以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、各図において共通する部分には、同一の符号が付されている。
[A.第1実施形態]
[A−1.実施形態の構成]
<1.通信システムの構成>
図1は、この発明の第1実施形態に係る通信システム1の構成を例示するブロック図である。同図に示すように通信システム1は、開発マシン10Aと、プリンタ10Bと、インターネット20と、バーコード発行サーバ30と、移動パケット通信網40と、携帯電話機50とを有している。なお、この通信システム1には、本来、多数の携帯電話機50が収容可能であるが、図面が煩雑になることを防ぐため、図1には1台の携帯電話機50のみを図示している。また、同様の理由により、図1には、それぞれ1台の開発マシン10A、プリンタ10B、ゲートウェイサーバ41および基地局42のみを図示している。
開発マシン10Aは、例えば、商品情報、携帯電話機50用の画像データや着信メロディデータなど、携帯電話機50に提供する各種のコンテンツデータを作成するコンピュータである。この開発マシン10Aは、インターネット20を介してバーコード発行サーバ30と通信を行う機能を有している。また、開発マシン10Aは、2次元バーコードを含む各種のデータをプリンタ10Bから印刷することができる。
バーコード発行センタは、バーコード発行サーバ30を有しており、コンテンツプロバイダに対してバーコード発行サービスを提供している。このバーコード発行サービスとは、バーコード発行サーバ30が、コンテンツプロバイダの開発マシン10Aから受信したコンテンツデータを携帯電話機50が光学的に読み取り可能な2次元バーコードに変換し、当該2次元バーコードの画像データを開発マシン10Aに返信するサービスである。また、バーコード発行サーバ30は、2次元バコードの発行料金を算出する機能や、2次元バーコードの発行料金に関する請求書を作成する機能などを有している。
なお、本実施形態においてバーコード発行センタは、移動パケット通信網40を運営し、携帯電話機50に対してパケット通信サービスを提供する通信事業者が運営しているものとする。但し、通信事業者とは別の事業者がバーコード発行センタを運営する形態であってもよい。また、本明細書においては、コンテンツプロバイダが2次元バーコードとしてユーザに提供するデータもコンテンツデータと記載する。
移動パケット通信網40は、当該移動パケット通信網40に収容される携帯電話機50にパケット通信サービスを提供する通信網であり、ゲートウェイサーバ41と基地局42とを有している。ゲートウェイサーバ41は、移動パケット通信網40用の通信プロトコルと、インターネット20において用いられている、例えば、TCP/IPやHTTPとの相互変換を行って、移動パケット通信網40とインターネット20とのデータの授受を中継する。また、基地局42は、移動パケット通信網40の通信サービスエリア内に多数設置されており、自局42のカバーする無線セルに在圏している携帯電話機50と無線通信を行う。なお、通信システム1は、移動パケット通信網40に加え、図示を省略した移動電話網を有している。この移動電話網は、携帯電話機50に対して一般的な移動電話の通話サービスを提供する。
携帯電話機50は、自機50が在圏している無線セルをカバーする基地局42と無線通信を行い、パケット通信サービスや通話サービスを受ける移動機である。この携帯電話機50は、例えば、書籍などに印刷された2次元バーコードを光学的に読み取り、当該2次元バーコードからコンテンツデータをデコードする機能や、現在時刻を計時する機能などを有している。
<2.バーコード発行サーバの構成>
図2は、バーコード発行サーバ30のハードウェア構成を例示するブロック図である。同図に示すようにバーコード発行サーバ30は、通信インタフェース301と、操作入力部302と、表示部303と、バーコード変換デバイス304と、プリンタドライバ305と、CPU306と、ROM307と、RAM308と、HD(Hard Disk)309とを有しており、これらの各部はバス310により接続されている。
通信インタフェース301は、インターネット20を介して当該バーコード発行サーバ30と他の通信装置(例えば、開発マシン10A)との間で行われる通信を制御する。また、操作入力部302は、キーボードやマウスなどを有しており、これらの操作に応じた操作信号をCPU306に出力する。表示部303には、例えば、2次元バーコードの発行料金に関する請求書データなどが表示される。
バーコード変換デバイス304は、CPU306の制御の下、コンテンツデータと、当該コンテンツデータに関する管理情報とを記録情報として有する2次元バーコードを生成する。なお、上記管理情報には、例えば、コンテンツプロバイダを識別するプロバイダIDや、携帯電話機50がこのコンテンツデータを読み取ることの可能な期間を示す有効期間情報などが含まれている。
プリンタドライバ305にはプリンタ60が接続されており、バーコード発行サーバ30は、プリンタドライバ305を介してプリンタ60を制御し、例えば、2次元バーコードの発行料金に関する請求書を印刷することができる。
CPU306は、ROM307やHD309などに格納されているプログラムを実行することにより、バス310を介して接続されている装置各部を制御する。ROM307には、バーコード発行サーバ30の装置各部の基本制御を司るプログラムが格納されている。また、RAM308は、CPU306のワークエリアとして用いられ、CPU306により実行されるプログラムや各種のデータが一時的に格納される。
HD309には、バーコード発行管理DB(Data Base)309aと、料金テーブル309bとが記憶されている。ここで、バーコード発行管理DB309aには、コンテンツプロバイダから2次元バーコードへの変換を依頼された各コンテンツデータ毎に、コンテンツデータと、コンテンツプロバイダから申請された有効期間情報(例えば、コンテンツデータの読み取りを可能とする読み取り開始期限および読み取りを不可とする読み取り終了期限)と、コンテンツプロバイダに関する情報(例えば、会社名、担当者名、住所、電話番号、メールアドレス)とが格納される。なお、上記有効期間情報は、例えば、コンテンツデータの読み取りを不可とする読み取り終了期限のみにより構成されるものであってもよい。
また、料金テーブル309bには、図3に示すように、コンテンツデータの読み取り有効期間が“1ヶ月”〜“無期限”まで計5段階設けられており、各有効期間毎に、2次元バーコードの発行料金を算出するための基準料金が設定されている。この基準料金は、有効期間が“1ヶ月”から順に“無期限”に移行する程、より高い値段となるよう設定されている。バーコード発行サーバ30は、この料金テーブル309bを参照して2次元バーコードの発行料金を算出する。
<3.携帯電話機の構成>
図4は、携帯電話機50のハードウェア構成を例示するブロック図である。同図に示すように携帯電話機50は、無線通信部501と、操作入力部502と、通話処理部503と、CCDカメラ504と、CPU505と、液晶表示部506と、記憶部507とを有しており、これらの各部はバス511により接続されている。また、図示を省略しているが、携帯電話機50は、現在時刻(年、月、日、時、分、秒)を計時する内部クロックを有している。
無線通信部501は、アンテナ501aを備え、基地局42との間で行われる無線通信を制御する。この無線通信部501は、CPU505の制御の下、例えば、送話音声に関するデータやパケット通信用のデータなどを搬送波に重畳して送信信号を生成し、この信号をアンテナ501aを介して基地局42へ送信する。また、無線通信部501は、基地局42から送られてくる無線信号をアンテナ501aを介して受信し、この信号を復調して自機50宛の受話音声に関するデータやパケット通信用のデータなどを得る。
操作入力部502は、数字や文字、操作指示などを入力するための複数のキーを有しており、これらのキーの操作に応じた操作信号をCPU505に出力する。また、通話処理部503は、例えばマイクロフォンやスピーカ、音声処理部などを有しており、CPU505の制御の下、呼の接続/切断を含む通話処理を行う。CCDカメラは、例えば、書籍などに印刷された2次元バーコードの画像を撮像する。
CPU505は、記憶部507に格納されている各種プログラムを実行することにより、バス511を介して接続されている装置各部を制御する。また、液晶表示部506は、液晶表示パネルと、この液晶表示パネルの表示制御を行う駆動回路とを有している。
記憶部507は、ROM508と、RAM509と、例えばSRAM(Static−RAM)やEEPROM(Electrically Erasable Programmable− ROM)などの不揮発性メモリ510とを有している。ROM508には、例えば、携帯電話機50用のオペレーティングシステムやWebブラウザなどのソフトウェアが格納されている。また、RAM509は、CPU505のワークエリアとして用いられ、CPU505により実行されるプログラムや各種のデータが一時的に格納される。
不揮発性メモリ510には、CCDカメラ504により撮像された画像内から2次元バーコードを識別し、当該2次元バーコードの画像からコンテンツデータおよびその管理情報をデコードするデコード用ソフトウェア510aが格納されている。また、この不揮発性メモリ510には、2次元バーコードからデコードされたコンテンツデータおよびその管理情報などが格納される。
以上が本実施形態に係る通信システム1の構成である。
[A−2.第1実施形態の動作]
次に、本実施形態の動作について説明する。
なお、以下に説明する本実施形態の動作では、図5に示す料理のレシピや作り方を示したテキストデータ形式のコンテンツデータを、図6に示す2次元バーコードに変換して携帯電話機50に提供する場合について説明する。
<1.バーコード発行処理1>
まず、バーコード発行サーバ30においてCPU306により実行されるバーコード発行処理1の動作について図7を参照して説明する。なお、このバーコード発行処理1が実行される前提として、コンテンツプロバイダは、開発マシン10Aを用いて以下に述べる処理を行なっているものとする。
すなわち、コンテンツプロバイダは、携帯電話機50に提供するコンテンツデータとして、図5に示したテキストデータを開発マシン10Aにおいて作成する。また、コンテンツプロバイダにはバーコード発行サービスに関するサービス内容として、図3に示した料金テーブル309bに関する情報がバーコード発行センタから事前に通知されており、コンテンツプロバイダは、この情報に従ってコンテンツデータの読み取り有効期間を決定する。
そして、コンテンツプロバイダは、作成したコンテンツデータと、このコンテンツデータに関する有効期間情報と、コンテンツプロバイダに関する情報(例えば、会社名、担当者名、住所、電話番号、メールアドレス)と、を開発マシン10Aからバーコード発行サーバ30へ送信する。
図7に示すバーコード発行処理1は、開発マシン10Aからコンテンツデータ、有効期間情報およびコンテンツプロバイダに関する情報をバーコード発行サーバ30が受信した場合に、CPU306により実行される。このバーコード発行処理1が開始されると、まず、CPU306は、開発マシン10Aから受信したコンテンツデータ、有効期間情報およびコンテンツプロバイダに関する情報をバーコード発行管理DB309aに格納する(ステップS101)。また、CPU306は、開発マシン10Aから受信した情報に基づいて、プロバイダIDや有効期間情報など、コンテンツデータの管理情報を設定する(ステップS102)。
次いで、CPU306は、開発マシン10Aから受信したコンテンツデータと、上記ステップS102において設定した管理情報とを記録情報として有する2次元バーコードをバーコード変換デバイス304を用いて生成する(ステップS103)。そして、CPU306は、生成した2次元バーコードの画像データを通信インタフェース301に転送し、当該2次元バーコードの画像データを開発マシン10Aへ返信する(ステップS104)。
