JP4601757B2 - 仮固定用接着剤組成物及びその使用方法 - Google Patents

仮固定用接着剤組成物及びその使用方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は作業性と加工精度に優れると共に、機械加工後の剥離工程において水または水と水溶性有機溶剤を混合した水溶液を剥離液として用いる高性能な仮固定用接着剤組成物と該仮固定用接着剤組成物を用いた部品の加工方法に関する。
更に詳しくは、本発明は部品の仮固定を伴う機械加工工程において、該工程から環境汚染を伴う有害物質を排除して環境保全と作業の安全性を大幅に改善すると共に、操作性、加工精度、生産性を向上する仮固定用接着剤組成物及び上記剥離液、並びに該仮固定用接着剤組成物及び剥離液を用いた部品の加工方法に関する。
本発明は又、上記仮固定用接着剤組成物、及び、水、又はアルコール系、ケトン系、多価アルコール系、窒素化合物系、及び硫黄化合物系水溶性有機溶剤から成る群から選択される少なくとも一種類の水溶性有機溶剤と水とを混合した水溶液を含有する剥離液を含む、仮着剤キットに関する。
【0002】
【従来の技術】
水晶、石英、光学ガラス、セラミックス、ステンレス、フェライト、アルミニウム等から振動子、レンズ、プリズム、コンデンサ、パッケージ部品、磁石等の各種精密部品の切断や研磨加工時のワーク(被加工部品)の仮固定にはワックスや松ヤニなどのホットメルト接着剤が使用されていた。しかし、この種のホットメルト接着剤は接着及び脱着時に約150℃の高温状態での作業および、その後更にアルカリ溶剤ないしはハロゲン系有機溶剤による洗浄を必要とする。そのため、仮固定作業や剥離における操作に熟練を要するとともに危険性を伴うのみならず、作業環境の悪化や環境汚染を招いていた。
【0003】
上述の欠点を解決するために種々の公報が開示されている。
特開昭61-287976号公報では、 (A)末端に重合可能なエチレン性二重結合を有し、主鎖に?(CH2-CH2-O)n−(ただし、nは9乃至25の整数)で表されるポリエチレンオキサイドを含むプレポリマー、(B)重合可能なエチレン性二重結合を少なくとも一つ以上有する水溶性モノマー、(C)重合開始剤、を含むものが開示されている。この(A)は末端に重合可能なエチレン性二重結合を有し主鎖にポリエチレンオキサイドを含有するウレタン系プレポリマーである。ウレタン系プレポリマーは具体的にはポリエチレンオキサイド結合を有する有機モノまたは多価アルコールおよびイソシアネート基を反応して得られるポリウレタンポリマーと活性水素を有する(メタ)アクリレート単量体との反応によって得られるプレポリマーである。
【0004】
特開平2-140279号公報にはエチレン性二重結合を有する吸水性モノマーと光重合開始剤よりなる仮固定用接着剤組成物が開示されている。
特開平2-142874号公報では (A)分子内に重合可能なエチレン性二重結合を少なくとも一つ有する吸水性モノマー、(B)吸水性ないしは水溶性高分子物質、(C)光重合開始剤を用いた仮固定用接着剤組成物が開示されている。
【0005】
特開平2-147678号公報では (A)分子内に重合可能なエチレン性二重結合を少なくとも一つ有する吸水性モノマー、(B)レドックス系開始剤を用いた仮固定用接着剤組成物およびこの使用方法が開示されている。
【0006】
特開平6-116534号公報では水に可溶な複素環状2級アミン残基を有する(メタ)アクリルアミドの樹脂成分と、光重合開始剤と、必要に応じて水とを含んでなる接着硬化物が水に可溶な仮固定用の紫外線重合性の接着剤組成物が開示されており、また特開平6-116535号にはN,N−ジメチルアミノエチルメタアクリレートの塩化メチル塩等の4級アンモニウム塩を用いた接着剤組成物が開示されている。
【0007】
特開平10-245526号公報では (A)N-ビニル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等から選択される一種または複数の化合物、(B) N-ビニル-2-ピロリドンの単独重合体、かつ、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミドの単独重合体、N-ビニル-2-ピロリドンとN,N-ジメチル(メタ)アクリルアミドとの共重合体から選択される、水溶性もしくは吸水による膨潤性を有する一種または複数種の高分子物質、(C)重合開始剤よりなる仮固定用接着剤組成物を用いた小物品の加工方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特開昭61-287976号公報記載の仮固定用接着剤組成物は重合度が9〜25の長鎖のポリエチレンオキシドを含むプレポリマーの粘度が高いため、多数のワークを積層体した隙間へ浸透させて塗布することが困難であったり、塗布した接着剤の厚みが厚くなりワークが浮き上がって精密な位置合わせが困難になったり、ワークが傾斜して所定の加工精度が得られないという欠点があった。また該長鎖ポリエチレンオキサイドを含むプレポリマーは分子量が大きいため他の成分との相溶性に乏しく、接着剤中に沈殿を生じたり、冬季に固形状になる等の支障を招くことがあった。更に当該公報に開示された加工方法は機械加工後の小物品を取り外す際に高温の沸騰水中に浸漬するため、例えば薄い肉厚の小物品を剥離した時に破損し易いといった問題を有していた。
【0009】
特開平2-140279号、特開平2-147678および特開平6-116534号公報に開示された仮固定接着剤組成物は強い親水性を示すモノマーだけで構成されているため、ワークとの接着力が強くなり過ぎて剥離する為に非常に長時間を要したり、あるいは水を吸収した時に粘着性のあるゲルとなってワーク表面に付着し、洗浄の手間が掛かるといった実用上の難点があった。
また該仮固定用接着剤組成物の接着強度を低減する方法として、接着剤を硬化する際の光照射時間を非常に短くしたり、紫外線の放射照度を低下して該親水性モノマーの重合を途中で中断する方法があるが、この様に途中で中断した重合体の示す特性は非常に不安定であり、作業環境の日々の気温変動や紫外線ランプの経時的な放射照度の低下、接着剤成分の原料ロットの相違や吸湿等の工程上避けられない様々な変動要因によって接着強度が変化しやすく、例えば接着強度が大きく低下して加工中に脱落したり、あるいは前述のごとく接着強度が必要以上に高くなり剥離困難になる等の工程上の問題が発生し、工程管理が困難になるという問題が生じる。
【0010】
特開平2-142874号に開示された仮固定用接着剤組成物は水溶性のポリマーを多量に含有するため、接着剤組成物の粘度が高くなり特開昭61-287976号記載の接着剤組成物と同様精密な仮固定に用いることができないと共に、水に浸漬した時に粘着性を有するゲル状になるため、ワークに付着して洗浄し難くしたり、肉厚の薄い小さな部品を剥離する際に、その粘着力によって部品同士が長時間剥離しなくなるといった欠点があった。
【0011】
特開平6-116535号に開示されたN,N−ジメチルアミノエチルメタアクリレートの塩化メチル塩等の4級アンモニウム塩は常温で固定であるため、実用に際して水または2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートを配合して用いられるが、水を含むものは仮固定時の接着性に乏しく機械加工工程の加工圧力によってワークが脱落したり欠けたりするといった問題が生じたり、塗布中に水分が蒸発して前記4級アンモニウム塩が固体として析出し支障をきたすといった欠点があった。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等を更に配合することで接着強度を高めることはできるが、季節による作業場の温湿度変化や、紫外線照射時の温度上昇等の生産工程上の避けがたい外乱によって、塗布された接着剤中に含まれる水分の含有率が変化してしまい、接着特性が不安定となって、加工中の部品の脱落や欠損を招いたり、逆に剥離が困難になる等の問題が発生し易い。
【0012】
特開平10-245526号に開示された接着剤組成物で用いられるN−ビニルピロリドンは特開平6-116534号に開示されている通り変異原性があり有害である。また同報に開示されたN,N−ジメチルアクリルアミド等は有害ではないが、接着剤成分として水溶性ポリマーを多量に用いるため、粘度が非常に高くなり、特開昭61-287976号と同様に積層体の間隙に浸透させて接着剤を塗布することが困難であり、仮固定における位置合わせの精度の低下も招きやすい。また、特開平2-142874号と同様に剥離工程で水を吸収すると粘着性を示し、薄肉の小さな部品が剥離し難いという問題も生じていた。
【0013】
