JP4598750B2 - ディザマトリックスの生成 - Google Patents

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Description

この発明は、印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷する技術に関する。
コンピュータで作成した画像や、デジタルカメラで撮影した画像などの出力装置として、印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷する印刷装置が広く使用されている。かかる印刷装置は、入力階調値に対して形成可能なドットの階調値が少ないためハーフトーン処理によって階調表現が行われる。ハーフトーン処理の1つとして、ディザマトリックスを用いた組織的ディザ法が広く用いられている。組織的ディザ法は、ディザマトリックスの内容如何で画質に大きな影響を与えるため、たとえば特許文献1に開示されるように人間の視覚を考慮した評価関数を用いてシミュレーテッドアニーリングや遺伝的アルゴリズムといった解析手法によってディザマトリックスの最適化が図られてきた。一方、特許文献2に開示されるように、濃度や色相の相違する複数種類のドットを併せることによって形成される印刷画像における複数種類のドットの分散性を改善させる技術も提案されている。
特開平7−177351号公報 特開平10−157167号公報
しかし、このようなハーフトーン処理では、印刷媒体上の共通の領域を走査しつつ複数色のインク滴を印刷媒体上に吐出し、これにより画像を印刷することに起因する画質の劣化(たとえば各主走査で発生する複数色インクの混色ムラ)は考慮されていなかった。
この発明は、従来の技術における上述した課題を解決するためになされたものであり、印刷媒体上の共通の領域を走査しつつ複数色のインク滴を印刷媒体上に吐出し、これにより画像を印刷することに起因する画質の劣化を抑制する技術を提供することを目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、印刷媒体上に印刷を行う印刷装置を提供する。この印刷装置は、
元画像を構成する各画素の入力階調値を表す画像データに対してディザマトリックスを用いたハーフトーン処理を行うことによって、前記印刷媒体上に形成されるべき印刷画像の各印刷画素へのドットの形成状態を表すドットデータを生成するドットデータ生成部と、
少なくともN色(Nは3以上の整数)のインクを吐出する複数のノズル列を含む印刷ヘッドを備え、前記ドットデータに応じて前記印刷ヘッドの走査毎に前記複数のノズル列の各々が相互に色が相違するドット群を形成し、前記印刷ヘッドの少なくとも1回の走査で形成される前記少なくともN色のドット群を共通の印刷領域で相互に組み合わせることによって前記印刷画像を生成する印刷部と、
を備え、
前記ディザマトリックスは、前記入力階調値のうちの少なくとも一部の階調値について、前記少なくともN色のドット群のうちのM色(Mは3以上の整数でN以下の整数)のドット群間の接触を抑制するように設定された単一の基準マトリックスを含み、
前記ドットデータ生成部は、前記基準マトリックスと、前記基準マトリックスに対して所定の変換処理を(N−1)回行うことによって生成された(N−1)個の変換マトリックスと、を含む前記ディザマトリックスを使用して前記少なくともN色のインク毎に相互に相違するハーフトーン処理を行う。
本発明の印刷装置では、少なくともN色のドット群のうちのM色のドット群間の接触を抑制するように設定された単一の基準マトリックスに対して、所定の変換処理を(N−1)回実行するだけで少なくともN色用のディザマトリックスを準備することができるので、ディザマトリックスの格納に要求されるリソースを小さくすることができる。さらに、予め単一の基準マトリックスだけを準備すればよいので、ディザマトリックスの生成処理の負担の軽減も図られることになる。
ここで、「M色のドット群間の接触」は、M色のドット群間のドットが隣接して接触するだけでなく、これらの重畳をも含む広い概念を有する。なお、「接触を抑制」は、ドット群の接触(すなわちドットの隣接や重畳)を抑制する場合だけでなく、(1)接触したドットを分散させることによって結果的に接触したドットのさらなる接触を抑制する場合や(2)接触したドットの分散性だけに着目して接触したドットの多重の接触のみを抑制する場合をも含む広い意味を有する。また、このようなハーフトーン処理は、ディザマトリックスを使用したハーフトーン処理で実現可能である。なお、所定の変換処理は、下記の変換処理の他、たとえば基準マトリックスの回転でも良い。
上記印刷装置において、
前記所定の変換処理は、前記基準マトリックスの主走査方向のシフトと、前記基準マトリックスの副走査方向のシフトと、を含む変換処理の少なくとも一方を含む処理であるようにしても良い。
上記印刷装置において、
前記基準マトリックスは、前記M色のドット群で構成される所定の混色パターンが、予め設定された所定の空間周波数特性を有するように設定されていても良い。こうすれば、単一の混色パターンに着目して評価することによって簡易に基準マトリックスを設定することができる。
上記印刷装置において、
前記所定の変換処理の各々は、所定の単位シフト量の1乃至(N−1)倍のシフト量のシフト処理として構成されており、
前記基準マトリックスは、前記M色のうちの前記基準マトリックスでドットの形成状態が決定される基準色のドット群と、前記M色のうちの前記基準色以外のいずれか1色のドット群とで構成される所定の混色パターンのいずれもが、予め設定された所定の空間周波数特性を有するように設定されていても良い。
こうすれば、基準マトリックスでドットの形成状態が決定される基準色のドット群と、変換マトリックスでドットの形成状態が決定される他のドット群との2色の混色パターンに着目して評価することによって、より適切に基準マトリックスを設定することができる。基準マトリックスの設定がより適切となるのは、中間調領域における2色の混色パターンが印刷画像において粒状性の問題を顕著に生じさせるからである。逆に、3色の混色パターンでは、ドット数が過度となって評価も困難である。
なお、基準色のドット群と他のドット群との2色の混色パターンが評価対象となっているが、他の色間についてもシフト量のみに依存して同一の効果を得ることができる。変換マトリックスは、全て単一の基準マトリックスに対して整数倍のシフト量のシフト処理を実行することによって生成されているからである。このように基準マトリックスと各変換マトリックスは、シフト量のみに依存する相対的な関係を有することになる。たとえば1回のシフト量でシフトされた2個のマトリックスでドットの形成状態が決定されたドット群で構成される混色パターンはいずれも同一の性質を有することになる。
上記印刷装置において、
前記所定の変換処理の各々は、所定の単位シフト量の1乃至(N−1)倍のシフト量のシフト処理として構成されており、
前記基準マトリックスは、前記M色のうちの前記基準マトリックスでドットの形成状態が決定される基準色のドット群と、前記M色のうちの所定の単位シフト量の2Q(Qは0乃至1以上の整数)倍のシフト量のシフト処理を行うことによって生成される複数の変換マトリックスの各々でドットの形成状態が決定されるドット群の各々とで構成される所定の混色パターンのいずれもが、予め設定された所定の空間周波数特性を有するように設定されていても良い。
こうすれば、評価対象となる混色パターンの数を効率的に絞り込むことによって、特定の混色パターンの分散性を、さらに向上させることができる。ディザマトリックスの設定においては、評価対象の増加に伴って各評価対象に対する調整の自由度が小さくなる一方、ドット群間の接触による画質劣化の程度も相違するので、画質劣化が顕著なドット群同士にディザマトリックスの設計自由度を配分することによって画質を向上させることができる。
上記印刷装置において、
前記印刷ヘッドは、副走査方向に配列された複数のノズルを有するノズル列が主走査方向にL色(LはMより小さい整数)配列され、前記L色のノズル列が同一の主走査で同一の主走査ラインを形成するように配置されたノズル列グループを複数個備え、
前記複数個のノズル列グループは、副走査方向に相互にシフトして配置されており、
前記基準マトリックスは、前記L色のドット群間の接触を抑制するように設定しても良い。こうすれば、評価対象となる混色パターンの数を効率的に絞り込むことが可能となる。
上記印刷装置において、
前記基準マトリックスは、前記N色のドット群のドットパターンの各々が、予め設定された所定の空間周波数特性を有するように設定されていても良い。
上記印刷装置において、
前記所定の空間周波数特性は、300mmの観察距離に配置された印刷媒体上において人間の視覚感度が比較的に高い空間周波数の領域である4サイクル毎ミリメートル以下の所定の低周波の範囲内に、前記特定の2色以上のドット群で構成される所定の混色パターンが、前記印刷画像のドットパターンの空間周波数の所定の特性に最も近づく周波数帯が存在するような特性としても良い。
こうすれば、人間の視覚感度の高い領域において画質劣化を抑制することができるので、人間の視覚感度に着目した効果的な画質の改善を行うことができる。ここで、「所定の特性」は、後述する粒状性指数やRMS粒状度だけでなく、ゼロックスのDooleyらが用いた評価尺度(Grainess scale:GS値)といったドットの分散性を表す種々の尺度が利用可能である。
上記印刷装置において、
前記所定の特性は、フーリエ変換処理を含む計算処理によって算出される粒状性指数であり、
前記粒状性指数は、視覚の空間周波数特性に基づいて決定されたVTF関数と、前記フーリエ変換処理によって予め算出された定数との積に基づいて算出されるようにしても良いし、
あるいは、
前記所定の特性は、ローパスフィルタ処理を含む計算処理によって算出されるRMS粒状度であるようにしても良い。
なお、本発明のディザマトリックスは、たとえば特開2005−236768号公報や特開2005−269527号公報に開示されているようなドットの形成状態を特定するための中間データ(個数データ)を使用するような技術においては、ディザマトリックスを用いて生成された変換テーブル(あるいは対応関係テーブル)をも含む広い概念を有する。このような変換テーブルは、本発明の生成方法で生成されたディザマトリックスから直接生成されるだけでなく、調整や改良が行われる場合もあるが、このような場合も本発明の生成方法で生成されたディザマトリックスの使用に該当する。