この後、CPU306は、上記ステップS102において管理情報として設定したコンテンツデータの読み取り有効期間に対応する基準料金を料金テーブル309b(図3参照)から読み出して、当該基準料金に基づいて2次元バーコードの発行料金を算出する(ステップS105)。ここで、2次元バーコードの発行料金は、有効期間に対応する基準料金そのものであってもよいし、あるいは、コンテンツプロバイダから2次元バーコードの使用数を申告してもらうようにして、有効期間と使用数とに応じた金額を算出するようにしてもよい。また、2次元バーコードの発行料金は、有効期間や使用数に関係なく一律の金額であってもよい。
次いで、CPU306は、2次元バーコードの発行依頼元となるコンテンツプロバイダの会社名、担当者名、住所など、請求書の発行に必要となる情報をバーコード発行管理DB309aから読み出して、これらの情報と上記ステップS105において算出した2次元バーコードの発行料金とに基づいて請求書データを作成する(ステップS106)。そして、CPU306は、作成した請求書データをプリンタ60へ送出し、2次元バーコードの発行料金に関する請求書を印刷した後(ステップS107)、バーコード発行処理1を終了する。
バーコード発行センタでは、印刷された請求書をコンテンツプロバイダに発送し、2次元バーコードの発行料金をコンテンツプロバイダから徴収する。勿論、請求書は、バーコード発行サーバ30から電子メールなどによってコンテンツプロバイダの開発マシン10Aへ送信される形態であってもよい。このようにバーコード発行センタでは、コンテンツプロバイダからの依頼に応じて発行した2次元バーコードについて、その読み取り有効期間などに応じた発行料金をコンテンツプロバイダから徴収することができる。
なお、以上説明したバーコード発行処理1では、2次元バーコードの発行料金をコンテンツプロバイダが支払っていない段階で、2次元バーコードの画像データを開発マシン10Aに送信する形態としたが、勿論、コンテンツプロバイダが2次元バーコードの発行料金を支払ったことを確認した後、2次元バーコードの画像データを開発マシン10Aに送信するようにしてもよい。また、バーコード発行サーバ30は、毎月25日になると、前月25日から今月24日までの期間に発行した各2次元バーコードに関する請求書をまとめて印刷するようにしてもよい。
<2.2次元バーコードの提供方法>
上述したバーコード発行処理1によりバーコード発行サーバ30から送信された2次元バーコードの画像データを開発マシン10Aが受信すると、コンテンツプロバイダは、開発マシン10Aを操作して2次元バーコードの画像をプリンタ10Bから印刷する。例えば、図6に示した2次元バーコードは、図5に示した料理のレシピや作り方に関するテキストデータを記録情報として含んでいる。コンテンツプロバイダは、この2次元バーコードを料理本などの書籍やチラシなどに掲載することにより、携帯電話機50のユーザに対して2次元バーコードを提供する。
<3.バーコード読取処理1>
次に、携帯電話機50においてCPU505により実行されるバーコード読取処理1の動作について図8を参照して説明する。このバーコード読取処理1は、携帯電話機50において操作入力によりバーコード読取モードが選択された場合に、CPU505により実行される。
まず、CPU505は、2次元バーコードの画像を撮像するようユーザに促すメッセージを液晶画面に表示する。このメッセージに応じてユーザが、例えば、書籍やチラシなどに印刷されている2次元バーコードの画像を携帯電話機50に備わる撮像機能、すなわちCCDカメラ504を用いて撮像すると、まず、CPU505は、撮像された画像データを生成し(ステップS201)、当該画像データを不揮発性メモリ510に格納する(ステップS202)。
次いで、CPU505は、不揮発性メモリ510に格納されているデコード用ソフトウェア510aを起動して(ステップS203)、撮像された画像内から2次元バーコードの画像を識別する(ステップS204)。そして、CPU505は、識別した2次元バーコードの画像からコンテンツデータおよび当該コンテンツデータの管理情報をデコードする(ステップS205)。例えば、図6に示した2次元バーコードを読み取ってデコードすることにより、携帯電話機50は、図5に示したテキストデータとその管理情報とを得る。
なお、携帯電話機50は、撮像された画像内から2次元バーコードの画像を識別できなかった場合や、かろうじて2次元バーコードの画像を識別できたものの、十分な画像解像度を得ていないため2次元バーコードの画像からコンテンツデータをデコードできなかった場合などに、2次元バーコードを含む画像を再度撮像するようユーザに促すメッセージを液晶画面に表示し、バーコード読取処理1をリトライする機能を有している。
次いで、CPU505は、内部クロックにより計時されている現在時刻(年、月、日、時、分、秒)を取得し、当該現在時刻と、管理情報に含まれているコンテンツデータの読み取り有効期間とを比較して、コンテンツデータの読み取り有効期間内であるか否かを判別する(ステップS206)。その結果、有効期間内でないと判別した場合、CPU505は、読み取り有効期間外である旨のメッセージを液晶画面に表示し(ステップS207)、デコードされたコンテンツデータとその管理情報とを破棄してバーコード読取処理1を終了する。
一方、CPU505は、上記ステップS206において有効期間内であると判別した場合、デコードされたコンテンツデータを液晶画面に表示する(ステップS208)。これにより、携帯電話機50の液晶表示画面には、2次元バーコードからデコードした、例えば、図5に示した料理のレシピや作り方に関するコンテンツデータが表示される。次いで、CPU505は、不揮発性メモリ510への格納の有無を問うメッセージを液晶画面に表示し、操作入力により不揮発性メモリ510への格納が指示された場合に(ステップS209:Yes)、デコードされたコンテンツデータとその管理情報とを不揮発性メモリ510に格納し(ステップS210)、バーコード読取処理1を終了する。
なお、コンテンツデータの管理情報に含まれている有効期間情報は、あくまでコンテンツデータの読み取り有効期間を示すものに過ぎず、一旦、デコードされて不揮発性メモリ510に格納されたコンテンツデータは、上記有効期間に関係無く使用することが可能である。
このように2次元バーコードを用いて携帯電話機50にコンテンツデータを提供すれば、データ入力に要するユーザの負担を大幅に軽減することができる。例えば、携帯電話機50は、図6に示した2次元バーコードから図5に示した料理のレシピや作り方に関するコンテンツデータを取り込むことができる。この場合、夕食の材料を買出しに行く際に材料のメモを紙に書く代わりに携帯電話機50を利用することができるなど、携帯型情報ツールとしての携帯電話機50の利便性を向上することができる。
なお、本実施形態では、バーコード発行センタに対して2次元バーコードの発行を依頼する者がコンテンツプロバイダである場合について説明したが、バーコード発行センタに対して2次元バーコードの発行を依頼する者は、一般の個人ユーザであってもよい。
この場合、個人ユーザは、自己の所有するパーソナルコンピュータからインターネット20を介してバーコード発行サーバ30へ2次元バーコードの発行を依頼する。また、バーコード発行サーバ30から送信されてくる2次元バーコードの画像データをパーソナルコンピュータに接続されているプリンタから印刷して使用する。
例えば、個人ユーザの場合、2次元バーコードに変換してもらうデータとして自分の名刺情報(会社名、役職名、氏名、会社住所、電話番号など)をパーソナルコンピュータからバーコード発行サーバ30へ送信し、バーコード発行サーバ30から受信した2次元バーコードの画像をプリンタによりシール用紙に印刷して、自分の名刺に貼り付けて使用することなどができる。
勿論、個人ユーザが、自身の所有する携帯電話機50から2次元バーコードに変換してもらうデータをバーコード発行サーバ30へ送信するとともに、バーコード発行サーバ30において変換された2次元バーコードの画像を自身の携帯電話機50にて受信して液晶画面に表示し、当該表示された2次元バーコードの画像を、2次元バーコードの読み取り機能を有する他の携帯電話機50が読み取る形態も考えられる。
また、バーコード発行サーバ30は、一般の個人ユーザ用とコンテンツプロバイダ(情報配信事業者)用との計2種類の料金テーブル309bをHD309に記憶し、2次元バーコードの発行依頼者が個人ユーザであるのか、それとも情報配信事業者であるのかを特定して、個人ユーザと情報配信事業者とで2次元バーコードの発行料金を異ならせるようにしてもよい。
[B.第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、本実施形態において、第1実施形態と共通する部分については同一の符号を使用するものとする。また、第1実施形態と共通する部分についてはその説明を省略するものとする。
[B−1.実施形態の構成]
<1.通信システムの構成>
図9は、第2実施形態に係る通信システム2の構成を例示するブロック図である。同図に示すように通信システム2は、第1実施形態にて説明したインターネット20と、バーコード発行サーバ30と、移動パケット通信網40と、携帯電話機50とに加え、さらに通信料金管理サーバ70を有している。
この通信料金管理サーバ70は、移動パケット通信網40に収容される各携帯電話機50について、1ヶ月毎に通話やパケット通信の量などに応じた通信料金を算出し、当該通信料金を携帯電話機50の加入契約者(ユーザ)から徴収するための請求書を発行する。また、本実施形態において、通信料金管理サーバ70を有する通信料金センタとバーコード発行センタとは、共に、携帯電話機50に対してパケット通信サービスを提供する通信事業者が運営しているものとする。
また、本実施形態においてバーコード発行サーバ30のHD309には、第1実施形態にて説明した料金テーブル309b(図3参照)の代わりに、図10に示す料金テーブル309cが格納されている。この料金テーブル309cには、図10に示すように、2次元バーコードに変換するデータのバイト数に応じて“200未満”〜“700以上”までの計3区分が設けられており、各区分毎に、2次元バーコードの発行料金を算出するための基準料金が設定されている。
なお、この料金テーブル309cにおいて、2次元バーコードに変換するデータのバイト数が“200未満”の場合、基準料金は“0”である。これは、2次元バーコードに変換するデータが200バイト未満である場合、2次元バーコードの発行料金を無料とすることを示している。
本実施形態において第1実施形態と異なる点は、バーコード発行サーバ30に対して2次元バーコードの発行を依頼するのが携帯電話機50である点と、2次元バーコードの発行料金が2次元バーコードに変換するデータのバイト数に応じて算出される点と、2次元バーコードの発行料金を携帯電話機50の通信料金としてユーザから徴収する点である。以下に、第1実施形態と異なる点を中心として本実施形態の動作について説明する。
[B−2.第2実施形態の動作]
<1.バーコード発行処理2>
バーコード発行サーバ30においてCPU306により実行されるバーコード発行処理2の動作について図11を参照して説明する。なお、このバーコード発行処理2が実行される前提として、バーコード発行サーバ30に対して2次元バーコードの発行を依頼する携帯電話機50では、以下に述べる処理が行われているものとする。
すなわち、携帯電話機50では、まず、ユーザによりWebブラウザが起動され、移動パケット通信網40およびインターネット20を介してバーコード発行サーバ30に接続要求が送信される。バーコード発行サーバ30には、バーコード発行サービス用のホームページが用意されており、当該ホームページにアクセスした携帯電話機50の液晶画面には、バーコード発行サービスに関するサービスメニューが表示される。
このメニュー表示に応じて、ユーザが操作入力により、2次元バーコードに変換するデータの入力メニューを選択し、例えば、図12に示すようなテキストデータを入力して送信を指示すると、携帯電話機50は、入力されたテキストデータおよび当該携帯電話機50の移動機ID(例えば電話番号)をバーコード発行サーバ30へ送信する。図11に示すバーコード発行処理2は、携帯電話機50からコンテンツデータおよび移動機IDをバーコード発行サーバ30が受信した場合に、CPU306により実行される。
