JP4594615B2 - 絶縁電線及び絶縁コイル - Google Patents

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本発明は絶縁電線及び絶縁コイルに関し、特に、優れた耐熱性を有するとともに、絶縁層の剥がれや割れが生じにくい(可撓性に優れる)、信頼性の高い絶縁電線及び絶縁コイルに関する。
従来から、絶縁電線の製造方法として、導体線の外周に絶縁性樹脂のワニス(電着液)を電着、焼付けした絶縁被膜を設けることが知られている。例えば、特許文献1は、断面が平角状の導体線の外周に、特定濃度のエポキシ変性アクリル樹脂が分散した水分散ワニスを電着、焼付けして絶縁被膜を形成した平角状絶縁電線を開示している。この絶縁電線は、横断面形状が平角状の導体線(以下、「平角導体線」ともいう。)の外周を覆う絶縁被膜が導体線の平坦部を覆う部分よりもコーナー部を覆う部分の厚みが大きくなるように形成されており、それによって電線の耐電圧特性を向上させている。しかし、かかる絶縁電線は、十分な耐熱性は有していない。一方、耐熱性を有する被覆材として、ポリイミドが挙げられるが、被覆させる手段としては、専らディッピングによるものが殆どであった。ディッピングでは、導体線の断面形状が平角状のものでは、コーナー部(角部)に十分な被膜厚みを得ることができないという問題があった。具体的には、平坦部の0.2倍程度の厚みしか得られない。また、ディッピングで得られる膜厚は、上記の点から薄くするには限界がある。そこで、本発明者等は平角導体線の外周に耐熱性に優れたポリイミドワニス(特許文献2、3)を電着、焼付けして、高耐熱性の絶縁電線を得ることを試みた。しかしながら、これらのポリイミドワニスを導体線に電着、焼付けして得られる絶縁電線は高耐熱性を有するが、絶縁電線に曲げ加工を施した場合、また、絶縁電線をエッジワイズコイル巻きして絶縁コイルを形成した場合に、絶縁層である電着被膜が割れて導体線から剥がれる等の問題を生じた。つまり、公知のポリイミドの電着被膜を使用した絶縁電線は、可撓性が不十分であるという問題があることが分かった。
特開平7−320573号公報 特開平9−104839号公報 特開平9−124978号公報
上記事情に鑑み、本発明の課題は、高耐熱性を有し、かつ、絶縁電線に曲げ加工を施した場合の絶縁層の剥がれや割れが生じにくい(即ち、可撓性に優れた)、絶縁電線及び該絶縁電線を用いた絶縁コイルを提供することである。
さらに、本発明の他の課題は、高耐熱性を有し、かつ、絶縁電線に曲げ加工を施した場合の絶縁層の剥がれや割れが生じにくく(即ち、可撓性に優れ)、しかも、耐電圧性も良好な絶縁電線及び該絶縁電線を用いた絶縁コイルを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用したものである。
すなわち、本発明は、
(1)ポリイミドの主鎖中にシロキサン結合を含有し、分子中にアニオン性基を有するブロック共重合ポリイミドであって、重量平均分子量(Mw)が45,000〜90,000、数平均分子量(Mn)が20,000〜40,000であるブロック共重合ポリイミドの電着被膜を導体線外周の絶縁層として設けたことを特徴とする絶縁電線、
(2)ブロック共重合ポリイミドの固有対数粘度(25℃)が20wt%のNMP(N−メチル−2−ピロリドン)溶液時において、5,000〜50,000mPa・sである、上記(1)記載の絶縁電線
(3)ポリイミドの主鎖中のシロキサン結合が、シロキサン結合含有ジアミン化合物由来のシロキサン結合であり、当該シロキサン結合含有ジアミン化合物が、ビス(4−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、及び下記の一般式(I)で表される化合物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である、上記(1)又は(2)記載の絶縁電線、
Figure 0004594615
(式中、Rは、それぞれ独立して、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、又は1個乃至3個のアルキル基若しくはアルコキシル基で置換されたフェニル基を表し、l及びmはそれぞれ独立して1〜4の整数を表し、nは1〜20の整数を表す。)
)ブロック共重合ポリイミドのジアミン成分がシロキサン結合含有ジアミン化合物及び芳香族ジアミンからなり、テトラカルボン酸ジ無水物成分が芳香族テトラカルボン酸ジ無水物からなる、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の絶縁電線、
)芳香族ジアミンが、芳香族ジアミノカルボン酸及び/又は芳香族ジアミノスルホン酸を少なくとも含有する、上記()記載の絶縁電線、
)芳香族テトラカルボン酸ジ無水物が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物、ビス−(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテルジ無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物、及び3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸ジ無水物から選ばれる少なくとも1種からなる、上記()又は()記載の絶縁電線、
)導体線の横断面形状が平角状である、上記(1)〜()のいずれかに記載の絶縁電線、
)導体線が銅または銅合金からなる、上記(1)〜()のいずれかに記載の絶縁電線、
)導体線外周の平坦面に形成された絶縁被膜の厚みが1.5〜30μmである、上記()に記載の絶縁電線
(10)ブロック共重合ポリイミドの電着被膜が、該ブロック共重合ポリイミドを有機極性溶媒に溶解した溶液に水とポリイミドに対する貧溶媒とポリイミドを中和塩とするための中和剤とをさらに添加した溶液分散型ワニスを導体線外周に電着、焼付けして形成したものである、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の絶縁電線、及び