かかる従来技術の問題に鑑み、本発明は浸透性に優れ積層したワークの間隙に浸透して接着することが可能であり、位置合わせの寸法精度に優れ、仮固定後の機械加工に耐える充分な接着力を有すると共に、比較的低温の水または水と水溶性有機溶剤との混合液から成る剥離液に浸漬することで速やかに欠損を生じることなく剥離可能な、仮固定用接着剤組成物とその加工方法を提供することを目的として為された。
また本発明は該仮固定用接着剤組成物及び該剥離液、該組成物と剥離液を含む仮着剤キット、並びにそれらの使用方法を提供することで、仮固定を伴う機械加工工程から、有害で環境汚染をもたらすハロゲン系溶剤を排除し、環境保全と作業の安全性を大幅に改善すると共に、加工工程の作業性と生産性を大きく向上させることを目的として為された。
【0014】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、下記1),2),及び3)を含有することを特徴とする仮固定用接着剤組成物に係る:
1)N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及びグリセロール(メタ)アクリレートから成る群から選択される少なくとも1種類の親水性ビニルモノマー;
2)下記構造式(I)で示される少なくとも1種のポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレート
【0015】
【化2】
Figure 0004601757
【0016】
但し、R1、R2、R3はHまたはCH、nは4〜8の整数;及び
3)ラジカル重合開始剤。
【0017】
本発明組成物により仮固定されたワークは、水、又はアルコール系、ケトン系、多価アルコール系、窒素化合物系、及び硫黄化合物系水溶性有機溶剤から成る群から選択される少なくとも一種類の水溶性有機溶剤と水とを混合した水溶液から成る剥離液に浸漬することで、欠損を生じることなく速やかに剥離することが可能である。
従って、本発明は、上記仮固定用接着剤組成物、剥離液、並びに該接着剤組成物及び該剥離液を含む仮着剤キットにも関する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明に使用される仮固定用接着剤組成物の構成成分について以下に詳しく説明する。
本発明組成物に含まれる少なくとも1種類の親水性ビニルモノマーは、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及びグリセロール(メタ)アクリレートから成る群から選択される。
これらのモノマーは仮固定接着剤に良好な接着性を与えると共に水分に対する親和性を示すことで水または水と上記剥離液に浸漬した時に短時間で水分が浸透する性質を付与し剥離時間の促進に役立つ。
【0019】
本発明の構造式(I)で示される少なくとも1種のポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートは、ワークの仮固定時においてはワークに対する適度な密着性を示し、上記剥離液に浸漬した際には水和により速やかに剥離するという性質を有するため、仮固定用接着剤の成分として非常に優れた特性を有している。
ポリアルキレンオキシド連鎖の重合度を表す構造式(I)中のnは4〜8であり、nがこれを下回ると、本発明の剥離液に浸漬した時に剥離し難くい。またnが本発明の範囲を上回るとワークとの密着性の低下してワークの固定に欠陥が生じたり、常温で固体状となり本発明の前記親水性ビニルモノマーとの仮固定用接着剤組成物が不均質になり性能低下を招いたり、冬季に結晶状態となって使用困難になる等の欠点が発生する他、仮固定用接着剤組成物の粘度が高くなり精密な固定精度を要するワークの仮固定が困難になる等の問題が発生する。
【0020】
前記構造式(I)の化合物の使用量は、該化合物の種類、ワークの種類・大きさ等に応じて当業者が適宜選択することが出来るが、通常、5〜70重量%が好ましく、10〜60重量%が更に好ましい。
上記の好適な組成範囲で用いることで0.3〜50mm程度の大きさの一般的な物品の加工において好適な固定強度と剥離時間を有する仮固定用接着剤が得られる。しかしワークの大きさが大きい場合には更に使用量を増大することも可能であり、逆に長時間の加工を要する場合等においては3〜5重量%等の使用量に減じて加工中の剥離欠陥を低減する等の調節が可能である。しかし本発明の構造式(I)の化合物を用いないと剥離時間が非常に長くなり生産性が著しく低下するという実用上の問題が発生する。
【0021】
本発明の仮固定用仮着剤組成物に使用するラジカル重合開始剤としては有機過酸物やアゾビスイソブチロニトリル等の公知の熱重合開始剤や紫外線重合開始剤や可視光重合開始剤を用いる。
熱重合開始剤はベンゾイルパーオキサイド、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t-ブチルパーロイルベンゾエイト、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーロイル)バラレイト、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーロイル)ヘキサン等の有機過酸化物、および2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2-(カルバモイルアゾ)-イソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)等のアゾ化合物が挙げられる。
紫外線重合開始剤としてはベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン系、ベンゾイル安息香酸、4-フェニルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン等のアセトフェノン系等が挙げられる。
【0022】
また可視光重合開始剤としてはベンジル、キノン類、アシルフォスフィンオキサイド、α-アミノケトン、ビスアシルフォスフィンオキサイド、メタロセン、チオキサントン等が挙げられるが、カンファーキノン、アシルフォスフィンオキサイド、α-アミノケトン、ビスアシルフォスフィンオキサイド、及びメタロセンから成る群から選択することが好ましい。
かかる群に属する化合物の具体例としては、カンファーキノン、2, 4, 6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(η-2,4-シクロペンタジエン-1-イル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)-フェニル)チタニウム等が挙げられる。
尚、上記可視光重合開始剤を使用した場合にも、紫外光照射による紫外線重合により仮固定を実施することが可能である。
本発明では前記のラジカル重合開始剤を二種類以上混合して用いても差し支えなく、その合計の使用量は通常0.05〜10重量%の範囲で適宜調整される。
【0023】
また、本発明の仮固定用接着剤組成物には本発明の効果を損なわない限りにおいて、任意成分として疎水性モノマー、ポリマー、無機フィラー等を添加して粘度や力学特性を調整したり、色素等を添加して着色することも可能である。
疎水性モノマーは接着剤組成物に適度な疎水性を付与して、機械加工時の耐水性を向上し、長時間の加工に耐えるようにするに調整することができる。疎水性モノマーの具体例としては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレートおよび1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール#400ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#600ジメタクリレート等の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
ポリマーは接着剤組成物の粘度を高めて、平面度の悪いワークを基板に固定する際に生じる隙間を充填し易くすることができる。但し、本発明の仮固定用接着剤組成物は少量のポリマーの添加によって粘度を高められるため、水等に浸漬して剥離する際に粘着性物質とならず、剥離時間の遅延などの生産性の低下が生じることがない。本発明に好適に用いられるポリマーの具体的としてはポリビニルピロリドンやポリメチルメタクリレート等が挙げられ、その添加量は通常1〜10重量%の範囲である。
【0024】
更に本発明は、本発明の仮固定用接着剤組成物を用いて被加工部品を仮固定し、所定の機械加工を行った後に、水、又は水とアルコール系、ケトン系、多価アルコール系、窒素化合物系、及び硫黄化合物系の水溶性有機溶剤から成る群から選択される少なくとも一種類の水溶性有機溶剤を混合した水溶液から成る剥離液に浸漬して剥離することを特徴とする部品の加工方法に係る。
