JP4597271B1 - 非水系ペースト状油脂食品の製造方法 - Google Patents

非水系ペースト状油脂食品の製造方法 Download PDF

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Abstract

適度な、塩味と甘味をバランス良く呈することが可能な、生産性に優れた非水系ペースト状油脂食品の製造方法を提供する。
上昇融点40〜60℃の高融点油脂が90%以上である品温0〜35℃の油脂ベースと、平均粒径0.5mm以上の食塩および平均粒径0.2mm以下の砂糖とを混合する非水系ペースト状油脂食品の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、適度な、塩味と甘味をバランス良く呈することが可能な、しかも生産性に優れた非水系ペースト状油脂食品の製造方法に関する。
トースト、パスタなどの加熱調理食品に塗るあるいは混ぜることにより味付けする非水系ペースト状油脂食品が知られている。例えば、特開2000−228948号公報(特許文献1)には、上昇融点が、0〜15℃の低融点油脂65〜99%と40℃以上の高融点油脂1〜35%を用い、基本の味付けである塩味と甘味としてそれぞれ粉塩と粉糖を用いている。また、その製造方法は、配合原料を70〜100℃で加熱混和した後、室温まで冷却し、さらに数日間静置して製している。
非水系ペースト状油脂食品は、上記トースト、パスタなどの加熱調理食品ばかりでなく、畜肉あるいは魚肉を用いた例えば、ハンバーグ、ステーキ、ソテー、フライ、あるいはこれらを利用したハンバーガーなど、近年、肉を用いた肉加熱調理食品用のソースとしての利用が要望されている。
しかしながら、特許文献1記載の非水系ペースト状油脂食品は、塩味および甘味がベースの油脂に馴染んでしまうためか味のインパクトおよび持続性に欠けるばかりか、甘味を感じ難く、適度な塩味および甘味を呈したものとは言い難いものであった。また、その製造方法においてもベースの油脂を安定化させるため数日間静置させる必要があり出荷を急ぐ製品には適さないものであった。
特開2000−228948号公報
そこで、本発明の目的は、適度な、塩味と甘味をバランス良く呈することが可能な、生産性に優れた非水系ペースト状油脂食品の製造方法を提供するものである。
本発明者は、上記目的を達成すべく非水系ペースト状油脂食品に使用されている塩味および甘味に用いられている原料、および油脂、並びに製造工程について鋭意研究を重ねた。その結果、特定大きさの食塩および砂糖と、特定融点の油脂を含有した油脂ベースとを特定温度で混合させるならば意外にも、適度な、塩味と甘味をバランス良く呈することが可能な、しかも生産性に優れた非水系ペースト状油脂食品の製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)上昇融点40〜60℃の高融点油脂が90%以上である品温0〜35℃の油脂ベースと、平均粒径0.5mm以上の食塩および平均粒径0.2mm以下の砂糖とを混合する非水系ペースト状油脂食品の製造方法、
(2)前記平均粒径0.5mm以上の食塩と前記平均粒径0.2mm以下の砂糖の配合割合が食塩100部に対し砂糖が10部以上100部未満である請求項1記載の非水系ペースト状油脂食品の製造方法、
である。
本発明の非水系ペースト状油脂食品の製造方法によれば、適度な、塩味と甘味をバランス良く呈することが可能な非水系ペースト状油脂食品を得ることが出来ることから、例えば、畜肉や魚肉などの肉を用いた肉加熱調理食品用のソースなどへの利用など、非水系ペースト状油脂食品の需要拡大が期待される。しかも、本発明の製造方法は、ベースの油脂を安定化させる必要がなく生産性に優れていることから、例えば、出荷を急ぐ食品に好適である。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
