩となるものはなかった(R.B.Weiss,アントラサイクリン:我々は今までより良いドキソルビシンを発見したか,Seminars in Oncology,19:670−686,1992)。
【0006】
アントラサイクリンの心臓毒性の機構を理解するため、過去25年以上にわたって鋭意研究がなされてきた。発展した評判の良い理論は、フリーラジカル理論であった。この理論によると、アントラサイクリンの心臓毒性はアントラサイクリン分子のキノン部分によるラジカル発生の結果起こる(J.Dorowshowら、J.Clin.Invest.,68:1053,1981;D.V.Unverferthら、Cancer Treat.Rev.,9:149,1982;J.Goodmanら、Biochem. Biophys.Res.Commun.,77:797,1977;J.L.Zweier,J.Biol.Chem.,259:6056,1984)。
【0007】
しかしながら、フリーラジカル捕捉剤及び抗酸化剤は蓄積する心臓毒性を防止できなかったので、この理論は不十分であった(D.Propper及びE.Maser,ウサギ肝臓及び心臓におけるダウノルビシンのカルボニル還元、Pharmacology and Toxicology,80:240−245,1997;J.F.VanVleetら、Am.J.Pathol.,99:13,1980;D.V.Unverferthら、Am.J.Cardiol.,56:157,1985;C.Myersら、Seminars in Oncology,10:53,1983;R.H.M.Julicherら、J.Pharm.Pharmacol.,38:277,1986;及び E.A.Portaら、Res.Comm.Chem.Pathol Pharmacol.,41:125,1983)。
【0008】
言い換えれば、フリーラジカル発生阻害は、これらのアントラサイクリンの心臓毒性を除去しないことが分かっている(P.S.Mushlinら、Fed.Proc.,45:809,1986)。Richard D.Olson博士とPhillip S.Mushlin博士は心臓毒性を誘発させるアントラサイクリンの機構を過去15年間にわたり研究し、有力な理論になると現在期待される「代謝産物理論」を発展させた。(R.D.Olson及びP.S.Mushlin、ドキソルビシンの心臓毒性:有力仮説の分析、FASEB Journal、4:3076−33086,1990)。この理論によると、親化合物の13−OH基代謝産物がアントラサイクリンの心臓毒性に介在している。
【0009】
この研究は、ドキソルビシン及びダウノルビシンの心臓毒性は、心筋収縮性が減少することで明らかなように、13−ケト基の13−ジヒドロ代謝産物への代謝還元に依存していることを示している。ドキソルビシンが13−ジヒドロ化合物に代謝しないことが明らかな実験系では、心臓毒性の作用は非常に高い濃度(200〜400μg/mL)でしか観察されない(P.S.Mushlinら、Fed.Proc.,44:1274,1985;R.D.Olsonら、Fed.Proc.,45:809,1986)。
【0010】
ドキソルビシンは短期間だけでも試験系に置いておくと、ある代謝変換が生じ、13−ジヒドロ代謝産物が充分量形成され、心臓毒性が発現しはじめる(L.Rossiniら、Arch.Toxicol.suppl.,9:474,1986;M.Del Toccaら、Pharmacol.Res.Commun.,17:1073,1985)。このように、ドキソルビシン及びダウノルビシン等の薬剤の心臓毒性はそれらの13−ジヒドロ代謝産物によって生じる強力な心臓毒性作用の結果であるという実質的な証拠が集積されている。(P.Mushlinら、Rational Drug Therapy,22:1,1988;S.Kuyperら、FASEP Journal,2:Al133,1988;R.Boucekら、J.Biol.Chem.,262:15851,1987;及びD.Olsonら、Proc.Natl.Acad.Sci.,85:3585,1988)。
【0011】
上記と対比して、13−ジヒドロ代謝産物であるドキソルビシノール及びダウノルビシノールは、比較的低い濃度にある同じ試験系で心臓毒性を発生させる(1〜2μg/ml、R.D.Olsonら、Proceed.Am.Assoc.Cancer Res.,26:227,1985;R.D.Olsonら、Proceed.Am.Assoc.Cancer Res.,28:441,1987)。
【0012】
上記を検討すると、ドキソルビシンは細胞内カルボニルリダクターゼによって、以下のように13−ケト基がアルコール基に還元されたドキソルビシノールに変換される。
【0013】
【化3】
Figure 0004603684
【0014】
この理論はアントラサイクリン心臓毒性の時間遅延特性に対する説明となる。Olson及びMushlinの研究は最近再検討され、いくつかの点が証明されている(D.Propper及びE.Maser,ウサギ肝臓及び心臓におけるダウノルビシンのカルボニル還元、Pharmacology and Toxicology,80:240−245,1997)。
【0015】
例えば、研究により心臓内C13−アルコール代謝産物の蓄積と心筋の収縮及び弛緩障害との直接的な関係が立証された。また、長期にわたるドキソルビシンの投与の間、その13−アルコール代謝産物であるドキソルビシノールがラット及びウサギの心臓組織に選択的に蓄積する。加えて、研究によりダウノルビシノールの試験管内心臓毒性作用は親薬剤のそれよりかなり大きいことが立証されている。
【0016】
その上、ドキソルビシノールがウサギ乳頭筋での心筋収縮性を阻害する点でドキソルビシンの30倍強力であることが研究により立証された。さらにまた、実験により、ドキソルビシンではなくドキソルビシノールが筋繊維質Ca+2−Mg+2−ATPアーゼ、ミトコンドリアMg+2−ATPアーゼ及び筋繊維質のNa+ −K+ −ATPアーゼ活性の強力な阻害剤となることから、心臓機能不全の機構はATPアーゼ阻害と関連することが立証された。加えて、ドキソルビシンではなくダウノルビシノールが、動物試験においてダウノルビシン治療2日後の心臓組織で発見された。
【0017】
最近、アントラサイクリンアルコール代謝産物誘因の心臓毒性の基調となす機構は、Minottiらによる「ドキソルビシンの二次アルコール代謝産物がヒト心筋層由来サイトゾル画分中のアコニターゼ/鉄調節タンパク質−1を不可逆的に不活性化する」で解明された。Minottiらは、ドキソルビシンではなくドキソルビシノールが鉄代謝を阻害し、鉄調節タンパク質−I(IRP−I)を不可逆的に不活性化することを実証した。その結果、鉄は鉄要求性の酵素に利用できなくなる。これらの酵素阻害が心臓毒性を誘導する。
【0018】
