JP4599995B2 - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、操舵系に付加される操舵トルクを検出して操舵補助指令値を算出すると共に、操舵系に対して操舵補助力を付与する電動機の駆動電流を検出し、操舵補助指令値及び駆動電流検出値に基づいて電動機を制御して操舵補助制御を行う電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
この種の電動パワーステアリング装置の制御装置にあっては、操舵系に対して操舵補助力を発生する電動機の負荷電流の検出値が、電流の読込周期より長い第1の所定時間内に所定値を越える状態が、第2の所定時間継続した場合に負荷となる電動機の短絡故障であると判定するようにした電動パワーステアリング装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この従来例では、負荷電流制御手段により誘導負荷であるモータをPWM駆動すると、負荷電流は、目標電流を中心とし、傾きが負荷の電気的時定数τで定まり、周波数がPWMの搬送周波数の三角波状となる。ここで、PWMの搬送波の周期を電気的時定数τよりも十分短く設定すると、正常時における負荷電流検出値は短絡電流判定値より小さい値となり、短絡判定手段で正常を表す“0”の判定結果を得るが、モータに短絡故障が発生すると、負荷駆動手段から見たインダクタンスと抵抗は極めて小さくなるので、負荷電流は急激に増加し、負荷電流検出値は短絡電流判定値を越えることになる。このため、短絡判定手段で異常を表す“1”が出力される。このように負荷電流検出値が目標電流に対して過大となると、負荷電流制御手段が、負荷電流を減少させるべく作用するので、PWMデューティ比の演算結果は0%近傍になる。モータがデューティ比0%近傍で駆動されると、正常時には前記時定数τで減少する負荷電流は、負荷駆動手段から見たインダクタンスが無視できるため、急速に減少する。このときの負荷電流検出値は目標電流を下回るので、負荷電流制御手段は負荷電流を増加すべくPWMデューティ比の演算結果を増加させることになり、負荷電流制御検出値は再び目標電流に対して過大となることを繰り返すことになる。
このため、負荷電流を読込むサンプリング周期T1と、このサンプリング周期T1より長い保持時間T2(=4T1)とを設定すると共に、保持時間T2の間に“1”の判定結果が含まれているときにカウントアップし、保持期間T2の間に“1”の判定結果が含まれていないとき即ち判定結果が全て“0”であるときにカウント値をクリアする短絡継続時間計測カウンタを設け、この短絡継続時間計測カウンタのカウント値が短絡判定時間に相当する所定値に達したときに故障フラグを“1”にセットするようにしている。
特許第3274377号公報(第4頁〜第6頁、図3〜図6)
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来例にあっては、図16(a)に示すように、保持時間T2内で負荷電流検出値が短絡電流判定値を超えることを繰り返している場合には、短絡継続時間計測カウンタのカウント値が順次カウントアップされて、このカウント値が短絡判定時間に相当する所定値に達したときに、故障フラグが“1”に設定されるので問題はないが、図16(b)に示すように、負荷電流検出値が短絡電流判定値を超える周期が保持時間T2より長くなった場合には、短絡継続時間計測カウンタのカウント値が“0”にクリアされてしまい、故障フラグをセットすることができないという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、電動機の駆動電流が過電流閾値を超える周波数が変化する場合でも正確に過電流異常を検出することができる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、操舵系に付加される操舵トルクに基づいて操舵補助指令値を算出する指令値算出手段と、前記操舵系に対して操舵補助力を付与する電動機と、該電動機の駆動電流を検出する駆動電流検出手段と、該駆動電流検出手段で検出した駆動電流検出値と前記指令値算出手段で算出した操舵補助指令値とに基づいて前記電動機に駆動電流を供給する電動機制御手段とを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記駆動電流検出手段で検出した駆動電流検出値と過電流閾値とを比較して、前記駆動電流検出値が前記過電流閾値を超えたときに、異常判断値に整数でなる第1の所定値を加算し、前記駆動電流検出値が前記過電流閾値以下であるときに前記異常判断値から前記第1の所定値より小さく連続しない整数でなる第2の所定値を減算する異常判断値算出手段と、該異常判断値算出手段で算出した異常判断値が前記第1の所定値より大きい第3の所定値を超えたときに過電流異常を検出する異常検出手段とを備えたことを特徴としている。
また、請求項2に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、請求項1に係る発明において、前記駆動電流検出手段は、前記電動機の駆動電流サンプリング周期が前記電動機制御手段による前記電動機に対する駆動電流制御周期以下の周期に設定されていることを特徴としている。
さらに、請求項3に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、請求項1又は2に係る発明において、前記指令値算出手段及び電動機制御手段を構成する主演算処理装置と、前記異常判断値算出手段及び異常検出手段を構成する副演算処理装置とを備えていることを特徴としている。