本発明の加工方法において、本発明の仮固定用接着剤組成物を用いて仮固定することの出来る被加工部品の材質に特に制限はない。好適な材質として、透明材料としては、例えば、板ガラス、カラーガラス、光学ガラス、レーザーガラス、YAG、水晶、ルビー、サファイア、石英等を挙げることが出来る。又、不透明材料としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、フェライト、希土類磁性体、強誘電性セラミクス、シリコンウェーハー、チタン、チタン合金、ステンレス、アルミニウム、鉄、真鍮等が挙げられる。
以下、本発明の加工方法について具体的に説明する。
【0025】
まず、被加工部品を仮固定する為に、接着固定する一方のワーク又は支持基板上に、接着面積に応じて本発明の仮固定接着剤組成物を適量塗布し、続いてもう一方のワークを重ね合わせるという方法を用いたり、また予め仮固定するワークを多数積層しておき、本発明の仮固定用接着剤組成物を隙間に浸透させて塗布する。
本発明の仮固定用接着剤組成物は、ワックスや松ヤニなどのホットメルト接着剤のように粘性変化を伴う加熱条件下での塗布作業を行う必要が無く、室温の安定した粘度で作業者の必要とする任意の時間で操作出来るため、経験の浅い作業者でも容易に正確な位置合わせができ、位置合わせに伴う火傷等の危険性もない。
また、本発明仮固定用接着剤組成物は低粘度であるため、塗布後の接着剤の厚みが薄くなり、ワークの傾きや厚みムラが極めて小さい、高い固定精度が得られるとともに、多数のワークを積層した場合でも接着剤組成物がワークの隙間に速やかに浸透させることができる。尚、仮固定するワークの表面が粗い場合や平面度が悪い場合で、基板とワーク表面に間隙が生じる様な場合は本発明の仮固定用接着剤組成物に前述のポリマーを少量添加して粘度を高めることで隙間無く充填することも可能である。
【0026】
次に、従来公知の熱重合、紫外線重合、可視光重合を行い、塗布した本発明の仮固定用接着剤組成物を硬化させることにより、被加工部品を仮固定する。
例えば、セラミックスおよびステンレス、アルミニウム、フェライトなどの金属等の不透明なワークを仮固定する場合はラジカル重合開始剤として熱重合開始剤を添加した接着剤組成物とし、塗布工程を終えた後にワークを加熱すれば良い。その際、通常、40℃〜150℃の温度範囲で5分〜5時間、好ましくは50℃〜120℃の温度範囲で10分〜120分の加熱により熱重合を行うことが出来る。尚、当業者であれば、熱重合開始剤の添加量と種類を調整することで、生産工程に都合の良いように重合温度と重合時間を適宜調節することができる。
【0027】
これに対して、例えば、光学ガラス、水晶等の透明なワークを仮固定する場合は、紫外線重合または可視光重合で仮固定することができる。
紫外線重合をおこなう場合は、ラジカル重合開始剤として紫外線重合開始剤かまたは可視光重合開始剤を添加した接着剤組成物を使用し、塗布工程を終えたワークに光照射を行うことで固定する。紫外線重合を行う際の光源としては高圧水銀灯、水銀キセノンランプ、メタルハライドランプ、紫外線蛍光ランプ等が用いられる。紫外線照射条件は当業者が適宜決めることが出来るが、360nmにおける放射照度が0.5mW/cm以上が好ましく、照射時間は放射照度に応じて10秒〜30分程度の範囲で実施するのが好ましい。
【0028】
可視光重合をおこなう場合は、ラジカル重合開始剤として可視光重合開始剤を添加した接着剤組成物としておき、塗布工程を終えたワークへ可視光を照射する。光源は可視専用蛍光ランプ、ハロゲンランプ等を用いる。可視光照射条件は当業者が適宜決めることが出来るが、420nmにおける放射照度が2mW/cm以上で照射時間は10秒〜20分間が好ましい。
特に可視光重合開始剤を配合した仮固定用接着剤組成物を用いると、ケミカルランプなどの紫外線光源を用いたときでも、紫外線重合開始剤を用いた場合よりも短時間の光照射で大きな硬化深度が得られる。
更に可視光光源を用いた可視光照射を行うことで、その効果は更に数倍増大して数十mmに及ぶ硬化深度が容易に得られる為、例えば多数のワークを積層して一度に硬化する場合などにおいてワークの深部まで確実に硬化させることができ確実な固定性や硬化時間の短縮効果等の非常に優れた効果をもたらす。
また可視光重合開始剤を添加して可視光硬化型の接着剤組成物として、可視光光源により可視光重合すると、紫外線吸収性を有する光学素子や着色フィルタ等についても、水晶やガラス等と同様に数分程度の光照射による仮固定が可能となり、従来の数十分以上を要した熱重合による方法に比べて生産性を大幅に高めることができる。又、重合を可視光で行うようにすることで、作業者が有害な紫外線に暴露される危険性もなくなり、仮固定工程の安全性の点でも非常に好ましい作業環境を構築することができる。
尚、本発明の仮固定用接着剤組成物は、本発明の構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシド(メタ)アクリレートの作用によって重合温度、重合時間、放射照度等を増大しても剥離困難になる恐れがないため、誤って過剰な光照射を行ったり、加熱時間が長くなる等した場合においても、加工工程や剥離工程でのトラブルを招く恐れがないので、生産工程の安定化にも役立つ。
【0029】
次に、仮固定したワークには所望の形状に切断、研削、研磨、孔開け等の通常の機械加工が施されるが、更に、半田付けや蝋付け加工等の短時間の接合加工も本発明方法の機械加工に含まれる。その際、本発明の仮固定用接着剤組成物で仮固定されたワークは高い接着強度で接着されているので、機械加工中に脱落したり変形し難く良好な加工耐久性を示す。
機械加工を施されたワークは支持基板やワーク同士から剥離される。剥離方法は該ワークを単に上記剥離液に浸漬することで行うことが出来る。この際、本発明の仮固定用接着剤組成物はワークに直接触れることなく自然に剥離するので、剥離中の破損を防ぐことができる。また、ハロゲン系溶剤または強アルカリ水溶液を使用しないので作業の安全性や環境保護の点で優れている。水で剥離する場合は、通常、室温〜90℃の温度にして行う。水と水溶性有機溶剤を混合した剥離液で剥離する場合は、その共沸温度以下でおこなう。剥離時の温度はワークの耐熱性等に応じて適宜設定されるが、ワークに支障が無い限りに於いて40℃〜80℃で剥離するのが好適である。
本発明の剥離液に使用する水溶性有機溶剤としては,メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、N-メチルピロリドン、又はジメチルスルホキシドが特に好ましく、二種以上の溶剤を混合して用いても差し支えない。
【0030】
本発明の剥離液における水と水溶性有機溶剤の混合比は、本発明の仮固定用接着剤組成物の種類等に応じて、当業者が適宜選択することが可能であるが、重量比で水:水溶性有機溶剤=3:97〜80:20の範囲にすることが好ましい。特に、水と水溶性有機溶剤を含有する剥離液で剥離すると、水だけで剥離するよりも短時間で剥離することができ、またワークがステンレスおよびアルミナ等の場合や表面が粗面である様な場合では、膨潤した仮固定接着剤の残渣がワーク表面から剥がれ易いなどの効果も得られるため、ワークの洗浄効果においても好適である。
なお、上記水溶性有機溶剤だけで剥離を試みると、剥離時間が大幅に長くなったり剥離できなくなるという問題が発生する。しかし、水溶性有機溶剤に水を少量混合することで剥離時間が著しく短縮され優れた剥離特性を示す。このことは本発明で初めて見いだされた現象であり、本発明の仮固定用接着剤組成物との組合わせることで得られる非常に有用な性質である。
【0031】
また、本発明の仮固定用接着剤組成物で仮固定された鉄、フェライト、希土類金属等の腐食しやすい材質よりなるワークを剥離する場合には、前記のような水溶性有機溶剤に水を少量混合した水溶液を剥離液として使用すれば、錆の発生を抑制する効果も得られるが、より積極的に錆の発生を防止する方法として、更に剥離液に、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、尿素縮合体およびその誘導体、チオ尿素及びその置換体、並びにアルデヒド類等の水溶性吸着型腐食抑制剤を含有させることができる。
水溶性吸着型腐食抑制剤の具体例としては、オクチルアミン、ドデシルアミン、アニリン、チオ尿素、アセトアルデヒド等の他、特開平9-291381号公報, 特開平9-3667号公報等に開示されている高性能な水溶性防錆剤等を適用することができる。これら水溶性吸着型腐食抑制剤の使用量は水に対して、通常1〜10重量%の範囲であり、水だけで剥離する際に用いる他、水と水溶性有機溶剤を含有する剥離液で用いても良い。特にワークの材質が希土類磁性体等の非常に腐食し易い場合には、水の重量比を3〜20%程度に低減した剥離液に更に上記水溶性吸着型腐食抑制剤を添加して用いることで非常に優れた防錆効果が得られる。