このバーコード発行処理2が開始されると、まず、CPU306は、携帯電話機50から受信したテキストデータおよび移動機IDをバーコード発行管理DB309aに格納する(ステップS301)。
次いで、CPU306は、携帯電話機50から受信したテキストデータのバイト数(文字数)を計数し、2次元バーコードに変換するデータのデータ量を計測する(ステップS302)。この後、CPU306は、携帯電話機50から受信したテキストデータをバーコード変換デバイス304を用いて2次元バーコードに変換し(ステップS303)、当該2次元バーコードの画像データを発行要求元の携帯電話機50へ返信する(ステップS304)。
そして、CPU306は、上記ステップS302において計測したバイト数に対応する基準料金を料金テーブル309c(図10参照)から読み出して、当該基準料金に基づいて2次元バーコードの発行料金を算出する(ステップS305)。なお、2次元バーコードに変換するデータ量が200バイト未満の場合、2次元バーコードの発行料金は無料となる。
この後、CPU306は、算出した2次元バーコードの発行料金が有料であるか否かを判別し(ステップS306)、無料である場合はバーコード発行処理2を終了する。一方、CPU306は、2次元バーコードの発行料金が有料であると判別した場合は(ステップS306:Yes)、上記ステップS305において算出した2次元バーコードの発行料金と、発行依頼元の携帯電話機50から受信した移動機IDとを通信料金管理サーバ70へ送信した後(ステップS307)、バーコード発行処理2を終了する。
<2.通信料金管理サーバの動作>
通信料金管理サーバ70は、バーコード発行サーバ30から2次元バーコードの発行料金および移動機IDを受信すると、まず、受信した2次元バーコードの発行料金を、同時に受信した移動機IDにより特定される携帯電話機50の通信料金に加算する課金情報として課金管理用DBに蓄積する。
そして、通信料金管理サーバ70は、例えば、毎月25日など、予め定められた日時になると、課金管理用DBを参照して各携帯電話機50毎に、1ヶ月分の通信料金を算出する。この際、課金管理用DBに課金情報として2次元バーコードの発行料金が蓄積されている場合、当該2次元バーコードの発行料金が通信料金に加算される。また、通信料金管理サーバ70は、各携帯電話機50毎に、通信料金に関する請求書を印刷する。
そして、通信料金センタは、印刷された請求書をユーザに発送し、2次元バーコードの発行料金を含む通信料金をユーザから徴収する。このように2次元バーコードの発行料金を携帯電話機50の通信料金としてユーザから徴収するようにしてもよい。なお、バーコード発行センタの運営事業者が通信事業者とは異なる場合、通信料金センタ(通信事業者)は、2次元バーコードの発行料金を含む通信料金をユーザから徴収した後、2次元バーコードの発行料金分の金額をバーコード発行センタの運営事業者へ送金する。
<3.携帯電話機の動作>
携帯電話機50は、バーコード発行サーバ30から送信されてくる2次元バーコードの画像データを受信し、不揮発性メモリ510に格納することができる。また、携帯電話機50のCPU505は、不揮発性メモリ510に格納された2次元バーコードの画像データについて、操作入力などにより画面表示する旨の指令を受けると、図13に示すように2次元バーコードの画像を液晶画面に表示する。この液晶画面に表示される2次元バーコードは、例えば、図12に示した、ユーザの氏名、住所、電話番号、メールアドレスを記録情報として有しており、この2次元バーコードを、2次元バーコードの読み取り機能を有する他の携帯電話機50が読み取ることができる。
なお、携帯電話機50において2次元バーコードを読み取る処理は、第1実施形態にて説明したバーコード読取処理1(図8参照)と略同様であるので説明を省略する。但し、携帯電話機50には、例えば、2次元バーコードからデコードしたユーザの氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどを電話帳や住所録、メールアドレス帳などの携帯電話機50が有している各種のアドレス帳に関連付けて登録するアプリケーションプログラムが記憶されており、このアプリケーションプログラムによって、2次元バーコードからデコードしたユーザの氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどが上述した各種のアドレス帳に自動的に登録される。
また、図14に示すように、携帯電話機51が、通信ケーブルを介して接続されたパーソナルコンピュータ80との間で行われる有線通信を制御する通信インタフェース512を有している場合、携帯電話機51は、バーコード発行センタ30から受信した2次元バーコードの画像データを通信インタフェース512を介してパーソナルコンピュータ80に転送することが可能である。この場合、ユーザは、パーソナルコンピュータ80を操作して、携帯電話機51から転送された2次元バーコードの画像をプリンタ60から印刷し、使用することができる。なお、通信インタフェース512は、例えば、Bluetooth(登録商標)やHomeRF、赤外線通信などの近距離無線通信を制御するものであってもよい。
[C.第3実施形態]
上述した第1および第2実施形態では、コンテンツプロバイダあるいは個人ユーザから依頼されたデータをバーコード発行センタにおいて2次元バーコードに変換する場合について説明した。しかしながら、2次元バーコードの発行を管理する機関が、2次元バーコード変換用のソフトウェアをコンテンツプロバイダあるいは個人ユーザに提供する形態であってもよい。
但し、この場合、例えば、コンテンツプロバイダと、2次元バーコードの発行を管理する機関との間で2次元バーコード変換用のソフトウェアの提供に関する契約を結ぶ際には、一定金額以上の2次元バーコードの発行料金が事前にコンテンツプロバイダから2次元バーコードの発行を管理する機関へ支払われ、コンテンツプロバイダに提供される2次元バーコード変換用のソフトウェアには、支払われた金額に応じたクレジット値が対応付けられている。
以下に、コンテンツプロバイダが、2次元バーコードの発行を管理する機関から提供された2次元バーコード変換用のソフトウェアを開発マシン10Aにインストールし、当該2次元バーコード変換用のソフトウェアを起動して2次元バーコードを発行する場合の動作について図15を参照して説明する。なお、2次元バーコード変換用のソフトウェアが開発マシン10Aにインストールされる際には、この2次元バーコード変換用のソフトウェアに対応付けられている上記クレジット値および第1実施形態にて説明した料金テーブル309b(図3参照)が、開発マシン10Aのメモリに格納される。
開発マシン10Aにおいて2次元バーコード変換用のソフトウェア(バーコード発行処理3)が起動されると、まず、開発マシン10Aでは、携帯電話機50に提供されるコンテンツデータがコンテンツプロバイダにより作成される(ステップS401)。また、コンテンツプロバイダによってコンテンツデータの読み取り有効期間などに関する情報が入力されると、開発マシン10Aは、コンテンツデータの管理情報を設定する(ステップS402)。
次いで、開発マシン10Aは、メモリに記憶されている料金テーブル309bから、上記設定した管理情報に含まれているコンテンツデータの読み取り有効期間に対応する基準料金を読み出して、当該基準料金に基づいて2次元バーコードの発行料金を算出する(ステップS403)。なお、2次元バーコードの発行料金は、第2実施形態において説明したように、2次元バーコードに変換されるデータの量に応じて算出されるものであってもよい。この場合、2次元バーコード変換用のソフトウェアには、第2実施形態にて説明した料金テーブル309c(図10参照)が対応付けられている。
次いで、開発マシン10Aは、メモリに記憶されているクレジット値の残高を読み出して(ステップS404)、当該クレジット値の残高と、上記ステップS403において算出した2次元バーコードの発行料金分のクレジット値とを比較し、クレジット値の残高が2次元バーコードの発行料金分だけ残っているか否かを判定する(ステップS405)。
その結果、開発マシン10Aは、クレジット値の残高が2次元バーコードの発行料金分に満たないと判定した場合は(ステップS405:No)、クレジット値の更新を促すメッセージを画面に表示し(ステップS406)、バーコード発行処理3を終了する。なお、このメッセージ表示に応じて、コンテンツプロバイダが開発マシン10Aから2次元バーコードの発行を管理する機関の管理用サーバにアクセスし、2次元バーコードの発行料金として新たに幾らかの金額を電子決済により支払うと、開発マシン10Aのメモリに記憶されているクレジット値の残高が、当該残高に上記支払い金額に応じたクレジット値を加算した値に書替えられる。なお、開発マシン10Aは、クレジット値の残高が予め定められた所定値よりも少なくなった場合に、クレジット値の更新を促すメッセージを画面に表示するようにしてもよい。
一方、開発マシン10Aは、クレジット値の残高が十分に残っていると判定した場合は(ステップS405:Yes)、上記ステップS401において作成されたコンテンツデータと、上記ステップS402において設定された管理情報とを記録情報として有する2次元バーコードを生成する(ステップS407)。また、開発マシン10Aは、メモリに記憶されているクレジット値の残高を、当該残高から2次元バーコードの発行料金分に相当するクレジット値を減算した値に書き替える(ステップS408)。
この後、開発マシン10Aは、生成した2次元バーコードの画像を画面に表示することや、2次元バーコードの画像データを開発マシン10Aに接続されたプリンタに出力すること、あるいは2次元バーコードの画像データを開発マシン10Aの外部へ送信することなど、生成した2次元バーコードの画像データの出力を許可し(ステップS409)、バーコード発行処理3を終了する。
このように、2次元バーコードの発行を管理する機関が2次元バーコード変換用のソフトウェアをコンテンツプロバイダまたは個人ユーザに提供するようにしてもよい。なお、この2次元バーコード変換用のソフトウェアは、ネットワークを介して開発マシン10Aに提供される形態であってもよいし、あるいは、光記録媒体や磁気記録媒体、半導体メモリなどの任意の記録媒体を用いて開発マシン10Aに提供される形態であってもよい。
なお、本実施形態では、金額に応じたクレジット値を用いた場合について説明したが、上記クレジット値の代わりに、コンテンツプロバイダから支払われた金額分で発行可能な2次元バーコードの許容発行回数を示す数値を用いるようにしてもよい。この場合、開発マシン10Aは、2次元バーコード変換用のソフトウェアを起動して2次元バーコードを発行するたびに、メモリに記憶されている許容発行回数の数値をデクリメント(−1)する。
また、本実施形態では、クレジット値を2次元バーコード変換用のソフトウェアと対応付けて開発マシン10Aのメモリに記憶する構成とした。しかしながら、このような場合、悪意のあるユーザやコンテンツプロバイダが開発マシン10Aに記憶されているクレジット値を改竄するおそれがある。
したがって、2次元バーコードの発行を管理する機関が所有する管理サーバに上記クレジット値を記憶しておく構成としてもよい。この場合、開発マシン10Aにおいて2次元バーコード変換用のソフトウェアを起動して2次元バーコードを発行する際には、コンテンツプロバイダあるいは2次元バーコード変換用のソフトウェアに対して割り当てられたID情報を用いて上記管理サーバへアクセスし、当該管理サーバに記憶されている自己のクレジット値の読み出しや書き込みを行う。勿論、上述した許容発行回数の数値を同様に管理してもよい。
また、金額に応じたクレジット値を用いるのではなく、2次元バーコード変換用のソフトウェアは、2次元バーコードの発行に伴い、2次元バーコードに変換したデータの量や有効期間、発行回数などに応じてその発行料金を算出し、当該発行料金をコンテンツプロバイダが事前に登録しておいた銀行口座から引き落とす決済処理(課金処理)を行うようにしてもよい。
[D.第4実施形態]