なお、本発明は、ディザマトリックス、ディザマトリックス生成装置、ディザマトリックスを用いた印刷装置や印刷方法、印刷物の生成方法といった種々の形態、あるいは、これらの方法または装置の機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の種々の形態で実現することができる。
また印刷装置や印刷方法、印刷物の生成方法におけるディザマトリックスの使用は、ディザマトリックスに設定されている閾値と画像データの階調値とを画素毎に比較することによって、画素毎にドット形成の有無を判断しているが、たとえば閾値と階調値の和を固定値と比較してドット形成の有無を判断するようにしても良い。さらに、閾値を直接使用することなく閾値に基づいて予め生成されたデータと、階調値とに応じてドット形成の有無を判断するようにしても良い。本発明のディザ法は、一般に、各画素の階調値と、ディザマトリックスの対応する画素位置に設定された閾値とに応じてドットの形成の有無を判断するものであれば良い。
以下では、本発明の作用・効果をより明確に説明するために、本発明の実施の形態を、次のような順序に従って説明する。
A.本発明の第1実施例における印刷システムの構成:
B.本発明の第1実施例における最適化ディザマトリックスの考え方:
C.本発明の第1実施例におけるディザマトリックスの生成方法:
D.本発明の第2実施例におけるディザマトリックスの生成方法(千鳥配置):
D−1.第2実施例のグループ化処理:
D−2.第2実施例のマトリックスシフト処理:
D−3.第2実施例の評価値決定処理:
E.変形例:
A.本発明の第1実施例における印刷システムの構成:
図1は、本発明の第1実施例における印刷システムの構成を示すブロック図である。この印刷システムは、印刷制御装置としてのコンピュータ90と、印刷部としてのカラープリンタ20と、を備えている。なお、カラープリンタ20とコンピュータ90の組み合わせを、広義の「印刷装置」と呼ぶことができる。
コンピュータ90では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からは、これらのドライバを介して、カラープリンタ20に転送するための印刷データPDが出力されることになる。アプリケーションプログラム95は、処理対象の画像に対して所望の処理を行い、また、ビデオドライバ91を介してCRT21に画像を表示する。
プリンタドライバ96の内部には、入力画像の解像度を印刷解像度に変換する解像度変換モジュール97と、RGBをCMYKに色変換する色変換モジュール98と、後述の実施例で生成されるディザマトリックスMを使用して入力階調値をドットの形成で表現可能な出力階調数へ減色する減色モジュール99と、減色データを用いてカラープリンタ20に送信するための印刷データを生成する印刷データ生成モジュール100と、色変換モジュール98が色変換の基準とする色変換テーブルLUTと、減色処理のために各サイズのドットの記録率を決定するための記録率テーブルDTと、が備えられている。プリンタドライバ96は、印刷データPDを生成する機能を実現するためのプログラムに相当する。プリンタドライバ96の機能を実現するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給される。このような記録媒体としては、たとえばCD−ROM126やフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
図2は、カラープリンタ20の概略構成図である。カラープリンタ20は、紙送りモータ22によって印刷用紙Pを副走査方向に搬送する副走査駆動部と、キャリッジモータ24によってキャリッジ30を紙送りローラ25の軸方向(主走査方向)に往復動させる主走査駆動部と、キャリッジ30に搭載された印刷ヘッドユニット60(「印刷ヘッド集合体」とも呼ぶ)を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御するヘッド駆動機構と、これらの紙送りモータ22,キャリッジモータ24,印刷ヘッド12を備える印刷ヘッドユニット60および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とを備えている。制御回路40は、コネクタ56を介してコンピュータ90に接続されている。
図3は、印刷ヘッド12の下面におけるノズル配列を示す説明図である。印刷ヘッド12の下面には、シアンインクを吐出するためのシアンインクノズル列Cと、マゼンタインクを吐出するためのマゼンタインクノズル列Mzと、イエローインクを吐出するためのイエローインクノズルYとが形成されている。
各ノズル列の複数のノズルNzは、副走査方向に沿って一定のノズルピッチk・Dでそれぞれ整列している。ここで、kは整数であり、Dは副走査方向における印刷解像度に相当するピッチ(「ドットピッチ」と呼ぶ)である。本明細書では、「ノズルピッチはkドットである」とも言う。このときの単位[ドット]は、印刷解像度のドットピッチを意味している。副走査送り量に関しても同様に、[ドット]の単位を用いる。
各ノズルNzには、各ノズルNzを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としてのピエゾ素子(図示せず)が設けられている。印刷時には、印刷ヘッド12が主走査方向に移動しつつ、各ノズルからインク滴が吐出される。
以上説明したハードウェア構成を有するカラープリンタ20は、紙送りモータ22により印刷用紙Pを搬送しつつ、キャリッジ30をキャリッジモータ24により往復動させ、同時に印刷ヘッド12のピエゾ素子を駆動して、各色インク滴の吐出を行い、インクドットを形成して印刷用紙P上に視覚系やカラープリンタ20に最適化された画像を形成することができる。具体的には、以下のようにして印刷画像が形成される。以下の説明では、説明を分かりやすくするために、単一のノズル列(たとえばシアンインクノズル列C)のみを用いたモノクロ印刷の例(仮想例)を示し、次に、これをカラー印刷に拡張する。
図4は、本発明の第1実施例におけるモノクロ印刷画像の生成方法の一例を示す説明図である。この画像形成方法の例では、主走査と副走査を行いつつインクドットを印刷媒体上に形成することによって印刷画像が生成される。主走査とは、印刷媒体に対して印刷ヘッド12を主走査方向に相対的に移動させる動作を意味する。副走査とは、印刷媒体に対して印刷ヘッド12を副走査方向に相対的に移動させる動作を意味する。印刷ヘッド12は、印刷媒体上にインク滴を吐出してインクドットを形成するように構成されている。印刷ヘッド12は、画素ピッチkの2倍の間隔で図示しない10個のノズルを装備している。
印刷画像の生成は、主走査と副走査を行いつつ以下のように行われる。パス1の主走査では、ラスタ番号が1、3、5、7、9、11、13、15、17、19の10本の主走査ラインのうちで、画素位置番号が1、3、5、7の画素にインクドットが形成される。主走査ラインとは、主走査方向に連続する画素によって形成される線を意味する。各丸は、ドットの形成位置を示している。各丸の中の数字は、同時にインクドットが形成される複数の画素から構成される画素グループを示している。パス1では、第1の画素グループに属する印刷画素にドットが形成される。
パス1の主走査が完了すると、副走査方向に画素ピッチの5倍の移動量Lsで副走査送りが行われる。一般には、印刷媒体を移動させることによって副走査送りは行われるが、本実施例では、説明を分かりやすくするために印刷ヘッド12が副走査方向に移動するものとしている。副走査送りが完了すると、パス2の主走査が行われる。
パス2の主走査では、ラスタ番号が6、8、10、12、14、16、18、20、22、24の10本の主走査ラインのうちで、画素位置番号が1、3、5、7の画素にインクドットが形成される。このようにして、パス2では、第2の画素グループに属する印刷画素にドットが形成される。なお、ラスタ番号が22、24の2本の主走査ラインは、図示が省略されている。パス2の主走査が完了すると、前述と同様の副走査送りが行われた後に、パス3の主走査が行われる。
パス3の主走査では、ラスタ番号が11、13、15、17、19の主走査ラインを含む10本の主走査ラインのうちで、画素位置番号が2、4、6、8の画素にインクドットが形成される。パス4の主走査では、ラスタ番号が16、18、20の3本の主走査ラインを含む10本の主走査ラインのうちで、画素位置番号が2、4、6、8の画素にインクドットが形成される。このようにして、ラスタ番号が15以降の副走査位置に隙間なくインクドットが形成可能であることが分かる。パス3とパス4では、それぞれ第3と第4の画素グループに属する印刷画素にドットが形成される。
このような印刷画像の生成を一定の領域に着目して観察すると、以下のように行われていることが分かる。たとえばラスタ番号が15〜19で画素位置番号が1〜8の領域を着目領域とすると、着目領域では以下のように印刷画像が形成されていることが分かる。
パス1では、着目領域において、ラスタ番号が1〜5で画素位置番号が1〜8の画素位置に形成されたインクドットと同一のドットパターンが形成されていることが分かる。このドットパターンは、第1の画素グループに属する画素に形成されるドットで形成されている。すなわち、パス1では、着目領域において、第1の画素グループに属する画素にドットが形成される。
パス2では、着目領域において、第2の画素グループに属する画素にドットが形成される。パス3では、着目領域において、第3の画素グループに属する画素にドットが形成される。パス4では、着目領域において、第4の画素グループに属する画素にドットが形成される。
このように、本実施例のモノクロ印刷では、第1〜第4の複数の画素グループの各々に属する印刷画素が、共通の印刷領域で相互に組み合わせられることによって印刷画像が形成されることが分かる。