なお、本発明ではワークを破損しないなど本発明の効果を損なわない限りにおいて、剥離の際にワークに揺動、水流、超音波や温度変化等の物理的刺激を与えて、剥離時間や洗浄に要する時間を更に短縮することも可能である。
【0032】
尚、本発明の加工方法の対象となる被加工部品の大きさに特に制限はない。従って、例えば、幅1mx長さ2m程度の板ガラスを仮固定することも可能である。
しかしながら、機械加工後、生産工程として実用的である時間内に剥離が完了するという観点から、機械加工後の被加工部品の大きさとして、本発明の仮固定用接着剤組成物で仮固定されている部分の寸法が、好ましくは0.1mm〜200mmの範囲にあることが好ましい。更に、機械加工後の被加工部品のかかる寸法が0.3mm〜50mmの範囲にあるときには、機械加工工程とその後の剥離工程の時間的バランスも良好に保たれ、1日数千〜数万個に及ぶ大量生産も遅滞なく可能ならしめる為、有利である。
【0033】
又、本発明加工方法における機械加工の中でも、特に、本発明の仮固定用接着剤組成物による仮固定の効果が有効に発揮されるものとして、例えば、機械加工後の厚みが0.1μm〜10μmの範囲にあるような高度な寸法精度が要求される精密研削及び研磨工程を挙げることが出来る。
即ち、本発明の仮固定用接着剤組成物は大きさ数十mmの被加工部品であっても、仮固定後に平均10μm以下の厚みで仮固定することが可能であり、しかも厚みのムラを10μm以下に低減することも出来、更に、加工圧力や加工時の熱等による寸法変化が極めて小さいという特長を有するものである。従って、本発明の仮固定用接着剤組成物を使用して繰り返し多数の被加工部品を仮固定した場合においても、仮固定後の被加工部品の厚みを常に10μm以下の固定精度に抑制することが出来、且つ、仮固定された被加工部品の傾斜角も極めて小さく(約50秒以下)出来る。
このような本発明の特長は、例えば、水晶振動子、超音波遅延線ガラス、精密抵抗、精密コンデンサ等の数μm以下の高度な厚み精度が要求される部品の加工に特に適した性能である。
尚、本発明の仮固定用接着剤組成物の厚みが数μmの範囲で変動しても、前記の高精度部品の加工工程では厚みを計測管理しながら加工することが出来るため、実質的な厚み精度は仮固定された被加工部品の傾斜角に支配される。本発明の仮固定用接着剤組成物で仮固定した被加工部品の傾斜は縦横1mm当り0.2μm以下にできるので、同程度の厚み精度を要する加工にも本発明方法を適用することが出来る。
【0034】
本発明仮固定用接着剤組成物を好適に用いることのできるその他の機械加工の具体例としては、例えば、加工後の本発明の仮固定用接着剤組成物で仮固定されている部分の寸法が、0.3mm〜30mmの範囲にある水晶又はセラミックス製の振動子の切断、研磨加工、同寸法が0.3mm〜50mmの範囲にある光学プリズム、光学レンズ、光学フィルタ、超音波遅延線ガラス等の切断、研磨、研削加工、同寸法が1mm〜50mmの範囲にあるステンレス又はアルミニウム等のパッケージ部品の切断、研磨、研削、孔開け加工、同寸法が2mm〜50mmの範囲にあるマイクロモーター又はリレー用のミニチュア磁石の切断、研削、研磨加工、同寸法が0.2mm〜30mmの範囲にあるセラミックスコンデンサ又は精密抵抗体の切断、研磨加工、同寸法が0.1mm〜数mmの範囲にあるシリコン、ゲルマニウム、酸化ケイ素等のマイクロマシン又はマイクロコンデンサ等の切断、研磨加工、及び、同寸法が0.3mm〜20mmの範囲にある超音波遅延線ガラスの切断、研削、精密研磨加工を挙げることが出来る。
【0035】
【実施例】
次に実施例および比較例により本発明を更に詳しく説明する。これらは単なる例示であって、本発明の技術範囲を何等制限するものではない。
仮固定用接着剤組成物の調製方法:表1および2に記載された組成比で、各成分を秤量し攪拌して溶解させて仮固定用接着剤組成物を得た。紫外線重合開始剤または可視光重合開始剤を使用した場合は遮光容器を使用した。また、表1および2における組成を示す数値の表示は重量部を示す。
紫外光重合方法:ケミカルランプ(東芝ライテック(株)製)を用いて紫外線を照射した。
熱重合方法:80℃の恒温内で30分間加熱した。
可視光重合方法:可視光ランプ((株)アーデル製 FL-V)を用いて可視光を照射した。
剥離時間測定方法:仮固定されたワークを所定温度の剥離液中に浸漬して、ワークに触れないで自然に剥離した時間を測定した。
【0036】
【実施例1】
N,N-ジメチルアクリルアミド(DMAA) 30g、構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートのnが6であるヘキサプロピレングリコールモノアクリレート(HPGA) 70g、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 0.5gをねじ口ガラス瓶に入れ、攪拌して溶解し仮固定用接着剤組成物を調製した。二枚のスライドガラス(縦76、横26、厚さ1.3mm)を用意し、一方のスライドガラス上に調製された接着剤組成物を塗布し、その上にもう一枚のスライドガラスを、気泡を巻き込まないようにのせた。このとき、接着剤組成物の粘度変化はなく、スライドガラスの重ね合わせは容易にできて操作性は良好であった。熱重合を行うと二枚のスライドガラスは強固に固定されており、手指で剥離しようとするとガラス自身が破損するほどであった。同接着剤組成物で直径6mm高さ10mm、直径20mm高さ25mmのパイレックスガラス同士を同条件にて仮固定し、材料試験機を使用してクロスヘッド速度1mm/minで圧縮剪断試験を実施したところ、7.0MPaの良好な接着強度を示した。
次に前記の方法で仮固定された二枚のスライドガラスの厚さをマイクロメーターで測定して、硬化した接着剤組成物の厚さのムラを計測したところ、0.010mm以下であり、厚さムラの小さい高い固定精度が得られることが確認された。このスライドガラスをダイヤモンドカッターで幅10mmに切断したところ、切断中にスライドガラスの脱落や欠損は発生せず、良好な切断耐久性を有していた。切断されたスライドガラスを80℃の水に浸漬すると2〜5時間で剥離した。
以上、本実施例の仮固定用接着剤組成物は、良好な操作性と、高い固定精度を有し、加工耐久性も良好であり、短時間で剥離する優れた生産性を有することが確認された。
【0037】
以下に示す比較例1〜5は、本発明の実施例1に対する比較例であり、本発明の優れた特長をより明確に示したものである。
[比較例1]表2に示された組成比で仮固定用接着剤組成物を調製した。即ち、ポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートを使用しないで、実施例1と同様の操作で二枚のスライドガラスを重ね合わせた。このとき、接着剤組成物の粘度変化はなく、スライドガラスの重ね合わせは容易であり、操作性は良好であった。熱重合で固定した二枚のスライドガラスは強固に固定されていた。
実施例1と同様に接着強度の測定をおこなうと、接着強度は17.2MPa以上の非常に高い接着強度を与えた。実施例1と同様に硬化接着剤組成物の厚さのムラを測定すると0.010mm以下となり、厚さのムラの小さい良好な固定精度が得られた。このスライドガラスをダイヤモンドカッターで幅10mmに切断したところ、切断中にスライドガラスの脱落や欠損は発生せず加工耐久性も良好であった。
しかし、切断されたスライドガラスを80℃の水に浸漬すると、接着剤組成物は粘着物質となり、20時間浸漬してもスライドガラスは剥離せず、仮固定用接着剤組成物として使用できないという問題が生じた。
即ち、本発明に開示した親水性ビニルモノマーのN,N-ジメチルアクリルアミド(DMAA)を単独で用いても、仮固定用接着剤組成物として使用できないことが確認された。
【0038】
[比較例2] 表2に示された組成比で仮固定用接着剤組成物を調整した。即ち、親水性ビニルモノマーを使用しないで、実施例1と同様に二枚のスライドガラスを熱重合で仮固定した。実施例1と同様に接着強度を測定すると1.9MPaと非常に小さいことが分かった。仮固定されたスライドガラスをダイヤモンドカッターで幅10mmに切断すると、切断中にスライドガラスが剥がれてしまい、十分な加工耐久性が得られなかった。
即ち、本発明で開示した構造式(I)の化合物であるヘキサプロピレングリコールモノアクリレートだけを単独で用いたとしても、仮固定用接着剤組成物として使用できないと言うことが明らかになった。
【0039】
