JP4596891B2 - 電動歯ブラシ - Google Patents
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Description
具体的には、モータ軸(21)に取り付けたピニオンギア(31)を該ピニオンギアに軸直角に噛合するクラウンギア(32)に噛合する。クラウンギア(32)の回転軸(33)上に偏芯回転体(34)を設け、筒状ケース(1)の軸芯に略沿う方向に往復可能に配備した往復軸(5)の基端の穴(35)に該偏芯回転体(34)を回転可能に嵌めてスコッチヨーク機構を構成することにより、モータ軸(21)の回転運動を直線運動に変換している(特許文献1、特許文献2)。
しかし、従来の運動変換手段では、モータ軸(21)の回転がピニオンギア(31)とクラウンギア(32)のギア比によって減速されてスコッチヨーク機構(クロススライダー機構)に伝達されるため、ブラシ(7)の往復運動振動数が、モータ軸(21)の回転数より小さく成らざるを得ない。
クラウンギア(32)の回転軸(33)と同軸にスコッチヨーク機構が設けられた構成上、クラウンギア(32)は筒状ケース(1)の軸芯から外れた位置となり、軸芯から離れるほどクラウンギア(32)の外径寸法が小さく規制される。クラウンギア(32)は外径が大きいほどピニオンギア(31)との噛合に有利であるが、外径制限のために歯数を少なくせざるを得ない。又、噛合するピニオンギア(31)の外径を確保するためにも、クラウンギア(32)は、筒状ケース(1)の軸芯から離さざるを得ない。その結果、ピニオンギア(31)とクラウンギア(32)の歯数は少ないものとなり、ピニオンギア(31)との噛み合わせの都合上、バックラッシュが大きくなり、振動、騒音の原因となるほか、往復運動の円滑さを損なう。
又、筒状ケース(1)は取っ手を兼用しているため、筒状ケース(1)は握り易さやデザインの観点から太さに制限があり、それによってピニオンギア(31)とクラウンギア(32)のギア比がある範囲に規制される。そのため、ブラシの振動数を高めるという点で設計の自由度は少なく、振動、騒音等の性能向上のネックとなっていた。
本発明は、モータ軸の回転運動を往復運動に変換する新たな手段を案出して、上記問題を解決する電動歯ブラシを明らかにするものである。
運動変換手段(3)は、モータ軸(21)と直交する方向に向く支持軸(41)を中心に揺動可能な揺動体(4)のモータ軸(21)側にモータ軸上の偏芯回転体(23)と係合して揺動体(4)を揺動させるスコッチヨーク機構(40)を構成し、往復軸(5)は揺動体(4)に枢支連結されてブラシを往復運動させ、
揺動体(4)は、偏芯回転体(23)が摺接して回転可能に嵌まる矩形の枠部(42)を有し、支持軸(41)によって揺動可能に支持され、該支持軸(41)の近傍にて支持軸(41)から筒状ケース(1)の軸芯と直交する方向に離れた位置の枢軸(52)と往復軸(5)とが連結部材(51)にて枢支連結されると共に、揺動方向の両端から可撓性の支持アーム(43)(43)をブラシ側へ突設して、支持アーム先端を筒状ケース(1)に保持し、
支持アーム(43)は合成樹脂にて揺動体(4)と一体成形された薄板状に形成され板幅方向が揺動体(4)の揺動方向と直交する方向に向いており、揺動体(4)の揺動面内では容易に弾性変形し、揺動体(4)の揺動方向と直交する方向には弾性変形し難い形状に構成する。
また、モータ軸及び揺動体の揺動中心を筒体の軸芯に一致させることができ、また、従来のピニオンギアとクラウンギアは存在しないので、筒状ケースを可及的に小径化できる。これは筒状ケースのデザインに制約を受け難く、且つ握りやすい筒状ケースの設計ができることを意味する。更に、従来のピニオンギアとクラウンギアの噛合で生じるバックラッシュに起因する問題は起こらない。
更に、揺動体を支持軸と2つの支持アームの3点で揺動可能に支持するから揺動体の揺動運動が安定し、ブラシの往復動も安定する。また、枠部と軸芯回転体の間の隙間(ガタ)に起因する騒音や動きの微細な不具合を除去し、組付けを容易にする。
また、支持アームは、揺動体の揺動面内では容易に弾性変形し、揺動体の揺動方向と直交する方向には弾性変形し難いため、揺動体の揺動には支障はなく且つ揺動体の揺動方向と直交する方向のふらつきを防止でき、揺動体を一層安定して揺動させることができる。
筒状ケース(1)は、ケース軸芯に対して少し傾いた角度でほぼ同じ大きさに2分可能な主ケース(11)と蓋ケース(12)とからなり、筒状ケースの底部(13)は主ケース(11)に設けられている。往復軸(5)は筒状ケース(1)の略軸芯上に位置している。
蓋ケース(12)は防水上、筒状ケース(1)に液密に被さり、開くことを前提としていない。
以下の説明で表側とは蓋ケース(12)側、裏側とは主ケース(11)側とする。
モータ軸(21)と往復軸(5)とが、モータ軸(21)の回転を往復軸(5)の往復運動に変換する運動変換手段(3)を介して連繋される。
筒状ケース(1)内には、充電式バッテリ、モータ駆動回路(図示せず)も配備されるが、それらは図面から省略されている。
支持軸(41)(41)は、筒状ケース(1)の軸芯を含む面内に位置している。
偏芯回転体(23)は、モータ軸(21)に取り付けられたボス体(22)の偏芯位置に回転可能に突設され枠部(42)との摺接面は球面を呈している。