キレーターデキストラゾキサンはドキソルビシンの心臓毒性を減少させるのに利用できるという事実は(G.Weissら、「鉄調節タンパク質の活性化を介したデキストラゾキサン(ICRF−187)によるトランスフェリン受容体発現の調節」Biochemical Pharmacology、53:1419−1424、1997)、これらの発見と一致する。デキストラゾキサンはドキソルビシノールの作用を妨げるIRP−Iの活性を刺激することが分かっている。
【0019】
Olson及びMushlinは、アルコール代謝産物を形成できない13−ケトアントラサイクリンの類似体は心臓毒性でないであろうと考えた。13−ケト基をメチレン基に還元することが可能性としてもっとも有望である。この基をアルコールに代謝する酵素は知られていない。アントラサイクリンアクラルビシンで得られた結果はこの考えに一致する。
【0020】
【化4】
Figure 0004603684
【0021】
アクラルビシンは、ドキソルビシンと比べて、14−OH基の欠損の他、数多くの修飾がなされている。この薬剤は14−OH基の欠損に一致して、肉腫や癌腫に対して作用しない。しかしながら、急性白血病に対する作用がある。アクラルビシンは13−ケト基も有しないが、13−メチレン基は含有する。
【0022】
この薬剤はフランスと日本で商業上使用されている。アクラルビシンでは、不可逆的に蓄積する心臓毒性が明らかに見受けられない。患者は心臓機能不全又は心筋症を生じることなく3000mg/m2 までを受容することができる(D.C.Caseら、「急性骨髄芽球性白血病におけるアクラルビシンのフェーズIIの研究」、American Journal of Clinical Oncology、10:523−526、1987)。当該分野の専門家はアクラルビシンにおける心臓毒性の払底が理解できず、これはその分散と薬物動態によるものであると不正確に予想していた。しかしながら、Olson及びMushlinは心臓毒性において13−ケト基の欠損が重要であると確信していた。図1は、心臓毒性が生じる過程を記したフローチャートである。
【0023】
発明の要約
本発明のひとつの目的は、13−デオキシアントラサイクリン誘導体が心臓毒性を示さないことの証拠を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、そのような13−デオキシアントラサイクリン誘導体の改良された製造方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、ある13−デオキシアントラサイクリン誘導体の前駆体、及び、その前駆体の製造方法を提供することである。
これらの及びその他の目的並びに利点に対応して、本発明は、式1:
【0024】
【化5】
Figure 0004603684
【0025】
(式中、R1 はH又はOHである;R2 はH、OH又はOMeである;R3 はH又はOHである;R4 はH又はOHであり;そして、R5 は炭水化物又は置換された炭水化物である)
を有する13−デオキシアントラサイクリン誘導体を提供する。
【0026】
本発明は、式1の化合物の製薬上許容される塩をも提供する。製薬上許容される塩としては、製薬上許容される無機及び有機の酸並びに塩基から誘導される塩が挙げられる。適当な酸の例としては、塩酸、臭化水素、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン−p−スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、トリフルオロ酢酸及びベンゼンスルホン酸が挙げられる。適当な塩基由来の塩としては、ナトリウム及びアンモニア等のアルカリが挙げられる。
【0027】
本発明は、抗癌治療を必要とする哺乳類ホストの治療方法をも提供する。以下の式1:
【0028】
【化6】
Figure 0004603684
【0029】
(式中、R1 はH又はOHであり;R2 はH、OH又はOMeである;R3 は、H又はOHである;R4 はH又はOHであり;そして、R5 は炭水化物又は置換された炭水化物である)
で表される少なくとも1つの化合物の抗癌有効量を、抗癌有効量で上記ホストに投与する。
【0030】
本発明は、その外、13−デオキシアントラサイクリン誘導体の製造方法をも提供する。その方法は還元剤であるシアノボロハイドライド入りのアントラサイクリン13−トシルヒドラゾン酸性溶液を調製することからなる。溶液を穏やかに還流する。反応混合液を冷却する。溶液に飽和NaHCO3 水溶液を加え、続いて含ハロゲン炭素化合物溶媒を加える。混合液を濾過する。濾液を酸性化する。濾液を分取クロマトグラフィーにかけ、13−デオキシアントラサイクリン誘導体を単離する。
【0031】
加えて、本発明は上記13−デオキシアントラサイクリン誘導体の既知の調製法の上記欠点を解決することを目的とする。
従って、本発明のもう一つの目的は、既知の方法に比べて高収率を与える13−デオキシアントラサイクリン誘導体の改良された製造方法を提供することである。
従って、さらに本発明は13−デオキシアントラサイクリン誘導体の製造方法を提供する。
一般に、アントラサイクリンは式Iで表される。
【0032】
【化7】
Figure 0004603684
【0033】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は上記で定義したものである。)
【0034】
アントラサイクリンは、既知の方法により13−トシルヒドラゾンに容易に変換する。アントラサイクリン13−トシルヒドラゾンを、酸性条件下において水素化シアノホウ素ナトリウムで13−デオキシアントラサイクリン誘導体に還元する。生成物は抽出操作せず、分取クロマトグラフィーで精製する。上記方法は約70%〜約80%の収率であることが分かった。
【0035】
加えて本発明は13−デオキシアントラサイクリン誘導体の製造方法を提供する。その方法はシアノボロハイドライドとアントラサイクリン13−トシルヒドラゾンの酸性溶液を調製することからなる。上記溶液を緩やかに還流する。上記反応混合液を冷却する。上記溶液に飽和NaHCO3 水溶液を加え、続いて含ハロゲン炭素化合物溶媒を加える。混合液を濾過する。濾液を酸性化する。濾液は分取クロマトグラフィーに供し、13−デオキシアントラサイクリン誘導体を単離する。
【0036】
