JP4599928B2 - ペプチドの固定化方法 - Google Patents
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しかしながら、相互作用を観察する際に問題になるのが非特異的吸着による影響である。非特異的吸着とは、本来であれば相互作用しない分子へ対象物質が非特異的に吸着する場合のことを言う。その結果、擬陽性の判定を与えるため好ましくない。非特異的な吸着を抑制するために、デキストラン、ポリエチレングリコール(PEG)などの親水性高分子が表面に固定化されたバイオアレイが開発されている。これらの親水性高分子には生体分子の非特異的吸着を抑制する効果があることが知られている。
バイオセンサー表面に親水性高分子のゲルマトリックスを形成することで非特異的吸着を抑制したバイオセンサーが示されている。この方法ではゲルマトリックスに官能基が導入されており、その官能基を利用し共有結合によって生体分子を固定化している。具体的にはカルボキシメチルデキストランのカルボキシル基を水溶性カルボジイミド(EDC)とN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)で活性化し、形成したスクシンイミド基と生体分子を固定化することに成功している(非特許文献1)。
しかしながら、ゲルマトリックスの官能基を介して生体分子を固定した場合、生体分子のリン酸化反応を高感度に測定することは困難であった。
Anal.Biochem.198,268,1991
8. アレイ表面が金であり、金と連結基が結合していることを特徴とする項1〜7のいずれかに記載の方法。
1/nMは、H,Na,K,Li,Cs等のアルカリ金属(n=1)、NH4,N(Me)4等のC1〜C4のアルキル基で置換されていてもよい四級アンモニウム(n=1)、1/2Ca,1/2Mg,1/2Ba等のアルカリ金属(n=2)等が挙げられ、好ましくはアルカリ金属、より好ましくはNaである。
[実施例1]
(ペプチド固定化)
末端官能基がチオール基である4armPEG(日本油脂製SUNBRIGHT PTE−100SH)を1mMの濃度で7mlのエタノール:水=6:1の混合溶液に溶解させた。4armPEGの分子量は10000であり、中心からほぼ同等の長さのPEG鎖が4つ存在する分子であり親水性が非常に高い。また、PEGの4つの末端はすべてチオール基であり、特に金に対する金属結合性を示す。
(未反応マレイミド基のブロッキング)
基質ペプチドを固定化した表面をリン酸緩衝液で洗浄した後、未反応のマレイミド基をブロッキングするために、片末端の官能基がチオール基、もう一方の官能基がメトキシ基であるPEGチオール(日本油脂製SUNBRIGHT MEH−50H)を1mM濃度になるようにリン酸緩衝液(20mMリン酸、150mM NaCl;pH7.2)に溶解して、250μlをアレイ上に注出し、室温で1時間反応させた。ここで用いたPEGチオールの分子量は5,000である。
(SPR解析によるPKAリン酸化の検出)
上記のようにブロッキングを行ったアレイを用いてPKAによるリン酸化を行った。PKA溶液400μlをアレイ上にドロップして、30℃、4時間反応を行った。PKA溶液の組成は、PKA触媒サブユニット(プロメガ製)1μl、50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)375μl、1M塩化マグネシウム溶液20μl、10mM ATP4μlとした。その後、PBS及び水で3回ずつアレイの洗浄を行い、アレイ表面を乾燥した後、SPRイメージング機器(MultiSPRinter:東洋紡績製)にセットし、ランニングバッファーとして50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)を100μl/minの速度でフローセル内に流した。SPRからのシグナルが安定したのを確認した後に、リン酸化セリン抗体PSR−45(シグマ製)をSPR装置内のセルへ注入して作用させた。抗体は上記のランニングバッファーで4000倍、2000倍、1000倍希釈した溶液を用いて希釈倍率の高いものから順に作用させた。シグナル上昇がプラトー状態になった時点で再度ランニングバッファーを送液して洗浄を行った。その際のSPRシグナルの変化を観察した。シグナル変化の観察は、各基質のスポット部位に加え、Backgroundにおいても実施した。
(観察の結果と考察)