本発明において非水系ペースト状油脂食品とは、原料に含有する水分は別として、清水を意図的に添加していない油脂をベースとしたペースト状の食品のこという。このような非水系ペースト状油脂食品は、油脂と粉体原料を主原料としており、本発明も同様である。また、非水系ペースト状油脂食品は、風味などの目的で、ガーリック、パセリ、バジルなどの香味野菜を配合している場合が多い。前記香味野菜としては、乾燥物、油ちょう処理したものあるいは生の状態のものを本発明の非水系ペースト状油脂食品に配合することが出来る。しかしながら、生の状態の香味野菜を配合した場合、後述するベースの油脂に分散した食塩や砂糖などの粉体調味料の影響で、そのもの自体の浸透圧のバランスを保てなくなり、保管中に離水を生じる場合がある。当該離水は、ベースの油脂に溶け込むことはないので、水分離を生じるなど、本発明の食品の外観を損なう場合がある。また、離水は、腐敗の原因となり細菌的問題が生じる場合がある。したがって、香味野菜などの野菜類を配合する場合は、その乾燥物や油ちょう処理したものなど、水分含量を減らしたものを用いたほうが好ましい。具体的には、水分含量10%以下のものを用いることが好ましい。
まず、本発明の非水系ペースト状油脂食品のベースとなる油脂について詳述する。本発明において油脂ベースとは、ベースとなる油脂部分のことである。通常、このような油脂食品にはベースとなる油脂を食品全体に対し好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上含有しており、本発明も同様である。本発明の油脂食品は、当該油脂ベースに対し、上昇融点40〜60℃、好ましくは45〜55℃の高融点油脂を90%以上、好ましくは95%以上含有したものを使用する必要がある。
高融点油脂は一般に食用に用いられるものであれば、いずれのものを用いても良い。高融点油脂の原料となる食用油脂としては、例えば大豆油、菜種油、サフラワー油、ヒマワリ油、米油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ヤシ油、あるいはこれらを精製したものなどの植物油、牛脂、豚脂、卵黄油、魚油などの動物油などを用いることができる。特に、植物油を原料とした高融点油脂は、本発明の非水系ペースト状油脂食品の風味を損なわないばかりか、後述する本発明の製造方法において、品温を0〜30℃したとき程よい粘性を有した油脂ベースとなり易く好ましい。一般的に高融点油脂は、動植物油などを原料とし、上昇融点が上記所定の範囲となるように構成脂肪酸をエステル交換、あるいは水素添加処理などにより製せられる。本発明もこのような高融点油脂を用いると良い。
本発明の非水系ペースト状油脂食品の油脂ベースには、従来の非水系ペースト状油脂食品と同様、風味付けとして香味油脂を含有させることが好ましい。含有量としては、所望する風味を有する程度に含有させれば良く、具体的には、香味油脂の香味の強さにもよるが、油脂ベースに対し0.1〜8%が好ましく、0.5〜5%がより好ましい。香味油脂は、ガーリック、パセリ、バジル、しょうがなどの香味野菜より例えば、水蒸気蒸留、植物油抽出、圧搾などで得られる。
香味油脂は、室温(0〜30℃)で液状である液油の場合が多い。したがって、油脂ベースに上記範囲の上昇融点を有した高融点油脂を特定量含有させることにより、後述する本発明の製造方法を用いたとしても保管中に液油の分離を生じることなく保存安定性に優れた製品として好ましいものが得られる。つまり、上昇融点が上記範囲より高い高融点油脂、または低い油脂を用いた場合、また上昇融点が上記範囲のものを用いたとしてもその含有量が上記特定量より少ない場合は、後述する本発明の製造方法を用いたとしても保管中に液油の分離を生じる場合があり好ましくない。
さらに、上昇融点が上記範囲より高い高融点油脂を用いた場合は、本発明の製造の際に用いる品温0〜35℃、好ましくは10〜30℃の油脂ベースが高粘性となり、当該油脂ベースに分散させる食塩、砂糖あるいは香味野菜の乾燥物などを均一に分散させるには強力な混合機を要し生産性に劣る。また、得られる非水系ペースト状油脂食品の全体の粘性も高くなるため例えば、当該食品を容器に詰めた場合、容器より出し難く好ましくない。一方、上昇融点が上記範囲より低い油脂を用いた場合や本発明の高融点油脂の含有量が少ない場合は、得られる非水系ペースト状油脂食品の全体の粘性が低くなり、程度な粘性とは言い難いため、油脂ベースに分散させたものが保管中に沈降する場合がある。またこのような粘性の低い非水系ペースト状油脂食品を例えば、ハンバーガーなどの食品に用いると、載せた所に留まり難く好ましくない。
