JP4600403B2 - 液体移送装置 - Google Patents

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JP4600403B2 JP2007043354A JP2007043354A JP4600403B2 JP 4600403 B2 JP4600403 B2 JP 4600403B2 JP 2007043354 A JP2007043354 A JP 2007043354A JP 2007043354 A JP2007043354 A JP 2007043354A JP 4600403 B2 JP4600403 B2 JP 4600403B2
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Description

本発明は、液体移送装置に関し、特に、圧電材料素子により駆動する液体移送装置に関
する。
従来より、液体移送装置として、例えば液体を収容した複数の圧力室を閉じる振動板を
、これに接合された圧電材料素子によって撓ませて、ノズルから液滴として噴射する噴射
装置が提供されている。このような液体移送装置では、振動板の変形量が増大するほどそ
れに伴って圧力室の加圧を増幅できるため、振動板がより変形し易い構成が望まれている

特開平9−104109号公報
ところで、振動板の変形の増幅を図る技術として、例えば上記特許文献1のようなもの
が提供されている。この文献では、平面視円形の圧力室の外周側から中心側に突出した複
数の突片上に形成されたユニモルフ型圧電素子を備え、圧力室を構成するダイヤフラムの
中心部を押圧する技術が記載されている。この技術によれば、ダイヤフラムの膨出量を大
きくすることができることとなるが、その一方で、構成的に簡易なものとはならず、また
、駆動時には圧電素子の変形によって、当該圧電素子の上下にそれぞれ設けられた突片及
びダイヤフラムの両方を変形させる必要があるため、変形効率の良い構成とは言いにくい
本発明は上記のような事情に基づいて成されたものであって、圧電材料素子により振動
板を駆動して液体を移送する液体移送装置において、複雑な構成を用いずとも振動板を効
率的に変形でき、もって振動板の変形量を効果的に増幅し得る構成を提供することを目的
とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、液体が収容される圧力室
を閉じるようにして圧電アクチュエータプレートが配され、前記圧電アクチュエータプレ
ートを撓み変形させることによって前記液体を前記圧力室に連なる開孔から移送させる液
体移送装置において、前記圧電アクチュエータプレートは、厚み方向の電界の印加によっ
て面方向に収縮するように前記厚み方向に分極されると共に、少なくとも前記圧力室の周
縁部に配置され、一方、当該周縁部よりも中央寄りの内部領域においては、配置されない
か、又は前記周縁部に配置される部分よりも薄肉のものが配置される圧電材料層と、板状
に形成され前記圧電材料層に対し重なるように接合される撓み層と、を有した積層構造を
なしており、前記圧電材料層は前記撓み層に対して前記圧力室と反対側に積層されるもの
であり、前記圧電材料層の前記面方向における収縮によって、前記撓み層を前記圧力室と
反対側に撓ませるものであり、前記圧力室は、前記圧電アクチュエータプレートが配され
る領域が楕円形状であって、前記内部領域は、前記楕円形状の短手方向の1/3以上の長
さに形成されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の液体移送装置において、前記撓み層は導電性材料
にて形成され、前記圧電材料層に電界を印加させるために当該圧電材料層を挟んで両側に
配置される電極のうちの一方の電極としても利用されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1に記載の液体移送装置において、前記撓み層は非導電性材
料にて形成され、前記圧電材料層と前記撓み層との間には、少なくとも前記圧力室の周縁
部において、前記圧電材料層に電界を印加させるための電極が形成されていることを特徴
とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の液体移送装置において、
前記圧力室は、前記圧電アクチュエータプレートが配される領域が楕円形状であって、前
記圧電材料層は、前記圧力室の長手方向に帯状に配置されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1に記載の液体移送装置において、前記圧電材料層に電界を