さらに本発明は、13−デオキシアントラサイクリン誘導体の製造方法を提供する。上記方法は、約1gのドキソルビシン13−トシルヒドラゾン塩酸塩及び約2.4gのp−トルエンスルホン酸を約50mL無水メタノール中に溶解した溶液を調製することからなる。約0.8gの水素化シアノホウ素ナトリウムを溶液に加える。溶液を約68℃〜約72℃の温度で加熱する。溶液を約1時間窒素雰囲気下で緩やかに還流する。反応混合液を約20mLに濃縮する。反応混合液をフリーザーで約0℃〜約4℃の温度に冷却する。約2mlの重炭酸ナトリウム飽和水溶液を反応混合物に加える。約200mlのクロロホルムを反応混合液に加える。無水硫酸ナトリウムを反応混合液に加える。塩を濾過する。濾液をジエチルエーテル中塩化水素で酸性化する。その溶液をシリカゲルカラムに通す。さらに、溶出液が無色になるまでクロロホルム/メタノールでカラムを洗浄する。生成物を含有する分画はメタノールで溶出する。メタノール溶出液を蒸発させる。蒸発の結果得られた残渣を30%アセトニトリル−蟻酸アンモニウム緩衝液に溶解させる。生成物をフェニルカラムを用いて分取HPLCで単離する。生成物をアセトニトリル/蟻酸アンモニウムの傾斜溶出液を用いて他の不純物から分離する。そしてHPLCの精製分画を凍結乾燥して、600mgの13−デオキシドキソルビシン塩酸塩を得る。
【0037】
本発明を実施するための最良の各種形態の記述
本発明は、ドキソルビシン、ダウノルビシン又はその他類似のアントラサイクリンの13−デオキシ型は心臓毒性の13−ジヒドロ型に代謝変換されないという事実を利用することにより、総累積服用量に対する制限なしに心臓毒性の生じない量で本発明の化合物を投与する手段を提供するものである。
本発明は、式A:
【0038】
【化8】
Figure 0004603684
【0039】
(以後、化合物Aという)
で表される改良したドキソルビシンを含む。
【0040】
改良した化合物Aは、ドキソルビシンから13−ケト基をメチレン基に還元することによって合成する。試験管内の実験により、改良した化合物Aが、ドキソルビシンがドキソルビシノールに変換される条件下で、心臓組織により上記代謝産物に代謝されないことが示された。
【0041】
以下に示す試験管内の実験では、本発明の改良したドキソルビシンの生体内変換を試験している。試験の目的は、本発明の化合物Aが単離したウサギ心筋組織標本中でC−13ヒドロキシ代謝産物に代謝されないかを確定することである。ドキソルビシン、ドキソルビノール及び化合物Aは、ニュージーランド白ウサギから得られる右心房及び右心室遊離壁層中、蛍光HPLC法で測定した。細心房及び心室層を、酸化クレブス重炭酸緩衝液を入れた筋浴(30℃)中でインキュベートした。ドキソルビシン(175μM)又は化合物A(175μM)をその槽に加えて、210分間に30分間隔で心筋層を取り出した。各々の層を素早く普通食塩水で洗浄し、ブロット乾燥させ、半分に切り重量を計った。ドキソルビシン、ドキソルビシノール及び化合物Aの組織濃度を確定するため、その組織を−70℃でガラス瓶に置いた。ドキソルビシン、ドキソルビシノール及び化合物Aの組織濃度は、3つの別個の実験での標準曲線から確定し、平均±SEMとして表した。化合物A及びドキソルビシンの心房及び心室濃度が時間依存的に増加していることが観察された。インキュベーション210分後の化合物A及びドキソルビシンの心房組織濃度(ng/mg湿重量)は、有意に異ならなかった(化合物A:743±89;ドキソルビシン:617±35)。心房中の化合物Aの濃度は、210分のインキュベーション後のドキソルビシンの心房濃度より有意に高かった(化合物A:626±31;ドキソルビシン:407±30;P<0.05)。しかしながら、ドキソルビシンだけがC−13ヒドロキシ代謝産物であるドキソルビシノールに代謝された。化合物Aの代謝産物は検出されなかった。これらの実験により、化合物Aは単離した心臓組織標本中でC−13ヒドロキシ代謝産物を形成しないことが分かった。
【0042】
研究の目的は、単離されたウサギ心筋組織標本中で化合物AがC−13ヒドロキシ代謝産物に代謝されないかを確定することであった。
試験は本発明の化合物A及びドキソルビシンを用いて行った。
ウサギ心室全体、右及び左心房組織、右心室遊離壁、クレブス重炭酸緩衝液(pH7.4)、普通(0.9%)食塩水、(NH42 SO4 、イソプロピルアルコール、クロロホルム、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ドキソルビシノール及びメタノールを使用して測定を行った。
【0043】
試験手順は:ニュージーランド白ウサギから得られる右心室遊離壁及び心房の細膜(各80〜100mg)を、かつて報告された以下の組成:127mM NaCl、2.5mM CaCl2 、2.3mM KCl、25mM NaHCO3 、1.3mM KH2 PO4 、0.6mM MgSO4 及び5.6mMグルコースからなる酸化クレブス重炭酸緩衝液(pH7.4)を含む分離筋浴(30℃)中でインキュベートした(P.S.Mushlinら、Br.J.Pharmacol.,110:975−982、1993)。
【0044】
ドキソルビシノール合成に関しては、ドキソルビシノールはTakanashi及びBachurの方法(S.Takanashi及びN.R.Bachur、Drug Metab.Disp.、4:17−87、1976)を少し改変して(P.S.Mushlinら、Br.J.Pharmacol.,110:975−982、1993)合成した。
【0045】
試験の結果の統計分析に関しては、ドキソルビシン、ドキソルビシノール及び化合物Aの組織濃度(ng/mg湿重量)を3つの異なる実験で確定し、平均±SEMで表した。Prizm(GraphPad)プログラムを用い様々な時間間隔で治療効果を分析するのに二因子分析(分散分析)を採用した。
【0046】
観察及び試験結果より、ウサギ心房(表1)及び右心室遊離壁(表2)組織(図1)双方での化合物A及びドキソルビシンの濃度が時間依存的に増加することが分かった。化合物Aの心房及び心室両方の濃度はドキソルビシンの心房及び心室濃度以上であった。しかしながら、ドキソルビシンだけがC−13ヒドロキシ代謝産物であるドキソルビシノールに代謝され、ドキソルビシノールの時間依存的な蓄積がウサギ心房(表1)及び心室(表2)組織(図2)で観察された。化合物Aの代謝産物は検出されなかった(図2)。
【0047】
【表1】
Figure 0004603684
【0048】
NDは、化合物A C−13ヒドロキシ代謝産物の濃度が検出されなかったことを示す。3つの別々の実験から得られる組織濃度は平均±SEMとして表す。ND及び平均値は3つの別々の実験から得られた。
【0049】
【表2】
Figure 0004603684
【0050】
1 P>0.05、化合物A対ドキソルビシン。NDは、化合物A C−13ヒドロキシ代謝産物の濃度が検出されなかったことを示す。3つの別々の実験から得られる組織濃度は平均±SEMとして表す。ND及び平均値は3つの別々の実験から得られた。
【0051】
実験からのディスカッション及び結果より、実験の結果により化合物Aが分離ウサギ心臓調製物中でC−13ヒドロキシ代謝産物を形成しないことが示唆される。しかしながら、構造的に関連した化合物であるドキソルビシンは、C−13ヒドロキシ代謝産物であるドキソルビシノールに代謝された。さらに、実験の結果より、ドキソルビシンのドキソルビシノールへの代謝が心室より心房組織中で多く生じていることが示唆される。