さらにまた、請求項4に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、請求項1〜3の何れか1項に係る発明において、前記異常検出手段は、前記第3の所定値が過電流異常の判断基準となる過電流状態継続時間を前記電流検出値のサンプリング周期で除した値と前記第1の所定値とを乗算した値に設定されていることを特徴としている。
なおさらに、請求項5に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、請求項1〜4の何れか1項に係る発明において、前記異常判断値算出手段は、前記電流検出値と過電流閾値とを比較する比較部と、該比較部の比較結果が前記電流検出値が前記過電流閾値以上であるときに前記第1の所定値を選択し、前記電流検出値が前記過電流閾値未満であるときに前記第2の所定値を選択する選択部と、該選択部で前記第1の所定値を選択したときにこれが加算入力側に入力され、前記第2の所定値を選択したときにこれが減算入力側に入力される加減算カウンタとを備えていることを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、駆動電流検出手段で検出した電動機の駆動電流検出値と過電流閾値とを比較して、駆動電流検出値が過電流閾値を超えたときに異常判断値に第1の所定値を加算し、逆に駆動電流検出値が過電流閾値以下であるときに異常判断値から第1の所定値より小さい第2の所定値を減算するので、駆動電流検出値が過電流閾値以下であるときに異常判断値が直ちにクリアされることを防止して、電動機に供給される駆動電流の過電流異常を正確に検出することができるという効果を有する。
また、請求項2に係る発明によれば、電動機の駆動電流サンプリング周期が電動機制御手段による電動機に対する駆動電流制御周期以下の周期に設定されているので、駆動電流が過電流閾値を超えることを正確に検出することができ、特に電動機の駆動電流サンプリング周期を駆動電流周期よりも短く設定することにより、駆動電流が過電流閾値を超えることをより正確に検出することができるという効果が得られる。
さらに、請求項3に係る発明によれば、電動機を制御する指令値算出手段及び電動機制御手段を構成する主演算処理装置と、異常判断値算出手段及び異常検出手段を構成する副演算処理装置とを備えているので、電動機の過電流を検出する機能を通常時に電動機に対する電流制御を行う主演算処理装置とは異なる副演算処理装置で行うことになり、主演算処理装置に異常が発生したことに起因する過電流状態であっても過電流異常を正確に検出することができるという効果が得られる。
さらにまた、請求項4に係る発明は、異常検出手段は、第3の所定値が過電流異常の判断基準となる過電流状態継続時間を前記電流検出値のサンプリング周期で除した値と前記第1の所定値とを乗算した値に設定されているので、過電流状態が過電流閾値を超える状態が断続する場合に加えて、過電流状態が連続して過電流状態継続時間以上継続した場合にも過電流異常として検出することができるという効果が得られる。
なおさらに、請求項5に係る発明によれば、加減算カウンタの加算入力側に第1の所定値が入力され、減算入力側に第2の所定値が入力されるので、電流検出値と過電流閾値との比較結果に応じて加減算カウンタのカウント値が増減することにより、異常判断値を簡単な構成で容易に算出することができるという効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す概略構成図であって、図中、1はステアリングホイールであり、このステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力が入力軸2aと出力軸2bとを有するステアリングシャフト2に伝達される。このステアリングシャフト2は、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、他端はトルク検出手段としてのトルクセンサ3を介して出力軸2bの一端に連結されている。
そして、出力軸2bに伝達された操舵力は、ユニバーサルジョイント4を介してロアシャフト5に伝達され、さらに、ユニバーサルジョイント6を介してピニオンシャフト7に伝達される。このピニオンシャフト7に伝達された操舵力はステアリングギヤ8を介してタイロッド9に伝達され、図示しない転舵輪を転舵させる。ここで、ステアリングギヤ8は、ピニオンシャフト7に連結されたピニオン8aとこのピニオン8aに噛合するラック8bとを有するラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオン8aに伝達された回転運動をラック8bで直進運動に変換している。
ステアリングシャフト2の出力軸2bには、補助操舵力を出力軸2bに伝達する減速ギヤ10が連結されており、この減速ギヤ10には操舵系に対して補助操舵力を発生する電動モータ12の出力軸が連結されている。
トルクセンサ3は、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するもので、例えば、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介挿した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位をポテンショメータで検出するように構成されている。このトルクセンサ3は、図2に示すように、入力される操舵トルクが零のときには、所定の中立電圧V0 となり、この状態から右切りすると、操舵トルクの増加に応じて中立電圧V0 より増加する電圧となり、操舵トルクが零の状態から左切りすると操舵トルクの増加に応じて中立電圧V0 より減少する電圧となるトルク検出値Tを出力するように構成されている。