印加するために当該圧電材料層を挟んで両側に配置される電極のうち、少なくとも一方の
電極が前記圧力室の周縁部に配置されていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5に記載の液体移送装置において、前記少なくとも一方の電
極は、前記圧力室の周縁部全周に渡り環状に配置されていることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の液体移送装置において、
前記圧力室は複数配され、前記圧電アクチュエータプレートは、前記複数の圧力室に跨っ
て連結して配されていることを特徴とする。
<請求項1の発明>
請求項1の構成によれば、電界の印加によって面方向に収縮可能に構成される圧電材料
層を、少なくとも圧力室の周縁部に配置されるように構成し、一方、当該周縁部よりも中
央寄りの内部領域においては、この圧電材料層が配置されないか、又は前記周縁部に配置
される部分よりも薄肉のものが配置されるようにしたため、内部領域において圧電アクチ
ュエータプレートの剛性を低くすることができ、もって撓み層の変形を効果的に増幅し得
る構成となる。さらに、圧力室において圧電アクチュエータプレートが配される領域を楕
円形状に構成し、この楕円形状の短手方向の1/3以上の長さに内部領域を形成すれば、
撓み層がより効率良く変形することとなる。
<請求項2の発明>
請求項2の構成によれば、撓み層が圧電材料層に電界を印加させるための一方の電極と
しても利用されるため、一方の電極を特別に設ける必要がなく、製造コストの面で有利と
なる。
<請求項3の発明>
請求項3の構成によれば、撓み層を非導電性材料にて形成した場合において、圧力室の
周縁部に配置される圧電材料層に対して電界を印加させることのできる好適構成となる。
<請求項4の発明>
請求項4の構成によれば、圧電アクチュエータプレートが配される領域が楕円形状とな
るように圧力室が構成されており、圧電材料層がこの圧力室の長手方向に線状に配置され
るため、圧電材料層を簡易な配置構成としつつ、その一方で当該圧電材料層によって撓み
層を効率的に変形できることとなる。
<請求項5の発明>
請求項5の構成のように、圧電材料層を挟んで両側に配置される電極のうち、少なくと
も一方の電極を圧力室の周縁部に配置し内部領域には配置しないようにすれば、周縁部の
圧電材料層を駆動でき、その一方で内部領域の剛性を抑えることができる。
<請求項6の発明>
請求項6の構成のように、少なくとも一方の電極を、圧力室の周縁部全周に渡り環状に
配置すれば、一方の電極を内部領域に配置しないようにするための好適構成となる。
<請求項7の発明>
請求項7の構成によれば、圧力室が複数配されるものにおいて、圧電材料層がこの複数
の圧力室に跨って連結して配されているため、複数の圧力室に対して圧電材料層を配置し
易くなり、製造効率を高める上で有利な構成となる。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を図1乃至図4に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る
液体移送装置について、圧力室の長手方向に沿って切断した場合の縦断面図であり、図2
は、図1に示した液体移送装置に関し、複数の圧力室の配列方向に沿って切断した場合の
縦断面図である。また、図3は図2の平面図を示している。さらに、図4は液体移送装置
の作動状態を説明する説明図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る液体移送装置1は、液体を噴射する液体
噴射装置(ここでは液体噴射装置として機能するインクジェットヘッドを例示する)とし
て構成されるものであり、噴射される液体(具体的にはインク)が収容される複数の圧力
室21aを有するキャビティプレート20と、キャビティプレート20上に圧力室21a
を閉じるように接合された圧電アクチュエータプレート10とによって構成されている。
キャビティプレート20は、インク流路として構成されると共に多層構造をなしており、
複数のインク噴射用のノズル24a(ノズル24aは本発明の開孔に相当する)が並設さ
れたノズルプレート24、ノズルプレート24上に形成されたマニホールドプレート23
、マニホールドプレート23上に形成された流路プレート22および流路プレート22上
に形成された圧力室プレート21がそれぞれ概ね平板状に形成されて配置されている。圧
力室プレート21、流路プレート22、マニホールドプレート23およびノズルプレート
24は、互いにエポキシ系の熱硬化性の接着剤にて接合されている。
圧力室プレート21はステンレス等の金属材料にて形成され、後述する圧電アクチュエ