【0052】
図2は、時間に対する、175μMの本発明の化合物A又はドキソルビシン中でインキュベーションされた右心房(A)及び心室(V)調製物中のドキソルビシノール濃度を表す。図2に見られるように、本発明の化合物は既知のドキソルビシンと比べてかなり低い濃度で存在する。
【0053】
他の試験管内の実験より、本発明の化合物Aはヒト癌細胞の成長阻害においてドキソルビシンと同様に効果的であることが示された。
試験管内細胞増殖に与える本発明の化合物Aとドキソルビシンの作用を比較して、ヒト癌細胞の成長阻害における本発明の化合物の有効性を示す実験を行った。
【0054】
本発明の化合物の有効性を示す実験に関しては、白血病のヒト及びマウス由来(HL60及びP388)並びにヒト胸筋癌由来(MCF7及びMDA−MB 231)の培養細胞系中で、化合物Aの抗増殖作用をドキソルビシンと比較した。癌細胞増殖阻害は、細胞の[3 H]チミジンの取込みを測定することにより試験された。化合物Aの抗増殖作用は同じ培養条件下でドキソルビシンと比較した。50%最大阻害(IC50)となる濃度を曲線の当てはめ分析で得た。平均IC50値(nM単位)及び95%信頼区間を以下に示す。平均は3度繰り返した3又は4回の別個の測定によって得られた。
【0055】
【表3】
Figure 0004603684
【0056】
化合物A及びドキソルビシンの両方で、試験した各々4つの細胞系中で細胞への[3 H]チミジンの取込みが完全に無かった。これらの試験は、IC50値の割合(効力比)で示されるように、ドキソルビシンが4つの細胞系の全てにおいて[3 H]チミジンの取込みを阻害するため化合物Aよりある程度強力であるが(P<0.05)、化合物A及びドキソルビシンの双方が試験管内の癌細胞増殖の強力な阻害剤であることを示す。
【0057】
試験の目的は、充分に確立されたチミジン取込み法(E.Severison及びE.L.Larsson、「ポリクローナルB及びT細胞アクティベーターに対するリンパ球の応答」、D.M.Weir(Ed.)、Cellular Immunology、vol 2、第4版、Blackwell Scientific Publications、631頁、1986)を用いて、各々4つの細胞系で試験化合物の50%最大応答(IC50)有効濃度を計算し、その値をドキソルビシンで得られた値と比較して、白血病ヒト及びマウス由来(HL60及びP388)並びにヒト胸筋癌由来(MCF7及びMDA−MB231)の悪性培養細胞系中で細胞成長(増殖)を阻害する化合物Aの効能を確定することからなる。
試験化合物の希釈は、以下の範囲において、細胞に特異な媒体で行った。
【0058】
【表4】
Figure 0004603684
【0059】
希釈液を50μlずつ3度ウェル全てに加え、細胞を試験化合物の存在下24時間成長させた。
統計分析は、推奨される不対t−検定からなる。有意のレベルはP<0.05として選択した。
【0060】
観察及び実験の結果を以下に示す。試験した4つの癌細胞系中、化合物A及びドキソルビシンは(3 H)チミジン取込みの濃度依存性阻害を起こす。50%最大応答となる濃度(IC50)値を曲線の当てはめ分析(curve fitting analysis)から得た。IC50値(nM単位)を以下に示し、3度繰り返した3〜4回の分析の平均値(カッコ内は95%信頼限界)を求めた。
【0061】
【表5】
Figure 0004603684
【0062】
化合物Aは、試験管内の4つの細胞系全てにおいて、ドキソルビシンほど強く細胞増殖を阻害しないことを、結果は示唆している。しかしながら、両化合物は等しく効果的である。
【0063】
試験管内の試験の結果のディスカッション及び結論は、化合物A及びドキソルビシンの双方が試験した各々4つの細胞系中で細胞への[3 H]チミジンの取込みを完全に止めていたことを示唆する。IC50値の割合(効力比)で示されるように、ドキソルビシンは、4つの細胞系の全てにおいて、化合物Aより強力に[3 H]チミジンの取込みを阻害する(P<0.05)。図3〜6参照。これらの研究は、化合物A及びドキソルビシンの双方が試験管内癌細胞の成長の強力な阻害剤であることを示す。図8a−cは、既知のドキソルビシン化合物及びコントロールサンプルと比較した本発明の化合物の心臓組織に対する影響を図示する光学顕微鏡写真を表す。
【0064】
生体内試験より、化合物Aでは、以下に示すようにドキソルビシンより全身性毒性が減少し、白血病マウスモデルでの延命に効果的であることが分かった。
白血病オスマウスP388に対する化合物Aの作用を以下に示す。
0日でCDF1オスのマウスに106 個の白血病マウス細胞P338を腹腔内に接種する。1〜9日でマウスをドキソルビシン又は化合物Aで腹腔内投与で治療する。体重を毎日測定し、生存を記録する。ある試験では、0.8mg/kg/日でドキソルビシン又は化合物Aを投与した。22日目で、賦形剤のグループでは0/8の生存で、ドキソルビシンのグループでは7/8の生存で、化合物Aのグループでは5/8の生存であった。ドキソルビシン及び化合物Aでの値は賦形剤の値とは有意に異なるが、互いにはそう異ならない。
【0065】
同じ白血病マウスモデルを用いた別の試験では、ドキソルビシンは0.8mg/kg/日で注入し、化合物Aは1.6、2.4又は3.2mg/kg/日で注入した。
【0066】
【表6】
Figure 0004603684
【0067】
上記値は、平均値±SEである; *p>0.05対賦形剤; #p<0.05対ドキソルビシン
【0068】
19日目で、1.6mg/kg/日の化合物Aは、腹水に加えて白血病進行の結果である体重増加を抑制する点でドキソルビシンと同様に効果的であった。2.4及び3.2mg/kg/日の化合物Aの服用は体重増加を抑制する点で両方ともドキソルビシン以上に効果的であった。25日目で、化合物Aの全服用量が、生存を維持する点でドキソルビシンと同様に効果的であった。3.2mg/kg/日の化合物Aの服用のみが、32日目まで賦形剤及びドキソルビシンと比較して延命に効果的であった。この試験で使用したドキソルビシンの服用量は、このモデルにおいて最大限に効果的な服用量である。ドキソルビシンの服用量がより多くなると、生き残りが確実に減少する。このように、化合物Aはドキソルビシンほど強力ではないが、延命に関してはドキソルビシンより多い服用量でもより効果的である。
【0069】
ダウノルビシンの13−デオキシ類似体である化合物Bも、Mushlinらが上記文献で記述したウサギ心臓モデルを用いた試験管内収縮性心臓機能においてダウノルビシンの心臓毒性の性質を示さなかった。このことは図7に表されている。