SPRシグナル変化をグラフ化したセンサグラムの結果を図1に示した。センサグラムはスポットごとにおけるシグナルの平均値をプロットしている。Backgroundについては、基質ペプチドのスポット部分以外の任意に選択した箇所を測定ポイントとして得たシグナルの平均値をプロットしている。ポジティブコントロールに対しては非常に強い抗体結合シグナルの上昇を確認されており、PKA基質においてもある程度の結合シグナルの上昇を認めることができる。一方、ネガティブコントロール、cSrc基質、ブランク及びBackgroundに関してはほとんどシグナル変化を認めることができない。したがって、この方法により、非常に特異的にPKA基質のリン酸化を検出することができている。
[比較例1]
金表面に8−AOTを導入した後、SSMCCの替わりに、分子量3400の末端にスクシンイミド(NHS)基とマレイミド(MAL)基を有するヘテロ二官能型ポリエチレングリコール(NHS−PEG−MAL,Nektar社製)を作用させる点を除き、全て実施例1と同様にして検討した。NHS−PEG−MALはリン酸緩衝液(20mM リン酸、150mM NaCl;pH7.2)に10mg/mlで溶解し、金表面の8−AOTに2時間反応させた。結果を図2に示す。
Claims (6)
- 表面プラズモン共鳴(SPR)解析によって抗体結合シグナルを検出することによりアレイに固定されたペプチドのリン酸化反応を検出するための、アレイ表面が金であるペプチドアレイの製造方法であって、
(A)少なくとも一方の末端がシステイン残基であり、かつアミノ酸残基数が5〜25のペプチドを用いること、
(B)基板とペプチドのリン酸化されるアミノ酸の間の連結基の分子量が500以下であること、及び
(C)一方にスクシンイミド基もしくはスルホン酸スクシンイミド基を有し、もう一方にマレイミド基を有するヘテロ二官能型の架橋剤を用いることによりペプチドが(A)のシステイン残基のチオール基を介してアレイに固定されていること
を特徴とするペプチドアレイの製造方法。 - アレイの基板が透明基板であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 2種類以上のペプチドが同一アレイ上に固定化されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 表面プラズモン共鳴(SPR)解析によって抗体結合シグナルを検出することによりアレイに固定されたペプチドのリン酸化反応を検出するための、アレイ表面が金であり、かつ表面プラズモン共鳴(SPR)解析によって抗体結合シグナルを検出することにより、ペプチドのリン酸化反応を検出するためのペプチドアレイであって、
(イ)ペプチドの少なくとも一方の末端がシステイン残基であり、かつアミノ酸残基数が5〜25であること、
(ロ)基板とペプチドのリン酸化されるアミノ酸の間の連結基の分子量が500以下であること、及び
(ハ)一方にスクシンイミド基もしくはスルホン酸スクシンイミド基を有し、もう一方にマレイミド基を有するヘテロ二官能型の架橋剤を用いることによりペプチドが(A)のシステイン残基のチオール基を介してアレイに固定されていること
を特徴とするペプチドアレイ。 - 表面プラズモン共鳴(SPR)解析によって抗体結合シグナルを検出することにより、ペプチドのリン酸化反応を検出するために使用される、請求項5記載のペプチドアレイ。
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JP2001183366A (ja) * | 1999-12-27 | 2001-07-06 | Japan Science & Technology Corp | アゴニストのスクリーニング方法 |
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JP2004125462A (ja) * | 2002-09-30 | 2004-04-22 | Toyobo Co Ltd | バイオチップ |
JP2005535873A (ja) * | 2002-07-03 | 2005-11-24 | カイロン コーポレイション | プロテオミクス分析を実施するための鏡面仕上げされた表面上のタンパク質マイクロアレイ |
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2004
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