枠部(42)は、揺動体(4)のモータ軸(21)側端面に角穴(47)を開設して形成される。図9に示す如く、角穴(47)は、筒状ケース(1)の表裏方向に長く、即ち、偏芯回転体(23)に対して揺動体(4)を揺動支持する支持軸(41)に沿う方向に余裕がある。従って、偏芯回転体(23)の回転によって揺動体(4)は支持軸(41)を中心に支持軸(41)と直交する面内を揺動する。
支持アーム(43)は、揺動方向に短く延びてから揺動体(4)の側面と略平行にブラシ(7)側へ延びている。
両支持アーム(43)の突出端に、前記支持軸(41)と平行に筒状ケース(1)の表裏方向に短く枢軸(52)(52)が突設され、該枢軸(52)(52)が主ケース(11)と蓋ケース(12)の形成された軸受け凹部(図示せず)に嵌まって支持アーム(43)が筒状ケース(1)に支持される。
連結部材(51)は略L字状に形成され、一端が往復軸(5)の基端に固定され、他端に開設した長孔(50)に、突片(48)に突設した枢軸(52)が嵌まっている。
上記長孔(50)は、揺動体(4)の揺動方向に長い。
カップ状体(61)の開口縁にフランジ(64)が設けられ、カップ状体(61)が筒状ケース(1)の先端開口に液密に嵌まり、該フランジ(64)が筒状ケース(1)内面に形成された周溝(図示せず)に嵌まる。
筒状ケース(1)内には、軸受(6)と前記モータ(2)との間に位決め枠(15)が設けられている。
従来の電動ブラシの様に、モータ軸(21)の回転数に対してブラシ(7)の往復振動数が少なくなることはない。
然も、揺動体(4)と支持アーム(43)(43)を合成樹脂にて一体成形しているため、部品点数が増えることはなく、又、支持アーム(43)を揺動体(4)に取り付ける手間も不要でコスト上昇を抑えることができる。
然も、支持アーム(43)は合成樹脂にて揺動体(4)と一体成形された薄板状に形成され板幅方向が揺動体(4)の揺動方向と直交する方向に向いてため、揺動体(4)の揺動面内では容易に弾性変形し、揺動体(4)の揺動方向と直交する方向には弾性変形し難い。このため、揺動体(4)は支持軸(41)と直交する面内で円滑に且つ安定して揺動し、これが、ブラシ(7)の円滑且つ安定した直線往復運動を生み出す。
モータ軸(21)と往復軸(5)との間に揺動体(4)を配備されている。揺動体(4)は、筒状ケース(1)の軸芯に沿う方向に延びる連結部(46)のモータ軸(21)側端部に枠部(42)、往復軸(5)側端部にブラケット(45)を対向して突設して略コ字状に形成されている。
モータ軸(21)の先端に設けられた偏芯回転体(23)が上記枠部(42)に摺接可能に嵌まってスコッチヨーク機構(40)を構成している。
揺動体(4)を揺動支持する支持軸(41)は、コ字状の揺動体(4)の往復軸(5)側の屈曲部に位置している。
ブラケット(45)に枢軸(52)を介して往復軸(5)の基端が枢支連結される。
往復軸(5)は、筒状ケース(1)の先端側に配備された球面軸受(6a)によってスライド可能且つ軸受(6a)を中心に揺動可能に支持されている。
第1実施例の歯ブラシと同様にして、モータ軸(21)の回転数に対してブラシ(7)の往復振動数が少なくなることはない。
実施例では、揺動体(4)の支持軸(41)と往復軸(5)の枢軸(52)との間の距離L1は、3.5mm、支持軸(41)からスコッチヨーク機構(40)までの距離L2は7mm、偏芯回転体(23)の偏芯量L3は0.7mm、ブラシ(7)の往復ストロークは0.7mmとした。
2 モータ
21 モータ軸
23 偏芯回転体
3 運動変換手段
4 揺動体
40 スコッチヨーク機構
41 支持軸
5 往復軸
51 連結部材
6 軸受
7 ブラシ
Claims (1)
- 取っ手を兼用する筒状ケース(1)内に、モータ軸(21)が該筒状ケース(1)の軸芯に略沿う方向に向く様にモータ(2)を配備し、モータ軸(21)の回転を筒状ケース(1)の軸芯に略沿う方向の往復運動に変換する運動変換手段(3)を介して往復軸(5)に連繋し、該往復軸(5)にブラシ(7)を設けた電動歯ブラシにおいて、
運動変換手段(3)は、モータ軸(21)と直交する方向に向く支持軸(41)を中心に揺動可能な揺動体(4)のモータ軸(21)側にモータ軸上の偏芯回転体(23)と係合して揺動体(4)を揺動させるスコッチヨーク機構(40)を構成し、往復軸(5)は揺動体(4)に枢支連結されてブラシを往復運動させ、
揺動体(4)は、偏芯回転体(23)が摺接して回転可能に嵌まる矩形の枠部(42)を有し、支持軸(41)によって揺動可能に支持され、該支持軸(41)の近傍にて支持軸(41)から筒状ケース(1)の軸芯と直交する方向に離れた位置の枢軸(52)と往復軸(5)とが連結部材(51)にて枢支連結されると共に、揺動方向の両端から可撓性の支持アーム(43)(43)をブラシ側へ突設して、支持アーム先端を筒状ケース(1)に保持し、
支持アーム(43)は合成樹脂にて揺動体(4)と一体成形された薄板状に形成され板幅方向が揺動体(4)の揺動方向と直交する方向に向いており、揺動体(4)の揺動面内では容易に弾性変形し、揺動体(4)の揺動方向と直交する方向には弾性変形し難い形状に構成する電動歯ブラシ。
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