一方、本実施例のカラー印刷では、第1〜第4の複数の画素グループの各々に、印刷ヘッド(図3)からC、Mz、Yの各色のインクが吐出されることによって、カラーの印刷画像が形成される。このように、カラー印刷では、各主走査においてほぼ同時に複数色のインクが吐出されることになる。
図5は、本発明の第1実施例において複数の画素グループの各々に属する印刷画素が、共通の印刷領域で相互に組み合わせられることによって印刷媒体上に印刷画像が生成される様子を示す説明図である。図5の例では、印刷画像は、所定の中間階調(単色)の印刷画像である。ドットパターンDP1、DP1aは、第1の画素グループに属する複数の画素に形成されたドットパターンを示している。ドットパターンDP2、DP2aは、第1と第2の画素グループとに属する複数の画素に形成されたドットパターンを示している。ドットパターンDP3、DP3aは、第1〜第3の画素グループに属する複数の画素に形成されたドットパターンを示している。ドットパターンDP4、DP4aは、全画素グループに属する複数の画素に形成されたドットパターンを示している。
ドットパターンDP1、DP2、DP3、DP4は、従来技術のディザマトリックスを使用した場合におけるドットパターンである。ドットパターンDP1a、DP2a、DP3a、DP4aは、本願発明のディザマトリックスを使用した場合におけるドットパターンである。図5から分かるように、本願発明のディザマトリックスを使用した場合には、特にドットパターンの重畳が少ないドットパターンDP1a、DP2aにおいて、従来技術のディザマトリックスを使用した場合よりもドットの分散性が均一である。
従来技術のディザマトリックスには、画素グループという概念が無いため最終的に形成される印刷画像(図5の例ではドットパターンDP4)におけるドットの分散性にのみ着目して最適化が行われている。
しかし、本願発明者は、敢えてドットの形成過程におけるドットパターンに着目して印刷画像の画質の解析を行った。この解析の結果、ドットの形成過程におけるドットパターンの疎密に起因して、画像のむらが発生することが分かったのである。この画像のむらは、同一の主走査で形成される複数色のドットの重なり方が不均一であるため、複数色のドットが接触して滲む部分と、複数色のドットが離れていて滲まない部分とが、まだら状に発生することに起因して色むらが生じていることが発明者によって見いだされた。
このような色むらは、1回のパスで印刷画像を形成する場合においても発生し得る。しかし、色むらが印刷画像の全面で均一に発生しても人間の目には近くされにくい。均一に発生している故に、低周波成分を含む不均一な「むら」としてはインクの滲みが発生しないからである。
ところが、同一の主走査でほぼ同時にインクドットが形成される画素グループに形成されるドットパターンにおいて、インクの滲みで人間の目に認識されやすい低周波領域でむらが発生すると、顕著な画質劣化として顕在化することになる。このように、インクドットの形成によって印刷画像を形成する場合には、ほぼ同時にインクドットが形成される画素グループに形成されるドットパターンにも着目してディザマトリックスを最適化することが高画質化につながることを発明者によって初めて見いだされたのである。
しかしながら、複数のインク色毎のディザマトリックスの使用は、印刷システムの処理やハードウェア資源の負担の増大といった問題を生じさせることが分かった。さらに、複数のインク色毎のディザマトリックスの準備にも大きな負担を伴っていた。
B.本発明の第1実施例における最適化ディザマトリックスの考え方:
図6は、ディザマトリックスの一部を概念的に例示した説明図である。図示したマトリックスには、横方向(主走査方向)に128要素、縦方向(副走査方向)に64要素、合計8192個の要素に、階調値1〜255の範囲から万遍なく選択された閾値が格納されている。なお、ディザマトリックスの大きさは、図6に例示したような大きさに限られるものではなく、縦と横の要素数が同じマトリックスも含めて種々の大きさとすることができる。
図7は、ディザマトリックスを使用したドット形成の有無の考え方を示す説明図である。図示の都合上、一部の要素についてのみ示されている。ドット形成の有無の決定では、図7に示す通り、画像データの階調値と、ディザマトリックス中で対応する位置に記憶されている閾値とが比較される。画像データの階調値の方がディザテーブルに格納された閾値よりも大きい場合にはドットが形成され、画像データの階調値の方が小さい場合にはドットが形成されない。図7中でハッチングを付した画素がドットの形成対象となる画素を意味している。このように、ディザマトリックスを用いれば、画像データの階調値とディザマトリックスに設定されている閾値とを比較するという単純な処理で、画素毎のドットの形成有無を判断することができるので、階調数変換処理を迅速に実施することが可能となる。さらに、画像データの階調値が決まると、各画素にドットが形成されるか否かは、もっぱらディザマトリックスに設定される閾値によって決まることからも明らかなように、組織的ディザ法では、ディザマトリックスに設定する閾値の格納位置によって、ドットの発生状況を積極的に制御することが可能である。
このように、組織的ディザ法は、ディザマトリックスに設定する閾値の格納位置によって、ドットの発生状況を積極的に制御することが可能なので、閾値の格納位置の設定を調整することによってドットの分散性その他の画質を制御することができるという特徴を有している。このことは、ディザマトリクスの最適化処理によってハーフトーン処理を多様な目標状態に対して最適化することが可能であることを意味している。
図8は、ディザマトリクスの調整の簡単な例として、ブルーノイズ特性を有するブルーノイズディザマトリクスの各画素に設定されている閾値の空間周波数特性を概念的に例示した説明図である。ブルーノイズマトリックスの空間周波数特性は、1周期の長さが1周期の長さが2画素付近の高い周波数領域に最も大きな周波数成分を有する特性となっている。このような空間周波数特性は、人間の視覚特性を考慮して設定されたものである。すなわち、ブルーノイズディザマトリクス、高周波領域において感度が低いという人間の視覚特性を考慮して、高周波領域に最も大きな周波数成分が発生するように閾値の格納位置が調整されたディザマトリックスである。
図8には、さらに、グリーンノイズマトリックスの空間周波数特性を破線の曲線として例示している。図示されているように、グリーンノイズマトリックスの空間周波数特性は、1周期の長さが2画素から十数画素の中間周波数領域に最も大きな周波数成分を有する特性となっている。グリーンノイズマトリックスの閾値は、このような空間周波数特性を有するように設定されていることから、グリーンノイズ特性を有するディザマトリックスを参照しながら各画素のドット形成の有無を判断すると、数ドット単位で隣接してドットが形成されながら、全体としてはドットの固まりが分散した状態で形成されることになる。いわゆるレーザープリンタなどのように、1画素程度の微細なドットを安定して形成することが困難なプリンタでは、こうしたグリーンノイズマトリックスを参照してドット形成の有無を判断することで、孤立したドットの発生を抑制することができる。その結果、安定した画質の画像を迅速に出力することが可能となる。逆に言えば、レーザープリンタなどでドットの形成有無を判断する際に参照されるディザマトリックスには、グリーンノイズ特性を有するように調整された閾値が設定されている。
図9は、人間が有する視覚の空間周波数に対する感度特性である視覚の空間周波数特性VTF(Visual Transfer Function)を概念的に示した説明図である。視覚の空間周波数特性VTFを利用すれば、人間の視覚感度を視覚の空間周波数特性VTFという伝達関数としてモデル化することによって、ハーフトーン処理後のドットの人間の視覚に訴える粒状感を定量化することが可能となる。このようにして定量化された値は、粒状性指数と呼ばれる。式F1は、視覚の空間周波数特性VTFを表す代表的な実験式を示している。式F1中の変数Lは観察距離を表しており、変数uは空間周波数を表している。式F2は、粒状性指数を定義する式である。式F2中の係数Kは、得られた値を人間の感覚と合わせるための係数である。
このような人間の視覚に訴える粒状感の定量化は、人間の視覚系に対するディザマトリクスのきめ細かな最適化を可能とするものである。具体的には、ディザマトリックスに各入力階調値を入力した際に想定されるドットパターンに対してフーリエ変換を行ってパワースペクトルFSを求めるとともに、視覚の空間周波数特性VTFと乗算した後に全入力階調値で積分(式F2)することによって得ることができる粒状性指数をディザマトリクスの評価関数として利用することができる。この例では、ディザマトリクスの評価関数が小さくなるように閾値の格納位置を調整すれば最適化が図れることになる。
本発明の実施例におけるハーフトーン処理は、以下の各実施例の方法で生成された共通のディザマトリックスを変換して使用することによって、ハーフトーンに使用するディザマトリックスの数を少なくして印刷システムの処理負担やハードウェア資源の負担を小さくすることができる。
C.第1実施例におけるディザマトリックスの生成方法:
図10は、本発明の第1実施例におけるディザマトリックスの生成方法の処理ルーチンを示すフローチャートである。第1実施例の生成方法では、印刷画像の形成過程において連続する主走査(パス)で形成されるドットの分散性を考慮して最適化を図ることができるように構成されている。この例では、説明を分かりやすくするために8行8列の小さなディザマトリックスを生成するものとしている。ディザマトリックスの最適性をあらわす評価としては、粒状性指数(式F2、図9)が使用されるものとしている。
ステップS100では、グループ化処理が行われる。グループ化処理とは、本実施例では、印刷画像の形成過程(図4)において、同一の主走査でドットが形成される複数の画素グループに対応する要素毎にディザマトリックスを分割する処理である。
図11は、本発明の第1実施例におけるグループ化処理が行われたディザマトリックスMcを示す説明図である。このグループ化処理では、図4における4つの画素グループに分割されるものとしている。初期ディザマトリックスM0の各要素に記載された数字は、各要素が属する画素グループを示している。たとえば1行1列の要素は、第1の画素グループ(図4)に属し、2行1列の要素は、第2の画素グループに属する。