このトルクセンサ3から出力されるトルク検出値Tは、図3に示すように、メイン及びサブMCU(Micro Controller Unit)13及び14に入力される。これらメイン及びサブMCU13及び14には、トルク検出値Tの他に車速センサ15で検出した車速検出値Vも入力されると共に、モータ電流検出回路16で検出した電動モータ12に流れる駆動電流検出値IMDも入力される。
そして、両MCU13及び14では、入力されるトルク検出値T及び車速検出値Vに応じて操舵系に対する操舵補助力を電動モータ12で発生させる操舵補助指令値IM *を算出し、算出した操舵補助指令値IM *と駆動電流検出値IMDとにより、電動モータ12に供給する駆動電流をフィードバック制御するモータ電流指令値Irを算出する図4に示すモータ制御処理を実行し、メインMCU14は、算出したモータ電流指令値Irをモータ駆動回路17に出力する。
モータ制御処理は、図4に示すように、所定時間(例えば1msec)毎のタイマ割込処理として実行され、先ず、ステップS1で、サブMCU14から後述するモータ制御禁止信号Mpが入力されているか否かを判定し、モータ制御禁止信号Mpが入力されているときには処理を終了し、モータ制御禁止信号Mpが入力されていないときにはステップS2に移行する。
このステップS2では、操舵トルクセンサ3で検出したトルク検出値Tを読込み、次いでステップS3に移行して、トルク検出値Tから中立電圧V0 を減算して操舵トルクTs(=T−V0 )を算出する。
次いで、ステップS4に移行して、車速センサ15で検出した車速検出値Vを読込み、次いでステップS5に移行して、トルク検出値及び車速検出値Vに基づいて図5に示す操舵補助指令値算出マップを参照して、モータ電流指令値となる操舵補助指令値IM *を算出する。
ここで、操舵補助指令値算出マップは、図5に示すように、横軸に操舵トルク検出値Tをとり、縦軸に操舵補助指令値IM *をとり、車速検出値Vをパラメータとした特性線図で構成され、操舵トルクTsが“0”から正方向に増加して第1の設定値Ts1に達するまでの間は車速検出値Vにかかわらず比較的緩い勾配で延長する直線部L1と、操舵トルクTaが第1の設定値Ts1より増加したときに、車速検出値Vが比較的速い状態では、比較的緩やかな勾配で延長する直線部L2及びL3と操舵トルク検出値Tsが第1の設定値Ts1より大きい第2の設定値Ts2に近傍で横軸と平行となる直線部L4及びL5と、車速検出値Vが遅い状態では、比較的勾配の大きい直線部L6及びL7と、これら直線部L6及びL7より勾配の大きい直線部L8及びL9と、直線部L8より勾配の大きい直線部L10と、直線部L9及びL10の終端から横軸と平行に延長する直線部L11及びL12とで構成される4本の特性線が形成され、同様に操舵トルクTsが負方向に増加する場合には、上記と原点を挟んで点対象となる4本の特性線が形成された構成を有する。
次いで、ステップS6に移行して、操舵補助補償値IM *を微分してフィードフォワード制御用の微分値Idを算出し、次いでステップS7に移行して、駆動電流検出値IMDを読込み、次いでステップS8に移行して、操舵補助指令値IM *から駆動電流検出値IMDを減算して電流偏差ΔIを算出し、次いでステップS9に移行して、電流偏差ΔIを比例演算処理して比例補償制御用の比例値ΔIpを算出する。
次いで、ステップS10に移行して、電流偏差ΔIを積分演算処理して積分補償制御用の積分値ΔIiを算出し、次いでステップS11に移行して、微分値Id、比例値ΔIp及び積分値ΔIiを加算してモータ電流指令値Ir(=Id+ΔIp+ΔIi)を算出してからステップS12に移行する。
このステップS12では、モータ電流指令値Irが負値であるか否かを判定し、Ir≧0であるときにはステップS13に移行して、モータ電流指令値Irに応じたデューティ比のパルス幅変調(PWM)信号を算出してからステップS15に移行し、Ir<0であるときにはステップS14に移行して、デューティ比0%のパルス幅変調(PWM)信号を算出してからステップS15に移行する。
ステップS15では、ステップS13又はステップS14で算出したデューティ比のパルス幅変調信号PS及びステップS3で算出した操舵トルクTsの符号に応じて設定される電流方向信号DSとをモータ駆動回路17に出力してから前記ステップS1に戻る。
この図8の処理のうちステップS2〜S6の処理が指令値算出手段に対応し、ステップS7〜ステップS15の処理及びモータ駆動回路17が電動機制御手段に対応している。
なお、サブMCU14でのモータ制御処理では、図6に示すように、図4のモータ制御処理において、ステップS1及びS12〜15の処理が省略されていると共に、ステップS11でモータ電流指令値IrS (=Id+ΔIp+ΔIi)を算出し、これを内蔵するメモリのモータ電流記憶領域に更新記憶することを除いては図4と同様の処理を行うようにしている。
ここで、モータ駆動回路17は、図7に示すように、電動モータ12に供給する駆動電流を制御する電界効果トランジスタFET1〜FET4で構成されるHブリッジ回路18と、メインMCU13から入力されるパルス幅変調信号及び電流方向信号に基づいてHブリッジ回路18を構成する各FET1〜FET4のゲートを開閉駆動するFETゲート駆動回路19と、バッテリ20からの電力をHブリッジ回路18に供給するか否かを選択するスイッチ回路21とで構成されている。スイッチ回路21は、サブMCU14から後述するモータ制御禁止信号Mpが入力されていないときにバッテリ20の電力をHブリッジ回路18に供給し、モータ制御禁止信号Mpが入力されたときにHブリッジ回路18へ供給するバッテリ20の電力を遮断する。