ータプレート10の動作に基づいて選択的に噴射するためのインクを収容する複数の圧力
室21aが内部に並置されている。流路プレート22は、同じくステンレス等の金属材料
にて形成されており、内部にそれぞれ圧力室21aの両端に連通したプレッシャ流路22
aとマニホールド流路22bとが形成されている。マニホールドプレート23は、やはり
ステンレス等の金属材料にて形成され、その内部には液体タンク(図示せず)に連通する
マニホールド23aおよびプレッシャ流路22aに接続したノズル流路23bとが形成さ
れている。このうち、マニホールド23aは、図3に示すように、複数の圧力室21aに
跨るように圧力室21aの配列方向に延設されている。
更に、ノズルプレート24は、ポリイミド系の合成樹脂材料にて形成され、図1に示す
ようにノズル流路23bへと接続された複数のノズル24aが形成されている。上述した
構成から、液体タンクに貯蔵された液体(インク)は、マニホールド23a、マニホール
ド流路22b、圧力室21a、プレッシャ流路22aおよびノズル流路23bを介してノ
ズル24aへと供給される。
次に圧電アクチュエータプレート10について説明する。
図1、図2に示すように圧電アクチュエータプレート10は積層構造をなし、ステンレ
ス等の導電性の金属材料にて概ね平板状に形成され、本発明の撓み層に該当する振動板1
4を有している。さらに、振動板14の上方において、圧電材料層13が配置され、この
圧電材料層13の上部に上部電極11が振動板14と対向して設けられている。この振動
板14は圧電材料層13に電界を印加させるために圧電材料層13を挟んで上下両側に配
置される電極のうちの下部電極として利用される。
上部電極11は、薄いフィルム状の導体で圧電材料層13の上に貼付あるいはプリント
されており、図示はしていないがスイッチ素子を介して、駆動回路のプラス(+)電源と
電気的に接続された構成をなしている。一方、下部電極に相当する振動板14は駆動回路
のグランドに接続されている。
圧電材料層13は、図1、図2及び図3に示すように、圧力室21aの周縁部の全周に
渡り環状に配置されている。上部電極11は、圧電材料層13とほぼ同一の平面形状をな
してこの圧電材料層13の上層に配置されており、圧電材料層13と同様に圧力室21の
周縁部全周に渡り環状に配置されている。圧力室21aは上方から見て楕円形状(具体的
には略小判状)をなしており、圧電材料層13の配置される領域はこれよりも小さい楕円
状領域となっている。ここでの圧電材料層13は、ほぼ一定の幅にて環状に構成されてお
り、圧力室21aの中央部に対応する領域において、圧電材料層13を厚さ方向に貫通す
る孔13aが形成される。
図1、図2に示すように圧電アクチュエータプレート10において、圧力室21aの中
央部に対応する領域である圧電材料層13の内部領域Cには振動板14のみが配置され、
圧電材料層13及び上部電極11が配置されない構成をなしており、内部領域Cの剛性が
低くなるように構成されている。内部領域Cにおいては圧電材料層13が配置されていな
いため、直接圧電材料層13が振動板14に作用せず、内部領域C以外の部分(即ち周縁
部)において圧電材料層13が振動板14に作用し、その作用する部位(振動板14にお
いて圧電材料層13が接合される部位)の変形に基づいて撓む構成をなしている。なお、
駆動時の作用については後述する。
さらに、図3に示すように、平面視した場合において、圧電材料層13内側の内部領域
Cの周縁形状(即ち孔13aの開口形状)は、圧力室21aの形状を一回り小さくした楕
円状の領域として構成される。具体的には、圧電材料層13の中央付近において楕円状に
開口する孔13aが形成されており、面方向におけるこの孔13aの形成領域が内部領域
Cとされる。ここでは、孔13aがプレッシャ流路22aの領域内にまで及ばないように
、面方向においてプレッシャ流路22aの外部領域に孔13aが配置されている。また、
圧電材料層13は、全体がマニホールド流路22bの外部領域に構成をなしている。なお
、このような孔13aは、圧電材料層13となるべき板状材料に対し例えばエッチング、
機械加工等を施すことにより形成することができる。また、本実施の形態では、図3に示
したように、内部領域Cは圧力室21aのほぼ中央部に位置し、圧力室21aの短手方向
の幅は、圧力室21aの余幅の約1/3の長さを有している。即ち、圧力室21aの短手
方向に切断した場合に、圧電材料層13は圧力室21aの両側縁部に配設され、それぞれ
圧力室21aの幅の約1/3の長さを有する。この2つの圧電材料層13に挟まれるよう
にして、圧力室21aの幅の約1/3の長さを有する内部領域Cが配設されている。これ
により効率の良い変形が可能になっている。