【0070】
化合物Bは、以下に示すように、生体ラットモデルにおいてダウノルビシンの心臓毒性の性質がないことも示された。以下のディスカッションは、静脈内投与したラットにおいて本発明の化合物Bに心臓毒性がないことを示す。
【0071】
水に溶かしたダウノルビシン塩酸塩又は化合物B塩酸塩を、オススプレーグ−ドリーラット中に、1日置きに3日間、5mg/kg/日で静脈注射で投与した(全服用量15mg/kg)。別の賦形剤のグループを各々の化合物とともに試験した。最初の投与から7日後に、各々のラットにペントバルビタールナトリウム50mg/kg分を腹腔内麻酔した。気管を挿管して、100%酸素を呼吸させた。熱ランプ及び温度調節計で37℃に体温を維持させた。カテーテルを右頸動脈に設置し、動脈中に進行させて、平均動脈圧(MAP)及び心拍度数(HR)をStatham圧力変換器及びGould記録計を用いて記録した。カテーテルを左心室に進行させて、左心室収縮期圧(LVSP)、最大左心室dP/dt(dP/dt)及び左心室末端拡張期圧(LVEDP)を記録した。
【0072】
ダウノルビシンで治療されたラットでは、賦形剤コントロールと比べて、MAP、LVSP及びdP/dtが、有意に且つ実質的に抑制された(表4)。ダウノルビシンで治療したラットでは、体重も有意に減少した。それとは逆に、MAP、LVSP、dP/dt及び体重が、賦形剤及び化合物Bで治療したラットの間で類似している(表5)。ダウノルビシンが心臓の収縮性及び機能を有意に減少させる服用量の化合物Bが心臓毒性を欠くことを、データは示している。化合物Bは心臓毒性を生じることなく治療上の服用量で投与できるが、ダウノルビシンは同じ治療上の服用量で心臓機能を害することを、結果は示している。
【0073】
【表7】
Figure 0004603684
【0074】
表4の値は、平均値±標準誤差を示す;化合物を、1日置きに3日間、5mg/kg/日でマウスに静脈内注入した;測定は最初の注入から7日後に行った。BW1=0日の体重、BW2=7日の体重。 *=p<0.05、対賦形剤
【0075】
【表8】
Figure 0004603684
【0076】
化合物を、1日置きに3日間、5mg/kg/日でマウスに静脈内注入した;測定は最初の注入から7日後に行った。BW1=0日の体重、BW2=7日の体重。
【0077】
化合物Aは、ウサギでの慢性ドキソルビシン心臓毒性モデルにおいても評価した。このモデルでは、ドキソルビシンにより心臓機能が害され、ドキソルビシンで長期的に治療されたヒトに見られるものと類似した組織病理学的な変化がある。ウサギ心臓の組織病理学的及び/又は機能的な障害は、ドキソルビシンで治療したウサギの5/6に見られた。同じ条件下で、化合物Aは臨床上問題となる心臓毒性を生じなかった。
【0078】
本発明の化合物が非心臓毒性であることは、慢性ウサギモデルでドキソルビシン及び化合物Aの心臓毒性を評価した以下の試験でも示持される。
【0079】
上記試験では、24匹のオスのニュージーランド白ウサギを4つのグループに無作為に分けた。6匹のウサギに1mg/kg分のドキソルビシンを耳の端の静脈へ、1週間に2度、8週間投与した。別の6匹のウサギに1mg/kg分の化合物Aを耳の端の静脈に、1週間に2度、8週間投与した。ドキソルビシン治療及び化合物A治療されたグループのウサギの餌の消費は毎日監視して、賦形剤(0.9%NaCl)を1週間に2度、8週間、耳の端の静脈に投与した性及び年齢の合う対で餌づけしたコントロールのウサギに同じ量の餌を与えた。大動脈根加速化現象を試験の期間、ドップラー超音波法で毎週監視した。収縮率を、試験10週間目より2週間に1回、試験の期間中、M−モード心臓エコー図で測定した。ウサギは試験開始後20週間となるか、又は、収縮率が25%未満になるか若しくは少なくとも3週間25〜29%にとどまった時に安楽死させた。犠牲にした各々のウサギより左心室乳頭筋、左心室遊離壁及び頂端サンプルを組織病理学的分析のため調製して、処置を知らせていない組織病理学者によって階級付けした。障害を、空胞形成、筋繊維変成、単核炎症及び壊死という程度に基づいて、軽度、中度又は重度と階級分けした。ドキソルビシン治療、化合物A、ドキソルビシンコントロール、化合物Aコントロールのグループで、それぞれ4/6、0/6、1/6、0/6のウサギに異常な縮小化のものがあった。異常大動脈根加速化現象(9m/s/s未満の値)は、ドキソルビシン治療、化合物A、ドキソルビシンコントロール、化合物Aコントロールのグループで、それぞれ3/6、0/6、0/6、0/6のウサギに生じた。ドキソルビシン治療したグループのウサギ6匹全てに軽度から重度の異常組織変化があった;化合物Aでは2/6のウサギに軽度の異常組織変化があった。両グループのコントロールウサギ由来の心臓組織に、組織病理学的障害は見られなかった。3つの心臓毒性試験中少なくとも2つが異常であれば、全体的な心臓状態が異常であると定義した。これらの基準を用いると、ドキソルビシン治療したグループのウサギの5/6は全体的に異常な心臓状態であった;他の3つのグループで全体的に異常な心臓状態なものは、0/6であった(P<0.05、フィッシャー抽出試験)。ドキソルビシンと比較して、化合物Aは試験した服用量においては心臓毒性を本質的に有しない。さらに、ドキソルビシンは有意に血液の構成を変化させ体重増加を抑制するのに対し、化合物Aは血液の構成変化及び体重増加に対し明らかな影響を持たない。本服用計画では、化合物Aはウサギにおける心臓毒性及び組織毒性がドキソルビシンに比較して少ない。
【0080】
心臓毒性試験の評価の目的は、慢性ウサギモデルでのドキソルビシンと化合物Aの心臓毒性を比較することからなる。
【0081】
ドキソルビシン治療した67%(4/6)のウサギに異常な左心室収縮率が生じた。6匹のドキソルビシン治療ウサギ中3匹のウサギ(50%)に、異常大動脈根加速化現象が生じた。対照的に、化合物Aで治療したウサギには機能的な心臓毒性の証拠はなかった。組織病理学はもっとも鋭敏に心臓毒性を表示する。ドキソルビシンで治療した全てのウサギで、主として筋細胞空胞形成及び筋原繊維欠損を特徴とする組織病理学的障害が顕著化した。6匹のウサギ中4匹が軽度の心臓毒性を示し、1匹のウサギが中度の障害を示し、1匹のウサギが重度の障害を示した。6匹の化合物Aで治療したウサギ中2匹が、軽度の組織病理学的障害を示した(図8参照)。3つの心臓毒性試験すべての結果を集めると、異常な心臓状態は、ドキソルビシン治療したグループの6匹中5匹のウサギで観察されたが、化合物Aで治療したウサギでは6匹中0匹であった(P<0.02、フィッシャー抽出試験)。3つの心臓毒性試験中少なくとも2つが異常であれば、全体的な心臓状態が異常であると定義した。試験8週間の間、血液サンプルを耳の端の動脈から集め、細胞血球計算値を得た。ドキソルビシン治療では、白血球、赤血球、血小板、ヘモグロビン、平均血球ヘモグロビン濃度及び赤血球分布幅が、賦形剤又は化合物Aで治療した個体と比較して有意に減少した(P>0.05)。化合物Aでは、赤血球分布幅に僅かな増加があった以外は、これら各種の値は賦形剤と比較して変わらなかった。さらに、ドキソルビシン治療では、化合物Aの治療と比較して重量増加が阻害された。化合物Aで治療したウサギは、試験開始時3.17±0.06kg、試験終了時4.10±0.10kgであったのに対し、ドキソルビシンで治療したウサギは、試験開始時3.19±0.10kg、試験終了時3.54±0.06kgであった(P>0.05、1方向分散分析(1 way anova)、ダンカン新複合範囲試験(Duncan’s New Multiple Range test))。