次に、図16は、第4実施形態に係る通信システム各部の動作を説明するシーケンスチャートである。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と共通する部分については同一の符号を使用し、その説明を省略するものとする。
まず、本実施形態において、2次元バーコードに変換されるコンテンツデータには、図17に示すように、このコンテンツに関するより詳細な情報を提供するサイトのURLが含まれている。このようなURLを含んだコンテンツデータがコンテンツプロバイダによって開発マシン10Aからバーコード発行サーバ30へ送信される。
そして、バーコード発行サーバ30は、開発マシン10Aから受信したコンテンツデータと、今回新たに発行する2次元バーコードに割り当てたバーコードIDとを記録情報として有する2次元バーコードを生成し(ステップS501)、当該2次元バーコードの画像データを開発マシン10Aへ返信する。また、バーコード発行サーバ30は、発行した2次元バーコードのバーコードIDを移動パケット通信網40内のゲートウェイサーバ41に送信する(ステップS502)。
ゲートウェイサーバ41は、移動パケット通信網40に収容される各携帯電話機50からのインターネットアクセスを中継する中継装置であって、図18に示す中継管理テーブル410aをメモリに記憶している。ゲートウェイサーバ41は、バーコード発行サーバ30からバーコードIDを受信すると、当該バーコードIDを中継管理テーブル410aに追加する。
一方、携帯電話機50は、例えば、コンテンツプロバイダにより物品などに添付された2次元バーコードを読み取り、当該2次元バーコードからコンテンツデータおよびバーコードIDをデコードする。そして、携帯電話機50は、デコードしたコンテンツデータ(図17参照)を液晶画面に表示する。この表示に応じて、操作入力により、画面表示されているURLが指定され、このURLにより指定されるサイトへのアクセスが指示されると、携帯電話機50は、当該URLと、このコンテンツデータとともにデコードされたバコードIDとを含んだ接続要求を基地局42へ送信する。この接続要求は、基地局42から交換機を介してゲートウェイサーバ41へ送信される(ステップS503)。
ゲートウェイサーバ41は、携帯電話機50から接続要求を受信すると、この接続要求に含まれているURLにより指定されるコンテンツサーバへ接続要求を送信し(ステップS504)、携帯電話機50とコンテンツサーバとの通信を中継する(ステップS505)。このステップS505における通信により、携帯電話機50が2次元バーコードからデコードしたバーコードIDと対応付けられてコンテンツサーバに記憶されている、このコンテンツに関するより詳細な情報(コンテンツ)が携帯電話機50にダウンロードされる。また、ゲートウェイサーバ41は、携帯電話機50から受信した接続要求に含まれているバーコードIDに基づいて、図18に示した中継管理テーブル410aにおいて、対応する中継回数の値をインクリメント(+1)する(ステップS506)。
そして、ゲートウェイサーバ41は、例えば、毎月25日など、予め定められた日時になると、前月25日から今月24日までの期間における中継回数を各バーコードID毎に算出し、当該各バーコードID毎に算出された1ヶ月分の中継回数データをバーコード発行サーバ30へ送信する(ステップS507)。
バーコード発行サーバ30のHD309には、第1実施形態にて説明した料金テーブル309b(図3参照)の代わりに、図19に示す料金テーブル309dが格納されている。バーコード発行サーバ30は、ゲートウェイサーバ41から各バーコードID毎に算出された1ヶ月分の中継回数データを受信すると、当該中継回数データと、料金テーブル309d(図19参照)とに基づいて、各2次元バーコード毎に中継回数に応じた2次元バーコードの使用料金を算出する(ステップS508)。そして、バーコード発行サーバ30は、各2次元バーコード毎にその使用料金に関する請求書データを作成してプリンタ60に出力し、請求書を印刷する(ステップS509)。
このようにバーコード発行センタでは、コンテンツプロバイダからの依頼に応じて発行した2次元バーコードの使用料金を、この2次元バーコードに含まれているURLを用いて各携帯電話機50が通信を行った回数に基づいて、例えば1ヶ月毎など定期的に算出し、当該2次元バーコードの使用料金をコンテンツプロバイダから徴収することができる。
なお、本実施形態では、2次元バーコードに含まれているURLを用いて各携帯電話機50が通信を行った回数をゲートウェイサーバ41にて検出するようにしたが、上記通信回数は、例えば、バーコード発行サーバ30などインターネット20上のサーバにて検出するようにしてもよい。
また、本実施形態では、2次元バーコードの発行に伴う使用料金の算出(ステップS508)や請求書の印刷(ステップS509)を、バーコード発行サーバ30において行うようにしたが、勿論、バーコード発行センタ内に設けられた、バーコード発行サーバ30とは別のサーバやゲートウェイサーバ41、上記第2実施形態にて説明した料金管理センタ内の通信料金管理サーバ70などにおいて、使用料金の算出や請求書の印刷を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、2次元バーコードに、ネットワーク上におけるコンテンツの所在を示すURLと、この2次元バーコードのバーコードIDとを記録情報として含ませるようにしたが、URLのみで十分にコンテンツが特定可能である場合には、バーコードIDを2次元バーコードに記録情報として含ませる必要はない。なお、この場合、ゲートウェイサーバ41などの中継装置において、携帯電話機50からの接続要求が2次元バーコードからデコードしたデータに基づくものであるか否かを判別するための情報が上記接続要求に含まれていてもよい。また、携帯電話機50が、2次元バーコードの読み取りに応じて通信を行なう場合、予めメモリにその通信アドレスが登録されている特定のコンテンツサーバと通信を行うように設定されていれば、バーコードIDのみを2次元バーコードに記録情報として含ませておけばよく、URLを2次元バーコードに記録情報として含ませる必要はない。
[E.第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と共通する部分については同一の符号を使用するものとする。また、第1実施形態と共通する部分についてはその説明を省略するものとする。
<1.携帯電話機の構成>
図20は、本実施形態に係る携帯電話機55のハードウェア構成を例示するブロック図である。同図に示す携帯電話機55が、第1実施形態における携帯電話機50と異なるのは、不揮発性メモリ520内に機種情報格納領域520aおよび基地局ID格納領域520bを有している点である。なお、図示を省略しているが、この携帯電話機55は、第1実施形態における携帯電話機50と同様に、現在時刻(年、月、日、時、分、秒)を計時する内部クロックを有している。
機種情報格納領域520aには、携帯電話機55の型式などを示す機種情報が格納されている。また、基地局ID格納領域520bには、現時点において携帯電話機55が在圏している無線セルをカバーする基地局42の基地局IDが格納されている。なお、携帯電話機55が移動パケット通信網40の通信サービスエリア外にいる場合や電波の届かない場所にいる場合には、基地局ID格納領域520bに圏外であることを示すデータが格納される。
<2.2次元バーコードに記録情報として含まれているコンテンツデータのデータ構成>
次に、本実施形態において2次元バーコードに記録情報として含まれているコンテンツデータのデータ構成を図21〜図24に例示する。例えば、図21に示す例においては、携帯電話機55が2次元バーコードの読み取りを行った時間帯に応じて異なるコンテンツデータを表示するため、“00:00〜09:59”、“10:00〜13:59”、“14:00〜23:59”の各時間帯毎に、別々のコンテンツデータが含まれている。なお、当然であるが、時間帯以外に、例えば月日などを用いて期間を定めてもよい。また、図22に示す例においては、2次元バーコードの読み取りを行ったときに携帯電話機55が位置している場所に応じて異なるコンテンツデータを表示するため、“関東地区”や“関西地区”などの各地域毎に、別々のコンテンツデータが含まれている。勿論、地域の大きさは任意に設定可能である。
また、図23に示す例においては、2次元バーコードの読み取りを行ったときに携帯電話機55を使用しているユーザに応じて異なるコンテンツデータを表示するため、“A0000〜A9999”および“B0000〜B9999”の各ユーザID群毎に、別々のコンテンツデータが含まれている。なお、同図に示す例の場合、レンタル店の会員に入会を希望するユーザに対してアンケートを実施し、その回答に従って、映画に興味があるユーザには“A0000〜A9999”の範囲でユーザIDを付加し、音楽に興味のあるユーザには“B0000〜B9999”の範囲でユーザIDを付加している。
また、携帯電話機55は、液晶画面のサイズや表示することのできる色、取扱うことのできるデータの形式などが機種毎に異なる。図24に示す例においては、機種毎に最も適した形式でコンテンツデータの表示が行えるよう、“P503”や“N211”などの携帯電話機55の機種毎に、当該機種用に作成されたコンテンツデータが含まれている。
このように本実施形態における2次元バーコードには、時間帯毎、地域毎、ユーザID毎あるいは機種毎に、それぞれ別々のコンテンツデータが記録情報として含まれている。
<3.バーコード読取処理2>
次に、携帯電話機55においてCPU505により実行されるバーコード読取処理2の動作について図25を参照して説明する。なお、第1実施形態にて説明したバーコード読取処理1(図8参照)と同一のステップには、同じステップ番号を付し、動作説明を簡略化している。
このバーコード読取処理2は、携帯電話機55において操作入力によりバーコード読取モードが選択された場合に、CPU505により実行される。バーコード読取処理2が開始されると、まず、CPU505は、2次元バーコードの画像を撮像するようユーザに促すメッセージを液晶画面に表示する。このメッセージに応じてユーザが、携帯電話機55に備わるCCDカメラ504を用いて2次元バーコードの画像を撮像すると、CPU505は、撮像された画像データを生成し(ステップS201)、この画像データを不揮発性メモリ520に格納する(ステップS202)。
次いで、CPU505は、不揮発性メモリ520に格納されているデコード用ソフトウェア510aを起動して(ステップS203)、撮像された画像内から2次元バーコードの画像を識別する(ステップS204)。この後、CPU505は、識別した2次元バーコードの画像からコンテンツデータをデコードする(ステップS205)。なお、図21〜図24に示したように、2次元バーコードに、時間帯毎、地域毎、ユーザID毎あるいは機種毎に、それぞれ別々のコンテンツデータが含まれている場合、CPU505は、2次元バーコードの画像から、各コンテンツデータに加え、当該各コンテンツデータの使用を許可する条件を示した使用条件情報(時間帯情報、地域情報、ユーザID、機種情報のいずれか1以上)をデコードする。
次いで、CPU505は、2次元バーコードに使用条件情報が含まれていたか否かを判別する(ステップS521)。その結果、CPU505は、使用条件情報が含まれていなかったと判別した場合、デコードしたコンテンツデータを液晶画面に表示し(ステップS522)、ステップS526に移行する。
一方、CPU505は、2次元バーコードに使用条件情報が含まれていたと判別した場合(ステップS521:Yes)、まず、使用条件情報の種類を判別する。次いで、CPU505は、判別した使用条件情報の種類に応じて、例えば、使用条件情報が時間帯情報であった場合は、まず、内部クロックにより計時されている現在時刻を取得する(ステップS523)。次いで、CPU505は、取得した現在時刻と、2次元バーコードに含まれていた時間帯情報とに基づいて、デコードした各コンテンツデータの中から、使用を許可するコンテンツデータを決定し(ステップS524)、このコンテンツデータのみを液晶画面に表示する(ステップS525)。