一方、サブMCU14では、上記モータ制御処理に加えて、自己が算出したモータ電流指令値IrS とモータ電流検出回路16から読込んだ駆動電流検出値IMDとに基づいて図8に示すメインMCU監視処理を実行する共に、駆動電流検出値IMDに基づいて図9に示す過電流検出処理を実行する。
メインMCU監視処理は、図8に示すように、先ず、ステップS21で、自己が算出したモータ電流指令値IrS 及びモータ電流検出回路16から入力される駆動電流検出値IMDを読込み、次いでステップS22に移行してモータ電流検出回路16から読込んだ駆動電流検出値IMDとの偏差の絶対値ΔI(=|IrS −IMD|)を算出する。
次いで、ステップS23に移行して、算出した偏差の絶対値ΔIが予め設定した所定値IMS以下であるか否かを判定し、ΔI≦ΔIsであるときにはメインMCU13が正常であると判断してステップS24に移行して、経過時間を表すカウント値TNを“0”にクリアしてから前記ステップS21に戻り、ΔI>ΔIsであるときにはメインMCU13が異常であると判断してステップS25に移行する。
このステップS25では、経過時間カウンタのカウント値TNを“1”だけカウントアップしてからステップS26に移行し、カウント値TNが所定値TNsに達したか否かを判定し、TN<TNsであるときには前記ステップS21に戻り、TN≧TNsであるときにはステップS27に移行して、モータ制御禁止信号Mpをモータ駆動回路17に出力してからメインMCU監視処理を終了する。
また、過電流検出処理は、図9に示すように、前述した図4のモータ制御処理の制御周期即ち電動モータ12に対する駆動電流制御周期(例えば1msec)より短い所定サンプリング周期Ts(例えば250μsec)毎のタイマ割込処理として実行され、先ず、ステップS31で、モータ電流検出回路16から入力される駆動電流検出値IMDを読込み、次いでステップS32に移行して、駆動電流検出値IMDが予め設定された過電流閾値IOT以上であるか否かを判定し、IMD<IOTであるときには電動モータ12が過電流状態ではないものと判断してステップS33に移行し、異常判断値CNから第2の所定値CN2 として“1”を減算し、次いでステップS34に移行して、異常判断値CNが負値であるか否かを判定し、CN≧0であるときにはそのままタイマ割込処理を終了し、CN<0であるときには、ステップS35に移行して、異常判断値CNを“0”に設定してからタイマ割込処理を終了する。
一方、前記ステップS32の判定結果が、IMD≧IOTであるときにはステップS36に移行して、異常判断値CNに第1の所定値CN1 として“6”を加算し、次いでステップS37に移行して、異常判断値CNが第3の所定値CN3 としての“96”以上であるか否かを判定し、CN<96であるときにはそのままタイマ割込処理を終了し、CN≧96であるときには過電流異常であると判断してステップS38に移行し、モータ制御禁止信号Mpをモータ駆動回路17に出力してからタイマ割込処理を終了する。
ここで、第3の所定値CN3 は、駆動電流検出値IMDのサンプリング周期Tsが250μsecであり、モータ電流閾値IMDが過電流閾値IOTを超える状態が連続して過電流状態継続時間TO を超えるときに過電流異常と判断するように設定した場合に、第1の所定値CN1 をもとに下記(1)式で算出される。ここで、過電流状態継続時間TO は、FET1〜4の性能に応じてこれらが破壊されないことを考慮した保護時間(例えば4msec)に設定されている。
CN3 =(TO /Ts)×CN1 =(4/0.25)×6=96 …………(1)
この図9の処理において、ステップS31〜S36の処理が異常判断値算出手段に対応し、ステップS37及びS38の処理が異常検出手段に対応している。
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
今、キースイッチをオン状態とすることにより、メインMCU13及びサブMCU14に電源が投入されて、これらメイン及びサブMCU13及び14で図4及び図6のモータ制御処理が実行開始されると共に、サブMCU14で、図8のメインMCU監視処理及び図9の過電流検出処理が実行開始される。
このとき、電動モータ12が短絡等を生じていないと共に過電流状態も発生していない正常であり、サブMCU14からモータ制御禁止信号Mpがモータ駆動回路17に出力されていないものとする。
この状態では、メインMCU13で実行する図4のモータ制御処理では、モータ制御禁止信号Mpが入力されていないので、ステップS1からステップS2に移行してトルクセンサ3で検出したトルク検出値Tを読込み、次いで、読込んだトルク検出値Tから中立電圧V0 を減算して操舵トルクTsを算出し(ステップS3)、次いで車速センサ14から車速検出値Vを読込み(ステップS4)、操舵トルクTsと車速検出値Vとに基づいて図5に示す操舵補助指令値算出マップを参照して操舵補助指令値IM *を算出する(ステップS5)。
そして、操舵補助指令値IM *を微分演算処理してフィードフォワード制御における微分補償制御用の微分値Idを算出し(ステップS6)、次いで、操舵補助指令値IM *からモータ電流補正値IMDを減算して電流偏差ΔIを算出し(ステップS8)、算出した電流偏差ΔIを比例演算処理して比例補償制御用の比例値ΔIpを算出すると共に、積分演算処理して積分補償制御用の積分値ΔIiを算出し(ステップS9,S10)、次いで、微分値Id、比例値ΔIp及び積分値ΔIiを加算してモータ電流指令値Ir を算出し(ステップS11)、次いで算出したモータ電流指令値Irに応じたデューティ比のパルス幅変調信号PS及び操舵トルクTsの符号に応じて設定された電流方向信号DSとをモータ駆動回路17に出力する。