[比較例3]表2に示された組成比で仮固定用接着剤組成物を調製した。即ち、構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートとして、nが23であるメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(MPEGMA)を使用した。MPEGMAはN,N-ジメチルアクリルアミドに溶けずに沈殿し、また12℃付近で接着剤組成物は凝固して塗布することが困難であった。
即ち、本発明で開示した構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートのnが本発明の範囲を越えると、均質な接着剤組成物が得られず、また塗布操作も困難になることが確認された。
【0040】
[比較例4]表2に示された組成比で仮固定用接着剤組成物を調製した。即ち、比較例3と同様に、構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートとして、nが23であるメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(MPEGMA)を使用した。しかし、MPEGMAはアクリロイルモルホリンに溶けず沈殿し、また12℃付近で接着剤組成物は凝固して塗布することができなかった。
即ち、構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートのn数が本発明の範囲以上の場合、親水性モノマーの種類を代えても均質な接着剤組成物を調製することができず、また塗布もできないことが確認された。
【0041】
[比較例5]表2に示された組成比で仮固定用接着剤組成物を調製した。即ち、本発明で開示した構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートのnが2である、ジエチレングリコールモノメタクリレート(DEGMA)を使用して、実施例1と同様の操作で二枚のスライドガラスを重ね合わせた。このとき、実施例1と同様に、操作性は良好であった。熱重合で二枚のスライドガラスは強固に固定された。実施例1と同様に硬化接着剤組成物の厚さのムラを測定すると0.010mm以下で厚さのムラは小さく、高い固定精度が得られた。仮固定されたスライドガラスをダイヤモンドカッターで幅10mmに切断した場合、切断中にスライドガラスの脱落や欠損は発生せず良好な加工耐久性を示した。
しかし、切断されたスライドガラスを80℃の水に浸漬すると、20時間を経過しても剥離しなかった。
即ち、構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートのnが本発明の範囲を下回ると部品の剥離時間が極めて長くなり、生産性に著しく低下することが明らかになった。
【0042】
【実施例2】
表1に示された組成比で仮固定用接着剤組成物を調製した。即ち、本発明で開示した構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートのnが8である、オクタエチレングリコールモノメタクリレート(OEGMA)を使用して、実施例1と同様の操作で二枚のスライドガラスを重ね合わせたところ、実施例1と同様に良好な操作性を示した。熱重合を行ったところ、二枚のスライドガラスは強固に固定されており、手指で剥離しようとするとガラスが破損するほどであった。実施例1と同様に硬化接着剤組成物の厚さのムラを測定すると0.010mm以下であり、厚さのムラの小さい高い固定精度を有していた。仮固定されたスライドガラスをダイヤモンドカッターで幅10mmに切断すると、切断中にスライドガラスの脱落や欠損は発生せず、良好な加工耐久性を示した。切断されたスライドガラスを60℃の水とエタノールとを重量比で50対50に混合した水溶液に浸漬したところ、2〜5時間の短時間のうちに自然に剥離した。
これらの結果から、実施例1において構造式(I)のポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートのnを8とし、親水性モノマーの組成比を代えた場合においても、実施例1と同様に、良好な操作性と、高い固定精度を有し、加工耐久性が良好で、剥離時間も短いという本発明の特長を有する仮固定用接着剤組成物が得られることが確認された。
【0043】
【実施例3】
表1に示された組成比で仮固定用接着剤組成物を調製した。即ち、本発明で開示した構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートのnが4である、テトラエチレングリコールモノメタクリレート(TEGMA)を使用して、実施例1と同様の操作で二枚のスライドガラスを重ね合わせた。このとき、接着剤組成物の粘度変化はなく、スライドガラスの重ね合わせは容易にでき、操作性は良好であった。紫外線重合により固定した二枚のスライドガラスは強固に固定されており、手指で剥離しようとするとガラス自身が破損するほどであった。実施例1と同様に硬化接着剤組成物の厚さのムラを測定すると0.010mm以下であって、厚さのムラの小さい高い固定精度を有していた。仮固定されたスライドガラスをダイヤモンドカッターで幅10mmに切断したところ、切断中にスライドガラスの脱落や欠損は発生せず良好な加工耐久性を示した。切断されたスライドガラスを60℃の水とエタノールとの重量比で50対50に混合した水溶液に浸漬すると、2〜5時間の短時間で剥離することが確認された。
本発明で開示した構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートのnが4の場合には、操作性が良好で、高い固定精度を有し、加工耐久性が良好で、剥離時間が短く良好な結果が得られることが確認された。
【0044】
【実施例4】
表1に示された組成比で仮固定用接着剤組成物を調製した。即ち、本発明で開示した構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートのnが4である、メトキシテトラエチレングリコールモノメタクリレート(MTEGMA)を使用して、50枚積層したカバーガラス(24x60x0.15mm)を用意して、積層されたカバーガラスの側面から接着剤組成物を浸透させた。接着剤組成物は速やかに各カバーガラス間の隙間に浸透し、優れた浸透性を示した。積層されたカバーガラスの側面から紫外線を照射して仮固定した。全体が完全に硬化するのに必要な硬化時間は30分間であった。仮固定されたカバーガラスをダイヤモンドカッターで幅5mmに切断した。仮固定されたカバーガラスは切断中に脱落したり欠損が発生することはなく、良好な加工耐久性を示した。切断されたカバーガラスを60℃の水とエタノールとを重量比で50対50に混合した水溶液に浸漬すると、3〜6時間で全て自然に剥離し、カバーガラス同士が付着していたり、剥離中に破損したりすることはなかった。
以上より、本接着剤組成物は、積層品への浸透性が良く、十分な硬化深度を示すと共に、加工耐久性が良好で加工後の部品の剥離時間も短いなど、優れた性能を示した。
【0045】
【実施例5】
実施例4と同一の組成比で仮固定用接着剤組成物を調製し、50枚積層したカバーガラスを用意して、積層したカバーガラスの側面から接着剤組成物を浸透させた。接着剤組成物は速やかに浸透し、優れた浸透性を示した。積層したカバーガラスの側面から可視光を照射して仮固定した。その硬化時間は5分間であり、紫外線重合よりも極めて短時間で内部まで硬化することが確認された。仮固定されたカバーガラスをダイヤモンドカッターで幅5mmに切断した。切断中にカバーガラスは脱落や欠損は発生せず加工耐久性は良好であった。切断されたカバーガラスを60℃の水とエタノールとを重量比で50対50に混合した水溶液に浸漬すると、3〜6時間で剥離した。
可視光重合開始剤を使用して紫外線重合をおこなった実施例4に比較して、可視光重合をおこなった本実施例では、硬化時間を大幅に短縮すると共に、紫外線重合時と同等の性能を示すことが確認され、生産性を更に高められることが明らかになった。
【0046】
以下に示す比較例6及び7は、本発明の実施例4及び5に対する比較例であり、本発明の優れた特長をより明確に示したものである。
[比較例6]表2に示された組成比で仮固定用接着剤組成物を調製した。即ち、本発明で開示した構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートのnが9である、メトキシノナエチレングリコールモノメタクリレート(MNPGMA)を使用して、実施例4と同様に、50枚積層したカバーガラスを用意して、積層面から接着剤組成物を浸透させた。接着剤組成物は速やかに浸透し、優れた浸透性を示した。積層したカバーガラスの側面から紫外線を照射して仮固定した。その硬化時間は30分間を要した。仮固定されたカバーガラスをダイヤモンドカッターで幅5mmに切断したところ、切断中にカバーガラスに脱落が発生し、十分な加工耐久性が得られなかった。