例えば、2次元バーコードから図21に示した各コンテンツデータおよび時間帯情報がデコードされ、現在時刻が11時35分であった場合、CPU505は、“10:00〜13:59”に対応するコンテンツデータのみを液晶画面に表示する。なお、携帯電話機55は、内部クロックにより計時されている現在時刻の代りに、移動パケット通信網40から提供される、より高精度な現在時刻情報を用いるようにしてもよい。
また、CPU505は、使用条件情報が地域情報であった場合、まず、基地局ID格納領域520bから基地局IDを取得する(ステップS523)。次いで、CPU505は、取得した基地局IDを、図示を省略した位置情報サービスサーバへ送信する。この位置情報サービスサーバは、例えば、移動パケット通信網40内やインターネット20上に設けられており、携帯電話機55からの問い合わせに応じて基地局IDを緯度経度情報や住所に変換して返信する機能を有している。
携帯電話機55のCPU505は、位置情報サービスサーバから緯度経度情報や住所などの位置情報を受信すると、当該位置情報に基づいて、2次元バーコードに含まれていた各地域情報の中から携帯電話機55が現在位置している地域を割り出す。そして、CPU505は、デコードした各コンテンツデータの中から、割り出した地域に対応付けられているコンテンツデータを、使用を許可するコンテンツデータとして特定し(ステップS524)、このコンテンツデータのみを液晶画面に表示する(ステップS525)。例えば、2次元バーコードから図22に示した各コンテンツデータおよび地域情報がデコードされ、携帯電話機55の現在位置が東京都内であった場合、CPU505は、“関東地域”に対応するコンテンツデータのみを液晶画面に表示する。
なお、上述した位置情報サービスサーバの代わりに、携帯電話機55の位置を測位する測位センタを利用してもよい。この場合、携帯電話機55は、測位センタに対して自機55の現在位置の測位を要求する。また、携帯電話機55が、基地局IDを緯度経度情報や住所に変換に変換する機能を有している場合は、上述した位置情報サービスサーバや測位センタを用いる必要はない。加えて、携帯電話機55がGPS(Global Positioning System)機能を有している場合、このGPS機能を用いて測位した携帯電話機55の位置情報(緯度・経度、高度)を基地局IDの代りに用いることができる。勿論、GPS機能が内蔵されているのではなく、GPS受信機が携帯電話機55に接続される形態であってもよい。
また、CPU505は、使用条件情報がユーザIDであった場合、まず、液晶画面にユーザIDの入力を促すメッセージを表示し、この表示に応じて入力されたユーザIDを取得する(ステップS523)。次いで、CPU505は、取得したIDと、2次元バーコードに含まれていたユーザID情報とに基づいて、デコードした各コンテンツデータの中から、使用を許可するコンテンツデータを決定し(ステップS524)、このコンテンツデータのみを液晶画面に表示する(ステップS525)。
例えば、2次元バーコードから図23に示した各コンテンツデータおよびユーザID情報がデコードされ、入力されたユーザIDが「A0039」であった場合、CPU505は、“A0000〜A9999”に対応するコンテンツデータのみを液晶画面に表示する。なお、複数のユーザに対して同一のユーザIDが割り当てられていてもよい。また、ユーザIDの代りに、パスワードなどの本人認証のために用いられる認証情報を使用してもよい。また、2次元バーコードを用いたコンテンツデータの提供対象は、複数ユーザではなく1人のみであってもよい。また、携帯電話機55が、当該携帯電話機55を使用しているユーザのバイオメトリクス情報(例えば、指紋や声紋、網膜等)を取得して分析する機能を有している場合は、当該機能を用いて取得されたバイオメトリクス情報をユーザIDの代りに用いることもできる。
また、CPU505は、使用条件情報が機種情報であった場合、まず、機種情報格納領域520aから当該携帯電話機55の機種情報を取得する(ステップS523)。次いで、CPU505は、取得した機種情報と、2次元バーコードに含まれていた機種情報とに基づいて、デコードした各コンテンツデータの中から、使用を許可するコンテンツデータを決定し(ステップS524)、このコンテンツデータのみを液晶画面に表示する(ステップS525)。
例えば、2次元バーコードから図24に示した各コンテンツデータおよび機種情報がデコードされ、携帯電話機55の機種が「P503」であった場合、CPU505は、“P503”に対応するコンテンツデータのみを液晶画面に表示する。なお、機種情報は、携帯電話機55の機種に限らず、2次元バーコードの読み取り機能を有する、モバイルコンピュータやPDAなどの電子機器の種類を示す情報であってもよい。
この後、CPU505は、2次元バーコードからデコードしたコンテンツデータを不揮発性メモリ520へ格納するか否かを問うメッセージを液晶画面に表示する。そして、CPU505は、操作入力により不揮発性メモリ520への格納が指示された場合に(ステップS526:Yes)、コンテンツデータを不揮発性メモリ520に格納し(ステップS527)、バーコード読取処理2を終了する。
なお、コンテンツデータを不揮発性メモリ520へ格納する際、図21〜図24に示したように、2次元バーコードに、時間帯毎、地域毎、ユーザID毎あるいは機種毎に別々のコンテンツデータが含まれていた場合、CPU505は、各コンテンツデータおよびその使用条件情報を不揮発性メモリ520に格納する。また、このようにして不揮発性メモリ520に格納されたコンテンツデータを読み出して使用する場合、CPU505は、読み出しが指示されたときの現在時刻や自機55の位置、入力されたユーザID、あるいは機種情報に応じたコンテンツデータのみを液晶画面に表示する。
このように2次元バーコードを用いてコンテンツデータを提供する際に、使用条件情報を用いるようにすれば、2次元バーコードの読み取りを行ったときの時刻や携帯電話機55の位置、携帯電話機55を使用しているユーザ、携帯電話機55の機種などに応じて、表示するコンテンツデータを適宜異ならせることができる。勿論、上述したように、2次元バーコードからデコードされ、不揮発性メモリ520に格納されたコンテンツデータを読み出して使用する場合にも、同様の効果を得ることができる。
なお、2次元バーコードを用いて提供されるコンテンツデータは、テキストデータ以外に画像データや楽音データなどであってもよい。コンテンツデータが楽音データである場合は、楽音データに基づく楽音が携帯電話機55に備わるスピーカ(図示せず)から出力される。
また、機種毎に最も適した表示形式でコンテンツデータを表示させる場合、図24に示したように各機種毎にコンテンツデータを用意するのではなく、1つのコンテンツデータと、このコンテンツデータの表示形式を携帯電話機55の機種に応じた表示形式に変換するための各機種用の表示形式変換データと、を2次元バーコードに記録情報として含ませるようにしてもよい。この場合、携帯電話機55は、2次元バーコードからデコードしたコンテンツデータの表示形式を、自機55の機種に応じた表示形式変換データを用いて変換し、液晶画面に表示する。
また、時間帯、地域、ユーザIDあるいは機種などの使用を許可する条件は、適宜組み合わせて使用してもよい。さらに、ユーザIDの代りに、電話番号や製造番号などの携帯電話機55毎に固有な識別情報を使用してもよい。
[F.第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態について説明する。なお、本実施形態において用いられる携帯電話機は、第5実施形態において説明した携帯電話機55と同じハードウェア構成を有するので、同一の符号を使用し、その説明を省略するものとする。
第6実施形態においてコンテンツプロバイダは、例えば、書籍や店頭に貼られるポスターなどに2次元バーコードを印刷するが、この2次元バーコードには、書籍やポスターに掲載された情報に関して、より詳細な情報を提供するサイト(コンテンツサーバ)のURLと、この2次元バーコードのバーコードIDとが記録されている。また、コンテンツプロバイダは、上記URLにより指定されるコンテンツサーバを用いて、書籍やポスターに掲載された情報に関する、より詳細な情報(コンテンツデータ)を提供する。
次に、コンテンツサーバに記憶されているコンテンツデータについて説明する。コンテンツサーバは、例えば、携帯電話機55から同じ2次元バーコードの読み取りに基づくアクセスがあった場合でも、携帯電話機55が2次元バーコードの読み取りなどを行った時間帯に応じて異なるコンテンツデータを提供するため、図26に示すように、同一のバーコードIDに対して各時間帯毎に別々のコンテンツデータを記憶している。同様に、コンテンツサーバは、例えば、携帯電話機55が2次元バーコードの読み取りなどを行ったときに位置している場所に応じて、同じ2次元バーコードであっても異なるコンテンツデータを提供するため、図27に示すように、同一のバーコードIDに対して各地域毎に別々のコンテンツデータを記憶している。
なお、コンテンツサーバは、上述した時間帯や地域の他に、ユーザIDや携帯電話機55の機種についても同様に、ユーザID毎あるいは携帯電話機55の機種毎に別々のコンテンツデータを記憶し、携帯電話機55から同じ2次元バーコードの読み取りに基づくアクセスがあった場合でも、携帯電話機55を使用しているユーザや携帯電話機55の機種に応じて異なるコンテンツデータを提供する。
次に、図28は、本実施形態に係る携帯電話機55およびコンテンツサーバの動作を説明するシーケンスチャートである。まず、携帯電話機55は、ユーザの操作に応じて2次元バーコードを読み取り、コンテンツサーバのURLと、この2次元バーコードのバーコードIDとをデコードする(ステップS541)。なお、この2次元バーコードには、携帯電話機55がコンテンツサーバへアクセスする際に必要となる付加情報の種類を指定する指定情報が含まれている。
ここで、付加情報とは、例えば、携帯電話機55が2次元バーコードの読み取りを行ったときの時刻や、2次元バーコードの読み取りを行ったときの携帯電話機55の位置、携帯電話機55を使用しているユーザのユーザID、携帯電話機55の機種などを示す情報であり、バーコードIDとともにコンテンツサーバへ送信される情報である。なお、携帯電話機55が2次元バーコードの読み取りを行ったときの時刻の代りに、携帯電話機55がコンテンツサーバへアクセスするときの時刻を用いてもよい。また、携帯電話機55の位置は、2次元バーコードの読み取りを行ったときの位置ではなく、携帯電話機55がコンテンツサーバへアクセスするときの位置を用いてもよい。
次いで、CPU505は、2次元バーコードからデコードした指定情報により指定される付加情報を取得する(ステップS542)。例えば、指定情報が、2次元バーコードの読み取りを行った時刻を指定している場合、CPU505は、内部クロックにより計時されている現在時刻を取得する。勿論、移動パケット通信網40から提供される、より高精度な現在時刻情報を付加情報として用いてもよい。
また、指定情報が、2次元バーコードの読み取りを行ったときの携帯電話機55の位置を指定している場合、CPU505は、基地局ID格納領域520bから読み出した基地局IDを付加情報として用いる。勿論、携帯電話機55がGPS機能を有している場合は、GPS機能を用いて測位した携帯電話機55の位置情報を付加情報として用いてもよい。また、CPU505は、上記第5実施形態において説明した位置情報サービスサーバや測位センタを利用して得た位置情報(緯度経度情報や住所)を付加情報として用いることもできる。
また、指定情報が、携帯電話機55を使用しているユーザのユーザIDを指定している場合、CPU505は、液晶画面にユーザIDの入力を促すメッセージを表示し、この表示に応じて入力されたユーザIDを付加情報として用いる。また、指定情報が、携帯電話機55の機種を指定している場合、CPU505は、機種情報格納領域520aから読み出した当該携帯電話機55の機種情報を付加情報として用いる。