図12は、本発明の第1実施例における4個の分割マトリックスM1〜M4を示す説明図である。分割マトリックスM1は、初期ディザマトリックスM0の要素のうち第1の画素グループに属する画素に対応する複数の要素と、空欄となっている複数の要素である空欄要素とから構成されている。空欄要素は、入力階調値に拘わらず常にドットが形成されない要素である。分割マトリックスM2〜M4は、それぞれディザマトリックスMの要素のうち第2〜第4の画素グループに属する画素に対応する複数の要素と、空欄要素とから構成されている。
このようにして、ステップS100のグループ化処理(図12)が完了すると、処理がステップS150に進められる。
ステップS150では、マトリックスシフト処理が行われる。マトリックスシフト処理とは、上述のハーフトーン処理(図7)に使用される状態と同一の状態にディザマトリックスをシフトさせて配置する処理である。
図13は、本発明の第1実施例におけるマトリックスシフト処理の内容を示す説明図である。第1実施例のマトリックスシフト処理では、シアンドット、マゼンタドット、およびイエロードットのハーフトーン処理に使用される単一の共用ディザマトリックスMcが生成される。共用ディザマトリックスMcは、所定の位置に配置されると、ディザマトリックスMc1としてシアンドットの形成状態の決定に使用される。一方、共用ディザマトリックスMcは、所定の位置から所定のシフトが行われることによって、マゼンタドットの形成状態の決定に使用されるディザマトリックスMc2やイエロードットの形成状態の決定に使用されるディザマトリックスMc3としてハーフトーン処理に使用される。ディザマトリックスMc1、Mc2、Mc3の組合せは、図1のディザマトリックスMに相当する。
このシフト処理は、本実施例では説明を分かりやすくするために分割マトリックスM1〜M4が相互に一致するように行われている。この図の例では、主走査方向にSx(2画素)だけシフトされるとともに、副走査方向にSy(2画素)だけシフトされている。ただし、このようなシフトは、主走査方向と副走査方向のシフト量が一致する必要はなく、一方の方向だけシフトを行うようにしても良い。さらに、シフトは、並進移動だけでなく、回転移動を含むようにしても良い。なお、本実施例のように分割マトリックスM1〜M4が相互に一致するようにシフトを行えば、ディザマトリックスの生成処理の負担を小さくすることができると言う利点がある。なお、このシフト量は、特許請求の範囲における「所定の単位シフト量」に相当する。
このようにして、ステップS150のマトリックスシフト処理(図13)が完了すると、処理がステップS200に進められる。
ステップS200では、着目閾値決定処理が行われる。着目閾値決定処理とは、格納要素の決定対象となる閾値を決定する処理である。本実施例では、比較的に小さな値の閾値、すなわちドットの形成されやすい値の閾値から順に選択することによって閾値が決定される。このように、ドットが形成されやすい閾値から順に選択すれば、ドットの粒状性が目立つハイライト領域におけるドット配置をコントロールする閾値から順に格納される要素を固定していくことになるので、ドットの粒状性が目立つハイライト領域に対して大きな設計自由度を与えることができるからである。この例では、後述するように4個の閾値が既に決定済みで、5番目の閾値が決定されるものとする。
図14は、本発明の第1実施例におけるディザマトリックス評価処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。ステップS310では、決定済み閾値の対応ドットがオンとされる。決定済み閾値とは、格納要素が決定された閾値を意味する。本実施例では、前述のようにドットの形成されやすい値の閾値から順に選択されるので、着目閾値にドットが形成される際には、決定済み閾値が格納された要素に対応する画素には必ずドットが形成されることになる。逆に、着目閾値にドットが形成される最も小さな入力階調値においては、決定済み閾値が格納された要素以外の要素に対応する画素にはドットは形成されないことになる。
図15は、共用ディザマトリックスMcの1〜4番目にドットが形成されやすい4個の閾値が格納された要素に対応する各色3個の画素の各々にドットが形成された様子を示す説明図である。このようにして構成されるドットパターンDpacmyは、5番目のドットをどの画素に形成すべきかを決定するために使用される。*印については後述する。
これらの4個の閾値は、図15の例では、3行1列、4行6列、6行12列、および12行7列の格納要素に格納されている。ディザマトリックスMc1(図14)の行と列とが画素位置と一致していると仮定すると、4個のシアンドットは、3行1列、4行6列、6行12列、および12行7列の画素位置にそれぞれ形成されている。4個のマゼンタドットは、2行2列だけシアンドットからシフトした画素位置、すなわち、5行3列、6行8列、8行2列、および2行9列の画素位置にそれぞれ形成されている。4個のイエロードットは、4行4列だけシアンドットからシフトした画素位置、すなわち、7行5列、8行10列、10行4列、および4行11列の画素位置にそれぞれ形成されている。
ステップS320(図14)では、格納候補要素選択処理が行われる。格納候補要素選択処理とは、評定マトリックスとして選択された分割マトリックスM1の要素の中から閾値の格納要素の候補となる格納候補要素を選択する処理である。この例では、前述のように*印が付された1行1列の格納要素が格納候補要素として選択されている。
格納候補要素の選択は、たとえば共用ディザマトリックスMcの閾値の格納要素として決定済みの4個の格納要素である決定済み要素を除く他の格納要素の全てを順に選択するようにしても良いし、あるいは決定済み要素に隣接しない要素が存在する限り、これを優先的に選択するようにしても良い。
ステップS330(図14)では、選択された格納候補要素にドットがオンされたとの仮定がなされる。具体的には、1行1列、3行3列、および5行5列の格納要素にドットがオンされる。格納候補要素に格納される閾値は、1行1列の画素位置でシアンドットのハーフトーン処理で使用されるだけでなく、主走査方向と副走査方向とにそれぞれ2画素だけシフトされた画素位置である3行3列の画素位置でマゼンタドットのハーフトーン処理でも使用され、さらに、5行5列の画素位置でイエロードットのハーフトーン処理でも使用されるからである。これにより、格納候補要素に5番目にドットが形成されやすい閾値が格納されたときの共用ディザマトリックスMcの評価を行うことが可能となる。
図16は、評定ドットパターンDpacmy(図15)に対応するドット密度マトリックスDdacmyを示す説明図である。ドット密度マトリックスDdacmyにおいて、数字1はドットの形成(格納候補要素に対応する画素にドットが形成されていると仮定されている場合を含む)を示し、数字0はドットの非形成を示している。このように、1つの閾値の格納要素の決定に基づいて、共用ディザマトリックスMcのハーフトーン処理における使用状態を想定して、シアンドット、マゼンタドット、およびイエロードットの全ての形成状態が決定されるので、各色のドットの形成状態を決定する閾値の格納位置の最適性を同時に評価することができる。
図17は、本発明の第1実施例における評価値決定処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。ステップS342では、全画素について全インクを評定として粒状性指数が算出される。具体的には、ドット密度マトリックスDdacmy(図16)に基づいて式F2(図9)の式によって算出される。
ステップS343では、全画素について各インクを評定として粒状性指数が算出される。具体的には、ドット密度マトリックスDdacmy(図16)からシアンドットだけを抜き出したドット密度マトリックスDdac(図18)、ドット密度マトリックスDdacmyからマゼンタドットだけを抜き出したドット密度マトリックスDdam(図19)、およびドット密度マトリックスDdacmyからイエロードットだけを抜き出したドット密度マトリックス(図示せず)に基づいて式F2の式によって同様に算出される。
ステップS344では、各画素グループ(図12)について全インクを評定として粒状性指数が算出される。具体的には、ドット密度マトリックスDdacmy(図16)から第1の画素グループだけを抜き出したドット密度マトリックスDd1cmy(図20)、ドット密度マトリックスDdacmyから第2の画素グループだけを抜き出したドット密度マトリックスDd2cmy(図21)、ドット密度マトリックスDdacmyから第3の画素グループだけを抜き出したドット密度マトリックス(図示せず)、およびドット密度マトリックスDdacmyから第4の画素グループだけを抜き出したドット密度マトリックス(図示せず)に基づいて式F2の式によって同様に算出される。
ステップS345では、各画素グループ(図12)について各インクを評定として粒状性指数が算出される。具体的には、ドット密度マトリックスDdacmy(図16)から各画素グループの各インクのドットだけを抜き出したドット密度マトリックスに基づいて式F2の式によって同様に算出される。このようなドット密度マトリックスは、たとえばドット密度マトリックスDdacmy(図16)から第1の画素グループのシアンドットだけを抜き出したドット密度マトリックスDd1c(図22)や第1の画素グループのマゼンタドットだけを抜き出したドット密度マトリックスDd1m(図23)である。
ステップS346では、重み付け加算処理が行われる。重み付け加算処理とは、算出された各粒状性指数の各々に重み付けを行うとともに加算する処理である。
図24は、重み付け加算処理に使用する計算式を示す説明図である。この計算式から分かるように、評価値Eは、全画素についての全インクの粒状性指数Gacmy(ステップS342で算出)に重み付け係数W1(たとえば12)を乗じた値と、全画素についての各インクの粒状性指数Gac、Gam、Gay(ステップS342で算出)に重み付け係数W2(たとえば4)を乗じた値と、第1〜第4の画素グループの各々についての全インクの4つの粒状性指数G1cmy、G2cmy、G3cmy、G4cmy(ステップS344で算出)の和に重み付け係数W3(たとえば3)を乗じた値と、第1〜第4の画素グループの各々についての各インクの12の粒状性指数G1c〜G4y(ステップS345で算出)の和に重み付け係数W4(たとえば1)を乗じた値と、の和として決定される。