11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の絶縁電線をエッジワイズコイル巻きまたは整列巻きした絶縁コイル、関する。
本発明によれば、良好な耐熱性を有するとともに、電線の曲げ加工時に絶縁層の剥がれや割れが生じ難い、可撓性に優れた絶縁電線を得ることができる。特に、導体線の横断面形状が平角状の絶縁電線においては、導体線外周のコーナー部にも電着被膜が安定に形成されて、導体線外周の平坦部を覆う被膜の厚みを薄くできることから、絶縁電線の優れた耐熱性、耐電圧特性及び加工耐性を達成できるとともに、小型化(軽量化)を図ることができる。また、かかる横断面形状が平角状の絶縁電線をエッジワイズコイル巻きして得られる本発明の絶縁コイルにおいては、巻加工した絶縁電線における絶縁層(絶縁被膜)が導体線へ高い密着力で密着していることから、高信頼性及び高耐久性の絶縁コイルとなる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の絶縁電線は、ポリイミドの主鎖中にシロキサン結合を含有し、分子中にアニオン性基を有するブロック共重合ポリイミド(以下、「シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミド」とも略称する。)の電着被膜を導体線外周の絶縁層として設けてなるものである。
ここで、「ブロック共重合ポリイミド」とは、テトラカルボン酸ジ無水物とジアミンとを加熱してイミドオリゴマーを生成させ(第1段階反応)、次いでこれに前記のテトラカルボン酸ジ無水物と同一若しくは異なるテトラカルボン酸ジ無水物又は/及び前記のジアミンとは異なるジアミンを加えて反応(第2段階反応)することによって、アミック酸間で起る交換反応に起因するランダム共重合化を防止して得られる、共重合ポリイミドのことを意味し、「電着被膜」とは、「ワニス(電着液)を電着して得られる塗膜に加熱処理(焼付け処理)を施して得られる絶縁被膜」のことである。
本発明の絶縁電線では、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドの電着被膜による絶縁層が導体線に対して高密着力で密着し、絶縁電線に曲げ加工を施した際に、導体線から絶縁層が剥がれたり、絶縁層に割れを生じたりすることがなく、優れた加工耐性を有するものとなる。また、特に、ポリイミドの電着被膜はピンホールを生じることなく導体線の外周を良好に被覆し、横断面形状が平角状の導体線にあっては、その外周の平端部だけでなくコーナー部も良好に被覆されるので、優れた耐熱性、加工耐性及び耐電圧性を有する平角状の絶縁電線を得ることができる。
本発明において、ポリイミドの主鎖中にシロキサン結合を含有し、分子中にアニオン性基を有するブロック共重合ポリイミドにおいて、主鎖中のシロキサン結合はテトラカルボン酸ジ無水物成分由来のシロキサン結合であっても、ジアミン成分由来のシロキサン結合であってもよいが、好ましくはジアミン成分由来のシロキサン結合であり、通常、ジアミン成分の少なくとも一部に、分子骨格中にシロキサン結合(−Si−O−)を有するジアミン化合物(以下、「シロキサン結合含有ジアミン化合物」とも呼ぶことがある。)を用いて得られたブロック共重合ポリイミドが使用される。
本発明において、シロキサン結合含有ジアミン化合物としては、テトラカルボン酸ジ無水物との間でイミド化し得るものであれば特に制限なく使用できるが、例えば、ビス(4−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、及び一般式(I):
Figure 0004594615
(式中、Rは、それぞれ独立して、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、又は1個ないし3個のアルキル基若しくはアルコキシル基で置換されたフェニル基を表し、l及びmはそれぞれ独立して1〜4の整数を表し、nは1〜20の整数を表す。)で表される化合物が挙げられる。当該一般式(I)で表される化合物は、式中nが1又は2の単一化合物、及びポリシロキサンジアミンを含む。
式(I)中のRにおいて、アルキル基、シクロアルキル基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜2がより好ましい。また、1個ないし3個のアルキル基若しくはアルコキシル基で置換されたフェニル基における、1個ないし3個のアルキル基若しくはアルコキシル基は、それが2又は3個の場合、互いに同一であっても異なってもよい。また、アルキル基、アルコキシル基は、それぞれ、炭素数が1〜6が好ましく、1〜2がより好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、式中のRがアルキル基(特にメチル基)又はフェニル基であるのが好ましく、また、式中l及びmが2〜3、nが5〜15にあるポリシロキサンジアミンが好ましい。
ポリシロキサンジアミンの好ましい例としては、ビス(γ−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(式(I)中、l及びmが3、R、Rがメチル基のもの。)、ビス(γ−アミノプロピル)ポリジフェニルシロキサン(式(I)中、l及びmが3、R、Rがフェニル基のもの。)が挙げられる。
本発明において、シロキサン結合含有ジアミン化合物はいずれか一種の化合物を単独で使用しても、2種以上を併用して使用してもよく、特に好ましいものは、ビス(4−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−1、1、3、3−テトラメチルジシロキサン、及び前記の一般式(I)で表される化合物よりなる群から選ばれる化合物である。
なお、上記シロキサン結合含有ジアミン化合物は、市販品を使用してもよく、信越化学工業社、東レ・ダウコーニング社、チッソ社から販売されているものをそのまま使用できる。具体的には、信越化学工業社製のKF−8010(ビス(γ−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン:アミノ基当量約450)、X−22−161A(ビス(γ−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン:アミノ基当量約840)等が挙げられる。