本発明で得られる非水系ペースト状油脂食品には、塩味として平均粒径0.5mm以上、好ましくは0.7mm以上の食塩、いわゆる粗塩を、また甘味として平均粒径0.2mm以下、好ましくは0.15mm以下の砂糖、いわゆる粉糖を用いる必要がある。上記所定の大きさの食塩としては例えば、岩塩を粗く粉砕した粗塩、ゆっくりと結晶化した粗塩などを用いると良い。上記所定の大きさの砂糖としては例えば、グラニュ糖、白双目糖などの砂糖を粉砕機で粉砕などした粉糖を用いると良い。上記所定の大きさの食塩および砂糖は、各種大きさの粗塩あるいは粉糖が市販されており、その中から選択して用いると良い。
なお、食塩の上限の大きさ、砂糖の下限の大きさは特に規定していないが、本発明で得られる非水系ペースト状油脂食品の味のバランス、配合量を考慮し、食塩は平均粒径3mm以下が好ましく、2mm以下がより好ましい。また、砂糖は平均粒径0.01mm以上が好ましく、0.05mm以上がより好ましい。
油脂ベースを高温加熱して混合する従来の製造方法と異なり、本発明により得られる非水系ペースト状油脂食品は、塩味および甘味がベースの油脂に馴染んでしまい味のインパクトに欠けることはないが、例え上記大きさの粉糖を用いたとしても上記粗塩より小さい食塩を用いると、塩味が立ち甘味を感じ難く好ましくない。一方、例え上記大きさの粗塩を用いたとしても上記粉糖より大きい砂糖を用いると、先味がなく油の味が目立ち好ましくない。また、上記粗塩より小さい食塩と上記粉糖より大きい砂糖を用いると、塩味だけがかなり立ち好ましくない。いずれの場合も、上記大きさの食塩および砂糖、いわゆる粗塩および粉糖を用いないと、適度な、塩味と甘味をバランス良く呈する非水系ペースト状油脂食品が得られず好ましくない。
本発明で用いる平均粒径0.5mm以上の食塩と平均粒径0.2mm以下の砂糖の配合割合は、本発明の油脂食品が塩味と甘味をバランス良く呈する程度の割合であれば良く、具体的には、前記食塩100部に対し前記砂糖が10部以上100部未満が好ましく、20部以上80部以下がより好ましい。食塩に対する砂糖の配合割合が前記範囲より少ないと、先味がやや弱く油の味が目立つ傾向となる。一方、砂糖の配合割合が前記範囲より多いと、先味として甘味が際立つ傾向となり、塩味と甘味をバラス良く呈し難い場合があり好ましくない。また、具体的な含有量としては、塩味と甘味を呈する程度であれば良く、油脂食品全体に対し前記食塩が好ましくは0.1〜10%、より好ましくは0.5〜8%であり、前記砂糖が好ましくは0.1〜10%、より好ましくは0.5〜6%である。
本発明は、上述した上昇融点40〜60℃の高融点油脂が90%以上である油脂ベースと、平均粒径0.5mm以上の食塩および平均粒径0.2mm以下の砂糖とを混合して製する。
本発明は従来の製造方法と異なり、前記油脂ベースを加熱溶融させることなく、高融点油脂の上昇融点より低い品温、具体的には0〜35℃、好ましくは10〜30℃で混合する必要がある。
ここで、前記品温の油脂ベースと食塩および砂糖などの分散質とを混合するとは、前記分散質の混合工程をとおして分散媒であるベースとなる油脂を前記品温の範囲を保ちながら混合することを意味する。したがって、本発明には、予め前記品温の油脂ベースを調製した後に、分散質を混合する方法ばかりでなく例えば、前記品温の高融点油脂に分散質を添加し、混合途中あるいは混合後に、例えば香味油などの他の液油などを添加し、油脂ベースを前記品温の範囲に保ちながら混合する方法も本発明に含まれる。
このような品温の本発明で用いる油脂ベースは、適度な粘性を有している。高融点油脂が90%以上である上記品温の油脂ベースと本発明の食塩および砂糖を混合することにより、得られる非水系ペースト状油脂食品は、塩味および甘味がベースの油脂に馴染むことなく、適度な塩味と甘味をバランス良く呈することが可能であり、例え香味油などの液油を含有させたとしても液油の油分離を生じ難い。また、油脂ベースを加熱融解して混合する従来の方法と異なり、本発明の製造方法は、油脂ベースを安定化させるために数日間静置させる必要もないので、生産性に優れている。
これに対し、品温が前記範囲より低い油脂ベースを用いると、当該油脂ベースが高粘性となり、当該油脂ベースに分散させる食塩、砂糖あるいは香味野菜の乾燥物などを均一に分散させるには強力な混合機を要し生産性に劣る。また、香味油などの液油を含有させた場合は、液油の油分離を生じ易く好ましくない。一方、品温が前記範囲より高い油脂ベースを用いると、従来の製造方法と同様となり、得られる非水系ペースト状油脂食品は、塩味および甘味がベースの油脂に馴染むためか、適度な塩味と甘味を呈したものとは言い難く、油脂ベースを安定化させるために静置させることが必要な場合があり、生産性に劣り好ましくない。