さらに圧電材料層13は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電セラミックス
材料によって形成されているが、これに限られるものではなく、チタン酸バリウム、チタ
ン酸鉛、ロッシェル塩等のあらゆる圧電材料が使用できる。また、圧電材料層13は、図
1、図2のように振動板14上に均等な厚みにて層状に形成されている。この圧電材料層
13と振動板14を接合するには、例えば、あらかじめ層状に形成された圧電材料層13
に対し上部電極11を配置し、これを、振動板14に対して導電性の接着剤などによって
接合するようにして形成することができる。なお、形成方法はこれに限られるものではな
い。
次に液体移送装置1の駆動動作について図2、図4を参照して説明する。
本実施形態による液体移送装置1は、常時は電極間に電圧が印加されておらず、図2に
示すように圧電アクチュエータプレート10に撓みは発生していない。そして、液体を移
送する必要がある場合(ここでは液体移送装置1の1つのノズル24aから液滴を噴射す
る必要がある場合)、スイッチ素子を切換えて上部電極11に電源電圧が印加される。こ
れにより、上部電極11と振動板14との間に電位差が発生し、圧電材料層13に電界が
印加される。この電界印加方向に圧電材料層13が分極されていると、圧電材料層13は
、その厚み方向(図2において上下方向)に膨らむとともに、面方向(図2において左右
方向)に収縮する。
図4左側にて示すように、圧力室21aの周縁部に配置された圧電材料層13は、その
下面に剛性を備えた振動板14が形成されているため、圧電材料層13の面方向への収縮
により、圧電アクチュエータプレート10における圧電材料層13が配置された領域は圧
力室21a側(図4において下方)に撓もうとする。ここで、圧電材料層13の外周部は
、振動板14を介してキャビティプレート20に固定されており、その変位が規制された
状態にある。そのため、片持ち梁に似た変位を起こす。そして、圧電アクチュエータプレ
ート10の内部領域Cに配置される部位(即ち振動板14の内部領域Cに配置される部位
)は、上述したような圧電材料層13の撓みの影響を受けて圧力室21aと反対側へさら
に大きく撓む。これにより、圧力室21aの容積が増大して圧力室21a内が負圧となり
、連通するマニホールド23aおよびマニホールド流路22bを介して液体タンクから液
体が圧力室21a内に補填される。
圧力室21a内に液体が供給された後に、再びスイッチ素子が切換えられて、駆動回路
から上部電極11への電源電圧の印加が停止されると、圧電材料層13の面方向への収縮
がなくなり、図2に示すように、再び、圧電アクチュエータプレート10が撓みの無い位
置に復帰する。これにより、圧力室21aの容積が減少して圧力室21a内の圧力が上昇
し、液滴がプレッシャ流路22aおよびノズル流路23bを介してノズル24aから噴射
されることとなる。
<第2実施形態>
次に図5を参照して第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、大部分の構成が第1実施形態と同様であり、一部構成のみが異なる
ため、その相違点について説明し、同一部分については同一符号を付し詳細な説明は省略
する。第2実施形態に係る液体移送装置1は、図5に示すように撓み層に相当する振動板
14が非導電性材料にて形成され、圧電材料層13と振動板14との間に、少なくとも圧
力室の周縁部において、圧電材料層13に電界を印加させるための下部電極12が形成さ
れている。図5の構成では、複数の圧力室21aに跨るように下部電極12が形成されて
いるが、各圧力室毎に下部電極を配置してもよい。
<第3実施形態>
次に図6を参照して第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、大部分の構成が第1実施形態と同様であり、一部構成のみが異なる
ため、その相違点について説明し、同一部分については同一符号を付し詳細な説明は省略
する。第1、第2実施形態では、内部領域Cにおいて圧電材料層を貫くように孔13aを
形成したが、第3実施形態では内部領域Cにおいて圧電材料層13を貫通しない構成とし
ている。第3実施形態に係る液体移送装置1は、図6に示すように、圧電材料層13にお
いて周縁部に配置される部分よりも薄肉に構成される薄肉部13bが内部領域Cに配置さ
れる構成を示している。内部領域Cに形成された薄肉部13bは上部に電極が配置されて
おらず収縮作用が生じない構成となっている。なお、圧電材料層13の周縁部上に配設さ
れる上部電極11と電気的に絶縁されておれば、この薄肉部13b上にも電極が形成され
ていてもよい。あるいは、薄肉部13bが低誘電体で被覆されている場合には、薄肉部1