本発明において、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドは、例えば、シロキサン結合含有ジアミン化合物を少なくとも含むジアミン化合物と、テトラカルボン酸ジ無水物とを略等量用い、ラクトン及び塩基よりなる触媒の存在下、有機極性溶媒中、加熱、重縮合することで得られる。すなわち、第1段階でテトラカルボン酸ジ無水物とジアミン化合物を加熱してイミドオリゴマーを生成させ、次いで、ジアミン化合物又は/及びテトラカルボン酸ジ無水物をさらに加えて第2段階の反応を行い、ブロック共重合化する。このとき、第1段階又は/及び第2段階で用いるジアミン化合物としてシロキサン結合含有ジアミン化合物をブロックセグメントとして組み込む。なお、反応においては、反応系に無水フタル酸等の酸無水物やアニリン等のアミン化合物を末端停止剤として加えてもよい。上記有機極性溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン(γBL)、アニソール、シクロヘキサノン、テトラメチル尿素、スルホラン等が挙げられ、好ましくはポリイミドとの相溶性の点からNMPである。
本発明において、シロキサン結合含有ジアミン化合物の使用量は、該シロキサン結合含有ジアミン化合物をジアミン成分とするイミド単位が、ポリイミドを構成する全繰り返し単位(イミド単位)中の5〜90モル%となる量が好ましく、10〜70モル%となる量がより好ましく、15〜50モル%となる量がとりわけ好ましい。シロキサン結合含有ジアミン化合物に基づくイミド単位の量が10モル%未満の場合、そのようなポリイミドの電着被膜は、導体線への密着性及び伸び率が劣悪となって、十分な可撓性が得られにくく、剥がれや割れを生じ易くなるため、好ましくない。また、シロキサン結合含有ジアミン化合物に基づくイミド単位の量が90モル%を超えると、耐熱性が低下する傾向となり、好ましくない。
本発明の絶縁電線は、導体線の外周に、上記のシロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドのワニス(即ち、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドを樹脂分とするワニス(電着液))を、電着、焼付けして製造される。ポリイミドのワニス(電着液)の調製及び電着被膜の形成については、例えば、特開昭49−52252、特開昭52−32943、特開昭63−111199号公報等に記載された、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を溶解した有機極性溶媒に、貧溶媒及び水を添加したワニス(電着液)を用いて電着した後、電着膜を加熱してイミド膜とする方法が知られているが、該方法の場合、ポリアミド酸の電着用ワニス(電着液)は、ポリアミド酸が容易に分解するために保存安定性が悪く、これが電着後の塗膜物性に悪影響を及ぼす場合がある。従って、本発明では、次の方法を用いる。
すなわち、アニオン基(カルボン酸基、スルホン酸基等)を導入したシロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドを有機極性溶媒に溶解した溶液を得、該溶液に水とポリイミドに対する貧溶媒とポリイミドを中和塩とするための中和剤(塩基性化合物)とをさらに添加した溶液分散型ワニスを調製し、かかる溶液分散型ワニスを被着体に電着、焼付けして被膜を形成する。この方法によれば、前記の従来方法のような欠点がなく、横断面形状が平角状の導体線に対しても、ピンホールを発生することなく、導体線外周の平坦部だけでなくコーナー部をも良好に被覆した電着被膜を形成することができる。
本発明において、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドは、電線の絶縁被覆(絶縁層)用であることから、十分な耐熱性を有する必要があり、通常、ジアミン成分にはシロキサン結合含有ジアミン化合物とともに芳香族ジアミンが使用される。芳香族ジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、3,5−ジアミノ安息香酸、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノフェニルメタン、2,4−ジアミノフェニル酢酸、2,5−ジアミノテレフタル酸、3,5−ジアミノパラトルイル酸、3,5−ジアミノ−2−ナフタレンカルボン酸、1,4−ジアミノ−2−ナフタレンカルボン酸、2,6−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノ−4−メチルピリジン、4,4’−(9−フリオレニリデン)ジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、α,α−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。これらの化合物は、何れか一種を単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
なお、前記したように、本発明において、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドは、ワニス中で中和塩とするために、カルボン酸基、スルホン酸基等のアニオン性基を導入したポリイミドとすることが必要であり、そのため、シロキサン結合含有ジアミン化合物以外のジアミン化合物の少なくとも一部には、カルボン酸基、スルホン酸基等のアニオン性基を有するものが使用される。従って、上記例示の芳香族ジアミンのうち、カルボン酸基含有芳香族ジアミン(芳香族ジアミノカルボン酸)又は/及びスルホン酸基含有芳香族ジアミン(芳香族ジアミノスルホン酸)が少なくとも使用される。カルボン酸基含有芳香族ジアミン(芳香族ジアミノカルボン酸)は、上記のうち、3,5−ジアミノ安息香酸、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノフェニルメタン、2,4−ジアミノフェニル酢酸、2,5−ジアミノテレフタル酸、3,5−ジアミノパラトルイル酸、3,5−ジアミノ−2−ナフタレンカルボン酸、1,4−ジアミノ−2−ナフタレンカルボン酸であり、スルホン酸基含有芳香族ジアミン(芳香族ジアミノスルホン酸)は2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸、4,4’−ジアミノ−2,2’−スチルベンジスルホン、o−トリジンジスルホン酸である。