このような格納候補要素選択処理(ステップS320)から評価値決定処理(ステップS340)への一連の処理(図14)は、全ての格納候補要素について行われる(ステップS350)。このようにして、全ての格納候補要素について、それぞれの評価値が決定されると、処理がステップS400(図10)に進められる。
ステップS400では、格納要素決定処理が行われる。格納要素決定処理では、最も評価値が小さな格納候補要素が着目閾値の格納要素として決定される。
このような処理(ステップS200〜ステップS400)は、最終閾値まで、閾値を変更しつつ繰り返される(ステップS500)。最終閾値は、最もドットが形成されにくい最大閾値としても良いし、あるいは予め定められた所定の閾値範囲の中の最大閾値としても良い。この点は、最初に評価対象となる閾値についても同様である。
このように、第1実施例では、単一の共用ディザマトリックスMcを2回シフトさせて配置することによって、シアン、マゼンタ、およびイエローの各ドットについてハーフトーン処理が行われることが想定されるとともに、このような想定されたハーフトーン処理において3色のドットの総合的な分散性を良くする方法が実現されている。このようにして生成された共用ディザマトリックスMcは、ハーフトーンに使用するディザマトリックスの数を少なくして印刷システムの処理負担やハードウェア資源の負担を小さくすることができるという利点を有する。
なお、評定となるドットパターンは、上述のもの限られず、たとえば変形例の計算式(図25)を使用して以下のような構成としても良い。すなわち、第1実施例では、シアン、マゼンタ、およびイエローの3色の混色パターンを評定の対象としているが、たとえばシアンとマゼンタの2色の混色パターン及びシアンとイエローの2色の混色パターンといった基準となる1色(この例ではシアン)を含む2色の混色パターンを評定の対象として最適化を図るように構成しても良い。こうすれば、より適切に基準マトリックスを設定することができる。基準マトリックスの設定がより適切となるのは、中間調領域における2色の混色パターンが印刷画像において粒状性の問題を顕著に生じさせるからである。逆に、3色の混色パターンでは、ドット数が過度となって評価も困難である。
また、マゼンタとイエローの2色の混色パターンが評定の対象となっていないのは、シアンとマゼンタの2色の混色パターンを評定の対象とすることによって、同時にマゼンタとイエローの2色の混色パターンも評定の対象となっていることになるからである。この理由は、本実施例では、図13から分かるようにシアンドットの形成状態を決定するディザマトリックスMc1とマゼンタドットの形成状態を決定するディザマトリックスMc2の関係が、ディザマトリックスMc2とイエロードットの形成状態を決定するディザマトリックスMc3の関係と同一だからである。このような相対的な関係が成立するのは、単一の共通ディザマトリックスMcに対して同一のシフト処理を繰り返すことによってディザマトリックスMc1、Mc2、Mc3が構成されているからである。なお、「同一のシフト処理を繰り返し」は、所定の単位シフト量の整数倍(この例では、1倍と2倍)のシフト処理の各々としても把握できる。
なお、全ての階調値について、このような調整を行うことは必ずしも必要ないが、印刷媒体上にドットを均等配置したと仮定した場合に低周波成分が比較的に高くなる40%から60%までのドット密度の範囲に含まれる階調値で調整を行うようにすることが好ましい。
D.第2実施例におけるディザマトリックスの生成方法:
図26は、第2実施例の印刷ヘッド12aの下面におけるノズル配列を示す説明図である。印刷ヘッド12aの下面には、シアンインクを吐出するためのシアンインクノズル列Cと、マゼンタインクを吐出するためのマゼンタインクノズル列Mzと、イエローインクを吐出するためのイエローインクノズルYと、ブラックインクを吐出するためのブラックインクノズルKと、淡シアンインクを吐出するための淡シアンインクノズルLcと、淡マゼンタインクを吐出するための淡マゼンタインクノズルLmと、が形成されている。
各ノズル列の複数のノズルNzは、副走査方向に沿って一定のノズルピッチ4・Dでそれぞれ整列している。図26から分かるように、シアンインクノズル列C、イエローインクノズルY、および淡マゼンタノズルLmの各ノズルNzは、同一の副走査位置に配置されている。この3つのノズル列のグループは、本明細書では、第1ノズル列グループと呼ばれる。一方、マゼンタインクノズル列Mz、ブラックインクノズル列K、および淡シアンノズル列Lcの各ノズルNzも同一の副走査位置に配置されている。この3つのノズル列のグループは、本明細書では、第2ノズル列グループと呼ばれる。第1ノズル列グループと第2ノズル列グループとは、相互に千鳥の位置に配置されている。このような千鳥配置によって、第1ノズル列グループと第2ノズル列グループとは、同一主走査においては、副走査方向に相互に2画素だけ離れた位置にドットが形成されるので、ドットの相互の接触が抑制されることになる。なお、千鳥配置は、2列に限られず3列以上であっても良い。
このように、印刷ヘッド12aはノズルピッチと吐出可能なインク色の数とが、第1実施例の印刷ヘッド12と相違する。ノズルピッチの相違は、各主走査でのドットの形成対象の相違を介して第1実施例と画素グループを相違させる要因となる。一方、吐出可能なインク色の数の相違は、第1実施例と評価対象のディザマトリックスを相違させる要因となる。このような相違によって、第2実施例のディザマトリックスの生成処理は、グループ化処理(ステップS100、図10)、マトリックスシフト処理(図10、ステップS150)、および評価値決定処理(ステップS340、図17、図14、図10、)とが第1実施例のディザマトリックス生成処理と相違することになる。
D−1.第2実施例のグループ化処理(ステップS100、図10):
図27は、本発明の第2実施例におけるオーバーラップ記録方式による印刷状態を示す説明図である。図27において、数字を含む実線の丸は、各パスにおける6個のノズルの副走査方向の位置を示している。実線の丸の中の数字1〜8は、パス番号を8で割った余りの数である。ただし、説明を分かりやすくするために、余りの数が「8」のときは「0」でなく8としている。画素位置番号は、各ラスタライン上の画素の配列の順番を示している。ただし、この記録方式は、第1のノズルグループについての記録方式である。
オーバーラップ記録方式とは、各ラスタラインを複数のパスで形成する記録方式である。第3変形例では、各ラスタラインが2回のパスで形成されている。具体的には、たとえばラスタ番号が1番のラスタラインは、パス1およびパス5で形成され、また、2番と3番のラスタラインは、それぞれパス8およびパス4と、パス3およびパス7とで形成されている。
図27から分かるように、ラスタ番号が1〜4のラスタラインで構成されるドットパターンは、パス1〜パス8の8回のパスで形成され、ラスタ番号が5〜8のラスタラインで構成されるドットパターンは、パス3〜パス10の8回のパスで形成される。さらに、パス番号を8で割った余りの数に着目すると、ラスタ番号と画素位置番号が1〜4の画素に形成されるドットで構成されるドットパターンの繰り返しによって、ドットパターンの全てが形成されていることが分かる。
図28は、パス番号を8で割った余りの数に応じて分割された8個の画素グループを示す説明図である。図28では、各正方形は、ラスタ番号が1〜4のラスタラインのうちの画素位置番号が1〜4の画素で構成された画像領域を示している。この画像領域は、特許請求の範囲における「共通の印刷領域」に相当し、8個の画素グループの各々に属する印刷画素を組み合わせることによって構成されている。
このような場合にも、各パスで形成されるドットの位置が相互にずれた場合と同様の現象が生ずることになるので、8個の画素グループの各々に形成されるドットが所定の特性を有するように上述の実施例と同様の処理を行うことによって画質の向上を図ることができる。
このように、第2実施例のディザマトリックスの生成処理では、第1実施例のディザマトリックス生成処理(図10、図14)のグループ化処理(ステップS100)において、第1〜第4のグループ化処理(図4、図12)の代わりに、第1〜第8のグループ化処理(図28)を実行すれば良いことになる。
ただし、上述のグループ化処理は、第1のノズルグループC、Y、Lmに対するものであり、第2のノズルグループMz、K、Lcに対するグループ化処理は、副走査方向に2画素だけシフトした画素グループが対応する。具体的には、第1のノズルグループC、Y、Lmが第1の画素グループに対応するときは、第2のノズルグループMz、K、Lcは第1の画素グループに対応し、また、第1のノズルグループC、Y、Lmが第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8の画素グループに対応するときは、それぞれ第4、第1、第2、第7、第8、第5、第6の画素グループに対応する。
D−2.第2実施例のマトリックスシフト処理(ステップS150、図10):
図29は、本発明の第2実施例におけるマトリックスシフト処理の内容を示す説明図である。第2実施例のマトリックスシフト処理では、単一の共用ディザマトリックスMcaに対して所定のシフトを繰り返すことによって、シアンドット用のディザマトリックスMca1、マゼンタドット用のディザマトリックスMca2、イエロードット用のディザマトリックスMca3、ブラックドット用のディザマトリックスMca4、淡シアンドット用のディザマトリックスMca5、淡マゼンタドット用のディザマトリックスMca6が構成される。所定のシフト処理は、この例では、第1実施例と同様に、主走査方向へのSx(2画素)のシフトと、副走査方向へのSy(2画素)のシフトとで構成されている。ただし、第2実施例では、前述のように、この6個の全てが評価対象となるわけではなく、4個だけがディザマトリックス生成処理で評価の対象とされている。