このため、モータ駆動回路17では、入力されるパルス幅変調信号PS及び電流方向信号DSをFETゲート駆動回路20に出力し、このFETゲート駆動回路20で電流方向信号DSをもとにHブリッジ回路19のFET1及びFET2の組とFET3及びFET4の組との何れかを選択し、選択した組のFET1(又はFET3)にパルス幅変調信号PSを、FET2(又はFET4)にオン信号を供給することにより、モータ駆動回路17から電動モータ12に正転駆動電流(又は逆転駆動電流)を供給して、この電動モータ12でステアリングホイール1に作用された操舵トルクに応じた操舵補助力を発生させ、これを減速ギヤ11を介して出力軸2bに伝達する。
このとき、車両が停車している状態でステアリングホイール1を操舵する所謂据え切り状態では、図5に示す操舵補助指令値算出マップの特性線の勾配が大きいことにより、小さい操舵トルクTsで大きな操舵補助指令値IM *を算出するので、電動モータ12で大きな操舵補助力を発生して軽い操舵を行うことができる。
一方、車両が発進して、所定車速以上となると、図5に示す操舵補助指令値算出マップの特性線の勾配が小さくなることにより、大きな操舵トルクTsでも小さな操舵補助指令値IM *を算出するので、電動モータ12で発生する操舵補助力が小さくなり、ステアリングホイール1の操舵が軽くなりすぎることを抑制して最適な操舵を行うことができる。
一方、サブMCU14では、図8のメインMCU監視処理及び図9の過電流検出処理を実行している。このため、メインMCU14が正常である場合には、サブMCU14における図6のモータ制御処理で算出したモータ電流指令値IrS とモータ電流検出回路16で検出した駆動電流検出値IMDとの偏差の絶対値ΔI(=|IrS −IMD|)が所定値ΔIs以内となることにより、経過時間カウント値TNが“0”にクリアされ(ステップS24)、モータ制御禁止信号Mpがモータ駆動回路17に出力されることはないので、モータ駆動回路17による電動モータ12の駆動制御が継続される。
また、図9の過電流検出処理でも、過電流状態ではないので、駆動電流検出値IMDが所定値IOT以上となることがなく、電源投入時の初期化処理で異常判断値CNが“0”にクリアされているものとすると、ステップS33で異常判断値CNから第2の所定値CN2 が減算されることにより、異常判断値CNが“−1”となって負値となるため、ステップS35に移行して、異常判断値CNが“0”に維持される。この過電流検出処理でもモータ制御禁止信号Mpがモータ駆動回路17に出力されることはないので、モータ駆動回路17による電動モータ12の駆動制御が継続される。
ところが、メインMCU13に異常が発生するか又はモータ駆動回路17、電動モータ12、モータ電流検出回路16の何れかに異常が発生して、モータ電流検出回路16で検出される駆動電流検出値IMDとサブMCU14のモータ制御処理で算出されるモータ電流指令値IrS との偏差の絶対値ΔIが所定値ΔIsを超える状態となると、図8のメインMCU監視処理において、ステップS23からステップS25に移行して、経過時間カウント値TMをインクリメントすることを繰り返して、経過時間カウント値TNが所定値TNs以上となると、ステップS27に移行して、モータ駆動回路17に対してモータ制御禁止信号Mpが出力される。このため、モータ駆動回路17では、モータ制御禁止信号Mpが入力されることにより、電動モータ12に対する駆動電流の出力が停止され、これと同時にメインMCU13のモータ制御処理が停止される。このため、メインMCU13、モータ駆動回路17、電動モータ12、モータ電流検出回路16等のモータ駆動系統に異常が発生したときに、電動モータ12の駆動を確実に停止させて、異常制御が行われることを確実に防止することができる。
さらに、電動モータ12に過電流が継続して流れる状態となって、モータ電流検出回路17で検出される駆動電流検出値IMDが図10(a)に示すように、過電流閾値IOT以上となる状態が連続して発生した場合には、図9の過電流検出処理において、ステップS32で過電流異常と判断されてステップS36に移行して、異常判断値CNに第1の所定値CN1 (=6)が加算されることになり、これが過電流検出処理のサンプリング周期毎に繰り返されるので、ステップS36の処理を16回繰り返して過電流状態継続時間TO に達すると、異常判断値CNが“96”となり、第3の所定値CN3 と一致するので、ステップS37からステップS38に移行して、図10(d)に示すようにハイレベルとなるモータ制御禁止信号Mpがモータ駆動回路17のスイッチ回路21に出力されて、Hブリッジ回路18に対するバッテリ20の電力供給が遮断されることにより、モータ駆動回路17から電動モータ12に対するモータ駆動電流の供給が停止されると共に、メインMCU13におけるモータ制御処理も停止される。したがって、電動モータ12の過電流状態が過電流状態継続時間TO 以上継続すると、モータ制御禁止信号Mpがモータ駆動回路17に出力されることにより、電動モータ12の過電流状態の継続を確実に防止することができる。
さらにまた、電動モータ12に短絡異常が発生した場合には、Hブリッジ回路18から見た電動モータ12のインダクタンス及び抵抗が極めて低くなるので、電動モータ12に流れる駆動電流が急増し、モータ電流検出回路16で検出する駆動電流検出値IMDが図11(a)に示すように操舵補助指令値IM *に比較して急激に増加する。
このため、メインMCU13で実行される図4のモータ制御処理において、ステップS8で算出される電流偏差ΔIが負値となり、ステップS11で算出されるモータ電流指令値Irも負値となって、ステップS12からステップS14に移行して、パルス幅変調信号PSのデューティ比が0%に設定される。この結果、デューティ比0%のパルス幅変調信号がFETゲート駆動回路19に出力されるので、Hブリッジ回路18のFET1〜FET4が全てオフ状態となり、電動モータ12に対する駆動電流の出力が停止される。