この後、CPU505は、2次元バーコードからデコードしたURLを用いてコンテンツサーバにコンテンツ取得要求を送信する(ステップS543)。このコンテンツ取得要求には、読み取られた2次元バーコードのバーコードIDと、上記ステップS542において取得した付加情報(時刻情報、位置情報、ユーザID、機種情報のいずれか1以上)とが含まれている。このコンテンツ取得要求は、移動パケット通信網40およびインターネット20を介してコンテンツサーバへ送信される。
コンテンツサーバは、コンテンツ取得要求を受信すると、このコンテンツ取得要求に含まれているバーコードIDおよび付加情報に対応するコンテンツデータをメモリから読み出して(ステップS544)、このコンテンツデータを携帯電話機55へ送信する(ステップS545)。そして、携帯電話機55は、コンテンツサーバから受信したコンテンツデータを液晶画面に表示する(ステップS546)。
例えば、コンテンツサーバのメモリに図26に示した構成で各コンテンツデータが記憶されており、携帯電話機55から受信したコンテンツ取得要求に、バーコードID“BC000001231”と、時刻情報“11:35”とが含まれている場合、コンテンツサーバは、“10:00〜13:59”に対応するコンテンツデータを携帯電話機55へ送信し、このコンテンツデータが携帯電話機55の液晶画面に表示される。
また、コンテンツサーバのメモリに図27に示した構成で各コンテンツデータが記憶されており、携帯電話機55から受信したコンテンツ取得要求に、バーコードID“BC00005497”と、東京都内に設置されている基地局の基地局IDとが含まれている場合、コンテンツサーバは、例えば、受信した基地局IDを位置情報サービスサーバに送信して緯度経度情報や住所などを得て、携帯電話機55が関東地区に位置していることを割り出し、“関東地区”に対応するコンテンツデータを携帯電話機55へ送信する。そして、このコンテンツデータが携帯電話機55の液晶画面に表示される。なお、コンテンツサーバが、基地局IDを緯度経度情報や住所に変換に変換する機能を有している場合などは、位置情報サービスサーバを利用する必要はない。
このようにコンテンツサーバは、同じ2次元バーコードの読み取りに基づく携帯電話機55からのアクセスであっても、携帯電話機55が2次元バーコードの読み取りを行ったときの時刻や、2次元バーコードの読み取りを行ったときの携帯電話機55の位置、携帯電話機55を使用しているユーザ、携帯電話機55の機種などに応じて、提供するコンテンツを適宜異ならせることができる。また、携帯電話機55が読み取った2次元バーコードに応じたコンテンツをサーバから提供するので、コンテンツを2次元バーコードに記録情報として含ませてユーザに提供していた第5実施形態の場合に比べ、ユーザに提供するコンテンツのデータ量を飛躍的に増やせるので、例えば、動画像データやプログラムなども容易に提供可能である。
さらに、コンテンツサーバにおいて、各携帯電話機55からのコンテンツ取得要求に含まれているバーコードIDおよび付加情報の集計・分析処理を行なうようにすれば、2次元バーコードの読み取りに基づいてコンテンツサーバへアクセスしてきたユーザについて、2次元バーコードの読み取りを行った時間帯や地域、携帯電話機55の機種など、コンテンツビジネスを行う上で有益な情報を得ることができる。
なお、以上説明した第6実施形態では、2次元バーコード内に、携帯電話機55がコンテンツサーバへアクセスする際に必要となる付加情報(時刻、位置、ユーザID、機種)の種類を指定する指定情報が含まれている場合について説明した。しかしながら、2次元バーコード内に上述した指定情報を含まず、時刻や位置、機種やユーザID等の付加情報を携帯電話機55が自主的にコンテンツサーバへ送信する形態であってもよい。
また、付加情報は、携帯電話機55ではなく、コンテンツサーバが取得してもよい。但し、この場合、時刻情報は、コンテンツサーバが携帯電話機55からコンテンツ取得要求を受信した時刻となる。また、携帯電話機55の位置情報については、コンテンツサーバが、位置情報サービスサーバや測位センタあるいは移動パケット通信網40内のホームレジスタや交換機に対して、携帯電話機55の現在位置を問い合わせる。また、携帯電話機55の機種情報やユーザIDについては、Webブラウザを用いた通信であれば、UserAgentとして携帯電話機55から送信されたものを利用することが可能であるし、あるいは移動パケット通信網40の管理サーバから取得することもできる。
さらに、図29に示すように、付加情報をゲートウェイサーバ41において取得し、コンテンツ取得要求に付加するようにしてもよい。同図に示す処理の場合、まず、携帯電話機55は、2次元バーコードからコンテンツサーバのURLおよびバーコードIDをデコードし(ステップS561)、デコードしたURLを用いて、コンテンツサーバにコンテンツ取得要求を送信する(ステップS562)。このコンテンツ取得要求には、読み取られた2次元バーコードのバーコードIDと、付加情報の種類を指定する指定情報とが含まれている。
ゲートウェイサーバ41は、コンテンツ取得要求を受信すると、このコンテンツ取得要求の送信元となる携帯電話機55について、コンテンツ取得要求に含まれている指定情報により指定される付加情報を取得する(ステップS563)。例えば、指定情報が、時刻を指定している場合、ゲートウェイサーバ41は、当該ゲートウェイサーバ41の内部クロックにより計時されている現在時刻を取得する。また、指定情報が、携帯電話機55の位置を指定している場合、ゲートウェイサーバ41は、位置情報サービスサーバや測位センタあるいは移動パケット通信網40内のホームレジスタや交換機に対して携帯電話機55の現在位置を問い合わせ、当該位置情報を取得する。
また、指定情報が、携帯電話機55を使用しているユーザのユーザIDを指定している場合、ゲートウェイサーバ41は、当該ゲートウェイサーバ41に対してユーザが事前に登録しておいたユーザID、あるいはパケット通信サービスの加入者IDなどを取得する。また、指定情報が、携帯電話機55の機種を指定している場合、ゲートウェイサーバ41は、例えば、UserAgentとして携帯電話機55から送信されたものを利用する。
この後、ゲートウェイサーバ41は、携帯電話機55から受信したコンテンツ取得要求に、上記ステップS563において取得した付加情報を付加してコンテンツサーバへ信する(ステップS564)。コンテンツサーバは、コンテンツ取得要求を受信すると、このコンテンツ取得要求に含まれているバーコードIDおよび付加情報に対応するコンテンツデータをメモリから読み出して(ステップS565)、このコンテンツデータを携帯電話機55へ送信する(ステップS566)。そして、携帯電話機55は、コンテンツサーバから受信したコンテンツデータを液晶画面に表示する(ステップS567)。
このように、付加情報をゲートウェイサーバ41において取得してコンテンツ取得要求に付加するようにすると、付加情報を取得するための機能を携帯電話機55に備えさせる必要がない。また、携帯電話機55からゲートウェイサーバ41に到る通信量を付加情報の分だけ減らせるので、移動パケット通信網40におけるトラフィックを低減できる。
なお、通信事業者は、携帯電話機55のユーザとパケット通信サービスの加入契約を結ぶ際に、年齢や性別などユーザに関する様々な情報を取得している。したがって、付加情報の取得をゲートウェイサーバ41で行う場合には、付加情報としてユーザの年齢や性別などの情報を用いてもよい。また、このようにして、ゲートウェイサーバ41において、コンテンツビジネスを行う上で有益となる情報をコンテンツ取得要求に付加してコンテンツプロバイダへ提供するサービスを情報付加サービスとして実施し、当該サービスの利用契約を結んだコンテンツプロバイダからサービス利用料金を徴収するようにしてもよい。
また、付加情報の取得は、ゲートウェイサーバ41ではなく、例えば基地局42で行うようにしてもよい。特に、基地局42で付加情報の取得を行うようにすると、取得する付加情報が携帯電話機55の位置情報である場合に、自局42の基地局IDを取得すればよいので、ホームレジスタなどにアクセスする必要がない。
また、上記第6実施形態において、以下に説明するような制御を行うようにしてもよい。すなわち、まず、2次元バーコードには、ネットワーク上におけるコンテンツの所在を示すURLと、この2次元バーコードのバーコードIDとが記録されている。なお、URLのみで十分にコンテンツが特定可能である場合には、バーコードIDを2次元バーコードに記録情報として含ませる必要はない。また、携帯電話機55の不揮発性メモリ520にコンテンツサーバの通信アドレスが予め登録されていれば、バーコードIDのみを2次元バーコードに記録情報として含ませておけばよく、URLを2次元バーコードに記録情報として含ませる必要はない。
携帯電話機55は、2次元バーコードからデコードしたURLにより特定されるコンテンツサーバに対して、バーコードIDを含んだコンテンツ取得要求を送信する。そして、コンテンツサーバは、受信したコンテンツ取得要求に含まれているバーコードIDに対応付けて記憶している複数のコンテンツと、当該各コンテンツの使用を許可する条件を示した使用条件情報とを携帯電話機55に送信する。例えば、コンテンツサーバ内に図26に示した状態でコンテンツデータが記憶されており、携帯電話機55から受信したコンテンツ取得要求にバーコードID“BC000001231”が含まれていた場合、コンテンツサーバは、図26に示した計3つのコンテンツデータと各コンテンツデータに対応付けられている時間帯情報とを携帯電話機55に送信する。
携帯電話機55は、コンテンツサーバから受信した各コンテンツデータおよびその使用条件情報を不揮発性メモリ520に格納する。そして、このようにして不揮発性メモリ520に格納されたコンテンツデータを読み出して使用する際に、携帯電話機55は、読み出しが指示されたときの現在時刻や自機55の位置、入力されたユーザID、あるいは機種情報を取得し、不揮発性メモリ520に格納されている各コンテンツデータのうち、取得した情報に該当するコンテンツデータのみを読み出して液晶画面に表示する。
[G.第7実施形態]
次に、第7実施形態では、2次元バーコードを用いて提供するコンテンツデータに暗号化を施す場合について説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と共通する部分については同一の符号を使用するものとする。また、第1実施形態と共通する部分についてはその説明を省略するものとする。
図30は、暗号化されたコンテンツデータを記録情報として含んでいる2次元バーコード(以下、暗号化2次元バーコードと記載する)を用いたデータ提供サービスの概要を例示する図である。暗号化2次元バーコードを用いてデータの提供を行いたいコンテンツプロバイダは、まず、移動パケット通信網40の通信事業者との間で、暗号化2次元バーコードの使用に関するサービス契約を結ぶ。コンテンツプロバイダは、このサービス契約を結ぶことで、通信事業者が提供するパケット通信サービスの加入契約者であって、2次元バーコードの読み取り機能を有する携帯電話機の所有者に対して、暗号化2次元バーコードを用いたコンテンツデータの提供を行うことができるようになる。
また、通信事業者は、サービス契約を結んだコンテンツプロバイダに対して、コンテンツプロバイダ毎に固有の暗号キーAを発行する(ステップS581)。この暗号キーAは、暗号化2次元バーコードに記録情報として含ませるコンテンツデータを暗号化するために用いられる。また、この暗号キーAは、携帯電話機において、暗号化2次元バーコードからデコードしたコンテンツデータに施されている暗号化をデコードするために用いられる場合もある。
なお、図31に示すように、コンテンツプロバイダは、通信事業者から発行された暗号キーAと、コンテンツプロバイダ自身が管理する暗号キーBとを用いて、コンテンツデータの暗号化を行う。このように暗号キーBは、コンテンツデータの暗号化と、コンテンツデータに施された暗号化のデコードとに用いられ、コンテンツデータを利用することのできるユーザを、1または複数の特定のユーザのみに制限する。この暗号キーBには、例えば、コンテンツプロバイダがユーザに対して発行したユーザIDや、ユーザがコンテンツプロバイダに対して事前に登録した本人認証用のパスワードなどが用いられる。