このように、構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートのnが本発明の範囲を上回ると、ワークとの密着性が低下して加工耐久性が得られなくなることが明らかとなった。
[比較例7]表2に示された組成比で仮固定用接着剤組成物を調製した。即ち、構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートを含有せずに、実施例4と同様に50枚積層したカバーガラスを用意して、積層面から接着剤組成物を浸透させた。接着剤組成物は速やかに浸透し、浸透性は優れていた。積層側から紫外線を照射した。30分間照射したときの硬化距離は3mmであり、中心部が未硬化のままとなった。
このように、実施例4および5に比較して、構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートを含有せずに、親水性モノマーおよび紫外線重合開始剤のみで構成された接着剤組成物は、積層品を仮着できず接着剤組成物として不適当であることが判明した。
【0047】
【実施例6】
表1に示された組成比で仮固定用接着剤組成物を調製した。即ち、ラジカル重合開始剤として、実施例1で使用した(AIBN)の代わりにビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキシド(BTPO)を使用して、実施例1と同様の操作で二枚のスライドガラスを重ね合わせた。このとき、接着剤組成物の粘度変化はなく、スライドガラスの重ね合わせは容易にでき、操作性は良好であった。可視光重合で二枚のスライドガラスは強固に固定された。実施例1と同様に硬化接着剤組成物の厚さのムラを測定すると0.010mm以下となり、厚さのムラの小さい高い固定精度が得られた。このスライドガラスをダイヤモンドカッターで幅10mmに切断した場合、切断中にスライドガラスの脱落や欠損は発生せず良好な加工耐久性を示した。切断されたスライドガラスを80℃の水に浸漬すると、2〜5時間で剥離した。
【0048】
【実施例7】
表1に示された組成比で仮固定用接着剤組成物を調製した。即ち、実施例6でポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートとして使用したHPGAの使用量を70重量部から60重量部に減少させて、実施例1と同様の操作で二枚のスライドガラスを重ね合わせた。このとき、接着剤組成物の粘度変化はなく、スライドガラスの重ね合わせは容易にでき、操作性は良好であった。可視光重合で固定した二枚のスライドガラスは実施例1と同様に強固に固定されていた。実施例1と同様に硬化接着剤組成物の厚さのムラを測定すると0.010mm以下となり、厚さのムラは小さく高い固定精度が得られた。仮固定されたスライドガラスをダイヤモンドカッターで幅10mmに切断した場合、切断中にスライドガラスの脱落や欠損は発生せず良好な加工耐久性を示した。切断されたスライドガラスを80℃の水に浸漬すると、2時間で剥離して実施例6よりも更に短い時間で剥離した。
これらの結果から、実施例6に比較して、ポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートとして使用したHPGAの使用量が70重量部から60重量部に調整することで、剥離時間が更に短くなり、生産性が更に向上することが確認された。
【0049】
【実施例8】
表1に示された組成比で仮固定用接着剤組成物を調製した。即ち、実施例4でポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートとして使用したMTEGMAの使用量を70重量部から50重量部に減少させて、実施例4と同様に50枚積層したカバーガラスを用意して、積層されたカバーガラスの側面から接着剤組成物を浸透させた。接着剤組成物は速やかに浸透し優れた浸透性を示した。積層されたカバーガラスの側面から紫外線を照射して仮固定した。その硬化時間は30分間を要し、内部まで硬化した。このカバーガラスをダイヤモンドカッターで幅5mmに切断した。切断工程でカバーガラスに脱落や欠損は発生せず良好な加工耐久性を示した。切断されたカバーガラスを60℃の水とエタノールとを重量比で50対50に混合した水溶液に浸漬すると、2〜4時間で剥離して、実施例4よりも更に短い時間で剥離した。
これらの結果から、ポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートとして使用したMTEGMAの使用量が実施例4で70重量部であることに対して、本実施例で50重量部とした結果、剥離時間が短縮され、生産性が高まることが判明した。
【0050】
【実施例9】
表1に示された組成比で仮固定用接着剤組成物を調製した。即ち、実施例8と同様にMTEGMAの使用量を50重量部に減少させて、50枚積層したカバーガラスを用意して、積層したカバーガラスの側面から接着剤組成物を浸透させた。接着剤組成物は速やかに浸透し優れた浸透性を示した。積層したカバーガラスの側面から可視光を照射して仮固定した。その硬化時間は5分間を要し、短時間で内部まで硬化した。このカバーガラスをダイヤモンドカッターで幅5mmに切断した。切断工程でワークに脱落や欠損は発生せず良好な加工耐久性を示した。切断されたカバーガラスを60℃の水とエタノールとを重量比で50対50に混合した水溶液に浸漬すると、2〜4時間で剥離した。
これらの結果から、紫外線開始剤を使用して紫外線重合をおこなった実施例8に対して、可視光重合開始剤を使用して可視光重合おこなうと、硬化時間が更に短縮されることが判明した。
【0051】
【実施例10】
表1に示された組成比で仮固定用接着剤組成物を調製した。即ち、本発明の構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートとしてOEGMAの使用量を7重量部として、実施例1と同様の操作で二枚のスライドガラスを重ね合わせた。このとき、接着剤組成物の粘度変化はなく、スライドガラスの重ね合わせは容易にでき、操作性は良好であった。紫外線重合で固定した二枚のスライドガラスは実施例1と同様に強固に固定されていた。実施例1と同様に接着強度の測定をおこなうと、接着強度は11.0MPaであり、優れた接着強度を示した。実施例1と同様に硬化接着剤組成物の厚さのムラを測定すると0.010mm以下となり、厚さのムラは小さく高い固定精度が得られた。このスライドガラスをダイヤモンドカッターで幅10mmに切断した場合、切断中にスライドガラスの脱落や欠損は発生せず良好な加工耐久性を示した。切断されたスライドガラスを80℃の水に浸漬すると、6時間で剥離した。
これらの結果から、本発明の構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートの使用量が10重量部以下であっても、積層したワークへの良好な浸透性を有し、良好な操作性と高い固定精度を示し、加工耐久性良好で剥離時にも支障のない優れた仮固定用接着剤組成物が得られることが判明した。
【0052】
【実施例11】
実施例10と同一の組成比で調製された接着剤組成物を用いて、実施例10と同様に50枚のスライドガラスを仮固定して、切断加工した。切断された幅10mmのスライドガラスを60℃の水とエタノールとを重量比で80対20に混合した水溶液に浸漬すると、3時間で剥離し、剥離時間は実施例10にくらべて短縮された。水に代えて本発明で開示した水とエタノールとを重量比で80対20で混合した水溶液で剥離した場合には、剥離時間が更に短縮されることが確認された。
【0053】
【実施例12】
表1に示された組成比で仮固定用接着剤組成物を調製した。即ち、本発明の構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートとしてHPGAの使用量を7重量部として、実施例4と同様に50枚積層したカバーガラスを用意して、積層されたカバーガラスの側面から接着剤組成物を浸透させた。接着剤組成物は速やかに浸透し優れた浸透性を示した。積層されたカバーガラスの側面から紫外光を照射した。その硬化時間は30分間を要した。このカバーガラスをダイヤモンドカッターで幅2mmに切断した。切断工程でカバーガラスに脱落や欠損は発生せず良好な加工耐久性を示した。切断されたカバーガラスを60℃の水とエタノールとを重量比で50対50に混合した水溶液に浸漬すると、3時間で剥離した。
これらの結果から、ポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートの使用量が少量であっても、優れた浸透性を示し、短い硬化時間であり、良好な加工耐久性を示し、加工された部品は短時間で剥離した。