このため、モータ電流検出回路16で検出される駆動電流検出値IMDは図11(a)に示すように急激に零まで減少することになる。
このように駆動電流検出値IMDが零まで減少すると、メインMCU13における図4のモータ制御処理において、ステップS8で算出される電流偏差ΔIが正値となり、これに応じてステップS11で算出されるモータ電流指令値Irも正値となるため、ステップS12からステップS13に移行し、モータ電流指令値Irに応じたデューティ比のパルス幅変調信号が算出され、次いでステップS15に移行して、算出したパルス幅変調信号PSと操舵トルクTsに基づいて算出される電流方向信号DSがモータ駆動回路17のFETゲート駆動回路19に出力されるので、再度Hブリッジ回路18のFET1及びFET2の組(又はFET3及びFET4の組)がパルス幅変調駆動状態となることにより、電動モータ12に過電流が流れて、モータ電流検出回路16で検出される駆動電流検出値IMDが過電流閾値IOTを超える状態となり、以後上記動作を繰り返して発振状態となる。
このように、駆動電流検出値IMDが過電流閾値IOTを超える状態と超えない状態とを繰り返す発振状態となると、サブMCU14で実行される図9の過電流検出処理において、IMD>IOTであるときに異常判断値CNに“6”に設定された第1の所定値CN1 が加算され、IMD≦IOTであるときに異常判断値CNから“1”に設定された第2の所定値CN2 が減算されるので、図11(a)に示すように、IMD>IOTの状態が駆動電流検出値IMDのサンプリング周期Ts(=0.25msec)の約7倍の1.75msec継続し、その後IMD≦IOTの状態がサンプリング周期Tsの約10倍の2.50msec継続することを繰り返した場合には、異常判断値CNは時点t1で短絡異常が発生して駆動電流検出値IMDが過電流閾値IOTを超えたものとすると、この時点t1からIMD≦IOTとなる時点t2までの間で第1の所定値CN1 を6回加算するのでCN=36となり、その後IMD>IOTとなる時点t3までの間で第2の所定値CN2 を9回減算するのでCN=27となり、次にIMD≦IOTとなる時点t4までの間で第1の所定値CN1 を6回加算してCN=63となり、その後IMD>IOTとなる時点t5までの間で第2の所定値CN2 を9回減算するのでCN=54となり、次にIMD≦IOTとなる時点t6までの間で第1の所定値CN1 を6回加算してCN=90となり、その後IMD>IOTとなる時点t7までの間で第2の所定値CN2 を9回減算するのでCN=81となり、次に第1の所定値CN1 を3回加算した時点t8でCN=99となる。
このため、時点t8で異常判断値CNが第3の所定値CN3 (=96)を超えることになるので、この時点t8で図9の処理において、ステップS37からステップS38に移行して、図10(d)に示すようにモータ制御禁止信号Mpがモータ駆動回路17のスイッチ回路21に出力される。このため、電動モータ12への駆動電流の供給が遮断されて、電動モータ12の短絡異常による過電流状態を正確に検出することができ、短絡異常状態となったときに電動モータ12の駆動を確実に停止させることができる。
一方、電動モータ12に短絡異常が発生しても、図12(a)に示すように、前述した図11のように駆動電流検出値IMDが周期的に過電流閾値IOTを超える状態を繰り返すのではなく、例えば時点t1及びt2間で駆動電流検出値IMDが過電流閾値IOTを超えてから1周期飛ばした時点t5以降で周期的に駆動電流検出値IMDが過電流閾値IOTを超える状態を繰り返す場合には、時点t2で異常判断値CNが“36”となり、その後時点t5までの間で24回第2の所定値CN2 を減算するので、時点t5で異常判断値CNが“12”となる。
その後は、周期的に駆動電流検出値IMDが過電流閾値IOTを超える状態を繰り返すので、時点t6で異常判断値CNが“48”となり、時点t7で異常判断値CNが“39”となり、時点t8で異常判断値CNが“75”となり、時点t9で異常判断値CNが“66”となり、この時点t9から第1の所定値CN1 を5回加算した時点t10で異常判断値CNが“96”に達するので、この時点t10で図12(d)に示すようにモータ制御禁止信号Mpがモータ駆動回路17のスイッチ回路21に出力される。このため、電動モータ12への駆動電流の供給が遮断されて、電動モータ12の短絡異常による過電流状態を正確に検出することができ、短絡異常状態となったときに電動モータ12の駆動を確実に停止させることができる。
このように、駆動電流検出値IMDが過電流閾値IOTを超えているときに、大きな値の第1の所定値CN1 (=6)を異常判断値CNに加算し、逆に駆動電流検出値IMDが過電流閾値IOT以下であるときに第1の所定値CN1 より小さな第2の所定値CN2 (=1)を異常判断値CNから減算するので、異常判断値CNに第1の所定値CN1 が加算された状態で、比較的長い時間が経過した場合でも、異常判断値CNが“0”にクリアされることなく、第2の所定値CN2 の減算のみが行われるので、駆動電流検出値IMDが定期的に過電流閾値IMDを超える発振状態であるときは勿論、駆動電流検出値IMDが過電流閾値IOTを超える状態が途中で欠けるような不連続な発振状態を生じる場合でも、確実に短絡異常を検出することができる。