図30は、本発明の第2実施例の共用ディザマトリックスMcaの性質を示す説明図である。図30の表の中の数字は、所定のシフト処理の回数を表している。この共用ディザマトリックスMcaは、図30から分かるように1回、2回、および4回のシフト処理がなされた場合に、2色のドットの混色パターンが最適化されるように構成されている。すなわち、このような回数でシフト処理がなされた場合に、2色のドットの相互の接触が抑制されるように構成されている。このような相対的な関係が成立するのは、前述のように単一の共通ディザマトリックスMcaに対して同一のシフト処理を繰り返すことによってディザマトリックスMca1〜Mca6が構成されているからである。
ここで、シフト処理の回数が2のQ乗倍(この例では、Qは0、1、2)となっているのは、このようなシフト処理で生成されたディザマトリックスを評価対象とすると最適化の効果が特に顕著であることが発明者によって突き止められたからである。発明者の実験によれば、シフト処理の回数が0回と1回のディザマトリックスを評価対象としてディザマトリックスの最適化処理を行うと、シフト処理の回数が2回のディザマトリックスと、シフト処理の回数が0回と1回のディザマトリックスと、の間の特性が顕著に劣化することが分かったからである。さらに、シフト処理の回数が0回と2回のディザマトリックスを評価対象としてディザマトリックスの最適化処理を行うと、シフト処理の回数が4回のディザマトリックスと、シフト処理の回数が0回と2回のディザマトリックスとの間の特性が顕著に劣化することも分かったからである。本願発明者は、このように顕著に劣化する関係にあるディザマトリックスを評価対象とすることによって、特に生成するディザマトリックスが多いときに顕著な効果を奏することを突き止めたのである。
たとえば、基準位置に共用ディザマトリックスMcaを配置することによって設定されるディザマトリックスMca1でドットの形成の有無が決定されるシアンドットに対しては、マゼンタドット、イエロードット、および淡シアンドットとの接触が抑制されるように構成されている。さらに、基準位置からに共用ディザマトリックスMcaを1回だけシフトして配置することによって設定されるディザマトリックスMca2でドットの形成の有無が決定されるマゼンタドットに対しては、イエロードット、ブラックドット、および淡マゼンタドットとの接触が抑制されるように構成されている。このように、第2実施例の共用ディザマトリックスMcaは、シフト処理の回数が相対的に見て1回、2回、および4回の場合に相互のドットの接触が抑制されるように構成されている。
さらに、共用ディザマトリックスMcaは、第1ノズル列グループと第2ノズル列グループの各グループ内における2色のドット群の相互の接触が抑制されるように構成されている。第1ノズル列グループに属するシアンインクノズル列C、イエローインクノズルY、および淡シアンインクノズルLcは、相互に2回又は4回のシフト処理がなされた関係にある。一方、第2ノズル列グループに属するマゼンタインクノズル列Mz、ブラックインクノズルK、および淡マゼンタインクノズルLmも相互に2回又は4回のシフト処理がなされた関係にある。
このように、共用ディザマトリックスMcaは、ディザマトリックスMca1(シフト処理回数が0回)、ディザマトリックスMca2(シフト処理回数が1回)、ディザマトリックスMca3(シフト処理回数が2回)、およびディザマトリックスMca5(シフト処理回数が4回)を評価対象とし、第1実施例のディザマトリックス生成処理(図10、図14、図17)と同様の処理を実行することによって生成することができる。なお、ディザマトリックスMca1〜Mca6の組合せは、図1のディザマトリックスMに相当する。
なお、特許請求の範囲における「基準マトリックスに対して所定の変換処理を(N−1)回行う」は、N個(この例では6個)のディザマトリックスを生成するための各々の変換処理を実行することを意味する。たとえば上述の例では、第1のディザマトリックスは、基準マトリックスであり、また、第2〜第6のディザマトリックスは、それぞれディザマトリックスMca2を生成するための所定の変換処理(シフト処理回数が1回)、ディザマトリックスMca3を生成するための所定の変換処理(シフト処理回数が2回)、ディザマトリックスMca4を生成するための所定の変換処理(シフト処理回数が3回)、ディザマトリックスMca5を生成するための所定の変換処理(シフト処理回数が4回)、およびディザマトリックスMca6を生成するための所定の変換処理(シフト処理回数が5回)によって生成される。
また、たとえばKドットについては別途ディザマトリックスを準備するような場合には、ディザマトリックスMca4は使用されないので、特許請求の範囲における「基準マトリックスに対して所定の変換処理を(N−1)回行う」は、N個(この例では5個)のディザマトリックスを生成するための変換処理を意味する。第1のディザマトリックスは、基準マトリックスであり、また、第2〜第6のディザマトリックスは、それぞれディザマトリックスMca2を生成するための所定の変換処理(シフト処理回数が1回)、ディザマトリックスMca3を生成するための所定の変換処理(シフト処理回数が2回)、ディザマトリックスMca5を生成するための所定の変換処理(シフト処理回数が4回)、およびディザマトリックスMca6を生成するための所定の変換処理(シフト処理回数が5回)によって生成される。このように、ディザマトリックスを生成するための「所定の変換処理」において、シフト処理の回数は非連続であっても良い。これに別途準備されたKドット用のディザマトリックスを追加して6色のインクについてハーフトーン処理を行うことができる。
D−3.第2実施例の評価値決定処理(ステップS340、図17):
図31は、共用ディザマトリックスMcaの1〜4番目にドットが形成されやすい4個の閾値が格納された要素に対応する各色3個の画素の各々にドットが形成された様子を示す説明図である。このようにして構成されるドットパターンDpaCMYLcは、5番目のドットをどの画素に形成すべきかを決定するための評価値の決定に使用される。
これらの4個の閾値は、図31の例では、3行1列、4行6列、6行12列、および12行7列の格納要素に第1実施例と同様に格納されている。ディザマトリックスMca1(図29)の行と列とが画素位置と一致していると仮定すると、4個のシアンドットが3行1列、4行6列、6行12列、および12行7列の画素位置にそれぞれ形成されている。4個のマゼンタドットおよび4個のイエロードットは、それぞれ2行2列と4行4列とだけシアンドットからシフトした画素位置に第1実施例と同様に形成されている。ただし、第2実施例では、さらに、4個の淡シアンドットが8行8列だけシアンドットからシフトした画素位置、すなわち、11行9列、12行2列、10行4列、および8行3列の画素位置にそれぞれ形成されている。
図32は、第2実施例の重み付け加算処理に使用する計算式を示す説明図である。この計算式から分かるように、評価値Eは、全画素についての全インクの粒状性指数GacmyLc(ステップS342で算出)に重み付け係数W1(たとえば32)を乗じた値と、全画素についての各インクの粒状性指数Gac、Gam、Gay、GaLc(ステップS342で算出)に重み付け係数Wai(たとえば8)を乗じた値と、第1〜第8の画素グループの各々についての全インクの8つの粒状性指数G1cmyLc〜G8cmyLc(ステップS344で算出)の和に重み付け係数W3(たとえば4)を乗じた値と、第1〜第8の画素グループの各々についての各インクの32の粒状性指数G1c〜G8Lc(ステップS345で算出)の和に重み付け係数W4(たとえば1)を乗じた値と、の和として決定される。
ただし、粒状性指数G1cmyLcは、第1ノズルグループから吐出されるシアンドット、イエロードット、淡シアンドットについては第1の画素グループからドットを抽出し、第2ノズルグループから吐出されるマゼンタドットについては第3の画素グループからドットを抽出して生成されたドット密度マトリックスに基づいて生成される。一方、たとえば粒状性指数G1mについても、第2ノズルグループから吐出されるので、第3の画素グループからドットを抽出して生成されたドット密度マトリックスに基づいて生成される。
このように、第2実施例は、ディザマトリックスの調整によって、6個のノズル列Mz、K、Lc、C、Y、Lm)の相互間の混色を抑制している。第2実施例では、さらに、評価対象となる変換マトリックスを、特に効果の高い所定の単位シフト量の2のQ乗倍(この例では、Qは0、1、2)のシフト処理でえられるものに絞り込むことによって、特定の混色パターン(図30で丸印が付された関係)の分散性を、効率的に向上させている。ディザマトリックスの設定においては、評価対象の増加に伴って各評価対象に対する調整の自由度が小さくなる一方、ドット群間の接触による画質劣化の程度も相違するので、画質劣化が顕著なドット群同士にディザマトリックスの設計自由度を配分することによって画質を向上させることができるからである。
第2実施例は、さらに、特定の混色パターン以外の混色パターン(図30で丸印が付された関係以外)の分散性についても、第1ノズル列グループと第2ノズル列グループとをシフトして配置させることによって抑制している。このシフトによって、同一主走査では、相違する画素にドットが形成されるからである。
E.変形例:
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、本発明は、以下のような変形例についてのディザマトリックスの最適化が可能である。
E−1.上述の実施例では、シフト処理は、主走査と副走査の方向に同一画素だけシフトされているが、たとえば図33に示すように主走査方向にのみシフトするようにして良いい。さらに、複数のシフト処理において、シフトの方向は同一である必要はなく、たとえば図34に示すように相違する方向にシフトするようにしても良い。ただし、シフトを同一とすれば、前述ような相対的な関係を得ることができるという利点がある。
さらに、たとえば3個のノズル列C、Y、Lmの相互間の混色や3個のノズル列Mz、K、Lcの相互間の混色による画質劣化が他の混色に比較して顕著な場合には、たとえば第1実施例で生成された共用ディザマトリックスMcを図35に示されるように配置するようにしても良い。こうすれば、評価対象となるディザマトリックスを3個に絞り込むことによって、上述の3色間の混色による画質劣化を重点的に抑制することができる。