本発明において、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミド中のカルボン酸基含有芳香族ジアミン(芳香族ジアミノカルボン酸)又は/及びスルホン酸基含有芳香族ジアミン(芳香族ジアミノスルホン酸)の含有量は、ジアミン成分全体に対して10モル%以上、さらには15モル%以上である。
本発明において、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミド中のテトラカルボン酸ジ無水物成分としては、ポリイミドの耐熱性、長期安定性、電着性能、金属との密着性等の観点から、通常、芳香族テトラカルボン酸ジ無水物が使用される。該芳香族テトラカルボン酸ジ無水物の具体例としては、例えば、ピロメリット酸ジ無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物、ビス−(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテルジ無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物、2,2−ビス−(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンジ無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸ジ無水物、ビシクロ[2,2,2,]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸ジ無水物等が挙げられる。これらは何れか一種の化合物を単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、耐熱性、導体線との密着性、シロキサン結合含有ジアミン化合物との相溶性、ポリイミドの重合速度等の観点から、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物、ビス−(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテルジ無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸ジ無水物が特に好ましく使用される。
本発明において、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドは、固有対数粘度(25℃)が20wt%のNMP(N−メチル−2−ピロリドン)溶液時において、5,000〜50,000mPa・sであるのが好ましく、5,000〜15,000mPa・sがより好ましい。固有対数粘度が50,000mPa・sを超える場合、作製される電着被膜の塗膜均一性が損なわれる傾向にある。
また、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドの重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で、20,000〜150,000が好ましく、45,000〜90,000が特に好ましい。重量平均分子量が20,000未満の場合、電着被膜の耐熱性が劣り、また、被膜表面が荒れて、絶縁電線の審美性が低下し、商品価値が低下してしまうおそれがある。また、重量平均分子量が150,000より大きくなると高粘度化や溶液中でゲル化が進行して、電着性能の支障を来たすおそれがある。また、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドにおける数平均分子量(Mn)は、ポリスチレン換算で1,000〜70,000が好ましく、より好ましくは20,000〜40,000である。数平均分子量が1,000未満の場合、電着効率が悪く、所望膜厚の電着被膜を得るまでに時間がかかり、絶縁電線の生産性が低下する傾向となり、また、絶縁電線の耐熱性、耐電圧性についても必要な要件を満たすことができなくなるおそれがある。数平均分子量が70,000を超える場合、固有粘度が高くなり、泡切れ性が低下(塗膜中に取り込まれた気泡が取れなくなる)し、作業性が低下する傾向にある。
ここでいう、重量平均分子量及び数平均分子量はGPCによるポリスチレン換算値であり、GPC装置として東ソー社製HLC−8220、カラムにTSK−gel Super HM−M(Column No.−D0038)を使用して、測定した値である。
本発明において、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドを含むワニス(電着液)の調製は、具体的には、次のようにして行う。
先ず、NMP、DMF、DMAc、γ−ブチロラクトン、DMSO、アニソール、シクロヘキサノン、テトラメチル尿素及びスルホラン等から選ばれる少なくとも一種の有機極性溶媒中、酸触媒の存在下、ジアミン化合物とテトラカルボン酸ジ無水物とを160〜180℃で加熱し、生成する水を共沸によって留去しながら反応させて、オリゴマーを生成させる(第1段階反応)。次に、テトラカルボン酸ジ無水物又は/及びジアミン化合物をさらに加えて160〜180℃に加熱して、第2段階反応(加熱)を行う。このとき、第1段階又は/及び第2段階で用いるジアミン化合物として、シロキサン結合含有ジアミン化合物を使用することで、主鎖中にシロキサン結合を含有する、ブロック共重合ポリイミドが得られる。こうして得られる反応溶液の固形分濃度は10〜40重量%が好ましく、より好ましくは20〜30重量%である。次に、極性溶媒中に溶解したブロック共重合ポリイミドを塩基性化合物で中和し、さらに水及びポリイミドの貧溶媒を加えて電着液とする。