【0082】
異常大動脈根加速化現象は0.9以下の値と定義する。加速単位はm/s/sである。N=普通の心臓機能;A=異常心臓機能である。
【0083】
ウサギは1mg/kgのドキソルビシン(DOX)又は化合物A(DOXA)を8週間の間、2回/1週間で静脈内投与した(総累積服用量、16mg/kg)。ドキソルビシンのグループ(C)又は化合物Aのグループ(CX)に対し、年齢の合う対で餌づけしたコントロールには賦形剤のみ投与した。
【0084】
ドキソルビシンのグループは化合物A、CXやCグループと有意に違っていた(P<0.05;2×2 相関性カイ2乗分析(continguency Chi square analysis)、2テール(two tail))。
【0085】
ウサギは、1mg/kgのドキソルビシン(DOX)又は化合物A(DOXA)を8週間の間、2回/1週間で静脈内投与した(総累積服用量、16mg/kg)。ドキソルビシンのグループ(C)又は化合物Aのグループ(CX)に対し、年齢の合う対で餌をやったコントロールには賦形剤のみ投与した。
【0086】
N=普通の心臓機能又は組織変化;A=異常心臓機能又は組織変化である。3つの心臓毒性試験中少なくとも2つが異常であれば、全体的な心臓状態が異常であると定義した。異常収縮率を100分位数の20半ば以下での傾向又は持続した値として定義する。9.0ミスト(mist)以下の値を異常大動脈根加速化現象と定義した。異常組織変化を、空胞形成、筋原繊維障害及び単核炎症が生じることと定義した(上記方法のディスカッショッンを参照)。組織変化は、普通、軽度、中度又は重度と上述したように評価した。ドキソルビシン治療したグループは、化合物A、CXやCグループより異常な全体的心臓状態である個体が有意に多かった(P<0.02;フィッシャー抽出試験、2テール)。
【0087】
【表9】
Figure 0004603684

【0088】
1 服用:1mg/kgドキソルビシン、1週間あたり2度、8週間
2 異常組織変化:空胞形成、筋原繊維障害
3 P<0.02、ドキソルビシンに対するもの
【0089】
心臓毒性試験の結果、化合物Aでは存在する心臓機能に変化はなく、軽度の組織病理学的な影響は2/6のウサギに見られただけであった。一方、ドキソルビシンでは5/6のウサギで心臓機能が変化し、この心臓毒性の慢性ウサギモデルにおける全てのウサギに異常組織変化が生じた。化合物Aは、ドキソルビシンと比較して、試験した服用量において心臓毒性を本質的に有さない。また、化合物Aは、血液の構成及び体重増加に対し明らかな影響を与えない。本投与手順において、化合物Aは、ドキソルビシンと比較して、ウサギにおける心臓毒性及び全身毒性が低い。
【0090】
マウスでの亜急性毒性試験では、以下に示すように化合物Aがドキソルビシンより骨髄毒性が低いことも示された。
【0091】
【表10】
Figure 0004603684
【0092】
薬剤は1、5及び9日目に静脈注射で投与した。測定は15日目に行った。値は平均±SEである。+=賦形剤との差、P<0.05、#=化合物Aとの差、P<0.05。両服用量は最大致死服用量である。
【0093】
上述した試験の結果は化合物Aがドキソルビシンの非心臓毒性の形態であることを明らかに示す。化合物Aは14−OH基が存在しているので、化合物Aは白血病に加えて肉腫及び癌腫に有用である可能性がある。化合物Aは毒性13−アルコール代謝産物を形成しないことから、服用を制限する心臓毒性が生じないと期待される。結果的に、化合物Aは、ドキソルビシンと異なり、鎮静するか再発及び転移を防止するために必要な限り服用してよい。この点で、化合物A及び他の13−デオキシアントラサイクリンは、癌のアントラサイクリン化学療法の重大な突破口に相当する。
【0094】
全身毒性がより少なく服用量を制限する蓄積する心臓毒性がないので、より効果的な服用をより長時間行うことができることから、化合物Aのようなアントラサイクリン誘導体は非13−デオキシアントラサイクリン対応物より治療上効果的であることが、結果によって示される。ドキソルビシン及びダウノルビシンで治療できる癌に罹った患者を治療する際に本発明で使用する13−デオキシアントラサイクリンは、13−ケト対応化合物と比較して、少なくとも有効又は等能累積服用量の少なくとも約1.5倍の服用量で投与することができることを示している。
【0095】
本発明は13−デオキシアントラサイクリン誘導体を形成する改良した方法をも提供する。表8は、本発明に従い合成可能な13−デオキシアントラサイクリン誘導体の例を示している。上記で論じたように、表8で示したような化合物は抗腫瘍性であることが知られている。
【0096】
既知の方法とは異なり、本発明の方法は温度感受性がより低い。例えば、本発明の方法は約0℃〜約75℃の温度で行ってもよい。好ましくは、約65℃〜約75℃で行う。さらに好ましくは、約68℃〜約72℃で行う。約72℃を越えると、反応物と生成物の分解が概して生じる。
【0097】
本発明の方法は、いくつかの一般的な条件からなる。例えば、上記方法は酸性条件下で行うことが好ましい。言い換えれば、pHは約6.5以下であるべきである。上記化合物の既知の製造方法は反応混合物内で塩基性条件下とするが、反応物及び生成物の分解を生じることが知られていた。その反応、又は、還流等のその一部分のいずれかは、約75℃以下の温度で、無酸素、無水及び/又は窒素下で行ってもよい。
さらに、酸素及び水の両方が反応から除外されなければいけない。好ましくは、上記反応は無水溶媒を用いて窒素又は不活性ガス雰囲気下で行われる。
【0098】
本発明の方法は、上記化合物の既知の製造方法より高収率である。例えば、既知の方法は収率が約30%であることが分かっている。一方、本発明の方法は約70%〜約80%の収率であることが分かった。
上記に対応して、本発明は上記一般式Iの化合物の製造方法を提供する。
以下に反応が進行する際の分子の変換例を示す。
【0099】
【化9】
Figure 0004603684
【0100】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5 は上述したものである)。