3aであるかないかに係わらず、圧電材料層13上に上部電極11を形成することができ
る。このような構成にあっては、電圧が印加されても薄肉部13bにはほとんど電界が生
じず、事実上薄肉部13aを構成する圧電材料層13を圧電効果によって変位させること
はない。すなわち、圧力室21aに対応して形成されている圧電材料層13の全体に亘っ
て上部電極11が形成されていても、低誘電体が形成されている領域である薄肉部13a
では圧電材料層13にはほとんど電界が生じない。この低誘電体が形成されていない領域
においてのみ、圧電材料層13に電界が印加されることとなる。ここで、低誘電体として
は、窒化シリコン(比誘電率7.5)、酸化シリコン(比誘電体3.9)、アルミナ(比
誘電率9.6)等の絶縁性セラミックス材料や光硬化性低誘電体樹脂(比誘電率3.2)
、低誘電率有機層間絶縁膜(比誘電率2.8)等の樹脂材料が好適に用いられ、スパッタ
法や蒸着法あるいは塗布法によりそれぞれ形成される。これら低誘電体の膜厚としては、
駆動電圧が20Vから30Vの場合には、1ミクロンから3ミクロンもあれば、低誘電体
に被覆される圧電材料層に電界を生じさせることはない。
<第4実施形態>
次に図7を参照して第4実施形態について説明する。
第4実施形態に係る液体移送装置1では複数配される圧力室21aにおいて、この複数
の圧力室21aに跨って圧電アクチュエータプレート10が連結して配されている構成を
示している。具体的には、複数の圧力室21aに跨る振動板14の上部において、同じく
複数の圧力室21aに跨る圧電材料層13が配置されている。圧電材料層13は、第3実
施形態と同様に、各圧力室の内部領域Cにおいて薄肉部13bが形成されており、この薄
肉部13bの周囲が厚肉に形成されてその上部に上部電極11が配置されている。上部電
極11が設けられた部位(即ち収縮可能部位)は、第1実施形態等の圧電材料層と同様に
平面視環状に構成される。一方、各圧力室毎に配置される収縮可能部位同士を連結する構
成にて連結部13cが薄肉に構成されている。薄肉部13b及び連結部13cは上部電極
11が配置されず、収縮不能に構成されている。本実施の形態では、隣接する圧力室21
aが薄肉状態に構成された連結部13cを介して配置されることになるので、圧力室21
aが駆動されたときに生じる圧電アクチュエータプレート10の変位が、これに隣接する
圧力室21aに及びにくくなりクロストーク低減に有効である。なお、上部電極11が設
けられていなければ、連結部13cは圧電効果による自発的な変位は生じないし、圧力室
21aに対応する領域に変位量に寄与することもない。これより、連結部13cは必ずし
も薄肉状態に形成される必要はなく、上部電極11が設けられる部分の圧電材料層13と
同じ厚さで形成されていればよい。
<第5実施形態>
次に、図8を参照して第5実施形態について説明する。
第1実施形態等では、平面視環状に構成される圧電材料層を例示したが、圧力室21a
の周縁部に配置されるのであれば環状でなくてもよい。本実施形態では、圧電アクチュエ
ータプレート10が配される領域が楕円形状の圧力室21aにおいて、圧電材料層が圧力
室21aの長手方向に帯状に配置されている例を示している。ここでは上部電極11が圧
電材料層とほぼ同一の形状をなし、圧電材料層の上部に配置されている。圧電材料層は圧
力室21aの長手方向大部分の領域に渡って配置されている。
<第6実施形態>
図9は、本発明による液体移送装置1をマイクロポンプ100に適用した実施形態を示
している。マイクロポンプ100は、本発明の第1実施形態による液体移送装置1の下面
に、ポンプアダプタAPを接合して構成されており、ポンプアダプタAPはその下方部を
液源に浸らせている。液体移送装置1の作用は第1実施形態と同様であるが、圧電アクチ
ュエータプレート10を圧力室21aと反対側に撓ませることにより、圧力室21aの容
積を増大させて、液源からインレットIPを介して液体を吸引し、圧力室21aを介して
液体をアウトレットOPから外部へと移送する。
<他の実施形態>
本発明は上述した記載および図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく
、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、以下の記載以外に
も要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上部電極を駆動回路のグランドに接続し、下部電極を駆動回路のプラス(+)電源
に接続してもよい。
(2)本発明による液体移送装置は、圧力室に連なる開孔から、滴状、霧状等を含むあ