因みに、異常判断値CNを、所定時間T1 の間に駆動電流検出値IMDが過電流閾値IOTを超えているときに“1”だけインクリメントし、所定時間T1 の間に駆動電流検出値IMDが過電流閾値IOTを超える状態とならないときに異常判断値CNを“0”にクリアするように構成したときには、上述した図12(a)のように駆動電流検出値IMDが変化する場合に以下のような問題点がある。
すなわち、例えば図13に示すように時点t1〜t3間の時間を所定時間T1 としたときに、時点t1〜t3間では時点t1〜t2間で駆動電流検出値IMDが過電流閾値IOTを超える状態であるので、時点t3で異常判定値CNが“1”となる。しかしながら、時点t3〜t5の間の所定時間T1 では駆動電流検出値IMDが過電流閾値IOTを超えることがないので、異常判断値CNが“0”にクリアされることにより、初期状態に戻ってしまい、その後時点t7から異常判断値CNの加算を再度開始するので、駆動電流検出値IMDが所定周期で過電流閾値IOTを超える図10の場合には連続して異常判断値CNがインクリメントされて所定値に達したときに異常と判断することができるが、異常判断値が所定値に達するまでの間で所定時間T1 以内に駆動電流検出値IMDが過電流閾値IOTを超える状態とならない場合には異常検出を行うことができない。
これに対して、本願発明では、上記実施形態で説明したように、異常判断値CNが第3の所定値CN3 に達するまでの間に駆動電流検出値IMDが過電流閾値IOTを超えない場合が存在しても異常判断値CNが“0”にクリアされることがないので、異常判断値CNが初期状態に戻ることはなく、電動モータ12の短絡異常を正確に検出することができる。
また、上記実施形態においては、図9に示す過電流検出処理をサブMCU14で実行するようにしているので、メインMCU13に異常が発生したことに起因する過電流状態であっても過電流異常を正確に検出することができる。
さらに、上記実施形態においては、電動モータ12の駆動電流サンプリング周期となる図9の過電流検出処理のサンプリング周期Ts(例えば250μsec)が電動モータ12に対する駆動電流制御周期となるモータ制御処理の制御周期(例えば1msec)よりも短く設定されているので、駆動電流が過電流閾値IOT を超えることをより正確に検出することができる。
なお、上記実施形態においては、第1の所定値CN1 を“6”に設定し、第2の所定値CN2 を“1”に設定した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、第1の所定値CN1 を第2の所定値CN2 に近づけるほど短絡異常を検出するまでの検出時間が長くなり、逆に第1の所定値CN1 の値を大きくすればするほど、短絡異常検出時間を短くすることができるが、短絡異常を誤検出する割合も増えることから、第1の所定値CN1 と第2の所定値CN2 との比率は上述した6対1、7対1、8対1程度とするのが好ましい。
また、上記実施形態においては、メインMCU13及びサブMCU14を設け、サブMCU14で図6に示す過電流検出処理を実行する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、サブMCU14を省略してメインMCU13のみを設け、このメインMCU13で図9に示す過電流検出処理を実行するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、演算処理装置としてMCUを設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなくマイクロコンピュータを適用することもでき、そのた任意の演算処理装置を適用することができる。
なおさらに、上記実施形態においては、電動モータ12を直流駆動する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電動モータを三相以上の多相交流駆動する場合にも本発明を適用することができる。
さらに、上記実施形態においては、メインMCU13で図5のモータ制御処理を実行する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図14に示すように、トルクセンサ3のトルク検出値が入力される位相補償器31と、この位相補償器31の位相補償出力と車速センサ15で検出した車速検出値Vとに基づいて内蔵する図6に示す特性曲線に対応する関数を発生する関数発生器を選択して操舵補助指令値を演算する操舵補助指令値演算器32と、この操舵補助指令値演算器32から出力される操舵補助指令値を微分する微分補償器34と、操舵補助指令値演算器32から出力される操舵補助指令値からモータ電流検出回路16で検出した駆動電流検出値を減算する減算器33と、この減算器33の出力を比例演算する比例演算器35と、減算器33の出力を積分演算する積分演算器36と、微分補償器34、比例演算器35及び積分演算器36の出力を加算する加算器37とで構成し、加算器37の加算出力をモータ駆動回路17に供給するようにしたハードウェア構成とすることもできる。