E−2.第1変形例:上述の実施例では、ディザマトリックスの評価尺度として粒状性指数が使用されているが、たとえば後述するようなRMS粒状度を使用するようにしても良い。この評価尺度は、ドット密度値に対して、ローパスフィルタを用いてローパスフィルタ処理を行うとともに、ローパスフィルタ処理がなされた密度値の標準偏差を算出することによって決定することができる。
E−3.第2変形例:本発明は、印刷媒体の走査のみで印刷を行うラインプリンタにも適用することができる。図36は、変形例のラインプリンタにおける千鳥に配置された2個の印刷ヘッド12を示す説明図である。このような場合には、各ノズル列毎の6個の画素グループとしてディザマトリックの調整を行っても良いし、あるいは各色毎の3個の画素グループとしてディザマトリックの調整を行っても良い。
E−4.上述の実施例や変形例では、プリンタで使用可能な複数色のドットのうち2色以上のドットで構成されるドットパターンの粒状性指数やRMS粒状度を使用して評価値を算出しているが、たとえば、ローパスフィルタ処理後のドット密度が低い画素に対応する要素に閾値を順に格納するポテンシャル法を利用するようにしても良い。なお、ローパスフィルタを使用する場合には、混色の影響に起因する画質劣化の程度に応じて、上述の重み付けだけでなくローパスフィルタの範囲を調整するようにしても良い。たとえばドットの分散性よりも接触や重なりだけを重点的に抑制したい場合には、ローパスフィルタの範囲を小さくすることによって対応することができる。
さらに、評価値はドットパターンの粒状性指数やRMS粒状度に限られず、ゼロックスのDooleyらが用いた評価尺度(Grainess scale:GS値)をドットパターンに適用して、GS値によってディザマトリックスの最適性を評価するように構成しても良い。ここで、GS値とは、ドットパターンに対して2次元フーリエ変換を含む所定の処理を行って数値化するとともに、視覚の空間周波数特性VTFを乗じるフィルタ処理を行った後に積分することによって得ることができる粒状性評価値である。さらに、結果としてドットの接触の程度が小さくなる状態(ブルーノイズ特性やグリーンノイズ特性)との間の相関係数とするようにしても良い。
E−5.上述の実施例では、1個の閾値の格納要素毎に評価処理が行われているが、たとえば複数個の閾値の格納要素を同時に決定するような場合にも本発明は、適用することができる。具体的には、たとえば上述の実施例において6番目までの閾値の格納要素が決定されていて、7番目と8番目の閾値の格納要素を決定するような場合にも7番目の閾値の格納要素にドットが追加された場合の評価値と、7番目と8番目の閾値の格納要素にそれぞれドットが追加された場合の評価値とに基づいて格納要素を決定するようにしても良いし、あるいは7番目の閾値の格納要素のみを決定するようにしても良い。
E−6.上述の実施例では、閾値の格納要素を順に決定するように構成されているが、たとえば予め準備された初期状態としてのディザマトリックスを調整することによってディザマトリックスを生成するように構成しても良い。たとえば、入力諧調値に応じて画素毎のドットの形成の有無を決定するための複数の閾値を各要素に格納する初期状態としてのディザマトリックスを準備するとともに、各要素に格納された複数の閾値の一部を、ランダムにあるいは組織的に決定された方法で他の要素に格納された閾値と入れ替え、その入替の前後の評価値に基づいて入れ替えるか否かを決定してディザマトリックスを調整して生成するようにしても良い。
E−7.上述の実施例では、ディザマトリックスに設定されている閾値と画像データの階調値とを画素毎に比較することによって、画素毎にドット形成の有無を判断しているが、たとえば閾値と階調値の和を固定値と比較してドット形成の有無を判断するようにしても良い。さらに、閾値を直接使用することなく閾値に基づいて予め生成されたデータと、階調値とに応じてドット形成の有無を判断するようにしても良い。
さらに、本発明のディザマトリックスは、たとえば特開2005−236768号公報や特開2005−269527号公報に開示されているようなドットの形成状態を特定するための中間データ(個数データ)を使用するような技術においては、ディザマトリックスを用いて生成された変換テーブル(あるいは対応関係テーブル)をも含む広い概念を有する。このような変換テーブルは、本発明の生成方法で生成されたディザマトリックスから直接生成されるだけでなく、調整や改良が行われる場合もあるが、このような場合も本発明の生成方法で生成されたディザマトリックスの使用に該当する。
E−8.上述の実施例では、濃度の相違するインク(たとえば淡シアンインクとシアンインク)についても相違する色として扱われているが、同一色として扱うように構成しても良い。
第1実施例における印刷システムの構成を示すブロック図。 カラープリンタ20の概略構成図。 印刷ヘッドの下面におけるノズル配列を示す説明図。 第1実施例におけるモノクロ印刷画像の生成方法の一例を示す説明図。 第1実施例において複数の画素グループの各々に属する印刷画素が、共通の印刷領域で相互に組み合わせられることによって印刷媒体上に印刷画像が生成される様子を示す説明図。 ディザマトリックスの一部を概念的に例示した説明図。 ディザマトリックスを使用したドット形成の有無の考え方を示す説明図。 ブルーノイズ特性を有するブルーノイズディザマトリクスの各画素に設定されている閾値の空間周波数特性を概念的に例示した説明図。 人間が有する視覚の空間周波数に対する感度特性である視覚の空間周波数特性VTF(Visual Transfer Function)を概念的に示した説明図。 本発明の第1実施例におけるディザマトリックスの生成方法の処理ルーチンを示すフローチャート。 第1実施例におけるグループ化処理が行われたディザマトリックスMを示す説明図。 第1実施例における4個の分割マトリックスM1〜M4を示す説明図。 第1実施例におけるマトリックスシフト処理の内容を示す説明図。 第1実施例におけるディザマトリックス評価処理の処理ルーチンを示すフローチャート。 共用ディザマトリックスMcの1〜4番目にドットが形成されやすい4個の閾値が格納された要素に対応する各色3個の画素の各々にドットが形成された様子を示す説明図。 評定ドットパターンDpacmyに対応するドット密度マトリックスDdacmyを示す説明図。 第1実施例における評価値決定処理の処理ルーチンを示すフローチャート。 全画素についての全インクのドット密度マトリックスDdacmyからシアンドットだけを抜き出したドット密度マトリックスDdacを示す説明図。 全画素についての全インクのドット密度マトリックスDdacmyからマゼンタドットだけを抜き出したドット密度マトリックスDdamを示す説明図。 全画素についての全インクのドット密度マトリックスDdacmyから第1の画素グループだけを抜き出したドット密度マトリックスDd1cmyを示す説明図。 全画素についての全インクのドット密度マトリックスDdacmyから第2の画素グループだけを抜き出したドット密度マトリックスDd1cmyを示す説明図。 全画素についての全インクのドット密度マトリックスDdacmyから第1の画素グループのシアンドットだけを抜き出したドット密度マトリックスDd1cを示す説明図。 全画素についての全インクのドット密度マトリックスDdacmyから第1の画素グループのマゼンタドットだけを抜き出したドット密度マトリックスDd1mを示す説明図。 第1実施例の重み付け加算処理に使用する計算式を示す説明図。 第1実施例の変形例の重み付け加算処理に使用する計算式を示す説明図。 第1実施例の第2実施例の印刷ヘッド12aの下面におけるノズル配列を示す説明図。 本発明の第2実施例におけるオーバーラップ記録方式による印刷状態を示す説明図。 パス番号を8で割った余りの数に応じて分割された8個の画素グループを示す説明図。 本発明の第2実施例におけるマトリックスシフト処理の内容を示す説明図。 本発明の第2実施例の共用ディザマトリックスMcaの性質を示す説明図。 共用ディザマトリックスMcaの1〜4番目にドットが形成されやすい4個の閾値が格納された要素に対応する各色3個の画素の各々にドットが形成された様子を示す説明図。 第2実施例の重み付け加算処理に使用する計算式を示す説明図。 変形例におけるマトリックスシフト処理の内容を示す説明図。 変形例におけるマトリックスシフト処理の内容を示す説明図。 変形例におけるマトリックスシフト処理の内容を示す説明図。 変形例のラインプリンタにおける千鳥に配置された2個の印刷ヘッド12を示す説明図。
符号の説明
12、12a…印刷ヘッド
20…カラープリンタ
22…モータ
24…キャリッジモータ
25…ローラ
30…キャリッジ
32…操作パネル
40…制御回路
56…コネクタ
60…印刷ヘッドユニット
90…コンピュータ
91…ビデオドライバ
95…アプリケーションプログラム
96…プリンタドライバ
97…解像度変換モジュール
98…色変換モジュール
99…減色モジュール
100…印刷データ生成モジュール

Claims (10)

  1. 印刷媒体上に印刷を行う印刷装置であって、
    元画像を構成する各画素の入力階調値を表す画像データに対してディザマトリックスを用いたハーフトーン処理を行うことによって、前記印刷媒体上に形成されるべき印刷画像の各印刷画素へのドットの形成状態を表すドットデータを生成するドットデータ生成部と、
    少なくともN色(Nは3以上の整数)のインクを吐出する複数のノズル列を含む印刷ヘッドを備え、前記ドットデータに応じて前記印刷ヘッドの走査毎に前記複数のノズル列の各々が相互に色が相違するドット群を形成し、前記印刷ヘッドの少なくとも1回の走査で形成される前記少なくともN色のドット群を共通の印刷領域で相互に組み合わせることによって前記印刷画像を生成する印刷部と、
    を備え、
    前記ディザマトリックスは、前記入力階調値のうちの少なくとも一部の階調値について、前記少なくともN色のドット群のうちのM色(Mは3以上の整数でN以下の整数)のドット群に関し、前記M色のドット群の内の少なくとも2色のドット群の配置パターンに基づき算出される粒状性に関する指標値に基づき閾値配置を決定することにより設定された単一の基準マトリックスを含み、