塩基性化合物には、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン等が使用される。塩基性化合物の使用量はポリイミドが水溶液中に安定に溶解または分散する程度であり、通常、理論中和量の30〜200モル%程度である。また、貧溶媒は、フェニル基、フルフリル基またはナフチル基を有するアルコールが好適であり、具体的には、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、4−メチルベンジルアルコール、4−メトキシベンジルアルコール、4−クロルベンジルアルコール、4−ニトロベンジルアルコール、フェノキシ−2−エタノール、シンナミルアルコール、フルフリルアルコールおよびナフチルカルビノール等が挙げられる。なお、ワニス(電着液)中の極性溶媒の量はポリイミド1重量部当たり1.5〜10重量部が好ましく、より好ましくは2.4〜6重量部であり、水の量はポリイミド1重量部当たり0.1〜5重量部が好ましく、より好ましくは1〜3重量部である。
本発明において、導体線の外周にポリイミドワニスの電着被膜を形成する際の電着条件としては、定電流法または定電圧法であればよい。定電流法の場合、例えば、電流値は50mA固定で、直流電圧の上限は50〜250V、好ましくは100〜200Vである。電着電圧の上限が50Vよりも低いと、電着によって塗膜を形成させることが困難となる傾向にあり、250Vよりも高いと、被塗布物からの酸素の発生、および銅イオンの溶出が激しくなり、均一な塗膜形成が困難となる傾向がある。定電圧法の場合、電圧値を50〜250V、好ましくは100〜200Vで固定すればよく、50Vよりも低い電圧値に固定すると、電着によって塗膜を形成させることが困難となる傾向にあり、250Vよりも高い電圧値に固定すると、被塗布物からの酸素の発生及び銅イオンの溶出が激しくなり、均一な塗膜形成が困難となる傾向がある。電着時間は、定電流法、定電圧法のいずれにおいても、通常15〜120秒、好ましくは30〜90秒程度であり、電着の際のワニス(電着液)の温度は、定電流法、定電圧法のいずれにおいても、好ましくは20〜70℃、より好ましくは25〜30℃である。
電着によって形成した塗膜の焼付けは、70〜110℃で10〜60分の第1段階の焼付け処理を行った後、160〜180℃で10〜60分の第2段階の焼付け処理を行い、さらに200〜220℃で30〜60分の第3段階の焼付け処理を行うのが好ましい。このような3段階の焼付け処理を行うことで、導体線に対して高い密着力で密着した、十分に硬化したポリイミドの被膜を形成することができる。
本発明において、ワニスの電着、焼付け作業は、たとえば図2に示すような装置で行うのが好ましい。すなわち、ロール10に巻き線された導体線11を引き出し、交流電源の陽極側に接続した状態で、ワニス(電着液)13で満たされた電着バス12中を通過させる。電着バス12中には、陰極管14が配置され、導体線11の通過時に前記した電圧の印加により、陽極である導体線11と陰極である陰極管14間の電位差により、ポリイミドが導体線11上に略均一に析出する。電着バス12の後、導体線11を乾燥装置15内を通過させる。該乾燥装置15内で、導体線11上に析出したポリイミド中の水が蒸発する。乾燥装置15を通過した後、焼付け炉16を通過させポリイミドからなる被膜(絶縁層)が形成し、絶縁導線をロール20で巻き取っていく。かかる装置によって、ワニスの電着、焼付け作業を行うことで、目的の絶縁電線を連続的に製造することができる。
本発明において、絶縁電線の導体線の材質は、特に限定されないが、導電性の点から、銅、銅合金、銅クラッドアルミニウム、アルミニウム、亜鉛めっき鉄、銀等が挙げられ、なかでも、銅が好ましい。また、絶縁電線の形状も特に限定されず、横断面形状が円形である円形絶縁電線(すなわち、横断面形状が円形の導体線の外周に電着被膜による絶縁層を設けた絶縁電線)であっても、横断面形状が平角状である平角絶縁電線(すなわち、横断面形状が平角状の導体線の外周に電着被膜による絶縁層を設けた絶縁電線)であってもよく、絶縁電線の具体的用途に応じて円形絶縁電線とするか平角絶縁電線とするかを選択する。なお、本発明でいう「平角(状)」とは、矩形若しくは正方形(状)を意味する。本発明の絶縁電線において、円形絶縁電線は、例えば、汎用モーター、電磁コイル等の用途に使用される。また、平角絶縁電線は、例えば、各種電気機器の駆動モーター部、軽量、高出力を活かした携帯電話等の携帯精密機器のコイル等の用途に使用される。
本発明の絶縁電線は、導体線の外周を覆う絶縁層がポリイミドの主鎖中にシロキサン結合を有するポリイミドの電着被膜で形成されているため、絶縁層が導体線の外周をピンホールを生じることなく一様に被覆し、しかも、可撓性に富む絶縁層が高い密着力で導体線に密着した絶縁電線となる。特に横断面形状が円形の導体線だけでなく、横断面形状が平角状の導体線に対しても、絶縁層が高い密着力でその外周を一様に被覆したものとなり、導体線外周の平坦部だけでなくコーナー部をもポリイミドの被膜が良好に被覆した平角絶縁電線が得られる。よって、本発明の絶縁電線は、良好な耐熱性および耐電圧性を有するとともに、絶縁電線に曲げ加工を施した時の絶縁層(電着被膜)の剥がれや割れが起こりにくい、優れた加工耐性を有するものとなる。
本発明の絶縁電線において、円形絶縁電線の場合の導体線の外径(直径)は、好ましくは0.05〜20mm、より好ましくは0.1〜10mmである。また、ポリイミドワニスの電着被膜(絶縁層)の厚みは、好ましくは1.5〜30μm、より好ましくは5〜20μmである。絶縁層の厚みが1.5μm未満であると、充分なAC(交流)耐電圧の効果を得ることが困難となり、30μmを超えても顕著なAC耐電圧の効果の向上は見られず、さらに得られる絶縁電線のサイズが大型化してしまう。