らゆる状態の液体を外部に移送するものを含み、また、液体の移送形態は吐出、噴出、噴
射等のあらゆる形態を含むものとする。
(3)上記実施形態ではプリンタのインク吐出用のインクジェットヘッドを例に挙げて
説明したが、検査試薬の噴射装置など、あらゆる種類の液体移送装置に利用できる。
(4)上記第3実施形態において、圧電材料層13が薄肉状態に構成された内部領域C
に低誘電体層を形成することで、上部電極11をわざわざ薄肉部13bを避けて形成する
必要がなくなる。このような内部領域Cへの低誘電体層の適用は、他の実施形態に対して
も可能である。すなわち、低誘電体が印加される駆動電圧に対して破壊しない程度の絶縁
耐圧を有しておれば、薄肉部13aはあってもなくてもよい。あるいは、振動板も導電性
材料で構成されていても、非導電性材料で構成されていてもよい。
第1実施形態に係る液体移送装置について、圧力室の長手方向に沿って切断した場合の縦断面図である。 図1に示した液体移送装置に関し、複数の圧力室の配列方向に沿って切断した場合の縦断面図である。 図2に示した液体移送装置の平面図である。 図2に示した液体移送装置の作動状態を示した断面図である。 第2実施形態による液体移送装置の要部拡大図である。 第3実施形態による液体移送装置の要部拡大図である。 第4実施形態による液体移送装置の要部拡大図である。 第5実施形態による液体移送装置の平面図である。 第6実施形態による液体移送装置の要部拡大図である。
1…液体移送装置
10…圧電アクチュエータプレート
11…上部電極
13…圧電材料層
14…振動板(撓み層)
21a…圧力室
24a…ノズル(開孔)
C…内部領域

Claims (7)

  1. 液体が収容される圧力室を閉じるようにして圧電アクチュエータプレートが配され、前
    記圧電アクチュエータプレートを撓み変形させることによって前記液体を前記圧力室に連
    なる開孔から移送させる液体移送装置において、
    前記圧電アクチュエータプレートは、
    厚み方向の電界の印加によって面方向に収縮するように前記厚み方向に分極されると共
    に、少なくとも前記圧力室の周縁部に配置され、一方、当該周縁部よりも中央寄りの内部
    領域においては、配置されないか、又は前記周縁部に配置される部分よりも薄肉のものが
    配置される圧電材料層と、
    板状に形成され前記圧電材料層に対し重なるように接合される撓み層と、
    を有した積層構造をなしており、
    前記圧電材料層は前記撓み層に対して前記圧力室と反対側に積層されるものであり、
    前記圧電材料層の前記面方向における収縮によって、前記撓み層を前記圧力室と反対側
    に撓ませるものであり、
    前記圧力室は、前記圧電アクチュエータプレートが配される領域が楕円形状であって、
    前記内部領域は、前記楕円形状の短手方向の1/3以上の長さに形成されていることを特
    徴とする液体移送装置。
  2. 前記撓み層は導電性材料にて形成され、前記圧電材料層に電界を印加させるために当該
    圧電材料層を挟んで両側に配置される電極のうちの一方の電極としても利用されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の液体移送装置。
  3. 前記撓み層は非導電性材料にて形成され、前記圧電材料層と前記撓み層との間には、少
    なくとも前記圧力室の周縁部において、前記圧電材料層に電界を印加させるための電極が
    形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体移送装置。
  4. 前記圧力室は、前記圧電アクチュエータプレートが配される領域が楕円形状であって、
    前記圧電材料層は、前記圧力室の長手方向に帯状に配置されていることを特徴とする請
    求項1ないし請求項3のいずれかに記載の液体移送装置。
  5. 前記圧電材料層に電界を印加するために当該圧電材料層を挟んで両側に配置される電極
    のうち、少なくとも一方の電極が前記圧力室の周縁部に配置されていることを特徴とする
    請求項1に記載の液体移送装置。
  6. 前記少なくとも一方の電極は、前記圧力室の周縁部全周に渡り環状に配置されているこ
    とを特徴とする請求項5に記載の液体移送装置。
  7. 前記圧力室は複数配され、
    前記圧電アクチュエータプレートは、前記複数の圧力室に跨って連結して配されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の液体移送装置。
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