【0054】
【実施例13】
実施例12と同一の組成比で調製された接着剤組成物を用いて、実施例12と同様に50枚積層したカバーガラスを用意して、積層されたカバーガラスの側面から接着剤組成物を浸透させた。接着剤組成物は速やかに浸透し優れた浸透性を示した。積層されたカバーガラスの側面から可視光線を照射した。その硬化時間は5分間を要した。このカバーガラスをダイヤモンドカッターで幅2mmに切断した。切断工程でワークに脱落や欠損は発生せず良好な加工耐久性を示した。切断されたカバーガラスを60℃の水とエタノールとを重量比で50対50に混合した水溶液に浸漬すると、3時間で剥離した。可視光開始剤を使用して紫外線重合をおこなった実施例12に対して、可視光重合開始剤を使用した上で、更に可視光重合行うことで硬化時間が更に短縮された。
【0055】
【実施例14】
表1に示された組成比で仮固定用接着剤組成物を調製した。即ち、本発明の構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートとしてTEGMAの使用量を25重量部として、二枚のアルミナ製試験片(縦25、横25、厚さ2mm)を用意し、一方のアルミナ製試験片上に接着剤組成物を塗布し、その上にもう一枚のアルミナ製試験片をのせた。このとき、接着剤組成物の粘度変化はなく、アルミナ製試験片の重ね合わせは容易にでき、操作性は良好であった。熱重合で二枚のアルミナ製試験片は強固に固定された。このアルミナ製試験片をダイヤモンドカッターで幅5mmに切断した。切断工程でアルミナ製試験片に脱落や欠損は発生せず加工耐久性は良好であった。
切断されたアルミナ製試験片を80℃の水に浸漬すると、4時間で剥離した。剥離されたアルミナ製試験片上には若干の接着剤組成物の残渣が付着していた。追加として1時間の浸漬を行うことでこの付着物は除去された。また追加浸漬の代わりに50%のアルコール水溶液中で超音波洗浄を行うと10分間で除去されることが分かった。
また実施例1に準じて別途用意した直径6mm高さ10mm、直径20mm高さ20mmのアルミナ製試験片を本発明の接着剤組成物を用いて、本実施例と同一の条件で熱重合して接着した。この試験片の圧縮剪断接着強度を材料試験機を用いてクロスヘッド速度1mm/minで測定したところ、10MPaの優れた接着強度を示した。
【0056】
【実施例15】
実施例14と同一の組成比で調製された接着剤組成物を用いて、実施例14と同一条件によりアルミナ製試験片を仮固定して切断した。切断されたアルミナ製試験片を80℃の水と2-ヒドロキシイソ酪酸メチル(HBM)とを重量比で50対50に混合した水溶液に浸漬すると、3時間で剥離し、実施例13よりも短時間に剥離した。また、本実施例では剥離したアルミナ製試験片上に接着剤組成物の残渣は付着していなかった。
即ち、水の代わりに水と2-ヒドロキシイソ酪酸メチル(HBM)とを重量比で50対50に混合した水溶液で剥離すると、剥離時間が短縮され、また部品に剥離した接着剤組成物が付着しないことで、部品の洗浄工程の簡素化ができ生産性が向上することが判明した。
【0057】
【実施例16】
表1に示された組成比で仮固定用接着剤組成物を調製した。即ち、本発明の構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートとしてHPGAの使用量を25重量部として、二個のステンレス製試験片を(縦8、横5、厚さ5mm)用意し、一方のステンレス製試験片上に接着剤組成物を塗布し、その上にもう一個のステンレス製試験片をのせた。熱重合により二個のステンレス製試験片を仮固定した。このとき、接着剤組成物の粘度変化はなく、ステンレス製試験片の重ね合わせは容易にでき、操作性は良好であった。熱重合で二個のステンレス製試験片は強固に固定された。実施例14と同様に、接着試験用のステンレス製試験片を用意して、本実施例の重合条件で仮固定し、その接着強度を測定すると11.0MPaの優れた接着強度を示した。
次に本実施例で仮固定し切断されたステンレス製試験片を60℃の水とエタノールとを重量比で50対50に混合した水溶液に浸漬すると、2時間で剥離したが表面に若干の接着剤組成物の残渣が付着していた。その後1時間の追加浸漬を行うとこの付着物はきれいに除去された。また前記の追加の浸漬を行う代わりに、50%のエタノール水溶液中で超音波洗浄を実施したところ10分間で除去されることが分かった。
【0058】
【実施例17】
実施例16と同一の組成比で調製された接着剤組成物を用いて、実施例16で仮固定されたステンレス製試験片を80℃の水/HBM=50/50 wt/wtの水溶液に浸漬すると、2時間で剥離した。また、本実施例では剥離したステンレス製試験片上に接着剤組成物が付着していなかった。
即ち、剥離液を水とエタノールとを重量比で50対50で混合した水溶液の代わりに水と2-ヒドロキシイソ酪酸メチル(HBM)とを重量比で50対50で混合した水溶液として剥離した場合には剥離時間が短縮され、また部品に剥離した接着剤組成物が付着せず、小物品の洗浄工程の簡素化ができ生産性が向上することが判明した。
【0059】
【実施例18】
表1に示された組成比で仮固定用接着剤組成物を調製した。即ち、本発明の構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートとしてHPGAの使用量を15重量部として、縦横約50mmの二枚の希土類磁性体製の試験片を用意し、一方の希土類磁性体製の試験片上に接着剤組成物を塗布し、その上にもう一枚の希土類磁性体製の試験片をのせた。このとき、接着剤組成物の粘度変化はなく、希土類磁性体製の試験片の重ね合わせは容易にでき、操作性は良好であった。熱重合で二枚の希土類磁性体製の試験片は強固に固定された。この希土類磁性体製の試験片をダイヤモンドカッターで幅2mmに切断した。切断工程で脱落や欠損は発生せず優れた加工耐久性を示した。切断された希土類磁性体製の試験片を80℃の水と2-ヒドロキシイソ酪酸メチル(HBM)とを重量比で3対97に混合した水溶液に浸漬すると、4時間で剥離した。この試験片は剥離中に錆の発生は見られなかった。しかし剥離液から取り出して剥離液を拭き取り乾燥した室内に3日放置したところ若干の錆の発生の兆候が見られた。
【0060】
[比較例8] 実施例18で幅2mmに切断された希土類磁性体製の試験片を80℃のHBM100%の溶剤中に浸漬すると、20時間を経過しても剥離しなかった。実施例18と比較して、HBMが100%で水を含まない場合は剥離しないが、、水を3%添加した本発明の水溶液を用いることで剥離時間を著しく短縮できるという本発明の効果が端的に示された。
【0061】
【実施例19】
表1に示された組成比で仮固定用接着剤組成物を調製した。即ち、本発明の構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートとしてHPGAの使用量を15重量部として、実施例4と同様に、50枚積層したカバーガラスを用意して、積層されたカバーガラスの側面から接着剤組成物を浸透させた。接着剤組成物は速やかに浸透し、優れた浸透性を示した。積層されたカバーガラスの側面から可視光を照射したところ5分間で全体が完全に重合した。実施例1と同様に接着強度の測定したところ11.0MPa以上の優れた接着強度を示した。仮固定されたカバーガラスをダイヤモンドカッターで幅2mmに切断した。切断中にカバーガラスは脱落や欠損は発生せず加工耐久性は良好であった。切断されたカバーガラスを60℃の水とエタノールとを重量比で50対50に混合した水溶液に浸漬すると2時間で剥離した。
実施例13に対して、ポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートの使用量が増加した場合に、剥離時間が短縮された。
この希土類磁性体製の試験片は剥離液に浸漬中は錆が生じなかった。しかし剥離液から取り出して剥離液を拭き取り、乾燥した室内に放置したところ翌日に錆の発生することが分かった。
【0062】
【実施例20】
表1に示された組成比で仮固定用接着剤組成物を調製した。即ち、本発明の構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートとしてOEGMAの使用量を60重量部として、実施例18と同様の二枚の希土類磁性体製の試験片を用意し、一方の希土類磁性体製の試験片上に接着剤組成物を塗布し、その上にもう一枚の希土類磁性体製の試験片をのせた。このとき、接着剤組成物の粘度変化はなく、希土類磁性体製の試験片の重ね合わせは容易にでき、操作性は良好であった。熱重合で二枚の希土類磁性体製の試験片を仮固定すると、希土類磁性体製試験片は強固に固定された。この希土類磁性体製の試験片をダイヤモンドカッターで幅5mmに切断した。切断工程で脱落や欠損は発生せず優れた加工耐久性を示した。切断された希土類磁性体製の試験片を80℃の水と2-ヒドロキシイソ酪酸メチル(HBM)とを重量比で10対90に混合した水溶液に浸漬すると、3時間で剥離した。この希土類磁性体製の試験片は剥離中には錆の発生は見られなかったが、剥離液から取り出して剥離液を拭き取り、乾燥した室内に放置したところ2日目に僅かではあるが錆が発生した。