また、図1は本発明の平角絶縁電線の横断面(絶縁電線の長手方向と直交する方向の断面)を簡略化して示した図であり、本発明の平角絶縁電線1における平角状の導体線2の厚み(図1中のt1)は好ましくは0.005〜1.0mm、より好ましくは0.01〜0.50mmであり、幅(図1中のw1)は好ましくは0.1〜20mmである。また、ポリイミドワニスの電着被膜による絶縁層3の厚みは、導体線2外周の平坦部では、好ましくは1.5〜30μm、より好ましくは5〜20μmである。該厚みが1.5μm未満であると、充分なAC(交流)耐電圧の効果を得ることが困難となり、30μmを超えても顕著なAC耐電圧の効果の向上は見られなく、さらに得られる絶縁電線のサイズが大型化するだけである。一方、導体線2外周のコーナー部は、コーナー部でのAC耐電圧の低下を防ぐために(コーナー部は、電界集中が起りやすいので、耐電圧特性に影響する。)、少なくとも平坦部の厚みの0.8倍以上の厚みを有しているのが好ましく、特には0.9倍以上が好ましい。具体的なコーナー部の厚みは、耐電圧特性と絶縁電線(絶縁電線を使用したコイル)の小型化・軽量化の観点から、平坦部の厚みの0.8〜2倍、好ましくは0.9〜1.5倍、さらに好ましくは1.0倍〜1.2倍である。導体線外周のコーナー部での厚みが平坦部での厚みの0.8倍未満であると、コーナー部でのAC耐電圧が電界集中により大きく低下する。また、導体線外周のコーナー部での厚みが、平坦部での厚みの2倍を超えると小型化・軽量化が困難になる傾向にある。なお、本発明において、平角状導体線の外周を覆う絶縁層の厚みとは、図1に示すように、平角状導体線2の矩形状の横断面における長辺の中心点での絶縁層3の厚み(図1中のD1)をいい、平角状導体線の外周のコーナー部での絶縁層の厚みとは、平角状導体線2の矩形状の横断面における長辺と短辺の間の角部を覆う絶縁層3の厚み(図1中のD2)をいう。
本発明の絶縁コイルは、前記した本発明の絶縁電線における平角絶縁電線をエッジワイズ巻き、整列巻き、アルファ(α)巻などの公知の方法で巻いた絶縁コイルである。かかる本発明の絶縁コイルにおいて、使用する平角絶縁電線のサイズは特に限定されず、絶縁コイルの用途に応じて、種々のサイズのものが使用される。また、本発明の絶縁コイルは、可撓性を有する電着被膜を絶縁層として有した絶縁電線から成っているので、絶縁コイルとする際の加工(特にエッジワイズ巻き)に対しても、絶縁層が剥がれたり、割れたりすることはない。
本発明の絶縁コイルは、巻き線した平角絶縁電線が優れた耐熱性および耐電圧性を有するとともに、曲げ加工されても絶縁被覆(絶縁層)が導体線から剥がれにくいものであることから、耐熱性および耐電圧性が良好であるだけでなく、著しく耐久性が向上した絶縁コイルとなる。本発明の絶縁コイルの具体的用途としては、モーター用コイル、トランス用コイル、基板実装部品(SMD)用コイル、小型高性能モーター用コイル、小型電子機器用コイル等が挙げられる。中でも、小型化が要求される小型高性能モーター用コイル、小型電子機器用コイルとして好適である。コイルのピッチやコイル外径等は種々の対応する製品によって異なり、それに応じて適宜決定される。
本発明は線状導体の外周に特定のポリイミドワニスの電着被膜を設けた絶縁電線であるが、本発明で使用する特定のポリイミドワニス(すなわち、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドのワニス(電着液))は、板状(例えば、断面形状が平角状であり、平面形状が開放部を有するリング状)の導電板を絶縁被覆した絶縁板(絶縁コイル板)及びそれを積層した絶縁コイルの絶縁被覆にも適用できる。すなわち、板状(例えば、断面形状が平角状であり、平面形状が開放部を有するリング状の導電板)をシロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドのワニスの電着被膜で被覆することで、絶縁板(絶縁コイル板)及びそれを積層した絶縁コイルを達成できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されない。
実施例1
シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミド溶液の作製
ガラス製のセパラブル三口フラスコを使用し、これに攪拌機、窒素導入管及び冷却管の下部にストップコックを備えた水分受容器を取付けた。窒素を流通させ、さらに攪拌しながら反応器をシリコーン油浴中に漬けて加熱し反応を行った。まず、フラスコに3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物58.84g(0.2モル)、ビス(γ−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(信越化学工業社製のKF−8010)97.2g(0.1モル)、バレロラクロン4g(0.04モル)、ピリジン6.3g(0.08モル)、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)500g及びトルエン80gを入れ、室温で30分間攪拌し、次いで、昇温し、180℃において1時間、200rpmで攪拌しながら反応を行った。反応後、トルエン−水留出分30mlを除いた。残留物を空冷して、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物64.45g(0.2モル)、3,5−ジアミノ安息香酸30.43g(0.2モル)、ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン43.25g(0.1モル)、NMP500g及びトルエン100gを添加し、室温で1時間攪拌(200rpm)し、次いで昇温して180℃で1時間、過熱攪拌した。トルエン−水留出分15mlを除き、以降は留出分を系外に除きながら、180℃で3時間、攪拌を行った。次いで、無水フタル酸1.1g及びNMP113gを添加し反応を1時間行い終了した。これにより20%ポリイミドワニスを得た。ブロック共重合ポリイミドの重量平均分子量及び数平均分子量はそれぞれ66,000及び34,000であった。
上記で得られた20%ポリイミド溶液100gにトリエチルアミン3g(中和率100モル%)を加え攪拌した後、NMP62.5gを加え、アセトフェノン55g、シクロヘキサノン56g及び攪拌しながら2−エトキシエタノール72g及びフェノキシエタノール20gを加え、水32gを滴下して、固形分濃度5.0%、pH8.7、電気伝導度9.8ms/mの電着液組成物(電着用ワニス)を調製した。
次に、下記の電着条件で横断面が直径(φ)1.2cmの円形の銅線(全長30cm)の外周に上記の電着用組成物(ワニス)を電着した。