    前記ドットデータ生成部は、前記基準マトリックスと、前記基準マトリックスに対して所定の変換処理を(N−1)回行うことによって生成された(N−1)個の変換マトリックスと、を含む前記ディザマトリックスを使用して前記少なくともN色のインク毎に相互に相違するハーフトーン処理を行う、印刷装置。
  2. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記所定の変換処理は、前記基準マトリックスの主走査方向のシフトと、前記基準マトリックスの副走査方向のシフトと、の少なくとも一方を含む処理である、印刷装置。
  3. 請求項1または2に記載の印刷装置であって、
    前記基準マトリックスは、前記M色のドット群で構成される所定の混色パターンが、予め設定された所定の空間周波数特性を有するように設定されており、
    前記混色パターンは、ある階調値において形成されるべき複数色のドットの配置パターンである、印刷装置。
  4. 請求項1または2に記載の印刷装置であって、
    前記所定の変換処理の各々は、所定の単位シフト量の1乃至(N−1)倍のシフト量のシフト処理として構成されており、
    前記基準マトリックスは、前記M色のうちの前記基準マトリックスでドットの形成状態が決定される基準色のドット群と、前記M色のうちの前記基準色以外のいずれか1色のドット群とで構成される所定の混色パターンのいずれもが、予め設定された所定の空間周波数特性を有するように設定されており、
    前記混色パターンは、ある階調値において形成されるべき複数色のドットの配置パターンである、印刷装置。
  5. 請求項1または2に記載の印刷装置であって、
    前記所定の変換処理の各々は、所定の単位シフト量の1乃至(N−1)倍のシフト量のシフト処理として構成されており、
    前記基準マトリックスは、前記M色のうちの前記基準マトリックスでドットの形成状態が決定される基準色のドット群と、前記M色のうちの所定の単位シフト量の2Q(Qは0乃至1以上の整数)倍のシフト量のシフト処理を行うことによって生成される複数の変換マトリックスの各々でドットの形成状態が決定されるドット群の各々とで構成される所定の混色パターンのいずれもが、予め設定された所定の空間周波数特性を有するように設定されており、
    前記混色パターンは、ある階調値において形成されるべき複数色のドットの配置パターンである、印刷装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記印刷ヘッドは、副走査方向に配列された複数のノズルを有するノズル列が主走査方向にL色(LはMより小さい整数)配列され、前記L色のノズル列が同一の主走査で同一の主走査ラインを形成するように配置されたノズル列グループを複数個備え、
    前記複数個のノズル列グループは、副走査方向に相互にシフトして配置されており、
    前記基準マトリックスは、前記L色のドット群に関し、前記入力階調値のうちの所定の階調値について、前記ハーフトーン処理により形成すべきとされるL色のドット群のうちの少なくとも2色のドット群の配置パターンに基づき算出される所定の指標値に基づき、前記基準マトリックスにおける前記所定の階調値に対応する閾値の配置を決定することにより設定される、印刷装置。
  7. 印刷媒体上に印刷を行う印刷装置であって、
    元画像を構成する各画素の入力階調値を表す画像データに対してディザマトリックスを用いたハーフトーン処理を行うことによって、前記印刷媒体上に形成されるべき印刷画像の各印刷画素へのドットの形成状態を表すドットデータを生成するドットデータ生成部と、
    少なくともN色(Nは3以上の整数)のインクを吐出する複数のノズル列を含む印刷ヘッドを備え、前記ドットデータに応じて前記印刷ヘッドの走査毎に前記複数のノズル列の各々が相互に色が相違するドット群を形成し、前記印刷ヘッドの少なくとも1回の走査で形成される前記少なくともN色のドット群を共通の印刷領域で相互に組み合わせることによって前記印刷画像を生成する印刷部と、
    を備え、
    前記ドットデータ生成部は、基準マトリックスと、前記基準マトリックスに対して所定の変換処理を(N−1)回行うことによって生成された(N−1)個の変換マトリックスと、を含む前記ディザマトリックスを使用して前記少なくともN色のインク毎に相互に相違するハーフトーン処理を行い、
    前記基準マトリックスは、N色のドット群のうちのM色(Mは3以上の整数でN以下の整数)のドット群に関し、前記入力階調値のうちの所定の階調値について、前記ハーフトーン処理により形成すべきとされるM色のドット群のうちの少なくとも2色のドット群の配置パターンに基づき算出される所定の指標値に基づき、前記基準マトリックスにおける前記所定の階調値に対応する閾値の配置を決定することにより設定され、
    前記所定の指標値は、フーリエ変換処理を含む計算処理によって算出される粒状性指数であり、
    前記粒状性指数は、視覚の空間周波数特性に基づいて決定されたVTF関数と、前記フーリエ変換処理によって予め算出された定数との積に基づいて算出される、印刷装置。
  8. 印刷媒体上に印刷を行う印刷装置であって、
    元画像を構成する各画素の入力階調値を表す画像データに対してディザマトリックスを用いたハーフトーン処理を行うことによって、前記印刷媒体上に形成されるべき印刷画像の各印刷画素へのドットの形成状態を表すドットデータを生成するドットデータ生成部と、
    少なくともN色(Nは3以上の整数)のインクを吐出する複数のノズル列を含む印刷ヘッドを備え、前記ドットデータに応じて前記印刷ヘッドの走査毎に前記複数のノズル列の各々が相互に色が相違するドット群を形成し、前記印刷ヘッドの少なくとも1回の走査で形成される前記少なくともN色のドット群を共通の印刷領域で相互に組み合わせることによって前記印刷画像を生成する印刷部と、
    を備え、
    前記ドットデータ生成部は、基準マトリックスと、前記基準マトリックスに対して所定の変換処理を(N−1)回行うことによって生成された(N−1)個の変換マトリックスと、を含む前記ディザマトリックスを使用して前記少なくともN色のインク毎に相互に相違するハーフトーン処理を行い、
    前記基準マトリックスは、N色のドット群のうちのM色(Mは3以上の整数でN以下の整数)のドット群に関し、前記入力階調値のうちの所定の階調値について、前記ハーフトーン処理により形成すべきとされるM色のドット群のうちの少なくとも2色のドット群の配置パターンに基づき算出される所定の指標値に基づき、前記基準マトリックスにおける前記所定の階調値に対応する閾値の配置を決定することにより設定され、
    前記所定の指標値は、ローパスフィルタ処理を含む計算処理によって算出されるRMS粒状度である、印刷装置。
  9. 印刷媒体上に印刷画像を形成して印刷物を生成する方法であって、
    元画像を構成する各画素の入力階調値を表す画像データに対してディザマトリックスを用いたハーフトーン処理を行うことによって、前記印刷媒体上に形成されるべき印刷画像の各印刷画素へのドットの形成状態を表すドットデータを生成するドットデータ生成工程と、
    少なくともN色(Nは3以上の整数)のインクを吐出する複数のノズル列を含む印刷ヘッドを用いて、前記ドットデータに応じて前記印刷ヘッドの走査毎に前記複数のノズル列の各々が相互に色が相違するドット群を形成し、前記印刷ヘッドの少なくとも1回の走査で形成される前記少なくともN色のドット群を共通の印刷領域で相互に組み合わせることによって前記印刷画像を生成する印刷工程と、
    を備え、
    前記ディザマトリックスは、前記入力階調値のうちの少なくとも一部の階調値について、前記少なくともN色のドット群のうちのM色(Mは3以上の整数でN以下の整数)のドット群に関し、前記M色のドット群の内の少なくとも2色のドット群の配置パターンに基づき算出される粒状性に関する指標値に基づき閾値配置を決定することにより設定された単一の基準マトリックスを含み、
    前記ドットデータ生成工程は、前記基準マトリックスと、前記基準マトリックスに対して所定の変換処理を(N−1)回行うことによって生成された(N−1)個の変換マトリックスと、を含む前記ディザマトリックスを使用して、前記少なくともN色のインク毎に相互に相違するハーフトーン処理を行う工程を含む、印刷物の生成方法。
  10. 印刷媒体上に印刷を行う印刷部に供給すべき印刷データをコンピュータに生成させるためのコンピュータプログラムであって、
    元画像を構成する各画素の入力階調値を表す画像データに対してディザマトリックスを用いたハーフトーン処理を行うことによって、前記印刷媒体上に形成されるべき印刷画像の各印刷画素へのドットの形成状態を表すドットデータを生成するドットデータ生成機能をコンピュータに実現させるプログラムであり、
    前記印刷部は、少なくともN色(Nは3以上の整数)のインクを吐出する複数のノズル列を含む印刷ヘッドを備え、前記ドットデータに応じて前記印刷ヘッドの走査毎に前記複数のノズル列の各々が相互に色が相違するドット群を形成し、前記印刷ヘッドの少なくとも1回の走査で形成される前記少なくともN色のドット群を共通の印刷領域で相互に組み合わせることによって前記印刷画像を生成し、
    前記ディザマトリックスは、前記入力階調値のうちの少なくとも一部の階調値について、前記少なくともN色のドット群のうちのM色(Mは3以上の整数でN以下の整数)のドット群に関し、前記M色のドット群の内の少なくとも2色のドット群の配置パターンに基づき算出される粒状性に関する指標値に基づき閾値配置を決定することにより設定された単一の基準マトリックスを含み、
    前記ドットデータ生成機能は、前記基準マトリックスと、前記基準マトリックスに対して所定の変換処理を(N−1)回行うことによって生成された(N−1)個の変換マトリックスと、を含む前記ディザマトリックスを使用して、前記少なくともN色のインク毎に相互に相違するハーフトーン処理を行う機能を含む、コンピュータプログラム。
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