本発明は、油脂ベースと食塩および砂糖、必要に応じ香味野菜の乾燥物や香味油などの液油を混合するが、当該混合の際に用いる混合機は油脂ベース全体を混合できて食塩および砂糖などを油脂ベースに略均一に分散させることが可能な装置であればいずれのものを使用しても良い。また、本発明のような非水系ペースト状油脂食品では、通常混合の際に脱気しながら混合するが、本発明においても脱気しながら行うと良い。
本発明で得られる非水系ペースト状油脂食品には、上述した使用原料の他に本発明の効果を損なわない範囲で各種食品原料を配合することができる。例えば、香辛料、乾燥調味料、粉末状の各種蛋白質、増粘材、酸化防止剤、ミネラル、乳化剤、香料などが挙げられる。また、本発明で得られる非水系ペースト状油脂食品は、従来と同様、チューブやポリ袋などの容器に充填密封され、保存性を考慮し低温(0〜10℃)などで保管すると良い。
以下、本発明について、実施例および試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
[実施例1]
<非水系ペースト状油脂食品の製造方法>
下記の配合割合に準じ、混合タンクに高融点植物油脂およびガーリックオイル(香味油)を移し、室温(20℃)下混合機で混合し油脂ベースを調製した。品温約20℃の油脂ベースを撹拌させながら残りの原料である食塩、砂糖および乾燥バジルを添加し、略均一となるまで混合機で混合し非水系ペースト状油脂食品を製した。得られた非水系ペースト状油脂食品を1kg容量のポリ容器に充填密封し、低温保管(10℃)した。なお、油脂ベースは高融点植物油脂とガーリックオイルを合わせた部分であり、油脂ベースに対し高融点植物油脂の含有量は95.5%である。
<非水系ペースト状油脂食品の配合割合>
(油脂ベース)
高融点植物油脂(上昇融点50℃)88%
ガーリックオイル(植物油抽出) 4%
食塩(平均粒径:0.7mm) 5%
砂糖(平均粒径:0.1mm) 2%
乾燥バジル(大きさ1mm) 1%
――――――――――――――――――――――――
合計 100%
得られた非水系ペースト状油脂食品を喫食したところ、適度な、塩味と甘味をバランス良く呈していた。また、得られた油脂食品は、低温保管10日後、室温(20℃)で1時間放置後においても香味油である液油の油分離は観察されず安定であった。これにより、本発明の製造方法は、油脂ベースを安定化させるために数日間静置させる必要がないので、生産性に優れていた。
[実施例2]
<非水系ペースト状油脂食品の製造方法>
実施例1の配合割合に準じ、混合タンクに高融点植物油脂を移し、室温(20℃)下混合機でゆっくり撹拌して品温約20℃した。品温約20℃の高融点油脂を撹拌させながら食塩、砂糖および乾燥バジルを添加後、混合を開始し、混合途中でガーリックオイル(香味油)を添加し、全体が略均一となるまで混合機で混合し非水系ペースト状油脂食品を製した。得られた非水系ペースト状油脂食品を1kg容量のポリ容器に充填密封し、冷蔵庫(4℃)に保管した。なお、ガーリックオイルを添加後、しばらくして油脂ベースの品温を測定したところ約20℃であった。また、得られた非水系ペースト状油脂食品の呈味および低温保管後の安定性は実施例1で得られた油脂食品と同程度であった。
[試験例1]
油脂ベース中の高融点油脂含有量の影響を調べた。つまり、油脂ベースの油脂組成を表1に示す割合とし、その他は実施例1に準じ非水系ペースト状油脂食品を製した。得られた油脂食品について、次に示す方法で低温保管後の状態およびハンバーガーに用いたときの評価を行った。なお、高融点油脂および香味油(液油)は実施例1と同じもの、低融点油脂は植物油を原料とした上昇融点5℃のものを用いた。また、得られた各油脂食品は、適度な、塩味と甘味をバランス良く呈していた。
<低温保管後の状態の評価>
実施例1と同様、低温(10℃)で10日間保管し、その後、室温(20℃)で1時間放置後の状態(油分離および粘性)を評価した。
<ハンバーガーに用いたときの評価>
温めたハンバーガー用パン(下用)に得られた各油脂食品10g、レタス、チーズおよび焼成したハンバーグ(直径約10cm×厚さ約1cm)を順に載せ、最後に温めたハンバーガー用パン(上用)を載せた。次いで、得られたハンバーガーを紙に包んだ。そして、5分後の状態を評価した。なお、各油脂食品は、上記<低温保管後の評価>を行ったものを用いた。
Figure 0004597271