極間距離:3.0cm
電着電圧:定電流法(50mA)−電圧(Max160V)
電着時間:60秒
次に、こうしてポリイミド組成物を電着した銅線を電着浴から取り出し、水洗後、90℃×30分間、さらに170℃×30分間、さらに220℃×30分間焼付けることで、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドによる絶縁層(平均厚み17μm)を有する円形絶縁銅線を得た。
なお、絶縁層の被覆厚みは、マイクロメーターにて全長30cm区間のうち5箇所を測定し、その算術平均値を平均厚さとした(1箇所につき、2方向から測定した)。なお、下記の比較例1〜4中の円形絶縁銅線の絶縁層の被覆厚み(平均厚み)も同様にして得た。
また、上記と同様の電着条件及び焼付け条件で、横断面が1.8mm×0.08mmの平角銅線(全長30cm)の外周に上記のポリイミド組成物を電着し、焼付けを行い、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドによる絶縁層を有する絶縁平角銅線を得た。絶縁層の平角銅線の平坦部を覆う部分の平均厚み(D1)は15μm、コーナー部を覆う部分の平均厚み(D2)は13μmであった。なお、ここでの平均厚み(D1)は平角絶縁銅線の全長30cm区間の5箇所の断面での銅線断面(矩形)の2つの長辺のそれぞれの中点での絶縁層の厚み(合計10箇所の厚み)の平均値であり、コーナー部を覆う部分の平均厚み(D2)は、上記5箇所の断面での銅線断面(矩形)の4つのコーナー部での絶縁層の厚み(合計20箇所の厚み)の平均値である。絶縁層の厚み測定は、マイクロスコープによる断面写真より、画像処理によって行った。
比較例1
アクリロニトリル5モル、アクリル酸1モル、グリシジルメタクリレート0.3モルをイオン交換水760g、ラウリル硫酸エステルソーダ7.5g、過硫酸ソーダ0.13gと共にフラスコに入れて室温、窒素気流下15〜30分間撹拌したのち、その混合物を50〜60℃の温度で3時間反応させて得た乳化重合液(エポキシ・アクリル系水分散ワニス)を用意した。かかる乳化重合液を電着用組成物として、実施例1と同様の条件で、実施例1で使用したものと同じ、横断面が円形の銅線と平角状の銅線にそれぞれ電着して焼付け、エポキシ変性アクリル樹脂による絶縁層(平均厚み17μm)を有する円形絶縁銅線と、エポキシ変性アクリル樹脂による絶縁層の平角銅線の平坦部を覆う部分の平均厚み(D1)が15μm、コーナー部を覆う部分の平均厚み(D2)が23μmの平角絶縁銅線を得た。
比較例2
撹拌機、チッ素導入管及び冷却管の下部にストップコックのついた水分受容器を取り付けたガラス製のセパラブル三つ口フラスコを使用し、窒素を流しながら、さらに撹拌しながら反応器をシリコーン油中につけて加熱して下記の反応を行った。すなわち、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物64.44g(0.2モル)、ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン43.25g(0.1モル)、バレロラクトン3g(0.03モル)、ピリジン4.8g(0.06モル)、NMP(N−メチル−2−ピロリドンの略)400g及びトルエン90gを加えて、室温で30分間撹拌し、ついで昇温し、180℃において1時間、200rpmで撹拌しながら反応を行った。反応後、トルエン−水留出分30mlを除いた。残留物を空冷して、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物32.22g(0.1モル)、3,5−ジアミノ安息香酸15.22g(0.1モル)、2,6−ジアミノピリジン11.01g(0.1モル)、NMP222g及びトルエン45gを添加し、室温で1時間撹拌(200rpm)、次いで昇温して180℃で1時間、加熱撹拌した。トルエン−水留出分15mlを除き、以後は留出分を系外に除きながら、180℃、3時間、加熱、撹拌して反応を終了し、20%ポリイミド溶液を得た。こうして得たポリイミド溶液100gにNMP70gを加え、アニソール55g、シクロヘキサンノン45g及びN−メチルモルホリン2.6g(中和率200モル%)を加え、攪拌しながら水30gを滴下して、固形分濃度6.6%、pH7.8の電着用ポリイミドエマルジョン組成物(ワニス)を得た。そして、該組成物を実施例1と同様の条件で、実施例1で使用したものと同じ、横断面が円形の銅線と平角状の銅線にそれぞれ電着して焼付け、ブロック共重合ポリイミドによる絶縁層(平均厚み17μm)を有する円形絶縁銅線と、ブロック共重合ポリイミドによる絶縁層の平角銅線の平坦部を覆う部分の平均厚み(D1)が15μm、コーナー部を覆う部分の平均厚み(D2)が12μmの平角絶縁銅線を得た。
比較例3
3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物128.9g(0.4モル)と1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン116.9g(0.4モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)983gに溶かし、室温でイカリ型撹拌機を用いて、200rpmに撹拌しながら10時間反応し、20%ポリアミド酸溶液(ポリアミド酸の固有対数粘度0.78)を得た。この20%ポリアミド酸溶液にNMP、ベンジルアルコールを加え、さらに次いで中和剤を加え、さらに純水を加え、ポリアミド酸の固形分量6.8%、NMP41%、ベンジルアルコール16%、N−メチルモルホリン0.9%、純水35.3%の電着用組成物を調製した。こうして得た電着用組成物を実施例1と同様の条件で、実施例1で使用したものと同じ、横断面が円形の銅線と平角状の銅線にそれぞれ電着し、焼付け、ポリイミドによる絶縁層(平均厚み17μm)を有する円形絶縁銅線と、ポリイミドによる絶縁層の平角銅線の平坦部を覆う部分の平均厚み(D1)が14μm、コーナー部を覆う部分の平均厚み(D2)が12μmの平角絶縁銅線を得た。
比較例4