【0063】
【実施例21】
実施例20で切断された幅5mmの希土類磁性体を水溶性吸着型腐食抑制剤としてユシロ化学工業(株)製のユシローケンSC25Aを水に4重量%添加して、これと2-ヒドロキシイソ酪酸メチル(HBM)とを重量比で10対90に混合した水溶液(60℃)に浸漬して剥離させると剥離時間は4時間と短時間であり良好な剥離性を示した。更に、剥離した希土類磁性製の試験片は剥離中に錆が生じることがなく、更に剥離液から取り出して水滴を拭き取り乾燥した室内に3日間放置しても錆が発生せず優れた防錆効果を示した。
【0064】
【発明の効果】
本発明の仮固定用接着剤組成物は、ワックスや松ヤニなどのホットメルト接着剤のように粘性変化を伴う加熱条件下での塗布作業を行う必要が無く、室温の安定した粘度で作業者の必要とする任意の時間で操作出来るため、経験の浅い作業者でも容易に正確な位置合わせができ操作性が高く、また高温操作を行わないので位置合わせに伴う火傷の危険もなく安全性が高い。
そして、本仮固定用接着剤組成物は浸透性が優れているため積層したワークの仮固定ができるため、1回の仮固定操作で多数の部品をまとめて加工可能であり高い生産性が得られる。また、仮固定した接着剤組成物の厚さムラも小さいため、機械加工時の加工精度も高い。更に仮固定時の接着強度においても優れているため加工対象物の機械加工における十分な加工耐久性を示し、加工中の部品の脱落や欠損等が防止され、製造歩留まりを向上させる。更にまた、加工された部品を水または水と有機溶剤の混合した水溶液に浸漬することで、速やかに欠損なく剥離することができるため工程時間の短縮と歩留りの向上にも寄与し、良好な生産性を示す。
また、本発明の仮固定用接着剤組成物のラジカル重合開始剤として可視光重合開始剤を用いると、特に多層に積層されたワークや紫外線吸収性の加工対象物に対しても簡便で短時間の光照射によって仮固定することができ、更に生産性を向上することができる。
更に、本発明の仮固定用接着剤組成物において構造式(I)で示されるポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートの使用量を限定すれば、剥離時間を更に短縮することができ、更に生産性を向上することも可能である。
【0065】
また、本発明の仮固定用接着剤組成物の剥離に際して、本発明で開示した水と特定の水溶性有機溶剤とを混合した水溶液に浸漬する方法を用いれば、剥離時間を更に短くすることも可能である。更に、剥離液として用いる水に本発明で開示した水溶性吸着型腐食抑制剤を添加することで、錆の発生し易い金属や希土類磁性体等の材質からなる部品に対しても、錆の発生の問題を発生させることをなく本発明の仮固定用接着剤組成物を適用することもでき、従来これらの材質に水や水溶液を剥離液として用いる際にしばしば生じた実用上の問題も解消される。
更に、本発明の加工方法は、本発明の仮固定用接着剤を用いて仮固定した後、水または水と特定の水溶性有機溶剤との混合した水溶液で剥離することを特徴とする方法である為に、有害性や危険性を伴う炭化水素系溶剤やハロゲン溶剤等を使用する必要がなく、部品の加工工程から環境汚染物質が排除され、環境保全と作業の安全性を大幅に改善することが出来る。
本発明のこの様な優れた効果は、水または水と特定の水溶性有機溶剤を剥離液として用いる時に得られる本発明の仮固定用接着剤組成物特有の効果であると共に、本発明で開示した部品の加工方法が本発明の仮固定用接着剤の特長を十分に発揮させることで達成されるものである。
【0066】
表1及び表2を以下に示す。更に、明細書及びこれら表中で使用される物質の略号の意味を表3及び表4にまとめた。
【0067】
【表1】
Figure 0004601757
【0068】
【表2】
Figure 0004601757
【0069】
【表3】
Figure 0004601757
【0070】
【表4】
Figure 0004601757
【0071】
【表5】
Figure 0004601757

Claims (12)

  1. 下記1),2),及び3)を含有することを特徴とする仮固定用接着剤組成物:
    1)N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及びグリセロール(メタ)アクリレートから成る群から選択される少なくとも1種類の親水性ビニルモノマー;
    2)下記構造式(I)で示される少なくとも1種のポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレート
    Figure 0004601757
    但し、R1、R2、R3はHまたはCH、nは4〜8の整数;及び
    3)ラジカル重合開始剤。
  2. ラジカル重合開始剤が、カンファーキノン、アシルフォスフィンオキサイド、α-アミノケトン、ビスアシルフォスフィンオキサイド、及びメタロセンから成る群から選択される少なくとも1種の可視光重合開始剤であることを特徴とする、請求項1に記載の仮固定用接着剤組成物。
  3. 構造式(I)で示される少なくとも1種のポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートの使用量が重量比で10〜60重量%であることを特徴とする、請求項1記載の仮固定用接着剤組成物。
  4. ラジカル重合開始剤が、カンファーキノン、アシルフォスフィンオキサイド、α-アミノケトン、ビスアシルフォスフィンオキサイド、及びメタロセンから成る群から選択される少なくとも1種の可視光重合開始剤であり、且つ、構造式(I)で示される少なくとも1種のポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレートの使用量が重量比で10〜60重量%であることを特徴とする、請求項1記載の仮固定用接着剤組成物。
  5. 請求項1に記載の仮固定用接着剤組成物を用いて被加工部品を仮固定し、所定の機械加工を行った後に、水、又はアルコール系、ケトン系、多価アルコール系、窒素化合物系、及び硫黄化合物系水溶性有機溶剤から成る群から選択される少なくとも一種類の水溶性有機溶剤と水とを混合した水溶液から成る剥離液に被加工部品を浸漬して剥離することを特徴とする、部品の加工方法。
  6. 請求項2記載の仮固定用接着剤組成物を用い、可視光を照射することにより仮固定することを特徴とする、請求項5記載の部品の加工方法。
  7. 請求項3記載の仮固定用接着剤組成物を用いることを特徴とする、請求項5記載の部品の加工方法。
  8. 請求項4記載の仮固定用接着剤組成物を用い、可視光を照射することにより仮固定することを特徴とする、請求項5記載の部品の加工方法。
  9. 水溶性有機溶剤がメタノール、エタノール、2−プロパノール、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、N-メチルピロリドン、及びジメチルスルホキシドから成る群から選択される少なくとも1種の有機溶剤であり、その混合比が、重量比で水:水溶性有機溶剤=3:97〜80:20であることを特徴とする、請求項5乃至8のいずれか一項に記載の部品の加工方法。
  10. 剥離液が、更に、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、チオ尿素及びその置換体、並びにアルデヒド類から成る群から選択される少なくとも1種の水溶性吸着型腐食抑制剤を含有することを特徴とする、請求項5乃至9のいずれか一項に記載の部品の加工方法。
  11. アルコール系、ケトン系、多価アルコール系、窒素化合物系、及び硫黄化合物系水溶性有機溶剤から成る群から選択される少なくとも一種類の水溶性有機溶剤と水とを混合した水溶液から成る、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の仮固定用接着剤組成物用剥離液。
  12. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の仮固定用接着剤組成物、及び、水、又はアルコール系、ケトン系、多価アルコール系、窒素化合物系、及び硫黄化合物系水溶性有機溶剤から成る群から選択される少なくとも一種類の水溶性有機溶剤と水とを混合した水溶液から成る剥離液を含む、仮着剤キット。
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