以下のフローチャートは、13−デオキシアントラサイクリン誘導体である13−デオキシドキソルビシンを調製する本発明の方法のある実施形態の例である。
【0101】
【表11】
Figure 0004603684
【0102】
以下にアントラサイクリン誘導体の例を示すが、その合成はここで開示する。
【0103】
【化10】
Figure 0004603684
【0104】
【表12】
Figure 0004603684
【0105】
化合物中、R5 は別のアントラサイクリン類似体の修飾体であってもよい。また、D環はフッ素化されてもよい。
【0106】
一般に、本発明の方法は還元剤と13−デオキシアントラサイクリンの溶液を調製することからなる。溶液は穏やかに還流する。そして、反応混合液は冷却してもよい。一例では、反応混合物を約0℃〜約4℃の温度に冷却する。そして、塩基を反応混合液に加える。塩基は冷却してもよい。例えば、塩基を約0℃〜約4℃の温度にする。塩基の一例として、飽和NaHCO3 水溶液が挙げられる。含ハロゲン炭素化合物溶媒を反応混合液に加えもよい。上記含ハロゲン炭素化合物溶媒を、塩基と同時に反応混合液に加えてもよい。含ハロゲン炭素化合物溶媒を冷却してもよい。例えば、含ハロゲン炭素化合物溶媒は約0℃〜約4℃の温度に冷却してもよい。使用しうる含ハロゲン炭素化合物溶媒の一例として、CHCl3 が挙げられる。そして反応混合液を濾過できる。上記濾過は低温で行ってもよい。例えば、濾過は約4℃〜約15℃の温度で行える。
【0107】
上記の塩基及び含ハロゲン炭素化合物溶媒の添加は加水分解沈殿を開始するのに好ましい。反応混合液から濾別されうるのは無機塩の沈殿物である。濾過後、濾液を酸性化してもよい。濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけてもよい。疎水性の不純物をより極性の低い溶媒で溶出することによって分離できる。そして、13−デオキシアントラサイクリン産物を溶出して、その溶出物をさらに精製できる。
【0108】
本発明の方法は、好ましくは、p−トルエンスルホン酸及び水素化シアノホウ素ナトリウムとアントラサイクリン13−トシルヒドラゾンの無水メタノール溶液を調製することからなる。溶液は窒素下穏やかに還流し、冷却する。そして、重炭酸ナトリウム飽和水溶液及びクロロホルムを加える。塩沈殿物を濾過し、濾液をジエチルエーテル中塩酸で酸性化して、シリカゲルカラムで単離する。分解の結果生じた疎水性不純物をクロロホルムとメタノールの混合液で溶出する。生成物である13−デオキシアントラサイクリンはメタノールで溶出する。メタノール溶出物は、分取HPLCでさらに精製する。
【0109】
上記方法いずれでも、13−デオキシアントラサイクリンの分離前又は後に、13−ケト基をメチレン基に還元可能な1つ又は複数の還元剤及び/又はその他の薬剤で13−デオキシアントラサイクリンを処理できる。
【0110】
以下に本発明の方法の例を示す。
【0111】
【実施例】
13−デオキシドキソルビシン塩酸塩の調製
1gのドキソルビシン13−トシルヒドラゾン塩酸塩及び2.4gのp−トルエンスルホン酸を50mlの無水メタノールに溶解する。この溶液に0.8gの水素化シアノホウ素ナトリウムを加える。その溶液を68℃−72℃に加熱して、1時間窒素雰囲気下で穏やかに還流する。
【0112】
そして、反応混合液を約20mlに濃縮して、フリーザーで0−4℃に冷却する。2mlの重炭酸ナトリウム飽和水溶液を加え、200mlクロロホルムを加える。無水硫酸ナトリウムを加え、振とう後塩を濾過する。濾液をジエチルエーテル中塩酸で酸性化する。
【0113】
その後、溶液をシリカゲルカラム(2.5×5cm)にかける。カラムは溶出液が無色になるまでクロロホルム/メタノール(10/1)で洗浄する。生成物を含有する結合分画は、メタノールで溶出する。メタノール溶出液を蒸発させ、残渣を30%アセトニトリルの蟻酸アンモニウム緩衝液(pH=4.0、0.5%)に溶解させ、分取HPLCで単離する。フェニルカラムを用い、アセトニトリル/蟻酸アンモニウムの傾斜溶出液(27%〜30%のアセトニトリル、30分)を用いて、他の不純物から生成物の分離を行う。そしてHPLCの精製分画を凍結乾燥して、13−デオキシドキソルビシン蟻酸塩を得、これを塩酸含有メタノールに溶解させる。溶媒を蒸発させ、生成物をメタノール/エチルエーテルで沈殿し、600mgの13−デオキシドキソルビシン塩酸塩を得る。収率は80%であった。
【0114】
TCL:Rf =0.38 CHCl3 (30):MeOH(10):H2 O(1)
U.V.:λmax =233,252,293,485 nm
MS: 530(M+H)
【0115】
【化11】
Figure 0004603684
【0116】
1HNMR(メタノール d4 ): (以下参照)
σ 1.30(d,3H,6’−H3 ),
1.85(m,2H,13−H2 ),
2.05(m,2H,10−H2 ),
2.60(d,1H,12−H),
3.05(d,1H,12−H),
3.55(m,1H,5’−H),
3.90(m,2H,14−H2 ),
4.05(m,3H,O−CH3 ),
4.25(m,1H,4’−H),
4.95(m,1H,3’−H),
5.40(m,1H,1’−H),
7.50(dd,1H,3−H),及び
7.80(m,2H,1−及び 2−H)
【0117】
本発明は、抗癌治療を必要とする哺乳類ホストの治療法でもある。その方法は、抗癌有効量で少なくとも1つの式1の化合物の抗癌有効量をホストに投与することからなる。
【0118】
【化12】
Figure 0004603684
【0119】
本発明の化合物の抗癌有効量は、投与の形態、哺乳類の種類、体重、年齢及び個別の状態に依存して投与してもよい。本発明の化合物は、単独の治療薬として又は治療薬の組み合わせで、調合薬に関する使用において利用可能な従来の方法で投与できる。それらは単独で投与することもできるが、一般には選択した投与経路及び標準の調剤の手法に基づいて選択した製薬用の賦形剤と共に投与される。
【0120】
投与される服用量は、もちろん、特定の薬物の薬力学的性質及び投与形態及び経路;受容者の年齢、健康及び重量;症状の性質及び拡大、同時に行う治療の種類;治療の頻度;及び、望みの効果等既知の要素に依存して変動する。活性成分の1日の服用量は、体重1キログラム(kg)あたり約0.001〜1000ミリグラム(mg)であり、好ましくは0.1mg/kg〜約30mg/kgの投与であると考えられる。
【0121】
服用形態(服用に適した組成物)は、ユニットあたり約1mg〜約100mgの活性成分を含有する。これらの医薬組成物には、通常活性成分が組成物の全体量に対し約0.5%〜95重量%存在する。
【0122】