なお、暗号キーBの使用はオプションである。コンテンツデータの暗号化に際して、暗号キーAのみを用いることとするのか、それとも暗号キーAおよび暗号キーBの両方を用いることとするのかは、コンテンツプロバイダが任意に選択することができる。
そして、このようにして、暗号キーAのみ、あるいは暗号キーAおよび暗号キーBを用いて暗号化されたコンテンツデータに基づいて、暗号化2次元バーコードが生成される。
また、コンテンツプロバイダは、暗号化2次元バーコードに記録情報として含まれているコンテンツデータの暗号化を、携帯電話機においてデコードするための暗号化デコード用ソフトウェアを作成する。この暗号化デコード用ソフトウェアは、例えば、Java(登録商標)プログラミング言語で記述された携帯電話機用のアプリケーションプログラムとして作成される。なお、通信事業者は、暗号キーAのみでなく、暗号化デコード用ソフトウェアを、サービス契約を結んだコンテンツプロバイダに提供するようにしてもよい。また、暗号化デコード用ソフトウェアは、暗号化されたコンテンツデータを2次元バーコードからデコードする機能と、コンテンツデータに施されている暗号化をデコードする機能とをまとめたものであってもよい。
図30に戻り、コンテンツプロバイダは、作成した暗号化デコード用ソフトウェアを、例えば、自身のホームページから携帯電話機がダウンロードできるようにして、この暗号化デコード用ソフトウェアをユーザに提供する(ステップS582)。ユーザは、コンテンツプロバイダのホームページから暗号化デコード用ソフトウェアを自己の携帯電話機にダウンロードしてインストールする。
また、コンテンツプロバイダは、例えば、会員証などのカードに暗号化2次元バーコードを印刷する(ステップS583)。ユーザが、会員証などのカードに印刷されている暗号化2次元バーコードを携帯電話機により読み取ると、携帯電話機は、まず、暗号化されたコンテンツデータを暗号化2次元バーコードからデコードする(ステップS584)。次いで、携帯電話機は、暗号化デコード用ソフトウェアに従って、コンテンツデータに施された暗号化をデコードし(ステップS585)、デコードされたコンテンツデータを、例えば液晶画面に表示する(ステップS586)。
また、コンテンツプロバイダは、ユーザに対して暗号化2次元バーコードを用いたデータ提供サービスを実施している間、例えば、月毎に暗号キーAの使用料金を通信事業者に支払う(ステップS587)。勿論、暗号キーAの使用料金は、サービス契約を結んだ際に一定の金額が支払われる形態であってもよい。
図32は、本実施形態に係る携帯電話機56が、暗号化2次元バーコードを読み取ってからコンテンツデータを出力するまでの過程を説明するための図である。同図に示すように、携帯電話機56の不揮発性メモリ510には、コンテンツプロバイダから提供された暗号化デコード用ソフトウェア510bと、2次元バーコードから暗号化されたコンテンツデータをデコードするためのバーコードデコード用ソフトウェア510aとが格納されている。
勿論、暗号化デコード用ソフトウェア510bとバーコードデコード用ソフトウェア510aの両方の機能を有するデコード用ソフトウェア510cが不揮発性メモリ510に格納されていてもよい。また、暗号化デコード用ソフトウェア510bおよびバーコードデコード用ソフトウェア510aの代りに、これらのソフトウェアと同等の機能を果たすハードウェアを携帯電話機56に備える構成としてもよい。
携帯電話機56において、暗号化デコード用ソフトウェア510bの起動が操作入力などにより指示されると、まず、CPU505は、暗号化デコード用ソフトウェア510bとバーコードデコード用ソフトウェア510aとを起動する。次いで、CPU505は、起動させた暗号化デコード用ソフトウェア510bおよびバーコードデコード用ソフトウェア510aに従って、暗号化2次元バーコードの読み取り開始指示をCCDカメラ504へ送信する(ステップS591〜S593)。
CCDカメラ504は、読み取り開始指示を受信すると、暗号化2次元バーコードを含む画像を撮像し(ステップS594)、当該撮像画像の画像データを生成してRAM509に格納する。この後、CCDカメラ504は、撮像終了指示をCPU505に送信する(ステップS595)。これに応じてCPU505は、バーコードデコード用ソフトウェア510aに基づく処理を開始し、まず、RAM509に格納されている画像データを解析して、この画像内から2次元バーコードの画像を識別する。次いで、CPU505は、バーコードデコード用ソフトウェア510aに従って、暗号化2次元バーコードの画像から、暗号化されたコンテンツデータをデコードし、これをRAM509に格納する。この後、CPU505は、バーコードデコード用ソフトウェア510aによる処理を終了する(ステップS596)。
次いで、CPU505は、暗号化デコード用ソフトウェア510bに基づく処理を開始し、RAM509に格納されている暗号化されたコンテンツデータのデコードを行なう。なお、コンテンツプロバイダがコンテンツの暗号化の際に暗号キーAに加え、暗号キーBを用いている場合、CPU505は、暗号化のデコードを行なう際に、液晶画面にユーザIDやパスワードなどの入力を促すメッセージを表示し、この表示に応じて入力された情報を用いて、暗号化されたコンテンツデータをデコードする。また、ユーザIDやパスワードの代りに、電話番号や製造番号などの携帯電話機55に固有な識別情報を用いてもよい。そして、この後、CPU505は、デコードしたコンテンツデータを液晶画面に表示する(ステップS597)。
なお、携帯電話機56は、撮像された画像内から暗号化2次元バーコードの画像を識別できなかった場合や、かろうじて暗号化2次元バーコードの画像を識別できたものの、十分な画像解像度を得ていないため暗号化2次元バーコードの画像からコンテンツデータをデコードできなかった場合などに、暗号化2次元バーコードを含む画像を再度撮像するようユーザに促すメッセージを液晶画面に表示し、暗号化2次元バーコードに関する読取処理をリトライする機能を有している。
また、暗号化2次元バーコードに、暗号化デコード用ソフトウェア510bを指定する情報を非暗号化データとして付加し、当該情報に応じた暗号化デコード用ソフトウェア510bが携帯電話機56において自動的に起動されるようにしてもよい。この場合、携帯電話機56においては、操作入力などによりバーコード読取モードが選択されると、まず、バーコードデコード用ソフトウェア510aが起動され、当該バーコードデコード用ソフトウェア510aに従って、暗号化されたコンテンツデータが暗号化2次元バーコードからデコードされる。この後、暗号化2次元バーコードに含まれている、暗号化デコード用ソフトウェア510bを指定する情報により特定される暗号化デコード用ソフトウェア510bが起動され、当該暗号化デコード用ソフトウェア510bに従って、コンテンツデータに施されている暗号化がデコードされる。
以上説明したように2次元バーコードに記録情報として含ませるコンテンツデータに暗号化を施せば、暗号化デコード用ソフトウェア510bがインストールされている携帯電話機56のみが、2次元バーコードから暗号化されたコンテンツデータをデコードし、このコンテンツデータを利用することができる。加えて、暗号キーBを用いれば、さらに特定の1または複数のユーザのみに限定してコンテンツデータを提供することができる。したがって、2次元バーコードを用いてデータの提供を行う際にセキュリティを確保することができるので、例えば、電話番号や住所、メールアドレスなどの個人情報を送る際などに暗号化2次元バーコードを用いることが有効である。
[H.変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形態で実施することが可能である。上述した各実施形態は、それぞれ本発明の一態様を例示したものに過ぎず、変形例としては、例えば、以下のようなものが考えられる。
<変形例1>
上述した各実施形態では、CCDカメラ504とデコード用ソフトウェア510aとにより構成される2次元バーコードの読み取り機能を携帯電話機50,51が有している場合について説明した。しかしながら、図33に示すように、携帯電話機52が有する2次元バーコードの読み取り機能は、バーコードリーダ552と、当該バーコードリーダ552を制御するためのバーコードリーダ用ドライバ551と、により構成されていてもよい。また、この場合、バーコードリーダ552が携帯電話機52に対して着脱自在であってもよいことは勿論である。
<変形例2>
上述した第4実施形態において、2次元バーコードの記録情報として、さらに2次元バーコードに含まれるURLに基づくアクセスの有効期間を示す情報を加え、ゲートウェイサーバ41においてアクセスの有効期間内であるか否かを判定する構成としてもよい。
図34は、本変形例2に係る通信システム各部の動作を説明するシーケンスチャートである。本変形例2においても上述した第4実施形態と同様に、2次元バーコードに変換されるコンテンツデータには、このコンテンツに関するより詳細な情報を提供するサイトのURLが含まれている(図17参照)。
コンテンツプロバイダは、このようなURLを含んだコンテンツデータと、このURLを用いて携帯電話機50がサイトへアクセスすることの可能な期間を示す有効期間情報(例えば、サイトへのアクセスを可能とするアクセス開始期限およびアクセスを不可とするアクセス終了期限)とを開発マシン10Aからバーコード発行サーバ30へ送信する。なお、上記有効期間情報は、例えば、サイトへのアクセスを不可とするアクセス終了期限のみにより構成されるものであってもよい。
バーコード発行サーバ30は、開発マシン10Aから受信したコンテンツデータと、今回新たに発行する2次元バーコードに割り当てたバーコードIDとを記録情報として有する2次元バーコードを生成し(ステップS601)、当該2次元バーコードの画像データを開発マシン10Aへ返信する。また、バーコード発行サーバ30は、発行した2次元バーコードのバーコードIDと、開発マシン10Aから受信した有効期間情報とをゲートウェイサーバ41に送信する(ステップS602)。
ゲートウェイサーバ41は、図35に示す中継管理テーブル410bをメモリに記憶しており、バーコード発行サーバ30からバーコードIDおよび有効期間情報を受信すると、当該バーコードIDおよび有効期間情報を中継管理テーブル410bに追加する。
一方、携帯電話機50は、コンテンツプロバイダにより物品などに添付された2次元バーコードを読み取り、当該2次元バーコードからコンテンツデータおよびバーコードIDをデコードする。そして、携帯電話機50は、デコードしたコンテンツデータ(図17参照)を液晶画面に表示する。この表示に応じて、操作入力により、画面表示されているURLが指定され、このURLにより指定されるサイトへのアクセスが指示されると、携帯電話機50は、指定されたURLと、このコンテンツデータとともにデコードされたバコードIDとを含んだ接続要求を基地局42へ送信する。この接続要求は、基地局42から交換機を介してゲートウェイサーバ41へ送信される(ステップS603)。
ゲートウェイサーバ41は、携帯電話機50から接続要求を受信すると、当該接続要求に含まれているバーコードIDに対応する有効期間情報を中継管理テーブル410bから読み出す。そして、ゲートウェイサーバ41は、読み出した有効期間情報と、当該ゲートウェイサーバ41に備わる内部クロックにより計時されている現在時刻とを比較して、サイトへのアクセスの有効期間内であるか否かを判定する(ステップS604)。
その結果、ゲートウェイサーバ41は、有効期間外であると判定した場合(ステップS605:No)、有効期間外であることを示すメッセージを携帯電話機50へ通知した後、受信した接続要求に基づく通信の中継を行わずに処理を終了する。
また、ゲートウェイサーバ40は、有効期間内であると判定した場合(ステップS605:Yes)、接続要求に含まれているURLにより指定されるコンテンツサーバへ接続要求を送信し(ステップS606)、携帯電話機50とコンテンツサーバとの通信を中継する(ステップS607)。なお、同図に示すステップS608以降の処理は、図16に示したステップS506〜S509までの処理と同じであるので説明を省略する。