表1より、油脂ベース中に本発明で用いる高融点油脂を90%以上含有させないと、油分離が生じ難く、程度な粘度を有し、しかもハンバーガーなどの食品に適した非水系ペースト状油脂食品が得られ難いことが理解される。特に、高融点油脂を95%以上含有させたものは好ましかった。
[試験例2]
高融点油脂の上昇融点の違いによる影響を調べた。つまり、実施例1の高融点油脂(上昇融点50℃)の代わりに表2に示す上昇融点を有した高融点油脂、あるいは上昇融点が低い油脂を用いて、その他は実施例1に準じ非水系ペースト状油脂食品を製した。得られた油脂食品について、試験例1の<低温保管後の状態の評価>に準じ評価した。なお、得られた各油脂食品は、適度な、塩味と甘味をバランス良く呈していた。
Figure 0004597271
表2より、上昇融点が40〜60℃の範囲の高融点油脂を用いないと、油分離が生じ難く、程度な粘度を有した非水系ペースト状油脂食品が得られ難いことが理解される。特に、上昇融点45〜55℃の高融点油脂を用いたものは好ましかった。
[試験例3]
食塩および砂糖の大きさの違いによる呈味性への影響を調べた。つまり、実施例1の食塩(平均粒径0.7mm)および砂糖(平均粒径0.1mm)の代わりに表3に示す大きさの食塩および砂糖を用いて、その他は実施例1に準じ非水系ペースト状油脂食品を製した。得られた油脂食品を低温(10℃)で10日間保管し、その後、室温(20℃)で1時間放置したものを喫食して呈味性を評価した。なお、得られた各油脂食品は、適度な粘性を有し、液油の油分離も観察されず安定であった。また、表中の大きさは平均粒径の大きさである。
Figure 0004597271
表3より、平均粒径0.5mm以上の食塩および平均粒径0.2mm以下の砂糖を用いないと、適度な、塩味と甘味をバランス良く呈した非水系ペースト状油脂食品が得られ難いことが理解される。特に、平均粒径0.7mm以上の食塩および平均粒径0.15mm以下の砂糖を用いたものは好ましかった。
[試験例4]
食塩および砂糖の配合割合の違いによる呈味性への影響を調べた。つまり、実施例1の食塩(平均粒径0.7mm)および砂糖(平均粒径0.1mm)の配合量および配合割合を表4に示す量とし、全体の量は高融点植物油脂で調整し、その他は実施例1に準じ非水系ペースト状油脂食品を製した。得られた油脂食品を低温(10℃)で10日間保管し、その後、室温(20℃)で1時間放置したものを喫食して呈味性を評価した。なお、得られた各油脂食品は、適度な粘性を有し、液油の油分離も観察されず安定であった。
Figure 0004597271
表4より、食塩および砂糖の配合割合が食塩100部に対し砂糖が10部以上100部未満の範囲でないと、適度な、塩味と甘味をバランス良く呈した非水系ペースト状油脂食品が得られ難いことが理解される。特に、食塩100部に対し砂糖が20部以上80部以下の範囲のものは好ましかった。
[試験例4]
油脂ベースと食塩および砂糖との混合する際の油脂ベースの品温の違いによる保管後の状態および呈味性への影響を調べた。つまり、実施例1の油脂ベースを表5に示す品温となるように加熱または冷却し、その他は実施例1に準じ非水系ペースト状油脂食品を製した。得られた油脂食品を低温(10℃)で10日間保管し、その後、室温(20℃)で1時間放置したものの状態を観察すると共に喫食して呈味性を評価した。なお、油脂ベースを0℃より低くしたものは、別途強力な混合機を使用した。
Figure 0004597271
表5より、食塩および砂糖との混合する際の油脂ベースの品温が0〜35℃の範囲のものを用いて製しないと、油分離が観察されず、しかも適度な、塩味と甘味をバランス良く呈した非水系ペースト状油脂食品が得られ難いことが理解される。特に、油脂ベースの品温が10〜30℃の範囲のものは好ましかった。

Claims (2)

  1. 上昇融点40〜60℃の高融点油脂が90%以上である品温0〜35℃の油脂ベースと、平均粒径0.5mm以上の食塩および平均粒径0.2mm以下の砂糖とを混合することを特徴とする非水系ペースト状油脂食品の製造方法。
  2. 前記平均粒径0.5mm以上の食塩と前記平均粒径0.2mm以下の砂糖の配合割合が食塩100部に対し砂糖が10部以上100部未満である請求項1記載の非水系ペースト状油脂食品の製造方法。
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