活性成分は、カプセル、錠剤、粉末等の固形服用形態、又は、エリキシル、シロップ及び懸濁液等の液体調剤形態で経口投与できる。それは滅菌液体調剤形態で非経口投与することもできる。活性成分は鼻孔内に(点鼻薬)又は吸入法で投与することもできる。貼薬や軟膏を介して経皮投与等の他の調剤形態も可能である。
【0123】
ゼラチンカプセルは、活性成分、及び、ラクトース、スターチ、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸等の粉末化担体を含有する。同種の希釈液を圧縮錠剤を製造するために使用できる。錠剤及びカプセルの両方とも、数時間にわたって薬物の継続的放出を供する持続性放出製品として製造することができる。圧縮錠剤は、不快な風味を隠し周囲から錠剤を保護するために糖被覆又は膜被覆をするか、又は、胃腸管で選択的に消化され腸溶性の被覆をすることができる。
【0124】
経口投与のための液体調剤形態は、着色及び香付けをして患者の受容度を大きくすることができる。
一般に、水、適当な油、食塩水、水溶性デキストロース(グルコース)及び関連した糖溶液、並びに、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコールは、非経口用溶液に適当な担体である。非経口投与用の溶液は、活性成分の水溶性塩、適当な安定化剤、及び、必要に応じて緩衝液物質を含有することが好ましい。二硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、又は、アスコルビン酸等の抗酸化剤は、単独又は組み合わせで好ましい安定化剤である。クエン酸、その塩、及び、EDTAナトリウムも使用できる。
【0125】
加えて、静脈内又は腹腔内投与のための投与形態は、注入のための滅菌水又は滅菌食塩水で還元するための凍結乾燥粉末を含有することもできる。それらの溶液は、ベンズアルコニウムクロライド、メチル又はプロピルパラベン、並びに、クロロブタノール等の保存料を含むこともできる。
【0126】
好ましい医薬担体は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mark Publishing Company社、当該分野の標準参考テキストに述べられている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、心臓毒性に至る経路を表したフローチャートである。
【図2】図2は、本発明の化合物の一実施形態又はドキソルビシン175μM中でインキュベートした右心房及び心室中のドキソルビシノール時間に対する濃度を表したグラフである。
【図3】図3は、本発明の化合物の一実施形態又はドキソルビシンのHL−60細胞での[3 H]−チミジン取込みを表したグラフであり、細胞の成長阻害を示したものである。
【図4】図4は、本発明の化合物の一実施形態又はドキソルビシンのP388細胞での[3 H]−チミジン取込みを表したグラフであり、細胞の成長阻害を示したものである。
【図5】図5は、本発明の化合物の一実施形態又はドキソルビシンのMCF7細胞での[3 H]−チミジン取込みを表したグラフであり、細胞の成長阻害を示したものである。
【図6】図6は、本発明の化合物の一実施形態又はドキソルビシンのMDA−MB−231細胞での[3 H]−チミジン取込みを表したグラフであり、細胞の成長阻害を示したものである。
【図7】図7は、本発明の化合物B及びダウノルビシンの収縮性機能に与える作用を表したグラフである。
【図8】
【図9】
【図10】図8a−cは、それぞれ本発明の化合物の一実施形態、ドキソルビシン又はコントロールサンプルを使用して20〜23週間治療したウサギから得られる左心室組織の組織変化を表わす200倍拡大光学顕微鏡写真であり、本発明の化合物A又はコントロールサンプルでは見られないが、ドキソルビシンのサンプルでは筋細胞の空胞形成及び筋原繊維の欠損が示されている。

Claims (7)

  1. 13−デオキシドキソルビシンの製造方法であって、
    ドキソルビシン13−トシルヒドラゾンのp−トルエンスルホン酸及び水素化シアノホウ素ナトリウム入り無水メタノール溶液を調製し;
    溶液を75℃以下の温度で、無酸素、無水及び窒素下で穏やかに還流し;
    その溶液を冷却し;
    重炭酸ナトリウム飽和水溶液及びクロロホルムを溶液に加え、沈殿物を形成させ;
    沈殿物を濾過し;
    濾液をジエチルエーテル中塩酸で酸性化して;
    濾液中に含有された塩をシリカゲルカラムで単離し;
    塩の分解の結果生じた疎水性不純物をクロロホルムとメタノールの混合液で溶出し;
    生成物13−デオキシドキソルビシンをメタノールで溶出し;
    そして
    メタノール溶出物を分取HPLCでさらに精製することからなる方法。
  2. 前記溶液のpHが6.5以下である請求項1記載の方法。
  3. 前記還流を68℃〜72℃の温度で行う請求項1記載の方法。
  4. 前記還流を65℃〜75℃の温度で行う請求項1記載の方法。
  5. 前記還流を不活性ガス雰囲気下で行う請求項1記載の方法。
  6. 前記方法は70%〜80%という収率を与える請求項1記載の方法。
  7. 13−デオキシドキソルビシンを製造する請求項1記載の方法であって
    gのドキソルビシン13−トシルヒドラゾン塩酸塩及び2.4gのp−トルエンスルホン酸を50mLの無水メタノール中に溶解して溶液を調製し
    .8gの水素化シアノホウ素ナトリウムを前記溶液に加え;
    前記溶液を68℃〜72℃の温度に加熱し;
    前記溶液を1時間窒素雰囲気下で緩やかに還流し;
    反応混合液を20mLに濃縮し;
    反応混合液をフリーザーで0〜4℃の温度に冷却し
    mlの飽和重炭素ナトリウム水溶液を反応混合液に加え
    00mlのクロロホルムを反応混合液に加え;
    無水硫酸ナトリウムを加え;
    攪拌後、無水硫酸ナトリウムの添加により生じた塩を濾過し;
    濾液をジエチルエーテル中塩化水素で酸性化し;
    前記溶液をシリカゲルカラムに通し;
    さらに、溶出液が無色になるまでクロロホルム/メタノールでカラムを洗浄し;
    生成物を含有する分画をメタノールで溶出し;
    メタノール溶出液を蒸発させ;
    蒸発の結果得られた残渣を30%アセトニトリル−蟻酸アンモニウム緩衝液に溶解させ;
    生成物をフェニルカラムを用いて分取HPLCで単離し;
    生成物をアセトニトリル/蟻酸アンモニウムの傾斜溶出液を用いて他の不純物から分離し;そして、
    HPLCの精製分画を凍結乾燥して、600mgの13−デオキシドキソルビシン塩酸塩を得ることからなる方法。
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