以上説明したように、2次元バーコードに含まれるURLを用いたアクセスの有効期間をゲートウェイサーバ41において判定するようにしてもよい。なお、上述したアクセスの有効期間情報を2次元バーコードに管理情報として含ませて、携帯電話機50が2次元バーコードに含まれるURLに基づいてサイトへのアクセスを行う際、携帯電話機50にてサイトへのアクセスの有効期間内であるか否かを判定し、有効期間外である場合は通信を行わないようにする構成であってもよい。
<変形例3>
上述した第1実施形態では、コンテンツデータの読み取り有効期間を示す有効期間情報を2次元バーコードに管理情報として含ませる場合について説明した。しかしながら、上記有効期間情報をバーコードIDと対応付けてゲートウェイサーバ41に記憶し、携帯電話機50が2次元バーコードからデコードしたコンテンツデータの使用許可をゲートウェイサーバ41に求める構成としてもよい。
図36は、本変形例3に係る通信システム各部の動作を説明するシーケンスチャートである。まず、コンテンツプロバイダは、2次元バーコードに変換してもらいたいコンテンツデータと、このコンテンツデータの読み取り有効期間を示す有効期間情報とを開発マシン10Aからバーコード発行サーバ30へ送信する(ステップS701)。
バーコード発行サーバ30は、開発マシン10Aから受信したコンテンツデータと、今回新たに発行する2次元バーコードに割り当てたバーコードIDとを記録情報として有する2次元バーコードを生成し(ステップS702)、当該2次元バーコードの画像データを開発マシン10Aへ返信する(ステップS703)。また、バーコード発行サーバ30は、発行した2次元バーコードのバーコードIDと、開発マシン10Aから受信した有効期間情報とをゲートウェイサーバ41に送信する(ステップS704)。
ゲートウェイサーバ41は、バーコード発行サーバ30からバーコードIDおよび有効期間情報を受信すると、当該バーコードIDおよび有効期間情報を内部メモリに記憶する。
一方、携帯電話機50は、コンテンツプロバイダにより物品などに添付された2次元バーコードを読み取り、当該2次元バーコードからコンテンツデータおよびバーコードIDをデコードする(ステップS705)。この後、携帯電話機50は、2次元バーコードのデコードがコンテンツデータの読み取り有効期間内に行われたか否かをゲートウェイサーバ41に問い合わせる。すなわち、携帯電話機50は、2次元バーコードからデコードされたバーコードIDを含んだ使用許可要求をゲートウェイサーバ41へ送信する(ステップS706)。
ゲートウェイサーバ41は、携帯電話機50から使用許可要求を受信すると、当該使用許可要求に含まれているバーコードIDに対応する有効期間情報を内部メモリから読み出す。次いで、ゲートウェイサーバ41は、読み出した有効期間情報と、内部クロックにより計時されている現在時刻とを比較して、コンテンツデータの読み出し有効期間内であるか否かを判定する(ステップS707)。そして、ゲートウェイサーバ41は、判定結果示す結果通知を携帯電話機50へ送信する(ステップS708)。
携帯電話機50は、ゲートウェイサーバ41からの結果通知を受信すると、その判定結果に基づいてコンテンツデータの使用可否を決定する(ステップS709)。すなわち、携帯電話機50は、コンテンツデータの読み出し有効期間内であるとの結果通知を受信した場合、このコンテンツデータの使用を許可し、表示や外部機器への出力を認める。一方、携帯電話機50は、コンテンツデータの読み出し有効期間外であるとの結果通知を受信した場合、このコンテンツデータの使用を不許可とし、読み取り有効期間外であることを示すメッセージを液晶画面に表示するとともに、このコンテンツデータを破棄する。
なお、有効期間の判定は、ゲートウェイサーバ41ではなく、バーコード発行サーバ30などインターネット20上のサーバにて行われる構成であってもよい。
<変形例4>
上述した第4実施形態および変形例2では、2次元バーコードに変換されるコンテンツデータに、このコンテンツに関するより詳細な情報を提供するサイトのURLが含まれている場合について説明した。しかしながら、2次元バーコードには、2次元バーコードの管理を行う管理サーバのURLが含まれており、2次元バーコードからデコードしたコンテンツに関するサイトのURLを携帯電話機50が上記管理用サーバから取得する構成としてもよい。
図37は、本変形例4に係る通信システム各部の動作を説明するシーケンスチャートである。まず、コンテンツプロバイダは、2次元バーコードに変換してもらいたいコンテンツデータと、このコンテンツデータに関するサイトのURLと、このコンテンツデータの読み取り有効期間を示す有効期間情報とを開発マシン10Aからバーコード発行サーバ30へ送信する(ステップS801)。
バーコード発行サーバ30は、開発マシン10Aから受信したコンテンツデータと、今回新たに発行する2次元バーコードに割り当てたバーコードIDと、管理サーバ90のURLとを記録情報として有する2次元バーコードを生成し(ステップS802)、当該2次元バーコードの画像データを開発マシン10Aへ返信する(ステップS803)。また、バーコード発行サーバ30は、発行した2次元バーコードのバーコードIDと、開発マシン10Aから受信した有効期間情報およびサイトのURLとを管理サーバ90に送信する(ステップS804)。
管理サーバ90は、インターネット20に接続されたサーバであって、図38に示すURL管理テーブル900aをメモリに記憶している。管理サーバ90は、バーコード発行サーバ30からバーコードID、有効期間情報およびサイトのURLを受信すると、これらのデータをURL管理テーブル900aに追加する。
一方、携帯電話機50は、コンテンツプロバイダにより物品などに添付された2次元バーコードを読み取り、当該2次元バーコードからコンテンツデータ、バーコードIDおよび管理サーバ90のURLをデコードする(ステップS805)。そして、携帯電話機50は、デコードしたコンテンツデータを液晶画面に表示する(図39参照)。この表示に応じて操作入力によりURL取得ボタンがクリックされると、携帯電話機50は、2次元バーコードからデコードしたバーコードIDを含んだURL取得要求を移動パケット通信網40を介して管理サーバ90へ送信する(ステップS806)。
管理サーバ90は、携帯電話機50からURL取得要求を受信すると、当該URL取得要求に含まれているバーコードIDに対応する有効期間情報をURL管理テーブル900aから読み出す。そして、管理サーバ90は、読み出した有効期間情報と、当該管理サーバ90に備わる内部クロックにより計時されている現在時刻とを比較して、コンテンツデータの読み出し有効期間内であるか否かを判定する(ステップS807)。
その結果、管理サーバ90は、有効期間外であると判定した場合(ステップS808:No)、有効期間外であることを示すメッセージを携帯電話機50へ通知した後、処理を終了する。また、管理サーバ90は、有効期間内であると判定した場合(ステップS808:Yes)、URL取得要求に含まれているバーコードIDに対応するURLをURL管理テーブル900aから読み出し、当該URLを携帯電話機50へ送信する(ステップS809)。これにより携帯電話機50は、2次元バーコードからデコードしたコンテンツに関するサイトのURLを取得することができ、以後、このURLを用いて上記サイトにアクセスすることが可能となる。
なお、管理サーバ90のURLは、必ずしも2次元バーコードに含まれている必要はなく、携帯電話機50の不揮発性メモリ510に記憶されていればよい。また、管理サーバ90とバーコード発行サーバ30とは同一のサーバであってもよい。さらに、管理サーバ90は、移動パケット通信網40内に設けられていてもよい。
<変形例5>
上述した各実施形態において、バーコード発行サーバ30はインターネット20に接続されている構成とした。しかしながら、バーコード発行サーバ30は、専用線を介して移動パケット通信網40のゲートウェイサーバ41に直接接続されている構成や、移動パケット通信網40内に設置されている構成であってもよい。
<変形例6>
上述した第1実施形態において、バーコード発行センタは、コンテンツプロバイダから提出されたコンテンツが有害なコンテンツではないこと、あるいは携帯電話機50において不具合を引き起こすものでないことなどを審査して、審査に合格したコンテンツについてのみ、2次元バーコードに変換するようにしてもよい。
<変形例7>
例えば、上述した第1および第5実施形態において、携帯電話機50,55は、ROM508または不揮発性メモリ510,520に記憶されているプログラムに従って、2次元バーコードからデータをデコードして出力する処理を行うが、このような本発明に係る処理を実行するためのプログラムを携帯電話機50,55に対して通信により提供する形態としてもよい。勿論、光記録媒体や磁気記録媒体、半導体メモリ等の記録媒体を用いて上記プログラムを携帯電話機50,55に提供するようにしてもよい。但し、この場合には、記録媒体からプログラムを読み出すための記録媒体ドライブを携帯電話機50,55に設ける必要がある。
<変形例8>
2次元バーコードとして提供されるコンテンツデータの内容や2次元バーコードをユーザへ提供する形態は、上述した各実施形態にて説明したもの以外に様々な形態が考えられる。例えば、2次元バーコードとして提供されるコンテンツデータとしては、商品に関する情報や問い合わせ先、商品の内容をより詳しく紹介しているホームページのURLなどを示した商品情報、店の所在地を示した地図や定休日、販売商品などを示した店舗紹介情報、電車やバスの時刻表データ、携帯電話機50の待ち受け画像データや着信メロディデータ、新聞や雑誌の記事などが考えられる。また、2次元バーコードをユーザへ提供する形態としては、街頭や店頭のポスター、看板、電車の中吊広告、名刺、一般商品などに2次元バーコードを印刷する形態や、テレビ画面やパソコン画面などに2次元バーコードを表示する形態などが考えられる。
<変形例9>
上述した各実施形態では、マトリクス型の2次元バーコードを用いた場合について説明した。しかしながらスタック型の2次元バーコードを用いてもよいことは勿論であり、さらには2次元バーコードではなく、1次元バーコードなどであってもよい。要は、電子機器が光学的に読み取り可能な図像で表されるコードであればよい。また、コードの読み取り方式もCCDラインセンサ方式やレーザ方式などであってもよい。
また、本発明が適用可能な電子機器は、携帯電話機50に限定されるものではなく、例えば、PHS(登録商標)端末やPDA、パーソナルコンピュータ、各種の家電製品など、図像で表されるコードを光学的に読み取る機能を有する電子機器であればよい。加えて、移動パケット通信網40は、PHS網や公衆無線LAN、社内LANなどであってもよい。
1,2……通信システム、10A……開発マシン、10B……プリンタ、20……インターネット、30……バーコード発行サーバ、40……移動パケット通信網、41……ゲートウェイサーバ、42……基地局、50,51,52,55,56……携帯電話機、60……プリンタ、70……通信料金管理サーバ、80……パーソナルコンピュータ、90……管理サーバ、301……通信インタフェース、302……操作入力部、303……表示部、304……バーコード変換デバイス、305……プリンタドライバ、306……CPU、307……ROM、308……RAM、309……HD、309a……バーコード発行管理DB、309b,309c,309d……料金テーブル、310……バス、410a,410b……中継管理テーブル、501……無線通信部、501a……アンテナ、502……操作入力部、503……通話処理部、504……CCDカメラ、505……CPU、506……液晶表示部、507……記憶部、508……ROM、509……RAM、510,520……不揮発性メモリ、510a……バーコードデコード用ソフトウェア、510b……暗号化デコード用ソフトウェア、510c……アプリケーションソフトウェア、511……バス、512……通信インタフェース、520a……機種情報格納領域、520b……基地局ID格納領域、551……バーコードリーダ用ドライバ、552……バーコードリーダ、900a……URL管理テーブル。