さらに、上記実施形態においては、サブMCU14で図9に示す過電流検出処理を実行する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図15に示すように、モータ電流検出回路16で検出した駆動電流検出値IMDをデジタル値に変換するA/D変換器41と、このA/D変換器41かち出力されるデジタル駆動電流検出値IMDと参照電流発生器42から出力される過電流閾値IOTとを比較し、IMD≦IOTであるときに論理値“0”、IMD>IOTであるときに論理値“1”の比較出力を出力する比較部としてのデジタル比較器43と、このデジタル比較器43の比較出力と、クロック信号発生器44から発生される駆動電流検出値IMDのサンプリング周期に対応するクロック信号とが入力されて選択信号を出力するアンドゲート45と、このアンドゲートから出力される選択信号が入力されて、第1の所定値設定器46から出力される第1の所定値CN1 と第2の所定値設定器47から出力される第2の所定値CN2 とを選択して、第1の所定値CN1 を加減算カウンタ47の加算入力端子taに、第2の所定値CN2 を加減算カウンタ48の減算入力端子tdに供給する選択部としての選択回路49とで異常判断値算出回路をハードウェアで構成し、加減算カウンタ48から出力される異常判断値CNを第3の所定値設定器50から出力される第3の所定値CN3 とデジタル比較器51で比較し、CN≧CN3 であるときにデジタル比較器51からモータ駆動禁止信号Mpをモータ駆動回路17のスイッチ回路21に出力するようにしてもよい。この場合、加減算カウンタ48を使用することにより、異常判断値を簡単な構成で容易に算出することができる。
さらにまた、上記実施形態においては、電動モータの駆動電流サンプリング周期Tsが電動モータに対する駆動電流制御周期より短い場合について説明したが、これに限定されるものではなく、駆動電流サンプリング周期Tsを駆動電流制御周期と等しく設定するようにしてもよい。
本発明の一実施形態を示す概略構成図である。 トルクセンサで検出されるトルク検出信号の特性線図である。 図1の制御回路を示すブロック図である。 制御回路のメインMCUで実行するモータ制御処理手順の一例を示すフローチャートである。 操舵トルクと操舵補助指令値との関係を示す操舵補助指令値算出マップを示す図である。 サブMCUで実行するモータ制御処理手順の一例を示すフローチャートである。 モータ駆動回路の具体的構成を示すブロック図である。 サブMCUで実行するメインMCU監視処理手順の一例を示すフローチャートである。 サブMCUで実行する過電流検出処理手順の一例を示すフローチャートである。 過電流状態が継続する場合の動作の説明に供するタイミングチャートである。 過電流状態が所定周期で繰り返す場合の動作の説明に供するタイミングチャートである。 過電流異常状態が不定期に繰り返す場合の動作の説明に供するタイムチャートである。 従来例の動作の説明に供するタイムチャートである。 制御回路のハードウェア構成を示すブロック図である。 異常判断値算出回路の一例を示すブロック図である。 従来例のモータ電流波形を示すタイムチャートである。
符号の説明
1…ステアリングホイール、2…ステアリングシャフト、3…トルクセンサ、8…ステアリングギヤ、12…電動モータ、13…メインMCU、14…サブMCU、15…車速センサ、16…モータ電流検出回路、17…モータ駆動回路、18…Hブリッジ回路、19…FETゲート駆動回路、20…バッテリ、21…スイッチ回路、43…デジタル比較器、44…クロック信号発生器、45…アンドゲート、46…第1の所定値設定器、47…第2の所定値設定器、48…加減算カウンタ、49…選択回路、50…第3の所定値設定器、51…デジタル比較器

Claims (5)

  1. 操舵系に付加される操舵トルクに基づいて操舵補助指令値を算出する指令値算出手段と、前記操舵系に対して操舵補助力を付与する電動機と、該電動機の駆動電流を検出する駆動電流検出手段と、該駆動電流検出手段で検出した駆動電流検出値と前記指令値算出手段で算出した操舵補助指令値とに基づいて前記電動機に駆動電流を供給する電動機制御手段とを備えた電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記駆動電流検出手段で検出した駆動電流検出値と過電流閾値とを比較して、前記駆動電流検出値が前記過電流閾値を超えたときに、異常判断値に整数でなる第1の所定値を加算し、前記駆動電流検出値が前記過電流閾値以下であるときに前記異常判断値から前記第1の所定値より小さく連続しない整数でなる第2の所定値を減算する異常判断値算出手段と、該異常判断値算出手段で算出した異常判断値が前記第1の所定値より大きい第3の所定値を超えたときに過電流異常を検出する異常検出手段とを備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 前記駆動電流検出手段は、前記電動機の駆動電流サンプリング周期が前記電動機制御手段による前記電動機に対する駆動電流制御周期以下の周期に設定されていることを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 前記指令値算出手段及び電動機制御手段を構成する主演算処理装置と、前記異常判断値算出手段及び異常検出手段を構成する副演算処理装置とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 前記異常検出手段は、前記第3の所定値が過電流異常の判断基準となる過電流状態継続時間を前記電流検出値のサンプリング周期で除した値と前記第1の所定値とを乗算した値に設定されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  5. 前記異常判断値算出手段は、前記電流検出値と過電流閾値とを比較する比較部と、該比較部の比較結果が、前記電流検出値が前記過電流閾値以上であるときに前記第1の所定値を選択し、前記電流検出値が前記過電流閾値未満であるときに前記第2の所定値を選択する選択部と、該選択部で前記第1の所定値を選択したときにこれが加算入力側に入力され、前記第2の所定値を選択したときにこれが減算入力側に入力される加減算カウンタとを備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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