ランダム共重合体においてポリシロキサンを含有するポリアミドとして特開2000−178481号公報に準拠して作製されたポリイミド電着液を実施例1と同様の条件で、実施例1で使用したものと同じ、横断面が円形の銅線と平角状の銅線にそれぞれ電着し、焼付け、ポリイミドによる絶縁層(平均厚み17μm)を有する円形絶縁銅線と、ポリイミドによる絶縁層の平角銅線の平坦部を覆う部分の平均厚み(D1)が15μm、コーナー部を覆う部分の平均厚み(D2)が12μmの平角絶縁銅線を得た。
実施例1及び比較例1〜4で作製した絶縁銅線について以下の評価試験を行った。
(耐熱性試験)
JIS C 3003に準拠した温度指数評価法によって、耐熱性を評価した。
(ピンホール試験)
JIS C 3003に準拠して、絶縁丸銅線(n=5)と絶縁平角銅線(n=5)に対してピンホールの有無を調査した。
5個の絶縁丸銅線(30cm長さ)と5個の絶縁平角銅線(30cm長さ)のいずれにもピンホールが確認されなかったものを合格(○)、10個のうちの1個でもピンホールが確認され場合は不合格(×)とした。
(可撓性試験)
(1)自己径巻付けでの被覆剥離の有無
同一巻枠から適切な長さの試験片3本を採り、それぞれについて試験片自身の周囲に線と線が接触するように緊密に10回巻き付けたとき、被膜に導体が見える亀裂が生じるかを目視で調べた。
(2)エッジワイズコイル巻での被覆剥離の有無。
同一巻枠から長さ約20cmの試験片2本を採り、規定の径をもつ丸棒の外周に沿って一平面内にあるように保ちながら、中央部をそれぞれフラットワイズ及びエッジワイズに180°曲げたとき、被膜に導体が見える亀裂が生じるかを目視で調べた。
(AC破壊電圧)
絶縁丸銅線に対して、JIS C 3003に準拠して、AC破壊電圧を測定した。すなわち、1cmのスズ箔を絶縁上巻き付け、導体−すず箔間にて測定した(n=3)。そして、各板に交流電圧発生装置を接続し、電圧を上昇させて、短絡した電圧を破壊電圧とする。破壊電圧が2.0kV以上を合格(〇)とし、破壊電圧が2.0kV未満の場合を不合格(×)とした。
(絶縁コーナーカバー性)
絶縁平角銅線の断面コーナー部の絶縁層の平均厚さ(D2)が平坦部の絶縁層の平均厚さ(D1)の0.8倍以上である場合を合格(○)、0.8倍未満である場合を不合格(×)とした。
Figure 0004594615
本発明の平角絶縁電線の断面の模式図である。 本発明の絶縁電線の製造方法におけるワニス(電着液)の電着工程で使用される一例の装置の模式図である。
符号の説明
1 平角絶縁電線
2 導体線
3 絶縁層

Claims (11)

  1. ポリイミドの主鎖中にシロキサン結合を含有し、分子中にアニオン性基を有するブロック共重合ポリイミドであって、重量平均分子量(Mw)が45,000〜90,000、数平均分子量(Mn)が20,000〜40,000であるブロック共重合ポリイミドの電着被膜を導体線外周の絶縁層として設けたことを特徴とする絶縁電線。
  2. ブロック共重合ポリイミドの固有対数粘度(25℃)が20wt%のNMP(N−メチル−2−ピロリドン)溶液時において、5,000〜50,000mPa・sである、請求項1記載の絶縁電線
  3. ポリイミドの主鎖中のシロキサン結合が、シロキサン結合含有ジアミン化合物由来のシロキサン結合であり、当該シロキサン結合含有ジアミン化合物が、ビス(4−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、及び下記の一般式(I)で表される化合物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である、請求項1又は2記載の絶縁電線。
    Figure 0004594615

    (式中、Rは、それぞれ独立して、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、又は1個乃至3個のアルキル基若しくはアルコキシル基で置換されたフェニル基を表し、l及びmはそれぞれ独立して1〜4の整数を表し、nは1〜20の整数を表す。)
  4. ブロック共重合ポリイミドのジアミン成分がシロキサン結合含有ジアミン化合物及び芳香族ジアミンからなり、テトラカルボン酸ジ無水物成分が芳香族テトラカルボン酸ジ無水物からなる、請求項1〜3のいずれか1項記載の絶縁電線。
  5. 芳香族ジアミンが、芳香族ジアミノカルボン酸及び/又は芳香族ジアミノスルホン酸を少なくとも含有する、請求項記載の絶縁電線。
  6. 芳香族テトラカルボン酸ジ無水物が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物、ビス−(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテルジ無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物、及び3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸ジ無水物から選ばれる少なくとも1種からなる、請求項又は記載の絶縁電線。
  7. 導体線の横断面形状が平角状である、請求項1〜のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  8. 導体線が銅または銅合金からなる、請求項1〜のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  9. 導体線外周の平坦面に形成された絶縁被膜の厚みが1.5〜30μmである、請求項に記載の絶縁電線。
  10. ブロック共重合ポリイミドの電着被膜が、該ブロック共重合ポリイミドを有機極性溶媒に溶解した溶液に水とポリイミドに対する貧溶媒とポリイミドを中和塩とするための中和剤とをさらに添加した溶液分散型ワニスを導体線外周に電着、焼付けして形成したものである、請求項1〜9のいずれか1項記載の絶縁電線。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の絶縁電線をエッジワイズコイル巻きまたは整列巻きした絶縁コイル。
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